JP2005126663A - 熱硬化性樹脂及びその製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 機械的強度、耐湿性、電気特性及び他の諸特性を劣化させることなく、350℃以上においても優れた耐熱性を示す熱硬化性樹脂及びその製造法を提供する。
【解決手段】 一般式(1)で表される構造を有することを特徴とする、熱硬化性樹脂、及び一般式(2)で表される構造を有することを特徴とする、熱硬化性樹脂、及び一般式(3)で表される構造を有することを特徴とする、熱硬化性樹脂。
【化1】
Figure 2005126663

【化2】
Figure 2005126663

【化3】
Figure 2005126663

[式中のArは芳香族基を示す。また、式中のXは、水素原子または一価の有機基を示す。式中のY1及びY2は、それぞれ独立して、水素原子またはフッ素原子または一価の有機基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。式中のmは、2以上、1000以下の整数である。式中のnは、1以上、4以下の整数、式中のpは、1以上、5以下の整数である。]

Description

本発明は、熱硬化性樹脂及びその製造法に関する。
フェノール樹脂などに代表される熱硬化性樹脂は、耐熱性、機械的強度、耐湿性などに優れ、電子材料、自動車用部材、接着剤など様々な分野で広く用いられている。しかしながら、特に電子材料分野など、更に厳しい耐熱性を要求されている先端分野における要求全てを満足する材料は、未だ得られていないのが現状である。
特に、350℃以上の高い熱安定性が要求される先端分野においては、樹脂の熱分解開始温度が350℃よりも低い場合、加熱時の寸法安定性に悪影響を与えたり、高温環境において樹脂より発生した熱分解ガスが、これらの樹脂を用いた製品の品質だけでなく、製造装置に悪影響を与える恐れがある。
この改善策として、熱的に架橋可能な炭素−炭素3重結合に着目し、樹脂にアルキン類を導入することで加熱硬化後の樹脂構造を3次元網目状とし、耐熱性を向上させた熱硬化性樹脂に関する技術が開示されている。その例としては、フェノール樹脂にプロパルギルエーテル基を高密度に導入した熱硬化性樹脂に関する技術(例えば、特許文献1参照。)、ポリフェノールにエチニル基を導入した熱硬化性樹脂に関する技術(例えば、特許文献2、特許文献3及び非特許文献1参照。)などである。
特表平1−503541号公報(第1−3頁及び第8頁) 特開平9−107984号公報 特開2000−63499号公報 Tonami,H.;Kobayashi,S.;Fujita,T.;Taguchi,Y;Osada,K;Biomacromolecules,2000,1(2),149−151.
解決しようとする問題は、上記諸問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、機械的強度、耐湿性、電気特性及び他の諸特性を劣化させることなく、350℃以上においても優れた耐熱性を示す熱硬化性樹脂及びその製造法を提供することを目的としてなされたものである。
本発明は、耐熱性に優れる新規な熱硬化性樹脂として、アセチレン結合を高密度に導入した新規な熱硬化性樹脂を提供することを、最も主要な特徴とする。
すなわち、本発明は、
1. 一般式(1)で表される構造を有することを特徴とする、熱硬化性樹脂、
Figure 2005126663
[式中のArは芳香族基を示す。また、式中のXは、水素原子または有機基を示す。式中のY1及びY2は、それぞれ独立して、水素原子またはフッ素原子または有機基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。式中のmは、2以上、1000以下の整数である。式中のnは、1以上、4以下の整数である。]
2. 一般式(2)で表される構造を有することを特徴とする、熱硬化性樹脂、
Figure 2005126663
[式中のArは芳香族基を示す。また、式中のXは、水素原子または有機基を示す。式中のY1及びY2は、それぞれ独立して、水素原子またはフッ素原子または有機基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。式中のmは、2以上、1000以下の整数である。式中のnは、1以上、4以下の整数、式中のpは、1以上、5以下の整数である。]
3. 一般式(3)で表される構造を有することを特徴とする、熱硬化性樹脂、
Figure 2005126663
[式中のArは芳香族基を示す。また、式中のXは、水素原子または有機基を示す。式中のY1及びY2は、それぞれ独立して、水素原子またはフッ素原子または有機基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。式中のmは、2以上、1000以下の整数である。式中のnは、1以上、4以下の整数、式中のpは、1以上、5以下の整数である。]
4. 前記熱硬化性樹脂が、ダイヤモンドイド構造を含む置換基を有するものである、第1項〜第3項のいずれかに記載の熱硬化性樹脂、
5. 前記ダイヤモンドイド構造が、アダマンチル基、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基およびウンデカマンチル基の中から選ばれる少なくとも1種である、第4項に記載の熱硬化性樹脂、
6. 一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物のヒドロキシ基を、アセチレンとのカップリング反応時に脱離しうる脱離基を含む基に変換する工程を含むことを特徴とする、前記一般式(1)で表される熱硬化性樹脂の製造法、
Figure 2005126663
[式中のArは芳香族基を示す。式中のY1及びY2は、それぞれ独立して、水素原子またはフッ素原子または有機基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。式中のmは、2以上、1000以下の整数である。式中のnは、1以上、4以下の整数である。]
7. 前記一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物と酸無水物とを反応させる工程を含む、第6項に記載の前記一般式(1)で表される熱硬化性樹脂の製造法、
8. 前記一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物のヒドロキシ基を、アセチレンとのカップリング反応時に脱離しうる脱離基を含む基に変換する工程を含むことを特徴とする、前記一般式(2)で表される熱硬化性樹脂の製造法、
9. 前記一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物とフルオロニトロベンゼンとを反応させる工程を含む、第8項に記載の前記一般式(2)で表される熱硬化性樹脂の製造法、
10. 前記一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物のヒドロキシ基を、アセチレンとのカップリング反応時に脱離しうる脱離基を含む基に変換する工程を含むことを特徴とする、前記一般式(3)で表される熱硬化性樹脂の製造法、
11. 前記一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物と、安息香酸ハロゲン化物または安息香酸エステル化物とを反応させる工程を含む、第10項に記載の前記一般式(3)で表される熱硬化性樹脂の製造法、
12. 前記一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物と、アセチレン基を有する安息香酸ハロゲン化物または安息香酸エステル化物とを反応させる工程を含むことを特徴とする、前記一般式(3)で表される熱硬化性樹脂の製造法、
を提供するものである。
本発明によれば、加熱時の熱安定性が飛躍的に向上し、電気特性を低下させること無く、350℃以上の高温域においても優れた耐熱性を示す熱硬化性樹脂を提供できる。また、該熱硬化性樹脂は、ヒドロキシ芳香族化合物より容易に製造することが可能である。
本発明は、アセチレン結合を有する基で置換された芳香族基を有するもので、一般式(1)または一般式(2)または一般式(3)で表される構造を有する熱硬化性樹脂であり、該熱硬化性樹脂は、加熱することにより、アセチレン結合の熱架橋反応が生じ、樹脂構造が3次元化することにより、高い耐熱性を有する樹脂を付与することができる。
また、本発明の熱硬化性樹脂がダイヤモンドイド構造を含む置換基を含む場合、前記耐熱性を劣化させることなく、優れた機械的強度、電気特性を付与することができる。
前記一般式(1)または一般式(2)または一般式(3)中のArで表される芳香族基としては、フェニレン基、ナフタレンジイル基、ビナフチルジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ビフェニルジイル基、ビフェニレンジイル基、フルオレンジイル基、ビフェニルフルオレンジイル基およびピリジンジイル基、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの基中の水素原子は、脂肪族基、芳香族基およびフッ素原子で置換されていても良い。前記脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキル基:、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基などの炭素数が1以上、20以下のアルコキシ基:、ビニル基、プロペニル基およびブテニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルケニル基:、エチニル基、プロピニル基およびブチニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキニル基:、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびビアダマンチル基などの脂環式脂肪族基:、などが挙げられ、前記芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基およびナフトキシ基:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記脂肪族基および芳香族基中の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
前記一般式(1)または一般式(2)または一般式(3)中のY1およびY2で表される基としては、それぞれ独立して、水素原子またはフッ素原子、または有機基、などが挙げられ、互いに同一であっても異なっていてもよい。前記有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキル基:、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基などの炭素数が1以上、20以下のアルコキシ基:、ビニル基、プロペニル基およびブテニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルケニル基:、エチニル基、プロピニル基およびブチニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキニル基:、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびビアダマンチル基などの脂環式脂肪族基:、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基およびナフトキシ基などの芳香族基:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの基中の水素原子は、脂肪族基、芳香族基およびフッ素原子で置換されていても良い。前記脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキル基:、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基などの炭素数が1以上、20以下のアルコキシ基:、ビニル基、プロペニル基およびブテニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルケニル基:、エチニル基、プロピニル基およびブチニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキニル基:、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびビアダマンチル基などの脂環式脂肪族基:、などが挙げられ、前記芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基およびナフトキシ基:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記脂肪族基および芳香族基中の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
