以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここでは、本発明にかかる遊技機の適例としてのパチンコ遊技機について説明を行う。
図1から3に示すように、本実施形態の遊技機100は、矩形枠状に構成された機枠110を備え、機枠110の前面側には、該機枠110に対して前方向へ扉状に回動可能に矩形枠状の前面枠120が軸着されている。なお、矩形枠状の機枠110は、裏面側から見て左側の一辺が金属製とされ、その他の辺は木製となっている。これによって、裏面側から見て左側の一辺においては、強度を保ったまま厚みを薄くでき、後述するように大型の表示ユニット170を備える裏機構枠160の配設を可能としている。
前面枠120は、当該前面枠120に備えられる各種部材等の取付用のベースとなる前面枠本体130と、当該前面枠本体130に対して、その前面側に回動可能に軸支されたクリア部材保持枠140と、前面枠本体130の前面のクリア部材保持枠140の下側に取り付けられた発射操作ユニット150と、前面枠本体130の裏面側に回動可能に軸支され、表示ユニット170を備える裏機構枠160とを有する。
前面枠本体130は、矩形枠状の機枠110の前面側をちょうど覆うような概略矩形板状に構成されるとともに、その中央から上端部に渡る部分に後述する遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部131が形成されている。そして、前面枠本体130に収容された遊技盤1の前面が前面枠本体130の開口部131から前側に臨むようになっている。すなわち遊技盤1は、前面枠本体130に嵌め込まれることで前面枠120に取り付けられている。
また、前面枠本体130の遊技盤1が嵌め込まれた開口部131、すなわち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部にわたる部分には、図1に示すように、前面枠本体130の前側を覆うようにクリア部材保持枠140が配置されており、遊技盤1の前面とクリア部材保持枠140に嵌め込まれたクリア部材としてのガラス板141との間で、遊技盤1の前面に設けられた遊技領域区画壁9に囲まれた部分が、遊技球が発射されて流下する第1遊技領域1aとされている。
また、クリア部材保持枠140の一方の側部(遊技機100の前面側から見て左側の側部)は、前面枠本体130の一方の側部に回動可能に軸支されて、扉状に開閉自在とされ、クリア部材保持枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の第1遊技領域1aの前側を開放可能となっている。クリア部材保持枠140には、前面枠本体130の開口部131をほぼ閉塞するように、該開口部131に嵌め込まれた遊技盤1との間に遊技球が流下可能な第1遊技領域1aとなる間隔を開けて二重のガラス板141が固定されている。そして、クリア部材保持枠140において、遊技機100の前側からガラス板141を介して遊技盤1の前面側の少なくとも第1遊技領域1aの部分が視認可能となっている。また、クリア部材保持枠140の前面であって、ガラス板141が固定されて第1遊技領域1aを視認可能とする部分の周囲には、枠装飾装置57としてのランプやLED、音声を出力するスピーカ58,58などが設けられている。
また、前面枠本体130に軸着されたクリア部材保持枠140の開放端側となる前面側から見て右側の端部の前面には、施錠装置の一部をなす鍵穴143が形成されている。この鍵穴143は、前面枠本体130の施錠装置の一部であるとともに、クリア部材保持枠140の施錠装置の一部でもあって、鍵穴143に鍵を入れて一方(例えば左回り)に回すと前面枠本体130の施錠が解除され、他方(例えば右回り)に回すとクリア部材保持枠140の施錠が解除されるようになっている。
また、前面枠本体130の前面側のクリア部材保持枠140の下側には、発射操作ユニット150が取り付けられている。発射操作ユニット150は、左右側部のうちの一側部となる左側部を前面枠本体130に軸着されて、左右方向に回動して開閉自在な開閉パネル151とその下の下部パネル152とからなる。開閉パネル151は、排出された遊技球を貯留するとともに、遊技球を発射する発射装置70(図9に図示)に遊技球を送る上皿153を有している。この上皿153の周囲には、遊技者が操作可能な演出用ボタン59(図9に図示)が設けられている。また、開閉パネル151の下側の下部パネル152には、上皿153に収容しきれない遊技球を収容する下皿154及び灰皿155と、第1遊技領域1aに向けての遊技球の発射操作を行うとともに、該第1遊技領域1aに遊技球を発射する際の発射勢を調節するための操作ハンドル156、音声を出力するスピーカ58などが設けられている。
図1に示すように、操作ハンドル156は、遊技機100の下部に配された下部パネル152の前面に設けられている。この操作ハンドル156は、図6から8に示すように、下部パネル152に固定される本体部156aと、該本体部156aの前端部に、本体部156aに対して回動可能に取り付けられた回動部156cとを備える。
図7に示すように、本体部156aは筒状であって、回動部156cが取り付けられる前端部は、その外径が回動部156cの内径に略等しくなるように拡径した形状となっている。この筒状の本体部156aにおける内部の空間の中心には、空間の延在方向(前後方向)に沿った軸受部156bが形成されている。
