JPH11147950A - ポリキノリン - Google Patents

ポリキノリン

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JPH11147950A
JPH11147950A JP31391097A JP31391097A JPH11147950A JP H11147950 A JPH11147950 A JP H11147950A JP 31391097 A JP31391097 A JP 31391097A JP 31391097 A JP31391097 A JP 31391097A JP H11147950 A JPH11147950 A JP H11147950A
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JP
Japan
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polyquinoline
quinoline
polymer
heating
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JP31391097A
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English (en)
Inventor
Iii Matthew L Marrocco
マッシュー・エル・マロッコ・ザ・サード
Fusu Rien-Chun
リエン−チュン・フス
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 加熱により架橋して耐熱性及び耐溶剤性にす
ぐれた硬化物となる熱硬化性ポリキノリン、その製造方
法及び硬化方法を提供する。 【解決手段】 キノリン繰り返し単位及びアセチレン官
能性を有する末端基からなるポリキノリン、その製造方
法及び硬化方法。上記繰り返し単位及び上記末端基の例
は次の式1、2がある。 −OCHC≡CH、−OCHC≡CCH、−C≡
CH、−C≡CC、−C≡C−COC
、−C−C≡CH、−C≡CCH −C−OCHC≡CH、−C−OCH
C≡CCH又は−C−OCHC≡CC
ポリキノリンの具体例としては式3 (式中、xはキノリン繰り返し単位を示す1〜100.
000の数である。)がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリキノリン繰り
返し単位と反応性末端基を有する新規なポリキノリン組
成物であって、反応性末端基が加熱により活性化して架
橋反応することにより架橋ポリキノリンを製造すること
のできるポリキノリン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】1976年12月28日発行のJ.St
illeの米国特許第4,000,187号明細書に、
熱安定性及び機械的特性に優れるポリキノリンポリマー
が記載されている。キノリン核はそれ自体熱的に安定で
酸化されにくいため、高機能ポリマーの設計における繰
り返し単位として好適である。このようなポリキノリン
ポリマーは、米国特許第4,000,187号明細書に
記載されているようにフリードレンダー縮合反応によ
り、又は、米国特許第5,648,448号明細書に記
載されている求核置換重合反応により製造することがで
きる。また、これら以外の方法によりポリキノリンを製
造することもできる(例えば、Long Y. Chi
ang及びJohn W. Swirczewski,
J. Chem. Soc., Chem. Com
mun., 1991, 131−132)。上記引用
により米国特許第4,000,187号及び第5,64
8,448号明細書及びChiangらの文献を本明細
書の開示内容に含める。
【0003】米国特許第4,000,187号及び第
5,648,448号明細書に記載されたポリキノリン
の製造における重合反応は、縮合型の反応である。この
縮重合反応に用いられるモノマーは、通常、AA型、B
B型又はAB型モノマー(A及びBは互いに反応してポ
リマー結合を形成しうる相補官能基である。)と呼ばれ
ている。例えば、AA型モノマーとBB型モノマーとを
反応させると、互いに反応してA又はB末端を有する成
長鎖を形成する。ポリマーAA−BB−AA−BB−A
Aは両末端がA型末端であり、ポリマーAA−BB−A
A−BBは一方がA型末端で他方がB型末端であり、ポ
リマーBB−AA−BB−AA−BBは両末端がB型末
端である。AB型モノマーを用いて得られるポリマー
は、AB−AB−AB−AB(一方がA型末端で、他方
がB型末端)構造を有する。
【0004】米国特許第5,648,448号明細書に
記載されたポリキノリンホモポリマーは、AA型モノマ
ーとBB型モノマーの2種のモノマー又はAB型モノマ
ーのみを用いて製造されたものである。ポリキノリンコ
ポリマーは、(1)AB型モノマー1種と他のAB型、
AA型又はBB型モノマーの少なくとも1種との混合
物、或は、(2)AA型モノマー及びBB型モノマー
と、他のAA型、BB型又はAB型モノマーの少なくと
も1種との混合物を用いて製造される。
【0005】米国特許第4,000,187号明細書に
記載されたフリードレンダー反応、又は米国特許第5,
648,448号明細書に記載された求核置換反応など
によって製造されるポリキノリンは、耐熱コーティング
など、過酷な条件に耐え得る構造プラスチックとして、
また、樹脂成形材料、複合材料マトリックス樹脂として
有用である。また、ポリキノリンの多くは、低誘電率、
低吸湿性等の優れた電気的特性を有することから、印刷
配線板、マルチチップモジュール、集積回路、コネクタ
ー、コンデンサー、ワイヤコーティングなどの絶縁体と
しても有用である。
【0006】また、種々の用途において、架橋性又は熱
硬化性のポリキノリンポリマー組成物の開発が望まれて
いる。例えば、複合材料のマトリックス樹脂として用い
る場合には、まず、繊維トウ、テープ又は布、例えばガ
ラス繊維や炭素繊維に樹脂をコーティングし、プリプレ
グを形成することが望ましい。繊維への塗布は、例え
ば、ポリマー樹脂の溶液又は溶融物への浸漬によって行
われる。次いでプリプレグを型又は型枠等にレイアップ
し、加熱処理してポリマーを流動させて圧密化する。こ
の加熱処理の際にポリマーを架橋させることができれ
ば、耐熱性及び耐溶剤性を更に向上させることができ
る。例えば、この複合材料を超音速航空機の翼や尾翼の
部品、はんだ熱をうける印刷回路基板の部品などに用い
た場合には、高熱に晒されることとなる。
【0007】熱硬化性ポリキノリンの製造も研究されて
おり、例えば、D. K. Sutherlin,
J. K. Stille及びW. B. Alsto
nによる「アセチレン結合を有するビフェニレン及びフ
ェニル末端ポリキノリンオリゴマー:製造、加工及び複
合材料用途」,Macromolecules, 19
86, 19, 257−266; 米国特許第4,5
07,462号明細書;J. K. Stille等に
よる「アリールシアネート環化三量体化による熱安定性
芳香族ポリマーの架橋」、Macromolecule
s, 1976,9, 517−523; G. L.
Baker等による「ポリキノリンの架橋部位として
のヘキサアリールベンゼン単位」; Macromol
ecules, 1979, 12, 369−373
等に開示されている。これらのうち、ビフェニレン基や
ヘキサアリールベンゼン基等の特殊な基をポリキノリン
構造に導入する方法では、ポリマーの製造コストが著し
く高くなる。従来の方法で熱安定性に優れた熱硬化ポリ
マーを得るためには、極めて高い温度、例えば400℃
を超える温度での硬化、又は、架橋反応の引き金となる
触媒の使用が必要であり、後者の場合には触媒が熱硬化
後の構造中に残存するという難点がある。触媒の多くは
酸化分解の触媒作用も有するため、熱硬化物中に残存す
る触媒により、高温での寿命が短くなってしまう。痕跡
量の金属によっても影響を受ける電子分野においても、
触媒は有害である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、触媒を使用
せずに硬化させることのできるポリキノリン組成物を提
供することを目的とする。また、本発明は、加工条件の
許容範囲の広いポリキノリン組成物、即ち、Tg(又
は、場合によってはTm)と硬化温度の差が50℃以上
であるポリキノリン組成物を提供することを目的とす
る。ポリマーの硬化温度がTg(又はTm)よりも低い
と、硬化前の流動がおこらず、圧密化が不十分となる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、キノリン繰り
返し単位及びアセチレン官能性を有する末端基を有する
ポリキノリン(以下、熱硬化性ポリキノリン、ポリキノ
リンポリマー、熱硬化性ポリマー又はポリマーと呼ぶこ
とがある。)と、それを架橋して得られる架橋組成物を
提供するものである。
【0010】本発明のポリキノリンは、例えば、下記構
造 E″−(PQ)x−E″ {式中、(PQ)xはポリキノリンのキノリン繰り返し
単位を含むポリマー鎖であり、xはキノリン繰り返し単
位の数を示す1〜100,000の数であり、E″は
【0011】
【化19】 (式中、Rは水素原子、アルキル基、アリール基又はヘ
テロアリール基であり、Arはアリーレン基又はヘテロ
アリーレン基であり、ただしArは無置換であるか又は
アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、クロロ、フルオロ、フルオロアルキル基、フルオ
ロアリール基又はニトロ基で置換されており、Rは無置
換であるか又はアルコキシ基、アリールオキシ基、クロ
ロ、フルオロ、フルオロアルキル基、フルオロアリール
基又はニトロ基で置換されている。)からなる群から選
ばれた末端基である。}を有する。
【0012】本発明の熱硬化性ポリキノリンは、種々の
用途に用いることができ、例えば、キャストしてフィル
ムとして、又は基材に塗布して塗膜として使用すること
ができる。キャスト又は塗布後、熱硬化性ポリキノリン
を加熱して所望の程度まで硬化させることにより、耐熱
性及び耐溶剤性に優れた熱硬化ポリマーを得ることがで
きる。
【0013】以下の詳細な説明、請求の範囲及び図面を
検討することにより、本発明のその他の特徴、観点及び
利点を理解しうるであろう。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、加熱により架橋する反
応性末端基を有するポリキノリンポリマーを提供するも
のである。反応性末端基はアセチレン官能基を含有し、
このアセチレン官能基に結合している置換基の種類によ
って反応性、即ち架橋温度を調整するための置換基が結
合している。
【0015】本発明の熱硬化性ポリキノリンは、例え
ば、下記一般式 E″−(PQ)x−E″ {式中、(PQ)xはポリキノリンのキノリン繰り返し
単位を含むポリマー鎖であり、xはキノリン繰り返し単
位の数を示す1〜100,000の数であり、E″は
【0016】
【化20】 (式中、Rは水素原子、アルキル基、アリール基又はヘ
テロアリール基であり、Arはアリーレン基又はヘテロ
アリーレン基であり、ただしArは無置換であるか又は
アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、クロロ、フルオロ、フルオロアルキル基、フルオ
ロアリール基又はニトロ基で置換されており、Rは無置
換であるか又はアルコキシ基、アリールオキシ基、クロ
ロ、フルオロ、フルオロアルキル基、フルオロアリール
基又はニトロ基で置換されている。)からなる群から選
ばれた末端基である。}を有する。
【0017】なお、本発明において、明細書記載の一般
式中の基の例のアルキル基としては、通常、C1〜C22
アルキル基が、アリール基としてはC6〜C24アリール
基が、ヘテロアリール基としてはC4〜C24ヘテロアリ
ール基が、アルキレン基としてはC1〜C22アルキレン
基が、アリーレン基としてはC6〜C24アリーレン基
が、ヘテロアリーレン基としてはC4〜C24ヘテロアリ
ーレン基が好ましい。
【0018】上記一般式中のR及びArが示す基の具体
例としては、例えば下記のものが挙げられる。
【0019】アルキル基の例としては、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ベンジル、ヘキシル等が
挙げられる。
【0020】アリール基の例としては、フェニル、3−
メトキシフェニル、4−クロロフェニル、ナフチル、ト
リル、ビフェニリル等が挙げられる。
【0021】ヘテロアリール基の例としては、2−ピリ
ジル、4−ピリジル、2−キノリル、2−ベンゾオキサ
ゾリル等が挙げられる。
【0022】アリーレン基の例としては、1,4−フェ
ニレン、1,3−フェニレン、2−メチル−1,4−フ
ェニレン、1,4−ナフチレン、4,4′−ビフェニリ
レン等が挙げられる。
【0023】ヘテロアリーレン基の例としては、2,4
−ピリジンジイル、2,4−キノリンジイル、2,6−
キノリンジイル、4−フェニル−2,6−キノリンジイ
ル、3,6−キノリンジイル等が挙げられる。
【0024】また、
【0025】
【化21】 の例としては、
【0026】
【化22】 等が挙げられる。
【0027】
【化23】 の例としては、
【0028】
【化24】 等が挙げられる。
【0029】
【化25】 の例としては、
【0030】
【化26】 等が挙げられる。
【0031】
【化27】 の例としては、
【0032】
【化28】 等が挙げられる。
【0033】
【化29】 の例としては、
【0034】
【化30】 等が挙げられる。
【0035】これら末端基の名称は合成法に基づいてつ
けられたものであり、もちろん他の名称をつけることも
可能である。例えば、好ましい官能基であるプロパルギ
ルの名称は、実際の末端基とは必ずしも一致しない。例
えば、モノマーとしてF−AA−F(後述のAA型モノ
マーの一例)及び若干過剰量のジオールH−BB−H
(後述のBB型モノマーの一例)を用いた場合の重合反
応は、次の式で表される。
【0036】
【化31】 この場合、技術的には末端基はH−であるが、H−BB
−Hはジオール(例えばHO−C64−OH)であるの
で、官能性末端基は−OHである。モノマーオフセット
を逆にして(F−AA−Fを若干過剰に用いる)実質的
に同じポリマーを製造し、フッ素末端基を加水分解する
と、末端基は技術的にも官能的にも−OHである。例え
ば、下記の通りである。
【0037】
【化32】 同様に、同じ末端基でありながら、プロパルギル基とも
プロパルギルエーテル基とも解しうる場合がある。当業
者であれば、末端基名の使用状況及び前後関係からその
末端基名が何を意味するか理解しうるであろう。
【0038】上記一般式中、(PQ)xはポリキノリン
のキノリン繰り返し単位を含むポリマー鎖であり、キノ
リン繰り返し単位とは各繰り返し単位中にキノリン核を
少なくとも1つ含有する繰り返し単位である。(PQ)
xの構造は、後述の通り、本発明のポリキノリンの製造
方法や原料モノマー、末端停止剤の種類等によって異な
る。例えば、上記のAA型モノマー及びBB型モノマー
をモノマー原料として用いた場合の(PQ)xの構造の
例としては、−BB−(AA−BB)x−、−(AA−
BB)x−AA等がある。
【0039】[ポリキノリン(アセチレン官能性を有す
る末端基導入前のポリキノリン)の製造]従来技術の欄
で説明したとおり、ポリキノリンは、従来、米国特許第
4,000,187号明細書に記載されているフリード
レンダー縮合反応、又は米国特許第5,648,448
号明細書に記載されている求核置換重合反応によって製
造されてきた。本発明の熱硬化性ポリキノリンの製造に
も、これらの方法やその他従来公知の方法を利用するこ
とができる。本発明の熱硬化性ポリキノリンは特殊な末
端基を有し、この末端基の導入は、上記の重合反応中に
特殊な末端停止剤を添加することにより、又は、重合反
応後にポリマー末端基を変性することにより行うことが
できる。
【0040】米国特許第4,000,187号明細書に
記載されているように、ポリキノリンは、 (a)下記式
【0041】
【化33】
【0042】
【化34】 (式中、Rcは水素原子又はアリール基であり、Ar1
2組のアミノ基及びCORcが各々オルトに結合してい
る4価の芳香族基であり、Ar2はオルト−アリーレン
基であり、Ar3はアリーレン基である。)で表される
構造を有する化合物からなる群から選ばれる化合物であ
って、芳香核に2組のオルト−アミノカルボニル官能基
が結合している芳香族アミノカルボニル化合物(本明細
書中、AA型モノマーを意味する。)と、 (b)下記式
【0043】
【化35】
【0044】
【化36】
【0045】
【化37】
【0046】
【化38】
【0047】
【化39】 (式中、Rcは水素原子又はアリール基であり、Rdはア
リール基であり、Ar3はアリーレン基であり、Ar4
2つのメチレンカルボニル基と結合している4価の芳香
族基である。)で表される構造を有する化合物からなる
群から選ばれるビス−メチレンケトン(ケトメチレン)
化合物(本明細書中、BB型モノマーを意味する。)と
の反応により製造することができる。
【0048】また、下記式
【0049】
【化40】
【0050】
【化41】
【0051】
【化42】
【0052】
【化43】 (式中、Rcは水素原子又はアリール基であり、Rdはア
リール基であり、Ar2はオルト−アリーレン基であ
り、Ar3はアリーレン基であり、Ar5はアミノ基とC
ORc基がオルトに結合した3価の芳香族基である。)
で表される構造を有するAB型化合物からなる群から選
ばれる化合物であって、一組のオルト−アミノカルボニ
ル官能基と1つのメチレンケトン官能基が芳香核に結合
している化合物(本明細書中、AB型モノマーを意味す
る。)の反応によりポリキノリンポリマーを製造する方
法も報告されている(J. K. Stille, M
acromolecules, 1981, 14,
870−880)。この引用により、Stilleの文
献を本明細書の開示内容に含める。
【0053】上記のAA型モノマー及びBB型モノマー
を等モル量又はほぼ等モル量用い、酸又は塩基触媒の存
在下、適当な溶媒中で反応させることにより、ポリキノ
リンポリマーを製造する。この反応は不活性雰囲気下で
行うことが好ましいが、必須ではない。この反応は室温
以下でも行い得るが、約25〜250℃、通常は25〜
200℃で行うことが好ましい。反応を促進させるため
には、反応中徐々に昇温し、190℃程度に達するよう
に加熱することが好ましい。酸触媒としては、プロトン
酸又はルイス酸を使用することができる。プロトン酸触
媒としては、ハロゲン化水素(フッ化水素、塩化水素、
臭化水素又はヨウ化水素)、硫酸、トルエンスルホン酸
等のスルホン酸、リン酸、ポリリン酸、トリフルオル酢
酸等が挙げられ、ルイス酸触媒としては、フッ化ホウ
素、五フッ化第一燐、塩化アルミニウム、三フッ化アン
チモン、五フッ化アンチモン、三塩化アンチモン、塩化
第二スズ等が挙げられる。塩基触媒としては、水酸基塩
基又はルイス塩基を用いることができる。水酸基塩基触
媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化カルシウム、水酸化リチウム等が挙げられ、ルイス塩
基触媒としては、N−エチルモルホリン、トリエチルア
ミン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5
−エン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタ
ン等が挙げられる。
【0054】酸又は塩基触媒を用いるいずれの反応にお
いても、溶剤として種々の溶剤を用いることができる。
重合反応を阻害しないためには、溶媒として上記酸又は
塩基触媒やモノマーの官能基のいずれとも反応しないも
のを用いる必要がある。酸触媒による反応に使用するこ
とのできる溶媒としては、ベンゼン、クロロベンゼン、
1−クロロナフタレン、テトラリン、酢酸、蟻酸、フェ
ノール類、例えばm−クレゾール等、o−、m−及びp
−ジクロロベンゼン(又はこれらの混合物)、ポリリン
酸等が挙げられる。塩基触媒による反応に使用すること
のできる溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ヘキサ
メチルリン酸トリアミド、ジメチルホルムアミド、テト
ラヒドロチオフェンジオキシド、ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
【0055】米国特許第4,000,187号明細書に
記載された方法に用いられる芳香族アミノカルボニルモ
ノマーは、公知の種々の方法で製造することができる
が、通常、アシル化反応、酸化反応及び還元反応の有機
反応を組み合わせた方法によって製造される。4,6−
ジアミノイソフタルアルデヒドの製法がRuggliら
のHelv. Chim, Acta., 20, 2
72(1937)に、2,5−ジアミノテレフタルアル
デヒドの製法がRuggliらのHelv. Chi
m, Acta., 27, 274(1944)に、
4,6−ジベンゾイル−m−フェニレンジアミンの製法
がChardonnesらのHelv. Chim,
Acta., 38, 393(1955)に、2,5
−ジベンゾイル−p−フェニレンジアミンの製法がKi
nseyらのJ. Chem. Soc., 1(19
58)に、2,2′−ジアミノイソフタロフェノンの製
法がSimpsonらのJ. Chem. Soc.,
646(1945)に記載されている。
【0056】米国特許第4,000,187号明細書に
記載された方法に用いられるメチレンケトンは、公知の
種々の方法で製造することができるが、通常、酸塩化物
の芳香核へのフリーデル−クラフツ反応により好適に製
造することができる。1,4−ジフェニルアシルベンゼ
ンの製法がSchillingらのMacromole
cules, 2, 85(1969)に、1,4−ジ
フェナセチルベンゼンの製法がOglairusoらの
J. Org. Chem., 30, 3554(1
965)に、4,4′−ジフェナセチルフェニルエーテ
ル、4,4′−ジフェニルアセチルフェニルスルフィド
及び4,4′−ジフェナセチルビフェニルの製法がOg
liarusoらのJ. Org. Chem., 2
8, 2725(1963)に、p−ジアセチルベンゼ
ンの製法がBerendらのJ.Prakt. Che
m., 74, 134(1906)に、1,3−ジア
セチルベンゼンの製法がJ. BowmanのJ. C
hem. Soc.,323(1950)に、4,4′
−ジアセチルフェニルエーテルの製法がH.Kippe
rのChem. Ber., 38, 2491(19
05)に、2,6−ジアセチルピリジンの製法がTer
ent’evらのZh. Vses.Khim. Ob
shch. im. D.I. Mendeleev
a,6, 116(1961)に、4,4′−ジアセチ
ルジフェニルスルフィドの製法がC. M. Smit
hの米国特許第2,903,461号明細書(195
9)に、4,4′−ジアセチルジフェニルスルホンの製
法がP.HuのJ. Chem. Soc. 178
(1959)に、4,4′−ジアセチルビフェニルの製
法がTaniらのBull. Chem. Soc.
Jap., 36,391(1963)に、ジベンゾ
[a,e]−シクロオクテン−5,11(6H,12
H)ジオンの製法がYatesらのCan. J. C
hem., 48, 788(1970)に、1,10
−ジケト[2.2]メタシクロファンの製法がHylt
onらのJ. Amer. Chem. Soc.,
90,6887(1968)に記載されている。
【0057】上記引用により、アミノカルボニル化合物
及びメチレンケトン類の製法に関する上記文献の記載全
てを、本明細書の開示事項に含め、それら化合物の製造
のための合成法を示すものとする。
【0058】米国特許第5,648,448号明細書に
記載されている求核置換反応に用いられるAA型モノマ
ーは、キノリン核によって活性化された2個のフルオロ
基を有する。BB型モノマーとしてはジオールが用いら
れ、ジオールの種類としては反応の塩基性条件下に安定
なものであれば特に制限はない。ジフルオロ(AA型)
モノマーとジオール(BB型)モノマーを塩基の存在
下、双極性溶媒中で反応させることによりポリキノリン
ポリマーが得られる。AB型モノマーは、活性化したフ
ルオロ基1個とヒドロキシ基1個を有するキノリン核を
有するフルオロヒドロキシモノマーである。AB型モノ
マーの反応は、塩基の存在下、双極性溶媒中で行う。
【0059】米国特許第5,648,448号明細書に
記載の方法に使用しうるジフルオロ(AA型)モノマー
としては2種類のタイプのもの、即ち、キノリン核を1
個有するものと、結合基を解して互いに結合した2個の
キノリン核を有するもの(ビス−(フルオロキノリン)
モノマー)がある。ジフルオロ(AA型)モノマーでキ
ノリン核1個を有するものの一般構造を、下記構造式で
示す:
【0060】
【化44】 (式中、R2、R4、R5及びR7は、重合反応を妨害しな
い基、例えば、水素原子、アルキル基、アリール基、ア
リールオキシ基、アルコキシ基、ケトン基(−CO
R′)、ホルミル(−COH)、エステル基(−CO2
R′又は−OCOR′)、アミド基(−NR′COR″
又は−CONR′R″)、ヘテロアリール基、シアノ基
(隣り合う2つのRe基が互いに結合して結合基を形成
していてもよく、結合基の例としては、−(CH2
4−、−(CH23−、−CH=CH−CH=CH−な
どが挙げられる。)等、及びF又はZFからなる群から
選ばれる基であり、ただし、R2、R4、R5及びR7のう
ちの2つがF又はZFである。Zは単結合、オルト−ア
リーレン基及びパラ−アリーレン基からなる群から選ば
れる。(Ren1は各々独立に重合反応を妨害しない基
であり、例えば、R2、R4、R5及びR7について例示し
たものの中から水素原子、F、ZFを除いたものが挙げ
られ、n1は0〜3の整数である。(Ren1はキノリ
ン核上の3、6又は8位のどの位置に結合していてもよ
い。R′及びR″は、アルキル基又はアリール基であ
る。) オルト−アリーレン基の例としては、例えば、1,2−
フェニレン、1,2−ナフタレンジイル、2,3−ナフ
タレンジイル、1,2−(4−フェニルフェニレン)、
1,2−(4−メトキシフェニレン)、1,2−(3−
メチルフェニレン)等が挙げられる。パラ−アリーレン
