JP5070071B2 - ポリフェニレンコポリマー - Google Patents
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Description
置換ポリフェニレンは、特許文献1に開示されている。特許文献1は、有機側基の付加により可溶性となった剛性ロッド(即ち、1,4又はパラ結合が支配的な)ポリフェニレンを開示している。該側基は、溶剤と正の相互作用するが、電気的に中性の(電荷を帯びていない)基から選ばれる。
置換ポリフェニレンの、熱安定性、ガラス転移温度(Tg)及び誘電定数(K)を含む化学的及び物理的特性は、安定化基及びポリマー主鎖の構造に依存する。優れた溶解性及び加工性を維持しつつ、より低いK及びTgを有するポリフェニレンを見出すことが望まれている。また、比較的安価な出発物質から製造することが可能な、明確な構造を有し且つ高純度のポリフェニレンを提供することが望まれている。
芳香族CH基の1〜3個はNにより任意に置き替えられていてよい; 式(1)中の繰返し単位の少なくとも0.1モル%及び好ましくは少なくとも1モル%が−Ar−である;
アリーレンセグメントの数平均セグメント長さは2を超え、好ましくは3を超え、より好ましくは4を超え、パラ−アリーレンの繰返し単位が存在する場合には、その数平均セグメント長さは1〜約8の範囲である;
メタ−アリーレン繰返し単位が存在する場合には、その数平均セグメント長さは1を超える;
xは0〜4であり、ペンダント基(A)は、−F、−CN、−CHO、−COR、−CR=NR’、−OR、−SR、−SO2 R、−OCOR、−CO2 R、−NRR’、−N=CRR’、−NRCOR’、−CONRR’及びRから成る群より独立に選ばれ、前記R及びR’は、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール及び置換ヘテロアリールからなる群より独立に選ばれ、並びにR及びR’は一緒に結合していてよい;
Phはフェニレン(オルト、メタ又はパラ−フェニレン)である;
Yが存在しない場合には、少なくとも2種の置換的又は異性的に異なる型の−Ar−繰返し単位が存在する;
繰返し単位100個毎に少なくとも1個、好ましくは繰返し単位10個毎に少なくとも1個、より好ましくは繰返し単位5個毎に少なくとも1個、最も好ましくは繰返し単位2個毎に少なくとも1個がペンダント側基Aを有する;並びに
nは数平均重合度を表すものであって、約4を超える数、好ましくは約10〜10,000、より好ましくは約20〜1,000、最も好ましくは約50〜500の数である。
2個の隣接する側基Aは架橋されていてよい。架橋基の無制限の例には以下の基が含まれる:
本発明の実施において有用なアリール基−Rの例には、制限するわけではないが、フェニル、2−トリル、3−トリル、4−トリル、ナフチル、ビフェニル、4−フェノキシフェニル、4−フルオロフェニル、3−カルボメトキシフェニル、4−カルボメトキシフェニル等がある。
本発明の実施において有用なアルコキシ基−ORの例には、制限するわけではないが、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、t−ブトキシ等がある。
本発明の実施において有用なアリーロキシ基−ORの例には、制限するわけではないが、フェノキシ、ナフトキシ、フェニルフェノキシ、4−メチルフェノキシ等がある。
本発明の実施において有用なアミン基−NRR’の例には、制限するわけではないが、アミノ、ジメチルアミノ、メチルアミノ、メチルフェニルアミノ、フェニルアミノ等がある。
本発明の実施において有用なイミン基−N=CRR’には、制限するわけではないが、ジメチルイミノ(R=R’=メチル)、メチルイミノ(R=H、R’=メチル)、フェニルイミノ(R=H、R’=フェニル)等がある。
本発明の実施において有用なアミド基−CONRR’の例には、制限するわけではないが、N,N−ジメチルアミノカルボニル、N−ブチルアミノカルボニル、N−フェニルアミノカルボニル、N,N−ジフェニルアミノカルボニル、N−フェニル−N−メチルアミノカルボニル等がある。
本発明の実施において有用なアミド基−NRCOR’の例には、制限するわけではないが、N−アセチルアミノ、N−アセチルメチルアミノ、N−ベンゾイルアミノ、N−ベンゾイルメチルアミノ等がある。
本発明の実施において有用なエステル基−CO2 Rの例には、制限するわけではないが、メトキシカルボニル、ベンゾイロキシカルボニル、フェノキシカルボニル、ナフチロキシカルボニル、エチルカルボキシ等がある。
本発明の実施において有用なチオエーテル基−SRの例には、制限するわけではないが、チオメチル、チオブチル、チオフェニル等がある。
本発明の実施において有用なスルホニル基−SO2 Rの例には、制限するわけではないが、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、トリルスルホニル等がある。
−Ph−Z−Ph−型のエステル及びアミドの好ましい例には、−(フェニレン−CONH−フェニレン−NHCO)−フェニレン、−(フェニレン−CONH−フェニレン)−、−(フェニレン−COO−フェニレン−OCO)−フェニレン−、−(フェニレン−カルボニル)−フェニレン−、−(フェニレン−カルボニル−フェニレン−オキソ−フェニレン−カルボニル−フェニレン)−等がある。
ブロックを形成している好ましいY単位は、−(フェニレン−CONH−フェニレン−NHCO)m −フェニレン、−(フェニレン−CONH)m −フェニレン−、−(フェニレン−COO−フェニレン−OCO)m −フェニレン−、−(フェニレン−カルボニル)m −フェニレン−及び−(フェニレン−カーボネート−フェニレン−2,2−イソプロピリデン−カーボネート)m −フェニレン−からなる群より選ばれる。
ポリエステルには、制限するわけではないが、エチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、ヒドロキノン、プロピレングリコール、レソルシノール等のようなジオールと、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸等のような二酸との通常の縮合により形成されるポリマーがある。