回動部156cは円形の前面部156dと、該前面部156dの周囲を囲むように形成された周面部156eとからなり、周面部156eには指を掛けるための突起部156fが形成されている。また、前面部156dの裏面の中心には、前面部156dに対して垂直に後方へ延出する回動軸156gが形成されている。この回動軸156gは本体部156aの軸受部156bにより回動可能に軸支されるようになっており、これによって、回動部156cが本体部156aに対して回動可能に取り付けられるようになっている。また、回動軸156gの後端部は本体部156aの後方に延出し、この後端部には発射装置70の発射勢調整部(図示略)と接続する接続部156hが形成されており、回動部156cを回動させることで発射装置70(図9に図示)における遊技球の発射勢を変化できるようになっている。すなわち、操作ハンドル156が、該発射装置70による発射勢を調整するために遊技者が操作可能な発射勢調整手段をなす。
発射装置70の発射勢調整部は、回動部156cを前面側から見て時計回り方向に回動させることで発射勢が強くなるようにされている。また、回動部156cは図示しない付勢部材により、前面側から見て反時計回り方向に付勢されており、外部から力が加わっていない状態(遊技者が操作していない状態)では、最も発射勢が弱くなる初期位置に戻るようになっている。さらに、図8に示すように、回動軸156gには該回動軸156gの回動角度、すなわち回動部156cの回動角度を検出するための発射勢検出器156iが設けられている。また操作ハンドル156には、回動部156cが初期位置から動いたことを検出する初期位置検出スイッチ156m(図10に図示)が設けられている。すなわち、初期位置検出スイッチ156mが、操作ハンドル156(発射勢調整手段)の操作による変化を検出して検出信号を出力する操作検出手段をなす。なお、発射勢検出器156iが初期位置検出スイッチ156mを兼ねるようにしても良い。
また、図7に示すように、本体部156aと回動部156cの間には、回動部156cの径方向に沿って中心方向へ押すように操作可能なストップスイッチ156jが設けられている。このストップスイッチ156jを押すことにより、遊技球の発射が中断する処理がなされるようになっている。また、本体部156aと回動部156cの間には、遊技者が操作ハンドル156に触れていることを検出するタッチセンサ156kが設けられている。このタッチセンサ156kは、回動部156cの裏面に設けられ、本体部156aの前端の外周に沿うように配される。
また、図2に示すように、前面枠本体130の裏面側であって、遊技盤1が嵌め込まれた開口部131の上端部から中央より少し下側にわたる部分には、前面枠本体130の裏面側を覆うように裏機構枠160が配置されている。裏機構枠160の前面の左端部は、前面枠本体130の裏面であって遊技機100の裏面側から見て右側の側部に回動可能に軸支されて扉状に開閉自在とされ、裏機構枠160を開くことにより、遊技盤1の裏面側の上部を開放可能となっている。なお、裏機構枠160と前面枠本体130の連結部分は着脱自在であって、前面枠本体130、裏機構枠160はそれぞれユニット単位で交換やメンテナンスが可能となっている。
その他、前面枠本体130には、各部材の取付位置に各部材を取り付けるための構造が設けられており、例えば、取り付けられた部材を囲むように補強用のリブが形成されていたり、ビス等による部材の取り付けのためのボス等が形成されている。
図2,3に示すように、裏機構枠160は、裏機構枠本体161と、画像を表示する画像表示装置としての表示ユニット170を案内するためのガイド部162とを有し、表示ユニット170の他、表示ユニット170を制御する第1演出制御装置33、賞球などを排出する排出装置190と排出装置190に遊技球を供給する貯留タンク192が設けられている。
上述したように、裏機構枠160の前から見て左側の端部は、前面枠本体130の裏面であって遊技機100の裏面側から見て右側の側部に回動可能に軸支されており、前面枠本体130に形成されて遊技盤1が嵌め込まれる開口部131を裏面側から覆って遊技盤1の裏面に臨む状態から、後方に扉状に回動して遊技盤1の裏面側を開放する状態との間で回動可能となっている。すなわち、裏機構枠160に表示ユニット170が配設されることで、表示ユニット170は該裏機構枠160を介して前面枠120側に配設された状態で遊技盤1の後方位置に配設されることとなる。そして、裏機構枠本体161において遊技盤1と平行に配され、遊技盤1の裏面側を覆うように配される部分が後面部161aとなる。
裏機構枠本体161は所定の厚みを有し、この裏機構枠本体161の前後面に種々の機構体が取り付けられている。裏機構枠本体161の前面には、表示ユニット170を前側に付勢する表示ユニット付勢手段をなす付勢部材としての圧縮コイルばね(図示略)を収納する後側が閉鎖された筒状の付勢部材収納部181,181(裏面側のみを図示)や、裏機構枠本体161を補強するための補強リブが形成されている。また、後述するように裏機構枠本体161の後面部161aの背面には、第1演出制御装置配設部165や接続用凹部183、流路形成凹部184、排出装置配設凹部185などの前方に窪んで後方に開口した凹部が形成されており、裏機構枠本体161の前面の一部はこれら凹部の裏面によって形成されている。また、裏機構枠本体161の前面の周囲には、上下の一部を除いて前側に延出する周囲壁187が形成されており、裏機構枠本体161の前面側は全体が凹部となっている。
