JP4380385B2 - 芳香族カルボキシ化合物 - Google Patents

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Description

本発明は、芳香族カルボキシ化合物に関する。
フェノール樹脂などに代表される熱硬化性樹脂は、耐熱性、機械的強度、耐湿性などに優れ、電子材料、自動車用部材、接着剤など様々な分野で広く用いられている。しかしながら、特に電子材料分野など、更に厳しい耐熱性を要求されている先端分野における要求全てを満足する材料は、未だ得られていないのが現状である。そのため、より耐熱性を高める、あるいは機能性を付加する手段として、フェノール樹脂などに修飾可能な置換基を導入する試みがなされている。そのようなフェノール樹脂として、従来の技術では、カルボキシル基を導入したフェノール樹脂が合成されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。しかしながら、更に温和な条件下で、さまざまな機能性基を容易に修飾でき、且つ、優れた特性を有する樹脂が求められており、それに適した原料が望まれている。
特開平9−107984号公報 特開2000−63499号公報
本発明は、上記要望に応えるためになされたものであって、上記用途に有用である、芳香族カルボキシ化合物を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、
1. カルボキシル基を含む基を有する芳香族基を主鎖に有する、芳香族カルボキシ化合物であって、前記カルボキシ化合物は、一般式(1)で表される構造を有することを特徴とする芳香族カルボキシ化合物、
[式(1)中、カルボキシル基−COOHは、同一のベンゼン環上に1〜5個を有していても良い。Arは、芳香族基を示す。Xは、脂肪族基、芳香族基、スルホニル基または酸素原子の中から選ばれる少なくとも1種の基で構成される基を示す。式中のmは、2以上、10000以下の整数を示す。式中のnは、1以上、3以下の整数を示す。]
. 前記カルボキシル基が、活性エステル基に変換された、第1項に記載の芳香族カルボキシ化合物、
. 前記活性エステル基は、下記一般式(2)で表されるものである、第項に記載の芳香族カルボキシ化合物、
[式(1)中、Rはアルキル基、ピリジル基、キノリル基、芳香族基、又はベンゾトリアゾール基を示し、これらの基における水素原子は、少なくとも1個の有機基で置換されていても良い。]
. 前記カルボキシ化合物は、一般式(1)におけるXとして、式(3)で表される基の中から選ばれる基を有するものである第項〜第項のいずれかに記載の芳香族カルボキシ化合物、
(式中のR1、R2およびR3は、それぞれ独立して、式(4)で表される基の中から選ばれる基を示し、互いに同一であっても異なっていても良い。また、式中の水素原子は、脂肪族基、芳香族基およびフッ素原子の中から選ばれる、少なくとも1種の基で置換されていても良い。)
(式中の水素原子は、脂肪族基、芳香族基およびフッ素原子の中から選ばれる、少なくとも1種の基で置換されていても良い。)
. 前記カルボキシ化合物は、ダイヤモンドイド構造を含む置換基を有するものである、第1項〜第項のいずれかに記載の芳香族カルボキシ化合物、
. 前記ダイヤモンドイド構造を含む基は、アダマンチル基、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基およびウンデカマンチル基の中から選ばれる少なくとも1種である、第項に記載の芳香族カルボキシ化合物、
を提供するものである。
本発明によれば、芳香族カルボキシ化合物を得ることができ、これらは、熱硬化性樹脂の原料として好適に用いることができる。
本発明は、カルボキシル基を含む基を有する芳香族基を主鎖に有する芳香族カルボキシ化合物であり、この構造を有するものとして、前記一般式(1)で表される構造を有するものが挙げられる。さらには、前記カルボキシル基が活性エステル基に変換されたものが挙げられる。これらは、熱硬化性樹脂の原料として好適に用いることができる。本発明の芳香族カルボキシ化合物により得られる熱硬化性樹脂は、前記カルボキシル基および活性エステル基により、温和な条件において種々の機能性基を容易に修飾させることができ、特に前記活性エステル基が好ましい。
また、本発明の芳香族カルボキシ化合物がダイヤモンドイド構造を含む置換基を含む場合、前記耐熱性を劣化させることなく、優れた機械的強度、電気特性を付与することができる。
本発明において、活性エステル基は、下記一般式(2)で表されるものである。
[式(2)中、Rはアルキル基、ピリジル基、キノリル基、芳香族基、又はベンゾトリアゾール基を示し、これらの基における水素原子は、少なくとも1個の有機基で置換されていても良い。]
前記一般式(2)中のRとしては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基およびsec−ブチル基等のアルキル基:、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基等のピリジル基:、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基および8−キノリル基等のキノリル基:、フェニル基、1−ナフチル基および2−ナフチル基等の芳香族基:、1−ベンゾトリアゾール基等のベンゾトリアゾール基等が挙げられる。