構造(1)に示されるように、本発明のポリマーはランダムコポリマー又はブロックコポリマーである。ポリマー構造(1)中及び以下のスラッシュ(/)は、繰返し単位の最も一般的な配列を表し、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー又は他のコポリマー型を包含する。本発明のポリマーは、完全にランダムなブロックと規則的なブロックとの中間の構造を有していてもよく、これを部分的ブロックコポリマー(partial block co-polymer)又はむらのあるコポリマー(blocky co-polymer)と称する。製造方法及び種々のモノマーの反応性の程度は、ブロック度(blockiness)によって決まり、当業者は、種々の方法を鑑みることにより生成物であるポリマーのブロック度を調節しうる。
本発明のポリマーは、モノマーから誘導された末端基又は重合反応時に加えられた特定の末端封鎖基を有することができる。末端基は、保護基の脱離のような化学変換又は後重合工程における反応により更に修飾されうる。末端基を、他のモノマー若しくはポリマーとでブロックコポリマーを形成するため、又は硬化工程時に架橋基として使用することができる。
コ−ポリ(メタ−フェニレン−/−パラ−フェニレン)は、下記一般式で表されるブロックコポリマーである:
本発明のポリマーは以下の群から選ばれるモノマーから調製される:
本発明の実施において有用なスルホネートの例には、制限するわけではないが、メタンスルホネート、フェニルスルホネート、トルエンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート及びフルオロスルホネートがある。
Yが−Ph−Z−Ph−であり、且つZがアミド、エステル、イミド等である場合には、モノマーX−Y−Xは、クロロ安息香酸のようなハロアリール酸と、レソルシノール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレンジアミン及び1,4−フェニレンジアミンのようなジアミン若しくはジオール又はメタ−クロロアニリン及びメタ−クロロフェノールのようなハロアリールアミン若しくはハロアリールアルコールとから誘導される。同様に、該モノマーは、ハロアリールアミン又はハロアリールアルコールと、アジピン酸又はテレフタル酸のような二酸との縮合により誘導される。Yがオリゴマー又はポリマーである場合には、セグメントYは、縮合してハロアリール末端封鎖ポリアミドを形成するハロアリール酸と二酸及びジアミンとから誘導されるものであるか、縮合してハロアリーレン末端封鎖ポリエステルを形成するハロアリール酸と二酸及びジオールとから誘導されるものである。他のX−Y−X型モノマーは、ハロアリール型末端封鎖剤を縮合重合又は付加重合させることにより同様に調製される。
本発明のポリマーは、一般式:
下式で表される反応は、E−Ar−EとE’−Y−E’からのブロックコポリマーの形成を例示している。
他のE及びE’は当業者に明らかであろう。Eが反応性オリゴマーE−(Ar)−Eの形成を妨害せず、且つE及びE’が適切に反応することが一般的な必要条件である。一般的な保護基はE−(Ar)−Eの調製に使用されるものであって、制限するわけではないが、アルキルエーテル基、テトラヒドロピラニルエーテル基、2−アルコキシ−イソプロピリデンエーテル基、エステル基、アミド基、t−ブチルカーボネート基、トリアルキルシリル基等がある。
約0.1モル%のYは、ポリマーの特性、例えば実際的な重要性を共に有する溶融流れ特性又はTgを変化させるような観察可能な効果を与える。0.1モル%程度のメタ−アリーレン繰返し単位であっても、全体的なポリマーの特性に大きな影響を及ぼす。しかしながら、多くの実際的な用途にとって、0.1%を超える量、好ましくは約1%を超えるメタ−アリーレン繰返し単位を有することが望ましい。例えば、繰返し単位の1%がメタ−アリーレン単位であるポリマーはメタ−アリーレン繰返し単位を持たないポリマーとは異なる機械的性質を有する。ポリマーの特性は、Yのモル%よりもYの重量%により密接に関係するが、約0.1モル%〜99モル%の範囲が都合良く且つ本発明の目的に十分かなう。
ポリマー主鎖に沿ってランダムに配置された側基を有するポリマーは、主鎖に沿って規則的に配置された側基を有するポリマーに比して高い溶解度を有する。従って、異なる側基を有するランダムコポリマー及びランダムな立体化学性(regiochemistry)(即ち、全てが頭−頭結合、又は頭−尾結合でない)を有するホモポリマーは、例えば、頭−頭ホモポリマーに比して高い溶解度を有する。本発明の側基は、ポリマー骨格上の可能な位置に好ましくはランダム又は部分的にランダムに配置されている。
コポリマーの他の利点は、幾つかの繰返し単位が、結果として生成されるポリマーの特性を修飾するのに有用な特定の化学基を含んでなることである。例えば、幾つかの繰返し単位は、表面と相互作用しうるペンダントエステル基を有して接着性を変化させる。10%〜20%のフレキシブルな基の他の剛性ロッド構造への導入は、より高い溶融流れ特性及び破断点伸びを付与しうる。パラ−フェニレン基を含むモジュラス及び強度が増大したコポリマー、未置換メタ−フェニレン基を含む溶融流れ特性が増大したコポリマー、エステル又はアミン(又は他の適度に反応性の基)置換フェニレン基(メタ及び/又はパラ)を含む接着性が増大したコポリマーは、接着剤及び複合材料中のマトリックス樹脂として特に有用である。
当業者に公知の方法を用いて、本発明のコポリマーを繊維、フィルム又はシートの形態にすることができ、制限するわけではないが、この方法には、溶融紡糸、溶液からの紡糸、乾燥ジェット湿式紡糸、押出法、インフレート法、流延法、及び成形法がある。繊維、フィルム又はシートは、圧延成形、型押、二次成形又は当業者に公知の他の方法により更に加工される。
いったんプロトン化又は錯形成した複素環式繰返し単位は、極性がより高くなるために、高度に極性の溶剤中へのポリマーの溶解性を増大させる。大部分がプロトン化された複素環式繰返し単位を有するポリアリーレンは、制限するわけではないが、エタノール、メタノール及び水等を含む高度に極性の溶剤中に溶解する。
