JP3831301B2 - 含フッ素化合物及びこれを用いたフッ素化シアノアリールエーテル重合体並びにその架橋体 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、電気・電子材料等として有用なフッ素化シアノアリールエーテル重合体と、該重合体の原料となるフッ素化シアノアリールエーテル、並びに該重合体をさらに架橋させることによって得られる架橋体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
芳香族シアノアリールエーテル重合体(PEN)は、耐熱性、耐加水分解性等に優れた性能を有するポリマーである。しかし、PENは溶剤への溶解性が乏しく成形性に劣るため、高性能を有するにも拘わらず、汎用されるまでには至っていない。
【0003】
そこで、本発明者らはPENの汎用化を増進すべく研究を行っているが、その一環として、PENの分子中にフッ素原子を導入して、主鎖間の凝集力を弱めることで、溶剤への溶解性を高める技術を開発し、特開平2002−12662号を提案した。この公開発明によれば、PEN分子へのフッ素原子の導入によって、溶剤に対する溶解度の向上のみならず、耐炎性、熱安定性およびガラス転移温度が向上し、さらには、着色、結晶性、誘電率、吸湿性も低下するため、家庭用品から宇宙産業に亘るまで幅広い分野での活用が期待されるようになった。
【0004】
しかしながら、重合体分子へのフッ素原子の導入によって、上記のような様々な特性が向上した反面、成形後、製品として汎用化する際に、溶剤に対する耐性が低下するという新たな問題が生じてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の事情に着目してなされたものであって、その目的は、成形体原料として溶剤に対する優れた溶解性を失うことなく、且つ優れた成形性その他の特性を保持しながら、成形後は高レベルの耐溶剤性を示すフッ素化シアノアリールエーテル重合体を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のフッ素化シアノアリールエーテル重合体は、下記一般式(I)で表される構造を繰り返し単位として含むところに要旨を有する。ただし、式中R1は反応性不飽和結合を有する基、R2は2価の有機基を表し、mはフッ素原子の置換数を示す。
【0007】
【化1】
【0008】
このようなフッ素化シアノアリールエーテル重合体は、優れた溶剤溶解性を有するため、加工性が良好で作業性に優れている。
【0009】
上記一般式(I)においてR1が、下記式(II)で示される基であることが好ましい。このような反応性不飽和結合を分子内に有する重合体は、該重合体を成形加工した後に架橋させることで、耐溶剤性を備えた成形体を得ることができるからである。
【0010】
【化2】
【0011】
また、下記式(III)で表される含フッ素化合物は、上記重合体の製造原料として有用な化合物であり、それ自身新規な化合物として本発明に含まれる。
【0012】
【化3】
【0013】
さらに、上記一般式(I)で表される重合体は溶剤に対して優れた溶解性を有しているため、様々な形態への加工が容易であり、しかも、加工後に所定の架橋処理を施すことによって得られる架橋体は、耐溶剤性に優れたものとして本発明の範囲に含まれる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明者らは前述したような解決課題の下で、耐熱性や絶縁性等の特性から電気・電子材料等として有用なフッ素化シアノアリールエーテル重合体に耐溶剤性を付与すべく検討を重ねてきた。その結果、反応性不飽和結合を有する基を導入したフッ素化シアノアリールエーテル重合体を所望の形状に成形した後、該重合体中の反応性不飽和結合を反応させて架橋体とすれば、他の諸特性を保持したまま成形品の耐溶剤性を向上し得ることを見出し、本発明を完成した。
【0015】
本発明のフッ素化シアノアリールエーテル重合体は、下記一般式(I)で表される構造を繰り返し単位として含む重合体であり、(I)式中、R1は反応性不飽和結合を有する基、R2は2価の有機基、mはフッ素の置換数を示している。本発明の最大の特徴は、分子中にフッ素を導入することで高い溶解性を与えた重合体を得る際に、原料モノマー中に、予めR1として反応性不飽和結合を有する基を導入しておき、該重合体を任意の形態に成形した後、R1を反応させ架橋体とすることで、優れた耐溶剤性の付与を可能にしたところにある。
