JP4752189B2 - 高分子組成物および架橋高分子 - Google Patents

高分子組成物および架橋高分子 Download PDF

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Description

本発明は、高分子組成物および架橋高分子に関する。
フェノール樹脂などに代表される熱硬化性樹脂は、耐熱性、機械的強度および耐湿性などに優れ、電子材料、自動車用部材および接着剤など様々な分野で広く用いられている。しかしながら、特に電子材料分野など、更に厳しい耐熱性を要求されている先端分野における要求全てを満足する材料は、未だ得られていないのが現状である。
特に、350℃以上の高い熱安定性が要求される先端分野においては、樹脂の熱分解開始温度が350℃よりも低い場合、加熱時の寸法安定性に悪影響を与えたり、高温環境において樹脂より発生した熱分解ガスが、これらの樹脂を用いた製品の品質だけでなく、製造装置に悪影響を与える恐れがある。
この改善策として、熱的に架橋可能な炭素−炭素3重結合に着目し、樹脂にアルキン類を導入することで加熱硬化後の樹脂構造を3次元網目状とし、耐熱性を向上させた熱硬化性樹脂に関する技術が開示されている。その例としては、フェノール樹脂にプロパルギルエーテル基を高密度に導入した熱硬化性樹脂に関する技術(例えば、特許文献1参照。)、ポリフェノールにエチニル基を導入した熱硬化性樹脂に関する技術(例えば、特許文献2、特許文献3及び非特許文献1参照。)などである。しかし、これらの熱硬化性樹脂においても、耐熱性は十分とは言えなかった。
特表平1−503541号公報(第1−3頁及び第8頁) 特開平9−107984号公報 特開2000−63499号公報 Tonami,H.;Kobayashi,S.;Fujita,T.;Taguchi,Y;Osada,K;Biomacromolecules,2000,1(2),149−151.
解決しようとする問題は、上記諸問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、機械的強度、耐湿性、電気特性及び他の諸特性を劣化させることなく、特に350℃以上においても優れた耐熱性を示す架橋高分子及び前記架橋高分子が得られる高分子組成物を提供することを目的としてなされたものである。
本発明は、耐熱性に優れる新規な熱硬化性樹脂として、アミノ基を有する化合物と、活性エステル基を有する化合物とを含む高分子組成物より、高分子鎖を架橋させて得られることを特徴とする、架橋高分子を提供することを、最も主要な特徴とする。
すなわち、本発明は、
1. アミノ基を有する化合物と、活性エステル基を有する化合物とを含む高分子組成物であって、前記アミノ基を有する化合物と前記活性エステル基を有する化合物とは、少なくとも一方が高分子であることを特徴とする高分子組成物、
2. 前記活性エステル基は、下記一般式(1)で表されるものである、第1項に記載の高分子組成物、
(式(1)中、Rはアルキル基、ピリジル基、キノリル基、芳香族基、又はベンゾトリアゾール基を示し、これらの基における水素原子は、少なくとも1個の有機基で置換されていても良い。)
3. 前記アミノ基を有する化合物は、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するものである、第1項または第2項に記載の高分子組成物、
(式中のArは、芳香族基を示す。Xは、脂肪族基、芳香族基、スルホニル基および酸素原子の中から選ばれる少なくとも1種の基で構成される基を示す。式中のmは、2以上、10000以下の整数を示す。式中のnは、1以上、3以下の整数を示す。)
4. 前記アミノ基を有する化合物は、下記一般式(3)で表されるものである、第1項〜第3項のいずれかに記載の高分子組成物、
(式中のArは、芳香族基を示す。式中のaは、1以上、6以下の整数を示す。)
5. 前記活性エステル基を有する化合物は、下記一般式(4)で表される繰り返し単位を有するものである、第2項〜第4項のいずれかに記載の高分子組成物、
[式(4)中、−COORは、同一のベンゼン環上に1〜5個を有していても良い。Arは、芳香族基を示す。Xは、脂肪族基、芳香族基、スルホニル基および酸素原子の中から選ばれる少なくとも1種の基で構成される基を示す。式中のmは、2以上、10000以下の整数を示す。式中のnは、1以上、3以下の整数を示す。]
6. 前記活性エステル基を有する化合物は、下記一般式(5)で表されるものである、第2項〜第5項のいずれかに記載の高分子組成物、
(式中のArは、芳香族基を示す。式中のaは、1以上、6以下の整数を示す。)
7. 前記活性エステル基を有する化合物が、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体である、第1項〜第6項のいずれかに記載の高分子組成物、
8. 前記高分子組成物を溶解又は分散させることが可能な有機溶媒を含む、第1項〜第7項のいずれかに記載の高分子組成物、
9. 第1項〜第8項のいずれかに記載の高分子組成物を反応させることにより、高分子鎖を架橋して得ることができる架橋高分子、
を提供するものである。
本発明によれば、加熱時の熱安定性が飛躍的に向上し、350℃以上の高温域においても優れた耐熱性を示す架橋高分子を提供できる。
本発明の架橋高分子は、少なくとも一方が高分子である、アミノ基を有する化合物と、活性エステル基を有する化合物とを、即ち、高分子のアミノ基を有する化合物と高分子でない活性エステル基を有する化合物との組み合わせ、高分子でないアミノ基を有する化合物と高分子の活性エステル基を有する化合物との組み合わせ、高分子のアミノ基を有する化合物と高分子の活性エステル基を有する化合物との組み合わせ、あるいは、これらの混合体を、加熱により反応せしめることによる、高分子鎖間の架橋反応によって、樹脂構造を3次元化させることにより、得られるものであり、アミノ基と活性エステル基とを反応させることにより、炭素−炭素3重結合よりも低い温度で架橋させることができ、かつ、架橋後の高分子の耐熱性をも向上させることができる。
本発明に用いる高分子のアミノ基を有する化合物としては、前記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するものが挙げられ、高分子でないアミノ基を有する化合物としては、前記一般式(3)で表される繰り返し単位を有すものが挙げられる。