基の例としては、例えば、1,4−フェニレン、1,4
−ナフタレンジイル、1,4−(2−フェニルフェニレ
ン)、1,4−(2−メトキシフェニレン)、1,4−
(2,5−ジメチルフェニレン)等が挙げられる。
【0061】米国特許第5,648,448号明細書に
記載の方法に使用しうるジフルオロ(AA型)モノマー
でキノリン核2個を有するもの(ビス−(フルオロキノ
リン)モノマー)の一般構造を、下記構造式で示す:
【0062】
【化45】 (式中、R2、R4、R′2及びR′4は各々独立にH、R
e、F及びZ−Fからなる群から選ばれ(Zは上記の通
り単結合、オルト−アリーレン基又はパラ−アリーレン
基である。)、R5、R7、R′5及びR′7は各々独立に
H、Re及びFからなる群から選ばれ、ただし、R2、R
4、R5及びR7のうちの1つがF又はZ−Fであり、
R′2、R′4、R′5及びR′7のうちの1つがF又はZ
−Fであり、キノリン核上のその他の位置(3、6、
8、3′、6′及び8′位)はH又はR eが結合してお
り、Reは各々独立に、重合反応を妨害しない基であ
り、例えば、アルキル基、アリール基、アリールオキシ
基、アルコキシ基、ケトン基(−COR′)、ホルミル
(−COH)、エステル基(−CO2R′又は−OCO
R′)、アミド基(−NR′COR″又は−CONR′
R″)、ヘテロアリール基、シアノ基(隣り合う2つの
e基が互いに結合して結合基を形成していてもよく、
結合基の例としては、−(CH24−、−(CH2
3−、−CH=CH−CH=CH−などが挙げられ
る。)であり、n2は各々独立に0〜2の整数である。
R′及びR″はアルキル基又はアリール基である。2つ
のキノリン核を結合している2価の基Xは、両核のいず
れの位置に結合していてもよく、単結合又は重合反応を
妨害しない2価の基である。) 結合基X基は、重合反応を妨害しない限り(例えば、X
は、オキシアニオンのような強求核基や、活性化ハロゲ
ン基のような脱離しやすい基を有していてはならな
い。)、どのような2価の基であってもよい。例えば、 単結合、 −O−、 −S−、 −C(O)−、 −S(O)−、 −S(O2)−、 −W−、 −(−O−W−)m−O−(mは1〜3の整数)、及び −Q− からなる群から選ばれる2価の結合基が挙げられる。上
記式中、Wは −Ar′−(Ar′はアリーレン基である。)、 −Het−(Hetはヘテロアリーレン基である。)、 −Ar′−O−Ar′−、 −Ar′−C(O)−Ar′−、 −Ar′−S−Ar′−、 −Ar′−S(O)−Ar′−、 −Ar′−S(O)2−Ar′−及び −Ar′−Q−Ar′− からなる群から選ばれる2価の基であり、Qは4級炭素
を含有する下記の2価の基である。
【0063】
【化46】 (式中、U及びU′は各々独立に−CH3、−CF3又は
Araであるか、又は互いに結合してアルキレン基、ア
リーレン基、アルキレン/アリーレン混合基、アルキレ
ンオキシ基、アリーレンオキシ基、アルキレンオキシカ
ルボニル基、アリーレンオキシカルボニル基、アルキレ
ンカルボニルオキシ基、アリーレンカルボニルオキシ
基、−NRaCORb−、−CONRab−、アルキレン
カルボニル基又はアリーレンカルボニル基を形成してお
り、これらの基の水素原子は無置換であるか又は部分的
に若しくは全てフッ素で置換されており、Raはアルキ
ル基又はアリール基であり、Rbはアルキレン基又はア
リーレン基であり、Araは水素原子又はアリール基で
ある。) 上記U、U′基が互いに結合している基の例としては、
例えば、
【0064】
【化47】 等が挙げられる。
【0065】Re基の具体例としては、例えば、下記の
ものなどが挙げられる:アルキル基としては、メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、
シクロヘキシル、ステアリル及びドコシル(−CH
2(CH220CH3);アリール基としては、フェニ
ル、ビフェニル、ナフチル、アントラセニル及びジフェ
ニルフェニル;C結合しているアミド基(−CONR′
R″)としては、N,N−ジメチルアミノカルボニル
(−CON(CH32)、N,N−ジフェニルアミノカ
ルボニル、ピペリジンカルボニル(−CONCH2CH2
CH2CH2CH2)、モルホリンカルボニル(−CON
CH2CH2OCH2CH2)及びN−メチル−N−フェニ
ルアミノカルボニル;ヘテロアリール基としては、ピリ
ジル、キノリル及びピラジル;N結合しているアミド基
(−NR′COR″)としては、ベンゾイルアミノ、N
−メチルアセチルアミノ;O結合しているエステル基
(アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオ
キシ基)としては、アセチルオキシ(−OCOCH3
及びベンゾイルオキシ(−OCOC65);C結合して
いるエステル基(アルキルオキシカルボニル基、アリー
ルオキシカルボニル基)としては、メトキシカルボニル
(−CO2CH3)及びフェノキシカルボニル(−CO2
65);アリールオキシ基としては、フェノキシ、ナ
フトキシ及びビフェニルオキシ;アルコキシ基として
は、エトキシ及びブトキシ;及びケトン基(−CO
R′)としてはフェニルケトン(ベンゾイルとも呼ばれ
る)、ナフチルケトン(ナフトイル)、メチルケトン
(アセチル)、エチルケトン(プロピオニル)、ter
t−ブチルケトン(ピバロイル)、イソブチルケトン、
トリフルオロメチルケトン(トリフルオロアセチル)、
メトキシエチルケトン、ベンジルケトン、フェネチルケ
トン、2,4,6−トリメチルフェニルケトン、ピリジ
ニルケトン(ニコチノイル)、2−キノリルケトン及び
2−チエニルケトン。
【0066】AA型モノマーは、予め合成したクロロフ
ルオロキノリン類のカップリングにより製造してもよい
し、又は、ビスアミノベンゼン誘導体をフリードレンダ
ー反応やその他の当技術分野で公知のキノリン合成縮合
反応により縮合してビスキノリンを合成してもよい。
【0067】ジフルオロ(AA型)モノマーでキノリン
核を1個有するものの具体例としては、例えば、2−
(2−フルオロフェニル)−5−フルオロ−4−フェニ
ルキノリン、2−(4−フルオロフェニル)−5−フル
オロ−4−フェニルキノリン、4−(2−フルオロフェ
ニル)−5−フルオロ−2−フェニルキノリン、2−
(4−フルオロフェニル)−7−フルオロ−4−フェニ
ルキノリン、2,4−ジフルオロキノリン、2,7−ジ
フルオロキノリン、2,5−ジフルオロキノリン、2,
7−ジフルオロ−6−フェニルキノリン、4−(4−フ
ルオロフェニル)−7−フルオロキノリン等が挙げられ
る。
【0068】ジフルオロ(AA型)モノマーで結合基を
解して互いに結合した2個のキノリン核を有するもの
(ビス−(フルオロキノリン)モノマー)の具体例とし
ては、例えば、6,6′−ビス[2−(4−フルオロフ
ェニル)−4−フェニルキノリン]、6,6′−ビス
[2−(2−フルオロフェニル)−4−フェニルキノリ
ン]、6,6′−ビス[2−(4−フルオロフェニル)
−4−tert−ブチルキノリン]、6,6′−ビス
[4−(4−フルオロフェニル)−2−フェニルキノリ
ン]、6,6′−ビス−4−フルオロキノリン、6,
6′−ビス[4−(4−フルオロフェニル)−2−(2
−ピリジル)キノリン]、6,6′−ビス−2−フルオ
ロキノリン、6,6′−ビス[4−(4−フルオロフェ
ニル)−2−(メチル)キノリン]、6,6′−ビス
[2−フルオロ−4−フェニルキノリン]、オキシ−ビ
ス−6,6′−[2−(4−フルオロフェニル)−4−
フェニルキノリン]、1,4−ベンゼン−ビス−2,
2′−[4−(4−フルオロフェニル)キノリン]、
1,4−ベンゼン−ビス−2,2′−[4−フルオロキ
ノリン]、1,4−ベンゼン−ビス−4,4′−[2−
(4−フルオロフェニル)キノリン]、1,1,1,
3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピリデンビス−
(4−フェノキシ−4−フェニル−2−(4−フルオロ
キノリン)等が挙げられる。
【0069】米国特許第5,648,448号明細書に
記載の方法に使用しうるフルオロヒドロキシ(AB型)
モノマーの例としては、例えば、2−(4−フルオロフ
ェニル)−6−ヒドロキシ−4−フェニルキノリン、2
−(2−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシ−4−フ
ェニルキノリン、4−(2−フルオロフェニル)−6−
ヒドロキシ−2−フェニルキノリン、2,3−ジフェニ
ル−4−(2−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシキ
ノリン、2,3−ジフェニル−4−(4−フルオロフェ
ニル)−6−ヒドロキシキノリン、2,3−ジフェニル
−6−(2−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシキノ
リン、2,3−ジフェニル−6−(4−フルオロフェニ
ル)−4−ヒドロキシキノリン、7−フルオロ−2−ヒ
ドロキシキノリン、7−フルオロ−2−ヒドロキシ−4
−フェニルキノリン、7−(4−フルオロフェニル)−
2−ヒドロキシ−4−フェニルキノリン、7−フルオロ
−4−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン、7−(4−
フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−2−フェニルキ
ノリン、2−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキ
シキノリン、2−(4−フルオロフェニル)−4−ヒド
ロキシ−3−フェニルキノリン、2−(4−フルオロフ
ェニル)−6−ヒドロキシ−3−フェニルキノリン、2
−(4−フルオロフェニル)−8−ヒドロキシ−3−フ
ェニルキノリン、2−(4−フルオロフェニル)−8−
ヒドロキシキノリン、2−(2−フルオロフェニル)−
4−(4−ヒドロキシフェニル)キノリン等が挙げられ
るAB型モノマーは、フリードレンダー合成、スクラウ
プ合成、デーブナー合成、ニーメントウスキー合成な
ど、当技術分野に公知の種々のキノリン合成法によって
製造することができる。これらのキノリン合成反応は、
例えば、ザ・メルク・インデックス、第10版、M.ウ
ィンドホルツ、出版、メルク・アンド・カンパニー、ラ
ーウェイ、N.J.、1983(The Merck
Index,Tenth Edition, M. W
indholz, Ed., Merck & C
o., Rahway, N.J. 1983)に掲載
されている。この引用により、この文献を本明細書の開
示内容に含める。例えば、ニーメントウスキー合成によ
れば、市販の2−アミノ−4−フルオロ安息香酸をα−
メチレンケトン誘導体と反応させることにより、2−位
をα−メチレンケトン誘導体に由来する種々の基で置換
された7−フルオロ−4−ヒドロキシキノリンを合成す
ることができる。種々のα−メチレンケトン誘導体が米
国特許第4,000,187号明細書に記載されてい
る。3−アミノフェノールは、デーブナー−ミラー合成
によるアクロレイン誘導体(例えば、4−フルオロシン
ナムアルデヒド)との縮合反応により、2及び/又は4
−位置換されたヒドロキシキノリンに転換することがで
きる。同様にして、2−アミノフェノール及び4−アミ
ノフェノールからも縮合反応によってフルオロヒドロキ
シキノリンを得ることができる。
【0070】米国特許第5,648,448号明細書に
記載の方法に使用しうるジオール(BB型)モノマー
は、H−Y−H(ただし、ここではYは−O−W−O−
(Wは先に定義した通りである。)である。)の構造を
有する。
【0071】使用し得るジオールモノマーの例として
は、例えば、ビスフェノールAF
【0072】
【化48】 及び9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレ
【0073】
【化49】 レゾルシン、ヒドロキノン、4,4′−ジヒドロキシビ
フェニル、1,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−
ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタ
レン、3,4′−ジヒドロキシビフェニル、3,3′−
ジヒドロキシビフェニル、2,4−ジヒドロキシ安息香
酸メチル、イソプロピリデンジフェノール(ビスフェノ
ールA)、フェノールフタレイン、フェノール・レッ
ド、1,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ジ
(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4′−ジヒド
ロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0074】ジオールモノマーは、ビス−オキシド塩
(例えば、ジカリウム=イソプロピリデン−ビス−フェ
ノラート等)の形態で用いるか、或は、米国特許第5,
648,448号明細書に記載のポリキノリンを製造す
るための反応をジオールを脱プロトン化しうる塩基の存
在下で行う。このような塩基としては、アルカリ及びア
ルカリ土類金属炭酸塩及び水酸化物、例えば、炭酸カリ
ウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリ
ウム等が挙げられる。ジオールの酸性度が低くて水酸化
ナトリウムでは十分に脱プロトン化されない場合には、
より強い塩基、例えば、水素化ナトリウム等の金属水素
化物、ブチルリチウム、ナトリウムアミド等の金属アミ
ドなどを用いてもよい。
【0075】米国特許第5,648,448号明細書記
載のポリマーは、キノリン核によって活性化されたフル
オロ基のオキシアニオンによる求核置換によって得られ
る。この種の置換反応は、無水極性溶媒中で行うことが
最も好ましく、このような溶媒としては、例えば、N,
N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチ
ルアセトアミド(DMAC)、N−メチルピロリドン
(NMP:N−methyl−2−pyrrolidi
none、CASのレジストリーナンバー872−50
−4)、テトラメチル尿素、ジメチルスルホキシド、ス
ルホラン、ジフェニルスルホンなど、又は、これらの溶
媒と他の無水溶媒との混合物などが挙げられる。水を共
沸蒸留によって除去するためには、トルエン、ジクロロ
ベンゼンや、水と共沸物を形成するその他の溶媒を添加
することが好ましい。一態様として、ジオールモノマー
を炭酸カリウム等の塩基と反応させると、カリウム塩と
副生物として水が生成する。この水は共沸蒸留によって
容易に除去することができる(実施例参照)。このジオ
ールモノマーの塩を単離する必要はなく、製造後そのま
ま使用することができる。
【0076】米国特許第5,648,448号明細書記
載のポリキノリンポリマーを製造するための操作は、通
常、1種又は複数種のモノマーと塩基とを無水溶媒中で
加熱し、水(塩基とBB又はAB型モノマーのヒドロキ
シ基との反応によって生じる水)を共沸除去することか
らなる。或は、BB又はAB型モノマー(1種又は複数
種)を別工程で塩基で処理してもよいし、更に、得られ
るオキシド塩(BB型モノマーについてはビス−オキシ
ド塩、AB型モノマーについてはオキシド塩)を必要に
応じ単離及び精製してもよい。反応物の添加の順序は重
要ではない。本発明のポリマーの製造に使用するモノマ
ーの量は、当技術分野で公知の標準式、例えば、カロザ
ースの式から決定することができる。
【0077】一般に、通常(AA+BB重合において
は)等モル量のAA及びBB型モノマーを使用するが、
必要に応じ、MW(分子量)や末端基の調整のためにモ
ル比を1:1以外としてもよい。塩基は通常に若干過剰
モル量を添加する。NMP/トルエン溶媒系の場合、還
流温度は約135℃であり、6〜18時間かけて水を回
収する。次いでトルエンや他の共溶媒を留去し、混合物
を還流温度に加熱し(NMPの場合約202℃)、12
〜24時間、又は、ポリマーが所望のMWに達するまで
還流を続ける。圧力に制限はなく、常圧が好ましい。
【0078】必要に応じ、末端停止剤を反応の開始時、
反応中、又は反応の終了間際に添加してもよい。末端停
止剤は得られるポリキノリンのMWを調整するために用
いることができ、また、末端停止剤成分の一部は末端基
Eとして残る。ポリマーのMWは、当技術分野で公知の
とおり、粘度測定又はゲル・パーミエーションクロマト
グラフィー(サイズ排除クロマトグラフィー)によって
測定することができる。次いで、反応混合物を冷却す
る。ドープからのポリマーの回収は、アルコールや水な
どの非溶媒からの析出など、当技術分野で公知の方法に
よって行うことができる。この非溶媒としては、反応の
副生物であるフルオリド塩を除去するために、極性溶媒
を用いることが好ましい。また、析出の前にポリマード
ープを濾過することも好ましい。場合によっては、濾過
又は析出前に、ドープを希釈することが望ましい。
【0079】本発明の一態様におけるAB型モノマーの
一般構造を以下に示す:
【0080】
【化50】 (式中、Zは単結合、オルト−アリーレン基及びパラ−
アリーレン基からなる群から選ばれ、V−OH基はキノ
リン核のいずれの環のどの位置に結合していてもよく、
基Vは単結合又は重合反応を妨害しない2価の基であ
り、Reは各々独立に重合反応を妨害しない基であり、
n3は0〜5の整数である。) Reの例としては、上記のとおり、アルキル基、アリー
ル基、アリールオキシ基、アルコキシ基、ケトン基(−
COR′)、ホルミル(−COH)、エステル基(−C
2R′又は−OCOR′)、アミド基(−NR′CO
R″又は−CONR′R″)、ヘテロアリール基、シア
ノからなる群から選ばれるものなどが挙げられ、Re
2つ以上結合している場合、それらは互いに同一であっ
ても異なっていてもよく、隣り合う2つのRe基が互い
に結合して結合基を形成していてもよい。R′はアルキ
ル基又はアリール基であり、R″はアルキレン基又はア
リーレン基である。
【0081】Vの具体例としては、例えば、単結合、ア
ルキレン、アリーレン、アルキレン/アリーレン混合
基、アルキレンオキシ、アリーレンオキシ、アルキレン
カルボニル、アリーレンカルボニル、アルキレンスルホ
ニル、アリーレンスルホニル、アルキレンチオ、アリー
レンチオ及びヘテロアリーレンからなる群から選ばれる
ものなどが挙げられる。
【0082】V基の例としては、例えば下記のものなど
が挙げられる:アルキレン基としては、メチレン、エチ
レン及びステアリレン;アリーレン基としては、フェニ
レン及びナフタレンジイル;アルキレン/アリーレン混
合基としては、ジメチレンフェニレン及びエチレンフェ
ニレン(−CH2CH2−C64−);アルキレンオキシ
基としては、メチレンオキシ及びプロピレンオキシ;ア
リーレンオキシ基としては、ナフタレンオキシ及びフェ
ニレンオキシ;アルキレンカルボニル基としては、メチ
レンカルボニル及びシクロヘキシレンカルボニル;アリ
ーレンカルボニル基としては、メチルフェニレンカルボ
ニル及びフェニレンカルボニル;アルキレンスルホニル
基としては、メチレンスルホニル及びエチレンスルホニ
ル;アリーレンスルホニル基としては、ナフタレンスル
ホニル及びフェニレンスルホニル;アルキレンチオ基と
しては、エチレンチオ(−CH2CH2−S−)及びプロ
ピレンチオ;アリーレンチオ基としては、ビフェニレン
チオ及びフェニレンチオ(−C64−S−);並びにヘ
テロアリーレン基としては、ピリジンジイル及びキノリ
ンジイル。
【0083】Reは、キノリン核のZ又はV−OHで置
換されていないどの位置に結合していてもよく、キノリ
ン核のどちらの環に結合していてもよい。
【0084】上記の一般構造を有するAB型モノマーを
重合させることにより、下記の対応する構造を有するポ
リマーを得ることができる:
【0085】
【化51】 (式中、Z、−V−O−結合、V、Re及びn3は先に
定義したとおりであり、E及びE′は末端基あり、xは
繰り返し単位の数であって2〜1,000,000であ
る。) 繰り返し単位の数xは2〜1,000,000、好まし
くは10〜10,000、特に好ましくは50〜100
0である。末端停止剤を添加しない場合、EはHであ
り、E′はFであるが、不純物及び副反応によって偶然
に生じた末端停止基が存在する場合もある。EがHであ
る場合、ポリマー末端の化学的官能基はヒドロキシ基で
ある。この末端基の反応性は、ヒドロキシ基の反応性で
ある。EはHとして示されるが、末端基の化学的性質に
ついて述べる場合、Eをヒドロキシ又はOHと呼ぶ方が
適切と思われる。本発明の場合、偶然に形成されるE′
としては、水に由来する−OHが形成される可能性が最
も高い。末端停止剤を積極的に添加してもよい。例え
ば、フェノールはフェノキシ末端基(E′=OPh)を
形成し、2−フルオロキノリンはキノリン末端基(E=
2−キノリル)を形成する。
【0086】末端基の種類により、得られるポリマーの
化学的性質及び反応性が著しく異なる。例えば、フルオ
ロ末端基は求核的攻撃を受けやすく、他の求核剤によっ
て更に置換することができる。例えば、フルオロ末端基
を染料その他の標識した基で置換することができる。フ
ルオロ末端基を有するポリマーをジオール(所望に応
じ、もとのBB型モノマージオールとは異なるジオー
ル)と反応させることにより、より高いMWを有し、よ
り複雑な構造を有する新規なポリマーを製造することも
できる。フルオロ末端基を有するポリマーを三官能性求
核剤、例えばトリオール又はトリアミンと反応させるこ
とにより、分岐又は架橋したポリマーを製造することも
できる。
【0087】フルオロ末端基の場合と同様に、ヒドロキ
シ末端基も反応性を有する。ヒドロキシ末端基は酸性で
あり、塩基によって脱プロトン化することにより求核性
になる。これらの特性を利用してポリマーを更に反応さ
せることにより、例えば、エステル又はエーテルを製造
することができる。ヒドロキシ末端ポリマーは、例え
ば、二酸クロリドと反応して、ポリエステルを生成す
る。二酸クロリドの例としては、例えば、アジポイルク
ロリド、テレフタロイルクロリド、スクシノイルクロリ
ド等が挙げられる。また、ヒドロキシ末端基を用いて架
橋させたり、分岐構造を形成することもできる。
【0088】AB型モノマーの重合反応によって得られ
るポリマーの例を、以下に示す。
【0089】
【化52】 (式中、E及びE′は上記のような末端基であり、xは
繰り返し単位の数である。) 米国特許第5,648,448号明細書記載の方法の一
実施態様によれば、単核キノリン核ジフルオロ(AA)
モノマーを後述するようにジオール(BB)モノマーと
反応させることにより、一般構造:
【0090】
【化53】 [式中、Re、n3、Z及びEは上記の通りであり、x
は繰り返し単位の数であって、2〜1,000,000
であり、Yは −O−及び −O−W−O− から選ばれる2価基であり、Wは上記のとおりであ
る。]xは好ましくは10〜10,000、特に好まし
くは50〜1000である。
【0091】Z基はキノリン核の2、4、5及び7−位
から選ばれる位置に結合しており、−Z−Y−基が5又
は7−位に結合している場合、通常、Zは単結合であ
り、即ちYのみが存在する。
【0092】各末端基EはAA及びBB型モノマーの量
比、及び末端停止剤を添加した場合にはその末端基の種
類によって異なる。例えば、AA型モノマーを過剰量用
いることにより末端基をAとすることができ、BB型モ
ノマーを過剰量用いることにより、末端基をBとするこ
とができる。
【0093】米国特許第5,648,448号明細書記
載の方法の一態様によれば、ポリキノリンポリマーを製
造するための先に概説した一般的反応条件下でのジフル
オロ(AA)単核キノリンモノマーとジオールモノマー
との反応は、下記のように表される。
【0094】
【化54】 後述するように、本発明の二核キノリン核ジフルオロ
(AA)モノマー(ビス−(フルオロキノリン)モノマ
ー)を用いることにより、10個の一般構造を有するポ
リマーを製造することができ、そのうちの3個の一般構
造を以下に構造(2)、(3)及び(4)として示す。
【0095】
【化55】
【0096】
【化56】
【0097】
【化57】 他の7個の一般構造は、各々のキノリン核がポリマー鎖
に2及び5′、2及び7′、4及び5′、4及び7′、
5及び5′、5及び7′、並びに7及び7′の位置で結
合しているものである。
【0098】一般構造(2)型ポリキノリンのより具体
的な例としては、下記の構造がある。
【0099】
【化58】 構造5のポリマー中では、Zがいずれもパラ−フェニレ
ンであり、R4及びR′4はRe基としてのフェニルであ
り、その他の各種Reは全てHである。
【0100】構造5の更に具体的な例は、下記の構造:
【0101】
【化59】 であり、この構造6のポリマーは、対応するジフルオロ
AA型モノマーとビス−フェノールAFと反応させて製
造され、従って、Yがビス−フェノキシ−ヘキサフルオ
ロイソプロピリデンであり、Xは単結合である。この2
種のモノマーを等量で用いた場合には、構造6中の末端
基EはF及びOHである。xは繰り返し単位の数であ
る。
【0102】[熱硬化性ポリキノリンの製造]本発明の
熱硬化性ポリキノリンの製造方法の第一態様では、アセ
チレン基導入用の末端停止剤を添加してフリードレンダ
ー縮重合反応又は求核置換重合反応を行う。フリードレ
ンダー重合反応及び求核重合反応のいずれも、段階成長
(step−growth)重合反応である。このよう
な段階成長型重合反応は周知であり、当業者であれば所
望の分子量を得るために必要なモノマー及び末端停止剤
の使用量を算出することが可能である。例えば、モノマ
ーの使用量の計算方法は、G. Odianの”Pri
nciples of Polymerizatio
n”, 第3版, 1991,John Wiley
& Sons, Inc., New York等に記
載されている(この引用によりこの文献を本明細書の開
示内容に含める。)。Odian文献の第2〜6節に分
子量の調節法が記載されている。
【0103】一例として、AA及びBB型の2種のモノ
マーを用いる重合反応について説明する。なお、ここ
で、A及びBは互いに反応してポリマー結合を形成する
相補性官能基である。前述の通り、これらのモノマーが
反応することにより、A又はB型末端を有する成長鎖、
即ち、AA−BB−AA−BB−AA(両端がA型末
端)又はAA−BB−AA−BB(一方がA型末端、他
方がB型末端)又はBB−AA−BB−AA−BB(両
