JP2005126663A - 熱硬化性樹脂及びその製造法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 一般式(1)で表される構造を有することを特徴とする、熱硬化性樹脂、及び一般式(2)で表される構造を有することを特徴とする、熱硬化性樹脂、及び一般式(3)で表される構造を有することを特徴とする、熱硬化性樹脂。
【化1】
【化2】
【化3】
[式中のArは芳香族基を示す。また、式中のXは、水素原子または一価の有機基を示す。式中のY1及びY2は、それぞれ独立して、水素原子またはフッ素原子または一価の有機基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。式中のmは、2以上、1000以下の整数である。式中のnは、1以上、4以下の整数、式中のpは、1以上、5以下の整数である。]
Description
1. 一般式(1)で表される構造を有することを特徴とする、熱硬化性樹脂、
2. 一般式(2)で表される構造を有することを特徴とする、熱硬化性樹脂、
3. 一般式(3)で表される構造を有することを特徴とする、熱硬化性樹脂、
4. 前記熱硬化性樹脂が、ダイヤモンドイド構造を含む置換基を有するものである、第1項〜第3項のいずれかに記載の熱硬化性樹脂、
5. 前記ダイヤモンドイド構造が、アダマンチル基、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基およびウンデカマンチル基の中から選ばれる少なくとも1種である、第4項に記載の熱硬化性樹脂、
6. 一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物のヒドロキシ基を、アセチレンとのカップリング反応時に脱離しうる脱離基を含む基に変換する工程を含むことを特徴とする、前記一般式(1)で表される熱硬化性樹脂の製造法、
7. 前記一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物と酸無水物とを反応させる工程を含む、第6項に記載の前記一般式(1)で表される熱硬化性樹脂の製造法、
8. 前記一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物のヒドロキシ基を、アセチレンとのカップリング反応時に脱離しうる脱離基を含む基に変換する工程を含むことを特徴とする、前記一般式(2)で表される熱硬化性樹脂の製造法、
9. 前記一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物とフルオロニトロベンゼンとを反応させる工程を含む、第8項に記載の前記一般式(2)で表される熱硬化性樹脂の製造法、
10. 前記一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物のヒドロキシ基を、アセチレンとのカップリング反応時に脱離しうる脱離基を含む基に変換する工程を含むことを特徴とする、前記一般式(3)で表される熱硬化性樹脂の製造法、
11. 前記一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物と、安息香酸ハロゲン化物または安息香酸エステル化物とを反応させる工程を含む、第10項に記載の前記一般式(3)で表される熱硬化性樹脂の製造法、
12. 前記一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物と、アセチレン基を有する安息香酸ハロゲン化物または安息香酸エステル化物とを反応させる工程を含むことを特徴とする、前記一般式(3)で表される熱硬化性樹脂の製造法、
を提供するものである。
また、本発明の熱硬化性樹脂がダイヤモンドイド構造を含む置換基を含む場合、前記耐熱性を劣化させることなく、優れた機械的強度、電気特性を付与することができる。
また、本発明の一般式(3)で表される熱硬化性樹脂の製造法としては、ヒドロキシ芳香族化合物とアセチレン基を有する安息香酸ハロゲン化物または安息香酸エステル化物と縮合反応させエステル結合を生成させることによって、ヒドロキシ芳香族化合物より一段階で製造することができる。
ただし、この時、前記脱離基Zとしては、触媒下のカップリング反応で容易に芳香環から脱離する基が好ましく、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素などのハロゲン原子、トリフロオロメタンスルホニロキシ基などが好ましく挙げられる。また、置換基X1としては有機基または保護基として働く基が挙げられ、該有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、アダマンチル基、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、ピリジル基、キノリル基、キノキサリル基およびベンゾトリアゾール基などが、該保護基として働く基としては、トリメチルシリル基およびヒドロキシプロピル基などが挙げられる。
次に、一般式(16)で表される化合物と、一般式(6)で表されるアセチレンの片側がX1基で置換された化合物をカップリング反応させることによって、一般式(17)で表される化合物が得られる。前記カップリング反応において、触媒を用いると良いが、例えば、パラジウムなどの遷移金属触媒を用いる。
ただし、この時、前記脱離基Zとしては、触媒下のカップリング反応で容易に芳香環から脱離する基が好ましく、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素などのハロゲン原子、トリフロオロメタンスルホニロキシ基などが好ましく挙げられる。また、置換基X1としては有機基または保護基として働く基が挙げられ、該有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、アダマンチル基、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、ピリジル基、キノリル基、キノキサリル基およびベンゾトリアゾール基などが、該保護基として働く基としては、トリメチルシリル基およびヒドロキシプロピル基などが挙げられる。