複素環式繰返し単位を有するプロトン化されたポリアリーレンは水素交換樹脂であり、燃料容器及びバッテリー用の水素交換膜として、塩溶液の脱イオン用のイオン交換膜として、プロトン移動膜として、及び固体酸触媒として有用である。
本発明の実施において有用なブレンステッド酸には、制限するわけではないが、酢酸、蟻酸、臭化水素酸、塩化水素酸、フッ化水素酸、ヨウ化水素酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、硝酸、過塩素酸、リン酸、ポリリン酸、硫酸、亜硫酸及びトリフルオロ酢酸等がある。
本発明の実施において有用なルイス酸の無制限の例には、三臭化アルミニウム、三塩化アルミニウム、三臭化ホウ素、三塩化ホウ素、三フッ化ホウ素、塩化第二銅、塩化第二鉄、三塩化ガリウム、五フッ化タンタル、四塩化チタン、四フッ化チタン、塩化亜鉛等がある。
本発明は以下の幾つかの無制限且つ典型的な態様により更に例示される。試薬の選択及び量、温度、反応時間は例示のためのものであって、いかなる場合であっても限定であると見なされるべきでない。本発明の範囲に含まれる他のアプローチが考えられる。
例1
3,5−ジクロロピリジンと2,5−ジクロロベンゾフェノンとの(1:1)共重合
窒素雰囲気下に置いた100ml丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフ ィン)塩化ニッケル(0.535g、0.818mmol)、ヨウ化ナトリウム (0.66g、4.4mmol)、トリフェニルホスフィン(3.11g、11.9mmol)、2,5−ジクロロベンゾフェノン(5.65g、22.5mmol)、3,5−ジクロロピリジン(3.33g、22.5mmol)、無水N−メチルピロリジノン(55ml)及び活性亜鉛微粉(4.28g、65.5mmol)を加えた。この混合物を60℃で一晩攪拌し、10ミクロンのポリプロピレンフィルターを用いて濾過した。次いでこのドープを300mlのエタノール中で凝固させ、次いで濾過した。結果として得られたポリマーを、HClを5%含むエタノールで処理し、濾過し、次いでエタノールとアセトンとで完全に洗浄した。次いでこのポリマーを、1mlのトリエチルアミンを含む10mlのエタノールで処理し、濾過し、次いで乾燥させることにより5.2gの生成物が得られた。
3,5−ジクロロピリジンと2,5−ジクロロベンゾフェノンとの(3:2)共重合
窒素雰囲気下に置いた100ml丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル(0.535g、0.818mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.66g、4.4mmol)、トリフェニルホスフィン(3.11g、11.9mmol)、2,5−ジクロロベンゾフェノン(5.65g、22.5mmol)、3,5−ジクロロピリジン(4g、27mmol)、無水N−メチルピロリジノン(55ml)及び活性亜鉛微粉(4.28g、65.5mmol)を加えた。この混合物を60℃で一晩攪拌した。10mlの36%HClを含むエタノール溶液を前記混合物に加えた。一晩攪拌した後に、混合物を100mlのエタノール中に注加し、濾過し、次いでエタノールとアセトンとで完全に洗浄した。濾過した固形物を、3mlのトリエチルアミンを含む20mlのエタノールと攪拌し、次いで濾過した。このケークをエタノールとアセトンとで洗浄し、次いで減圧下120℃で一晩乾燥させることにより5.87gの生成物が得られた。
3,5−ジクロロピリジンと2,5−ジクロロベンゾフェノンとの(4:1)共重合
窒素雰囲気下に置いた100ml丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル(0.535g、0.818mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.66g、4.4mmol)、トリフェニルホスフィン(3.11g、11.9mmol)、2,5−ジクロロベンゾフェノン(2.26g、9mmol)、3,5−ジクロロピリジン(6.38g、36mmol)、無水N−メチルピロリジノン(55ml)及び活性亜鉛微粉(4.28g、65.5mmol)を加えた。この混合物を60℃で一晩攪拌した。10mlの36%HClを含むエタノール溶液を前記混合物に加えた。一晩攪拌した後に、混合物を100mlのエタノール中に注加し、濾過し、次いでエタノールとアセトンとで完全に洗浄した。濾過した固形物を、3mlのトリエチルアミンを含む20mlのエタノールと攪拌し、次いで濾過した。このケークをエタノールとアセトンとで洗浄し、次いで減圧下120℃で一晩乾燥させることにより4.5gの生成物が得られた。
3,5−ジクロロピリジンと2,5−ジクロロ−4’−フェノキシベンゾフェノンとの(4:1)共重合
窒素雰囲気下に置いた100ml丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル(0.535g、0.818mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.66g、4.4mmol)、トリフェニルホスフィン(3.11g、11.9mmol)、2,5−ジクロロ−4’−フェノキシベンゾフェノン(2.75g、8mmol)、3,5−ジクロロピリジン(5.33g、36mmol)、無水N−メチルピロリジノン(55ml)及び活性亜鉛微粉(4.28g、65.5mmol)を加えた。この混合物を60℃で一晩攪拌した。10mlの36%HClを含むエタノール溶液を前記混合物に加えた。一晩攪拌した後に、混合物を100mlのエタノール中に注加し、濾過し、次いでエタノールで完全に洗浄した。濾過した固形物を、3mlのトリエチルアミンを含む20mlのエタノールと攪拌し、次いで、濾過した。このケークをエタノールで洗浄し、次いで、減圧下120℃で一晩乾燥させることにより4.39gの生成物が得られた。
1,3−ジクロロベンゼンと2,5−ジクロロベンゾフェノンとの(1:1)共重合