【0016】
【化1】
【0017】
上記(I)式中、R1は反応性不飽和結合を有する基を表している。このR1は、重合体を任意の形態に加工した成形品に耐溶剤性を付与するために不可欠である。具体的には、重合体を成形した後、該R1が有している反応性不飽和結合を反応させることで、該重合体分子間の架橋が進み、三次元構造を形成するため耐溶剤性が発現するのである。このような架橋構造体は、架橋されていない高分子に比べて分子の自由運動が阻害されるため、剛性が大きく、熱による変形を起こしにくく、また溶剤にも溶けにくくなる。このような架橋構造を与えるための基R1としては、二重結合、三重結合または(メタ)アクリロイル基のように重合性を有するものであれば特に限定されないが、好ましいものとしては、下記式(II)で示されるヒドロキシスチルベン由来の基、フェニルエチニル由来の基、プロパギルオキシ由来の基、シアネート由来の基、オキサゾリン由来の基等が挙げられる。これらの中でも特に好ましいのは、下記式(II)に示されるヒドロキシスチルベン由来の基である。
【0018】
【化2】
【0019】
尚、本発明のフッ素化シアノアリールエーテル重合体中には、複数の異なるR1が存在する場合が考えられるが、該R1は単一であってもあるいはそれぞれ異なるものであってもかまわない。
【0020】
上記(I)式中R2は2価の有機基を示すものである。具体的には、メチレン(−CH2−)、エチレン(−CH2CH2−)、プロピレン(−CH2CH(CH3)−)、トリメチレン(−CH2CH2CH2−)、テトラメチレン(−CH2(CH2)2CH2−)、ペンタメチレン(−CH2(CH2)3CH2−)、ヘキサメチレン(−CH2(CH2)4CH2−)、プロペニレン(−CH2CH=CH−)、ビニレン(−CH=CH−)、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサメチレン(−CH2(CF2)4CH2−)、及び2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロオクタメチレン(−CH2(CF2)6CH2−)等の炭素原子数が1〜12、好ましくは1〜6の直鎖または分岐鎖の、飽和あるいは不飽和アルキレン基、式:−CH2−CH2−O−CH2−CH2−で表される基、ならびにo−、m−またはp−ベンゼンジメチレン、o−、m−またはp−ベンゼンテトラフルオロジメチレン、o−、m−またはp−フェニレン、2価のナフタレン、ビフェニル、アントラセン、o−、m−またはp−テルフェニル、フェナントレン、ジベンゾフラン、ビフェニルエーテル、ビフェニルスルホン、フェノールフタレインおよび下記式で表わされる9種の芳香族基などが挙げられる。
【0021】
【化4】
【0022】
尚、本発明における2価の有機基の炭素原子に直接結合する水素は、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基等で置換されていてもよい。上述の2価の有機基のうち、R2として好ましいのは2価の芳香族基であり、より好ましくは芳香族基を官能基で繋いだもの(ビフェニルエーテル、ビフェニルスルホン,ジフェニルスルフィド、ジフェニルケトン)および下記式で示される8種の芳香族基である。
【0023】
【化5】
【0024】
本発明においては、得られる重合体に溶剤への良好な溶解性を与えて加工性を向上させるため、フッ素原子の導入を必須としている。上記(I)式中、mはフッ素原子の置換数を示しており、mの値は1または2である。好ましくはm=2である。
【0025】
本発明のフッ素化シアノアリールエーテル重合体中における繰り返し単位は同一であってもあるいは異なるものであってもかまわない。繰り返し単位が異なる場合には、これがブロック状またはランダム状のいずれであってもよい。
【0026】
本発明において最も好ましいフッ素化シアノアリールエーテル重合体は下記式(IV)で表される構造を繰り返し単位とするものである。尚、R2は上述の定義と同様の2価の有機基である。
【0027】
【化6】
【0028】
また、下記式(III)で表される含フッ素化合物は、それ自身新規な化合物であり、上記式(I)の出発原料として、あるいは本発明の重合体を架橋させる際の架橋剤として用いることが可能である。該化合物は、反応性不飽和結合を有する基としてジフェニルスチルベン由来の基を有し、ベンゼン環に4個のフッ素が置換した化合物である。
【0029】
【化3】
【0030】
次に本発明のフッ素化シアノアリールエーテル重合体の製造方法について説明する。本発明のフッ素化シアノアリールエーテル重合体は、下記式(V):
【0031】
【化7】
【0032】
で示されるテトラフルオロベンゾニトリル誘導体と、下記式(VI):
【0033】
【化8】
【0034】
で示されるジヒドロキシ化合物とを塩基性触媒の存在下で重縮合反応させることによって製造される。尚、上記式(V)におけるR1および式(VI)におけるR2の定義は、上記一般式(I)におけるR1及びR2の定義と同様である。
【0035】
本発明において、式(V)で示されるテトラフルオロベンゾニトリル誘導体は、公知の方法によって製造することができ、例えば、式:R1H[式中、R1は上記式(I)における定義と同様である]で示される化合物を有機溶媒中で塩基性化合物の存在下、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾニトリル(以下、PFBNと略す)と反応させることによって得られる。
【0036】
上記反応において、式:R1Hで示される化合物およびPFBNは、それぞれ単一の化合物として使用してもあるいは2種以上の式:R1Hで示される化合物および/またはPFBNの混合物の形態で使用してもよいが、精製工程やポリマーの物性などを考慮すると、単一の化合物として使用することが好ましい。なお、上記いずれの場合においても、使用する複数または単一のPFBNのモル数の合計は、複数または単一の式:R1Hで示される化合物のモル数の合計に等しいか、またはほぼ等しいことが好ましく、具体的には、式:R1Hで示される化合物の使用量は、PFBN 1モルに対して、好ましくは0.1〜5モル、より好ましくは0.5〜2モルである。
【0037】
上記反応に使用される有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ニトロベンゼン及びニトロメタン等の極性溶媒、ならびにこれらの極性溶媒とトルエンやキシレン等の非極性溶媒との混合溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独でまたは2種以上の混合物の形態で使用してもよい。このように、トルエンや他の同様の溶媒を反応の初期段階に使用すれば、重合溶媒に関係なく、反応中に副生する水をトルエンの共沸物として除去することができる。尚、有機溶媒中におけるPFBNの濃度は、1〜40質量%、好ましくは、5〜30質量%である。
【0038】
また、上記反応で使用される塩基性化合物は、反応系中に生成するフッ化水素を捕捉して、反応を促進し得るものが望ましい。このような塩基性化合物としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、フッ化カリウム、トリエチルアミン、トリブチルアミン及びピリジン等が挙げられる。これらの塩基性化合物の好ましい使用量は、使用するPFBN 1モルに対して0.1〜5モル、より好ましくは0.5〜2モルである。
【0039】
さらに、上記反応を行う際の反応条件は、R1Hで示される化合物とPFBNとを効率良く反応せしめ得る限り特に制限されないが、好ましくは反応系を撹拌状態に保ちながら、通常0〜150℃、好ましくは10〜100℃の温度下で行うのがよい。
【0040】
反応時間は、他の反応条件や使用する原料などにより異なるが、通常1〜48時間、好ましくは2〜24時間である。さらに反応は、常圧下または減圧下いずれで行ってもよいが、設備面から、常圧下で行うことが望ましい。このような反応によって得られる生成物は、反応混合物に蒸留水を注加し、有機溶媒(例えば、酢酸エチル、塩化メチレン、クロロホルム等)で抽出した後、有機溶媒および抽出剤を留去することにより得られる。また必要であれば、この生成物を有機溶媒(例えば、酢酸エチル、メタノール、エタノール等)で再結晶化し、結晶として得てもよい。
【0041】