前記エステル反応が、一般式(19)で表される化合物とメタノールとのエステル化反応である場合は、一般式(15’)で表されるメチルエステル化物が得られる。また、前記ハロゲン化反応が、一般式(19)で表される化合物と塩化チオニルとの反応である場合は、一般式(15’’)で表される安息香酸塩化物が得られ、さらにメタノールと反応させることによりメチルエステル化物(一般式(15’))が得られる。
前記脱離基Zとしては、触媒下のカップリング反応で、容易に芳香環から脱離する基が好ましく、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素などのハロゲン原子、トリフロオロメタンスルホニロキシ基などが好ましく挙げられる。
また、上記で得られた安息香酸誘導体のアルカリ金属塩(一般式(21))を酸処理することによって、一般式(22)で表される安息香酸を得ることができる。
上記、本発明の一般式(1)で表される熱硬化性樹脂の合成例において、出発原料としてフェノール樹脂(一般式(4)において、Ar=フェニル基、Y1=H、Y2=H)を用いる例を示す。
まず、一般式(5’)で表される化合物を得る方法としては、フェノール樹脂(一般式(4))と塩基とを溶媒に溶解し、−78℃以上、10℃以下で冷却した溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(式(8))を加え、0℃ないし、溶媒の沸点以下の温度範囲で反応させる。この時、反応時間は特に制限されない。また、前記反応において、トリフルオロメタンスルホン酸無水物の添加前に冷却を行うのは、反応が発熱反応であるためであり、これ以上の温度では、反応が急激に進行し、反応を制御することが困難となることがある。このようにして得られた反応生成物に、通常の分離手段、例えば抽出、分液、濃縮などの操作を施すことにより、一般式(5’)で表される化合物を得ることが出来る。また、これを必要に応じて、カラムクロマトグラフィー、再沈殿などにより精製することが出来る。
前記溶媒としては、ベンゼン、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの、芳香族炭化水素、炭化水素、エーテルおよびハロゲン化炭化水素などの、反応に不活性な溶媒の単独、またはそれらの混合物が挙げられ、その使用量は特に制限されない。また、溶媒中に水分が存在すると、反応試薬であるトリフルオロメタンスルホン酸無水物と副反応を起こし、実際の反応当量比が変わるため、無水の溶媒を用いるか、予め、含まれる水分量を把握して、使用量を調整して理論的な当量より多く仕込んでおくことが望ましい。
この反応に用いられる溶媒としては、発生する酸を捕捉して触媒反応を促進するためにアミン系の溶媒が用いられる。かかる溶媒としてはジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミンおよびトリブチルアミンなどの3級アミン類、ピリジンおよびピペリジンなどの環状アミン類があげられる。これらの溶媒は単独、または2種以上を組み合わせて用いられる。その使用量は特に制限されない。また、これらの溶媒は、副反応や触媒の失活などを防ぐために、予め蒸留しておくことが望ましい。
前記アルカリ金属水酸化物としては、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムが好ましく、その添加量としては、一般式(7)で表される化合物のX1量に対して、1当量倍以上、10当量倍以下が好ましい。
前記反応溶媒としては、アルカリ金属水酸化物と反応しうるエステル類以外であれば、特に制限はないが、アルカリ金属水酸化物の溶解性が高い、メタノール、エタノール、ブタノールおよびイソプロパノールなどのアルコール系溶媒が好ましい。溶媒量は特に制限されないが、操作の容易性から、一般式(7)で表される化合物に対して3重量倍以上、50重量倍以下を用いるのが良い。
まず、一般式(10)で表される化合物を得る方法の例としては、フェノール樹脂(一般式(4))とフルオロニトロベンゼン(一般式(9))から、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンおよびジメチルスルホキシドなどの極性溶媒中、炭酸カリウムや炭酸ナトリウムなどの塩基の存在下、100℃以上、200℃以下の温度範囲で反応させる。このようにして得られた反応生成物に、通常の分離手段、例えば抽出、分液、濃縮などの操作を施すことにより、一般式(10)で表される反応生成物を得ることができ、これは必要に応じてカラムクロマトグラフィー、再沈殿などにより、精製することができる。
上記反応において、反応時間は特に制限されない。フルオロニトロベンゼンの使用量としては、フェノール樹脂の水酸基に対して、1当量倍以上、2当量倍以下が好ましい。前記塩基の使用量としては、フェノール樹脂の水酸基に対して、1当量倍以上、10当量倍以下が好ましい。前記溶媒量は特に制限されない。
上記反応において、反応時間は特に制限されない。前記溶媒量としては、ニトロフェノキシ芳香族化合物(一般式(10))に対して、1重量倍以上、10重量倍以下を用いることが好ましい。また、前記触媒の使用量としては、一般式(10)で表される化合物のニトロ基に対して、0.1mol%以上、10mol%以下が好ましい。
前記鉱酸としては硫酸、塩酸、硝酸および臭化水素酸などが挙げられ、その使用量は特に制限されない。前記亜硝酸ナトリウム及び前記ヨウ化カリウムまたはヨウ化ナトリウムの使用量としては、一般式(11)で表される化合物のアミノ基に対して、1当量倍以上、2当量倍以下が好ましい。
上記反応における、反応時間は特に制限されない。
