JP4928131B2 - 照明光学系および画像投射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶プロジェクタ等の画像投影装置に用いられる照明光学系に関し、特に光源から偏光変換素子に至る光のうち紫外域光等の余分光を除去することができる照明光学系に関する。
画像投射装置によってより明るい画像を投射するためには、光源の高輝度化や光束の高密度化が必要である。但し、これらに伴い、光源から発せられる紫外域光や赤外域光による装置内の光学部品の劣化が増加する。
このような光学部品の負担を軽減するために、特許文献1には、2枚のフィルタを用いて、紫外域や赤外域の余分光を除去する方法が開示されている。
具体的には、光源と液晶パネルの間(光源とダイクロイックミラーとの間)に、紫外域から可視域の一部に至る帯域の光および赤外域光を除去するUVIRフィルタが配置される。さらに、UVIRフィルタと液晶パネル(青色光路上の液晶パネル)との間に紫外域から可視域の一部に至る帯域の光を除去するUV吸収フィルタが配置される。
光源からの光のうち紫外域から可視域の一部に至る帯域の光および赤外域光は、UVIRフィルタによって除去される。その後、UVIRフィルタで除去されなかった紫外域光は、UV吸収フィルタによって除去される。これにより、UV吸収フィルタよりも後方に配置されている液晶パネル等の光学部品の劣化を軽減することができる。
特開平08−314012号公報(段落0016〜0022、図1等)
反射型液晶パネルを用いたプロジェクタ等では、偏光状態による色分離や色合成が行われる。このため、光源からの光を色分解合成光学系に導く前に、偏光変換素子と称される光学部品を用いて、光源からの無偏光光を所定の直線偏光に揃えることが多い。偏光変換素子は、多層膜によって形成された偏光分離膜を有する偏光ビームスプリッタと1/2波長板とによって構成される。
しかしながら、光源の高輝度化に伴い、従来問題視されていなかった偏光変換素子の偏光分離膜の耐久性が問題となってきている。偏光変換素子は光源の近くに配置され、さらに光束分割および集光機能を有するレンズアレイとともに用いられることが多い。このため、偏光変換素子は、集光度が高く強い光にさらされることになり、その偏光分離膜が劣化し易い。
特に、光源として用いられている高圧水銀灯は、紫外域に隣接する400〜430nmの領域に輝線ピークを有しており、多くの紫外域光を放射する。
前述した特許文献1では、UVIRフィルタとして反射型フィルタが用いられている。しかしながら、反射型フィルタは、何層もの膜を積層した構造を有するため、カット波長にばらつき(個体差)がある。この結果、光学部品への紫外域光や赤外域光の照射量にもばらつきが生じるという欠点がある。
本発明は、光源からの余分光による偏光変換素子の劣化を軽減することができるようにした照明光学系およびこれを用いた画像投射装置を提供することを目的の1つとしている。
本発明の一側面としての照明光学系は、偏光分離膜と波長板を備え、光源からの無偏光光を所定の偏光光に変換する偏光変換素子を含む照明光学系であって、前記偏光変換素子よりも光源側に配置され、紫外光および赤外光を反射する第1のフィルタと、前記偏光変換素子よりも光源側に配置され、紫外光を反射する第2のフィルタと、前記偏光変換素子よりも光源側に配置され、紫外光を吸収する第3のフィルタを有し、
400nm以上420nm以下に存在する前記光源の輝線のピーク波長をλ
λ と440nmとの間の波長であって、440nmよりもλ に近い波長をλ
前記第1、第2、第3のフィルタの紫外光に対する透過率が、波長の短波長側から長波長側への変化とともに50%より低い側から高い側に変化する波長領域において、50%になる波長をカット波長とし、
前記第1のフィルタのカット波長をλ
前記第2のフィルタのカット波長をλ
前記第3のフィルタのカット波長をλ とするとき、
λ <λ <λ <440nm
λ <λ <λ <440nm
を満足し、
前記第3のフィルタは、前記第1および前記第2のフィルタよりも前記偏光変換素子側に配置されることを特徴とする。