また、この裏機構枠本体161の前側には、それぞれコ字状のガイド部162,162が左右の側面を前側に延長するように取り付けられている。そして、後面部161aおよび周囲壁187、ガイド部162,162によって、所定の奥行きを有するとともに前面側(遊技盤1の裏面に臨む側)に開口した略矩形凹室形状の空間(少なくとも背面と左右側面とを囲まれた空間)が形成され、この空間が表示ユニット170を収納する表示ユニット収納部168となる。すなわち、ガイド部162,162は裏機構枠本体161における後面部161aの左右端部の各々に設けられ、周囲壁187とともに表示ユニット収納部168の側面部をなす。
このように形成される表示ユニット収納部168には、画像表示面171が前側(開口した側)となるように表示ユニット170が配設されており、裏機構枠160を遊技盤1の裏面に臨むように配することで、遊技盤1の裏面側に表示ユニット170の画像表示面171が臨むようになっている。
表示ユニット170は、前面側が開口した矩形箱状(額縁状)に形成された金属製の表示ユニットケース174と、この矩形箱状の表示ユニットケース174に収容された液晶表示パネル175(液晶表示器55、バックライト56を含む)とを有する。そして、表示ユニットケース174の前面側から液晶表示パネル175の画像表示面171を有する前面が露出している。
表示ユニットケース174の上下の側部であって、左端部及び右端部の合わせて4ヶ所には、側部に対して垂直に外側に突出する被案内部(図示略)が設けられている。この被案内部は、摩擦係数が低い材質(例えば、ポリアセタール、金属)からなる被案内部材を、表示ユニットケース174の上下部(上下面の左右両端)に固定することで形成されている。また、表示ユニット170の下面に設けられた被案内部は、その下部に滑動体として左右方向に沿った回転軸を有するローラを備えている。そして、表示ユニット収納部168には、この被案内部と対応する位置に前後に延在する溝状の案内部(図示略)が形成されており、表示ユニット170が表示ユニット収納部168内において前後動自在に配されることとなる。また、案内部に対して摩擦係数が低い材質からなる被案内部もしくは回転可能なローラが当接することとなり、被案内部と案内部との間の摩擦抵抗が軽減され、表示ユニット170を円滑に前後方向に移動することができるようになっている。
表示ユニットケース174の裏面には、表示ユニットケース174に収納される液晶表示パネル175と、裏機構枠160の裏面側に配される第1演出制御装置33とを接続する配線を通すための、前後に貫通した図示しない配線用開口が形成されている。この配線用開口は、液晶表示パネル175の裏面側に設けられたコネクタ部の位置に対応して形成されており、液晶表示パネル175を表示ユニットケース174に収納すると、この配線用開口からコネクタ部が露出するようになっている。なお、この配線用開口が形成された位置は、表示ユニット170を表示ユニット収納部168に収納した際に、後面部161aに形成された第1演出制御装置配設部165に対応する位置となっており、第1演出制御装置配設部165にもこれに対応して配線を挿通する配線用開口が形成されている。
液晶表示パネル175は、矩形板状であって表示ユニットケース174にちょうど収まる大きさとなっている。この液晶表示パネル175は、液晶表示器55(図9に図示)とバックライト56(図9に図示)などから構成され、液晶表示器55の画像表示面171が、前側に臨むように配されている。
液晶表示器55の画像表示面171の面積は、前面枠本体130に形成された開口部131に嵌め込まれた遊技盤1の大部分を裏面側から覆うことができる面積となっており、後述する遊技盤裏面構成部材80に形成された遊技盤本体1bを透して後方を視認可能な視認開口87よりも広いものである。すなわち、画像表示面171の面積が、少なくとも遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87よりも広く、遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87の大きさが変化してもそれに対応できるようになっている。このように、液晶表示器55の画像表示面171が遊技盤1の裏面側を幅広く覆うようにすることで、遊技盤1を交換して遊技機100の遊技内容を変更する場合に、多種の遊技盤1に対応できるようになっている。
また、液晶表示器55は、画像表示面171の面積が遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87よりも広いので、遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87から露出する領域に所定の画像が表示されるように第1演出制御装置33によって制御されている。この画像表示領域を決定する遊技盤1の遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87の大きさや位置に関する初期情報や、変動表示ゲームの画像に関する情報は第2演出制御装置31の演出データ基板32に記憶されているが、第2演出制御装置31は遊技盤1に取り付けられており、遊技盤1と一緒に第2演出制御装置31も交換される。よって、遊技盤1の交換に伴い、例えば、これまでの遊技盤に対応した画像表示領域から、新たな遊技盤1に対応した画像表示領域に変更できるようになっている。