本発明において、一般式(2)中のArで表される芳香族基としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、ビナフチルジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ビフェニルジイル基、ビフェニレンジイル基、フルオレンジイル基、ビフェニルフルオレンジイル基およびピリジンジイル基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの基中の水素原子は、脂肪族基、芳香族基およびフッ素原子で置換されていても良い。前記脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキル基:、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基などの炭素数が1以上、20以下のアルコキシ基:、ビニル基、プロペニル基およびブテニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルケニル基:、エチニル基、プロピニル基およびブチニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキニル基:、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびビアダマンチル基などの脂環式脂肪族基:、などが挙げられ、前記芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基およびナフトキシ基:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記脂肪族基および芳香族基中の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
本発明において、一般式(2)中のXで表される基としては、脂肪族基、芳香族基、スルホニル基および酸素原子の中から選ばれる少なくとも1種の基で構成される基であり、前記脂肪族基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基およびブチレン基などの炭素数が1以上、20以下のアルキレン基、ビニレン基、プロペニレン基およびブテニレン基などの炭素数が1以上、20以下のアルケニレン基、エチニレン基、プロピニレン基およびブチニレン基などの炭素数が1以上、20以下のアルキニレン基、などが挙げられ、前記芳香族基としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、ビフェニルジイル基、フルオレンジイル基、ビフェニルフルオレンジイル基およびピリジンジイル基、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの基中の水素原子は、脂肪族基、芳香族基およびフッ素原子で置換されていても良い。前記脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキル基:、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基などの炭素数が1以上、20以下のアルコキシ基:、ビニル基、プロペニル基およびブテニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルケニル基:、エチニル基、プロピニル基およびブチニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキニル基:、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびビアダマンチル基などの脂環式脂肪族基:、などが挙げられ、前記芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基およびナフトキシ基:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記脂肪族基および芳香族基中の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
前記一般式(2)で表される構造を有する化合物としては、例えば、ポリ((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ビフェニルジイルメチレン)、ポリ((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ナフタレンジイルメチレン)、ポリ((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ナフタレンジイル−フェニルメチレン)、ポリ((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ナフタレンジイル−アダマンチルメチレン)、ポリ((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フルオレンジイルメチレン)、ポリ((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フルオレンジイル−フェニルメチレン)、ポリ((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フルオレンジイル−アダマンチルメチレン)、ポリ(ビス((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル)フルオレンジイルメチレン)、ポリ(ビス((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル)フルオレンジイル−フェニルメチレン)およびポリ(ビス((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル)フルオレンジイル−アダマンチルメチレン)、などのポリ(アリーレンメチレン)構造を有する化合物:、ポリ((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンビニレン)、ポリ(ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンビニレン)、ポリ(ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ビフェニルジイルビニレン)、ポリ((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ナフタレンジイルビニレン)、ポリ((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フルオレンジイルビニレン)およびポリ(ビス((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル)フルオレンジイルビニレン)、などのポリ(アリーレンビニレン)構造を有する化合物:、ポリ((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンエチニレン)、ポリ(ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンエチニレン)、ポリ(ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ビフェニルジイルエチニレン)、ポリ((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ナフタレンジイルエチニレン)、ポリ((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フルオレンジイルエチニレン)およびポリ(ビス((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル)フルオレンジイルエチニレン)、などのポリ(アリーレンエチニレン)構造を有する化合物:、ポリ((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンエーテル)、ポリ(ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンエーテル)、ポリ(ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ビフェニルジイルエーテル)、ポリ((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ナフタレンジイルエーテル)、ポリ((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フルオレンジイルエーテル)およびポリ(ビス((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル)フルオレンジイルエーテル)、などのポリ(アリーレンエーテル)構造を有する化合物:、ポリ((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンスルホニル)、ポリ(ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンスルホニル)、ポリ(ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ビフェニルジイルスルホニル)、ポリ((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ナフタレンジイルスルホニル)、ポリ((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フルオレンジイルスルホニル)およびポリ(ビス((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル)フルオレンジイルスルホニル)、などのポリ(アリーレンスルホニル)構造を有する化合物:、ポリ((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン)、ポリ((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンフェニレン)、ポリ(ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレン)、ポリ(ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ビフェニルジイル)、ポリ((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ナフタレンジイル)、ポリ((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フルオレンジイル)およびポリ(ビス((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル)フルオレンジイル)、などのポリ(アリーレン)構造を有する化合物:、などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
前記一般式(3)で表されるアミノ基を有する化合物としては、例えば、2,4−ジアミノ−レゾルシノールおよび2,5−ジアミノ−1,4−ジヒドロキシルベンゼン等のジヒドロキシルベンゼンを有する化合物:、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−ビフェニルおよび3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−ビフェニル等のジヒドロキシ−ビフェニルを有する化合物:、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルエーテル等のジヒドロキシ−ジフェニルエーテルを有するビスアミノフェノール化合物:、9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)フルオレンおよび9,9−ビス(4