本発明において、前記一般式(1)中のArで表される芳香族基としては、フェニレン基、ナフタレンジイル基、ビナフチルジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ビフェニルジイル基、ビフェニレンジイル基、フルオレンジイル基、ビフェニルフルオレンジイル基およびピリジンジイル基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの基中の水素原子は、脂肪族基、芳香族基およびフッ素原子で置換されていても良い。前記脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキル基:、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基などの炭素数が1以上、20以下のアルコキシ基:、ビニル基、プロペニル基およびブテニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルケニル基:、エチニル基、プロピニル基およびブチニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキニル基:、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびビアダマンチル基などの脂環式脂肪族基:、などが挙げられ、前記芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基およびナフトキシ基:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記脂肪族基および芳香族基中の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
本発明において、前記一般式(1)中のXで表される基としては、脂肪族基、芳香族基、スルホニル基および酸素原子の中から選ばれる少なくとも1種の基で構成される基であり、前記脂肪族基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基およびブチレン基などの炭素数が1以上、20以下のアルキレン基、ビニレン基、プロペニレン基およびブテニレン基などの炭素数が1以上、20以下のアルケニレン基、エチニレン基、プロピニレン基およびブチニレン基などの炭素数が1以上、20以下のアルキニレン基、などが挙げられ、前記芳香族基としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、ビフェニルジイル基、フルオレンジイル基、ビフェニルフルオレンジイル基およびピリジンジイル基、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記脂肪族基および芳香族基の内、前記式(3)で表される基が好ましい。これらの基中の水素原子は、脂肪族基、芳香族基およびフッ素原子で置換されていても良い。前記脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキル基:、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基などの炭素数が1以上、20以下のアルコキシ基:、ビニル基、プロペニル基およびブテニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルケニル基:、エチニル基、プロピニル基およびブチニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキニル基:、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびビアダマンチル基などの脂環式脂肪族基:、などが挙げられ、前記芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基およびナフトキシ基:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記脂肪族基および芳香族基中の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
本発明において、一般式(1)で表される構造を有する化合物としては、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(4−カルボキシフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(4−カルボキシフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(4−カルボキシフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(ビス(4−カルボキシフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(ビス(4−カルボキシフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(ビス(4−カルボキシフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニルジイルメチレン)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)ナフタレンジイルメチレン)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)ナフタレンジイル−フェニルメチレン)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)ナフタレンジイル−アダマンチルメチレン)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フルオレンジイルメチレン)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フルオレンジイル−フェニルメチレン)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フルオレンジイル−アダマンチルメチレン)、ポリ(ビス((4−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレンジイルメチレン)、ポリ(ビス((4−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレンジイル−フェニルメチレン)およびポリ(ビス((4−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレンジイル−アダマンチルメチレン)、などのポリ(アリーレンメチレン)構造を有する化合物:、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フェニレンビニレン)、ポリ(ビス(4−カルボキシフェノキシ)フェニレンビニレン)、ポリ(ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニルジイルビニレン)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)ナフタレンジイルビニレン)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フルオレンジイルビニレン)およびポリ(ビス((4−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレンジイルビニレン)、などのポリ(アリーレンビニレン)構造を有する化合物:、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フェニレンエチニレン)、ポリ(ビス(4−カルボキシフェノキシ)フェニレンエチニレン)、ポリ(ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニルジイルエチニレン)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)ナフタレンジイルエチニレン)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フルオレンジイルエチニレン)およびポリ(ビス((4−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレンジイルエチニレン)、などのポリ(アリーレンエチニレン)構造を有する化合物:、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フェニレンエーテル)、ポリ(ビス(4−カルボキシフェノキシ)フェニレンエーテル)、ポリ(ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニルジイルエーテル)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)ナフタレンジイルエーテル)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フルオレンジイルエーテル)およびポリ(ビス((4−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレンジイルエーテル)、などのポリ(アリーレンエーテル)構造を有する化合物:、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フェニレンスルホニル)、ポリ(ビス(4−カルボキシフェノキシ)フェニレンスルホニル)、ポリ(ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニルジイルスルホニル)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)ナフタレンジイルスルホニル)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フルオレンジイルスルホニル)およびポリ(ビス((4−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレンジイルスルホニル)、などのポリ(アリーレンスルホニル)構造を有する化合物:、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フェニレン)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フェニレンフェニレン)、ポリ(ビス(4−カルボキシフェノキシ)フェニレン)、ポリ(ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニルジイル)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)ナフタレンジイル)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フルオレンジイル)およびポリ(ビス((4−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレンジイル)、などのポリ(アリーレン)構造を有する化合物:、などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明において、ダイヤモンドイド構造を含む置換基におけるダイヤモンドイド構造としては、アダマンタン構造を最小単位とする構造を有するものであり、前記ダイヤモンドイド構造を含む基としては、例えば、アダマンチル基、