また、表示ユニット収納部168の上下幅および左右幅は、表示ユニット170の上下幅および左右幅よりも大きくなっており、表示ユニット170の周囲に空間があいた状態とされる。これによって、表示ユニット170の前後方向への移動が容易になるとともに、表示ユニット170が表示ユニット収納部168内で僅かに傾斜した状態(遊技盤1の左右方向と非平行状態)になることも可能となる。なお、溝状の凹部となった案内部内に被案内部が収納された状態となっているので、表示ユニット170が非平行状態になっても被案内部が案内部から脱落することがない。
また、表示ユニット170は、圧縮コイルばねからなる表示ユニット付勢手段により前方側に向かって付勢された状態となっており、裏機構枠160を開放した状態あるいは、遊技盤1を前面枠120から取り外した状態では、前後の移動範囲の最も前側の位置に配される。
なお、遊技盤1が装着されて裏機構枠160を閉じた状態においては、後述する遊技盤裏面構成部材80の裏面に設けられて後方に突出する押圧部83,83,…が、表示ユニット170の前後方向の移動範囲における最も前側の位置より後方に位置するようになっている。よって、押圧部83の後端部にある押圧部材83bが表示ユニット170の前面に密着し、表示ユニット170は遊技盤裏面構成部材80の裏面から押圧部83,83,…の突出幅の分だけ後方側へ隔離した位置に配されるようになっている。以上のような構成によって、液晶表示器55を備えた表示ユニット170は、裏機構枠160に前後移動可能に保持されることとなる。
また、図3に示すように、裏機構枠160の後面部161aの背面(裏面)には、前方に窪んで後方に開口した略矩形状の凹部である第1演出制御装置配設部165が形成され、ここに第1演出制御装置33が配設されている。この第1演出制御装置33はCPUなどを備えた演出制御基板を有し、画像表示装置をなす表示ユニット170における液晶表示器の表示を制御する表示制御手段をなすものである。
また、第1演出制御装置33の上下幅は、第1演出制御装置配設部165の上下幅よりも広く、第1演出制御装置配設部165に第1演出制御装置33を収容すると、図2に示すように、第1演出制御装置33の下部が第1演出制御装置配設部165の下方に形成された開口部163に延出するようになっている。そして、第1演出制御装置33の前面側であって開口部163に延出する部分からはコネクタ部33mが外側に露出している。
後述するように、遊技盤1の裏面には第2演出制御装置31が取り付けられており、この第2演出制御装置31のコネクタ部(図示略)と第1演出制御装置33のコネクタ部33mが、互いに対向するように配され、第2演出制御装置31と第1演出制御装置33が直接接続できるようになっている。
また、図3に示すように、後面部161aの背面であって、裏機構枠160の裏面側から見て、第1演出制御装置配設部165の右側には、第1演出制御装置33と他の装置等を接続する配線を収納する接続用凹部183が形成されている。この接続用凹部183の上半部はカバー部材166によって覆われ、下半部は遊技制御装置30によって覆われるようになっている。このように配線を接続用凹部183内に収納し、接続用凹部183の開口部分をカバー部材166および遊技制御装置30で覆って閉鎖することにより、配線が露出してばらけてしまうことを防止することができる。
裏機構枠本体161の上面には、遊技機100が設置される図示しない島設備に設けられた供給装置から供給される遊技球を一時貯留し、排出装置190に供給する貯留タンク192が取り付けられるようになっている。貯留タンク192の底面は、裏機構枠本体161の後方に向かって下るとともに、裏機構枠本体161の裏面側から見て左方向に下る傾斜を有しており、この傾斜下流側に位置する貯留タンク192の底面には、貯留タンク192内の遊技球を外部に排出する排出口(図示略)が形成されている。
貯留タンク192の排出口は後面部161aの背面に位置しており、後面部161aの背面に形成された流路形成凹部184には、この排出口に連通した導出流路を形成する導出流路形成部材195,196が取り付けられている。この導出流路は、排出口から排出された遊技球を裏機構枠160の右端部へ誘導するとともに、裏機構枠160の右端部においてさらに下方へ誘導するように形成されており、その下流側端部は裏機構枠160の裏面に設けられた排出装置190に接続している。
排出装置190は、裏機構枠本体161の裏面側から見た右端部における上下方向の略中央に形成された排出装置配設凹部185に取り付けられている。この排出装置190は、上部に導出流路に接続する遊技球を受け入れる流入口を、下部に下部流路に接続する遊技球を排出する排出口を備えており、排出発射制御装置34が遊技制御装置30の制御の下で排出装置190を作動させることで、所定数の遊技球を下部流路に排出するようになっている。
排出装置190の排出口に接続した下部流路は、裏機構枠160の裏面側から見た右端に沿って取り付けられた下部流路形成部材197によって形成されており、排出装置190から排出された遊技球を下方に誘導するようになっている。この下部流路の下流側端部は、発射操作ユニット150の前面に形成された上皿153に連通しており、排出装置190から排出された所定数の遊技球が上皿153排出されるようになっている。なお、貯留タンク192の排出口から排出装置190に至る導出流路内には、常に遊技球が待機している状態となっており、排出装置190によって導出流路内の遊技球が排出されることに伴って貯留タンク192から流路に遊技球が流入するようになっている。
図4,5に示すように、前面枠本体130の開口部131に嵌め込まれる遊技盤1は、遊技盤本体1bと、遊技盤本体1bの裏面側に配される遊技盤裏面構成部材80とを備える。遊技盤本体1bは透明な合成樹脂(例えば、ポリカーボネートやアクリル)からなり、前面には、遊技領域区画壁9で囲まれた第1遊技領域1aを有し、この第1遊技領域1a内に発射装置(図示略)から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うようになっている。