窒素雰囲気下に置いた100ml丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル(0.727g、1.11mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.89g、5.97mmol)、トリフェニルホスフィン(3.93g、15mmol)、無水N−メチルピロリジノン(55.6ml)及び活性亜鉛微粉(3.68g、56.33mmol)を加えた。この溶液が赤色に変化した後に、2,5−ジクロロベンゾフェノン(5.02g、20mmol)及び1,3−ジクロロベンゼン(2.94g、20mmol)を加えた。この混合物を65℃で一晩攪拌した。濃塩酸(7ml)を慎重に加えた。このポリマー溶液を200mlのエタノール中に注加し、次いで濾過した。このケークを、最初にエタノールで10分間還流し、次いでアセトン中で更に10分間還流し、濾過し、次いで減圧下で乾燥させることにより5gの生成物が得られた。
1,3−ジクロロベンゼンと2,5−ジクロロベンゾフェノンとの(7:3)共重合
窒素雰囲気下に置いた100ml丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル(0.727g、1.11mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.89g、5.97mmol)、トリフェニルホスフィン(3.93g、15mmol)、無水N−メチルピロリジノン(55.6ml)及び活性亜鉛微粉(3.68g、56.33mmol)を加えた。この溶液が赤色に変化した後に、2,5−ジクロロベンゾフェノン(3.01g、12mmol)及び1,3−ジクロロベンゼン(4.12g、28mmol)を加えた。この混合物を65℃で一晩攪拌した。濃塩酸(7ml)を慎重に加えた。このポリマー溶液を200mlのエタノール中に注加し、次いで濾過した。このケークを、最初にエタノールで10分間還流し、次いでアセトン中で更に10分間還流し、濾過し、次いで減圧下で乾燥させることにより4.3gの生成物が得られた。
1,3−ジクロロベンゼンと2,5−ジクロロベンゾフェノンとの(4:1)共重合
窒素雰囲気下に置いた100ml丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル(0.393g、0.6mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.63g、4.2mmol)、トリフェニルホスフィン(2.36g、9mmol)、無水N−メチルピロリジノン(40ml)及び活性亜鉛微粉(4.2g、64.2mmol)を加えた。この溶液が赤色に変化した後に、2,5−ジクロロベンゾフェノン(2.26g、9mmol)及び1,3−ジクロロベンゼン(5.29g、36mmol)を加えた。この混合物を65℃で一晩攪拌した。濃塩酸(8ml)を慎重に加えた。このポリマー溶液を200mlのエタノール中に注加し、次いで濾過した。このケークを、最初にエタノールで10分間還流し、次いでアセトン中で更に10分間還流し、濾過し、次いで減圧下で乾燥させることにより4.2g(96%)の生成物が得られた。
1,3−ジクロロベンゼンと2,5−ジクロロベンゾフェノンとの(9:1)共重合
窒素雰囲気下に置いた100ml丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル(0.727g、1.11mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.89g、5.97mmol)、トリフェニルホスフィン(3.93g、15mmol)、無水N−メチルピロリジノン(55.6ml)及び活性亜鉛微粉(3.68g、56.33mmol)を加えた。この溶液が赤色に変化した後に、2,5−ジクロロベンゾフェノン(1g、4mmol)及び1,3−ジクロロベンゼン(5.29g、36mmol)を加えた。この混合物を65℃で一晩攪拌した。濃塩酸(7ml)を慎重に加えた。このポリマー溶液を200mlのエタノール中に注加し、次いで濾過した。このケークを、最初にエタノールで10分間還流し、次いでアセトン中で更に10分間還流し、濾過し、次いで減圧下で乾燥させることにより5.3g(95%)の生成物が得られた。
1,3−ジクロロベンゼン及び1,4−ジクロロベンゼンと2,5−ジクロロベンゾフェノンとの(7:1:2)共重合
窒素雰囲気下に置いた100ml丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル(0.818g、1.25mmol)、ヨウ化ナトリウム(1.01g、6.71mmol)、トリフェニルホスフィン(4.43g、16.9mmol)、無水N−メチルピロリジノン(48ml)及び活性亜鉛微粉(4.14g、63.4mmol)を加えた。この溶液が赤色に変化した後に、2,5−ジクロロベンゾフェノン(2.26g、9mmol)及び1,4−ジクロロベンゼン(0.66g、4.5mmol)及び1,3−ジクロロベンゼン(4.63g、31.5mmol)を加えた。この混合物を65℃で一晩攪拌した。濃塩酸(7ml)を慎重に加えた。このポリマー溶液を200mlのエタノール中に注加し、次いで濾過した。このケークを、最初にエタノールで10分間還流し、次いでアセトン中で更に10分間還流し、濾過し、次いで減圧下で乾燥させることにより4g(91%)の生成物が得られた。
1,3−ジクロロベンゼン及び1,4−ジクロロベンゼンと2,5−ジクロロベンゾフェノンとの(8:1:1)共重合
窒素雰囲気下に置いた100ml丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル(0.523g、0.8mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.84g、5.6mmol)、トリフェニルホスフィン(3.15g、12mmol)、無水N−メチルピロリジノン(53ml)及び活性亜鉛微粉(5.6g、85.6mmol)を加えた。この溶液が赤色に変化した後に、2,5−ジクロロベンゾフェノン(1.51g、6mmol)及び1,4−ジクロロベンゼン(0.88g、6mmol)及び1,3−ジクロロベンゼン(7.06g、48mmol)を加えた。この混合物を65℃で一晩攪拌し、塩酸を10%含む200mlのエタノール中で凝固させた。このポリマー溶液を濾過し、熱エタノール及び熱アセトンで完全に洗浄し、次いで減圧下で乾燥させた。収量は定量的であった。