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基およびウンデカマンチル基、などが挙げられ、ダイヤモンドイド構造を含む置換基としては、前記ダイヤモンドイド構造を含む基の他に、ビアダマンチル基、テルアダマンチル基、アダマンチルフェニル基、ジアマンチルフェニル基、トリアマンチルフェニル基、テトラマンチルフェニル基、ペンタマンチルフェニル基、ヘキサマンチルフェニル基、ヘプタマンチルフェニル基、オクタマンチルフェニル基、ノナマンチルフェニル基、デカマンチルフェニル基、ウンデカマンチルフェニル基、アダマンチルオキシ基、ジアマンチルオキシ基、トリアマンチルオキシ基、テトラマンチルオキシ基、ペンタマンチルオキシ基、ヘキサマンチルオキシ基、ヘプタマンチルオキシ基、オクタマンチルオキシ基、ノナマンチルオキシ基、デカマンチルオキシ基およびウンデカマンチルオキシ基、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの内、アダマンチル基、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基およびウンデカマンチル基が好ましい。これらの置換基は、一般式(1)において、Ar、Xで表される基に置換されていてもよい。また、これらの基中の水素原子は、脂肪族基、芳香族基およびフッ素原子で置換されていても良い。前記脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキル基:、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基などの炭素数が1以上、20以下のアルコキシ基:、ビニル基、プロペニル基およびブテニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルケニル基:、エチニル基、プロピニル基およびブチニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキニル基:、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびビアダマンチル基などの脂環式脂肪族基:、などが挙げられ、前記芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基およびナフトキシ基:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記脂肪族基および芳香族基中の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
本発明の芳香族カルボキシ化合物は、例えば、ヒドロキシ芳香族化合物のヒドロキシ基とフッ素化合物とを反応させることにより合成することができる。活性エステル基を有する芳香族カルボキシ化合物は、前記フッ素化合物において活性エステル基を有するものを用いることにより合成することができ、また、本発明の芳香族カルボキシ化合物は、前記活性エステル基を有する芳香族エステル化合物における活性エステル基を脱エステル化することにより合成することができるが、これらの合成法に限定されない。
本発明の芳香族カルボキシ化合物として、活性エステル基を有する芳香族カルボキシ化合物として一般式(5)で表される構造を有する化合物及びカルボキシル基を有する芳香族カルボキシ化合物として一般式(1)で表される構造を有する化合物は、例えば、以下のルートによって合成することができる。
式(5)および式(7)中、−COORは前記活性エステル基を示す。また、式(5)および式(7)中の−COOR及び式(1)中の−COOHは、同一のベンゼン環上に1〜5個を有していても良い。式(1)、式(5)および式(6)中のArは芳香族基を示す。式(1)、式(5)および式(6)中のXは、前記脂肪族基、芳香族基、スルホニル基および酸素原子の中から選ばれる少なくとも1種の基を示す。式(1)、式(5)および式(6)中のnは、1以上、3以下の整数を示す。式(1)、式(5)および式(6)中のmは、2以上、10000以下の整数を示す。
まず、出発原料として、一般式(6)で表される構造を有するヒドロキシ芳香族化合物と、一般式(7)で表されるフルオロ安息香酸の活性エステル化合物とを、炭酸カリウムや炭酸ナトリウムなどの塩基を用いてエーテル結合生成反応をさせることにより、一般式(5)で表される構造を有する芳香族カルボキシ化合物が得られる。
次いで、一般式(5)で表される構造を有する芳香族カルボキシ化合物を、アルカリ金属水酸化物溶液中で撹拌後、酸性化処理することにより、一般式(1)で表される構造を有する芳香族カルボキシ化合物が得られる。
本発明において、一般式(6)で表される構造を有する化合物としては、ヒドロキシ芳香族化合物とアルデヒド化合物との重合で得られるポリ(アリーレンメチレン)構造を有する化合物、例えば、ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)、ポリ(ヒドロキシフェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(ヒドロキシフェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−ヒドロキシフェニレンメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−ヒドロキシフェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−ヒドロキシフェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(ジヒドロキシフェニレンメチレン)、ポリ(ジヒドロキシフェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(ジヒドロキシフェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(ジヒドロキシビフェニルジイルメチレン)、ポリ(ヒドロキシナフタレンジイルメチレン)、ポリ(ヒドロキシナフタレンジイル−フェニルメチレン)、ポリ(ヒドロキシナフタレンジイル−アダマンチルメチレン)、ポリ(ヒドロキシフルオレンジイルメチレン)、ポリ(ヒドロキシフルオレンジイル−フェニルメチレン)、ポリ(ヒドロキシフルオレンジイル−アダマンチルメチレン)、ポリ(ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレンジイルメチレン)、ポリ(ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレンジイル−フェニルメチレン)およびポリ(ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレンジイル−アダマンチルメチレン)など:、ジハロゲン化芳香族化合物とジビニル芳香族化合物の重合で得られるポリ(アリーレンビニレン)構造を有する化合物、例えば、ポリ(ヒドロキシフェニレンビニレン)、ポリ(ジヒドロキシフェニレンビニレン)、ポリ(ジヒドロキシビフェニルジイルビニレン)、ポリ(ヒドロキシナフタレンジイルビニレン)、ポリ(ヒドロキシフルオレンジイルビニレン)およびポリ(ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレンジイルビニレン)など:、ジハロゲン化芳香族化合物とジエチニル芳香族化合物の重合で得られるポリ(アリーレンエチニレン)構造を有する化合物、例えば、ポリ(ヒドロキシフェニレンエチニレン)、ポリ(ジヒドロキシフェニレンエチニレン)、ポリ(ジヒドロキシビフェニルジイルエチニレン)、ポリ(ヒドロキシナフタレンジイルエチニレン)、ポリ(ヒドロキシフルオレンジイルエチニレン)およびポリ(ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレンジイルエチニレン)など:、ヒドロキシ芳香族化合物の重合で得られるポリ(アリーレンエーテル)構造を有する化合物、例えば、ポリ(ヒドロキシフェニレンエーテル)、ポリ(ジヒドロキシフェニレンエーテル)、ポリ(ジヒドロキシビフェニルジイルエーテル)、ポリ(ヒドロキシナフタレンジイルエーテル)およびポリ(ヒドロキシフルオレンジイルエーテル)、ポリ(ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレンジイルエーテル)など:、芳香族スルホニルクロリド化合物の重合で得られるポリ(アリーレンスルホニル)構造を有する化合物、例えば、ポリ(ヒドロキシフェニレンスルホニル)、ポリ(ジヒドロキシフェニレンスルホニル)、ポリ(ジヒドロキシビフェニルジイルスルホニル)、ポリ(ヒドロキシナフタレンジイルスルホニル)、ポリ(ヒドロキシフルオレンジイルスルホニル)およびポリ(ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレンジイルスルホニル)など:、ジブロモ芳香族化合物のニッケル触媒による重合、ジブロモ芳香族化合物と芳香族ジボロン酸化合物の重合および芳香族化合物の重合などで得られるポリ(アリーレン)構造を有する化合物、例えば、ポリ(ヒドロキシフェニレン)、ポリ(ヒドロキシフェニレンフェニレン)、ポリ(ジヒドロキシフェニレン)、ポリ(ジヒドロキシビフェニルジイル)、ポリ(ヒドロキシナフタレンジイル)、ポリ(ヒドロキシフルオレンジイル)およびポリ(ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレンジイル)など:、などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明において、一般式(7)で表される構造を有する化合物としては、
4−フルオロ安息香酸メチル、4−フルオロ安息香酸エチル、4−フルオロ安息香酸(n−プロピル)、4−フルオロ安息香酸イソプロピル、4−フルオロ安息香酸(n−ブチル)、4−フルオロ安息香酸(t−ブチル)、4−フルオロ安息香酸イソブチルおよび4−フルオロ安息香酸(sec−ブチル)等のアルキルエステル:4−フルオロ安息香酸(2−ピリジル)、4−フルオロ安息香酸(3−ピリジル)および4−フルオロ安息香酸(4−ピリジル)等のピリジルエステル:4−フルオロ安息香酸(2−キノリル)、4−フルオロ安息香酸(3−キノリル)、4−フルオロ安息香酸(4−キノリル)、4−フルオロ安息香酸(5−キノリル)、4−フルオロ安息香酸(6−キノリル)、4−フルオロ安息香酸(7−キノリル)および4−フルオロ安息香酸(8−キノリル)等のキノリルエステル:4−フルオロ安息香酸フェニル、4−フルオロ安息香酸(1−ナフチル)および4−フルオロ安息香酸(2−ナフチル)等の芳香族エステル:4−フルオロ安息香酸(1−ベンゾトリアゾール)等のベンゾトリアゾールエステル:等が挙げられる。
次に、合成法の例について説明する。
上記合成例において、一般式(5)で表される構造を有する芳香族カルボキシ化合物は、ヒドロキシ芳香族化合物(一般式(6))とフルオロ安息香酸の活性エステル化合物(式(7))とから、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンおよびジメチルスルホキシドなどの極性溶媒中、炭酸カリウムや炭酸ナトリウムなどの塩基、あるいはフッ化セシウムやフッ化カリウムなどの金属フッ化物の存在下、100℃〜200℃程度の温度範囲で反応させて得られる。この時、反応時間は特に制限されず、前記溶媒量についても、特に制限されない。また、前記塩基あるいは金属フッ化物の使用量としては、ヒドロキシ芳香族化合物のヒドロキシ基に対し1〜5当量倍が好ましい。