本発明によれば、光源から偏光変換素子に入射する光に含まれる余分光を効果的に除去できるので、偏光変換素子の劣化を安定的に軽減することができる。この結果、より明るい画像を投射でき、しかも長期にわたって高い信頼性を維持できる画像投射装置を実現することができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1Aには、本発明の実施例である液晶プロジェクタ(画像投射装置)の光学構成を示す。
図1Aにおいて、1は高圧水銀灯等を発光管と該発光管からの光束を所定方向への平行光束に変換するリフレクタとにより構成される光源である。ここで、高圧水銀灯のスペクトルを図2に示す。図2に示すように、高圧水銀灯からの光は、407nm付近に輝線ピーク波長λを有する。
図1Aにおいて、2,3は光源1からの光束を複数の光束に分割する第1レンズアレイおよび第2レンズアレイである。
4は光源1からの無偏光光を所定の偏光方向を有する直線偏光光に変換する偏光変換素子である。図1Bには、偏光変換素子4の構成例を示す。4aは誘電体多層膜によって形成された偏光分離膜である。該偏光分離膜4aは、S偏光を反射し、P偏光を透過する特性を有する。4bは反射面である。偏光変換素子4における入射側の面のうち偏光分離膜4aへの入射開口以外の部分には、遮光板4dが設けられている。また、射出側の面のうち偏光分離膜4aを透過した光の射出開口には、1/2波長板4cが配置されている。これら偏光分離膜4a、反射板4b、1/2波長板4cおよび遮光板4dによって偏光変換セルが構成され、該偏光変換セルが第2レンズアレイ3のレンズセル列に対応して配列されることにより、偏光変換素子4が構成される。
入射開口から入射した無偏光光のうちS偏光成分は、偏光分離膜4aで反射した後、反射面4bで反射して偏光変換素子4から射出する。一方、入射開口から入射した無偏光光のうちP偏光成分は、偏光分離膜4aを透過した後、1/2波長板4cによってその偏光方向が90°回転されてS偏光として射出する。こうして、光源1(第2レンズアレイ3)からの無偏光光がすべてS偏光光に変換される。なお、偏光変換素子4を、無偏光光をP偏光光に変換するよう偏光分離膜4aの特性を変えてもよい。
5は第1および第2レンズアレイ2,3で分割された各光束を光変調素子としての反射型液晶パネル7〜9上にて重ね合わせるコンデンサーレンズである。光源1からコンデンサーレンズ5までの光学素子によって照明光学系が構成される。
照明光学系からの光はダイクロイックミラーに入射する。ダイクロイックミラー6は、青(B:430〜500nm)の光、赤(R:600〜650nm)の光、緑(G:500〜600nm)の光のうち第1の光を反射し、他の第2および第3の光を透過する特性を有する。
10,11,12はそれぞれ偏光分離膜を有する第1、第2および第3偏光ビームスプリッタである。なお、以下に説明する各偏光ビームスプリッタでの色分離および色合成は、光の偏光方向に応じた偏光分離膜での反射作用と透過作用によって行われる。また、第2偏光ビームスプリッタ11にこのような色分離および色合成を行わせるために、第2偏光ビームスプリッタ11における光源側と投射レンズ側とにはそれぞれ、特定色の光の偏光方向を90度回転させる色選択性位相差板(図示せず)が配置されている。但し、以下の説明では、偏光方向についての説明は省略する。第1、第2および第3偏光ビームスプリッタ10,11,12および上記色選択性位相差板等によって色分解合成光学系が構成される。
第1の光は第1偏光ビームスプリッタ10の偏光分離膜を透過し、反射型液晶パネル7に入射する。ここで、本実施例のプロジェクタに搭載されている液晶駆動回路20には、パーソナルコンピュータ、DVDプレーヤ、テレビチューナ等の画像供給装置30が接続されている。液晶駆動回路20は、画像供給装置30から入力された画像(映像)情報に基づいて各反射型液晶パネルを駆動し、これらに各色用の原画を形成させる。これにより、各反射型液晶パネルに入射した光は、反射されるとともに原画に応じて変調(画像変調)される。
反射型液晶パネル7によって反射および画像変調された第1の光は、再び第1偏光ビームスプリッタ10に入射する。そして、第1偏光ビームスプリッタ10の偏光分離膜で反射し、第3偏光ビームスプリッタ12に入射する。該第1の光は、第3偏光ビームスプリッタ12の偏光分離膜で反射されて投射レンズ13に向かう。