前記一般式(1)または一般式(2)または一般式(3)中のXで表される基は、水素原子または有機基であるが、前記有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびトリアマンチル基などの脂肪族基、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、ピリジル基、キノリル基、キノキサリル基およびベンゾトリアゾール基などの芳香族基、などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの基中の水素原子は、脂肪族基、芳香族基およびフッ素原子で置換されていても良い。前記脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキル基:、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基などの炭素数が1以上、20以下のアルコキシ基:、ビニル基、プロペニル基およびブテニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルケニル基:、エチニル基、プロピニル基およびブチニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキニル基:、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびビアダマンチル基などの脂環式脂肪族基:、などが挙げられ、前記芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基およびナフトキシ基:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記脂肪族基および芳香族基中の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
前記一般式(1)または一般式(2)または一般式(3)で表される熱硬化性樹脂において、ダイヤモンドイド構造を含む置換基におけるダイヤモンドイド構造としては、例えば、アダマンタン構造を最小単位とする構造を有するものであり、具体的には、アダマンチル基、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基およびウンデカマンチル基などが挙げられ、ダイヤモンドイド構造を含む置換基としては、前記ダイヤモンドイド構造を示す基の他に、ビアダマンチル基、テルアダマンチル基、アダマンチルフェニル基、ジアマンチルフェニル基、トリアマンチルフェニル基、テトラマンチルフェニル基、ペンタマンチルフェニル基、ヘキサマンチルフェニル基、ヘプタマンチルフェニル基、オクタマンチルフェニル基、ノナマンチルフェニル基、デカマンチルフェニル基、ウンデカマンチルフェニル基、アダマンチルオキシ基、ジアマンチルオキシ基、トリアマンチルオキシ基、テトラマンチルオキシ基、ペンタマンチルオキシ基、ヘキサマンチルオキシ基、ヘプタマンチルオキシ基、オクタマンチルオキシ基、ノナマンチルオキシ基、デカマンチルオキシ基およびウンデカマンチルオキシ基、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの内、アダマンチル基、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基およびウンデカマンチル基が好ましい。これらの置換基は、一般式(1)〜(3)において、Ar、Y1、Y2およびXで表される基に置換されていてもよい。これらの基中の水素原子は、脂肪族基、芳香族基およびフッ素原子で置換されていても良い。前記脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキル基:、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基などの炭素数が1以上、20以下のアルコキシ基:、ビニル基、プロペニル基およびブテニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルケニル基:、エチニル基、プロピニル基およびブチニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキニル基:、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびビアダマンチル基などの脂環式脂肪族基:、などが挙げられ、前記芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基およびナフトキシ基:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記脂肪族基および芳香族基中の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
本発明の一般式(1)で表される構造を有する熱硬化性樹脂としては、ポリ(エチニルフェニレンメチレン)、ポリ(エチニルフェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(エチニルフェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−エチニルフェニレンメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−エチニルフェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−エチニルフェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ((フェニルエチニル)フェニレンメチレン)、ポリ((フェニルエチニル)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ((フェニルエチニル)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(フェニルエチニル)フェニレンメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(フェニルエチニル)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(フェニルエチニル)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ((アダマンチルエチニル)フェニレンメチレン)、ポリ((アダマンチルエチニル)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ((アダマンチルエチニル)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(アダマンチルエチニル)フェニレンメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(アダマンチルエチニル)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(アダマンチルエチニル)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(ジエチニルフェニレンメチレン)、ポリ(ジエチニルフェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(ジエチニルフェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(エチニルナフタレンジイル−メチレン)、ポリ(エチニルナフタレンジイル−フェニルメチレン)、ポリ(エチニルナフタレンジイル−アダマンチルメチレン)、ポリ(エチニルフルオレンジイル−メチレン)、ポリ(エチニルフルオレンジイル−フェニルメチレン)、ポリ(エチニルフルオレンジイル−アダマンチルメチレン)、ポリ(ビス(エチニルフェニル)フルオレンジイル−メチレン)、ポリ(ビス(エチニルフェニル)フルオレンジイル−フェニルメチレン)およびポリ(ビス(エチニルフェニル)フルオレンジイル−アダマンチルメチレン)、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の一般式(2)で表される構造を有する熱硬化性樹脂としては、ポリ((エチニルフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ((エチニルフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ((エチニルフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(エチニルフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(エチニルフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(エチニルフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ((フェニルエチニルフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ((フェニルエチニルフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ((フェニルエチニルフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(フェニルエチニルフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(フェニルエチニルフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(フェニルエチニルフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ((アダマンチルエチニルフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ((アダマンチルエチニルフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ((アダマンチルエチニルフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(アダマンチルエチニルフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(アダマンチルエチニルフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(アダマンチルエチニルフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(ビス(エチニルフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(ビス(エチニルフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(ビス(エチニルフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ((エチニルフェノキシ)ナフタレンジイル−メチレン)、ポリ((エチニルフェノキシ)ナフタレンジイル−フェニルメチレン)、ポリ((エチニルフェノキシ)ナフタレンジイル−アダマンチルメチレン)、ポリ((エチニルフェノキシ)フルオレンジイル−メチレン)、ポリ((エチニルフェノキシ)フルオレンジイル−フェニルメチレン)、ポリ((エチニルフェノキシ)フルオレンジイル−アダマンチルメチレン)、ポリ(ビス(エチニルフェノキシフェニル)フルオレンジイル−メチレン)、ポリ(ビス(エチニルフェノキシフェニル)フルオレンジイル−フェニルメチレン)およびポリ(ビス(エチニルフェノキシフェニル)フルオレンジイル−アダマンチルメチレン)、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の一般式(3)で表される構造を有する熱硬化性樹脂としては、ポリ((エチニルベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)、ポリ((エチニルベンゾイルオキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ((エチニルベンゾイルオキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(エチニルベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(エチニルベンゾイルオキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(エチニルベンゾイルオキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ((フェニルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)、ポリ((フェニルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ((フェニルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(フェニルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(フェニルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(フェニルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ((アダマンチルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)、ポリ((アダマンチルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ((アダマンチルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(アダマンチルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(アダマンチルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(アダマンチルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(ビス(エチニルベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(ビス(エチニルベンゾイルオキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(ビス(エチニルベンゾイルオキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ((エチニルベンゾイルオキシ)ナフタレンジイル−メチレン)、ポリ((エチニルベンゾイルオキシ)ナフタレンジイル−フェニルメチレン)、ポリ((エチニルベンゾイルオキシ)ナフタレンジイル−アダマンチルメチレン)、ポリ((エチニルベンゾイルオキシ)フルオレンジイル−メチレン)、ポリ((エチニルベンゾイルオキシ)フルオレンジイル−フェニルメチレン)、ポリ((エチニルベンゾイルオキシ)フルオレンジイル−アダマンチルメチレン)、ポリ(ビス(エチニルベンゾイルオキシフェニル)フルオレンジイル−メチレン)、ポリ(ビス(エチニルベンゾイルオキシフェニル)フルオレンジイル−フェニルメチレン)およびポリ(ビス(エチニルベンゾイルオキシフェニル)フルオレンジイル−アダマンチルメチレン)、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の一般式(1)および(2)および(3)で表される熱硬化性樹脂の製造法としては、ヒドロキシ芳香族化合物のヒドロキシ基を、アセチレンとのカップリング反応時に脱離しうる脱離基を含む基に変換する工程を含むものであり、一般式(1)で表される熱硬化性樹脂においては、ヒドロキシ芳香族化合物のヒドロキシ基を脱離基に変換した後、アセチレン結合を導入することにより得ることができる。