JP4929566B2 - アミノフェノール化合物、熱硬化性樹脂およびその製造法 - Google Patents

アミノフェノール化合物、熱硬化性樹脂およびその製造法 Download PDF

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Description

本発明は、アミノフェノール化合物、熱硬化性樹脂およびその製造法に関する。
フェノール樹脂などに代表される熱硬化性樹脂は、耐熱性、機械的強度、絶縁性、耐湿性などに優れ、電子材料、自動車部材、接着剤など様々な分野で用いられている。しかしながら、特に電子材料分野など、さらに厳しい耐熱性を要求されている先端分野における要求すべてを満足する材料は、いまだに得られていないのが現状である。
特に、350℃以上の高温域においても高い熱安定性が要求される先端分野においては、樹脂の熱分解開始温度が350℃よりも低い場合、加熱時の寸法安定性に悪影響を与えたり、高温環境において樹脂より発生したガスが、これらの樹脂を用いた製品の品質に影響を及ぼすだけでなく、成形用金型などに付着することより、これらの樹脂を用いた成形品の外観不良などの問題を発生する恐れがある。
この改善策として、熱的に架橋可能な炭素−炭素3重結合に着目し、樹脂にアセチレン基を導入することで
熱硬化後の樹脂構造を3次元網目構造状とし、耐熱性を向上させた熱硬化性樹脂に関する技術が開示されている。その例としては、フェノール樹脂にプロパルギルエーテル基を高密度に導入した熱硬化性に関する技術(例えば、特許文献1参照。)、ポリフェノールにエチニル基を導入した熱硬化性に関する技術(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)などである。しかしながら、これらの熱硬化性樹脂の熱分解開始温度は350℃付近であり、350℃以上の高温域での耐熱性に懸念が残る。
特表平1−503541号公報(第1−3頁および第8頁) 特開平9−107984号公報 特開2000−63499号公報
解決しようとする問題は、上記諸問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは優れた耐熱性を有する熱硬化性樹脂の原料として好適に用いることができるアミノフェノール化合物を提供することにある。
また、本発明の目的は、350℃以上においても優れた耐熱性を示す熱硬化性樹脂およびその製造法を提供することを目的としてなされたものである。
このような目的は、下記第1項〜第項の本発明により達成される。
1. 炭素−炭素3重結合を含む基とo−アミノヒドロキシフェノキシ構造を含む基とを有する芳香族基を主鎖に有し、一般式(1)で表される構造を有するアミノフェノール化合物
Figure 0004929566

(式中のArは、フェニレン基を示す。Xは、メチレン基またはアダマンチルメチレン基を示す。Yはアダマンチル基を示す。式中のmは、2以上、10000以下の整数を示す。式中のnは、1以上、3以下の整数を示す。)
. 炭素−炭素3重結合を含む基とo−アミドヒドロキシフェノキシ基とを有する芳香族基を主鎖に有し、一般式(4)で表される構造を有する熱硬化性樹脂
Figure 0004929566

(式中のArは、フェニレン基を示す。Rはアダマンチルエチニルフェニル基を示す。Xは、メチレン基またはアダマンチルメチレン基を示す。Yはアダマンチル基を示す。式中のmは、2以上、10000以下の整数を示す。式中のnは、1以上、3以下の整数を示す。)
. 前記一般式(1)で表される構造を有する化合物と、ハロゲン化カルボン酸化合物またはエステル化カルボン酸化合物とを縮合反応させてアミド結合を生成することを特徴とする、前記一般式(4)で表される構造を有する熱硬化性樹脂の製造法。
本発明によれば、優れた耐熱性を有する熱硬化性樹脂の原料として好適に用いることができるアミノフェノール化合物を提供することができる。
また本発明によれば、加熱時の熱安定性が飛躍的に向上し、350℃以上の高温域においても優れた耐熱性を示す熱硬化性樹脂を提供できる。また、該熱硬化性樹脂は、前記アミノフェノール化合物を用いて容易に製造することが可能である。
本発明は、炭素−炭素3重結合を含む基とアミノフェノール構造を含む基とを有する芳香族基を主鎖に有するアミノフェノール化合物であり、前記アミノフェノール構造としては、o−アミノヒドロキシフェノキシ構造が挙げられ、この構造を有するものとして、一般式(1)で表される構造を有するものが挙げられる。これらは熱硬化性樹脂原料として好適に用いることができる。さらに詳しくは、例えば、前記アミノフェノール化合物を、適切な条件下で、芳香族カルボン酸塩化物および芳香族カルボン酸エステルなどの芳香族カルボン酸などと反応させることにより、加熱によりベンゾオキサゾールに変換可能なヒドロキシアミド構造を有する樹脂を得ることができるため、該アミノフェノール化合物は、熱硬化性樹脂原料として好適に用いることができる。
また、本発明は、炭素−炭素3重結合を含む基とアミドフェノール構造を含む基とを有する芳香族基を主鎖に有する熱硬化性樹脂であり、前記アミドフェノール構造としては、o−アミドヒドロキシフェノキシ構造が挙げられ、この構造を有するものとして、一般式(4)で表される構造を有するものが挙げられる。さらに具体的には、一般式(4)の中のRとして炭素−炭素3重結合を含む基を有するもの、または、一般式(5)または一般式(6)で表される構造を有するものが挙げられる。
また、これらの熱硬化性樹脂を加熱することにより、ヒドロキシアミド構造の脱水閉環によってベンゾオキサゾール環が形成される。さらに、炭素−炭素3重結合を有する場合、その熱架橋反応によって、樹脂構造を3次元化させることにより、優れた耐熱性を有する樹脂を得ることができる。
また、本発明のアミノフェノール化合物または熱硬化性樹脂がダイヤモンドイド構造を含む基を有する場合、耐熱性、優れた機械的強度及び電気特性を付与することができる。
本発明において、一般式(1)および一般式(4)および一般式(5)および一般式(6)中のArで表される芳香族基としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、ビナフチルジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ビフェニルジイル基、ビフェニレンジイル基、フルオレンジイル基、ビフェニルフルオレンジイル基およびピリジンジイル基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの基中の水素原子は、脂肪族基、芳香族基およびフッ素原子で置換されていてもよい。前記水素原子を置換する脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキル基:、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基などの炭素数が1以上、20以下のアルコキシ基:、ビニル基、プロペニル基およびブチニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルケニル基:、エチニル基、プロピニル基、およびブチニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキニル基:、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびビアマンチル基およびビアダマンチル基などの脂環式脂肪族基:、などが挙げられ、前記水素原子を置換することができる芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基およびナフトキシ基:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記水素原子を置換することができる脂肪族基および芳香族基中の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。
本発明において、一般式(1)および一般式(4)および一般式(5)および一般式(6)中のXで表される基としては、脂肪族基、芳香族基、スルホニル基または酸素原子の中から選ばれる少なくとも1種の基を含む基であり、前記脂肪族基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基およびブチレン基などの炭素数が1以上、20以下のアルキレン基、ビニレン基、プロペニレン基およびブチニレン基などの炭素数が1以上、20以下のアルケニレン基、エチニレン基、プロピニレン基およびブチニレン基などの炭素数が1以上、20以下のアルキニレン基、などが挙げられ、前記芳香族基としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、ビフェニルジイル基、フルオレンジイル基、ビフェニルフルオレンジイル基およびピリジンジイル基、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記脂肪族基および芳香族基の内、式(2)で表される基の中から選ばれる基が好ましい。これらの基中の水素原子は、脂肪族基、芳香族基およびフッ素原子で置換されていてもよい。前記水素原子を置換することができる脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などのなどの炭素数が1以上、20以下のアルキル基:、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基などの炭素数が1以上、20以下のアルコキシ基:、ビニル基、プロペニル基およびブチニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルケニル基:、エチニル基、プロピニル基、およびブチニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキニル基:、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびビアマンチル基およびビアダマンチル基などの脂環式脂肪族基:、などが挙げられ、前記水素原子を置換することができる芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基およびナフトキシ基:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記水素原子を置換することができる脂肪族基および芳香族基中の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。