2,5−ジクロロベンゾフェノン(85%)と1,3−ジ(4−クロロ)ベンゾイル−ベンゼン(15%)とのコポリマー
窒素送込バルブを備えた2リットルの三口丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル10.66g、ヨウ化ナトリウム12.97g、トリフェニルホスフィン53.38g、活性亜鉛微粉54.01g、2,5−ジクロロベンゾフェノン127.5g、1,3−ジ(4−クロロ)ベンゾイルベンゼン34.69g、及び無水N−メチルピロリドン(NMP)815mlを充填した。この混合物を窒素雰囲気下60℃で16時間攪拌した。このポリマードープをNMP500mlで稀釈し、4.0リットルの10%塩酸/エタノール溶液で凝固させ、結果として得られた溶液を4時間攪拌した。沈降したポリマーを濾過により集め、次いで1.0リットルのエタノール中及び1.0リットルのアセトン中で連続的に1時間煮沸した。固形物を再び濾過し、次いで60℃の減圧オーブン内で4時間乾燥させ、次いで120℃で16時間乾燥させた(収率=92%)。MWW=52,300;熱重量分析(TGA)による5重量%の減少=418℃;ガラス転移温度=162℃;極限粘度数=0.72(40℃/0.05M臭化リチウム/NMP);圧縮成形パネルの曲げ弾性率=1.10MSI;及び圧縮成形パネルの曲げ強さ=12.7KSIであった。
2,5−ジクロロベンゾフェノン(80%)、1,3−ジクロロベンゼン(10%)及び4,3’−ジクロロベンズアニリド(10%)とのコポリマー
窒素送込バルブを備えた1.0リットルの三口丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル8.708g、ヨウ化ナトリウム10.455g、トリフェニルホスフィン43.607g、活性亜鉛微粉44.121g、2,5−ジクロロベンゾフェノン98.03g、4,3’−ジクロロベンズアニリド12.99g、及び無水N−メチルピロリドン(NMP)666mlを充填した。この混合物を窒素雰囲気下70℃で16時間攪拌した。このポリマードープをNMP500mlで稀釈し、4.0リットルの10%塩酸/エタノール溶液で凝固させ、結果として得られた溶液を4時間攪拌した。沈降したポリマーを濾過により集め、次いで100mlの熱エタノール中及び100mlの熱アセトンで連続的に洗浄した。固形物を再び濾過し、次いで60℃の減圧オーブン内で4時間乾燥させ、次いで120℃で16時間乾燥させた(収率=95%)。MWW=90,600;熱重量分析(TGA)による5重量%の減少=470℃;ガラス転移温度=172℃;極限粘度数=1.26(40℃/0.05M臭化リチウム/NMP);圧縮成形パネルの曲げ弾性率=1.20MSI;及び圧縮成形パネルの曲げ強さ=40.8KSIであった。
2,5−ジクロロベンゾフェノン(85%)と3−クロロフェニル4−クロロ−ベンゾエート(15%)とのコポリマー
250mlの丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル2.132g、ヨウ化ナトリウム2.56g、トリフェニルホスフィン10.68g、活性亜鉛微粉10.8g、2,5−ジクロロベンゾフェノン25.51g、3−クロロフェニル4−クロロベンゾエート4.788g、及び無水N−メチルピロリドン(NMP)64mlを充填した。このフラスコに窒素送込バルブを備え付け、混合物を窒素雰囲気下70℃で16時間攪拌した。このポリマードープを400mlの塩酸/エタノール溶液中で凝固させ、次いで、結果として得られた溶液を4時間攪拌した。沈降したポリマーを濾過により集め、次いで100mlのエタノール中及び100mlのアセトン中で連続的に1時間煮沸した。固形物を再び濾過し、次いで60℃の減圧オーブン内で4時間乾燥させ、次いで120℃で16時間乾燥させた(収率=90%)。MWW=85,000;熱重量分析(TGA)による5重量%の減少=444℃;ガラス転移温度=159℃;極限粘度数=1.16(40℃/0.05M臭化リチウム/NMP)であった。
2,5−ジクロロベンゾフェノン(50%)と4,3’−ジクロロベンズアニリド(50%)とのコポリマー
100リットルの丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル0.533g、ヨウ化ナトリウム0.64g、トリフェニルホスフィン2.678g、活性亜鉛微粉2.70g、2,5−ジクロロベンゾフェノン3.752g、4,3’−ジクロロベンズアニリド3.976g、及び無水N−メチルピロリドン(NMP)41mlを充填した。このフラスコに窒素送込バルブを備え付け、混合物を窒素雰囲気下65℃で16時間攪拌した。このポリマードープを250mlの塩酸/エタノール溶液中で凝固させ、次いで、結果として得られた溶液を4時間攪拌した。沈降したポリマーを濾過により集め、次いで100mlのエタノール中及び100mlのアセトン中で連続的に1時間煮沸した。固形物を再び濾過し、次いで60℃の減圧オーブン内で4時間乾燥させ、次いで120℃で16時間乾燥させた(収率=93%)。MWW=40,500であった。
2,5−ジクロロベンゾフェノン(50%)、1,4−ジクロロベンゼン(35%)及び3,3’−ジクロロベンズアニリド(15%)のコポリマー
100リットルの丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル0.533g、ヨウ化ナトリウム0.64g、トリフェニルホスフィン2.678g、活性亜鉛微粉2.70g、2,5−ジクロロベンゾフェノン3.752g、1,4−ジクロロベンゼン、3,3’−ジクロロベンズアニリド1.193g及び無水N−メチルピロリドン(NMP)41mlを充填した。このフラスコに窒素送込バルブを備え付け、混合物を窒素雰囲気下65℃で16時間攪拌した。このポリマードープを250mlの塩酸/エタノール溶液中で凝固させ、次いで、結果として得られた溶液を4時間攪拌した。沈降したポリマーを濾過により集め、次いで100mlの熱エタノール及び100mlの熱アセトンで連続的に洗浄した。固形物を再び濾過し、次いで60℃の減圧オーブン内で4時間乾燥させ、次いで165℃で12時間乾燥させた(収率=88%)。MWW=47,200であった。