遊技盤本体1bの前面側には、第1遊技領域1aを区画する遊技領域区画壁9を備える遊技領域区画部材8,8,…が取り付けられている。この遊技領域区画部材8,8,…は所定の厚みを有し、遊技盤本体1bの前面の四隅に配されて第1遊技領域1aを区画するものであって、遊技盤1の中心側に配される側面が第1遊技領域1aを区画する遊技領域区画壁9をなしている。また、遊技領域区画部材8,8,…は不透明な材質からなり、第1遊技領域1a以外から遊技機100の内部が見えないようになっている。
さらに、遊技盤本体1bの四隅に配された遊技領域区画部材8,8,…には、遊技盤1を前面枠本体130に形成された開口部に対して着脱可能とする係合凹部8b、固定凹部8cが形成されている。前面側から見て左側の上下にある遊技領域区画部材8,8には、前面枠本体130に設けられた係合部材132,132が係合可能な係合凹部8bが形成され、遊技盤1の前面側から見て右側の上下にある遊技領域区画部材8,8には、前面枠本体130に設けられた固定部が係合可能な固定凹部8cが形成されている。そして、前面枠本体130に形成された開口部に対して、前面側から係合凹部8b,8bを係合部材132,132に係合させ、この係合部分を軸として他端部を後方に回動させて開口部に収容し、固定凹部8c,8cに固定部133,133を係合させることで遊技盤1が前面枠本体130に固定されるようになっている。
遊技盤1を構成する遊技盤本体1bの前面側に形成された第1遊技領域1a内には、遊技盤1の装飾や遊技球を流下案内する遊技装置として、普図始動ゲート6、始動口10および普通変動入賞装置3、特別変動入賞装置4が設けられている。さらに遊技装置として、遊技球誘導部15、一般入賞口形成部材14,14に設けられた一般入賞口2,2、遊技球の流下方向を変化させる風車11,11、多数の障害釘(図示略)、流下方向規制装置7、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口5、ランプ・LEDなどの遊技盤装飾装置などが設けられている。また、遊技盤本体1bの裏面側には、遊技球が流下可能な後述する第2遊技領域20が設けられ、第1遊技領域1aには遊技装置として、この第2遊技領域20への導入口をなすワープ入口12,12、第2遊技領域20からの導出口13が設けられている。
普図始動ゲート6は遊技球が上下に通過可能なゲートであり、その内部には遊技球の通過を検出するゲートセンサ6aが設けられている。そして、該ゲートセンサ6aで遊技球が検出されることに基づき普図変動表示ゲームの始動条件が成立するようになっている。また、普図変動表示ゲームは、遊技盤1の前面側に設けられた図示しない普図変動表示器にて表示されるようになっている。さらに、遊技盤1の前面側には、未処理となっている第1普図変動表示ゲームの回数をLEDの点滅で表示する図示しない普図始動記憶表示器が設けられている。
始動口10および普通変動入賞装置3は第1遊技領域1aの下部にあって、その内部には遊技球の流入を検出する始動口センサ50(図9に図示)が設けられている。この始動口10および普通変動入賞装置3は、始動入賞口であって、始動口センサ50で遊技球が検出されることに基づき特図変動表示ゲームの始動条件が成立するようになっている。この特図変動表示ゲームは、遊技盤1の前面側に設けられた図示しない特図変動表示器にて表示されるようになっている。また、遊技盤1の前面側には、未処理となっている特図変動表示ゲームの回数をLEDの点滅で表示する図示しない特図始動記憶表示器が設けられている。
普通変動入賞装置3は左右一対の開閉部材3a,3aを具備し、始動口10の下部に配設され、この開閉部材3a,3aは、常時は遊技球が流入不能な閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様(例えば、「7」)となった場合には、普図の当たりとなって、普通変動入賞装置3の開閉部材3a,3aが所定時間(例えば、0.5秒間)逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置3に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化されるようになっている。これにより、特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
また、特図変動表示ゲームは、第1遊技領域1a内に設けられた特図変動表示器で実行されるが、ここで実行される特図変動表示ゲームに対応する表示ゲームが表示ユニット170の画像表示面171に表示されるようになっている。この特図変動表示ゲームに対応した表示ゲームの表示領域は、遊技盤本体1bの裏面側に配された表示領域区画壁64,92、上部役物装置25によって区画された領域であって、透明な材質からなる遊技盤本体1bを通して、その裏面側に配された表示ユニット170の画像表示面171を視認可能な領域となっている。なお、遊技機100に特図変動表示器を備えずに、表示ユニット170のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図変動表示器の表示態様が特別結果態様(たとえば「7」)となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、これに対応して画像表示面171における表示ゲームの表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となる。