端がB型末端)が形成される。末端停止剤AE″(アセ
チレン官能性を有する末端停止剤)を添加すると、E″
が反応条件下で不活性な場合、AE″と反応する末端が
成長を停止する。最も単純なケースでは、AE″型末端
基2モル当量につき、BBを1モル当量過剰に使用す
る。末端停止剤をAE″型末端停止剤としたのは、単に
具体例として説明するためである。勿論BE″型末端停
止剤も使用することができる。
【0104】各反応段階が100%収率で進行すると仮
定すると、ポリマーのMWは下記式により求められる: [繰り返し単位数]=DPn=2×(AAモル数+BB
モル数)/(AE″モル数) 上記式中、繰り返し単位とは−AA−又は−BB−であ
り、DPnは数平均重合度である。AA型モノマー10
0モル、BB型モノマー102モル及びAE″型末端停
止剤4モルを用いたとすると、DPnは2×(100+
102)/4=101となる。
【0105】モノマー及び末端停止剤の反応性を比較す
るため、また、2種類以上のモノマーを用いる場合には
モノマーオフセットを求めるために、対照実験を数回行
うことが好ましい。例えば、上記の式で算出したAA/
BBモル比の理論値から0.25%、+0.5%、−
0.25%及び−0.5%ずつずらしたモル比で重合反
応を行い、各重合反応で得られたMWを理論モル比で算
出した値と比較する。所望のMWに最も近いMWの得ら
れるモノマーオフセットを用いる。AA/BBモル比を
そのように調整することにより所望のMWにより近い値
が得られるがそれでもまだ不十分である場合には、AA
/BBモル比の変更を更に微調整して実験を繰り返すこ
とにより、所望の値と一致する分子量を有するポリマー
を製造するのに必要なモル比を求めることができる。
【0106】当技術分野で周知のように、このような対
照実験を行うことにより、実際のMWと理論値との解離
の原因となりうる偶発的な不純物や副反応の発生を防ぐ
ことが可能となる。
【0107】AE″(又はBE″)(E″は上記の意味
を有する。)型末端停止剤としては、例えば下記のもの
が挙げられる。
【0108】
【化60】 (式中、Rは上記と同じ意味を有するが、フリードレン
ダー重合反応においてはH又はアリール基である。)
【0109】
【化61】 (式中、R2及びR4は各々独立にH、フェニル、フルオ
ロ、2−フルオロフェニル又は4−フルオロフェニルで
あり、R2及びR4のいずれか一方がフルオロ、2−フル
オロフェニル又は4−フルオロフェニルである。) 末端停止剤AE″又はBE″は下記のような縮合環構造
を有するものであってもよい。
【0110】
【化62】 (式中、Rは上記のとおり水素原子又はアリール基であ
る。) フリードレンダー重合反応に用いられる末端停止剤の具
体例としては、2−アミノベンゾフェノンの3−、4
−、5−及び6−(2−フェニルエチニル)異性体、ア
セトフェノンの2−、3−及び4−(2−フェニルエチ
ニル)異性体等が挙げられる。
【0111】求核置換重合反応に用いられる末端停止剤
の具体例としては、ジフェニルアセチレンの2−、3−
及び4−ヒドロキシ異性体、4−フルオロベンズアルデ
ヒドの2−及び3−(2−フェニルエチニル)異性体、
2−(4−フルオロフェニル)−4−フェニル−6−フ
ェニルエチニルキノリン等が挙げられる。
【0112】上記各種のAE″末端停止剤モノマーは、
ヨウ化第一銅を触媒とするフェニルアセチレンと適当な
臭素化誘導体とのカップリング反応によって製造するこ
とができる。例えば、フェニルアセチレンと3−ブロモ
−4−フルオロベンズアルデヒドとの反応により3−
(2−フェニルエチニル)−4−フルオロベンズアルデ
ヒドを製造することができる。上記例示化合物中、反応
性の置換基、即ちヒドロキシド又はアミン基を有するも
のについては、これらの基を予め保護基で保護した後に
カップリング反応を行い、次いで使用前に保護基を除去
する必要がある場合がある。
【0113】本発明の第二の態様によれば、まず、後に
所望のアセチレン性末端基に転換しうる末端基を有する
ポリマーキノリンを製造する。例えば、ヒドロキシ末端
ポリキノリン、HO−(PQ)x−OHを求核置換重合
反応によって製造し、次いでこれをヒドロキシ末端ポリ
キノリンの少なくとも一部が脱プロトン化される条件下
で臭化プロパルギル等のハロゲン化プロパルギルで処理
してプロパルギルエーテル末端ポリキノリンを製造す
る:
【0114】
【化63】 (式中、xはポリキノリン繰り返し単位の数である。) 本発明の他の態様では、求核置換反応によって製造した
フルオロ末端ポリキノリンをアセチレン塩で処理し、ア
セチレン官能性を有する末端基を有するポリマーを製造
する:
【0115】
【化64】 上記のヒドロキシ及びフルオロ末端ポリキノリンは、求
核置換重合反応においてモノマーオフセット法により末
端基を調整することにより製造することができる(下記
の例を参照せよ。)。また、MWも従来公知の方法によ
り、モノマーオフセット法により調整することができ
る。
【0116】前記の通り、フリードレンダー重合法を用
いることにより、両末端がメチレンケトン(B)末端
基、又は両末端がオルト−アミノカルボニル(A)末端
基、又は一方の末端がメチレンケトン末端基で他方がオ
ルト−アミノカルボニル末端基であるポリキノリンを製
造することができる。
【0117】メチレンケトン末端基を公知の方法により
アセチレン基に転換することにより本発明のポリマーを
得ることができる。例えば下記のように示される:
【0118】
【化65】 オルト−アミノカルボニル末端基は、例えば4−フェニ
ルエチニルアセトフェノンと反応させることにより、ア
セチレン基に転換することができる。4−フェニルエチ
ニルアセトフェノンの製法は、後述の実施例9に記載さ
れている。
【0119】
【化66】 [一般的操作」 フリードレンダー重合 (方法1)第一の態様、即ち、アセチレン基導入用末端
停止剤を添加して重合反応を行う方法では、モノマーと
してビス−メチレンケトン(AA)、ビス−アミノカル
ボニル(BB)及びメチレンケトンアミノカルボニル
(AB)化合物から選ばれる化合物を用い、これらを触
媒及び溶媒中に添加する。モノマーの使用モル量は、所
望のMWに応じ、カロザースの式(Carothers
equation)などによって求める。絶対量は、
生成するポリマー溶液濃度が1〜50重量%、好ましく
は約25重量%となるようにする。触媒がリン酸水素ブ
チルである場合には、その他の溶媒は不要である。しか
し、トルエン又はm−クレゾール等の溶媒を用いてもよ
い。モノマー量とあわせてカロザースの式等によって求
めた量の末端停止剤(AE″又はBE″)を添加する。
次いでこの混合物を110℃で約3時間加熱し、次いで
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーやその他の適
当な方法によって測定したMWの値が所望の値になるま
で約90℃で加熱する。混合物を室温に冷却し、エタノ
ール等の非溶媒中で凝固させる。トリエチルアミン(1
0〜15容量%)等の塩基を添加して酸触媒を中和して
もよい。固体を濾過により回収し、洗浄及び乾燥する。
【0120】(方法2)第二の態様、即ち、後に所望の
アセチレン末端基に転化しうる末端基を有するポリキノ
リンを製造する態様における操作は、MWが所望の値に
達した後、かつ、ポリマーを凝固させる前に末端停止剤
(AE″又はBE″)をポリマードープに添加する以外
は、方法1と同様である。
【0121】通常、副反応を防ぐために、重合反応が完
了した後(即ち、方法2ではなく方法1)に末端停止剤
を添加することが好ましい。方法1及び方法2のいずれ
においても、末端停止剤の添加前にポリマーの単離及び
精製を行わないので、両方法の全コストはほとんど同じ
である。
【0122】[一般的操作] 求核置換重合 第一の態様、即ち、アセチレン官能基導入用末端停止剤
を添加して重合反応を行う方法では、使用するモノマー
(AA、AB及び/又はBB)と末端停止剤(AE″又
はBE″)の量をカロザースの式やその他の方法(例え
ば実験により求める方法)により求める。モノマーを若
干過剰モル量の炭酸カリウム(又は類似の塩基)、無水
溶媒及び水と共沸する溶媒と共に反応容器に入れる。無
水溶媒としてはNMP等のアミド溶媒が好適であり、共
沸溶媒としてはトルエン等の芳香族溶媒が好適である。
モノマーの量は、得られるポリマー溶液の濃度が約1〜
50重量%、好ましくは約20重量%となるように選択
する。混合物を約180℃で約5時間加熱し、その間、
水を共沸蒸留により除去する。次いで、約200℃に昇
温して12〜24時間、又は、ゲル・パーミエーション
クロマトグラフィーやその他の適当な方法によって測定
したMWの値が所望の値となるまで、加熱する。混合物
を室温に冷却し、末端停止剤(AE″又はBE″)及び
末端停止剤より若干過剰モル量の無水炭酸カリウムを添
加する。次いで混合物を約80℃で約24〜72時間撹
拌する。次いで室温に冷却し、水中に注加し、濾過、洗
浄及び乾燥して凝固させる。
【0123】アセチレン官能基が重合条件下で反応しな
いものである場合には、モノマーと同時に末端停止剤を
添加してもよい。ただし、この方法は、反応温度が高温
(200℃)であるため、フェニルエチニルベンゼン等
の比較的反応性の低いアセチレンのみに適用可能であ
る。
【0124】第二の態様、即ち、後に所望のアセチレン
末端基に転化しうる末端基を有するポリキノリンを製造
する態様では、末端停止剤と相補性の末端基を持つポリ
キノリンを製造しうる方法であれば、特に制限なく採用
することができる。ポリキノリンを適当な溶媒に溶解し
て1〜50重量%、好ましくは約25重量%の溶液と
し、末端停止剤を酸又は塩基いずれか適当な触媒と共に
加える。混合物を加熱して末端停止反応を行い、得られ
た末端停止ポリマーを非溶剤中で凝固させる。得られた
末端停止ポリマーを洗浄し、所望により更に抽出又は再
凝固により精製した後、乾燥してもよい。
【0125】また、本発明の熱硬化性ポリキノリンは、
溶液に非溶媒を添加して沈殿させて粉末又はペレット状
(未硬化)で得ることもでき、この粉末を加熱及び必要
に応じて加圧して成形することができる。
【0126】[熱硬化性ポリキノリンの硬化(又は架
橋)]本発明の熱硬化性ポリキノリンは、加熱又は紫外
線照射により硬化(又は架橋)する。本発明の熱硬化性
ポリキノリンの硬化時に成形する場合、成形方法として
は、圧縮成形、射出成形、押出し成形、その他の加熱及
び加圧を用いる方法を用いることができる。成形に際し
ては、本発明の熱硬化性ポリキノリン又は熱硬化性ポリ
キノリンを含有するポリキノリン組成物を用いる。ポリ
キノリン組成物は、本発明の熱硬化性ポリキノリンのみ
からなるものであってもよいし、後述のような各種添加
剤を添加したものであってもよい。ポリキノリン組成物
を加熱により硬化させる場合、加熱温度は、用いる熱硬
化性ポリキノリンのTonset(発熱反応開始温度)より
高い温度に加熱することが好ましく、Tmax(発熱反応
最高温度)より高い温度に加熱することがより好まし
い。(なお、本明細書中、ポリキノリン組成物の硬化物
を架橋ポリキノリン組成物、熱硬化ポリキノリンと呼ぶ
ことがある。)加熱に伴い、粉末の粒子が軟化及び流動
して必要空間全体を充填し、かつ互いに永久に固着しあ
うことが好ましい。プラスチックを適度な圧力で流動さ
せるためには、そのTg(ガラス転移温度)よりも高い
温度(又は高結晶性の場合には溶融温度Tmよりも高い
温度)まで加熱する必要がある。Tg及びTmは、分子鎖
の構造(可撓性)、分子量及び添加された可塑剤や添加
剤によって異なる。架橋させるためには、2個以上の架
橋基が接触する必要がある。従って、未硬化の末端停止
ポリマーをTg(又はTm)より高い温度に加熱し、架橋
基を拡散させることが重要である。架橋反応はTg(又
はTm)よりも少なくとも約50℃、好ましくは少なく
とも約75℃、特に好ましくは少なくとも約100℃高
い温度で起こることが好ましい。
【0127】また、硬化温度が高すぎると、熱分解など
の問題が生じるので好ましくない。熱分解温度は、熱重
量分析法(TGA)により試料を調節された雰囲気中で
徐々に加熱しながら連続的に重量を測定することにより
測定することができる。加工装置の加熱温度をできるだ
け低くし、かつ硬化後の冷却時の収縮による寸法変化及
び応力を最小化するためには、硬化温度ができるだけ低
いことが望ましい。
【0128】アセチレン官能基(E″)の反応性は、立
体因子により大きく影響される。置換基Rが大きいと架
橋反応が遅くなり、高い硬化温度が必要となる。エチニ
ル、エチニルアリーレン、プロパルギル、プロパルギル
アリーレン等の種々のアセチレン官能基の内、無置換ア
セチレン(即ち、R=H)が最も低い硬化温度を有す
る。アルキル又はアリール置換基は、硬化温度を上昇さ
せる。アリール及びヘテロアリール置換基は熱安定性に
優れているため好ましい。例えば、フェニルエチニル末
端ポリイミドは、通常350〜400℃で硬化し、一方
エチニル末端ポリイミドは、通常200〜250℃で硬
化する。メチル、エチル等の中間サイズのR基を有する
末端基は、その間の温度で硬化する。
【0129】ポリキノリンのTg及び架橋性末端基の反
応は、示差走査熱量測定法(DSC)により測定するこ
とができる。一度のDSC操作でTg(及び/又は
m)、T onset及びTmaxの全てを測定することができ