一般式(1)で表される構造を有する芳香族カルボキシ化合物は、上記一般式(5)で表される構造を有する芳香族カルボキシ化合物の合成において、一般式(7)で表される構造を有する化合物の活性エステル基をカルボキシル基とした化合物を用いることにより合成することができる。
また、一般式(1)で表される構造を有する芳香族カルボキシ化合物は、一般式(5)で表される構造を有する芳香族カルボキシ化合物をテトラヒドロフランなどの有機溶媒に溶解した溶液を、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ金属水酸化物水溶液中に加え攪拌し、反応後に塩酸等で酸性処理することにより得られる。この時、反応時間は特に制限されず、前記溶媒量についても特に制限されない。また、アルカリ金属水酸化物の使用量としては、活性エステル化合物の活性エステル基に対し2等量倍以上が好ましい。
以下に本発明を説明するために実施例を示すが、これによって本発明を限定するものではない。
得られた化合物は特性評価のため、1H−NMRスペクトル測定、分子量測定、及び元素分析を行った。
[試験方法]
(1)核磁気共鳴スペクトル分析(1H−NMR): 日本電子製JNM−GSX400型を用いて、共鳴周波数400MHzで測定した。測定溶媒は、重水素化ジメチルスルホキシドDMSO−d6を用いた。
(2)分子量: 東ソ−株式会社製高速液体クロマトグラフSD−8022型を用いて、ポリスチレン換算により、重量平均分子量Mw、数平均分子量Mnを算出した。
(3)元素分析: 炭素および水素はPERKIN ELMER社製2400型を用いて測定した。
[実施例1]
(ポリ((4−(3−ピリジルオキシカルボニル)フェノキシ)フェニレンメチレン)の合成)
ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)(Mw=3000、Mn=980)12.9g(122mmol/1単位ユニット)、4−フルオロ安息香酸(3−ピリジル)31.7g(146mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド100mLの溶液に、炭酸カリウム42.1g(304mmol)を添加した。135℃で12時間攪拌した後、反応液を濾過した。濾液をイオン交換水2000mLに滴下した。析出した固体をメタノール2000mLで2回洗浄し、50℃で2日間減圧乾燥することにより、黄色固体のポリ((4−(3−ピリジルオキシカルボニル)フェノキシ)フェニレンメチレン)18.0gを得た。
得られた化合物に関する各種測定値を以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,ppm):δ3.3−5.2(2H),5.8−7.3(11H)
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:75.24%,H:4.32%,N:4.62%,O:15.82%、[実測値]C:75.30%,H:4.11%
分子量:Mw=5630、Mn=2000
[実施例2]
(ポリ((4−(3−ピリジルオキシカルボニル)フェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)の合成)
実施例1において、ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)(Mw=3000、Mn=980)12.9g(122mmol/1単位ユニット)をポリ(ヒドロキシフェニレン−アダマンチルメチレン)(Mw=2530,Mn=1320)29.3g(122mmol/1単位ユニット)とした以外は、実施例1と同様にして、ポリ((4−(3−ピリジルオキシカルボニル)フェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)25.6gを得た。
得られた化合物に関する各種測定値を以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,ppm):δ0.5−2.1(15H),3.5−4.9(1H),5.6−7.9(11H)
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:79.61%,H:6.22%,N:3.20%,O:10.97%、[実測値]C:78.23%,H:6.49%
分子量:Mw=3150、Mn=1590
[実施例3]
(ポリ(4−アダマンチル−1−(4−(3−ピリジルオキシカルボニル)フェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)の合成)
実施例1において、ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)(Mw=3000、Mn=980)12.9g(122mmol/1単位ユニット)をポリ(4−アダマンチル−1−ヒドロキシフェニレン−アダマンチルメチレン)(Mw=1220,Mn=690)45.7g(122mmol/1単位ユニット)とした以外は、実施例1と同様にして、ポリ(4−アダマンチル−1−(4−(3−ピリジルオキシカルボニル)フェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)42.1gを得た。
得られた化合物に関する各種測定値を以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,ppm):δ0.5−2.3(30H),3.5−4.9(1H),5.6−7.9(10H)