特別変動入賞装置4は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉4aによって開閉される大入賞口を備えていて、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせる。なお、開閉扉4aは、ソレノイド(大入賞口SOL53(図9に図示))により駆動される。また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球を検出するための大入賞口用センサ(カウントセンサ51(図9に図示))が配設されている。
遊技球誘導部15は、発射装置70から発射された遊技球を第1遊技領域1aの上方部に誘導するものであって、第1遊技領域1aの前面側から見て左側に形成された遊技領域区画壁9に沿って形成されている。なお、第1遊技領域1aの上方部であって、この遊技球誘導部15の終端部近傍の領域(図4に点線で示した領域A)に、後述する発射調整補助表示201が表示されるようになっている。一般入賞口形成部材14,14は、第1遊技領域1aの下部に位置する遊技領域区画壁9に沿って配されており、前面側には一般入賞口2,2が形成されている。また、この一般入賞口2,2には、一般入賞口2,2に入った遊技球を検出するための一般入賞口センサ52(図9に図示)が配設されている。また、一般入賞口形成部材14,14は、遊技に関連した装飾が施されて一部が光を透過可能に構成されているとともにLEDなどを備えており、遊技盤1の装飾を行う遊技盤装飾装置54(図9に図示)の一部をなしている。
そして、遊技を開始することにより第1遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口2,2、始動入賞口(始動口10、普通変動入賞装置3)、大入賞口(特別変動入賞装置4)等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球としての遊技球が排出発射制御装置(排出発射制御基板)34(図9に図示)の制御により排出装置190によって上皿153に排出される(払い出される)ようになっている。
また、流下方向規制装置7は、第1遊技領域1aとなる遊技盤本体1bの前面に突出するように取り付けられている。この流下方向規制装置7は透光性を有する材質からなる部材で、鎧部7aとその両端に接続した案内部7b,7bとから略コ字状に形成されていて、コ字状の開口部分が下側を向くように第1遊技領域1aの中央部に配され、第1遊技領域1aの中央部分を区画するようになっている。これによって、第1遊技領域1aに発射されて流下する遊技球が第1遊技領域1aの左右に振り分けられ、第1遊技領域1aの中央部分における画像表示面171の視認性が保たれるようになっている。
この流下方向規制装置7の鎧部7aは、第1遊技領域1aの中央部分に対して上側に配されて上方に突出するような円弧状をしており、その上面が中央から左右に下るような傾斜面とされている。このように上面が円弧状となっていることで、第1遊技領域1aの上方に発射され、流下する遊技球を傾斜に沿って左右に振り分けることができるようになっている。
また、鎧部7aの端部に連続した案内部7b,7bは、第1遊技領域1aの中央部分に対して左右に配されて下方に向かって延在するようになっている。この案内部7b,7bは、鎧部7aで左右に振り分けられた遊技球が中央部分へ戻らないように下方へ案内するものである。また、この案内部7b,7bの下端部にはワープ流路24a,24aへの入口となるワープ入口12,12が、流下方向規制装置7の外側(案内部7bと、対向する遊技領域区画壁9との間)を流下する遊技球を受け入れ可能に形成されている。また、遊技盤本体1bにおけるワープ入口12,12が配される部分には、前後に貫通したワープ孔が形成され、ワープ入口12,12から流入した遊技球を、遊技盤本体1bの裏面側に形成された後述する第2遊技領域20へ誘導可能とされている。
また、第1遊技領域1aにおける始動口10の上側には、後述する第2遊技領域20からの導出口13が形成されている。この導出口13は、遊技盤本体1bに形成された前後に貫通した導出孔に導出口形成部材23を取り付けることで構成されている。この導出口形成部材23は、遊技盤本体1bと略同じ厚みを有し、導出孔に嵌め込まれる部分に導出口13を形成する筒状の開口23aが形成されている。この筒状の開口23aの内周面における下側の面(導出口13の底面)は、後方に配される後述するステージ部材21の形状に合わせた曲面とされているとともに前側に傾斜するようにされており、ステージから前側に誘導された遊技球を第1遊技領域1aに誘導可能とされている。また、この曲面とされた遊技球が転動する下側の面の下方には、ステージの下側に前後方向に沿って延在するように形成された球誘導路22の下流側端部が形成されている。導出口形成部材23の前端部に位置する球誘導路22の下流側端部は、始動口10の直上に位置するようになっており、ここを流下した遊技球は高い確率で始動口10に流入するようになっている。
図5に示すように、遊技盤1を構成する遊技盤本体1bの裏面側には、遊技盤裏面構成部材80が取り付けられている。この遊技盤裏面構成部材80は、上部カバー部材81、下部カバー部材82、側部カバー部材84とから遊技盤本体1bの周囲に沿う矩形状に形成され、不透明又は半透明とされた合成樹脂(例えば、ポリカーボネートやABS)からなる。この遊技盤裏面構成部材80の略中央部には、遊技盤本体1bに形成された第1遊技領域1aの大部分と重なるように略矩形状の視認開口87が形成されている。