る。この方法により、TgとTonset又はTmaxの温度差
を容易に調べることができる。TgはMWによって異な
り、即ち、同種のポリマーではMWが低いほどTgが低
いので、通常、MWを調整することにより末端基の種類
毎にTgとTonset又はTmaxの温度差を所望の値に設定
することができる。例えば、あるポリキノリン/末端基
の組み合わせのポリマーがMWが65,000でTg
260℃、Tonsetが240℃である場合、MWを下げ
ることにより、硬化システムを改善することができるは
ずである。本発明の熱硬化性ポリマーの最適MWを求め
る方法の一つとして、同じ活性末端基E″を有し、MW
が約40,000、20,000及び10,000と異
なる一連のポリキノリンを製造する方法がある。得られ
た各ポリキノリンについてDSC測定を行う。この方法
により、TgとMWの関係がわかり、最適なMWを選択
することが可能となる。更に分子量の異なる試料を用い
て上記の方法を行うことにより、適用可能なMWの範囲
を更に詳細に決定することができる。
【0130】また、MWの異なる試料を少量(1〜10
gが好ましいが、更に多くても少なくてもよい。)ずつ
用い、それを加熱(所望の処理方法と同じ加圧下で)す
ることによっても、MWの最適値を求めることができ
る。TonsetがTgより低過ぎると、試料は粉末状態のま
ま残る。加熱時に圧密化に十分な流動性を示すもので最
も高いMWを有する試料のMWが最適MWである。
【0131】本発明の熱硬化性ポリキノリンの架橋に必
要な硬化時間は、実験的に求めることができる。例え
ば、ポリマー試料を少量(0.1〜1g)ずつ一定温度
で硬化時間を変えて加熱することにより求めることがで
きる。各試料を各設定時間だけ加熱した後、その試料の
発熱面積を示差走査熱量分析法により測定する。その発
熱面積、即ち発熱曲線下の面積、を未加熱の試料の発熱
面積の所望のパーセントまで減少させた加熱時間が、必
要な硬化時間である。例えば、ある一定の温度での硬化
時間として、上記の発熱面積を未加熱の試料の発熱面積
の25%まで減少させる時間を選択する場合もあるし、
また、上記の発熱面積を未加熱の試料の発熱面積の10
%まで減少させる時間を選択する場合もある。
【0132】例えば、本発明の一実施態様では、本発明
の末端停止ポリマーをN−メチルピロリドンに不溶とな
るまで加熱する。また、他の態様では、末端基の少なく
とも半数が反応するまで加熱する必要がある場合があ
る。この場合、末端基の半数が反応するのに要する時間
は、示差走査熱量測定法により求められた、発熱面積を
未加熱の試料の発熱面積の50%まで減少させるのに要
する加熱時間である。
【0133】本発明の熱硬化性ポリマーは、一旦硬化し
た後は、トルエン、エタノール、ジェット燃料、水性液
体等の通常の溶媒に不溶となる。更に、R基を選択する
ことにより、約250〜350℃又はそれ以上の温度に
おいても安定な架橋ポリマーを得ることができる。
【0134】本発明の熱硬化性ポリキノリンは、熱硬化
以外にも、通常の照射装置を用いる紫外線照射によって
も硬化可能である。
【0135】本発明の熱硬化性ポリキノリンは、ポリマ
ーのみで硬化させてもよいし、添加剤及び/又は充填剤
を添加して硬化させてもよい。添加剤としては、例え
ば、接着剤、接着促進剤、顔料、染料、UV安定剤、酸
化防止剤、可塑剤、潤滑剤、離型剤、難燃剤、強化剤、
静電防止剤、発泡剤、硬化剤等が挙げられる。充填剤と
しては、例えば、シリカ、カーボンブラック、グラファ
イト、チタニア、アルミナ、マイカ、タルク、炭酸カル
シウム、金属粉末、ガラスミクロ−バルーン、プラスチ
ックミクロ−バルーン、ガラス、チタニア、炭素、グラ
ファイト等の繊維、ポリマー繊維、例えばポリエチレン
繊維、ポリ(フェニレンテレフタルアミド)繊維、ポリ
(フェニルベンゾビスオキサゾール)繊維等が挙げられ
る。
【0136】本発明の熱硬化性ポリキノリンには、硬化
前に他のポリマーを配合してもよい。配合しうるポリマ
ーとしては、例えば、ポリイミド、ポリシラン、シリコ
ーン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフ
ィド、ポリエーテルイミド、ポリプロピレンオキシド、
ポリカーボネート、ポリエチレンオキシド、ポリスチレ
ン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シアン
酸エステル樹脂、ビス−マレイミド樹脂、フェノール樹
脂等が挙げられる。
【0137】また、本発明の熱硬化性ポリキノリンを適
当な溶媒に溶解し、キャスト法によりフィルムに成形す
ることもでき、また基材上に塗布してコーティングとす
ることもできる。
【0138】本発明のポリキノリンを塗布する基材とし
ては、例えば、アルミニウム、窒化アルミニウム、銅、
ダイアモンド、水晶、シリカ、ケイ素、ヒ化ガリウム、
炭化ケイ素、金、はんだ、チタン等が挙げられる。これ
らの基材上に熱硬化性ポリキノリンの層を多層形成して
もよい。
【0139】本発明の一実施態様として、固形分濃度が
1〜60重量%、好ましくは5〜40重量%、より好ま
しくは10〜30重量%の熱硬化性ポリキノリン溶液
を、シリコンウエハ上にスピンコーティングし、乾燥
し、加熱して硬化させる。シリコンウエハ表面には、集
積回路製造分野で公知のように、回路が形成されていて
もよく、或は、集積回路上に回路の内部接続用の金属配
線及び絶縁体が予め塗布されていてもよく、或はエッチ
ング、酸化又はその他の処理を施しただけでコーティン
グされていないウエハでもよい。ポリキノリンポリマー
を塗布する前に、予めウエハに接着促進剤を塗布しても
よい。
【0140】加熱方法としては、一定時間所定の温度に
一度加熱するだけでもよいし、溶媒除去及び数段階の硬
化を行う複雑な加熱サイクルで加熱してもよい。加熱サ
イクル条件は、当技術分野で通常行われているように、
所望のポリキノリン熱硬化物及び用途に応じて、適宜実
験により定めることができる。
【0141】本発明の熱硬化性ポリキノリンの対象物又
は基材への塗布方法としては、特に制限はなく、例え
ば、スプレーコーティング、プラズマコーティング、デ
ィップコーティング、スピンコーティング、ブラシ塗
布、カーテンコーティング、予め製造したフィルムの積
層等が挙げられる。乾燥及び硬化は、別工程で行っても
良いし、一工程で行ってもよい。
【0142】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0143】実施例1 ビス−アミノベンゼン誘導体の縮合反応による下記構造
のジフルオロキノリンモノマー(6,6′−ビス−[2
−(4−フルオロフェニル)−4−フェニルキノリ
ン])の製造
【0144】
【化67】 10ml丸底フラスコに1g(2.56ミリモル)の
4,4′−ジアミノ−3,3′−ベンゾイルビフェニ
ル、0.4g(2.89ミリモル)の4−フルオロアセ
トフェノン及び0.1g(0.52ミリモル)のトルエ
ンスルホン酸一水和物を入れた。この開口フラスコを約
200℃に加熱した。反応中に明黄色から橙色への明ら
かな変色が観察され、水が蒸発した。200℃で加熱を
続けたところ、生成物が結晶化した。フラスコを冷却
し、固体粗製物を粉砕し、熱エタノールで洗浄した。更
に再結晶を行ったところ、モノマー(7)が収率84%
で得られた。
【0145】実施例2 活性化亜鉛末の製造 市販の325メッシュ亜鉛末を塩化水素の1M濃度ジエ
チルエーテル(無水)溶液で2回洗浄し、ジエチルエー
テル(無水)で2回洗浄し、真空又は不活性雰囲気下で
数時間100〜200℃で乾燥し、活性化亜鉛末を得
る。乾燥中に凝集が起こった場合には、再度−150メ
ッシュにシーブする。得られた活性化亜鉛末は直ちに使
用するか、又は酸素及び湿気を遮断した不活性雰囲気下
に保存する。
【0146】実施例3 予め製造したクロロフルオロキノリンのカップリングに
よる6,6′−ビス−[2−(4−フルオロフェニル)
−4−フェニルキノリン](モノマー7)の製造 窒素導入管、撹拌棒装置及び蒸留装置を備えた250m
l三口丸底フラスコに、2−アミノ−5−クロロベンゾ
フェノン(17.38g、75.0ミリモル)、4′−
フルオロアセトフェノン(10.0ml、82.0ミリ
モル)及びp−トシル酸(1.00g、5.3ミリモ
ル)を入れた。反応系を窒素雰囲気下で180℃に加熱
し(16時間)、水を留去した。反応系にK2CO30.
726gを添加し、次いで、残存する痕跡量の水を除去
するために、反応混合物にトルエン(2×50ml)添
加して蒸留装置を通して除去した。
【0147】反応系を室温に冷却し、ビス(トリフェニ
ルホスフィン)ニッケルジクロリド(0.681g、
1.04ミリモル)、ヨウ化ナトリウム(1.40g、
9.37ミリモル)、トリフェニルホスフィン(8.1
9g、33.3ミリモル)及び活性化亜鉛末(3.13
g、47.9ミリモル)の混合物をNMP(86ml)
と共に反応フラスコに入れた。フラスコを窒素雰囲気下
に70℃(16時間)に加熱した。混合物をNMP(1
0ml)で希釈し、170℃に昇温し、セライト(Ce
lite)で混合物を濾過した。母液を−20℃に冷却
し、生成物を濾過により回収した。得られた黄色固体を
冷エタノール/塩化メチレン(3/1)で洗浄し、真空
オーブン中で100℃で乾燥した。モノマー(7)の収
量は18.03g、収率80.5%であった。
【0148】実施例4 求核置換反応によるプロパルギルエーテル末端ポリ
[(6,6′−ビス−4−フェニルキノリン−2,2′
−ジイル)−1,4−フェニレンオキシ−1,4−フェ
ニレンヘキサフルオロイソプロピリデン−1,4−フェ
ニレンオキシ−1,4−フェニレン]の製造 一段法 窒素導入管、メカニカルスターラー及び冷却器付きディ
ーン−スタークトラップを備えた100ml三口丸底フ
ラスコに、ジフルオロキノリン(7)1.404g
(2.353×10-3モル)、ビスフェノールAF1.
000g(2.974×10-3モル)、K2CO3 0.
715g(5.17×10-3モル)、無水NMP10m
l及びトルエン2mlを入れた。反応混合物を150℃
で5時間加熱し(脱水)、次いで200℃に昇温して2
4時間加熱を続けた。室温に冷却した後、下記式
【0149】
【化68】 の臭化プロパルギル0.285g(2.400×10-3
モル)及びK2CO3 0.331g(2.396×10
-3モル)を添加した。得られた溶液を80℃で3日間撹
拌した。室温に冷却した後、溶液をメタノール200m
l中に注加した。生成物を濾過により回収し、次いで沸
騰水で処理して残存する塩類を除去した。ポリマーを真
空オーブン中で100℃で一晩乾燥した。
【0150】得られたプロパルギル末端ポリ[(6,
6′−ビス−4−フェニルキノリン−2,2′−ジイ
ル)−1,4−フェニレンオキシ−1,4−フェニレン
ヘキサフルオロイソプロピリデン−1,4−フェニレン
オキシ−1,4−フェニレン]の構造を以下に示す。
【0151】
【化69】 実施例5 求核置換反応によるプロパルギルエーテル末端ポリ
[(6,6′−ビス−4−フェニルキノリン−2,2′
−ジイル)−1,4−フェニレンオキシ−1,4−フェ
ニレンヘキサフルオロイソプロピリデン−1,4−フェ
ニレンオキシ−1,4−フェニレン]の製造 2段法 ステップ1−ヒドロキシ末端ポリキノリン 窒素導入管、メカニカルスターラー及びディーン−スタ
ークトラップを備えた100ml三口丸底フラスコに、
ジフルオロキノリン(7)2.801g(4.909×
10-3モル)、ビスフェノールAF2.000g(5.
948×10-3モル)、K2CO3 1.430g(1
0.34×10-3モル)、無水NMP20ml及びトル
エン4mlを入れた。反応混合物を150℃で5時間加
熱し(脱水)、次いで200℃で24時間加熱した。室
温に冷却した後、混合物をメタノール中に注加し、濾過
により回収した。生成物を水中で煮沸し、残存する痕跡
量の塩類を除去した。ポリマーを真空オーブン中で一晩
乾燥した。このポリマーの構造を以下に示す。
【0152】
【化70】 ステップ2−プロパルギル末端ポリキノリン 窒素導入管、メカニカルスターラー及び冷却器を備えた
50ml三口丸底フラスコにヒドロキシ末端ポリキノリ
ンポリマー(9)1.000g(10.250×10-3
モル)、臭化プロパルギル0.119g(1.000×
10-3モル)、K2CO3 0.138g(1.000×
10-3モル)及びトルエン5mlを入れた。反応混合物
を窒素雰囲気下で80℃で3日間加熱した。次いで室温
に冷却し、メタノール中に注加した。ポリマーを濾過に
より回収した。生成物をメタノールで2回洗浄し、真空
オーブン中で100℃で一晩乾燥した。GPCによるポ
リスチレン標準換算のMnは10,340であった。
【0153】実施例6 求核置換反応によるプロパルギルエーテル末端ポリ
[(6,6′−ビス−4−フェニルキノリン−2,2′
−ジイル)−1,4−フェニレンオキシ−1,4−フェ
ニレンイソプロピリデン−1,4−フェニレンオキシ−
1,4−フェニレン]の製造 2段法 ステップ1−ヒドロキシ末端ポリキノリン 窒素導入管、メカニカルスターラー及びディーン−スタ
ークトラップを備えた100ml三口丸底フラスコに、
ジフルオロキノリン(7)2.801g(4.909×
10-3モル)、ビスフェノールA2.000g(5.9
48×10-3モル)、K2CO3 1.430g(10.