このようにして合成された式(V)のテトラフルオロベンゾニトリル誘導体を、上述した如く、さらに式(VI)で示されるのジヒドロキシ化合物と塩基性触媒の存在下で重合させることによって、式(I)のフッ素化シアノアリールエーテル重合体を製造する。この際、式(V)のテトラフルオロベンゾニトリル誘導体は、上述したような抽出、再結晶化、クロマトグラフィー及び蒸留等の精製工程を経た後、または精製工程を行わずにそのまま使用してもよいが、次工程の収率などを考慮すると精製してから使用することが好ましい。
【0042】
上記反応で使用する式(VI)のジヒドロキシ化合物は、目的物である式(I)で表されるフッ素化シアノアリールエーテル重合体に応じて選択される。本発明において好ましく使用される式(VI)のジヒドロキシ化合物としては、フェノールフタレイン及び下記式で表される化合物が挙げられる。
【0043】
【化9】
【0044】
上記反応に当たっては、式(V)のテトラフルオロベンゾニトリル誘導体と式(VI)のジヒドロキシ化合物は、それぞれ単一の化合物として使用してもよく、あるいは2種以上の式(V)のテトラフルオロベンゾニトリル誘導体および/または式(VI)のジヒドロキシ化合物を併用してもよい。なお、上記いずれの場合においても、使用する複数または単一の式(V)のテトラフルオロベンゾニトリル誘導体のモル数の合計が、複数または単一の式(VI)のジヒドロキシ化合物のモル数の合計に等しくなるか、あるいはほぼ等しくすることが好ましい。具体的には、式(VI)のジヒドロキシ化合物の使用量は、式(V)のテトラフルオロベンゾニトリル誘導体1モルに対して、0.5〜1.5モル、より好ましくは10.8〜1.2モルである。
【0045】
上記反応は、有機溶剤中または無溶剤下のいずれで行ってもよいが、有機溶剤中で行うことが好ましい。この際に使用される有機溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ニトロベンゼン、ニトロメタン及びメタノール等の極性溶媒;ならびにこれらの極性溶媒とトルエンやキシレン等の非極性溶媒との混合溶媒などが挙げられる。これらの有機溶剤は、単独でまたは2種以上の混合物の形態で使用してもよい。尚、この場合トルエンや他の同様の溶剤を反応の初期段階で使用すれば、重合溶剤に関係なく、反応中に副生する水をトルエン等の共沸物として除去できる。また、有機溶剤中における式(V)のテトラフルオロベンゾニトリル誘導体の好ましい濃度は1〜50質量%、より好ましくは5〜20質量%である。
【0046】
本発明において、式(V)のテトラフルオロベンゾニトリル誘導体および式(VI)のジヒドロキシ化合物の反応は、塩基性触媒の存在下で行うことを必須とする。塩基性触媒は、式(VI)のジヒドロキシ化合物による重縮合反応を促進し得るよう、式(VI)のジヒドロキシ化合物をより反応性の高いアニオンに変換する作用を有するものが好ましく、具体的には、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムまたはフッ化カリウム等が挙げられる。該塩基性触媒の使用量は、式(V)のテトラフルオロベンゾニトリル誘導体と式(VI)のジヒドロキシ化合物との反応を良好に進行させる量であれば特に制限されないが、一般的なのは式(V)のテトラフルオロベンゾニトリル誘導体 1モルに対して、通常0.5〜1.5モル、好ましくは0.8〜1.2モルである。
【0047】
さらに、上記重合反応における反応条件は、式(V)のテトラフルオロベンゾニトリル誘導体と式(VI)のジヒドロキシ化合物との反応が効率よく進行するものであれば特に制限されないが、例えば、重合温度は、好ましくは200℃以下、より好ましくは20℃以上、150℃以下、最も好ましくは40℃以上、100℃以下である。このように上記重合反応は低温で進行するため、特別の設備を必要とすることなく、副反応を抑制し、ポリマーのゲル化を防止することができる。また重合時間は、他の反応条件や使用する原料などにより異なるが、好ましくは1〜48時間、より好ましくは2〜24時間である。さらに、重合反応は、常圧下または減圧下のいずれで行ってもよいが、設備面からは、常圧下で行うことが望ましい。
【0048】
上記重合反応終了後は、反応溶液から蒸発等によって溶媒を除去し、必要により洗浄することによって、所望のポリマーを得る。または、反応溶液をポリマーの溶解度が低い溶媒中に加え、ポリマーを固体として沈殿させてから、沈殿物を濾取することによりポリマーを得てもよい。
【0049】