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ)−フェノキシ−フェニル)フルオレン等のフルオレン骨格を有する化合物:、2,2’−ビス−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−フェノキシ)−1,1’−ビナフタレン等のビナフタレン骨格を有する化合物:、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルスルホン、ビス(4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ)−フェノキシ−フェニル)スルホンおよびビス(4−(4−ヒドロキシ−3−アミノ)フェノキシ−フェニル)スルホン等のスルホン基を有する化合物:、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等のフッ素またはフッ素化アルキル基を有する化合物:等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いる活性エステル基を有する化合物としては、前記一般式(1)で表される基を有するものが好ましく、高分子の活性エステル基を有する化合物としては、前記一般式(4)で表される構造単位を有する化合物およびベンゾオキサゾール樹脂前駆体が挙げられ、高分子でない活性エステル基を有する化合物としては、前記一般式(5)で表される化合物が挙げられる。
本発明において、一般式(1)で表される活性エステル基のRとしては、水素原子、アルキル基、ピリジル基、キノリル基、芳香族基、又はベンゾトリアゾール基等を挙げることができる。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基およびsec−ブチル基等のアルキル基:、2−ピリジル基、3−ピリジル基および4−ピリジル基等のピリジル基:、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基および8−キノリル基等のキノリル基:、フェニル基、1−ナフチル基および2−ナフチル基等の芳香族基:、1−ベンゾトリアゾール基等のベンゾトリアゾール基:、等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明において、前記一般式(4)中のArで表される芳香族基としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、ビナフチルジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ビフェニルジイル基、ビフェニレンジイル基、フルオレンジイル基、ビフェニルフルオレンジイル基およびピリジンジイル基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの基中の水素原子は、脂肪族基、芳香族基およびフッ素原子で置換されていても良い。前記脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキル基:、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基などの炭素数が1以上、20以下のアルコキシ基:、ビニル基、プロペニル基およびブテニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルケニル基:、エチニル基、プロピニル基およびブチニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキニル基:、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびビアダマンチル基などの脂環式脂肪族基:、などが挙げられ、前記芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基およびナフトキシ基:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記脂肪族基および芳香族基中の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
本発明において、前記一般式(4)中のXで表される基としては、脂肪族基、芳香族基、スルホニル基および酸素原子の中から選ばれる少なくとも1種の基で構成される基であり、前記脂肪族基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基およびブチレン基などの炭素数が1以上、20以下のアルキレン基、ビニレン基、プロペニレン基およびブテニレン基などの炭素数が1以上、20以下のアルケニレン基、エチニレン基、プロピニレン基およびブチニレン基などの炭素数が1以上、20以下のアルキニレン基、などが挙げられ、前記芳香族基としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、ビフェニルジイル基、フルオレンジイル基、ビフェニルフルオレンジイル基およびピリジンジイル基、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの基中の水素原子は、脂肪族基、芳香族基およびフッ素原子で置換されていても良い。前記脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキル基:、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基などの炭素数が1以上、20以下のアルコキシ基:、ビニル基、プロペニル基およびブテニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルケニル基:、エチニル基、プロピニル基およびブチニル基などの炭素数が1以上、20以下のアルキニル基:、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジアマンチル基およびビアダマンチル基などの脂環式脂肪族基:、などが挙げられ、前記芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基およびナフトキシ基:、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記脂肪族基および芳香族基中の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