一般式(2)で表される熱硬化性樹脂においては、前記ヒドロキシ基をフェニレンエーテル基に変換した後、フェニレン基上に脱離基を生成させ、アセチレン結合を導入することにより得ることができる。一般式(3)で表される熱硬化性樹脂においては、ヒドロキシ芳香族化合物のヒドロキシ基を、脱離基を含む基に変換した後、アセチレン結合を導入することにより得ることができる
また、本発明の一般式(3)で表される熱硬化性樹脂の製造法としては、ヒドロキシ芳香族化合物とアセチレン基を有する安息香酸ハロゲン化物または安息香酸エステル化物と縮合反応させエステル結合を生成させることによって、ヒドロキシ芳香族化合物より一段階で製造することができる。
本発明の一般式(1)で表される熱硬化性樹脂は、例えば、以下のルートによって合成することが出来る。
Figure 2005126663
式(1)、式(4)、式(5)および式(6)中のArは芳香族基を、また、Y1及びY2は、それぞれ独立して、水素原子またはフッ素原子または有機基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。また、式(5)中のZは脱離基を、式(6)及び式(7)中のX1は保護基または有機基を、式(1)中のXは水素原子または有機基を示す。また、式(1)、式(4)、式(5)および式(7)中のmは2以上、1000以下の整数を、nは1以上、4以下の整数を示す。
まず、出発原料として、一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物の芳香環上のヒドロキシ基を、酸無水物などと反応させて脱離基Zに変換することにより、一般式(5)で表される化合物が得られる。この時、酸無水物としては、スルホン酸無水物、パラトルエンスルホン酸無水物、メタンスルホン酸無水物およびトリフルオロメタンスルホン酸無水物などが好ましく挙げられる。
次に、一般式(5)で表される、芳香環上の水素原子が脱離基Zで置換された化合物と、一般式(6)で表される、アセチレンの片側がX1基で置換された化合物をカップリング反応させることによって、一般式(7)で表される化合物が得られる。前記カップリング反応において、触媒を用いると良いが、例えば、パラジウムなどの遷移金属触媒を用いる。
ただし、この時、前記脱離基Zとしては、触媒下のカップリング反応で容易に芳香環から脱離する基が好ましく、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素などのハロゲン原子、トリフロオロメタンスルホニロキシ基などが好ましく挙げられる。また、置換基X1としては有機基または保護基として働く基が挙げられ、該有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、アダマンチル基、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、ピリジル基、キノリル基、キノキサリル基およびベンゾトリアゾール基などが、該保護基として働く基としては、トリメチルシリル基およびヒドロキシプロピル基などが挙げられる。
次に、一般式(7)で表される化合物においてX1基が保護基である場合は、この化合物をアルカリ金属水酸化物を用いて脱保護を行い、一般式(1)においてXが水素原子である化合物が得られる。一般式(7)で表される化合物においてX1基が保護基で無い場合、脱保護の工程は不要となる。
ここで、上記一般式(5)で表される芳香族基上の水素原子がZで置換された化合物において、脱離基Zがトリフルオロメタンスルホニロキシ基の場合、一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物の水酸基をトリフルオロメタンスルホン酸無水物(一般式(8))でエステル化することによって、一般式(5’)で表されるトリフルオロメタンスルホニロキシ芳香族化合物が得られる。
Figure 2005126663
また、本発明の一般式(2)で表される熱硬化性樹脂は、例えば、以下のルートによって合成することが出来る。
Figure 2005126663
式(2)、式(4)、式(10)、式(11)、式(12)、式(13)、式(14)中のArは芳香族基を、また、Y1及びY2は、それぞれ独立して、水素原子またはフッ素原子または有機基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。また、式(12)中のZは脱離基を、式(6)及び式(14)中のX1は保護基または有機基を、式(2)中のXは、水素原子または有機基を示す。また、式(2)、式(4)、式(10)、式(11)、式(12)、式(13)、式(14)中のmは2以上、1000以下の整数を、nは1以上、4以下の整数を、pは1以上、5以下の整数を示す。
まず、出発原料として、一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物と、一般式(9)で表されるフルオロニトロベンゼンとの、炭酸カリウムや炭酸ナトリウムといった塩基を用いたエーテル結合生成反応により、一般式(10)で表されるニトロフェノキシ芳香族化合物が得られる。
次に、この化合物を、水素雰囲気下でパラジウム−活性炭または白金−活性炭などで処理、または酸性条件下でスズ、あるいは塩化スズなどで処理することにより、一般式(11)で表されるアミノフェノキシ芳香族化合物が得られる。
次に、この化合物を酸性溶液中で亜硝酸ナトリウムを加えることによりジアゾ化し、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化銅または塩化銅を加えることにより、一般式(12)で表される化合物において、脱離基Zがハロゲンであるヨードフェノキシ芳香族化合物、ブロモフェノキシ芳香族化合物またはクロロフェノキシ芳香族化合物が得られる。
また、別の方法として、一般式(11)で表される化合物を亜硝酸ナトリウムでジアゾ化し、酸性条件下で加熱することによって、一般式(13)で表されるヒドロキシフェノキシ芳香族化合物が得られる。この化合物の水酸基をトリフルオロメタンスルホン酸無水物でエステル化することによって、一般式(12)で表される化合物において、脱離基Zがトリフルオロメタンスルホニロキシ基であるトリフルオロメタンスルホニロキシフェノキシ芳香族化合物が得られる。
次に、一般式(12)で表される化合物と、一般式(6)で表されるアセチレンの片側がX1基で置換された化合物をカップリング反応させることによって、一般式(14)で表される化合物が得られる。前記カップリング反応において、触媒を用いると良いが、例えば、パラジウムなどの遷移金属触媒を用いる。ただし、この時、前記脱離基Zとしては、触媒下のカップリング反応で容易に芳香環から脱離する基が好ましく、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素などのハロゲン原子、トリフロオロメタンスルホニロキシ基などが好ましく挙げられる。また、置換基X1としては有機基または保護基として働く基が挙げられ、該有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、アダマンチル基、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、ピリジル基、キノリル基、キノキサリル基およびベンゾトリアゾール基などが、該保護基として働く基としては、トリメチルシリル基およびヒドロキシプロピル基などが挙げられる。
次に、一般式(14)で表される化合物においてX1基が保護基である場合は、この化合物を、アルカリ金属水酸化物を用いて、脱保護を行い、一般式(2)においてXが水素原子である化合物が得られる。一般式(14)で表される化合物においてX1基が保護基でない場合、脱保護の工程は不要となる。
また、本発明の一般式(3)で表される熱硬化性樹脂は、例えば、以下のルートによって合成することが出来る。
Figure 2005126663
式(3)、式(4)、式(16)および式(17)中のArは芳香族基を、また、Y1及びY2は、それぞれ独立して、水素原子またはフッ素原子または有機基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。また、式(15)、式(16)中のZは脱離基を、式(6)、式(17)および式(18)中のX1は保護基または有機基を、式(3)中のXは水素原子または有機基を、式(15)および式(18)中のQはハロゲン原子または、アルコキシ基、フェノキシ基、ピリジルオキシ基、キノリルオキシ基、キノキサリルオキシ基およびベンゾトリアゾールオキシ基の中から選ばれる基を示す。また、式(3)、式(4)、式(16)および式(17)中のmは2以上、1000以下の整数を、nは1以上、4以下の整数を、pは1以上、5以下の整数を示す。
まず、出発原料として、一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物と、一般式(15)で表される、芳香環上の水素原子が脱離基Zで置換された安息香酸ハロゲン化物または安息香酸エステル化物とを縮合反応させることによって、一般式(16)で表される化合物が得られる。
次に、一般式(16)で表される化合物と、一般式(6)で表されるアセチレンの片側がX1基で置換された化合物をカップリング反応させることによって、一般式(17)で表される化合物が得られる。前記カップリング反応において、触媒を用いると良いが、例えば、パラジウムなどの遷移金属触媒を用いる。
ただし、この時、前記脱離基Zとしては、触媒下のカップリング反応で容易に芳香環から脱離する基が好ましく、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素などのハロゲン原子、トリフロオロメタンスルホニロキシ基などが好ましく挙げられる。また、置換基X1としては有機基または保護基として働く基が挙げられ、該有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、アダマンチル基、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、ピリジル基、キノリル基、キノキサリル基およびベンゾトリアゾール基などが、該保護基として働く基としては、トリメチルシリル基およびヒドロキシプロピル基などが挙げられる。
または、出発原料として、一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物と、一般式(18)で表される芳香環上の水素原子がアセチレン基で置換された安息香酸ハロゲン化物または安息香酸エステル化物とを縮合反応させることによっても、一般式(17)で表される化合物が得られる。
次に、一般式(17)で表される化合物においてX1基が保護基である場合は、この化合物を、アルカリ金属水酸化物を用いて、脱保護を行い、一般式(3)においてXが水素原子である化合物が得られる。一般式(17)で表される化合物においてX1基が保護基でない場合、脱保護の工程は不要となる。
上記、一般式(18)で表されるアセチレン基を有する安息香酸ハロゲン化物または安息香酸エステル化物としては、例えば、エチニル安息香酸、プロピニル安息香酸、フェニルエチニル安息香酸、ビスフェニルエチニル安息香酸、ナフチルエチニル安息香酸、アダマンチルエチニル安息香酸、ビアダマンチルエチニル安息香酸およびジアマンチルエチニル安息香酸などの、アセチレン基を有する安息香酸の塩化物、臭化物、ヨウ化物、メチルエステル化物、フェニルエステル化物、ピリジルエステル化物、キノリルエステル化物、キノキサリルエステル化物およびベンゾトリアゾールエステル化物、などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。これらの基中の水素原子は、脂肪族基、芳香族基およびフッ素原子で置換されていても良い。前記脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキル基:、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基などの炭素数が1以上、20以下のアルコキシ基:、ビニル基、プロペニル基およびブテニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルケニル基:、エチニル基、プロピニル基およびブチニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキニル基:、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびビアダマンチル基などの脂環式脂肪族基:、などが挙げられ、前記芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基およびナフトキシ基:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記脂肪族基および芳香族基中の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