2,5−ジクロロベンゾフェノン(90%)と4,4’−ジ(4−クロロベンゾイル)ジフェニルエーテル(10%)とのコポリマー
250リットルの丸底フラスコに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル1.998g、ヨウ化ナトリウム2.399g、トリフェニルホスフィン10.00g、活性亜鉛微粉10.12g、2,5−ジクロロベンゾフェノン25.32g、4,4’−ジ(4−クロロベンゾイル)ジフェニルエーテル5.000g、及び無水N−メチルピロリドン(NMP)153mlを充填した。このフラスコに窒素送込バルブを備え付け、混合物を窒素雰囲気下65℃で16時間攪拌した。このポリマードープを400mlの塩酸/エタノール溶液中で凝固させ、次いで、結果として得られた溶液を4時間攪拌した。沈降したポリマーを濾過により集め、次いで100mlの熱エタノール及び100mlの熱アセトンで連続的に洗浄した。固形物を再び濾過し、次いで60℃の減圧オーブン内で4時間乾燥させ、次いで170℃で16時間乾燥させた(収率=91%)。MWW=156、000;熱重量分析(TGA)による5重量%の減少=507℃;ガラス転移温度=170℃;極限粘度数=2.18(40℃/0.05M臭化リチウム/NMP);圧縮成形パネルの曲げ弾性率=0.811MSI;及び圧縮成形パネルの曲げ強さ=37.1KSIであった。
フィルム流延及び例2のコポリマーのプロトン化(3,5−ジクロロピリジンと2,5−ジクロロベンゾフェノンからの(3:2)コポリマー)
ポリマー樹脂(4.0g)を蟻酸(16g)に溶かした。NMP(1g)をガラスプレート上に注ぎ、ブレードの下に通過させることにより溶液の均一なフィルムを得た。このフィルムを室温で2時間放置し、減圧下70℃で一晩乾燥させた。この乾燥フィルムをガラスプレートから剥がし、硫酸のメタノール溶液(1:5,v:v)溶液を含む酸浴中でプロトン化させた。プロトン化を室温で2.5日間行った。次いで、フィルムをメタノールで洗浄し、メタノール中に貯蔵した。各実験において、フィルムを水洗し、空気中で乾燥させた。
プロトン化された3,5−ジクロロピリジンと2,5−ジクロロベンゾフェノンから(3:2)コポリマーのフィルム流延
例17のように製造したプロトン化コポリマーフィルム(2.81g)をNMP(11.2g)中に溶かし、この溶液をフィルム流延に用いた。この未乾燥フィルムを減圧下50℃で一晩乾燥させ、次いで減圧下70℃で一晩乾燥させた。
3,5−ジクロロピリジンと2,5−ジクロロベンゾフェノンから(3:2)コポリマーのプロトン化
例17からのコポリマー樹脂(2g)を、4日間を要して硫酸のメタノール溶液(1:5,v:v)中で懸濁させた。結果として得られた樹脂を濾過し、メタノールで洗浄し、室温の空気中で乾燥させた。部分的に空気乾燥した樹脂(2.9g)は、水に濡れたときにpH試験紙で試験した時に強酸性を示した。
活性亜鉛微粉
市販入手可能な325メッシュ亜鉛微粉を塩酸の(無水)ジエチルエーテル溶液で2回洗浄し、次いで、(無水)ジエチルエーテルで2回洗浄し、減圧下不活性雰囲気下約100〜200℃で数時間乾燥させることにより活性亜鉛微粉を得た。乾燥時に凝集塊がされる場合には、亜鉛微粉は再び篩にかけられて−150メッシュにされる。この物質は、即座に使用されるか、又は酸素及び湿気の無い不活性雰囲気下で貯蔵されるべきである。
コポリ−{1,4−(ベンゾイルフェニレン)}−{1,3−(5−メトキシカルボニルフェニレン)}−{1,3−(フェニレン)}
乾燥窒素雰囲気下の50リットルフラスコ内において、無水ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル(II)(65g;0.099mol)、トリフェニルホスフィン(343g;1.5mol)、活性亜鉛微粉(412g;6.3mol)、ヨウ化ナトリウム(63g;0.42mol)、及び乾燥NMP4リットルとの混合物を調製し、50℃で5分間攪拌した。1.6リットルの乾燥NMP中の2,5−ジクロロベンゾフェノン(1.000g;4.0mol)と1,3−ジクロロベンゼン(58g;0.39mol)との溶液を50℃に加熱し、前記混合物に攪拌しながら注加した。次いで、NMP500ml中のメチル−3,5−ジ−クロロベンゾエート(122.5g;0.60mol)の溶液を約10分間を要して激しく攪拌しながら前記混合物に徐々に加えた。反応混合物の温度を監視し、外部冷却を要して95℃以下の温度に保った。60℃で一晩攪拌した後に、粘性ポリマー溶液を新しいNMP12リットルで稀釈し、残留亜鉛粉末を濃塩酸60mlを加えることによって溶解させた。気体の発生が停止し、全ての亜鉛金属が溶解したことを確認した後に、混合物をメタノールに注加してポリマーを沈殿させた。この懸濁液を濾過し、メタノールを用いて2日間、次いでアセトンを用いて1日間を要して連続的に沈殿物を抽出し、120℃の真空炉内で一晩乾燥させることにより767g(収率93%)のポリマーを得た。MWW=188,593であった。
コポリ−{1,4−(ベンゾイルフェニレン)}−{1,3−(5−メトキシカルボニルフェニレン)}−{1,3−(5−(4−フェノキシベンゾイル)フェニレン)}