一方、ダイクロイックミラー6を透過した第2の光は第2偏光ビームスプリッタ11の偏光分離膜で反射し、反射型液晶パネル8によって反射および画像変調されて再び第2偏光ビームスプリッタ11に入射する。そして、第2偏光ビームスプリッタ11の偏光分離膜を透過し、第3偏光ビームスプリッタ12に入射する。該第2の光は、第3偏光ビームスプリッタ12の偏光分離膜を透過して投射レンズ13に向かう。
また、ダイクロイックミラー6を透過した第3の光は第2偏光ビームスプリッタ11の偏光分離膜を透過し、反射型液晶パネル9によって反射および画像変調されて再び第2偏光ビームスプリッタ11に入射する。ここで、前述の第3の光は、不図示の色選択性位相差板(特開2002−357708号公報のリターダスタック)によって第3光のみの偏光方向を90度回された状態で第2偏光ビームスプリッタ11に入射する。そして、第2偏光ビームスプリッタ11の偏光分離膜で反射して、第3偏光ビームスプリッタ12に入射する。該第3の光は、第3偏光ビームスプリッタ12の偏光分離膜を透過して投射レンズ13に向かう。ここで、第2偏光ビームスプリッタから出射した第3の光は、不図示の色選択性位相差板(特開2002−357708号公報のリターダスタック)によって第3光のみの偏光方向を90度回された状態で第3偏光ビームスプリッタ11に入射する。
第3偏光ビームスプリッタ13で色合成された第1から第3の光(カラー画像)は、投射レンズ13によって不図示のスクリーン等の被投射面に投射される。
以上のように構成されるプロジェクタにおいて、照明光学系のうち光源1と偏光変換素子4との間には、フィルタA14とフィルタB15とフィルタC16とが、光源側からこの順で配置されている。
フィルタA(第3のフィルタ)14は、第1レンズアレイ2における光源側とは反対側(偏光変換素子側)の面に蒸着されている。該フィルタA14は、図3に示すようなUVIR反射特性を有し、プロジェクタにおいて投射光として有効に使用することができない余分な紫外域光および赤外域光を大まかに除去する働きを有する。
フィルタB(第1のフィルタ)15は、後述するフィルタCの光源側の面に蒸着されている。該フィルタB15は、UV反射特性を有し、青色の短波長側の波長を決める働きを有する。
フィルタC(第2のフィルタ)16は、UV吸収特性を有するガラスにより構成された吸収フィルタである。該フィルタC16は、偏光変換素子4よりも光源側に配置され、除去目的の余分光を少ない誤差で除去する。
これら3つのフィルタの光学的特性について、以下にさらに詳しく説明する。
フィルタA14は、反射型フィルタであり、光源1からの光に含まれる紫外域から可視域の一部に至る帯域の光(以下、これをまとめてUV光という)および赤外光域(以下、IR光という)のうち、投射光として有効に使用できない余分光の一部を除去する。フィルタA14は、図4に曲線Aで示す透過率特性を有し、カット波長λは420nmである。カット波長とは、該フィルタのUV光に対する透過率が波長の増加とともに実質的0%(50%より低い側)から実質的100%(50%より高い側)に変化する波長領域において、該透過率が50%になる波長である。このことは、他のフィルタについても同じである。
フィルタA14は、1つのフィルタにおいてUV光とIR光の除去特性を併せ持つように設計されている。このため、図4に示すように、カット波長λのばらつきが図中A′,A″のように約±5nmと大きい。しかも、図中の領域Pで示す5nmの範囲では、曲線Aで示す透過率の変化が3.5%となだらかである。
フィルタB15は、青色の短波長側の波長を決めるフィルタであり、反射型フィルタである。該フィルタB15は、図5に曲線Bで示す透過率特性を有し、カット波長λは426nmである。フィルタB15として、UV光の除去にのみ特化した反射型フィルタを用いることで、フィルタA14よりも波長のばらつきが少なく、図5中にB′,B″で示すように±3nm程度である。また、透過率が実質的0%から実質的100%へと変化する領域の波長範囲がdB=15nmと、図4に示すフィルタA14のdA=25nmよりも狭い。すなわち、フィルタB15は、フィルタA14に比べて、透過率変化が急峻である特性を有するため、色を決めるフィルタとして適している。