上記、脱離基またはアセチレン基を有する安息香酸ハロゲン化物または安息香酸エステル化物は、例えば、以下の様にして合成することができる。
Figure 2005126663
式(19)、式(15’)、式(15’’)中のZは脱離基を、式(6)、式(18’)、式(18’’)、式(20)、式(21)、式(22)中のX1は保護基または有機基を示す。また、pは1以上、5以下の整数を示す。
一般式(15)で表される化合物を得る方法の例としては、一般式(19)で表される、ベンゼン環上が脱離基Zで置換された安息香酸のエステル化反応により得られる。または、一般式(19)で表される化合物をハロゲン化剤と反応させてハロゲン化することにより、安息香酸ハロゲン化物得られ、さらに得られたハロゲン化物をエステル化することによって、安息香酸エステル化物が得られる。
前記エステル反応が、一般式(19)で表される化合物とメタノールとのエステル化反応である場合は、一般式(15’)で表されるメチルエステル化物が得られる。また、前記ハロゲン化反応が、一般式(19)で表される化合物と塩化チオニルとの反応である場合は、一般式(15’’)で表される安息香酸塩化物が得られ、さらにメタノールと反応させることによりメチルエステル化物(一般式(15’))が得られる。
次に、一般式(15’)で表されるメチルエステル化合物と、一般式(6)で表されるアセチレンの片側がX1基で置換された化合物とをカップリング反応させることによって、一般式(20)で表される化合物が得られる。前記カップリング反応において、例えば、パラジウムなどの遷移金属触媒を用いると良い。
前記脱離基Zとしては、触媒下のカップリング反応で、容易に芳香環から脱離する基が好ましく、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素などのハロゲン原子、トリフロオロメタンスルホニロキシ基などが好ましく挙げられる。
次に、一般式(20)で表される化合物を、塩基性アルカリ金属水酸化物を用いて、アセチル基から脱メチル反応を行い、一般式(21)で表される安息香酸誘導体のアルカリ金属塩が得られる。ここで、X1がトリメチルシリル基、ヒドロキシプロピル基などのアセチレンの保護基である場合、同時に脱保護が進行し、エチニル基とすることができる。
また、上記で得られた安息香酸誘導体のアルカリ金属塩(一般式(21))を酸処理することによって、一般式(22)で表される安息香酸を得ることができる。
次に、一般式(21)で表される安息香酸誘導体のアルカリ金属塩または、一般式(22)で表される安息香酸を、塩素化剤で処理することによって、一般式(18’)で表される安息香酸ハロゲン化物を得ることができる。さらに、得られた塩化物のエステル化反応により、安息香酸エステル化物(一般式(18’’))が得られる。前記ハロゲン化反応が、一般式(21)または一般式(22)で表される化合物と塩化チオニルとの反応である場合は、一般式(18’)で表される安息香酸塩化物が得られ、さらに前記エステル化反応が、ピリジノールとのエステル化反応である場合は、一般式(18’’)で表されるピリジルエステル化物が得られる。
本発明に用いる一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物としては、ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)、ポリ(ヒドロキシフェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(ヒドロキシフェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−ヒドロキシフェニレンメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−ヒドロキシフェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−ヒドロキシフェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(ジヒドロキシフェニレンメチレン)、ポリ(ジヒドロキシフェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(ジヒドロキシフェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(ヒドロキシナフタレンジイル−メチレン)、ポリ(ヒドロキシナフタレンジイル−フェニルメチレン)、ポリ(ヒドロキシナフタレンジイル−アダマンチルメチレン)、ポリ(ヒドロキシフルオレンジイル−メチレン)、ポリ(ヒドロキシフルオレンジイル−フェニルメチレン)、ポリ(ヒドロキシフルオレンジイル−アダマンチルメチレン)、ポリ(ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレンジイル−メチレン)、ポリ(ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレンジイル−フェニルメチレン)およびポリ(ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレンジイル−アダマンチルメチレン)、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以下、製造法の例について説明する。
上記、本発明の一般式(1)で表される熱硬化性樹脂の合成例において、出発原料としてフェノール樹脂(一般式(4)において、Ar=フェニル基、Y1=H、Y2=H)を用いる例を示す。
まず、一般式(5’)で表される化合物を得る方法としては、フェノール樹脂(一般式(4))と塩基とを溶媒に溶解し、−78℃以上、10℃以下で冷却した溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(式(8))を加え、0℃ないし、溶媒の沸点以下の温度範囲で反応させる。この時、反応時間は特に制限されない。また、前記反応において、トリフルオロメタンスルホン酸無水物の添加前に冷却を行うのは、反応が発熱反応であるためであり、これ以上の温度では、反応が急激に進行し、反応を制御することが困難となることがある。このようにして得られた反応生成物に、通常の分離手段、例えば抽出、分液、濃縮などの操作を施すことにより、一般式(5’)で表される化合物を得ることが出来る。また、これを必要に応じて、カラムクロマトグラフィー、再沈殿などにより精製することが出来る。
一般式(5’)で表される化合物を得る方法において、トリフルオロメタンスルホン酸無水物の使用量としては、フェノール樹脂の水酸基に対して、1当量倍以上、1.5当量倍以下が好ましい。また、前記塩基としては、3級アミンで活性水素を有さないアミンが好ましく、具体例としては、ピリジン、メチルピリジンなどのピリジン類、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのトリアルキルアミン類が挙げられ、これらの使用量は、フェノール樹脂とトリフルオロメタンスルホン酸無水物の合計量に対して、1重量倍以上、3重量倍以下が好ましい。
前記溶媒としては、ベンゼン、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの、芳香族炭化水素、炭化水素、エーテルおよびハロゲン化炭化水素などの、反応に不活性な溶媒の単独、またはそれらの混合物が挙げられ、その使用量は特に制限されない。また、溶媒中に水分が存在すると、反応試薬であるトリフルオロメタンスルホン酸無水物と副反応を起こし、実際の反応当量比が変わるため、無水の溶媒を用いるか、予め、含まれる水分量を把握して、使用量を調整して理論的な当量より多く仕込んでおくことが望ましい。
次に、一般式(7)で表される化合物を得る方法としては、上記で得たトリフルオロメタンスルホニロキシ芳香族化合物(一般式(5’))と、アセチレンの片側がX1基で置換された化合物(一般式(6))とを、触媒存在下で、窒素、アルゴンおよびヘリウムなどの不活性ガス雰囲気下で、20℃以上、150℃以下の温度範囲でカップリング反応することによって反応生成物が得られる。この時、反応時間は特に制限されない。このようにして得られた反応生成物に、通常の分離手段、例えば抽出、分液、濃縮などの操作を施すことにより、一般式(7)で表される化合物を得ることができ、これは必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再沈殿などにより、精製することが出来る。
前記一般式(6)で表されるアセチレンの片側が保護基X1で保護された化合物としては、保護基X1がアルカリ金属の水酸化物で脱保護出来る化合物であれば制限はないが、保護基X1がトリメチルシリル基であるトリメチルシリルアセチレンや、ヒドロキシプロピル基である2−メチル−3−ブチン−2−オールなどが好適である。一般式(6)で表される化合物は、一般式(5)で表される化合物の脱離基に対して、1当量倍以上、2当量倍以下が好ましい。
一般式(7)で表される化合物を得る方法において、触媒系としては、通常、炭素−炭素結合を形成しうる触媒系なら特に制限無く用いることができるが、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムとヨウ化銅およびトリフェニルホスフィンからなる触媒系を用いることが望ましい。該触媒系におけるジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの添加量としては、一般式(5)で表される化合物の脱離基に対して、0.1mol%以上、5mol%以下、トリフェニルホスフィンの添加量としては、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムに対して、1当量倍以上、20当量倍以下、ヨウ化銅の添加量としては、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムに対して、1当量倍以上、5当量倍以下が好ましい。
この反応に用いられる溶媒としては、発生する酸を捕捉して触媒反応を促進するためにアミン系の溶媒が用いられる。かかる溶媒としてはジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミンおよびトリブチルアミンなどの3級アミン類、ピリジンおよびピペリジンなどの環状アミン類があげられる。これらの溶媒は単独、または2種以上を組み合わせて用いられる。その使用量は特に制限されない。また、これらの溶媒は、副反応や触媒の失活などを防ぐために、予め蒸留しておくことが望ましい。
次に、一般式(7)で表される化合物において、X1が、トリメチルシリル基およびヒドロキシプロピル基などの保護基の場合、アルカリ金属水酸化物を用いてエチニル基の脱保護を反応溶媒中で行う。この時、反応温度および反応時間は、特に制限されないが、反応温度については、室温ないし溶媒の還流温度の範囲で行うと良い。このようにして得られた反応生成物に、通常の分離手段、例えば、抽出、分液および濃縮などの操作を施すことにより、一般式(1)においてXが水素原子で表される反応生成物を得ることができ、これは必要に応じて、カラムクロマトグラフィー、再沈殿などにより、精製することが出来る。
前記アルカリ金属水酸化物としては、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムが好ましく、その添加量としては、一般式(7)で表される化合物のX1量に対して、1当量倍以上、10当量倍以下が好ましい。
前記反応溶媒としては、アルカリ金属水酸化物と反応しうるエステル類以外であれば、特に制限はないが、アルカリ金属水酸化物の溶解性が高い、メタノール、エタノール、ブタノールおよびイソプロパノールなどのアルコール系溶媒が好ましい。溶媒量は特に制限されないが、操作の容易性から、一般式(7)で表される化合物に対して3重量倍以上、50重量倍以下を用いるのが良い。
次に、本発明の一般式(2)で表される熱硬化性樹脂の合成例において、出発原料としてフェノール樹脂(一般式(4)において、Ar=フェニル基、Y1=H、Y2=H)を用いる例を示す。
まず、一般式(10)で表される化合物を得る方法の例としては、フェノール樹脂(一般式(4))とフルオロニトロベンゼン(一般式(9))から、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンおよびジメチルスルホキシドなどの極性溶媒中、炭酸カリウムや炭酸ナトリウムなどの塩基の存在下、100℃以上、200℃以下の温度範囲で反応させる。このようにして得られた反応生成物に、通常の分離手段、例えば抽出、分液、濃縮などの操作を施すことにより、一般式(10)で表される反応生成物を得ることができ、これは必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再沈殿などにより、精製することができる。
上記反応において、反応時間は特に制限されない。フルオロニトロベンゼンの使用量としては、フェノール樹脂の水酸基に対して、1当量倍以上、2当量倍以下が好ましい。前記塩基の使用量としては、フェノール樹脂の水酸基に対して、1当量倍以上、10当量倍以下が好ましい。前記溶媒量は特に制限されない。
また、一般式(11)で表される化合物を得る方法としては、上記で得たニトロフェノキシ芳香族化合物(一般式(10))を、テトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン/エタノール(またはメタノールなどのアルコール系)混合溶媒およびN,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、水素雰囲気下でパラジウム−活性炭や白金−活性炭などの触媒で処理することにより得られる。このようにして得られた反応生成物に、通常の分離手段、例えば、抽出、分液、濃縮などの操作を施すことにより、一般式(11)で表されるアミノフェノキシ芳香族化合物を得ることができ、これは必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再沈殿などにより、精製することが出来る。また、ニトロフェノキシ芳香族化合物(一般式(10))を酸性条件下でスズ、あるいは塩化スズなどで処理することによってもアミノフェノキシ芳香族化合物を得ることができる。
上記反応において、反応時間は特に制限されない。前記溶媒量としては、ニトロフェノキシ芳香族化合物(一般式(10))に対して、1重量倍以上、10重量倍以下を用いることが好ましい。また、前記触媒の使用量としては、一般式(10)で表される化合物のニトロ基に対して、0.1mol%以上、10mol%以下が好ましい。
次に、一般式(12)で表される化合物において、脱離基Zがヨウ素のヨードフェノキシ芳香族化合物を得る方法の例としては、まず、上記で得たアミノフェノキシ芳香族化合物(一般式(11))と鉱酸水溶液および亜硝酸ナトリウムとを反応させることによりジアゾニウム鉱酸塩を得、これをヨウ化カリウムまたはヨウ化ナトリウムと反応させることにより窒素ガスが発生し、ヨードフェノキシ芳香族化合物が得られる。このようにして得られた反応生成物に、通常の分離手段、例えば抽出、分液、濃縮などの操作を施すことにより、一般式(12)において、脱離基Zがヨウ素で表される反応生成物を得ることができ、これは必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再沈殿などにより、精製することが出来る。
前記鉱酸としては硫酸、塩酸、硝酸および臭化水素酸などが挙げられ、その使用量は特に制限されない。前記亜硝酸ナトリウム及び前記ヨウ化カリウムまたはヨウ化ナトリウムの使用量としては、一般式(11)で表される化合物のアミノ基に対して、1当量倍以上、2当量倍以下が好ましい。
また、一般式(12)で表される化合物において、脱離基Zが臭素及び塩素であるブロモフェノキシ芳香族化合物及びクロロフェノキシ芳香族化合物の例としては、前記反応例においてヨウ化カリウムまたはヨウ化ナトリウムのかわりに臭化銅及び塩化銅を用いることにより、それぞれ得ることができる。
また、一般式(12)で表される化合物において、脱離基Zがトリフルオロメタンスルホニロキシ基であるトリフルオロメタンスルホニロキシフェノキシ芳香族化合物を得る方法の例としては、まず、上記で得たアミノフェノキシ芳香族化合物(一般式(11))と鉱酸および亜硝酸ナトリウムとを反応させることによりジアゾニウム鉱酸塩を得、これを酸性条件下で加熱する。このようにして得られた反応生成物に、通常の分離手段、例えば抽出、分液、濃縮などの操作を施すことにより、一般式(13)で表される反応生成物を得ることができ、これは必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再沈殿などにより、精製することが出来る。前記鉱酸としては硫酸、塩酸、硝酸などが挙げられ、その使用量は特に制限されない。前記亜硝酸ナトリウムの使用量としては、一般式(11)で表される化合物のアミノ基に対して、1当量倍以上、2当量倍以下が好ましい。
続けて、上記で得たヒドロキシフェノキシ芳香族化合物(一般式(13))と塩基とを溶媒に溶解し、−78℃以上、10℃以下で冷却した溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(式(8))を加え、0℃ないし、溶媒の沸点以下の温度範囲で反応させる。このようにして得られた反応生成物に、通常の分離手段、例えば抽出、分液、濃縮などの操作を施すことにより、一般式(14)において、脱離基Zがトリフルオロメタンスルホニロキシ基で表される反応生成物を得ることができ、これは必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再沈殿などにより、精製することができる。
上記反応における、反応時間は特に制限されない。
トリフルオロメタンスルホニロキシフェノキシ芳香族化合物を得る方法において、トリフルオロメタンスルホン酸無水物の使用量としては、ヒドロキシフェノキシ芳香族化合物(一般式(13))の水酸基に対して、1当量倍以上、1.5当量倍以下が好ましい。また、前記塩基としては、3級アミンで活性水素を有さないアミンが好ましく、具体例としてはピリジンおよびメチルピリジンなどのピリジン類、トリエチルアミンおよびトリブチルアミンなどのトリアルキルアミン類が挙げられ、これらの使用量は、アミノフェノキシ芳香族化合物(一般式(11))とトリフルオロメタンスルホン酸無水物の合計量に対して、1重量倍以上、3重量倍以下が好ましい。
また、前記溶媒としては、ベンゼン、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの、芳香族炭化水素、炭化水素、エーテルおよびハロゲン化炭化水素などの、反応に不活性な溶媒の単独、またはそれらの混合物が挙げられ、その使用量は特に制限されない。また、溶媒中に水分が存在すると、反応試薬であるトリフルオロメタンスルホン酸無水物と副反応を起こし、実際の反応当量比が変わるため、無水の溶媒を用いるか、予め、含まれる水分量を把握して、使用量を調整して理論的な当量より多く仕込んでおくことが望ましい。
次に、一般式(14)で表される化合物を得る方法としては、上記で得たヨードフェノキシ芳香族化合物と、一般式(6)で表されるアセチレンの片側がX1基で置換された化合物とを、触媒存在下で、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気下で、20℃以上、150℃以下の温度範囲でカップリング反応することによって反応生成物が得られる。この時、反応時間は特に制限されない。このようにして得られた反応生成物に、通常の分離手段、例えば抽出、分液、濃縮などの操作を施すことにより、一般式(14)で表される化合物を得ることができ、これは必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再沈殿などにより、精製することができる。
前記一般式(6)で表されるアセチレンの片側が保護基X1で保護された化合物としては、保護基X1がアルカリ金属の水酸化物で脱保護出来る化合物であれば制限はないが、保護基X1がトリメチルシリル基であるトリメチルシリルアセチレンや、ヒドロキシプロピル基である2−メチル−3−ブチン−2−オールなどが好適である。一般式(6)で表される化合物の使用量としては、一般式(12)で表される化合物の脱離基に対して、1当量倍以上、2当量倍以下が好ましい。
一般式(14)で表される化合物を得る方法において、触媒系としては、通常炭素−炭素結合を形成しうる触媒系なら特に制限無く用いることができるが、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムとヨウ化銅およびトリフェニルホスフィンからなる触媒系を用いることが望ましい。前記触媒系において、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの添加量としては、一般式(12)で表される化合物の脱離基に対して、0.1mol%以上、5mol%以下が好ましく、トリフェニルホスフィンの添加量としては、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムに対して、1当量倍以上、20当量倍以下が好ましく、ヨウ化銅の添加量としては、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムに対して、1当量倍以上、5当量倍以下が好ましい。
この反応に用いられる溶媒としては、発生する酸を捕捉して触媒反応を促進するためにアミン系の溶媒が用いられる。かかる溶媒としてはジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミンおよびトリブチルアミンなどの3級アミン類、ピリジンおよびピペリジンなどの環状アミン類があげられる。これらの溶媒は単独、または2種以上を組み合わせて用いられる。その使用量は特に制限されない。また、これらの溶媒は、副反応や触媒の失活などを防ぐためにあらかじめ蒸留しておくことが望ましい。
次に、一般式(14)で表される化合物において、X1が、トリメチルシリル基およびヒドロキシプロピル基などの保護基の場合、アルカリ金属水酸化物を用いてエチニル基の脱保護を反応溶媒中で行う。この時、反応温度および反応時間は、特に制限されないが、反応温度については、室温ないし溶媒の還流温度の範囲で行うと良い。このようにして得られた反応生成物に、通常の分離手段、例えば、抽出、分液、濃縮などの操作を施すことにより、一般式(2)においてXが水素原子で表される反応生成物を得ることができ、これは必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再沈殿などにより、精製することが出来る。
前記アルカリ金属水酸化物としては、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムが好ましく、その添加量としては、一般式(14)で表される化合物のX1量に対して、1当量倍以上、10当量倍以下が好ましい。
前記反応溶媒としては、アルカリ金属水酸化物と反応しうるエステル類以外であれば、特に制限はないが、アルカリ金属水酸化物の溶解性が高い、メタノール、エタノール、ブタノールおよびイソプロパノールなどのアルコール系溶媒が好ましい。溶媒量は特に制限されないが、操作の容易性から、一般式(6)で表される化合物に対して3重量倍以上、50重量倍以下を用いるのが良い。
次に、本発明の一般式(3)で表される熱硬化性樹脂の合成例において、出発原料としてフェノール樹脂(一般式(4)において、Ar=フェニル基、Y1=H、Y2=H)を用いる例を示す。
まず、一般式(16)で表される化合物を得る方法としては、フェノール樹脂(一般式(4))を溶媒に溶解し、−78℃以上、10℃以下で冷却した溶液に、脱離基を有する安息香酸と塩化チオニルの反応より得られる脱離基を有する安息香酸塩化物(式(15’’))を加え、0℃ないし、溶媒の沸点以下の温度範囲で反応させる。この時、反応時間は特に制限されない。このとき、反応を促進させるために、塩基を加えても良い。このようにして得られた反応生成物に、通常の分離手段、例えば、抽出、分液、濃縮などの操作を施すことにより、一般式(16)で表される化合物を得ることができる。また、これを必要に応じて、カラムクロマトグラフィー、再沈殿などにより精製することができる。
一般式(16)で表される化合物を得る方法において、脱離基を有する安息香酸塩化物の使用量としては、フェノール樹脂の水酸基に対して、1当量倍以上、1.5当量倍以下が好ましい。また、前記塩基としては、3級アミンで活性水素を有さないアミンが好ましく、具体例としては、ピリジンおよびメチルピリジンなどのピリジン類、トリエチルアミンおよびトリブチルアミンなどのトリアルキルアミン類が挙げられ、これらの使用量は、フェノール樹脂とトリフルオロメタンスルホン酸無水物の合計量に対して、1重量倍以上、3重量倍以下が好ましい。
前記溶媒としては、ベンゼン、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの、芳香族炭化水素、炭化水素、エーテルおよびハロゲン化炭化水素などの、反応に不活性な溶媒の単独、またはそれらの混合物が挙げられ、その使用量は特に制限されない。また、溶媒中に水分が存在すると、反応試薬である安息香酸塩化物と副反応を起こし、実際の反応当量比が変わるため、無水の溶媒を用いるか、予め、含まれる水分量を把握して、使用量を調整して理論的な当量より多く仕込んでおくことが望ましい。
また、一般式(15)で表される化合物の例として、脱離基を有する安息香酸の塩化物(一般式(15’))の例を示したが、フルオロ安息香酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸およびヨード安息香酸などの、フッ化物、臭化物、塩化物およびヨウ化物などのハロゲン化物や、メチルエステル、フェニルエステル、ピリジルエステル、キノリルエステルおよびキノキサリルエステルなどのエステル化物を用いても良い。これらの内、塩化物、フェニルエステルおよびピリジルエステルが好ましく、塩化物がより好ましい。
次に、一般式(17)で表される化合物を得る方法としては、上記で得た一般式(16)で表される化合物と、アセチレンの片側がX1基で置換された化合物(一般式(6))とを、触媒存在下で、窒素、アルゴンおよびヘリウムなどの不活性ガス雰囲気下で、20℃以上、150℃以下の温度範囲でカップリング反応することによって反応生成物が得られる。この時、反応時間は特に制限されない。このようにして得られた反応生成物に、通常の分離手段、例えば、抽出、分液、濃縮などの操作を施すことにより、一般式(17)で表される化合物を得ることができ、これは必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再沈殿などにより、精製することができる。
前記一般式(6)中のX1がアセチレンの保護基である場合、一般式(6)で表される化合物としては、保護基X1がアルカリ金属の水酸化物で脱保護できる化合物であれば制限はないが、保護基X1がトリメチルシリル基であるトリメチルシリルアセチレンや、ヒドロキシプロピル基である2−メチル−3−ブチン−2−オールなどが好適である。一般式(6)で表される化合物の使用量としては、一般式(5)で表される化合物の脱離基に対して、1当量倍以上、2当量倍以下が好ましい。
一般式(17)で表される化合物を得る方法において、触媒系としては、通常炭素−炭素結合を形成しうる触媒系なら特に制限無く用いることができるが、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムとヨウ化銅およびトリフェニルホスフィンからなる触媒系を用いることが望ましい。該触媒系におけるジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの添加量としては、一般式(5)で表される化合物の脱離基に対して、0.1mol%以上、5mol%以下が好ましく、トリフェニルホスフィンの添加量としては、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムに対して、1当量倍以上、20当量倍以下が好ましく、ヨウ化銅の添加量としては、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムに対して、1当量倍以上、5当量倍以下が好ましい。
この反応に用いられる溶媒としては、発生する酸を捕捉して触媒反応を促進するためにアミン系の溶媒が用いられる。かかる溶媒としてはジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミンおよびトリブチルアミンなどの3級アミン類、ピリジンおよびピペリジンなどの環状アミン類があげられる。これらの溶媒は単独、または2種以上を組み合わせて用いられる。その使用量は特に制限されない。また、これらの溶媒は、副反応や触媒の失活などを防ぐために、予め蒸留しておくことが望ましい。
また、一般式(17)で表される化合物を得る方法としては、フェノール樹脂(一般式(4))と、アセチレン基を有する安息香酸塩化物(一般式(18’))を用い、一般式(16)で表される化合物を得る方法と同様にして一段階で得ることができる。
また、一般式(18)で表される化合物の例として、アセチレン基を有する安息香酸の塩化物(一般式(18’))の例を示したが、フルオロ安息香酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸およびヨード安息香酸などの、フッ化物、臭化物、塩化物およびヨウ化物などのハロゲン化物や、メチルエステル、フェニルエステル、ピリジルエステル、キノリルエステル、キノキサリルエステルおよびベンゾトリアゾールエステル、などのエステル化物を用いても良い。これらの内、塩化物、ピリジルエステルおよびベンゾトリアゾールエステルが好ましく、塩化物がより好ましい。
次に、一般式(17)で表される化合物において、X1が、トリメチルシリル基およびヒドロキシプロピル基などの保護基の場合、アルカリ金属水酸化物を用いてエチニル基の脱保護を反応溶媒中で行う。この時、反応温度および反応時間は、特に制限されないが、反応温度については、室温ないし溶媒の還流温度の範囲で行うと良い。このようにして得られた反応生成物に、通常の分離手段、例えば、抽出、分液、濃縮などの操作を施すことにより、一般式(3)においてXが水素原子で表される反応生成物を得ることができ、これは必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再沈殿などにより、精製することが出来る。
前記アルカリ金属水酸化物としては、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムが好ましく、その添加量としては、一般式(17)で表される化合物のX1量に対して、1当量倍以上、10当量倍以下が好ましい。
前記反応溶媒としては、アルカリ金属水酸化物と反応しうるエステル類以外であれば、特に制限はないが、アルカリ金属水酸化物の溶解性が高い、メタノール、エタノール、ブタノールおよびイソプロパノールなどのアルコール系溶媒が好ましい。溶媒量は特に制限されないが、操作の容易性から、一般式(17)で表される化合物に対して3重量倍以上、50重量倍以下が好ましい。
以下に本発明を説明するために実施例を示すが、これによって本発明を限定するものではない。
得られた化合物は特性評価のため、1H−NMRスペクトル測定、赤外分光分析、分子量測定、熱重量分析、比誘電率測定および弾性率測定を行った。各測定条件は次のとおりとした。
試験方法
(1)核磁気共鳴スペクトル分析(1H−NMR): 日本電子製JNM−GSX400型を用いて、共鳴周波数400MHzで測定した。測定溶媒は、重水素化溶媒である重水素化ジメチルスルホキシドDMSO−d6または重水素化クロロホルムCDCl3用いた。
(2)赤外分光分析(IR): 島津社製FT−IR8900型を用いて、KBr錠剤法により測定した。
(3)元素分析: 炭素及び水素はPERKIN ELMER社製2400型を用いて測定した。
(4)分子量: 東ソ−株式会社製高速液体クロマトグラフSD−8022型を用いて、ポリスチレン換算により、重量平均分子量Mw、数平均分子量Mnを算出した。
(5)熱重量分析: セイコ−インスツルメンツ(株)製TG/DTA6200型を用いて、200mL/分の乾燥窒素気流下、昇温速度+5℃/分の条件により、室温から370℃まで昇温後、370℃で30分間保持した際の重量減少量を測定した。
(6)比誘電率: 日本エス・エス・エム(株)製自動水銀プローブCV測定装置SSM495を用いて、温度22℃、湿度45%の雰囲気下において、得られた化合物を熱硬化させて作製した皮膜(膜厚1μm)の比誘電率を測定した。皮膜は、測定用試料とN−メチルピロリドンからなるコーティングワニスをスピンコート法により均一な膜厚とした後、150℃で10分間加熱乾燥させ、更に、窒素を流入して酸素濃度を100ppm以下に制御したオーブンを用いて、350℃で60分間加熱したものを用いた。
(7)弾性率:エリオニクス(株)製ENT−1100を用いて、温度22℃、湿度50%の雰囲気下で、得られた化合物より作製した膜厚30μmの皮膜の弾性率を測定した。皮膜は、上記比誘電率測定用試料と同様にして作製した。
(実施例1)
(1)[ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)から、ポリ(トリフルオロメタンスルホニロキシフェニレンメチレン)の合成]
ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)(Mw=3500,Mn=750)29.0g(274mmol/1単位ユニット)、ピリジン200mLを、乾燥窒素雰囲気下で撹拌し、溶解させた。反応液を0℃に冷却した後、液温を5℃以下に保ちながら、トリフルオロメタンスルホン酸無水物60.0mL(357mmol)を滴下した。0℃で1時間撹拌後、室温で14時間撹拌した。反応液をイオン交換水2.50Lに投入し、ポリマーを再沈殿させて回収した。析出固体を酢酸エチル1.00Lで抽出し、有機層を1mol/L塩酸水溶液100mLで洗浄し、続けて飽和食塩水200mLで2回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下で除去することで、ポリ(トリフルオロメタンスルホニロキシフェニレンメチレン)58.3gを得た。
(2)[ポリ(トリフルオロメタンスルホニロキシフェニレンメチレン)から、ポリ((フェニルエチニル)フェニレンメチレン)の合成]
上記で得たポリ(トリフルオロメタンスルホニロキシフェニレンメチレン)48.9g(205mmol/1単位ユニット)、エチニルベンゼン29.4g(288mmol)およびピリジン150mLを、乾燥窒素雰囲気下で撹拌し、溶解させた。続けて、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム4.35g(6.20mmol)、トリフェニルホスフィン4.61g(17.5mmol)、ヨウ化銅1.97g(10.3mmol)およびトリエチルアミン150mLを加えた後、100℃で9時間加熱した。反応液を濾過後、溶媒を減圧下で濃縮し、イオン交換水3.00Lに投入し、ポリマーを再沈殿させて回収した。析出固体をカラムクロマトグラフィーにより精製後、60℃で減圧乾燥させることで、ポリ((フェニルエチニル)フェニレンメチレン)を38.0g得た。
なお、得られた化合物の各種スペクトルデータを以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,ppm):δ3.05−4.97(2H),6.70−7.75(8H)
IR(KBr,/cm):3056,3030,2970,2922,2214
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:94.70%,H:5.30%、[実測値]C:93.12%,H:5.59%
GPC:Mw=4520、Mn=980
熱重量減少量(/wt%):0.91
比誘電率:3.0
弾性率(/GPa):8.2
(実施例2)
(1)[ポリ(トリフルオロメタンスルホニロキシフェニレンメチレン)から、ポリ((3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル)フェニレンメチレン)の合成]
実施例1において、エチニルベンゼン29.4g(288mmol)を、2−メチル−3−ブチン−2−オール24.2g(288mmol)とした以外は、実施例1と同様にして、ポリ((3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル)フェニレンメチレン)を35.0g得た。
(2)[ポリ((3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル)フェニレンメチレン)から、ポリ(エチニルフェニレンメチレン)の合成]
上記で得たポリ((3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル)フェニレンメチレン)30.0g(174mmol/1単位ユニット)、水酸化カリウム29.3g(522mmol)およびイソプロパノール250mLを、乾燥窒素雰囲気下、100℃で5時間撹拌した。反応液を濾過後、溶媒を減圧下で濃縮し、イオン交換水3.00Lに投入し、ポリマーを再沈殿させて回収した。析出固体を60℃で減圧乾燥させることで、ポリ(エチニルフェニレンメチレン)を17.8g得た。
なお、得られた化合物の各種スペクトルデータを以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,ppm):δ2.98−4.90(3H),6.80−7.59(3H)
IR(KBr,/cm):3056,3028,2980,2932,2111
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:94.70%,H:5.30%、[実測値]C:92.99%,H:5.98%
GPC:Mw=4020、Mn=880
熱重量減少量(/wt%):0.93
比誘電率:3.3
弾性率(/GPa):8.4
(実施例3)
(1)[ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)から、ポリ(ニトロフェノキシフェニレンメチレン)の合成]
ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)(Mw=870,Mn=350)47.6g(449mmol/1単位ユニット)、4−フルオロニトロベンゼン88.7g(629mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド200mLを、乾燥窒素雰囲気下で撹拌し、溶解させた。続けて、炭酸カリウム129g(933mmol)を加えた後、反応液を135℃で8時間撹拌した。反応液を濾過後、溶媒を減圧下で濃縮し、メタノール3.00Lに投入し、ポリマーを再沈殿させて回収した。析出固体を60℃で減圧乾燥させることで、ポリ(ニトロフェノキシフェニレンメチレン)を88.0g得た。
(2)[ポリ(ニトロフェノキシフェニレンメチレン)から、ポリ(アミノフェノキシフェニレンメチレン)の合成]
上記で得たポリ(ニトロフェノキシフェニレンメチレン)45.2g(199mmol/1単位ユニット)、10重量%パラジウム−活性炭11.5g(10.8mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド150mLを、乾燥水素雰囲気下、室温で22時間撹拌した。反応液を濾過後、溶媒を減圧下で濃縮し、イオン交換水2.50Lに投入し、ポリマーを再沈殿させて回収した。析出固体を60℃で減圧乾燥させることで、ポリ(アミノフェノキシフェニレンメチレン)を23.7g得た。
(3)[ポリ(アミノフェノキシフェニレンメチレン)から、ポリ(ヨードフェノキシフェニレンメチレン)の合成]
上記で得たポリ(アミノフェノキシフェニレンメチレン)19.0g(96.3mmol/1単位ユニット)、濃硫酸44.9gおよびイオン交換水250mLを、乾燥水素雰囲気下、0℃で撹拌した。5℃以下を保ちながら、亜硝酸ナトリウム10.1g(146mmol)をイオン交換水30.0mLに溶解させたものを滴下し、更に0℃で1時間撹拌した。次に、5℃以下を保ちながら、ヨウ化カリウム20.3g(122mmol)をイオン交換水20.0mLに溶解させたものを滴下し、更に0℃で1時間撹拌、室温で15時間撹拌した。反応液を濾過して得られた濾過物を、5重量%亜硫酸水素ナトリウム水溶液600mL中で2回、イオン交換水600mL中で1回、更にメタノール600mL中で1回、それぞれ30分間撹拌し、洗浄及び精製を行った。得られた固体を60℃で減圧乾燥させることで、ポリ(ヨードフェノキシフェニレンメチレン)を18.4g得た。