前記一般式(4)で表される構造を有する化合物としては、例えば、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(4−カルボキシフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(4−カルボキシフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(4−アダマンチル−1−(4−カルボキシフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(ビス(4−カルボキシフェノキシ)フェニレンメチレン)、ポリ(ビス(4−カルボキシフェノキシ)フェニレン−フェニルメチレン)、ポリ(ビス(4−カルボキシフェノキシ)フェニレン−アダマンチルメチレン)、ポリ(ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニルジイルメチレン)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)ナフタレンジイルメチレン)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)ナフタレンジイル−フェニルメチレン)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)ナフタレンジイル−アダマンチルメチレン)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フルオレンジイルメチレン)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フルオレンジイル−フェニルメチレン)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フルオレンジイル−アダマンチルメチレン)、ポリ(ビス((4−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレンジイルメチレン)、ポリ(ビス((4−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレンジイル−フェニルメチレン)およびポリ(ビス((4−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレンジイル−アダマンチルメチレン)、などのポリ(アリーレンメチレン)構造を有する化合物:、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フェニレンビニレン)、ポリ(ビス(4−カルボキシフェノキシ)フェニレンビニレン)、ポリ(ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニルジイルビニレン)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)ナフタレンジイルビニレン)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フルオレンジイルビニレン)およびポリ(ビス((4−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレンジイルビニレン)、などのポリ(アリーレンビニレン)構造を有する化合物:、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フェニレンエチニレン)、ポリ(ビス(4−カルボキシフェノキシ)フェニレンエチニレン)、ポリ(ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニルジイルエチニレン)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)ナフタレンジイルエチニレン)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フルオレンジイルエチニレン)およびポリ(ビス((4−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレンジイルエチニレン)、などのポリ(アリーレンエチニレン)構造を有する化合物:、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フェニレンエーテル)、ポリ(ビス(4−カルボキシフェノキシ)フェニレンエーテル)、ポリ(ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニルジイルエーテル)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)ナフタレンジイルエーテル)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フルオレンジイルエーテル)およびポリ(ビス((4−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレンジイルエーテル)、などのポリ(アリーレンエーテル)構造を有する化合物:、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フェニレンスルホニル)、ポリ(ビス(4−カルボキシフェノキシ)フェニレンスルホニル)、ポリ(ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニルジイルスルホニル)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)ナフタレンジイルスルホニル)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フルオレンジイルスルホニル)およびポリ(ビス((4−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレンジイルスルホニル)、などのポリ(アリーレンスルホニル)構造を有する化合物:、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フェニレン)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フェニレンフェニレン)、ポリ(ビス(4−カルボキシフェノキシ)フェニレン)、ポリ(ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニルジイル)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)ナフタレンジイル)、ポリ((4−カルボキシフェノキシ)フルオレンジイル)およびポリ(ビス((4−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレンジイル)、などのポリ(アリーレン)構造を有する化合物:、などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
前記一般式(5)で表される化合物としては、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、2−フルオロイソフタル酸および2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸等のフタル酸:、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニルおよび4,4’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ビフェニル等のビフェニルジカルボン酸:、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸:、4,4’−スルホニルビス安息香酸、3,4’−スルホニルビス安息香酸、3,3’−スルホニルビス安息香酸、4,4’−オキシビス安息香酸、3,4’−オキシビス安息香酸および3,3’−オキシビス安息香酸等のビス安息香酸:、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンおよび2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等のビス−カルボキシフェニル−プロパン(ヘキサフルオロプロパン):、9,9−ビス(4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(3−カルボキシフェノキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス−(2−カルボキシ−フェニル)フルオレンおよび9,9−ビス−(3−カルボキシ−フェニル)フルオレン等のフルオレン骨格を有するジカルボン酸:、4,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−p−ターフェニルおよび4,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−m−ターフェニル等のビス−カルボキシフェニル−ターフェニル:、等の化合物において、カルボキシル基を活性エステル基に変換した化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明において、活性エステル基を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体は、例えば、下記一般式(6)で表される繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体を挙げることができる。前記ベンゾオキサゾール樹脂前駆体は、脱水閉環後の耐熱性に優れるので好ましい。
[式(6)中、Y1は有機基を示し、X2は式(7)で表される基の中から選ばれる少なくとも1種の基を示し、lは2〜1,000の間の整数である。]
[式(7)中、Zは、前記式(1)で表される活性エステル基を示す。また、Zは、同一のベンゼン環上に1〜4個を有していても良い。式(7)で表される基における、ベンゼン環上の水素原子は、アルキル基、芳香族基、エーテル基、水酸基、およびフッ素原子の中から選ばれる、少なくとも1個の基で置換されていても良い。]
前記式(6)で表される繰り返し単位におけるY1で示される有機基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ジフェニルスルホン基、ジフェニルエーテル基、フルオレニル基、フェニルフルオレニル基およびビフェニレン基などが挙げられる。
前記式(6)で表される繰り返し単位の繰り返し単位数(l)は、特に限定されないが、2〜1,000までの整数が好ましく、特に5〜600までの整数が好ましく、最も10〜80までの整数が好ましい。前記繰り返し単位数が前記範囲内であると、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を溶剤に溶解した際の作業性に優れる。
また、本発明において、活性エステル基を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体は、例えば、下記一般式(8)で表される繰り返し単位を有するベンゾオキサゾール樹脂前駆体を挙げることができる。前記ベンゾオキサゾール樹脂前駆体は、脱水閉環後の耐熱性に優れるので好ましい。
[式(8)中、R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子または有機基を示し、X1は有機基を示し、Y2は式(7)で表される基の中から選ばれる少なくとも1種の基を示し、mは2〜1,000の間の整数である。]
前記式(8)で表される繰り返し単位におけるR1およびR2で表される有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基およびsec−ブチル基等のアルキル基が挙げられる。