また、前記溶媒としては、ベンゼン、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの、芳香族炭化水素、炭化水素、エーテルおよびハロゲン化炭化水素などの、反応に不活性な溶媒の単独、またはそれらの混合物が挙げられ、その使用量は特に制限されない。また、溶媒中に水分が存在すると、反応試薬であるトリフルオロメタンスルホン酸無水物と副反応を起こし、実際の反応当量比が変わるため、無水の溶媒を用いるか、予め、含まれる水分量を把握して、使用量を調整して理論的な当量より多く仕込んでおくことが望ましい。
この反応に用いられる溶媒としては、発生する酸を捕捉して触媒反応を促進するためにアミン系の溶媒が用いられる。かかる溶媒としてはジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミンおよびトリブチルアミンなどの3級アミン類、ピリジンおよびピペリジンなどの環状アミン類があげられる。これらの溶媒は単独、または2種以上を組み合わせて用いられる。その使用量は特に制限されない。また、これらの溶媒は、副反応や触媒の失活などを防ぐためにあらかじめ蒸留しておくことが望ましい。
前記アルカリ金属水酸化物としては、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムが好ましく、その添加量としては、一般式(14)で表される化合物のX1量に対して、1当量倍以上、10当量倍以下が好ましい。
前記反応溶媒としては、アルカリ金属水酸化物と反応しうるエステル類以外であれば、特に制限はないが、アルカリ金属水酸化物の溶解性が高い、メタノール、エタノール、ブタノールおよびイソプロパノールなどのアルコール系溶媒が好ましい。溶媒量は特に制限されないが、操作の容易性から、一般式(6)で表される化合物に対して3重量倍以上、50重量倍以下を用いるのが良い。
まず、一般式(16)で表される化合物を得る方法としては、フェノール樹脂(一般式(4))を溶媒に溶解し、−78℃以上、10℃以下で冷却した溶液に、脱離基を有する安息香酸と塩化チオニルの反応より得られる脱離基を有する安息香酸塩化物(式(15’’))を加え、0℃ないし、溶媒の沸点以下の温度範囲で反応させる。この時、反応時間は特に制限されない。このとき、反応を促進させるために、塩基を加えても良い。このようにして得られた反応生成物に、通常の分離手段、例えば、抽出、分液、濃縮などの操作を施すことにより、一般式(16)で表される化合物を得ることができる。また、これを必要に応じて、カラムクロマトグラフィー、再沈殿などにより精製することができる。
前記溶媒としては、ベンゼン、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの、芳香族炭化水素、炭化水素、エーテルおよびハロゲン化炭化水素などの、反応に不活性な溶媒の単独、またはそれらの混合物が挙げられ、その使用量は特に制限されない。また、溶媒中に水分が存在すると、反応試薬である安息香酸塩化物と副反応を起こし、実際の反応当量比が変わるため、無水の溶媒を用いるか、予め、含まれる水分量を把握して、使用量を調整して理論的な当量より多く仕込んでおくことが望ましい。
前記一般式(6)中のX1がアセチレンの保護基である場合、一般式(6)で表される化合物としては、保護基X1がアルカリ金属の水酸化物で脱保護できる化合物であれば制限はないが、保護基X1がトリメチルシリル基であるトリメチルシリルアセチレンや、ヒドロキシプロピル基である2−メチル−3−ブチン−2−オールなどが好適である。一般式(6)で表される化合物の使用量としては、一般式(5)で表される化合物の脱離基に対して、1当量倍以上、2当量倍以下が好ましい。
この反応に用いられる溶媒としては、発生する酸を捕捉して触媒反応を促進するためにアミン系の溶媒が用いられる。かかる溶媒としてはジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミンおよびトリブチルアミンなどの3級アミン類、ピリジンおよびピペリジンなどの環状アミン類があげられる。これらの溶媒は単独、または2種以上を組み合わせて用いられる。その使用量は特に制限されない。また、これらの溶媒は、副反応や触媒の失活などを防ぐために、予め蒸留しておくことが望ましい。
また、一般式(18)で表される化合物の例として、アセチレン基を有する安息香酸の塩化物(一般式(18’))の例を示したが、フルオロ安息香酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸およびヨード安息香酸などの、フッ化物、臭化物、塩化物およびヨウ化物などのハロゲン化物や、メチルエステル、フェニルエステル、ピリジルエステル、キノリルエステル、キノキサリルエステルおよびベンゾトリアゾールエステル、などのエステル化物を用いても良い。これらの内、塩化物、ピリジルエステルおよびベンゾトリアゾールエステルが好ましく、塩化物がより好ましい。
前記アルカリ金属水酸化物としては、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムが好ましく、その添加量としては、一般式(17)で表される化合物のX1量に対して、1当量倍以上、10当量倍以下が好ましい。
前記反応溶媒としては、アルカリ金属水酸化物と反応しうるエステル類以外であれば、特に制限はないが、アルカリ金属水酸化物の溶解性が高い、メタノール、エタノール、ブタノールおよびイソプロパノールなどのアルコール系溶媒が好ましい。溶媒量は特に制限されないが、操作の容易性から、一般式(17)で表される化合物に対して3重量倍以上、50重量倍以下が好ましい。
(1)核磁気共鳴スペクトル分析(1H−NMR): 日本電子製JNM−GSX400型を用いて、共鳴周波数400MHzで測定した。測定溶媒は、重水素化溶媒である重水素化ジメチルスルホキシドDMSO−d6または重水素化クロロホルムCDCl3用いた。
(2)赤外分光分析(IR): 島津社製FT−IR8900型を用いて、KBr錠剤法により測定した。