フィルタC16はフィルタA14およびフィルタB15で除去しきれなかった余分光を除去する吸収型のフィルタであり、カット波長λは418nmである。フィルタC16は、図6に曲線Cで示す透過率特性を有する。フィルタC16は、吸収ガラスを用いて形成されており、その透過率特性はガラス基板の厚さで決まるため、他のフィルタのようにカット波長の大きなばらつきがない。このため、意図した波長帯の余分光を確実に除去することができる。
次に、各フィルタの特性のばらつきによる影響について説明する。フィルタB15の設計中心波長のフィルタ特性(透過率特性)を、図7に曲線Bで示す。λ=407nm付近の透過率は約0.02%と低く抑えられている。
また、カット波長λが短波長方向に5nmシフトしたときのフィルタB15の特性を、図7に曲線B′で示す。λ=407nm付近の透過率は約0.04%となり、設計中心波長のフィルタ特性に対して約2倍の漏れ光が発生することが分かる。
図示はしていないが、フィルタA14の透過率も、カット波長λの短波長側へのシフトによって、フィルタB15と同様に増加する。紫外域から可視域の一部に至る波長域の余分光が最大になる場合は、フィルタA14,B15のカット波長λ,λが、設計中心値よりも短波長側に大きくシフトしてしまった場合である。具体的には、図8および図9に示すように、フィルタA14,B15のカット波長λ,λが、それぞれのフィルタの設計中心値に対して短波長側にシフトした曲線A′、曲線B′で示す特性関係になっている状態である。なお、図9は、図8における領域H付近を拡大して示したものである。本実施例では、フィルタC16として吸収ガラスを用いているため、フィルタA,Bのカット波長が短波長側にシフトした場合でも、図9に曲線Cで示すように、フィルタC16には、膜特性のばらつきによるカット波長のシフトは生じない。したがって、フィルタA,Bの特性が曲線A′,B′のようにシフトして、フィルタA,Bを透過するλ=407nm付近の余分光(漏れ光)が増加しても、フィルタCで確実に該漏れ光を除去することができる。
図10には、実際にUV反射フィルタB15のカット波長が短波長側にシフトしたときのUV吸収フィルタC16の効果を示す。図中の曲線Dは、UV吸収フィルタC16を用いない場合の漏れ光の量を、曲線Eは、UV吸収フィルタC16を用いた場合の漏れ光の量を示している。λ=407nmで比較すると、曲線Dでは0.05%の透過率に対して、曲線Eでは0.0002%となり、漏れ光が大幅に低減されている。
次に、各フィルタのカット波長の関係について説明する。
UVIR反射フィルタAのカット波長λ=420nmは、高圧水銀灯の輝線ピーク波長λ=407nmから440nmまでの幅=33nmのほぼ1/4(≒8nm)だけλから長波長側にシフトした波長λ=415nmよりも長波長側に設定する。これにより、λにおけるUVIR反射フィルタAの透過率は、λ=420nmのときに2%以下、λ=415nmのときに6%以下となり、漏れ光の量を設計値に対して3倍程度まで抑えることができる。
また、UVIR反射フィルタAのカット波長λ=420nmは、青色の短波長側の波長を決めているUV反射フィルタBのカット波長λ=426nmよりも短波長側に設定する。これは、UVIR反射フィルタAが複数層の膜を積層した構造であるために、UV反射フィルタBに対して透過率変化がなだらかな特性を有することに起因する。すなわち、両反射フィルタのカット波長を同じに設定した場合には、UV反射フィルタBに比べて440nm付近でのUVIR反射フィルタAの透過率が低くなってしまうためである。
例えば、図11に示すように、曲線B″の特性を有するUV反射フィルタBの、カット波長λ=426nmの条件での433nmにおける透過率は98.5%である。これに対し、曲線A″′の特性を有するUVIR反射フィルタAの、カット波長λ=426nmでの433nmにおける透過率は91%と大きく低下する。なお、図11は、図8の領域Iに相当する領域を拡大して示したものである。