34×10-3モル)、無水NMP20ml及びトルエン
4mlを入れた。反応混合物を150℃で5時間加熱し
(脱水)、次いで200℃で24時間加熱した。室温に
冷却した後、混合物をメタノール中に注加し、濾過によ
り回収した。生成物を水中で煮沸し、残存する痕跡量の
塩類を除去した。ポリマーを真空オーブン中で一晩乾燥
した。このポリマーの構造を以下に示す。
【0154】
【化71】 ステップ2−プロパルギル末端ポリキノリン 窒素導入管、メカニカルスターラー及び冷却器を備えた
50ml三口丸底フラスコにヒドロキシ末端ポリキノリ
ンポリマー(10)1.000g(10.250×10
-3モル)、臭化プロパルギル0.119g(1.000
×10-3モル)、K2CO3 0.138g(1.000
×10-3モル)及びトルエン5mlを入れた。反応混合
物を窒素雰囲気下で80℃で3日間加熱した。次いで室
温に冷却し、メタノール中に注加した。ポリマーを濾過
により回収した。生成物をメタノールで2回洗浄し、真
空オーブン中で100℃で一晩乾燥した。
【0155】得られたプロパルギル末端ポリ[(6,
6′−ビス−4−フェニルキノリン−2,2′−ジイ
ル)−1,4−フェニレンオキシ−1,4−フェニレン
イソプロピリデン−1,4−フェニレンオキシ−1,4
−フェニレン]の構造を以下に示す。
【0156】
【化72】 実施例7 分子量約5,000のプロパルギル末端ポリキノリン
(8)の製造 100ml三口丸底フラスコに、ジフルオロキノリン
(7)1.4040g(2.353×10-3モル)、ビ
スフェノールAF1.0000g(2.974×10-3
モル)、K2CO3 0.7148g(5.17×10-3
モル)、無水NMP10ml及びトルエン2mlを入れ
た。フラスコにメカニカルスターラー、窒素導入管及び
水を除去するための短管蒸留装置を取りつけた。反応混
合物を180℃で5時間加熱し(脱水)、次いで200
℃で24時間加熱した。室温に冷却した後、臭化プロパ
ルギル0.28552g(2.4×10-3モル)及びK
2CO3 0.3312gを添加した。得られた溶液を8
0℃で3日間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、水
200ml中に注加した。生成物を濾過により回収し、
水で2回洗浄した。得られたポリマーを100℃で17
時間真空乾燥した。GPCによるポリスチレン標準換算
のMnは5017であった。
【0157】実施例8 6,6′−ビス[2−(4−フルオロフェニル)−4−
フェニルキノリン](7)及びビスフェノールAFから
のフッ素末端ポリキノリン(12)の製造
【0158】
【化73】 冷却器付きディーン−スタークトラップ、窒素導入バル
ブ及び撹拌棒装置を備えた100ml三口丸底フラスコ
に、6,6′−ビス[2−(4−フルオロフェニル)−
4−フェニルキノリン](7)3.1739g(5.3
18ミリモル)、ビスフェノールAF1.6867g
(5.017ミリモル)、炭酸カリウム1.04g
(7.5ミリモル)、N−メチルピロリドン(NMP)
20ml及びトルエン20mlを入れた。混合物を加熱
して還流させ、窒素雰囲気下で16時間撹拌した。トル
エン及び残存する痕跡量の水をディーン−スターク装置
から除去し、溶液を還流下に更に18時間撹拌した。混
合物をNMP20mlで希釈し、室温に冷却した。希釈
したドープをアセトン160ml中で凝固させた。ポリ
マーを濾過により回収し、NMP40mlに溶解し、再
度脱イオン水160ml中で凝固させた。ポリマーを濾
過し、アセトン50ml中で煮沸し、再度濾過し、真空
オーブン中で140℃で12時間乾燥した。収量4.3
2g(93%)、MWn=19,800(GPCによる
ポリスチレン標準換算)。
【0159】実施例9 2,2′−ビス−[4−(4−アセチルフェノキシ)フ
ェニル]ヘキサフルオロプロパン及び3,3′−ジベン
ゾイル−4,4′−ジアミノ−ビフェニルからのMW=
約15,000のα−メチルケトン末端オリゴマー(オ
リゴマーI)の製造 窒素導入バルブを備えた500ml三口丸底フラスコ
に、3,3′−ジベンゾイル−4,4′−ジアミノビフ
ェニル19.69g、2,2′−ビス[4−(4−アセ
チルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン3
2.06g及びn−ブチルアシッドホスフェート204
gを入れる。混合物を窒素雰囲気下で110℃で3時
間、次いで90℃で82時間加熱する。混合物を室温に
冷却し、15%トリエチルアミン/エタノール溶液中で
凝固させる。沈殿を濾過により回収し、真空オーブン中
で120℃で乾燥する。モノマーの配合割合を変えるこ
とにより、分子量を変えることができる。
【0160】実施例10 実施例9のポリマーのケト基のgem−ジクロロ化及び
対応するアセチレン末端オリゴマーへの転換 窒素導入バルブ付き冷却器を備えた500ml三口丸底
フラスコに実施例9のポリマー40g及び塩化チオニル
200mlを入れる。混合物を窒素雰囲気中で還流下に
16時間加熱する。混合物を冷却し、過剰量の塩化チオ
ニルを反応フラスコから留去する。フラスコに無水ジメ
チルスルホキシド200ml及びt−ブチル石炭酸カリ
ウム50gを添加し、混合物を還流下に一晩加熱する。
反応系を室温に冷却し、得られるポリマーを50%エタ
ノール/脱イオン水混合物中で凝固させる。ポリマー沈
殿を濾過により回収し、真空オーブン中で乾燥する。こ
のポリマーの構造を以下に示す。
【0161】
【化74】 (式中、xは繰り返し単位の数である。) 実施例11 1−フェニル−2−(4−アセトフェニル)エチン(4
−フェニルエチニルアセトフェノン)の製造
【0162】
【化75】 撹拌棒装置、冷却器及び窒素導入バルブを備えた500
ml三口丸底フラスコに、4′−ブロモアセトフェノン
21.9g、フェニルアセチレン11.0g、トリフェ
ニルホスフィン0.2g、ヨウ化第一銅0.1g及びト
リエチルアミン450mlを入れる。混合物を還流下に
4時間加熱し、次いで室温に冷却し、更に16時間撹拌
する。混合物を1%塩化水素水溶液中に注加し、沈殿を
濾過により回収する。この化合物を再結晶により精製
し、得られる固体を真空オーブン中で乾燥する。
【0163】実施例12 2,2′−ビス[4−(4−アセチルフェノキシ)フェ
ニル]ヘキサフルオロプロパン及び3,3′−ジベンゾ
イル−4,4′−ジアミノ−ビフェニルからのMW=約
15,000のα−アミノケトン末端オリゴマー(オリ
ゴマー2)の製造 窒素導入バルブ付きの500ml三口丸底フラスコに、
3,3′−ジベンゾイル−4,4′−ジアミノビフェニ
ル21.977g、2,2′−ビス[4−(4−アセチ
ルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン2
8.738g及びn−ブチルアシッドホスフェート20
4gを入れた。混合物を窒素雰囲気下で110℃で3時
間、次いで90℃で82時間加熱した。混合物を室温に
冷却し、15%トリエチルアミン/エタノール溶液中で
凝固させた。沈殿を濾過により回収し、10%トリエチ
ルアミン/エタノール溶液中で煮沸した。固体を再度濾
過により回収し、オーブン中で120℃で乾燥した。収
量42.7g(91%) 実施例13 アセチレン官能性を有する末端基を有する実施例12の
ポリマーの誘導体の製造 窒素導入バルブ付きの500ml三口丸底フラスコに、
実施例12のポリマー100g、1−フェニル−2−
(4−アセトフェニル)エチン44.05g及びn−ブ
チルアシッドホスフェート200gを入れる。混合物を
窒素雰囲気下で110℃で48時間加熱する。混合物を
室温に冷却し、15%トリエチルアミン/エタノール溶
液中で凝固させる。沈殿を濾過により回収し、トリエチ
ルアミン/エタノール溶液中で煮沸し、真空オーブン中
で120℃で乾燥する。得られるポリマーの構造を以下
に示す。
【0164】
【化76】 (式中、xは繰り返し単位の数を示す。) 実施例14 2インチ×2インチ角の型に粉末状(沈殿)の実施例4
のプロパルギルエーテル末端ポリマーを約0.2インチ
の厚みに充填する。型を加熱した水圧機中で500ps
i、250℃でプレスし、2時間加圧を続ける。100
℃未満に冷却した後、除圧し、型から成形された四角形
のパネルを取り出す。
【0165】成形物は硬化しており、この硬化ポリマー
は硬化前と比較して溶解性が低下し、耐熱性が向上した
ものである。
【0166】実施例15 実施例4のプロパルギルエーテル末端ポリマーをジメチ
ルアセトアミド(DMAc)に溶解し、15重量%溶液
を調整する。ディップコーティングによりガラス繊維布
にポリマーを含浸させ、120℃で一晩真空乾燥する。
乾燥した含浸布をオス型上にドレープ成形し、その上に
耐熱性ポリマーフィルム製袋材料を重ねる。型全体をオ
ートクレーブ内に入れ、200psi、200℃で5時
間加熱する。成形品をオートクレーブから取り出し、常
圧、300℃で2時間後硬化させる。次いで、成形品を
型から取り出し、手作業で仕上げ処理する。
【0167】実施例16 実施例4のポリマーの10%シクロペンタノン溶液をガ
ラス板上に流延し、フィルムを製造する。1時間空気乾
燥した後、フィルムをオーブン中で100℃で2時間乾
燥する。次いでフィルムに254nmの紫外線を2時間
照射し、架橋する。得られる架橋フィルムは、熱安定性
及び耐溶剤性に優れる。
【0168】実施例17 ポリ[4′,4″−(2,4−ジフェニルキノリン)ジ
イル−オキシ−1,4−フェニレン−イソプロピリデン
−1,4−フェニレンオキシ](19)の製造 3−(4−フルオロフェニル)−2,1−ベンズイソオ
キサゾール(16) 水酸化ナトリウム150g(3.75モル)の無水メタ
ノール750ml中の溶液を室温で激しく撹拌しなが
ら、その中に4−フルオロフェニルアセトニトリル5
0.7g(0.375モル)を徐々に添加する。完全に
溶液化した後、ニトロベンゼン46g(0.374モ
ル)を徐々に添加する。得られる溶液を65〜70℃に
加熱し、同温度で9時間加熱を続ける。薄黒いスラリー
を室温に冷却し、50%メタノール250mlで希釈
し、氷浴中で冷却する。得られる薄黒い沈殿を濾過し、
冷メタノールでメタノール洗浄液が透明になるまで洗浄
する。生成物(16)をトルエンから再結晶する。
【0169】2−アミノ−4′−フルオロベンゾフェノ
ン(17) 乾燥テトラヒドロフラン(THF)750ml及びトリ
エチルアミン20ml中の上記化合物(16)(42.
6g、0.2モル)の懸濁液に、木炭担体5%パラジウ
ム(6g)を添加する。懸濁液を激しく撹拌しながら水
素ガスを吹き込み、水素が吸収されなくなるまで水素雰
囲気下で室温で撹拌する(約90−90%モル量、8〜
10時間)。セライト床で濾過して触媒を除去し、減圧
下で溶媒を除去する。生成物(17)をトルエンから再
結晶する。
【0170】2,4−ビス(4−フルオロフェニル)キ
ノリン(18) フラスコに化合物(17)(21.5g、0.1モ
ル)、4−フルオロアセトフェノン(13.8g、0.