(3)元素分析: 炭素及び水素はPERKIN ELMER社製2400型を用いて測定した。
(4)分子量: 東ソ−株式会社製高速液体クロマトグラフSD−8022型を用いて、ポリスチレン換算により、重量平均分子量Mw、数平均分子量Mnを算出した。
(5)熱重量分析: セイコ−インスツルメンツ(株)製TG/DTA6200型を用いて、200mL/分の乾燥窒素気流下、昇温速度+5℃/分の条件により、室温から370℃まで昇温後、370℃で30分間保持した際の重量減少量を測定した。
(6)比誘電率: 日本エス・エス・エム(株)製自動水銀プローブCV測定装置SSM495を用いて、温度22℃、湿度45%の雰囲気下において、得られた化合物を熱硬化させて作製した皮膜(膜厚1μm)の比誘電率を測定した。皮膜は、測定用試料とN−メチルピロリドンからなるコーティングワニスをスピンコート法により均一な膜厚とした後、150℃で10分間加熱乾燥させ、更に、窒素を流入して酸素濃度を100ppm以下に制御したオーブンを用いて、350℃で60分間加熱したものを用いた。
(7)弾性率:エリオニクス(株)製ENT−1100を用いて、温度22℃、湿度50%の雰囲気下で、得られた化合物より作製した膜厚30μmの皮膜の弾性率を測定した。皮膜は、上記比誘電率測定用試料と同様にして作製した。
(1)[ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)から、ポリ(トリフルオロメタンスルホニロキシフェニレンメチレン)の合成]
ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)(Mw=3500,Mn=750)29.0g(274mmol/1単位ユニット)、ピリジン200mLを、乾燥窒素雰囲気下で撹拌し、溶解させた。反応液を0℃に冷却した後、液温を5℃以下に保ちながら、トリフルオロメタンスルホン酸無水物60.0mL(357mmol)を滴下した。0℃で1時間撹拌後、室温で14時間撹拌した。反応液をイオン交換水2.50Lに投入し、ポリマーを再沈殿させて回収した。析出固体を酢酸エチル1.00Lで抽出し、有機層を1mol/L塩酸水溶液100mLで洗浄し、続けて飽和食塩水200mLで2回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下で除去することで、ポリ(トリフルオロメタンスルホニロキシフェニレンメチレン)58.3gを得た。
上記で得たポリ(トリフルオロメタンスルホニロキシフェニレンメチレン)48.9g(205mmol/1単位ユニット)、エチニルベンゼン29.4g(288mmol)およびピリジン150mLを、乾燥窒素雰囲気下で撹拌し、溶解させた。続けて、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム4.35g(6.20mmol)、トリフェニルホスフィン4.61g(17.5mmol)、ヨウ化銅1.97g(10.3mmol)およびトリエチルアミン150mLを加えた後、100℃で9時間加熱した。反応液を濾過後、溶媒を減圧下で濃縮し、イオン交換水3.00Lに投入し、ポリマーを再沈殿させて回収した。析出固体をカラムクロマトグラフィーにより精製後、60℃で減圧乾燥させることで、ポリ((フェニルエチニル)フェニレンメチレン)を38.0g得た。
なお、得られた化合物の各種スペクトルデータを以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,ppm):δ3.05−4.97(2H),6.70−7.75(8H)
IR(KBr,/cm):3056,3030,2970,2922,2214
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:94.70%,H:5.30%、[実測値]C:93.12%,H:5.59%
GPC:Mw=4520、Mn=980
熱重量減少量(/wt%):0.91
比誘電率:3.0
弾性率(/GPa):8.2
(1)[ポリ(トリフルオロメタンスルホニロキシフェニレンメチレン)から、ポリ((3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル)フェニレンメチレン)の合成]
実施例1において、エチニルベンゼン29.4g(288mmol)を、2−メチル−3−ブチン−2−オール24.2g(288mmol)とした以外は、実施例1と同様にして、ポリ((3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル)フェニレンメチレン)を35.0g得た。
上記で得たポリ((3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル)フェニレンメチレン)30.0g(174mmol/1単位ユニット)、水酸化カリウム29.3g(522mmol)およびイソプロパノール250mLを、乾燥窒素雰囲気下、100℃で5時間撹拌した。反応液を濾過後、溶媒を減圧下で濃縮し、イオン交換水3.00Lに投入し、ポリマーを再沈殿させて回収した。析出固体を60℃で減圧乾燥させることで、ポリ(エチニルフェニレンメチレン)を17.8g得た。
なお、得られた化合物の各種スペクトルデータを以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,ppm):δ2.98−4.90(3H),6.80−7.59(3H)
IR(KBr,/cm):3056,3028,2980,2932,2111
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:94.70%,H:5.30%、[実測値]C:92.99%,H:5.98%
GPC:Mw=4020、Mn=880
熱重量減少量(/wt%):0.93
比誘電率:3.3
弾性率(/GPa):8.4
(1)[ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)から、ポリ(ニトロフェノキシフェニレンメチレン)の合成]
ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)(Mw=870,Mn=350)47.6g(449mmol/1単位ユニット)、4−フルオロニトロベンゼン88.7g(629mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド200mLを、乾燥窒素雰囲気下で撹拌し、溶解させた。続けて、炭酸カリウム129g(933mmol)を加えた後、反応液を135℃で8時間撹拌した。反応液を濾過後、溶媒を減圧下で濃縮し、メタノール3.00Lに投入し、ポリマーを再沈殿させて回収した。析出固体を60℃で減圧乾燥させることで、ポリ(ニトロフェノキシフェニレンメチレン)を88.0g得た。
上記で得たポリ(ニトロフェノキシフェニレンメチレン)45.2g(199mmol/1単位ユニット)、10重量%パラジウム−活性炭11.5g(10.8mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド150mLを、乾燥水素雰囲気下、室温で22時間撹拌した。反応液を濾過後、溶媒を減圧下で濃縮し、イオン交換水2.50Lに投入し、ポリマーを再沈殿させて回収した。析出固体を60℃で減圧乾燥させることで、ポリ(アミノフェノキシフェニレンメチレン)を23.7g得た。
上記で得たポリ(アミノフェノキシフェニレンメチレン)19.0g(96.3mmol/1単位ユニット)、濃硫酸44.9gおよびイオン交換水250mLを、乾燥水素雰囲気下、0℃で撹拌した。5℃以下を保ちながら、亜硝酸ナトリウム10.1g(146mmol)をイオン交換水30.0mLに溶解させたものを滴下し、更に0℃で1時間撹拌した。次に、5℃以下を保ちながら、ヨウ化カリウム20.3g(122mmol)をイオン交換水20.0mLに溶解させたものを滴下し、更に0℃で1時間撹拌、室温で15時間撹拌した。反応液を濾過して得られた濾過物を、5重量%亜硫酸水素ナトリウム水溶液600mL中で2回、イオン交換水600mL中で1回、更にメタノール600mL中で1回、それぞれ30分間撹拌し、洗浄及び精製を行った。得られた固体を60℃で減圧乾燥させることで、ポリ(ヨードフェノキシフェニレンメチレン)を18.4g得た。
上記で得たポリ(ヨードフェノキシフェニレンメチレン)5.00g(16.2mmol/1単位ユニット)、エチニルベンゼン2.15g(21.1mmol)およびピリジン30.0mLを、乾燥窒素雰囲気下で撹拌し、溶解させた。続けて、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.340g(0.484mmol)、トリフェニルホスフィン0.380g(1.45mmol)、ヨウ化銅0.155g(0.814mmol)およびトリエチルアミン30mLを加えた後、100℃で9時間加熱した。反応液を濾過後、溶媒を減圧下で濃縮し、イオン交換水300mLに投入し、ポリマーを再沈殿させて回収した。析出固体をカラムクロマトグラフィーにより精製後、60℃で減圧乾燥させることで、ポリ((フェニルエチニルフェノキシ)フェニレンメチレン)を4.10g得た。
なお、得られた化合物の各種スペクトルデータを以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,ppm):δ3.10−4.94(2H),6.82−7.69(12H)
IR(KBr,/cm):3056,3021,2977,2912,2219
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:89.34%,H:5.00%,O:5.67%、[実測値]C:88.21%,H:5.13%,O:5.97%
GPC:Mw=4680、Mn=1080
熱重量減少量(/wt%):0.93
比誘電率:3.0
弾性率(/GPa):8.2
(1)[ポリ(ヨードフェノキシフェニレンメチレン)から、ポリ(((3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル)フェノキシ)フェニレン)の合成]
実施例3において、エチニルベンゼン2.15g(21.1mmol)を、2−メチル−3−ブチン−2−オール1.78g(21.2mmol)とした以外は、実施例1と同様にして、ポリ(((3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル)フェノキシ)フェニレン)を3.80g得た。
上記で得たポリ(((3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル)フェノキシ)フェニレン)3.50g(13.2mmol/1単位ユニット)、水酸化カリウム2.22g(39.6mmol)およびイソプロパノール50mLを、乾燥窒素雰囲気下、100℃で5時間撹拌した。反応液を濾過後、溶媒を減圧下で濃縮し、イオン交換水500mLに投入し、ポリマーを再沈殿させて回収した。析出固体を60℃で減圧乾燥させることで、ポリ((フェニルエチニルフェノキシ)フェニレンメチレン)を2.60g得た。
なお、得られた化合物の各種スペクトルデータを以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,ppm):δ3.00−4.92(3H),6.81−7.70(7H)
IR(KBr,/cm):3050,3029,2978,2919,2110
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:87.36%,H:4.89%,O:7.76%、[実測値]C:86.90%,H:5.11%,O:7.07%
GPC:Mw=4100、Mn=980
熱重量減少量(/wt%):0.90
比誘電率:3.1
弾性率(/GPa):8.1
[ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)から、ポリ((フェニルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)の合成]
ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)(Mw=3500,Mn=750)29.0g(274mmol/1単位ユニット)およびテトラヒドロフラン300mLを、乾燥窒素雰囲気下で撹拌し、溶解させた。反応液を5℃に冷却した後、フェニルエチニル安息香酸塩化物72.5g(301mmol)を投入した。続けて、液温を15℃以下に保ちながら、トリエチルアミン31.3g(310mmol)を滴下した。反応液を60℃で5時間撹拌後、室温まで冷却した。反応液にイオン交換水を1.00mL投入した後、濾過を行った。濾液をイオン交換水2.50Lに投入し、ポリマーを再沈殿させて回収した。析出固体を50℃で減圧乾燥させることで、ポリ((フェニルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)を76.5g得た。
なお、得られた化合物の各種スペクトルデータを以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,ppm):δ3.2−4.2(2H),6.5−8.2(12H)
IR(KBr,/cm):3034,2905,2216,1736,1605
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:85.14%,H:4.55%、[実測値]C:84.29%,H:4.71%
GPC:Mw=7500、Mn=1600
熱重量減少量(/wt%):0.64
比誘電率:3.0
弾性率(/GPa):8.3
(1)[ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)から、ポリ((ブロモベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)の合成]
実施例5において、フェニルエチニル安息香酸塩化物72.5g(301mmol)を、ブロモ安息香酸塩化物65.8g(300mmol)とした以外は、実施例5と同様にして、ポリ((ブロモベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)を71.3g得た。
(2)[ポリ((ブロモベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)から、ポリ((フェニルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)の合成]
上記で得たポリ((ブロモベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)59.3g(205mmol/1単位ユニット)、エチニルベンゼン29.4g(288mmol)およびピリジン150mLを、乾燥窒素雰囲気下で撹拌し、溶解させた。続けて、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム4.35g(6.20mmol)、トリフェニルホスフィン4.61g(17.5mmol)、ヨウ化銅1.97g(10.3mmol)およびトリエチルアミン150mLを加えた後、100℃で9時間加熱した。反応液を濾過後、溶媒を減圧下で濃縮し、イオン交換水3.00Lに投入し、ポリマーを再沈殿させて回収した。析出固体をカラムクロマトグラフィーにより精製後、60℃で減圧乾燥させることで、ポリ((フェニルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)を60.4g得た。
なお、得られた化合物の各種スペクトルデータを以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,ppm):δ3.2−4.2(2H),6.5−8.2(12H)
IR(KBr,/cm):3033,2905,2215,1736,1605
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:85.14%,H:4.55%、[実測値]C:84.64%,H:4.75%
GPC:Mw=7250、Mn=1450
熱重量減少量(/wt%):0.73
比誘電率:3.0
弾性率(/GPa):8.3
[ポリ(ヒドロキシフェニレン−アダマンチルメチレン)から、ポリ((フェニルエチニルベンゾイルオキシ))フェニレン−アダマンチルメチレン)の合成]
実施例5において、ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)(Mw=3500,Mn=750)29.0g(274mmol/1単位ユニット)をポリ(ヒドロキシフェニレン−アダマンチルメチレン)(Mw=2530,Mn=1320)65.0g(270mmol/1単位ユニット)とした以外は、実施例5と同様にして、ポリ((フェニルエチニルベンゾイルオキシ))フェニレン−アダマンチルメチレン)を101g得た。
なお、得られた化合物の各種スペクトルデータを以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,ppm):δ0.7−2.2(15H),6.3−7.9(12H)
IR(KBr,/cm):3040,2910,2219,1736,1609
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:86.45%,H:6.35%、[実測値]C:88.24%,H:6.40%
GPC:Mw=4910、Mn=1920
熱重量減少量(/wt%):0.81
比誘電率:2.7
弾性率(/GPa):9.2
[ポリ(4−アダマンチル−1−ヒドロキシフェニレンメチレン)から、ポリ(4−アダマンチル−1−(フェニルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)の合成]