このようにして得られたフッ素化シアノアリールエーテル重合体は、機械的強度、強靭性、電気的特性、熱酸化安定性、溶解性、透明性及び膜形成容易性などの様々な特性に優れるため、多層配線基板、プリント基板用表面コーティング剤等の絶縁樹脂コーティング剤;モーター、トランス、コイル等に使用される巻線の絶縁被覆材料;ストリップ線路、マイクロストリップ線路、トリプレート線路、コプレーナ線路、誘電体導波管線路などの配線層を有する高周波用配線基板;薄膜の磁気素子、特にチップインダクタ、トランス、DC−DCコンバータなどの小容量(数ワット程度)の電源部品として用いられる薄膜磁気素子;多層配線基板、LSIなどの製造工程において、シリコンウェハー等の半導体の加工、貯蔵及び運搬の際に使用されるディスクキャリア;光導波路および薄型の大型画面用カラー表示装置等に用いられるプラズマディスプレイパネル用隔壁などの原料として有用である。
【0050】
上述のようにして得られた本発明のフッ素化シアノアリールエーテル重合体は、該重合体分子中に含まれる反応性不飽和結合を反応させることで、重合体を架橋構造とすることができる。この架橋体は、未架橋の重合体に比べて分子の自由運動が阻害されるため、剛性が大きく、熱による変形を起こしにくく、さらに溶剤に対する溶解性が低下する。つまり、本発明のフッ素化シアノアリールエーテル重合体は、架橋前の重合体の段階では、良好な溶剤溶解性を有するため加工などの作業性に優れ、重合体成形後に該成形体を架橋させることによって耐溶剤性を付与できるため、より広い分野での使用が可能となる。
【0051】
本発明のフッ素化シアノアリールエーテル重合体を例えば膜等に成形する場合には、該重合体を任意の溶媒に溶解させた後、スピンコーティングやディッピングなどの公知の製膜方法を採用できる。この際、使用する溶媒としては、フッ素化シアノアリールエーテル重合体を均一に分散または溶解できる溶媒であれば特に限定されず、分散させるフッ素化シアノアリールエーテル重合体の種類によって適宜選択できる。具体的には、トルエン、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトン、アセトニトリル、ジイソプロピルエーテル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、酢酸エチル、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド及びクレゾールなどが挙げられ、これらのうち、トルエン、N−メチルピロリドン及びジメチルアセトアミドは特に好ましく使用される。上記溶媒は、単独で使用し得ることは勿論のこと、2種以上の混合溶媒として使用してもよい。このときの溶媒の使用量は、フッ素化シアノアリールエーテル重合体を均一に溶解または分散できる量であれば特に制限されないが、溶媒中におけるフッ素化シアノアリールエーテル重合体の濃度で、好ましくは1〜70(w/v)%、より好ましくは5〜50(w/v)%となるような量である。また、本発明のフッ素化シアノアリールエーテル重合体は、加熱することで溶融するので無溶媒下での成形も可能である。
【0052】
このように、本発明のフッ素化シアノアリールエーテル重合体は、架橋前は様々な溶剤に対して優れた溶解性を有するため、板状、膜状、シート状あるいはフィルム状等、種々の形状に成形することができる。また、このときの成形法として具体的には、溶液流延法、溶媒キャスト法、押出成形、射出成形、熱ラミネート成形、プレス成形、カレンダー成形、注型製膜法、キャスティング(流延法)、スピンコーティング(回転塗布法)、ロールコーティング、スプレイコーティング、バーコーティング、フレキソ印刷、およびディップコーティング等の方法を採用できる。これらの方法を用いて、基板上にフッ素化シアノアリールエーテル重合体を塗布してから架橋させれば、耐溶剤性を有する成形体とすることができる。
【0053】
本発明のフッ素化シアノアリールエーテル重合体を架橋させる方法も、特に制限されるものではなく、公知の架橋方法が使用できる。具体的には、熱架橋、電子線架橋及び化学架橋などが挙げられるが、これらのうち操作の容易性から、UV照射による架橋を採用するのが好ましい。本発明の重合体はその分子内に反応性不飽和結合を含有しているため、開始剤を含有せずとも架橋反応を開始させることが出来る。また、架橋は窒素、ヘリウム及びアルゴンなどの、不活性雰囲気中で行うことが好ましい。
【0054】