本発明において、主鎖の芳香族基に有する炭素−炭素3重結合を含む基としては、例えば、エチニル基、プロペニル基、ブチニル基、フェニルエチニル基、アダマンチルエチニル基、などが挙げられ、さらに、前記一般式(1)および一般式(4)および一般式(5)および一般式(6)中の主鎖の芳香族基に有する炭素−炭素3重結合を含む基のYとして、例えば、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、アダマンチル基、フェニル基、フェノキシフェニル基、ナフチル基、およびアントリル基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの基中の水素原子は、脂肪族基、芳香族基およびフッ素原子で置換されていても良い。前記脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキル基:、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基などの炭素数が1以上、20以下のアルコキシ基:、ビニル基、プロペニル基およびブテニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルケニル基:、エチニル基、プロピニル基およびブチニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキニル基:、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびビアダマンチル基などの脂環式脂肪族基:、などが挙げられ、前記芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基およびナフトキシ基:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記脂肪族基および芳香族基中の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
本発明において一般式(1)で表される構造を有する化合物としては、例えば、ポリ(4−エチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(4−エチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(4−エチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(4−フェニルエチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(4−フェニルエチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(4−フェニルエチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)およびポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)などのポリ(アリーレンメチレン)構造を有する化合物:、ポリ(4−エチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンビニレン)、ポリ(4−フェニルエチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンビニレン)およびポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンビニレン)などのポリ(アリーレンビニレン)構造を有する化合物:、ポリ(4−エチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンエチニレン)、ポリ(4−フェニルエチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンエチニレン)およびポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンエチニレン)、などのポリ(アリーレンエチニレン)構造を有する化合物:、ポリ(4−エチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンエーテル)、ポリ(4−フェニルエチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンエーテル)およびポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンエーテル)、などのポリ(アリーレンエーテル)構造を有する化合物:、ポリ(4−エチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンスルホニル)、ポリ(4−フェニルエチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンスルホニル)およびポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンスルホニル)、などのポリ(アリーレンスルホニル)構造を有する化合物:、ポリ(4−エチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン)、ポリ(4−フェニルエチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン)、ポリ(4−エチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンフェニレン)、ポリ(4−フェニルエチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンフェニレン)およびポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンフェニレン)、などのポリ(アリーレン)構造を有する化合物:、などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明において、ダイヤモンドイド構造を含む置換基におけるダイヤモンドイド構造としては、アダマンタン構造を最小単位とする構造を有するものであり、例えば、アダマンチル基、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基およびウンデカマンチル基、が挙げられ、ダイヤモンドイド構造を含む置換基としては、前記ダイヤモンドイド構造を示す基の他に、ビアダマンチル基、テルアダマンチル基、アダマンチルフェニル基、ジアマンチルフェニル基、トリアマンチルフェニル基、テトラマンチルフェニル基、ペンタマンチルフェニル基、ヘキサマンチルフェニル基、ヘプタマンチルフェニル基、オクタマンチルフェニル基、ノナマンチルフェニル基、デカマンチルフェニル基、ウンデカマンチルフェニル基、アダマンチルオキシ基、ジアマンチルオキシ基、トリアマンチルオキシ基、テトラマンチルオキシ基、ペンタマンチルオキシ基、ヘキサマンチルオキシ基、ヘプタマンチルオキシ基、オクタマンチルオキシ基、ノナマンチルオキシ基、デカマンチルオキシ基およびウンデカマンチルオキシ基、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの内、アダマンチル基、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基およびウンデカマンチル基が好ましい。また、前記ダイヤモンドイド構造を含む基における水素原子は、脂肪族基、芳香族基およびフッ素原子で置換されていても良い。前記水素原子を置換することができる脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキル基:、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基などの炭素数が1以上、20以下のアルコキシ基:、ビニル基、プロペニル基およびブテニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルケニル基:、エチニル基、プロピニル基およびブチニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキニル基:、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびビアダマンチル基などの脂環式脂肪族基:、などが挙げられ、前記水素原子を置換することができる芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基およびナフトキシ基:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記水素原子を置換することができる脂肪族基および芳香族基中の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
本発明において、前記一般式(4)中のRで表される有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基、トリアマンチル基、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、ピリジル基、キノリル基、キノキサリル基、ベンゾトリアゾール基、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、アダマンチルオキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基、フルオレニルオキシ基、ピリジルオキシ基、キノリルオキシ基、キノキサリルオキシ基およびベンゾトリアゾールオキシ基、などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの基中の水素原子は、脂肪族基、芳香族基およびフッ素原子で置換されていても良い。前記水素原子を置換することができる脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキル基:、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基などの炭素数が1以上、20以下のアルコキシ基:、ビニル基、プロペニル基およびブテニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルケニル基:、エチニル基、プロピニル基およびブチニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキニル基:、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびビアダマンチル基などの脂環式脂肪族基:、などが挙げられ、前記水素原子を置換することができる芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基およびナフトキシ基:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記水素原子を置換することができるる脂肪族基および芳香族基中の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