前記式(8)で表される繰り返し単位におけるX1で示される有機基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ジフェニルエーテル基、フルオレニル基、ビナフタレン基、スルフィドビフェニル基、ビナフタレン基およびナフトール基などが挙げられる。
前記式(8)で表される繰り返し単位の繰り返し単位数(m)は、特に限定されないが、mが2〜1000の間の整数である整数が好ましく、特に5〜600までの整数が好ましく、最も10〜80までの整数が好ましい。前記繰り返し単位数が前記範囲内であると、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を溶剤に溶解した際の作業性に優れる。
本発明の高分子組成物は、前記アミノ基を有する化合物と、活性エステル基を有する化合物とを、混合することにより得ることができる。
本発明の高分子組成物には、さらに、これを溶解または分散させることが可能な有機溶媒を含むことができ、適当な有機溶媒に溶解させるか又は均一に分散させて、ワニスとして使用することが可能である。
前記有機溶媒としては、固形分を完全に溶解する溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびテトラヒドロフラン等を挙げることができる。これらは1種を用いてもよく、2種以上を混合して用いてよい。
ワニスとして調製する場合の溶媒使用量としては、高分子組成物を完全に溶解し得る量であればよく、特に制限されず、その用途に応じて適宜調整することができるが、一般的にはワニス中の溶媒含有量は、70〜95重量%程度が好ましい。
本発明の高分子組成物の使用方法としては、例えば、当該高分子組成物を有機溶媒に溶解又は均一に分散させたワニスを、適当な支持体、例えば、ガラス、繊維、金属、シリコンウエーハおよびセラミック基板等に塗布する。その塗布方法としては、例えば、浸漬、スクリーン印刷、スプレー、回転塗布およびロールコーティングなどが挙げられ、塗布後に加熱乾燥して溶剤を揮発させて、タックフリーな塗膜とすることができる。その後、加熱処理して、アミノ基と活性エステル基とを反応させて架橋高分子のフィルムとすることができる。
本発明において、前記高分子組成物より、高分子鎖を架橋して架橋高分子を製造する際の加熱温度としては100℃以上350℃以下が好ましく、さらに好ましくは、100℃以上250℃以下である。
以下に本発明を説明するために実施例を示すが、これによって本発明を限定するものではない。
なお、得られた化合物は、特性評価のため、熱重量分析を行った。測定条件は、次のとおりとした。
熱重量分析: セイコ−インスツルメンツ(株)製TG/DTA6200型を用いて、200mL/分の乾燥窒素気流下、昇温速度+5℃/分の条件により、室温から370℃まで昇温後、370℃で30分間保持した際の重量減少量を測定した。
[実施例1]
(アミノ基を有する化合物の合成)
ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)(Mw=3000、Mn=980)12.9g(122mmol/1単位ユニット)、3−フルオロ−6−ニトロフェニル ベンジル エーテル36.2g(146mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド100mLの溶液に、炭酸カリウム42.1g(304mmol)を添加した。135℃で12時間攪拌した後、反応液を濾過した。濾液をイオン交換水2000mLに滴下した。析出した固体をメタノール2000mLで2回洗浄し、50℃で2日間減圧乾燥することにより、黄色固体のポリ((3−ベンジルオキシ−4−ニトロフェノキシ)フェニレンメチレン)29.9gを得た(収率73.4%)。
得られたポリ((3−ベンジルオキシ−4−ニトロフェノキシ)フェニレンメチレン)29.6g(88.8mmol/1単位ユニット)および、10%パラジウム活性炭4.96g(4.66mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド100mLを、水素雰囲気下、室温で36時間攪拌した後、反応液を濾過した。濾液をメタノール200mLおよびイオン交換水2000mLの混合液に滴下した。析出した固体をメタノール200mLおよびイオン交換水2000mLの混合液で3回洗浄し、50℃で2日間減圧乾燥することにより、褐色固体のポリ((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)14.6gを得た(収率77.1%)。
分子量:Mw=5230、Mn=1980
上記で得たポリ((4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニレンメチレン)0.4gと、イソフタル酸ジフェニル0.299gを、乳鉢中でよく混合し、熱重量分析を行ったところ、370℃で30分保持した際の熱重量減少量は、0.80重量%であった。
[実施例2]
(活性エステル基を有する化合物の合成)
ポリ(ヒドロキシフェニレンメチレン)(Mw=3000、Mn=980)12.9g(122mmol/1単位ユニット)、4−フルオロ安息香酸(3−ピリジル)31.7g(146mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド100mLの溶液に、炭酸カリウム42.1g(304mmol)を添加した。135℃で12時間攪拌した後、反応液を濾過した。濾液をイオン交換水2000mLに滴下した。析出した固体をメタノール2000mLで2回洗浄し、50℃で2日間減圧乾燥することにより、黄色固体のポリ((4−(3−ピリジルオキシカルボニル)フェノキシ)フェニレンメチレン)18.0gを得た。
分子量:Mw=5630、Mn=2000
上記で得たポリ((4−(3−ピリジルオキシカルボニル)フェノキシ)フェニレンメチレン)0.4gと、2,4−ジアミノ−レゾルシノール0.093gを、乳鉢中でよく混合し、熱重量分析を行ったところ、370℃で30分保持した際の熱重量減少量は、0.70重量%であった。
[比較例1]
[ポリ(メチレン−2,6−(1−ヒドロキシ)フェニレン)から、ポリ(メチレン−2,6−(1−(2−プロピノキシ))フェニレン)の合成]