また、フッ素化シアノアリールエーテル重合体の架橋条件も、特に制限されず、使用するフッ素化シアノアリールエーテル重合体や溶媒の種類および量等によって適宜選択すればよいが、例えば、フッ素化シアノアリールエーテル重合体を熱架橋する場合の架橋温度は、通常100℃以上、400℃以下、好ましくは150℃以上、350℃以下であり、架橋時間は、通常0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間である。また、フッ素化シアノアリールエーテル重合体の架橋は、常圧下または減圧下いずれで行ってもよいが、設備面からは常圧下で行うことが望ましい。
【0055】
さらに、架橋成形体の用途によって、架橋時にフッ素化シアノアリールエーテル重合体や溶媒以外の他の成分を添加してもよい。具体的な他の成分としては、ポリカーボネート樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂および塩化ビニル樹脂等の樹脂、着色剤、重合調節剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、可塑剤、耐衝撃性向上のためのゴム、あるいは剥離剤等が挙げられる。さらにフッ素化シアノアリールエーテル重合体の架橋後の架橋密度は、架橋後に得られる架橋成形体に求められる物性、例えば、膨潤度や弾性などによって適宜決定すればよい。
【0056】
このようにして得られる本発明の架橋体は、高い機械的強度および強靭性を有し、電気的特性、熱酸化安定性、溶解性及び透明性に優れる上、様々な形状に成形できるので、多層配線基板、プリント基板用表面コーティング剤等の絶縁樹脂コーティング剤;モーター、トランス、コイル等に使用される巻線の絶縁被覆材料;ストリップ線路、マイクロストリップ線路、トリプレート線路、コプレーナ線路、誘電体導波管線路などの配線層を有する高周波用配線基板;薄膜の磁気素子、特にチップインダクタ、トランス、DC−DCコンバータなどの小容量(数ワット程度)の電源部品として用いられる薄膜磁気素子;多層配線基板、LSIなどの製造工程において、シリコンウェハー等の半導体の加工、貯蔵及び運搬の際に使用されるディスクキャリア;光導波路および薄型の大型画面用カラー表示装置等に用いられるプラズマディスプレイパネル用隔壁などの原料として有用である。
【0057】
【実施例】
以下実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、以下特にことわりのない限り、「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ示すものとする。
【0058】
[構造解析]
NMR 測定
Varian社製 Unity Plus 400を用いて、温度23℃、積算回数(1H:16回,19F=64回)の測定条件下、溶媒にCDCl3を使用して、1H−NMR(400MHz)および19F−NMR(376MHz)スペクトルを測定し、プロトンおよびフッ素のピーク強度に基づいて試料の構造を分析した。尚、外部標準物質としては、4,4’−ジフルオロベンゾフェノンを採用した。
【0059】
質量分析
ガスクロマトグラフ質量分析計(島津製作所製 QP-5000,分析カラム:J&W SCIENTIFIC社製 DB-1[0.25mm×30m,膜厚0.25μ])を用いて測定した。
【0060】
[ガラス転移温度(Tg)]
窒素雰囲気下20℃/分の昇温速度で示差熱走査型熱量計(セイコー電子工業 DSC6200)を用いて測定した。
【0061】
[フィルム形成性]
トルエン中の試料ポリマー濃度が20質量%となるように調整した20質量%トルエン溶液(ポリマーによっては分散液)を、ガラス基板上にバーコートし、フィルム形成性と剛性及び色相を観察した。なお、フィルム形成性は、++:優秀、+:良好、±:悪い、−:極めて悪い、の4段階で評価した。
【0062】
合成例1 4−(4−シアノ−2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)−スチルベン(SB−TFBN)の合成