上部カバー部材81は、遊技盤本体1bの裏面における上側部分を覆う板状の部材で、左右及び上側の周縁が遊技盤本体1bの上側部分における外周に沿うような形状をしている。また、下側の周縁は、遊技盤本体1bの前面側に形成された第1遊技領域1aの周縁をなす遊技領域区画壁9に略沿うように湾曲した形状とされている。この上部カバー部材81の裏面側には上部役物装置25が取り付けられている。すなわち、上部カバー部材81は上部役物装置25の取り付けベースをなす。
上部役物装置25はその大部分が、上部カバー部材81の下側の周縁よりも下側に配されるようになっていて、その前面は遊技盤1の前面側から遊技盤本体1bを透して視認可能となっており、この前面には、例えば機種名や装飾図柄などが描かれ、装飾が施された装飾板が配されている。
この上部役物装置25は、内部に演出部材と、この演出部材を駆動する駆動装置が設けられており、遊技の進行に合わせて演出部材を視認開口87に現出させることで、遊技の演出を行うものである。すなわち演出部材は、通常時は上部役物装置25の内部に収納された状態となっていて、遊技者からは見えないように機種名などが描かれた装飾板により隠蔽されており、この状態から駆動装置により駆動されて視認開口87に現出し、遊技者から視認可能となることで演出を行うようになっている。また、この上部役物装置25は遊技盤装飾装置の一部をなすものであって、第1演出制御装置33が第2演出制御装置31を介して制御するようになっている。また、上部役物装置25は所定の前後幅を有し、遊技盤1と表示ユニット170の間の上部の隙間から遊技機100の内部が見えないようにする機能も有する。
下部カバー部材82は、遊技盤本体1bの裏面における下側部分を覆う板状の部材で、左右及び下側の周縁が遊技盤本体1bの下側部分における外周に沿うような形状をしている。また、上側の周縁は第1遊技領域1aに設けられた役物装置(普通変動入賞装置3、特別変動入賞装置4、一般入賞口形成部材14,14)の後部を覆うことができるように、役物装置の配設部位における上縁部に沿う形状とされている。この下部カバー部材82の裏面側には、役物装置の後部を覆う下部覆い部材60が取り付けられるようになっている。すなわち、下部カバー部材82は下部覆い部材60の取り付けベースをなす。
下部覆い部材60はその前面側に、始動口10、普通変動入賞装置3、特別変動入賞装置4、一般入賞口2,2などに入賞した遊技球を流下させる入賞球流路を備える。この入賞球流路は、遊技機100の外部(島設備の回収樋)に連通する図示しない流路に接続するようになっている。また、この下部覆い部材60の裏面側から見て左側の端部は、上下方向に沿って延在する回動軸を備える連結部62が形成されており、第2演出制御装置31が左右方向に扉状に回動可能に軸支されるようになっている。
また、下部覆い部材60は透明な材質からなり、一部がレンズのように加工されていて、裏面側に配されたLED基板(図示略)に備えられたLEDからの光を役物装置に向けて誘導する機能も有する。さらに、下部覆い部材60の上部には着色されて半透明とされた板状の表示領域区画壁64が形成されており、表示領域を区画するとともに、遊技機100の内部が見えないようにしている。また、下部覆い部材60の裏面側に取り付けられた第2演出制御装置31の裏面側には遊技制御装置30が取り付けられている。
第2演出制御装置31は、画像データなどを記憶したROMを備える演出データ基板32と、遊技盤装飾装置を駆動するための盤装飾ドライバ35aを備えたドライバ基板35を備え、遊技制御装置30の制御の下で演出の制御を行うものである。この第2演出制御装置31の裏面側には、左右方向に沿って延在する回動軸を備える一対の支持部31a,31aが形成されており、遊技制御装置30を上下方向に扉状に回動可能に軸支するようになっている。また、遊技を制御する遊技制御装置30を軸支する支持部31a,31aの近傍には、遊技制御装置30が第1演出制御装置33の裏面に沿って配された状態、すなわち遊技制御装置30が起立した状態を保持する保持部材(図示略)が設けられている。すなわち、第2演出制御装置31の裏面は遊技制御装置30を取り付けるための台座をなす。
すなわち、機種に依存する演出データ基板32を備えた第2演出制御装置31、遊技制御装置30は遊技盤1に取り付けられ、複数の機種で共通使用可能な第1演出制御装置33、排出発射制御装置34、電源供給装置37は前面枠本体130もしくは裏機構枠160に取り付けられている。よって、遊技盤1を変更することにより機種に依存する装置(基板)のみが交換され、遊技機100の遊技内容を変更することが可能である。
側部カバー部材84は、遊技盤本体1bの左右それぞれの側端に沿って取り付けられており、上端部が上部カバー部材81の下端に接して連続するように配されるとともに、下端部が下部カバー部材82の上端部に接して連続するように配される。さらに、側部カバー部材84と一体に表示領域区画壁92を備える側壁部材90が取り付けられている。