また、UV反射フィルタBのカット波長λ=426nmは、440nmより短波長側に設定する。これは、λが440nm以上になると、青色を決めるために大きく関与する440nmでの透過率が50%以下に低下してしまうためである。
UV吸収フィルタCのカット波長λ=418nmは、高圧水銀灯が持つ輝線のピーク波長λ=407nmと、プロジェクタにおいて青色の短波長側の波長を決めているUV反射フィルタBのカット波長λ=426nmとの間に設定する。これは、UV吸収フィルタCのカット波長λ=418nmを輝線ピーク波長λ=407nmよりも短波長側に設定すると、該フィルタCのλ=407nmでの透過率が50%以上となり、余分光である輝線の漏れ光を50%以下しか除去できないためである。
また、UV吸収フィルタCのカット波長λ=418nmをUV反射フィルタBのカット波長λ=426nmよりも長波長側に設定した場合は以下の理由により好ましくない。図11から分かるように、曲線B″の特性を有するUV反射フィルタBの、カット波長λ=426nmの条件での433nmにおける透過率は98.5%である。これに対し、曲線C″′の特性を有するUV吸収フィルタCの、カット波長λ=426nmの条件での433nmにおける透過率は94%と大きく低下する。これでは、430nm付近での透過率を十分に確保することができない。
以上の説明をまとめると、以下のような条件を得ることができる。
条件1.
UVIR反射フィルタA14のカット波長λは、400〜420nm付近に存在する光源である高圧水銀灯の輝線のピーク波長λに対して、440nmに対してよりも近い波長に設定する。より具体的には、波長λから440nmまでの幅のほぼ1/4だけλから長波長にシフトした波長λよりも長波長側に設定する。これによりλにおける透過率を抑えることができる。
条件2.
UVIR反射フィルタA14のカット波長λは、プロジェクタにおける青色の短波長側を決めているUV反射フィルタB15のカット波長λよりも短波長側に設定する。これは、フィルタA14はフィルタB15に対してなだらかな透過特性を持ち、両フィルタのカット波長を同じにした場合にフィルタA14の430nm付近の透過率がフィルタB15に比べて低くなるので、これを回避するためである。
条件3.
UV反射フィルタB15のカット波長λは、440nmより短波長側に設定する。これは、カット波長λが440nm以上になったときに、440nmにおける透過率が50%以下に低下することを回避するためである。
条件4.
UV吸収フィルタC16のカット波長λは、光源である高圧水銀灯が400〜420nm付近に持つ輝線のピーク波長λとプロジェクタの青色の短波長側を決めているUV反射フィルタB15のカット波長λとの間に設定する。これは、フィルタC16のカット波長λをλより短波長側に設定すると、λにおける透過率が50%以上となり、余分光である輝線の漏れ光を50%以下しか除去することができないので、これを回避するためである。さらに、フィルタC15のカット波長λをフィルタB15のカット波長λより長波長側に設定すると、430nm付近での透過率を十分に確保することができないので、十分な透過率を確保するためである。
そして、これらの条件をもとに、以下のような条件式を導くことができる。
UVIRフィルタA14のカット波長:λ
UV反射フィルタB15のカット波長:λ
UV吸収フィルタC16のカット波長:λ
400nm以上420nm以下の波長領域(例えば、高圧水銀灯では407nm付近)に存在する光源の輝線ピーク波長:λ
λと440nmとの間の波長であって、440nmに対してよりもλに対して近い(λと440nmの幅若しくは間隔のほぼ1/4だけλより長波長側にある)波長:λ
とするとき、
λ<λ<λ<440nm …(1)
λ<λ<λ<440nm …(2)
以上の条件を満たすことで、使用する青色光の損失を少なくしつつ、偏光変換素子4に入射する余分光を安定的に、すなわちばらつきなく低減させることができる。この結果、偏光変換素子、さらにはそれ以降の光学部品の劣化を抑え、長期間にわたって信頼性の高いプロジェクタを実現することができる。
さらに以下の条件も満たすことが望ましい。
条件5.