1モル)及びトルエンスルホン酸一水和物(3.8g、
0.02モル)を入れる。フラスコを200℃に加熱
し、縮合水を除去する。水の発生が終了した後、混合物
を冷却し、固体粗製物を粉砕し、熱エタノールで洗浄す
る。次いで生成物をトルエンから再結晶する。
【0171】ポリマー(19) 100ml三口丸底フラスコに化合物(18)3.01
47g(9.5モル)、ビスフェノールA2.2829
g(10ミリモル)、K2CO3 2.75g、無水NM
P30ml及びトルエン6mlを入れる。メカニカルス
ターラー、窒素導入管、及び水を除去するための短管蒸
留装置を取りつける。反応混合物を180℃で5時間加
熱し(脱水)、次いで200℃で24時間加熱する。室
温に冷却した後、臭化プロパルギル0.0119g(1
ミリモル)及びK2CO3 0.138g(1ミリモル)
を添加する。混合物を窒素雰囲気下で80℃で3日間撹
拌する。室温に冷却した後、反応混合物を水200ml
中に注加する。生成物を濾過により回収し、水で2回洗
浄する。得られたポリマーを100℃で16時間真空乾
燥する。このポリマーの繰り返し単位の構造を以下に示
す。
【0172】
【化77】 このポリマーの数平均分子量は約10,000である。
【0173】実施例18 熱硬化性ポリキノリンの示差走査熱量分析 実施例5及び7で製造したポリマーのTg(又はTm)、
発熱反応開始温度(T onset)及び発熱反応最高温度
(Tmax)をDSCにより測定した。結果を表1に示
す。
【0174】
【表1】 図1に実施例7で製造したプロパルギル末端ポリマーの
DSC曲線を示す。このポリマーがベースラインからの
急激な上昇で示される約110℃のTg、約158℃の
mを有し、約230℃をTonset(発熱反応開始温度)
とする発熱をすることがわかる。158℃(Tm)の正
のピークから312℃の大きな負のピーク(Tmax、発
熱反応最高温度)の間にある平坦な領域が加工可能な範
囲である。
【0175】図2に実施例5で製造したプロパルギル末
端ポリマーのDSC曲線を示す。このポリマーのTg
肩状の湾曲を示す約217℃であり、約230℃をT
onset(発熱反応開始温度)とし、約306℃をT
max(発熱反応最高温度)とする大きな負の発熱ピーク
が見られる。実施例5のポリマーの加工可能温度範囲は
実施例7で製造したポリマーのそれよりもかなり狭い。
【0176】図1と図2の温度目盛りは同一ではないこ
とに留意されたい。
【0177】これらのプロパルギル末端ポリマーを加熱
加圧し、圧密化試験を行った。硬化サイクルは、200
℃30分、350℃30分及び150℃までの弾道冷却
とした。実施例5のポリマーの硬化物は粉末状であっ
た。顕微鏡観察により、泡状構造が観察され、この樹脂
は流動後にガスの発生により発泡したと思われる。次
に、この発泡を防止するために、実施例5のポリマー試
料を加熱温度を200℃まで下げて硬化処理を行った。
しかし、この試料は全く圧密化しなかったことから、実
施例5のポリマーの加工条件を見出すこと自体困難であ
ることがわかった。
【0178】実施例7で得られたポリマーの試料を用い
て実施例5の試料と同様の硬化サイクル試験を行ったと
ころ、透明で薄黒い圧密化したプラーク(plaqu
e)が得られた。また、実施例7のポリマーは硬化の起
こるおそれのない温度である200℃で流動性を示し
た。
【0179】以上、本発明を説明するために、熱硬化性
ポリキノリン及びその製造方法の好ましい態様を記載し
た。しかし、当業者に明らかなようにこれらの態様は変
更が可能であり、本発明は上記の態様に限定されるもの
ではない。また、本発明は、本明細書中に記載されてい
ない材料又は組成物を必要とせずに好適に実施すること
ができる。本発明の範囲は請求の範囲に記載されたとお
りである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例7で製造したプロパルギル末端ポリキノ
リンのDSCによる発熱曲線を示すグラフ。
【図2】実施例5で製造したプロパルギル末端ポリキノ
リンのDSCによる発熱曲線を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07D 215/14 C07D 215/14

Claims (39)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キノリン繰り返し単位及びアセチレン官
    能性を有する末端基を有するポリキノリン。
  2. 【請求項2】 末端基が 【化1】 (式中、Rは水素原子、アルキル基、アリール基又はヘ
    テロアリール基であり、Arはアリーレン基又はヘテロ
    アリーレン基であり、ただしArは無置換であるか又は
    アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキ
    シ基、クロロ、フルオロ、フルオロアルキル基、フルオ
    ロアリール基又はニトロ基で置換されており、Rは無置
    換であるか又はアルコキシ基、アリールオキシ基、クロ
    ロ、フルオロ、フルオロアルキル基、フルオロアリール
    基又はニトロ基で置換されている。)からなる群から選
    ばれたものである請求項1記載のポリキノリン。
  3. 【請求項3】 【化2】 からなる群から選ばれた末端基を有する請求項1記載の
    ポリキノリン。
  4. 【請求項4】 【化3】 からなる群から選ばれた末端基を有する請求項1記載の
    ポリキノリン。
  5. 【請求項5】 Arが1,4−フェニレン、1,3−フ
    ェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、1,4−
    ナフチレン、4,4′−ビフェニリレン、2,4−ピリ
    ジンジイル、2,4−キノリンジイル、2,6−キノリ
    ンジイル、4−フェニル−2,6−キノリンジイル及び
    3,6−キノリンジイルからなる群から選ばれたもので
    ある請求項2記載のポリキノリン。
  6. 【請求項6】 キノリン繰り返し単位が下記構造 【化4】 {式中、Yは−O−及び−O−W−O−からなる群から
    選ばれる2価の基であり、Wは −Ar′−(Ar′はアリーレン基である。)、 −Het−(Hetはヘテロアリーレン基である。)、 −Ar′−O−Ar′−、 −Ar′−C(O)−Ar′−、 −Ar′−S−Ar′−、 −Ar′−S(O)−Ar′−、 −Ar′−S(O)2−Ar′−及び −Ar′−Q−Ar′− からなる群から選ばれる2価の基であり、Qは4級炭素
    を含有する下記の2価の基であり、 【化5】 (式中、U及びU′は各々独立に−CH3、−CF3又は
    Araであるか、又は互いに結合してアルキレン基、ア
    リーレン基、アルキレン/アリーレン混合基、アルキレ
    ンオキシ基、アリーレンオキシ基、アルキレンオキシカ
    ルボニル基、アリーレンオキシカルボニル基、アルキレ
    ンカルボニルオキシ基、アリーレンカルボニルオキシ
    基、−NRaCORb−、−CONRab−、アルキレン
    カルボニル基又はアリーレンカルボニル基を形成してお
    り、これらの基の水素原子は無置換であるか又は部分的
    に若しくは全てフッ素で置換されており、Raはアルキ
    ル基又はアリール基であり、Rbはアルキレン基又はア
    リーレン基であり、Araは水素原子又はアリール基で
    ある。)}を有する請求項1記載のポリキノリン。
  7. 【請求項7】 キノリン繰り返し単位が下記構造 【化6】 を有する請求項6記載のポリキノリン。
  8. 【請求項8】 キノリン繰り返し単位が下記構造 【化7】 を有する請求項6記載のポリキノリン。
  9. 【請求項9】 キノリン繰り返し単位が下記構造 【化8】 を有する請求項1記載のポリキノリン。
  10. 【請求項10】 下記構造 E″−(PQ)x−E″ {式中、(PQ)xはポリキノリンのキノリン繰り返し
    単位を含むポリマー鎖であり、xはキノリン繰り返し単
    位の数を示す1〜100,000の数であり、E″は 【化9】 (式中、Rは水素原子、アルキル基、アリール基又はヘ
    テロアリール基であり、Arはアリーレン基又はヘテロ
    アリーレン基であり、ただしArは無置換であるか又は
    アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキ
    シ基、クロロ、フルオロ、フルオロアルキル基、フルオ
    ロアリール基又はニトロ基で置換されており、Rは無置
    換であるか又はアルコキシ基、アリールオキシ基、クロ
    ロ、フルオロ、フルオロアルキル基、フルオロアリール
    基又はニトロ基で置換されている。)からなる群から選
    ばれた末端基である。}を有するポリキノリン。
  11. 【請求項11】 【化10】 からなる群から選ばれた末端基を有する請求項10記載
    のポリキノリン。
  12. 【請求項12】 【化11】 からなる群から選ばれた末端基を有する請求項10記載
    のポリキノリン。
  13. 【請求項13】 Arが1,4−フェニレン、1,3−
    フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、1,4
    −ナフチレン、4,4′−ビフェニリレン、2,4−ピ
    リジンジイル、2,4−キノリンジイル、2,6−キノ
    リンジイル、4−フェニル−2,6−キノリンジイル及
    び3,6−キノリンジイルからなる群から選ばれたもの
    である請求項10記載のポリキノリン。
  14. 【請求項14】 キノリン繰り返し単位が下記構造 【化12】 を有する請求項10記載のポリキノリン。
  15. 【請求項15】 キノリン繰り返し単位が下記構造 【化13】 を有する請求項10記載のポリキノリン。
  16. 【請求項16】 下記構造を有する請求項10記載のポ
    リキノリン。 【化14】 (式中、xはキノリン繰り返し単位の数を示す1〜10
    0,000の数である。)
  17. 【請求項17】 下記構造を有する請求項10記載のポ
    リキノリン。 【化15】 (式中、xはキノリン繰り返し単位の数を示す1〜10
    0,000の数である。)
  18. 【請求項18】 下記構造を有する請求項10記載のポ
    リキノリン。 【化16】 (式中、xはキノリン繰り返し単位の数を示す1〜10
    0,000の数である。)
  19. 【請求項19】 下記構造を有する請求項10記載のポ
    リキノリン。 【化17】 (式中、xはキノリン繰り返し単位の数を示す1〜10
    0,000の数である。)
  20. 【請求項20】 下記構造を有する請求項10記載のポ
    リキノリン。 【化18】 (式中、xはキノリン繰り返し単位の数を示す1〜10
    0,000の数である。)
  21. 【請求項21】 請求項10記載のポリキノリンをその
    onsetより高い温度で加熱して得られる架橋ポリキノ
    リン組成物。
  22. 【請求項22】 請求項10記載のポリキノリンをその
    onsetより高い温度で加熱することからなる熱硬化ポ
    リキノリンの製造方法。
  23. 【請求項23】 ポリキノリンを末端基の半数以上が反
    応するまで加熱する請求項22記載の方法。
  24. 【請求項24】 0.1〜1gの少量ずつのポリキノリ
    ン試料を加熱時間を変えて加熱した後、各ポリキノリン
    試料の発熱面積を示差走査熱量測定法により測定し、未
    加熱のポリキノリン試料の発熱面積の10%の発熱面積
    が得られる加熱時間を求め、その加熱時間だけポリキノ
    リンを加熱する請求項22記載の方法。
  25. 【請求項25】 0.1〜1gの少量ずつのポリキノリ
    ン試料を加熱時間を変えて加熱した後、各ポリキノリン
    試料の発熱面積を示差走査熱量測定法により測定し、未
    加熱のポリキノリン試料の発熱面積の25%の発熱面積
    が得られる加熱時間を求め、その加熱時間だけポリキノ
    リンを加熱する請求項22記載の方法。
  26. 【請求項26】 ポリキノリンがN−メチルピロリドン
    に不溶となるまで加熱する請求項22記載の方法。
  27. 【請求項27】 加圧下にポリキノリンを加熱する請求
    項22記載の方法。
  28. 【請求項28】 ポリキノリンをオートクレーブ中で加
    圧下に加熱する請求項27記載の方法。
  29. 【請求項29】 ポリキノリンを型内で加圧下に加熱す
    る請求項27記載の方法。
  30. 【請求項30】 請求項1記載のポリキノリンを含有す
    るポリキノリン組成物を基材に塗布し、次いでポリキノ
    リンを塗布した基材をポリキノリンのTonse tより高い
    温度で加熱する耐溶剤性フィルムの製造方法。
  31. 【請求項31】 ポリキノリン組成物の基材への塗布を
    ポリキノリン組成物の溶液の基材上へのスピンコーティ
    ングにより行う請求項30記載の方法。
  32. 【請求項32】 ポリキノリン組成物の溶液の固形分含
    量が1〜60重量%である請求項31記載の方法。
  33. 【請求項33】 ポリキノリン組成物の溶液の固形分含
    量が10〜30重量%である請求項31記載の方法。
  34. 【請求項34】 基材が、アルミニウム、窒化アルミニ
    ウム、銅、ダイアモンド、水晶、シリカ、ケイ素、ヒ化
    ガリウム、炭化ケイ素、金、メッキ及びチタニウムから
    なる群から選ばれるものであり、ポリキノリン組成物を
    基材に直接塗布するか、又は、予めポリキノリン組成物
    が1層以上塗布されている基材に更に塗布する請求項3
    0記載の方法。
  35. 【請求項35】 ポリキノリン組成物の塗布をポリキノ
    リン組成物の溶液のスプレーコーティングにより行う請
    求項30記載の方法。
  36. 【請求項36】 基材が集積回路を形成したシリコンウ
    エハである請求項30記載の方法。
  37. 【請求項37】 (a)ビス−(フルオロキノリン)モ
    ノマーと過剰部分モル量のジオールモノマーとを、ジオ
    ールモノマーの少なくとも一部が脱プロトン化される条
    件下で反応させてヒドロキシ末端ポリキノリンを合成す
    る工程、及び、(b)(a)で得られたヒドロキシ末端
    ポリキノリンとハロゲン化プロパルギルとを、ヒドロキ
    シ末端ポリキノリンの少なくとも一部が脱プロトン化さ
    れる条件下で反応させる工程からなるポリキノリンの製
    造方法。
  38. 【請求項38】 工程(b)の前に、工程(a)で合成
    したヒドロキシ末端ポリキノリンを純粋な又はほぼ純粋
    な固体として分離する請求項37記載の方法。
  39. 【請求項39】 ビス−(フルオロキノリン)モノマー
    が6,6′−ビス[2−(4−フルオロフェニル)−4
    −フェニルキノリン]である請求項37記載の方法。
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