本発明において、一般式(4)で表される構造を有する化合物としては、例えば、一般式(4)の中のRが、前記有機基の内のフェニル基で、Yがアダマンチル基の例として、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−ベンゾイルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−ベンゾイルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)およびポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−ベンゾイルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、などのポリ(アリーレンメチレン)構造を有する化合物:、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−ベンゾイルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンビニレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−ベンゾイルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンビニレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−ベンゾイルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ビフェニルジイルビニレン)およびポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−ベンゾイルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ナフタレンジイルビニレン)などのポリ(アリーレンビニレン)構造を有する化合物:、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−ベンゾイルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンエチニレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−ベンゾイルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ビフェニルジイルエチニレン)およびポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−ベンゾイルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ナフタレンジイルエチニレン)などのポリ(アリーレンエチニレン)構造を有する化合物:、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−ベンゾイルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンエーテル、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−ベンゾイルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ビフェニルジイルエーテル)およびポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−ベンゾイルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ナフタレンジイルエーテル)などのポリ(アリーレンエーテル)構造を有する化合物:、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−ベンゾイルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンスルホニル)およびポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−ベンゾイルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ビフェニルジイルスルホニル)などのポリ(アリーレンスルホニル)構造を有する化合物:、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−ベンゾイルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−ベンゾイルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンフェニレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−ベンゾイルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ビフェニルジイル)およびポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−ベンゾイルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ナフタレンジイル)、などのポリ(アリーレン)構造を有する化合物:、などが挙げられ、一般式(2)中のRがメチル基の例としては、前記化合物において、ベンゾイルアミノ基をアセチルアミノ基としたもの、すなわち、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−アセチルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−アセチルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンビニレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−アセチルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンエチニレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−アセチルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンエーテル)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−アセチルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンスルホニル)およびポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−アセチルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン):、などが挙げられ、一般式(2)中のRがアダマンチル基の例としては、前記化合物において、ベンゾイルアミノ基を(アダマンチルカルボニル)アミノ基としたもの、すなわち、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(アダマンチルカルボニル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(アダマンチルカルボニル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(アダマンチルカルボニル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(アダマンチルカルボニル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(アダマンチルカルボニル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(アダマンチルカルボニル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(アダマンチルカルボニル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンビニレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(アダマンチルカルボニル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンエチニレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(アダマンチルカルボニル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンエーテル)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(アダマンチルカルボニル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンスルホニル)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(アダマンチルカルボニル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン)およびポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(アダマンチルカルボニル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンフェニレン):、などが挙げられ、また、一般式(2)中のRがフェニルエチニルナフチル基の例としては、前記化合物において、ベンゾイルアミノ基をフェニルエチニルナフチルカルボニルアミノ基としたもの、すなわち、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−フェニルエチニルナフチルカルボニルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−フェニルエチニルナフチルカルボニルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンビニレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−フェニルエチニルナフチルカルボニルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンエチニレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−フェニルエチニルナフチルカルボニルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンエーテル)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−フェニルエチニルナフチルカルボニルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンスルホニル)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−フェニルエチニルナフチルカルボニルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン)およびポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−フェニルエチニルナフチルカルボニルアミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンフェニレン):、などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明において、一般式(5)中のQで表される炭素−炭素3重結合を含む基としては、例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、エチニルオキシ基、プロピニルオキシ基、ブチニルオキシ基、ペンチニルオキシ基、ヘキシニルオキシ基、ヘプチニルオキシ基、オクチニルオキシ基、プロパルギルエーテル基、エチニルフェニル基、フェニルエチニルフェニル基、ナフチルエチニルフェニル基、アダマンチルエチニルフェニル基、フルオレニルエチニルフェニル基、アントリルエチニルフェニル基、エチニルナフチル基、フェニルエチニルナフチル基、ナフチルエチニルナフチル基、アダマンチルエチニルナフチル基、フルオレニルエチニルナフチル基、アントリルエチニルナフチル基、エチニルアダマンチル基、フェニルエチニルアダマンチル基、ナフチルエチニルアダマンチル基、アダマンチルエチニルアダマンチル基、フルオレニルエチニルアダマンチル基、アントリルエチニルアダマンチル基、エチニルフルオレニル基、フェニルエチニルフルオレニル基、ナフチルエチニルフルオレニル基、アダマンチルエチニルフルオレニル基、フルオレニルエチニルフルオレニル基、アントリルエチニルフルオレニル基、エチニルアントリル基、フェニルエチニルアントリル基、ナフチルエチニルアントリル基、アダマンチルエチニルアントリル基、フルオレニルエチニルアントリル基、アントリルエチニルアントリル基、エチニルフェノキシ基、フェニルエチニルフェノキシ基、ナフチルエチニルフェノキシ基、アダマンチルエチニルフェノキシ基、フルオレニルエチニルフェノキシ基、アントリルエチニルフェノキシ基、エチニルナフトキシ基、フェニルエチニルナフトキシ基、ナフチルエチニルナフトキシ基、アダマンチルエチニルナフトキシ基、フルオレニルエチニルナフトキシ基、アントリルエチニルナフトキシ基、エチニルフルオレニルオキシ基、フェニルエチニルフルオレニルオキシ基、ナフチルエチニルフルオレニルオキシ基、アダマンチルエチニルフルオレニルオキシ基、フルオレニルエチニルフルオレニルオキシ基、アントリルエチニルフルオレニルオキシ基、エチニルアントリルオキシ基、フェニルエチニルアントリルオキシ基、ナフチルエチニルアントリルオキシ基、アダマンチルエチニルアントリルオキシ基、フルオレニルエチニルアントリルオキシ基、アントリルエチニルアントリルオキシ基、エチニルアダマンチルオキシ基、アダマンチルエチニルアダマンチルオキシ基、ナフチルエチニルアダマンチルオキシ基、アダマンチルエチニルアダマンチルオキシ基、フルオレニルエチニルアダマンチルオキシ基およびアントリルエチニルアダマンチルオキシ基、などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの基中の水素原子は、脂肪族基、芳香族基およびフッ素原子で置換されていても良い。前記水素原子を置換することができる脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキル基:、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基などの炭素数が1以上、20以下のアルコキシ基:、ビニル基、プロペニル基およびブテニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルケニル基:、エチニル基、プロピニル基およびブチニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキニル基:、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびビアダマンチル基などの脂環式脂肪族基:、などが挙げられ、前記水素原子を置換することができる芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基およびナフトキシ基:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記水素原子を置換することができる脂肪族基および芳香族基中の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
本発明において、一般式(5)で表される構造を有する化合物としては、例えば、一般式(5)中のQが、前記炭素−炭素3重結合を含む基の内、エチニルフェノキシ基で、Yがアダマンチル基の例として、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ナフタレンジイルメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ナフタレンジイル−フェニルメチレン)およびポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ナフタレンジイル−アダマンチルメチレン)、などのポリ(アリーレンメチレン)構造を有する化合物:、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンビニレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ビフェニルジイルビニレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ナフタレンジイルビニレン)などのポリ(アリーレンビニレン)構造を有する化合物:、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンエチニレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ビフェニルジイルエチニレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ナフタレンジイルエチニレン)などのポリ(アリーレンエチニレン)構造を有する化合物:、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンエーテル)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ビフェニルジイルエーテル)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ナフタレンジイルエーテル)などのポリ(アリーレンエーテル)構造を有する化合物:、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンスルホニル)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ビフェニルジイルスルホニル)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ナフタレンジイルスルホニル)などのポリ(アリーレンスルホニル)構造を有する化合物:、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンフェニレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ビフェニルジイル)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ナフタレンジイル)などのポリ(アリーレン)構造を有する化合物:、などが挙げられ、一般式(3)中のQがフェニルエチニルフェノキシ基の例としては、前記化合物において、(エチニルフェノキシベンゾイル)アミノ基を(フェニルエチニルフェノキシベンゾイル)アミノ基としたもの、すなわち、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(フェニルエチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(フェニルエチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンビニレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(フェニルエチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンエチニレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(フェニルエチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンエーテル)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(フェニルエチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンスルホニル)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(フェニルエチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン)およびポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(フェニルエチニルフェノキシベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンフェニレン):、などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明において、一般式(6)中のSで表される有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、アダマンチル基、フェニル基、フェノキシフェニル基、ナフチル基、およびアントリル基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの基中の水素原子は、脂肪族基、芳香族基およびフッ素原子で置換されていても良い。前記水素原子を置換することができる脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキル基:、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基などの炭素数が1以上、20以下のアルコキシ基:、ビニル基、プロペニル基およびブテニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルケニル基:、エチニル基、プロピニル基およびブチニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキニル基:、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびビアダマンチル基などの脂環式脂肪族基:、などが挙げられ、前記水素原子を置換することができる芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基およびナフトキシ基:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記水素原子を置換することができる脂肪族基および芳香族基中の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
本発明において、一般式(6)で表される構造を有する化合物としては、例えば、一般式(6)中のSが水素原子で、Yがアダマンチル基の例として、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ビフェニルジイルメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ナフタレンジイルメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ナフタレンジイル−フェニルメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ナフタレンジイル−アダマンチルメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フルオレンジイルメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フルオレンジイル−フェニルメチレン)およびポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フルオレンジイル−アダマンチルメチレン)、などのポリ(アリーレンメチレン)構造を有する化合物:、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンビニレン)およびポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル)フルオレンジイルビニレン)、などのポリ(アリーレンビニレン)構造を有する化合物:、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンエチニレン)およびポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル)フルオレンジイルエチニレン)、などのポリ(アリーレンエチニレン)構造を有する化合物:、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンエーテル)およびポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル)フルオレンジイルエーテル)、などのポリ(アリーレンエーテル)構造を有する化合物:、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンスルホニル)およびポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル)フルオレンジイルスルホニル)、などのポリ(アリーレンスルホニル)構造を有する化合物:、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンフェニレン)およびポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(エチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル)フルオレンジイル)、などのポリ(アリーレン)構造を有する化合物:、などが挙げられ、一般式(4)中のSがフェニル基の例としては、前記化合物において、(エチニルベンゾイル)アミノ基を(フェニルエチニルベンゾイル)アミノ基としたもの、すなわち、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(フェニルエチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(フェニルエチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(フェニルエチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(フェニルエチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(フェニルエチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(フェニルエチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(フェニルエチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンビニレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(フェニルエチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンエチニレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(フェニルエチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンエーテル)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(フェニルエチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンスルホニル)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(フェニルエチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン)およびポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(フェニルエチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンフェニレン)など:、一般式(4)中のSがアダマンチル基の例としては、前記化合物において、(エチニルベンゾイル)アミノ基を(アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノ基としたもの、すなわち、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンビニレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンエチニレン)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンエーテル)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンスルホニル)、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン)およびポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンフェニレン):、などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明のアミノフェノール化合物の製造方法としては、例えば、芳香族ヒドロキシ化合物のヒドロキシル基とニトロ化合物とを反応させ、前記反応生成物のニトロ基を還元して合成することができるが、この方法に限定されない。