乾燥窒素雰囲気下の3リットルフラスコ内において、無水ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル(II)(12.0g;18.3mmol)、トリフェニルホスフィン(70.0g;304mmol)、活性亜鉛微粉(90.0g;1,380mmol)、ヨウ化ナトリウム(10.0g;66.7mmol)、2,5−ジクロロベンゾフェノン(200g;796mmol)及びNMP700ml中の3,5−ジクロロ−4’−フェノキシベンゾフェノン(25g;73mmol)の混合物を調製した。NMP200ml中のクロロベンゼン(3.87g;34.4mmol)の溶液をフラスコに注加し、結果として得られた混合物を激しく攪拌しながら即座に50℃に加熱した。15分後に、NMP100ml中のメチル−3,5−ジ−クロロベンゾエート(50.0g;244mmol)と3,5−ジクロロ−4’−フェノキシベンゾフェノン(25g;73mmol)との溶液を滴下した。反応混合物の温度を監視し、外部冷却を要して95℃以下の温度に保った。60℃で一晩攪拌した後に、粘性ポリマー溶液を新しいNMP350mlで稀釈し、残留亜鉛粉末を40mlの濃塩酸を加えることによって溶解させた。気体の発生が停止し、全ての亜鉛金属が溶解したことを確認した後に、混合物を4リットルのメタノール中に注加してポリマーを沈殿させた。この懸濁液を濾過し、1:1メタノール/アセトンを用いて一晩を要して連続的に沈殿物を抽出し、次いで炉で乾燥させることにより184g(収率84%)のポリマーを得た。MWW=104,722であった。
45gの前記樹脂を金型内に入れ、70,23kg/cm2(1,000psi)の圧力下300℃で1時間加熱することにより圧縮成形試験クーポン(3.5×5.0×0.125)を製造した。この試料を試験片に切断し、ASTM−D−790に準じて曲げ特性を測定し、下表の結果を得た。
コポリ−{1,4−(ベンゾイルフェニレン)}−{1,3−(5−アミノフェニレン)}
乾燥窒素雰囲気下において、無水ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル(II)(1.4g;2.1mmol)、トリフェニルホスフィン(5.5g;21mmol)、活性亜鉛微粉(8.0g;122mmol)、ヨウ化ナトリウム(1.0g;6.7mmol)、2,5−ジクロロベンゾフェノン(19g;76mmol)、3,5−ジクロロアニリン(1.4g;8.7mmol)及びNMP90mlとの混合物を250mlフラスコ内に充填した。この混合物を65℃に加熱し、激しく攪拌した。反応混合物の温度を監視し、外部冷却を要して100℃以下の温度に保った。75℃で一晩攪拌した後に、粘性ポリマー溶液を新しいNMP180mlで稀釈し、残留亜鉛粉末を30mlの濃塩酸を加えることによって溶解させた。気体の発生が停止し、全ての亜鉛金属が溶解したことを確認した後に、イソプロパノール500mlを前記溶液に加えてポリマーを沈殿させた。この懸濁液を濾過し、沈殿物を沸騰メタノールで4回洗浄し、次いで真空炉内において120℃で一晩乾燥させることにより184g(収率84%)のポリマーを得た。MWW=104,722であった。基本的な分析法による窒素含有量は:理論値0.83%;実験値0.98%であった。
コポリ−{1,4−(ベンゾイルフェニレン)}−{1,3−(5−ピリジニル)}
乾燥窒素雰囲気下において、無水ビス(トリフェニルホスフィン)塩化ニッケル(II)(16.5g;25mmol)、トリフェニルホスフィン(75g;336mmol)、活性亜鉛微粉(101g;1,545mmol)、ヨウ化ナトリウム(13g;87mmol)、2,5−ジクロロベンゾフェノン(240g;956mmol)、3,5−ジクロロピリジン(35g;237mmol)及びNMP240mlとの混合物を5リットルフラスコ内に充填した。この混合物を60℃に加熱し、激しく攪拌した。反応混合物の温度を監視し、外部冷却を要して82〜89℃の温度に保った。一晩攪拌した後に、粘性ポリマー溶液を新しいNMP900mlで稀釈し、残留亜鉛粉末を100mlの濃塩酸を加えることによって溶解させた。気体の発生が停止し、全ての亜鉛金属が溶解したことを確認した後に、混合物をメタノール中に加えてポリマーを沈殿させた。この懸濁液を濾過し、メタノールを用いて2日間、次いでアセトンを用いて1日間を要して連続的に沈殿物を抽出し、115℃の真空炉内で一晩乾燥させることにより184g(収率97%)のポリマーを得た。MWW=211,498であった。
本発明を好ましい且つ例示的な態様を参照して記述してきたが、本発明をこれらに限定するものではない。当業者は、特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から離れることなく種々の修飾があり得ることを高く評価するであろう。
芳香族CH基の1〜3個はNにより任意に置き替えられていてよい;
アリーレンセグメントの数平均セグメント長さは2を超え、パラ−アリーレン繰返し単位の数平均セグメント長さは1〜約8の範囲である;
メタ−アリーレン繰返し単位の数平均セグメント長さは1を超える;
xは0〜4であり、ペンダント基(A)は、−F、−CN、−CHO、−COR、−CR=NR’、−OR、−SR、−SO2 R、−OCOR、−CO2 R、−NRR’、−N=CRR’、−NRCOR’、−CONRR’及びRから成る群より独立に選ばれ、前記R及びR’は、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール及び置換ヘテロアリールからなる群より独立に選ばれ、並びにR及びR’は一緒に結合していてよい;
Yは、存在しないか、又は−Z−、−Z−Ph−及び−Ph−Z−Ph−からなる群より選ばれる二価の基であり、前記Zは、−O−、−S−、−NR−、−O(CO)−、−O(CO2)−、−(CO)NH(CO)−、−NR(CO)−、フタルイミド、ピロメリットイミド、−CO−、−SO−、−SO2 −、−P(O)R−、−CH2 −、−CF2 −及び−CRR’−からなる群より選ばれる二価の基である;
Phはフェニレン(オルト、メタ又はパラ−フェニレン)である;
Yが存在しない場合には少なくとも2種の異なる−Ar−繰返し単位が存在する;
繰返し単位100個毎に少なくとも1個がペンダント側基Aを有する;並びにnは約4を超える数である。
3. Aが、アセチル、ベンゾイル、カルボメトキシ、ホルミル、フェノキシ、フェノキシベンゾイル及びフェニルからなる群より選ばれる上記2記載のポリマー。
4. Yが存在せず、且つポリマーが下式で表される構造を有する上記1記載のポリマー。
6. Aが、アセチル、ベンゾイル、カルボメトキシ、ホルミル、フェノキシ、フェノキシベンゾイル及びフェニルからなる群より選ばれる上記5記載のポリマー。