実施例5において、ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)((Mw=3500,Mn=750)29.0g(274mmol/1単位ユニット)をポリ(4−アダマンチル−1−ヒドロキシフェニレンメチレン)(Mw=1200,Mn=650)65.0g(270mmol/1単位ユニット)とした以外は、実施例5と同様にして、ポリ(4−アダマンチル−1−(フェニルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)を90.9g得た。
なお、得られた化合物の各種スペクトルデータを以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,ppm):δ0.7−2.2(15H),3.2−4.1(2H),6.5−7.9(11H)
IR(KBr,/cm):3056,3031,2972,2210,1750,1609
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:86.45%,H:6.35%、[実測値]C:84.20%,H:6.49%
GPC:Mw=3040、Mn=920
熱重量減少量(/wt%):0.79
比誘電率:2.8
弾性率(/GPa):9.2
[ポリ(4−アダマンチル−1−ヒドロキシフェニレン−アダマンチルメチレン)から、ポリ(4−アダマンチル−1−(フェニルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)の合成]
実施例5において、ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)(Mw=3500,Mn=750)29.0g(274mmol/1単位ユニット)をポリ(4−アダマンチル−1−ヒドロキシフェニレン−アダマンチルメチレン)(Mw=1220,Mn=690)103g(275mmol/1単位ユニット)とした以外は、実施例5と同様にして、ポリ(4−アダマンチル−1−(フェニルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)を132g得た。
なお、得られた化合物の各種スペクトルデータを以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,ppm):δ0.7−2.3(30H),6.5−8.0(11H)
IR(KBr,/cm):3040,2912,2220,1740,1600
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:87.16%,H:7.31%、[実測値]C:86.20%,H:7.39%
GPC:Mw=2190、Mn=1000
熱重量減少量(/wt%):0.59
比誘電率:2.7
弾性率(/GPa):9.8
[ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)から、ポリ((アダマンチルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)の合成]
実施例5において、フェニルエチニル安息香酸塩化物72.5g(301mmol)を、アダマンチル安息香酸塩化物89.9g(301mmol)とした以外は、実施例5と同様にして、ポリ((アダマンチルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレンメチレン)を89.2g得た。
なお、得られた化合物の各種スペクトルデータを以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,ppm):δ0.7−2.2(15H),3.2−4.3(2H),6.8−7.6(7H)
IR(KBr,/cm):3040,2912,2191,1720,1612
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:84.75%,H:6.57%、[実測値]C:86.20%,H:6.69%
GPC:Mw=4190、Mn=1770
熱重量減少量(/wt%):0.72
比誘電率:2.8
弾性率(/GPa):9.3
[ポリ(4−アダマンチル−1−ヒドロキシフェニレン−アダマンチルメチレン)から、ポリ(4−アダマンチル−1−(アダマンチルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)の合成]
実施例5において、ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)(Mw=3500,Mn=750)29.0g(274mmol/1単位ユニット)をポリ(4−アダマンチル−1−ヒドロキシフェニレン−アダマンチルメチレン)(Mw=1220,Mn=690)103g(275mmol/1単位ユニット)、フェニルエチニル安息香酸塩化物72.5g(301mmol)を、アダマンチル安息香酸塩化物89.9g(301mmol)とした以外は、実施例5と同様にして、ポリ(4−アダマンチル−1−(アダマンチルエチニルベンゾイルオキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)を139g得た。
なお、得られた化合物の各種スペクトルデータを以下に示す。これらのデータは、得られた化合物が目的物であることを示している。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,ppm):δ0.7−2.3(45H),6.8−7.6(6H)
IR(KBr,/cm):3034,2945,2200,1721,1609
元素分析:[理論値(1単位ユニット換算)]C:86.75%,H:8.23%、[実測値]C:87.20%,H:8.30%
GPC:Mw=2010、Mn=1010