本発明の一般式(1)で表される構造を有するアミノフェノール化合物は、例えば、以下のルートによって合成することができる。
Figure 0004929566
式(1)、式(7)、式(8)、式(9)、式(10)および式(11)中のXは、前記脂肪族基、芳香族基、スルホニル基および酸素原子の中から選ばれる少なくとも1種の基を示す。式(1)、式(7)、式(8)、式(9)、式(10)および式(11)中のnは、1以上3以下の整数を示す。式(1)、式(7)、式(8)、式(9)、式(10)および式(11)中のmは、2以上1000以下の整数を示す。
まず、出発原料として、一般式(7)で表される構造を有するハロゲン化芳香族ヒドロキシ化合物と、一般式(8)で表されるフルオロニトロベンジルエーテルとを、炭酸カリウムや炭酸ナトリウムなどの塩基を用いて、エーテル結合生成反応をさせることにより、一般式(9)で表される、芳香族ヒドロキシ化合物のヒドロキシル基がベンジルエーテル基で保護された構造を有するニトロフェノキシ化合物が得られる。
次いで、上記で得たニトロフェノキシ化合物を、ベンジルエーテル基を脱保護してヒドロキシル基に変えるためにトリメチルシリルヨーダイドなどの脱保護剤を用いて処理することにより、一般式(10)で表されるニトロフェノール化合物が得られる。前記トリメチルシリルヨーダイドなどの脱保護剤は、前記ニトロフェノキシ化合物のベンジルエーテル基に対して、1当量倍以上を用いることが好ましい。
次いで、上記で得たニトロフェノール化合物を、還元剤としてハイドロサルファイトナトリウムなどを用いて処理することにより、一般式(11)で表されるアミノフェノール化合物が得られる。前記ハイドロサルファイトナトリウムなどの還元剤は、前記ニトロフェノール化合物のニトロ基に対して3当量倍以上を用いることが好ましい。
次いで、上記で得たアミノフェノール化合物を、エチニル基などの炭素−炭素3重結合を有する化合物を用いて処理することにより、一般式(1)で表されるエチニル基を有するアミノフェノール化合物が得られる。前記炭素−炭素3重結合を有する化合物は、前記アミノフェノール化合物のアミノ基に対して1当量倍以上を用いることが好ましい。
本発明において、一般式(7)で表される構造を有する芳香族ヒドロキシ化合物としては、ハロゲン化芳香族ヒドロキシ化合物とアルデヒドとの重合で得られるポリ(アリーレンメチレン)構造を有する化合物、例えば、ポリ(4−ブロモ−1−ヒドロキシフェニレンメチレン)、ポリ(4−ブロモ−1−ヒドロキシフェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(4−ブロモ−1−ヒドロキシフェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(4−ブロモ−1−ヒドロキシナフタレンジイルメチレン)、ポリ(4−ブロモ−1−ヒドロキシナフタレンジイル−フェニルメチレン)およびポリ(4−ブロモ−1−ヒドロキシナフタレンジイル−アダマンチルメチレン)など:ハロゲン化芳香族ヒドロキシ化合物単独の重合で得られるポリ(アリーレンエーテル)構造を有する化合物、例えば、ポリ(4−ブロモ−1−ヒドロキシフェニレンエーテル)、ポリ(4−ブロモ−1−ヒドロキシナフタレンジイルエーテル)など:、ハロゲン化芳香族スルホニルクロリド化合物単独の重合で得られるポリ(アリーレンスルホニル)構造を有する化合物、例えば、ポリ(4−ブロモ−1−ヒドロキシフェニレンスルホニル)、ポリ(4−ブロモ−1−ヒドロキシナフタレンジイルスルホニル)などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
前記炭素−炭素3重結合を有する化合物としては、エチニルベンゼン、1−エチニルナフタレン、1−エチニルアダマンタン、1−エチニルビアダマンタンおよび1−エチニルビアマンタンなど、これらの他にもアセチレンや、アセチレンの片側の水素が前記一般式(1)における置換基Yで置換された化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の熱硬化性樹脂の製造方法としては、例えば、前記アミノフェノール化合物と、ハロゲン化カルボン酸化合物およびエステル化カルボン酸化合物などのカルボン酸化合物とを縮合反応させ、アミド結合を生成することにより合成することができるが、この合成法に限定されない。
本発明の一般式(4)で表される構造を有する熱硬化性樹脂は、例えば、以下のルートによって合成することができる。
Figure 0004929566
式(1)、式(4)中のArは芳香族基を、Xは前記脂肪族、芳香族基、スルホニル基および酸素原子の中から選ばれる少なくとも1種の基を示す。式(4)及び式(12)中のRは有機基を示す。式(12)中のTはハロゲン原子または、アルコキシ基、フェノキシ基、ピリジルオキシ基、キノリルオキシ基、キノキサリルオキシ基およびベンゾトリアゾールオキシ基の中から選ばれる基を示す。式(4)および式(12)中のnは1以上、3以下の整数を、mは2以上、10000以下の整数を示す。
本発明の一般式(4)で表される構造を有する化合物は、一般式(1)で表される構造を有する化合物と、一般式(12)で表されるハロゲン化カルボン酸化合物またはエステル化カルボン酸化合物とを、適当な溶媒に加え混合して、縮合反応させてアミド結合を生成することにより得ることができるが、混合方法としては、まず、一般式(1)で表される化合物を添加し、次いで、ハロゲン化カルボン酸化合物またはエステル化カルボン酸化合物を添加し、混合して、反応させる方法、一般式(1)で表される構造を有する化合物と、ハロゲン化カルボン酸化合物またはエステル化カルボン酸化合物とを同時に添加し混合する方法などを挙げることができる。また、一般式(1)で表される構造を有する化合物及び、ハロゲン化カルボン酸化合物またはエステル化カルボン酸化合物は、固体のまま添加しても、予め適当な溶媒に溶解させて添加してもよい。
前記一般式(12)で表されるハロゲン化カルボン酸化合物およびエステル化カルボン酸化合物としては、例えば、安息香酸、ナフタレンカルボン酸、アダマンタンカルボン酸、ジアマンタンカルボン酸、エチニル安息香酸、プロピニル安息香酸、フェニルエチニル安息香酸、ビスフェニルエチニル安息香酸、ナフチルエチニル安息香酸、アダマンチルエチニル安息香酸、エチニルナフタレンカルボン酸、プロピニルナフタレンカルボン酸、フェニルエチニルナフタレンカルボン酸、ビスフェニルエチニルナフタレンカルボン酸、ナフチルエチニルナフタレンカルボン酸およびアダマンチルエチニルナフタレン酸、などのカルボン酸化合物の塩化物、臭化物、ヨウ化物、メチルエステル化物、フェニルエステル化物、ピリジルエステル化物、キノリルエステル化物、キノキサリルエステル化物およびベンゾトリアゾールエステル化物などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。これらの基中の水素原子は、脂肪族基、芳香族基およびフッ素原子で置換されていてもよい。前記水素原子を置換しても良い脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などの炭素数が、1以上、20以下のアルキル基:、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基などの炭素数が1以上、20以下のアルコキシ基:、ビニル基、プロペニル基およびブテニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルケニル基:、エチニル基、プロピニル基およびブチニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキニル基:、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびビアダマンチル基などの脂環式脂肪族基:、などが挙げられ、前記水素原子を置換しても良い芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基およびナフトキシ基:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記水素原子を置換しても良い脂肪族基および芳香族基中の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
前記一般式(4)で表される構造を有する化合物の生成反応において、前記反応溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、ジクロロメタンおよびクロロホルムおよびジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
また、反応を促進するために、トリエチルアミン、N,N−ジメチルホルムアミドおよびピリジンなどの塩基を添加しても良い。
反応に使用される原料のモル比は、一般式(1)で表される化合物の水酸基に対して、ハロゲン化カルボン酸化合物またはエステル化カルボン酸化合物が、1当量倍以上、2当量倍以下であることが望ましく、好ましくは、1当量倍以上、1.5当量倍以下、更に好ましくは、1当量倍以上、1.1当量倍以下である。
前記反応における反応温度としては、それぞれの化合物が有する反応の活性度によるため、特に限定しないが、カルボン酸ハロゲン化物を用いる場合は、−80℃以上、100℃以下が望ましく、好ましくは、溶媒の凝固点以上、30℃以下である。更に好ましくは、−10℃以上、10℃以下である。カルボン酸エステル化物を用いる場合は、0℃以上、150℃以下が望ましく、好ましくは、50℃以上、150℃以下である。
また、前記上限値以上では、ハロゲン化カルボン酸化合物またはエステル化カルボン酸化合物が、一般式(1)で表される構造を有する化合物の水酸基と反応する恐れがある。
また、反応時間としては、それぞれの化合物が有する反応の活性度や反応温度により、適宜決定すれば良いが、5分間以上、7日間以下が望ましく、好ましくは、10分間以上、12時間以下である。