100ml容量のフラスコに、4−ヒドロキシスチルベン15.00g(70.7mmol)、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾニトリル14.77g(76.5mmol)、炭酸カリウム11.62g(84.1mmol)およびN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)15.0gを加え、室温で1時間攪拌した。反応終了後、得られた反応液をろ過し、ろ液を1Lの脱イオン水中に注いで、無色固体を得た。この固体を酢酸エチルにて再結晶して、4−(4−シアノ−2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)−スチルベン(SB−TFBN)を収率84%で得た。この化合物の1H−NMRを図1、19F−NMRスペクトルを図2に示す。なお、19F−NMRスペクトルにおいて、19F化学シフトは、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン=−110.1ppmに相当するppmで示されす。また、図3に質量分析の結果を示す。目的物質であるSB−TFBNの分子量は369である。
【0063】
合成例2 4−フェノキシ−2,3,5,6−テトラフルオロベンゾニトリル (PtFBN)の合成
還流管及びディーンスタークトラップ(Dean−Stark trap)を備えた100ml容量のフラスコに、5.0g(53.2mmol)のフェノール、3.67g(26.6mmol)の炭酸カリウム(K2CO3)、60mlのNMPおよび15mlのトルエンを仕込んだ。この混合液を、窒素気流下、130℃で2時間、共沸脱水を行ない、フェノールのカリウム塩を合成した。量論量(約1ml)の水を確認した後、トルエンを留去し、除冷した。反応液の温度が100℃に到達したところで、10.26g(53.2mmol)の2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾニトリルを反応液に添加し、この温度を維持しながら8時間反応させた。反応終了後、蒸留水を50ml加えた後、ジクロロメタンを用いて抽出した。さらに、有機層を集めて水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥、ジクロロメタンを留去することによって、褐色の油状粗生成物を得た。
【0064】
つぎに、この粗生成物を102℃/0.4mmHgで減圧蒸留した後、エタノールで再結晶して無色結晶を得た。収率は40%で、得られた生成物の溶融温度は68℃であった。この化合物の1H−NMRスペクトル及び19F−NMRスペクトルを、それぞれ図4及び図5に示す。
【0065】
重合例1
4−(4−シアノ−2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)−スチルベン(SB−TFBN)7.38g(20mmol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(6FBA)6.76g(20.1mmol)、炭酸カリウム2.90g(21mmol)およびNMPを仕込み、60℃で3時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を1%酢酸水溶液に注加し、析出したポリマーをろ別した後、蒸留水およびメタノールで洗浄した。再度アセトン/メタノール混合液で再沈殿を行ない、ポリマーをろ別、乾燥した。この際の収率は87%であった。得られたポリマーのガラス転移温度(Tg)は154℃であった。この重合体の1H−NMRスペクトルおよび19F−NMRスペクトルを図6、図7に示す。
【0066】
重合例2
還流管及びディーンスタークトラップ(Dean−Stark trap)を備えた25ml容量のフラスコに、0.377g(1.12mmol)の6FBA、0.171g(1.24mmol)の炭酸カリウム、2.5mlのNMPおよび2.5mlのトルエンを仕込んだ。この混合液を、窒素気流下、130℃で2時間、共沸脱水を行ない、6FBAのカリウム塩を合成した。量論量(約0.04ml)の水を確認した後、トルエンを留去し、放冷した。反応液の温度が80℃に到達したところで、合成例2で得られたPtFBN 0.300g(1.12mmol)を反応液に添加し、この温度を維持しながら20時間反応させた。
【0067】