熱重量減少量(/wt%):0.94
比誘電率:2.6
弾性率(/GPa):9.8
[ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)から、ポリ((2−プロピノキシ)フェニレンメチレン)の合成]
ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)22.3g(210mmol/1単位ユニット)、臭化プロパルギル50.5g(425mmol)、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム1.45g(6.37mmol)、テトラヒドロフラン120mLを、乾燥窒素雰囲気下、50℃で撹拌しながら、水酸化カリウム60.7g(1.08mol)をイオン交換水60.0mLに溶解させたものを加えた。反応液を60℃で6時間した。反応液を減圧下で加熱し、臭化プロパルギルとテトラヒドロフランを除去した。析出固体を酢酸エチル200mLで抽出し、有機層をイオン交換水500mLで2回洗浄後、メタノール2000mLに投入し、ポリマーを再沈殿させて回収した。析出固体を60℃で減圧乾燥させることで、ポリ((2−プロピノキシ)フェニレンメチレン)を14.7g得た。
熱重量減少量(/wt%):4.30
比誘電率:3.6
弾性率(/GPa):5.0
[ポリ((2−プロピノキシ)フェニレンメチレン)から、ポリ((3−フェニル−2−プロピノキシ)フェニレンメチレン)の合成]
比較例1で得たポリ((2−プロピノキシ)フェニレンメチレン)3.43g(23.8mmol/1単位ユニット)、ヨウ化ベンゼン6.38g(31.3mmol)、ピリジン20.0mLを、乾燥窒素雰囲気下で撹拌し、溶解させた。続けて、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.0837g(0.119mmol)、トリフェニルホスフィン0.0956g(0.364mmol)、ヨウ化銅0.0452g(0.237mmol)、トリエチルアミン20mLを加えた後、70℃で3時間加熱した。反応液を濾過後、メタノール1.00Lに投入し、ポリマーを再沈殿させて回収した。析出固体を60℃で減圧乾燥させることで、ポリ((3−フェニル−2−プロピノキシ)フェニレンメチレン)を4.10g得た。
熱重量減少量(/wt%):7.11
比誘電率:3.5
弾性率(/GPa):5.1
[3−エチニルフェノールから、ポリ((3−エチニル−1−ヒドロキシ)フェニレン)の合成]
3−エチニルフェノール5.00g(42.3mmol)とメタノール10.0mLを室温で撹拌しながら、西洋ワサビペルオキシダーゼ2.00gをpH=7のリン酸緩衝液10.0mLを加えた。続けて、5重量%過酸化水素を28.8mL(42.3mmol)を3時間かけて滴下し、更に室温で3時間撹拌した。析出物を反応液より遠心分離し、メタノール50mL及びイオン交換水50mL中で撹拌し、洗浄した。得られた固体を減圧乾燥させることで、ポリ((3−エチニル−1−ヒドロキシ)フェニレン)が3.25g得られた。
熱重量減少量(/wt%):8.72
比誘電率:4.0
弾性率(/GPa):5.0
以上から明らかな様に、本発明により提供される熱硬化性樹脂は、機械特性および電気特性を低下させることなく、370℃においても耐熱性に優れることが示された。
Claims (12)
- 前記熱硬化性樹脂が、ダイヤモンドイド構造を含む置換基を有するものである、請求項1〜3のいずれかに記載の熱硬化性樹脂。
- 前記ダイヤモンドイド構造が、アダマンチル基、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基およびウンデカマンチル基の中から選ばれる少なくとも1種である、請求項4に記載の熱硬化性樹脂。
- 一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物のヒドロキシ基を、アセチレンとのカップリング反応時に脱離しうる脱離基を含む基に変換する工程を含むことを特徴とする、一般式(1)で表される熱硬化性樹脂の製造法。
- 一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物と酸無水物とを反応させる工程を含む、請求項6に記載の一般式(1)で表される熱硬化性樹脂の製造法。
- 一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物のヒドロキシ基を、アセチレンとのカップリング反応時に脱離しうる脱離基を含む基に変換する工程を含むことを特徴とする、一般式(2)で表される熱硬化性樹脂の製造法。
- 一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物とフルオロニトロベンゼンとを反応させる工程を含む、請求項8に記載の一般式(2)で表される熱硬化性樹脂の製造法。
- 一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物のヒドロキシ基を、アセチレンとのカップリング反応時に脱離しうる脱離基を含む基に変換する工程を含むことを特徴とする、一般式(3)で表される熱硬化性樹脂の製造法。
- 一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物と、安息香酸ハロゲン化物または安息香酸エステル化物とを反応させる工程を含む、請求項10に記載の一般式(3)で表される熱硬化性樹脂の製造法。
- 一般式(4)で表されるヒドロキシ芳香族化合物と、アセチレン基を有する安息香酸ハロゲン化物または安息香酸エステル化物とを反応させる工程を含むことを特徴とする、一般式(3)で表される熱硬化性樹脂の製造法。
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-
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