7. メタ−フェニレン繰返し単位が繰返し単位の10%を超える量を構成している上記4記載のポリマー。
8. メタ−フェニレン繰返し単位が繰返し単位の20%を超える量を構成している上記4記載のポリマー。
9. メタ−フェニレン繰返し単位が繰返し単位の50%を超える量を構成している上記4記載のポリマー。
13. A’が、アセチル、ベンゾイル、カルボメトキシ、ホルミル、フェノキシ、フェノキシベンゾイル及びフェニルからなる群より選ばれる上記11記載のポリマー。
14. メタ−アリ−レン繰返し単位が繰返し単位の40%を超える量を構成している上記11記載のポリマー。
15. Yが存在せず、且つポリマーが下記一般式で表される構造を有する上記1記載のポリマー:
17. Aがメトキシカルボニルであり、且つA’がベンゾイルである上記16記載のポリマー。
18. ポリマーがブロックコポリマーであり、且つ繰返し単位Yが、ポリアミド、ポリアリーレート、ポリアリーレンオキシド、ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリフェニレン、置換ポリフェニレン、ポリフェニレンスルフィド及びポリスチレンからなる群より選ばれるオリゴマー又はポリマーセグメントから選ばれる上記1記載のポリマー。
22. Yが、−(フェニレン−CONH−フェニレン−NHCO)−フェニレン、−(フェニレン−CONH−フェニレン)−、−(フェニレン−COO−フェニレン−OCO)−フェニレン−、−(フェニレン−カルボニル)−フェニレン−、及び−(フェニレン−カルボニル−フェニレン−オキソ−フェニレン−カルボニル−フェニレン)−からなる群より選ばれる上記1記載のポリマー。
23. 繰返し単位Yが、−(フェニレン−CONH−フェニレン−NHCO)m −フェニレン、−(フェニレン−CONH)m −フェニレン−、−(フェニレン−COO−フェニレン−OCO)m −フェニレン−、−(フェニレン−カルボニル)m −フェニレン−及び−(フェニレン−カーボネート−フェニレン−2,2−イソプロピリデン−カーボネート)m −フェニレン−からなる群より選ばれるブロックを形成している上記1記載のポリマー。
24. Yが−Ph−Z−Ph−の構造を有し、前記Zが、−(CO)NH−、−(CO)O−、−C(=NC6 H5)−、−(CO)−及び−SO2 −からなる群より選ばれる二価の基である上記1記載のポリマー。
26. 少なくとも1種のアリーレン繰返し単位−Ar−が窒素含有ヘテロアリーレンである上記1記載のポリマー。
27. 上記26記載のポリマー及び酸を含んでなるポリマー組成物。
30. 上記28記載のポリマー及び酸を含んでなるポリマー組成物。
31. 前記酸が、酢酸、蟻酸、臭化水素、塩化水素、フッ化水素、ヨウ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、硝酸、過塩素酸、リン酸、ポリリン酸、硫酸、亜硫酸、トルエンスルホン酸及びトリフルオロ酢酸からなる群より選ばれる上記30記載の組成物。
34. E’が塩酸、アミン、アリールアルコール、アリールアミン、アリール酸塩化物、アリールカルボン酸、アリールフルオリド、カルボン酸、エポキシド、フルオリド、ヒドロキシ、イソシアネート及びシリルクロリドからなる群より選ばれる上記32記載の方法。
36. Eが、塩酸、アリール酸塩化物、アリールカルボン酸、カルボン酸からなる群より選ばれ、且つE’がヒドロキシ及びアミンからなる群より選ばれる上記32記載の方法。
37. Eが、アミン、アリールアルコール、アリールアミン、及びヒドロキシからなる群より選ばれ、且つE’が、塩酸、カルボン酸、エポキシド、イソシアネート及びシリルクロリドからなる群より選ばれる上記32記載の方法。
38. lが1である上記32記載の方法。
39. lが2〜200の範囲の数である上記32記載の方法。
40. lが1〜10の範囲の数であり、且つmが1〜100の範囲の数である上記32記載の方法。
Claims (6)
- 下記一般式で表されるコポリマーの製造方法であって、
-(-Ar-) n -
(式中、nは4を超える数であり、Arは繰り返し単位Ar1とAr2の混合繰り返し単位であり(ここで、Ar1は、メタ‐フェニレン又はヘテロフェニレン繰り返し単位を含み、Ar2は置換パラ‐フェニレン繰り返し単位を含み、メタ−フェニレン繰返し単位(Ar1)が繰返し単位の20%を超える量である)
ジクロロモノマーを重合する工程を含み、メタ−フェニレン繰返し単位(Ar1)が3,5‐ジクロロピリジンから誘導され、置換パラ‐フェニレン繰り返し単位(Ar2)が、2,5‐ジクロロベンゾフェノンから誘導されることを特徴とする上記一般式で表されるコポリマーの製造方法。 - 混合繰り返し単位が、さらに、1,4‐ジクロロベンゼン及び4,3'‐ジクロロベンズアニリドから選ばれる1種以上のジクロロモノマーから誘導される該未置換パラ‐フェニレン繰り返し単位Ar3を含む請求項1記載の製造方法。
- メタ−フェニレン繰返し単位(Ar1)が繰返し単位の50%を超える量を構成している請求項1記載の製造方法。
- ジクロロモノマーが、そのジブロモ、ジアイオド、ジスルフォナト又はハロスルフォナト同族体により置換されている請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
- ジクロロモノマーが、ニッケル触媒を用いる還元カップリングにより重合される請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
- 製造されるコポリマーが、‐(Ar)n‐(式中、Arは、3,5‐ジクロロピリジンから誘導される繰返し単位(Ar1)と2,5‐ジクロロベンゾフェノンから誘導される繰返し単位(Ar2)を含む混合繰返し単位である)で表される請求項1〜5のいずれか1項記載の製造方法。
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JP2008144184A (ja) | 2008-06-26 |
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