反応終了後、この溶液を、ブレンダーで激しく撹拌しながら、1%酢酸水溶液中に注加した。析出したポリマーを濾別し、蒸留水及びメタノールで洗浄した後、減圧乾燥した。このようにして回収されたポリマーを、30wt/vol%の濃度になるように、ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解し、この溶液をメタノール中に攪拌下でゆっくり注加し、再沈殿法により精製した。沈殿が完全に固化するまで放置した後、該ポリマーを濾過し、減圧乾燥した。この際の収率は86.0%であった。また、得られた生成物のTgは163.0℃であり、1H−NMRスペクトル及び19F−NMRスペクトルを、それぞれ、図8及び図9に示す。
【0068】
実験例1 <架橋体の耐溶剤性試験>
重合例1および重合例2で得られたポリマーを、トルエン中の試料ポリマー濃度が15質量%となるように溶解し、ガラス板上にアプリケーターを用いて乾燥膜厚が10μmとなるように塗布し、熱風乾燥機により100℃で3分間乾燥した。その後、UV照射(東芝ライテック社製 MB10ZD3,光源:メタルハライドランプ、積算光量1200mJ/cm2)を行って重合体を架橋させた。
【0069】
架橋前および架橋後のそれぞれのポリマーの膜上に、表1に記載の溶剤を1滴滴下し、1分間放置した後、溶剤を拭き取り、膜の溶解の有無を確認し、○:溶解有り、×:溶解無し、として評価した。この時の結果とともにフィルム成形性およびTgの値を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】
以上の結果から、実験番号1、2で用いた重合例1の重合体および実験番号3,4で用いた重合例2の重合体のいずれも、重合体分子中にフッ素原子を有するため、溶剤溶解性に優れ、フィルム成形性が良好であることが確認できた。
【0072】
また、実験番号1は反応性不飽和結合を有する重合体(重合例1)を用いて作成したものであるため、UV照射によって架橋反応が進行し、得られる架橋体膜の耐溶剤性は優れていた。
【0073】
尚、実験番号1では、Tgの測定を行ったが明確なピークは観測できなかった。そこで、実験番号1の架橋体膜を350℃まで昇温した後、再びTg測定を行った。このときには、UV照射前と同様のTg(155〜160℃)が観測された。これは、UV照射によって架橋構造が形成されることによりTgは上昇したが、さらに測定温度を上昇させることで、該架橋構造が徐々に分解したためであると考えられる。
【0074】
これに対して実験番号2は、実験番号1と同様の重合体を用いて作成された膜であるが、製膜の後にUV照射を行わなかったため、該成形体には架橋が起こらず実験番号1の架橋体に比べて、耐溶剤性に劣るものであった。また、Tg(154.0℃)の上昇も見られなかった。
【0075】
さらに実験番号3および4はいずれも重合体分子内に反応性不飽和結合を有さない重合体(重合例2)を用いて作成された膜であるため、溶剤に対する溶解性は優れているが、UVを照射しても耐溶剤性の向上は見られず、Tg(163℃)の上昇も確認できず熱に対する安定性の向上も見られなかった。
【0076】
【発明の効果】
本発明のフッ素化シアノアリールエーテル重合体は、高い機械的強度および強靭性、優れた電気的特性を有し、通常使用される種々の溶媒に対して優れた溶解性、並びに耐熱性、耐炎性等の優れた熱安定性、および優れた被覆形成性を有する。しかも成形後に架橋硬化させることによって、耐溶剤性を高め得ると共に耐熱性や熱安定性等を一層高めることができるので、電気・電子材料のみならず、家庭用品から宇宙産業まで幅広い分野における使用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 合成例1で得られた化合物の1H−NMRスペクトルである。
【図2】 合成例1で得られた化合物の19F−NMRスペクトルである。
【図3】 合成例1で得られた化合物の質量分析スペクトルである。
【図4】 合成例2で得られた化合物の1H−NMRスペクトルである。
【図5】 合成例2で得られた化合物の19F−NMRスペクトルである。
【図6】 重合例1で得られた重合体の1H−NMRスペクトルである。
【図7】 重合例1で得られた重合体の19F−NMRスペクトルである。
【図8】 重合例2で得られた重合体の1H−NMRスペクトルである。
【図9】 重合例2で得られた重合体の19F−NMRスペクトルである。
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