上記の条件で反応させて得られる生成物は、水、ヘキサンおよびメタノールなどの生成物が溶解しない溶媒に、反応液を滴下あるいは注入して生成物を析出させて、該析出物を濾過や遠心分離法などにより、溶液から分離して得ることができる。また、一般式(1)で表される構造を有する化合物と、ハロゲン化カルボン酸化合物またはエステル化カルボン酸化合物を過不足なく反応させる場合、生成物が溶解する適当な溶媒中で反応を行い、反応終了後に、生成した塩などの不溶物が存在する場合には、それを除去し、目的物のみが溶解している状態の反応液を、そのまま目的の用途に用いても構わない。
本発明の一般式(5)および一般式(6)で表される構造を有する化合物の製造方法としては、上記一般式(4)で表される構造を有する熱硬化性樹脂の製造方法において、一般式(12)で表されるハロゲン化カルボン酸化合物またはエステル化カルボン酸化合物として、炭素−炭素3重結合を有する基を有するハロゲン化安息香酸、エステル化安息香酸を用いることによって、同様に製造することができる。
上記、炭素−炭素3重結合を有する基を有するハロゲン化安息香酸またはエステル化安息香酸は、例えば、以下のようにして合成することができる。
Figure 0004929566
式(13)、式(14)、式(15)中のUは脱離基を、式(17)、式(19)、式(20)、式(18)、式(21)中のSは保護基または有機基を示す。式(18)中のMはアルカリ金属を示す。また、pは1以上、5以下の整数を示す。
一般式(14)で表される化合物を得る方法の例としては、一般式(13)で表される、ベンゼン環上の水素原子が脱離基Uで置換された安息香酸を、濃硫酸存在下、アルコールとの脱水縮合させエステル化することにより得られる。
前記エステル反応が、一般式(13)で表される化合物とメタノールとのエステル化反応である場合は、一般式(14)で表されるメチルエステル化物が得られる。また、前記ハロゲン化反応が、一般式(13)で表される化合物と塩化チオニルとの反応である場合は、一般式(15)で表される安息香酸塩化物が得られ、さらにメタノールと反応させることによりメチルエステル化物(一般式(14))が得られる。
次に、一般式(14)で表されるメチルエステル化合物と、一般式(16)で表されるアセチレンの片側がS基で置換された化合物(例えば、フェニルアセチレン、1−エチニルアダマンタン)とをカップリング反応させることによって、一般式(17)で表される炭素−炭素3重結合を有する基を有するエステル化安息香酸が得られる。前記カップリング反応において、例えば、パラジウムなどの遷移金属触媒を用いるとよい。前記脱離基Uとしては、触媒下のカップリング反応で、容易に芳香環上から脱離する基が好ましく、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素などのハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホニロキシ基などが好ましく挙げられる。
次に、一般式(17)で表される化合物を、例えば、水酸化カリウムや水酸化ナトリウムのどの塩基性アルカリ金属水酸化物を用いて、アセチル基から脱メチル反応を行い、一般式(18)で表される安息香酸誘導体のアルカリ金属塩が得られる。
また、上記で得られた安息香酸誘導体のアルカリ金属塩(一般式(18))を塩酸などで酸処理することによって、一般式(21)で表される安息香酸を得ることができる。
得られた化合物(一般式(21))を塩化チオニルなどで処理することによって、一般式(19)で表される安息香酸クロリドが得られる。さらにアルコールでエステル化することによって、一般式(20)で表されるエステル化安息香酸が得られる。
以下に本発明を説明するために実施例を示すが、これによって本発明を限定するものではない。
得られた化合物は特性評価のため、1H−NMRスペクトル測定、赤外分光分析、分子量測定、元素分析、熱重量分析、比誘電率測定を行った。また、熱硬化性樹脂については熱重量分析および比誘電率測定も行った。各測定条件は次のとおりとした。
[試験方法]
(1)核磁気共鳴スペクトル分析(1H−NMR): 日本電子製JNM−GSX400型を用いて、共鳴周波数400MHzで測定した。測定溶媒は、重水素化ジメチルスルホキシドDMSO−d6を用いた。
(2)赤外分光分析(IR): 島津社製FT−IR8900型を用いて、KBr錠剤法により測定した。
(3)分子量: 東ソ−株式会社製高速液体クロマトグラフSD−8022型を用いて、ポリスチレン換算により、重量平均分子量Mw、数平均分子量Mnを算出した。
(4)熱重量分析: セイコ−インスツルメンツ(株)製TG/DTA6200型を用いて、200mL/分の乾燥窒素気流下、昇温速度+10℃/分の条件により、室温から370℃まで昇温後、370℃で30分間保持した際の重量減少量を測定した。
(5)比誘電率: 日本エス・エス・エム(株)製自動水銀プローブCV測定装置SSM495を用いて、温度22℃、湿度45%の雰囲気下において、得られた化合物を熱硬化させて作製した皮膜(膜厚1μm)の比誘電率を測定した。皮膜は、測定用試料とN−メチルピロリドンからなるコーティングワニスをスピンコート法により均一な膜厚とした後、150℃で10分間加熱乾燥させ、更に、窒素を流入して酸素濃度を100ppm以下に制御したオーブンを用いて、350℃で60分間加熱したものを用いた。
[合成例1]
ポリ(4−ブロモ−1−ヒドロキシフェニレンメチレン)の合成
4−ブロモフェノール25.0g(145mmol)、1−ブタノール30ml、37%ホルムアルデヒド液11.1gの溶液に硫酸0.709g、イオン交換水2.0mlを添加した。140℃で3時間攪拌した後、反応液を濃縮した。反応液を氷冷し、固化させ、取り出した。固体をイオン交換水300mLで2回洗浄し、60℃で2日間減圧乾燥することにより、褐色固体のポリ(4−ブロモ−1−ヒドロキシ−フェニレンメチレン)20gを得た。
以下に、得られた化合物に関する各種測定値を示すが、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,ppm):δ8.9−9.1(1H),6.8−7.3(2H),3.4−4.0(2H)
分子量:Mw=23,000,Mn=5,660
[合成例2]
ポリ(4−ブロモ−1−ヒドロキシフェニレン−アダマンチルメチレン)の合成
合成例1において37%ホルムアルデヒド液を1−アダマンチルアルデヒド28.4g(173mmol)とした以外は、実施例1と同様にしてポリ(4−ブロモ−1−ヒドロキシフェニレン−アダマンチルメチレン)を得た。
以下に、得られた化合物に関する各種測定値を示すが、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,ppm):δ8.9−9.1(1H),6.8−7.3(2H),3.4−4.0(1H)、0.5−2.1(15H)
分子量:Mw=4,700,Mn=3,200
[合成例3]
ポリ(4−ブロモ−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)の合成
合成例1で得られたポリ(4−ブロモ−1−ヒドロキシ−フェニレンメチレン)(Mw=23,000、Mn=5,660)10.0g(54mmol/1単位ユニット)、3−フルオロ−6−ニトロフェニルベンジルエーテル16.0g(64.8mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド100mLの溶液に、炭酸カリウム18.6g(135mmol)を添加した。135℃で12時間攪拌した後、反応液を濾過した。濾液を100mlぐらいまで濃縮し、メタノール2000mLに滴下した。析出した固体をメタノール2000mL、イオン交換水で1回ずつ洗浄し、50℃で2日間減圧乾燥することにより、黄色固体のポリ(4−ブロモ−1−(3−ベンジルオキシ−4−ニトロフェノキシ)フェニレンメチレン)を得た。
得られたポリ(4−ブロモ−1−(3−ベンジルオキシ−4−ニトロフェノキシ)フェニレンメチレン)6.0g(14.52mmol/1単位ユニット)、トリメチルシリルヨーダイド5.81g(29.05mmol)、脱水ジクロロメタン80mlを窒素雰囲気下、室温で24時間攪拌した後、ろ液にメタノール10ml加え攪拌した。反応液を約50mlぐらいまで濃縮し、亜硫酸水素ナトリウム4g、水300mlの溶液に添加し、30分攪拌した。ろ過し、炭酸水素ナトリウム4g、水300mlの溶液に添加し、30分攪拌した。析出した固体をメタノール200mL、イオン交換水200mlで1回ずつ洗浄し、50℃で2日間減圧乾燥することにより、褐色固体のポリ(4−ブロモ−1−(4−ニトロ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)3.9gを得た。
得られたポリ(4−ブロモ−1−(4−ニトロ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)3.0g(9.31mmol/1単位ユニット)、1,1’−ジオクチル−4,4’−ビピリジウム0.50g(0.93mmol)、ジクロロメタン100ml、アセトニトリル40ml、水20mlにハイドロサルファイトナトリウム11.4g(55.8mmol)、炭酸カリウム5.8g(41.2mmol)、水80mlの溶液を滴下し、35℃で6時間攪拌した。有機層を取り出し、濃縮した。水300mlで2回洗浄し、50℃で2日間減圧乾燥することにより、ポリ(4−ブロモ−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)を1.8g得た。
以下に、得られた化合物に関する測定値を示すが、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,ppm):δ8.9−9.1(1H),7.0−7.3(2H),5.8−6.5(3H)、4.3−4.6(2H)
[実施例1]
ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)の合成
合成例3で得たポリ(4−ブロモ−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)1.0g(3.42mmol/1単位ユニット)、トリフェニルホスフィン0.03g(0.13mmol)、ヨウ化銅0.01g(0.06mmol)、1−エチニルアダマンタン0.66g(4.10mmol)、トリエチルアミン10ml、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.02g(0.03mmol)を仕込み、窒素を流しながら、100℃で14時間、加熱還流した。その後、反応溶液をろ過し、濾液を濃縮した。濃縮後、メタノール300mlで2回洗浄し、50℃で2日間減圧乾燥することにより生成物0.7gを得た。