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:81.93%,H:7.23%,N:2.45%,O:8.39%、[実測値]C:80.39%,H:7.30
分子量:Mw=2390、Mn=770
[実施例4]
(ポリ((4−(3−ピリジルオキシカルボニル)フェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)の合成)
実施例1において、ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)(Mw=3000、Mn=980)12.9g(122mmol/1単位ユニット)をポリ(ヒドロキシフェニレン−フェニルメチレン)(Mw=3220,Mn=700)22.2g(122mmol/1単位ユニット)とした以外は、実施例1と同様にして、ポリ((4−(3−ピリジルオキシカルボニル)フェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)22.7gを得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,ppm):δ3.3−5.2(1H),5.8−7.3(16H)
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:79.14%,H:4.52%,N:3.69%,O:12.65%、[実測値]C:79.70%,H:5.12%
分子量:Mw=4420、Mn=1200
[実施例5]
(ポリ((4−(3−ピリジルオキシカルボニル)フェノキシ)フェニレンエーテル)の合成)
実施例1において、ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)(Mw=3000、Mn=980)12.9g(122mmol/1単位ユニット)をポリ(ヒドロキシフェニレンエーテル)(Mw=2300,Mn=550)13.2g(122mmol/1単位ユニット)とした以外は、実施例1と同様にして、ポリ((4−(3−ピリジルオキシカルボニル)フェノキシ)フェニレンエーテル)15.4gを得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,ppm):δ5.8−7.3(11H)
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:70.58%,H:3.95%,N:4.57%,O:20.89%、[実測値]C:69.90%,H:4.32%
分子量:Mw=3630、Mn=1000
[実施例6]
(ポリ((4−(3−ピリジルオキシカルボニル)フェノキシ)フェニレンエチニレン)の合成)
実施例1において、ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)(Mw=3000、Mn=980)12.9g(122mmol/1単位ユニット)をポリ(ヒドロキシフェニレンエチニレン)(Mw=2870,Mn=900)14.2g(122mmol/1単位ユニット)とした以外は、実施例1と同様にして、ポリ((4−(3−ピリジルオキシカルボニル)フェノキシ)フェニレンエチニレン)18.1gを得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,ppm):δ5.9−7.6(11H)
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:76.42%,H:3.85%,N:4.46%,O:15.27%、[実測値]C:75.92%,H:4.17%
分子量:Mw=4590、Mn=1030
[実施例7]
(ポリ((4−(3−ピリジルオキシカルボニル)フェノキシ)フェニレンフェニレン)の合成)
実施例1において、ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)(Mw=3000、Mn=980)12.9g(122mmol/1単位ユニット)をポリ(ヒドロキシフェニレンフェニレン)(Mw=980,Mn=600)20.5g(122mmol/1単位ユニット)とした以外は、実施例1と同様にして、ポリ((4−(3−ピリジルオキシカルボニル)フェノキシ)フェニレンフェニレン)20.1gを得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,ppm):δ6.0−7.7(15H)
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:78.46%,H:4.66%,N:3.81%,O:13.06%、[実測値]C:77.36%,H:4.44%
分子量:Mw=1590、Mn=730
[実施例8]
(ポリ((4−(3−ピリジルオキシカルボニル)フェノキシ)フェニレンスルホニル)の合成)
実施例1において、ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)(Mw=3000、Mn=980)12.9g(122mmol/1単位ユニット)をポリ(ヒドロキシフェニレンスルホニル)(Mw=930,Mn=530)19.1g(122mmol/1単位ユニット)とした以外は、実施例1と同様にして、ポリ((4−(3−ピリジルオキシカルボニル)フェノキシ)フェニレンスルホニル)22.1gを得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,ppm):δ6.3−8.2(11H)
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:61.01%,H:3.41%,N:3.95%,O:22.58%、S:9.05%、[実測値]C:60.92%,H:3.67%