(4)[ポリ(ヨードフェノキシフェニレンメチレン)から、ポリ((フェニルエチニルフェノキシ)フェニレンメチレン)の合成]
上記で得たポリ(ヨードフェノキシフェニレンメチレン)5.00g(16.2mmol/1単位ユニット)、エチニルベンゼン2.15g(21.1mmol)およびピリジン30.0mLを、乾燥窒素雰囲気下で撹拌し、溶解させた。続けて、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.340g(0.484mmol)、トリフェニルホスフィン0.380g(1.45mmol)、ヨウ化銅0.155g(0.814mmol)およびトリエチルアミン30mLを加えた後、100℃で9時間加熱した。反応液を濾過後、溶媒を減圧下で濃縮し、イオン交換水300mLに投入し、ポリマーを再沈殿させて回収した。析出固体をカラムクロマトグラフィーにより精製後、60℃で減圧乾燥させることで、ポリ((フェニルエチニルフェノキシ)フェニレンメチレン)を4.10g得た。
なお、得られた化合物の各種スペクトルデータを以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,ppm):δ3.10−4.94(2H),6.82−7.69(12H)
IR(KBr,/cm):3056,3021,2977,2912,2219
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:89.34%,H:5.00%,O:5.67%、[実測値]C:88.21%,H:5.13%,O:5.97%
GPC:Mw=4680、Mn=1080
熱重量減少量(/wt%):0.93
比誘電率:3.0
弾性率(/GPa):8.2
(実施例4)
(1)[ポリ(ヨードフェノキシフェニレンメチレン)から、ポリ(((3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル)フェノキシ)フェニレン)の合成]
実施例3において、エチニルベンゼン2.15g(21.1mmol)を、2−メチル−3−ブチン−2−オール1.78g(21.2mmol)とした以外は、実施例1と同様にして、ポリ(((3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル)フェノキシ)フェニレン)を3.80g得た。
(2)[ポリ(((3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル)フェノキシ)フェニレン)から、ポリ((フェニルエチニルフェノキシ)フェニレンメチレン)の合成]
上記で得たポリ(((3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル)フェノキシ)フェニレン)3.50g(13.2mmol/1単位ユニット)、水酸化カリウム2.22g(39.6mmol)およびイソプロパノール50mLを、乾燥窒素雰囲気下、100℃で5時間撹拌した。反応液を濾過後、溶媒を減圧下で濃縮し、イオン交換水500mLに投入し、ポリマーを再沈殿させて回収した。析出固体を60℃で減圧乾燥させることで、ポリ((フェニルエチニルフェノキシ)フェニレンメチレン)を2.60g得た。
なお、得られた化合物の各種スペクトルデータを以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,ppm):δ3.00−4.92(3H),6.81−7.70(7H)
IR(KBr,/cm):3050,3029,2978,2919,2110
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:87.36%,H:4.89%,O:7.76%、[実測値]C:86.90%,H:5.11%,O:7.07%
GPC:Mw=4100、Mn=980
熱重量減少量(/wt%):0.90
比誘電率:3.1
弾性率(/GPa):8.1
(実施例5)
[ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)から、ポリ((フェニルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)の合成]
ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)(Mw=3500,Mn=750)29.0g(274mmol/1単位ユニット)およびテトラヒドロフラン300mLを、乾燥窒素雰囲気下で撹拌し、溶解させた。反応液を5℃に冷却した後、フェニルエチニル安息香酸塩化物72.5g(301mmol)を投入した。続けて、液温を15℃以下に保ちながら、トリエチルアミン31.3g(310mmol)を滴下した。反応液を60℃で5時間撹拌後、室温まで冷却した。反応液にイオン交換水を1.00mL投入した後、濾過を行った。濾液をイオン交換水2.50Lに投入し、ポリマーを再沈殿させて回収した。析出固体を50℃で減圧乾燥させることで、ポリ((フェニルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)を76.5g得た。
なお、得られた化合物の各種スペクトルデータを以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,ppm):δ3.2−4.2(2H),6.5−8.2(12H)
IR(KBr,/cm):3034,2905,2216,1736,1605
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:85.14%,H:4.55%、[実測値]C:84.29%,H:4.71%
GPC:Mw=7500、Mn=1600
熱重量減少量(/wt%):0.64
比誘電率:3.0
弾性率(/GPa):8.3
(実施例6)
(1)[ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)から、ポリ((ブロモベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)の合成]
実施例5において、フェニルエチニル安息香酸塩化物72.5g(301mmol)を、ブロモ安息香酸塩化物65.8g(300mmol)とした以外は、実施例5と同様にして、ポリ((ブロモベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)を71.3g得た。
(2)[ポリ((ブロモベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)から、ポリ((フェニルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)の合成]
上記で得たポリ((ブロモベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)59.3g(205mmol/1単位ユニット)、エチニルベンゼン29.4g(288mmol)およびピリジン150mLを、乾燥窒素雰囲気下で撹拌し、溶解させた。続けて、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム4.35g(6.20mmol)、トリフェニルホスフィン4.61g(17.5mmol)、ヨウ化銅1.97g(10.3mmol)およびトリエチルアミン150mLを加えた後、100℃で9時間加熱した。反応液を濾過後、溶媒を減圧下で濃縮し、イオン交換水3.00Lに投入し、ポリマーを再沈殿させて回収した。析出固体をカラムクロマトグラフィーにより精製後、60℃で減圧乾燥させることで、ポリ((フェニルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)を60.4g得た。
なお、得られた化合物の各種スペクトルデータを以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,ppm):δ3.2−4.2(2H),6.5−8.2(12H)
IR(KBr,/cm):3033,2905,2215,1736,1605
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:85.14%,H:4.55%、[実測値]C:84.64%,H:4.75%
GPC:Mw=7250、Mn=1450
熱重量減少量(/wt%):0.73
比誘電率:3.0
弾性率(/GPa):8.3
(実施例7)
[ポリ(ヒドロキシフェニレン−アダマンチルメチレン)から、ポリ((フェニルエチニルベンゾイルオキシ))フェニレン−アダマンチルメチレン)の合成]
実施例5において、ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)(Mw=3500,Mn=750)29.0g(274mmol/1単位ユニット)をポリ(ヒドロキシフェニレン−アダマンチルメチレン)(Mw=2530,Mn=1320)65.0g(270mmol/1単位ユニット)とした以外は、実施例5と同様にして、ポリ((フェニルエチニルベンゾイルオキシ))フェニレン−アダマンチルメチレン)を101g得た。
なお、得られた化合物の各種スペクトルデータを以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,ppm):δ0.7−2.2(15H),6.3−7.9(12H)
IR(KBr,/cm):3040,2910,2219,1736,1609
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:86.45%,H:6.35%、[実測値]C:88.24%,H:6.40%
GPC:Mw=4910、Mn=1920
熱重量減少量(/wt%):0.81
比誘電率:2.7
弾性率(/GPa):9.2
(実施例8)
[ポリ(4−アダマンチル−1−ヒドロキシフェニレンメチレン)から、ポリ(4−アダマンチル−1−(フェニルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)の合成]
実施例5において、ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)((Mw=3500,Mn=750)29.0g(274mmol/1単位ユニット)をポリ(4−アダマンチル−1−ヒドロキシフェニレンメチレン)(Mw=1200,Mn=650)65.0g(270mmol/1単位ユニット)とした以外は、実施例5と同様にして、ポリ(4−アダマンチル−1−(フェニルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)を90.9g得た。
なお、得られた化合物の各種スペクトルデータを以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,ppm):δ0.7−2.2(15H),3.2−4.1(2H),6.5−7.9(11H)
IR(KBr,/cm):3056,3031,2972,2210,1750,1609
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:86.45%,H:6.35%、[実測値]C:84.20%,H:6.49%
GPC:Mw=3040、Mn=920
熱重量減少量(/wt%):0.79
比誘電率:2.8
弾性率(/GPa):9.2
(実施例9)
[ポリ(4−アダマンチル−1−ヒドロキシフェニレン−アダマンチルメチレン)から、ポリ(4−アダマンチル−1−(フェニルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)の合成]
実施例5において、ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)(Mw=3500,Mn=750)29.0g(274mmol/1単位ユニット)をポリ(4−アダマンチル−1−ヒドロキシフェニレン−アダマンチルメチレン)(Mw=1220,Mn=690)103g(275mmol/1単位ユニット)とした以外は、実施例5と同様にして、ポリ(4−アダマンチル−1−(フェニルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)を132g得た。
なお、得られた化合物の各種スペクトルデータを以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,ppm):δ0.7−2.3(30H),6.5−8.0(11H)
IR(KBr,/cm):3040,2912,2220,1740,1600
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:87.16%,H:7.31%、[実測値]C:86.20%,H:7.39%
GPC:Mw=2190、Mn=1000
熱重量減少量(/wt%):0.59
比誘電率:2.7
弾性率(/GPa):9.8
(実施例10)
[ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)から、ポリ((アダマンチルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)の合成]
実施例5において、フェニルエチニル安息香酸塩化物72.5g(301mmol)を、アダマンチル安息香酸塩化物89.9g(301mmol)とした以外は、実施例5と同様にして、ポリ((アダマンチルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)を89.2g得た。