UV吸収フィルタC16は、除去すべき波長のエネルギーを該フィルタ自体が吸収して除去するため、反射型フィルタと比較して透過率の劣化や破損が生じやすい。このため、特に、超高輝度タイプのプロジェクタにおいては、上記3つのフィルタA14,B15,C16のうちフィルタC16を光源から最も遠い位置、言い換えれば偏光変換素子4に最も近い位置に配置するとよい。これにより、吸収フィルタC16自体の劣化を少なくすることができ、さらに信頼性の高いプロジェクタを実現することができる。他の2つのフィルタA14,B15の順序はこの順でもよいし、逆の順序でもよい。
上記実施例では、UVIR反射フィルタA14、UV反射フィルタB15およびUV吸収フィルタC16の3つを使用する場合について説明した。しかし、IR光除去のためのフィルタが独立して設けられていたりUV吸収フィルタC16の熱負担が問題とならなかったりするような場合は以下の条件式を満足するようにしてもよい。
λ<λ<440nm …(1)′
λ<λ<λ<440nm …(2)
の条件下でフィルタB,Cのカット波長λ,λを設定してもよい。
以上説明した実施例において説明した具体的なカット波長やフィルタ特性は例にすぎず、本発明はこれらに限定されない。
また、本発明において、プロジェクタにおける偏光変換素子以降の光学構成は、図1Aに示したものに限定されない。
本発明の実施例である液晶プロジェクタの光学構成図。 実施例のプロジェクタの照明光学系に用いられる偏光変換素子の概略構成図。 実施例のプロジェクタの光源である高圧水銀灯の発光スペクトルを示す図。 実施例におけるUVIR反射フィルタの光学特性図。 実施例におけるUVIR反射フィルタの光学特性図。 実施例におけるUV反射フィルタの光学特性図。 実施例におけるUV吸収フィルタの光学特性図。 実施例におけるUV反射フィルタのカット波長のばらつきによる透過率変化の様子を示す図。 実施例における各フィルタの特性のばらつきを示す図。 実施例における各フィルタの特性のばらつきを示す図。 実施例におけるUV反射フィルタのカット波長が短波長側にシフトしたときのUV吸収フィルタの効果を示す図。 実施例における各フィルタのカット波長が最も長波長側に設定されたときの透過率を示す図。
符号の説明
1 光源
2,3 第一、第二のアレイレンズ
4 偏光変換素子
5 コンデンサーレンズ
6 ダイクロイックミラー
7,8,9 反射型液晶パネル
10,11,12 偏光ビームスプリッタ
13 投射レンズ
A,A′,A″,A″′フィルタAの光学特性曲線
B,B′,B″ フィルタBの光学特性曲線
C,C′,C″,C″′フィルタCの光学特性曲線
D,E 漏れ光特性曲線

Claims (4)

  1. 偏光分離膜と波長板を備え、光源からの無偏光光を所定の偏光光に変換する偏光変換素子を含む照明光学系であって、
    前記偏光変換素子よりも光源側に配置され、紫外光および赤外光を反射する第1のフィルタと、
    前記偏光変換素子よりも光源側に配置され、紫外光を反射する第2のフィルタと、
    前記偏光変換素子よりも光源側に配置され、外光を吸収する第のフィルタを有し、
    400nm以上420nm以下に存在する前記光源の輝線のピーク波長をλ
    λ と440nmとの間の波長であって、440nmよりもλ に近い波長をλ
    前記第1、第2、第3のフィルタの紫外光に対する透過率が、波長の短波長側から長波長側への変化とともに50%より低い側から高い側に変化する波長領域において、50%になる波長をカット波長とし、
    前記第1のフィルタのカット波長をλ
    前記第2のフィルタのカット波長をλ
    前記第3のフィルタのカット波長をλ とするとき、
    λλ λ<440nm
    λ<λ<λ<440nm
    を満足し、
    前記第3のフィルタは、前記第1および前記第2のフィルタよりも前記偏光変換素子側に配置されることを特徴とする照明光学系。
  2. 請求項に記載の照明光学系と、
    前記照明光学系からの光を光変調素子に導き、前記光変調素子からの光を投射する投射光学系を有することを特徴とする光学系。
  3. 請求項に記載の光学系を用いて画像を投射することを特徴とする画像投射装置。
  4. 請求項に記載の画像投射装置と、
    前記画像投射装置に画像情報を供給する画像供給装置を有することを特徴とする画像表示システム。
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