以下に、得られた化合物に関する測定値を示すが、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,ppm):δ8.9−9.1(1H),7.0−7.3(2H),5.8−6.5(3H)、4.3−4.6(2H)、0.5−2.1(15H)
[実施例2]
ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)の合成
実施例1において、ポリ(4−ブロモ−1−ヒドロキシ−フェニレンメチレン)を合成例2で得たポリ(4−ブロモ−1−ヒドロキシ−フェニレン−アダマンチルメチレン)1.0gとした以外は、実施例1と同様にして、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)を得た。
以下に、得られた化合物に関する測定値を示すが、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,ppm):δ8.9−9.1(1H),7.0−7.3(2H),5.8−6.5(3H)、4.3−4.6(2H)、0.5−2.1(30H)
[実施例3]
ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(1−アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシ)フェニレンメチレン)の合成
実施例1を繰り返して得たポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)3.0g(8.05mmol)、脱水N−メチルピロリドン10mlを乾燥窒素雰囲気下で溶解させた後、−10℃まで溶解した。ここに、1−アダマンチルエチニル安息香酸塩化物5.8g(19.4mmol)を温度が5℃以上に上がらないように注意しながら、ゆっくりと添加した。添加後、20℃で2時間攪拌した。反応液にイオン交換水0.1mlを投入し、さらに5分間攪拌した。反応液をメタノール150mlおよびイオン交換水350mlの混合液に滴下した。析出した固体をメタノール300mlおよびイオン交換水100mlの混合液で3回洗浄し、50℃で2日間減圧乾燥することにより、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(1−アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシ)フェニレンメチレン)5.5gを得た。
以下に、得られた化合物に関する各種測定値を示すが、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,ppm):δ8.9−9.1(1H),7.0−7.3(2H),5.8−6.5(7H)、4.3−4.6(1H)、0.5−2.1(30H)
熱重量減少(/wt%):1.0
比誘電率:2.6
[実施例4]
ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(1−アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)の合成
実施例3においてポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)を、実施例2を繰り返して得たポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)3.0g(5.92mmol)とした以外は、実施例3と同様にして、ポリ(4−アダマンチルエチニル−1−(4−(1−アダマンチルエチニルベンゾイル)アミノ−3−ヒドロキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)3.2gを得た。
以下に、得られた化合物に関する各種測定値を示すが、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,ppm):δ8.9−9.1(1H),7.0−7.3(2H),5.8−6.5(7H)、4.3−4.6(1H)、0.5−2.1(45H)
熱重量減少(/wt%):1.0
比誘電率:2.5
(比較例1)
[アセチレン基を有し、且つ、ヒドロキシアミド構造を有さない樹脂の合成]
ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)(Mw=3000、Mn=980)22.3g(210mmol/1単位ユニット)、臭化プロパルギル50.5g(425mmol)、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム1.45g(6.37mmol)、テトラヒドロフラン120mLを、乾燥窒素雰囲気下、50℃で撹拌しながら、水酸化カリウム60.7g(1.08mol)をイオン交換水60.0mLに溶解させたものを加えた。反応液を60℃で6時間した。反応液を減圧下で加熱し、臭化プロパルギルとテトラヒドロフランを除去した。析出固体を酢酸エチル200mLで抽出し、有機層をイオン交換水500mLで2回洗浄後、メタノール2000mLに投入し、ポリマーを再沈殿させて回収した。析出固体を60℃で減圧乾燥させることで、ポリ((2−プロピノキシ)フェニレンメチレン)14.7gを得た。
以下に、得られた化合物に関する測定値を示すが、得られた化合物が目的物であることを示している。
熱重量減少量(/wt%):4.3
比誘電率:3.6
(比較例2)
比較例1で得たポリ((2−プロピノキシ)フェニレンメチレン)3.43g(23.8mmol/1単位ユニット)、ヨウ化ベンゼン6.38g(31.3mmol)、ピリジン20.0mLを、乾燥窒素雰囲気下で撹拌し、溶解させた。続けて、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.0837g(0.119mmol)、トリフェニルホスフィン0.0956g(0.364mmol)、ヨウ化銅0.0452g(0.237mmol)、トリエチルアミン20mLを加えた後、70℃で3時間加熱した。反応液を濾過後、メタノール1.00Lに投入し、ポリマーを再沈殿させて回収した。析出固体を60℃で減圧乾燥させることで、ポリ((3−フェニル−2−プロピノキシ)フェニレンメチレン)4.10gを得た。
以下に、得られた化合物に関する測定値を示すが、得られた化合物が目的物であることを示している。
熱重量減少量(/wt%):7.1
比誘電率:3.5
(比較例3)
3−エチニルフェノール5.00g(42.3mmol)とメタノール10.0mLを室温で撹拌しながら、西洋ワサビペルオキシダーゼ2.00gをpH=7のリン酸緩衝液10.0mLを加えた。続けて、5重量%過酸化水素を28.8mL(42.3mmol)を3時間かけて滴下し、更に室温で3時間撹拌した。析出物を反応液より遠心分離し、メタノール50mL及びイオン交換水50mL中で撹拌し、洗浄した。得られた固体を減圧乾燥させることで、ポリ((3−エチニル−1−ヒドロキシ)フェニレン)が3.25g得られた。
以下に、得られた化合物に関する測定値を示すが、得られた化合物が目的物であることを示している。
熱重量減少量(/wt%):8.7
比誘電率:4.0
以上から明らかな様に、本発明により提供されるアミノフェノール化合物は、耐熱性に優れる熱硬化性樹脂原料として好適に用いることができることが確認された。また、本発明により提供されるヒドロキシアミド構造熱硬化性樹脂は、370℃においても耐熱性に優れることが示された。
本発明により提供されるアミノフェノール化合物は、優れた耐熱性を有する熱硬化性樹脂の原料として好適に用いることができる。さらに、本発明により提供される、熱によりベンゾオキサゾール環を形成可能なヒドロキシアミド構造を有する熱硬化性樹脂は、350℃以上の高温域においても優れた耐熱性を示す樹脂として、高温での材料プロセスを必要とする分野などにおいて好適に用いることが可能である。用途として、電子材料、自動車用部材、エンジニアリング材料、構造部材、接着剤、塗膜形成材料、絶縁材料、酸化防止材料、記録材料などに好適に用いられる。

Claims (3)

  1. 炭素−炭素3重結合を含む基とo−アミノヒドロキシフェノキシ構造を含む基とを有する芳香族基を主鎖に有し、一般式(1)で表される構造を有するアミノフェノール化合物。
    Figure 0004929566

    (式中のArは、フェニレン基を示す。Xは、メチレン基またはアダマンチルメチレン基を示す。Yはアダマンチル基を示す。式中のmは、2以上、10000以下の整数を示す。式中のnは、1以上、3以下の整数を示す。)
  2. 炭素−炭素3重結合を含む基とo−アミドヒドロキシフェノキシ構造を含む基とを有する芳香族基を主鎖に有し、一般式(4)で表される構造を有する熱硬化性樹脂。
    Figure 0004929566


    (式中のArは、フェニレン基を示す。Rはアダマンチルエチニルフェニル基を示す。Xは、メチレン基またはアダマンチルメチレン基を示す。Yはアダマンチル基を示す。式中のmは、2以上、10000以下の整数を示す。式中のnは、1以上、3以下の整数を示す。)
  3. 一般式(1)で表される構造を有する化合物と、ハロゲン化カルボン酸化合物またはエステル化カルボン酸化合物とを縮合反応させてアミド結合を生成することを特徴とする、一般式(4)で表される構造を有する熱硬化性樹脂の製造法。
    Figure 0004929566


    (式中のArは、フェニレン基を示す。Xは、メチレン基またはアダマンチルメチレン基を示す。Yはアダマンチル基を示す。式中のmは、2以上、10000以下の整数を示す。式中のnは、1以上、3以下の整数を示す。)
    Figure 0004929566


    (式中のArは、フェニレン基を示す。Rはアダマンチルエチニルフェニルを示す。Xは、メチレン基又はアダマンチルメチレン基を示す。Yはアダマンチル基を示す。式中のmは、2以上、10000以下の整数を示す。式中のnは、1以上、3以下の整数を示す。)
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