なお、得られた化合物の各種スペクトルデータを以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,ppm):δ0.7−2.2(15H),3.2−4.3(2H),6.8−7.6(7H)
IR(KBr,/cm):3040,2912,2191,1720,1612
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:84.75%,H:6.57%、[実測値]C:86.20%,H:6.69%
GPC:Mw=4190、Mn=1770
熱重量減少量(/wt%):0.72
比誘電率:2.8
弾性率(/GPa):9.3
(実施例11)
[ポリ(4−アダマンチル−1−ヒドロキシフェニレン−アダマンチルメチレン)から、ポリ(4−アダマンチル−1−(アダマンチルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)の合成]
実施例5において、ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)(Mw=3500,Mn=750)29.0g(274mmol/1単位ユニット)をポリ(4−アダマンチル−1−ヒドロキシフェニレン−アダマンチルメチレン)(Mw=1220,Mn=690)103g(275mmol/1単位ユニット)、フェニルエチニル安息香酸塩化物72.5g(301mmol)を、アダマンチル安息香酸塩化物89.9g(301mmol)とした以外は、実施例5と同様にして、ポリ(4−アダマンチル−1−(アダマンチルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)を139g得た。
なお、得られた化合物の各種スペクトルデータを以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,ppm):δ0.7−2.3(45H),6.8−7.6(6H)
IR(KBr,/cm):3034,2945,2200,1721,1609
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:86.75%,H:8.23%、[実測値]C:87.20%,H:8.30%
GPC:Mw=2010、Mn=1010
熱重量減少量(/wt%):0.94
比誘電率:2.6
弾性率(/GPa):9.8
(比較例1)
[ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)から、ポリ((2−プロピノキシ)フェニレンメチレン)の合成]
ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)22.3g(210mmol/1単位ユニット)、臭化プロパルギル50.5g(425mmol)、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム1.45g(6.37mmol)、テトラヒドロフラン120mLを、乾燥窒素雰囲気下、50℃で撹拌しながら、水酸化カリウム60.7g(1.08mol)をイオン交換水60.0mLに溶解させたものを加えた。反応液を60℃で6時間した。反応液を減圧下で加熱し、臭化プロパルギルとテトラヒドロフランを除去した。析出固体を酢酸エチル200mLで抽出し、有機層をイオン交換水500mLで2回洗浄後、メタノール2000mLに投入し、ポリマーを再沈殿させて回収した。析出固体を60℃で減圧乾燥させることで、ポリ((2−プロピノキシ)フェニレンメチレン)を14.7g得た。
熱重量減少量(/wt%):4.30
比誘電率:3.6
弾性率(/GPa):5.0
(比較例2)
[ポリ((2−プロピノキシ)フェニレンメチレン)から、ポリ((3−フェニル−2−プロピノキシ)フェニレンメチレン)の合成]
比較例1で得たポリ((2−プロピノキシ)フェニレンメチレン)3.43g(23.8mmol/1単位ユニット)、ヨウ化ベンゼン6.38g(31.3mmol)、ピリジン20.0mLを、乾燥窒素雰囲気下で撹拌し、溶解させた。続けて、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.0837g(0.119mmol)、トリフェニルホスフィン0.0956g(0.364mmol)、ヨウ化銅0.0452g(0.237mmol)、トリエチルアミン20mLを加えた後、70℃で3時間加熱した。反応液を濾過後、メタノール1.00Lに投入し、ポリマーを再沈殿させて回収した。析出固体を60℃で減圧乾燥させることで、ポリ((3−フェニル−2−プロピノキシ)フェニレンメチレン)を4.10g得た。
熱重量減少量(/wt%):7.11
比誘電率:3.5
弾性率(/GPa):5.1
(比較例3)
[3−エチニルフェノールから、ポリ((3−エチニル−1−ヒドロキシ)フェニレン)の合成]
3−エチニルフェノール5.00g(42.3mmol)とメタノール10.0mLを室温で撹拌しながら、西洋ワサビペルオキシダーゼ2.00gをpH=7のリン酸緩衝液10.0mLを加えた。続けて、5重量%過酸化水素を28.8mL(42.3mmol)を3時間かけて滴下し、更に室温で3時間撹拌した。析出物を反応液より遠心分離し、メタノール50mL及びイオン交換水50mL中で撹拌し、洗浄した。得られた固体を減圧乾燥させることで、ポリ((3−エチニル−1−ヒドロキシ)フェニレン)が3.25g得られた。
熱重量減少量(/wt%):8.72
比誘電率:4.0
弾性率(/GPa):5.0
以上から明らかな様に、本発明により提供される熱硬化性樹脂は、機械特性および電気特性を低下させることなく、370℃においても耐熱性に優れることが示された。
本発明により得られる熱硬化性樹脂は、350℃以上の高温域においても機械特性および電気特性を低下させることなく優れた耐熱性を示すため、高温での材料プロセスを必要とする分野などにおいても好適に用いることが可能である。用途として、電子材料、自動車用部材、エンジニアリング材料、構造部材、接着剤、塗膜形成材料、絶縁材料、酸化防止材料、記録材料などに好適に用いられる。

Claims (12)

  1. 一般式(1)で表される構造を有することを特徴とする、熱硬化性樹脂。
    Figure 2005126663
    [式中のArは芳香族基を示す。また、式中のXは、水素原子または有機基を示す。式中のY1及びY2は、それぞれ独立して、水素原子またはフッ素原子または有機基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。式中のmは、2以上、1000以下の整数である。式中のnは、1以上、4以下の整数である。]
  2. 一般式(2)で表される構造を有することを特徴とする、熱硬化性樹脂。
    Figure 2005126663
    [式中のArは芳香族基を示す。また、式中のXは、水素原子または有機基を示す。式中のY1及びY2は、それぞれ独立して、水素原子またはフッ素原子または有機基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。式中のmは、2以上、1000以下の整数である。式中のnは、1以上、4以下の整数、式中のpは、1以上、5以下の整数である。]
  3. 一般式(3)で表される構造を有することを特徴とする、熱硬化性樹脂。
    Figure 2005126663
    [式中のArは芳香族基を示す。また、式中のXは、水素原子または有機基を示す。式中のY1及びY2は、それぞれ独立して、水素原子またはフッ素原子または有機基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。式中のmは、2以上、1000以下の整数である。式中のnは、1以上、4以下の整数、式中のpは、1以上、5以下の整数である。]
  4. 前記熱硬化性樹脂が、ダイヤモンドイド構造を含む置換基を有するものである、請求項1〜3のいずれかに記載の熱硬化性樹脂。
  5. 前記ダイヤモンドイド構造が、アダマンチル基、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基およびウンデカマンチル基の中から選ばれる少なくとも1種である、請求項4に記載の熱硬化性樹脂。
  6. 一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物のヒドロキシ基を、アセチレンとのカップリング反応時に脱離しうる脱離基を含む基に変換する工程を含むことを特徴とする、一般式(1)で表される熱硬化性樹脂の製造法。
    Figure 2005126663
    [式中のArは芳香族基を示す。また、式中のXは、水素原子または有機基を示す。式中のY1及びY2は、それぞれ独立して、水素原子またはフッ素原子または有機基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。式中のmは、2以上、1000以下の整数である。式中のnは、1以上、4以下の整数である。]
    Figure 2005126663
    [式中のArは芳香族基を示す。式中のY1及びY2は、それぞれ独立して、水素原子またはフッ素原子または有機基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。式中のmは、2以上、1000以下の整数である。式中のnは、1以上、4以下の整数である。]
  7. 一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物と酸無水物とを反応させる工程を含む、請求項6に記載の一般式(1)で表される熱硬化性樹脂の製造法。
  8. 一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物のヒドロキシ基を、アセチレンとのカップリング反応時に脱離しうる脱離基を含む基に変換する工程を含むことを特徴とする、一般式(2)で表される熱硬化性樹脂の製造法。
    Figure 2005126663
    [式中のArは芳香族基を示す。また、式中のXは、水素原子または有機基を示す。式中のY1及びY2は、それぞれ独立して、水素原子またはフッ素原子または有機基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。式中のmは、2以上、1000以下の整数である。式中のnは、1以上、4以下の整数、式中のpは、1以上、5以下の整数である。]
    Figure 2005126663
    [式中のArは芳香族基を示す。式中のY1及びY2は、それぞれ独立して、水素原子またはフッ素原子または有機基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。式中のmは、2以上、1000以下の整数である。式中のnは、1以上、4以下の整数である。]
  9. 一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物とフルオロニトロベンゼンとを反応させる工程を含む、請求項8に記載の一般式(2)で表される熱硬化性樹脂の製造法。
  10. 一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物のヒドロキシ基を、アセチレンとのカップリング反応時に脱離しうる脱離基を含む基に変換する工程を含むことを特徴とする、一般式(3)で表される熱硬化性樹脂の製造法。
    Figure 2005126663
    [式中のArは芳香族基を示す。また、式中のXは、水素原子または有機基を示す。式中のY1及びY2は、それぞれ独立して、水素原子またはフッ素原子または有機基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。式中のmは、2以上、1000以下の整数である。式中のnは、1以上、4以下の整数、式中のpは、1以上、5以下の整数である。]
    Figure 2005126663
    [式中のArは芳香族基を示す。式中のY1及びY2は、それぞれ独立して、水素原子またはフッ素原子または有機基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。式中のmは、2以上、1000以下の整数である。式中のnは、1以上、4以下の整数である。]
  11. 一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物と、安息香酸ハロゲン化物または安息香酸エステル化物とを反応させる工程を含む、請求項10に記載の一般式(3)で表される熱硬化性樹脂の製造法。
  12. 一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物と、アセチレン基を有する安息香酸ハロゲン化物または安息香酸エステル化物とを反応させる工程を含むことを特徴とする、一般式(3)で表される熱硬化性樹脂の製造法。
    Figure 2005126663
    [式中のArは芳香族基を示す。また、式中のXは、水素原子または有機基を示す。式中のY1及びY2は、それぞれ独立して、水素原子またはフッ素原子または有機基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。式中のmは、2以上、1000以下の整数である。式中のnは、1以上、4以下の整数、式中のpは、1以上、5以下の整数である。]
    Figure 2005126663
    [式中のArは芳香族基を示す。式中のY1及びY2は、それぞれ独立して、水素原子またはフッ素原子または有機基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。式中のmは、2以上、1000以下の整数である。式中のnは、1以上、4以下の整数である。]
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