ポリ(メチレン−2,6−(1−ヒドロキシ)フェニレン)22.3g(210mmol/1単位ユニット)、臭化プロパルギル50.5g(425mmol)、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム1.45g(6.37mmol)、テトラヒドロフラン120mLを、乾燥窒素雰囲気下、50℃で撹拌しながら、水酸化カリウム60.7g(1.08mol)をイオン交換水60.0mLに溶解させたものを加えた。反応液を60℃で6時間した。反応液を減圧下で加熱し、臭化プロパルギルとテトラヒドロフランを除去した。析出固体を酢酸エチル200mLで抽出し、有機層をイオン交換水500mLで2回洗浄後、メタノール2000mLに投入し、ポリマーを再沈殿させて回収した。析出固体を60℃で減圧乾燥させることで、ポリ(メチレン−2,6−(1−(2−プロピノキシ))フェニレン)を14.7g得た。
得られた化合物の熱重量分析により、370℃で30分間保持した際の熱重量減少量は4.30重量%であった。
[比較例2]
[ポリ(メチレン−2,6−(1−(2−プロピノキシ))フェニレン)から、ポリ(メチレン−2,6−(1−(3−フェニル−2−プロピノキシ))フェニレン)の合成]
比較例1で得たポリ(メチレン−2,6−(1−(2−プロピノキシ))フェニレン)3.43g(23.8mmol/1単位ユニット)、ヨウ化ベンゼン6.38g(31.3mmol)、ピリジン20.0mLを、乾燥窒素雰囲気下で撹拌し、溶解させた。続けて、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.0837g(0.119mmol)、トリフェニルホスフィン0.0956g(0.364mmol)、ヨウ化銅0.0452g(0.237mmol)、トリエチルアミン20mLを加えた後、70℃で3時間加熱した。反応液を濾過後、メタノール1.00Lに投入し、ポリマーを再沈殿させて回収した。析出固体を60℃で減圧乾燥させることで、ポリ(メチレン−2,6−(1−(3−フェニル−2−プロピノキシ))フェニレン)を4.10g得た。
得られた化合物の熱重量分析により、370℃で30分間保持した際の熱重量減少量は7.11重量%であった。
[比較例3]
[3−エチニルフェノールから、ポリ(3−エチニルヒドロキシフェニレンメチレン)からポリ(2,6−(3−エチニル−1−ヒドロキシ)フェニレン)の合成]
3−エチニルフェノール5.00g(42.3mmol)とメタノール10.0mLを室温で撹拌しながら、西洋ワサビペルオキシダーゼ2.00gをpH=7のリン酸緩衝液10.0mLを加えた。続けて、5重量%過酸化水素を28.8mL(42.3mmol)を3時間かけて滴下し、更に室温で3時間撹拌した。析出物を反応液より遠心分離し、メタノール50mL及びイオン交換水50mL中で撹拌し、洗浄した。得られた固体を減圧乾燥させることで、ポリ(2,6−(3−エチニル−1−ヒドロキシ)フェニレン)が3.25g得られた。
得られた化合物の熱重量分析により、370℃で30分間保持した際の熱重量減少量は8.72重量%であった。
以上から明らかな様に、本発明により提供される架橋高分子は、370℃においても耐熱性に優れることが示された。
本発明により得られる架橋高分子は、350℃以上の高温域においても優れた耐熱性を示すため、高温での材料プロセスを必要とする分野などにおいても好適に用いることが可能である。用途として、電子材料、自動車用部材、エンジニアリング材料、構造部材、接着剤、塗膜形成材料、絶縁材料、酸化防止材料、記録材料などに好適に用いられる。

Claims (6)

  1. アミノ基を有する化合物と、活性エステル基を有する化合物とを含む高分子組成物であって、前記アミノ基を有する化合物は、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するものであり、さらに前記活性エステル基は、下記一般式(1)で表されるものであることを特徴とする高分子組成物。

    (式中のArは、芳香族基を示す。Xは、脂肪族基、芳香族基、スルホニル基および酸素原子の中から選ばれる少なくとも1種の基で構成される基を示す。式中のmは、2以上、10000以下の整数を示す。式中のnは、1以上、3以下の整数を示す。)

    (式(1)中、Rはアルキル基、ピリジル基、キノリル基、芳香族基、又はベンゾトリアゾール基を示し、これらの基における水素原子は、少なくとも1個の有機基で置換されていても良い。)
  2. 前記活性エステル基を有する化合物は、下記一般式(4)で表される繰り返し単位を有するものである、請求項1に記載の高分子組成物。

    [式(4)中、−COORは、同一のベンゼン環上に1〜5個を有していても良い。Rはアルキル基、ピリジル基、キノリル基、芳香族基、又はベンゾトリアゾール基を示し、これらの基における水素原子は、少なくとも1個の有機基で置換されていても良い。Arは、芳香族基を示す。Xは、脂肪族基、芳香族基、スルホニル基および酸素原子の中から選ばれる少なくとも1種の基で構成される基を示す。式中のmは、2以上、10000以下の整数を示す。式中のnは、1以上、3以下の整数を示す。]
  3. 前記活性エステル基を有する化合物は、下記一般式(5)で表されるものである、請求項1に記載の高分子組成物。

    (式中のArは、芳香族基を示す。式中のaは、1以上、6以下の整数を示す。Rはアルキル基、ピリジル基、キノリル基、芳香族基、又はベンゾトリアゾール基を示し、これらの基における水素原子は、少なくとも1個の有機基で置換されていても良い。
  4. 前記活性エステル基を有する化合物が、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体である、請求項1に記載の高分子組成物。
  5. 前記高分子組成物を溶解又は分散させることが可能な有機溶媒を含む、請求項1〜のいずれかに記載の高分子組成物。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の高分子組成物を反応させることにより、高分子鎖を架橋して得ることができる架橋高分子。
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