分子量:Mw=1620、Mn=660
[実施例9]
(ポリ((4−(フェニルオキシカルボニル)フェノキシ)フェニレンメチレン)の合成)
実施例1において、4−フルオロ安息香酸(3−ピリジル)31.7g(146mmol)を4−フルオロ安息香酸フェニル31.6g(146mmol)とした以外は、実施例1と同様にして、ポリ((4−(フェニルオキシカルボニル)フェノキシ)フェニレンメチレン)20.1gを得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,ppm):δ3.3−5.2(2H),5.8−7.3(12H)
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:79.46%,H:4.67%,O:15.88%、[実測値]C:80.92%,H:4.67%
分子量:Mw=5520、Mn=1660
[実施例10]
(ポリ((4−(メチルオキシカルボニル)フェノキシ)フェニレンメチレン)の合成)
実施例1において、4−フルオロ安息香酸(3−ピリジル)31.7g(146mmol)を4−フルオロ安息香酸メチル22.5g(146mmol)とした以外は、実施例1と同様にして、ポリ((4−(メチルオキシカルボニル)フェノキシ)フェニレンメチレン)15.1gを得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,ppm):δ3.3−5.2(5H),5.8−7.3(7H)
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:74.99%,H:5.03%,O:19.98%、[実測値]C:75.92%,H:4.67%
分子量:Mw=5530、Mn=1660
[実施例11]
(ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フェニレンメチレン)の合成)
2Lナスフラスコに、実施例10で得たポリ((4−(メチルオキシカルボニル)フェノキシ)フェニレンメチレン)10.0g(42mmol/1単位ユニット)とテトラヒドロフラン150mLをいれ、攪拌溶解した。これに、水酸化ナトリウム37.5g(940mmol)を、イオン交換水750mLに溶解したものを加え、室温で9時間攪拌した。この溶液を、5mol/L塩酸で酸性化し、上澄み液を除去後、600mLのトルエンを加えて、粉末を析出させて、淡黄色固体を得た。この固体を、50℃で1日間減圧乾燥し、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フェニレンメチレン)5.10gを得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,ppm):δ3.3−5.2(2H),5.8−7.3(7H)
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:74.33%,H:4.46%,O:21.22%、[実測値]C:75.92%,H:4.47%
分子量:Mw=5730、Mn=1660
本発明によれば、樹脂の合成において、機能性基を容易に修飾できるカルボキシル基または活性エステル基を有する芳香族カルボキシ化合物を提供することができ、これらを原料として得られる熱硬化性樹脂は、更に耐熱性やその他の機能性を付与することが可能である。

Claims (6)

  1. カルボキシル基を含む基を有する芳香族基を主鎖に有する、芳香族カルボキシ化合物であって、前記カルボキシ化合物は、一般式(1)で表される構造を有することを特徴とする芳香族カルボキシ化合物。
    [式(1)中、カルボキシル基−COOHは、同一のベンゼン環上に1〜5個を有していても良い。Arは、芳香族基を示す。Xは、脂肪族基、芳香族基、スルホニル基または酸素原子の中から選ばれる少なくとも1種の基で構成される基を示す。式中のmは、2以上、10000以下の整数を示す。式中のnは、1以上、3以下の整数を示す。]
  2. 前記カルボキシル基が、活性エステル基に変換された、請求項1に記載の芳香族カルボキシ化合物。
  3. 前記活性エステル基は、下記一般式(2)で表されるものである、請求項に記載の芳香族カルボキシ化合物。
    [式(1)中、Rはアルキル基、ピリジル基、キノリル基、芳香族基、又はベンゾトリアゾール基を示し、これらの基における水素原子は、少なくとも1個の有機基で置換されていても良い。]
  4. 前記カルボキシ化合物は、一般式(1)におけるXとして、式(3)で表される基の中から選ばれる基を有するものである請求項のいずれかに記載の芳香族カルボキシ化合物。
    (式中のR1、R2およびR3は、それぞれ独立して、式(4)で表される基の中から選ばれる基を示し、互いに同一であっても異なっていても良い。また、式中の水素原子は、脂肪族基、芳香族基およびフッ素原子の中から選ばれる、少なくとも1種の基で置換されていても良い。)
    (式中の水素原子は、脂肪族基、芳香族基およびフッ素原子の中から選ばれる、少なくとも1種の基で置換されていても良い。)
  5. 前記カルボキシ化合物は、ダイヤモンドイド構造を含む置換基を有するものである、請求項1〜のいずれかに記載の芳香族カルボキシ化合物。
  6. 前記ダイヤモンドイド構造を含む基は、アダマンチル基、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基およびウンデカマンチル基の中から選ばれる少なくとも1種である、請求項に記載の芳香族カルボキシ化合物。
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