側壁部材90は、表示領域を区画する表示領域区画壁92を備え、該表示領域区画壁92が遊技盤本体1bに対して上下方向に延在するとともに後方へ延出するような向きで配される。なお、左右の表示領域区画壁92は遊技盤本体1bに対して略垂直に配されるが、より詳細には、後方へ向かって間隔が狭くなるように若干斜めに配されるようになっている。この表示領域区画壁92は、表示領域区画壁92を通して遊技機100の内部が透けて見えない程度の半透明とされており、表示領域区画壁92の外側を前方から隠蔽するように構成されている。また、表示領域区画壁92の遊技盤本体1bの側端側に配される面には波状の凹凸が形成されており、さらに、表示領域区画壁92の遊技盤本体1bの中央側に配される面には、不透明な装飾用のシールが貼付されるようになっており、表示領域区画壁92を透して遊技機100の内部が見えないようになっている。
以上のような構成を有する上部役物装置25、表示領域区画壁92,64によって、遊技盤本体1bの裏面側に前後方向に沿った筒状の空間が形成される。この表示領域区画壁92,64および上部役物装置25は、遊技盤1の後方に配される後述する表示ユニット170の画像表示面171に近接するように配され(当接はしない)、特図変動表示ゲームに対応した表示ゲームなどの表示領域を区画するようになっている。すなわち、表示ユニット170の画像表示面171のうち、表示領域区画壁92,64および上部役物装置25で囲まれた領域が遊技盤1の前面側から視認可能な表示領域(視認領域)となる。これによって、第1遊技領域1aの大部分に表示ユニット170の画像が表示されることとなる。また後述するように、この遊技盤本体1bの裏面側における表示領域区画壁92,64および上部役物装置25で囲まれた領域の一部が、遊技球が流下可能な第2遊技領域20とされている。
なお、画像表示面171の面積は、遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87よりも広いので、視認開口87から露出する領域に所定の画像が表示されるように第1演出制御装置33によって制御されている。また、上述したように、表示領域区画壁92,64と上部役物装置25は、遊技機100の内部が見えないようにする機能も有しており、これらで囲まれた視認開口87の外周部分となる領域は遊技盤1の前面側からは見えないようになっている。
また、上部カバー部材81、下部カバー部材82の裏面には、遊技盤本体1bの左右端部に沿って配される周縁の近傍に後方へ突出する押圧部83,83,…が形成されている。この押圧部83,83,…は、遊技盤1の裏面側に配される表示ユニット170の前面(表示ユニット170の外枠をなす表示ユニットケース174の前面)に、その後端部が当接するようになっている。表示ユニット170は、表示ユニット付勢手段(圧縮コイルばね)によって前側に付勢されているので、押圧部83,83,…と表示ユニット170は密着した状態で保持されるようになっている。
また、押圧部83,83,…は、所定の前後幅を有しており、押圧部83,83,…が表示ユニット170の前面に当接することで、遊技盤1と表示ユニット170は所定の間隔をおいて平行に配され、両者の間に空間部が形成されるようになっている。なお、押圧部83,83,…の前後幅は、上述した表示領域区画壁92の前後幅よりも若干広くされており、押圧部83,83,…が表示ユニット170の前面に当接することで、表示領域区画壁92が画像表示面171に近接した位置に配されるようになっている。
このように、遊技盤1に対して表示ユニット170が所定の間隔をおいて遊技機100の奥側に配されるので、表示ユニット170と遊技者との距離を確保でき、奥行き感を出すことができるとともに、大型の表示ユニット170を用いた場合でも、遊技者にとって見やすい構成とすることができる。また、遊技盤側から入り込む外光によって画像表示面171における表示が見にくくなることを防止できる。
また、押圧部83,83,…は上部カバー部材81の裏面、下部カバー部材82の裏面に形成された基部と、基部の後端部にねじによって取り付けられた摩擦係数が低い材質(例えば、ポリアセタール、金属)からなる押圧部材83bとを有している。さらに、上部カバー部材81、下部カバー部材82の裏面側から見て右側に位置する押圧部83,83の基部には、押圧部材83bに加え、上下方向に沿った軸を中心に回動可能なローラ83cが、外側に位置する角部に取り付け可能とされている。表示ユニット170の前面に当接する押圧部83,83,…がこのような構成を有することで、押圧部83,83,…が表示ユニット170の前面に当接し、押圧した状態で、容易に適切な位置に移動することができるようになっている。
遊技盤本体1bの裏面側における表示領域区画壁92,64および上部役物装置25で囲まれた領域内には、遊技装置としてのステージ部材21が配されている。このステージ部材21は透光性を有する材質からなる板状の部材であって、左右の端部は表示領域区画壁92に一部が支持されるとともに近接して配され、後端部は表示領域区画壁92の後端部と等しい前後位置に配されている。すなわち、このステージ部材21によって、表示領域区画壁92,64および上部役物装置25によって形成された前後方向に沿った筒状の空間が上下に区画されるようになっている。そして、遊技盤1の裏面側に表示ユニット170が配されることで、表示ユニット170と表示領域区画壁92、ステージ部材21および上部役物装置25によって囲まれた空間である第2遊技領域20が遊技盤本体1bの裏面側に形成される。このように形成される第2遊技領域20へは、案内部7b,7bに形成されたワープ入口12,12に流入した遊技球が誘導されるようになっている。
遊技盤本体1bの裏面におけるワープ入口12,12と対応する位置には、ワープ装置をなすワープ流路形成部材24,24が配されている。このワープ流路形成部材24,24は透光性を有する材質からなる部材で、ワープ入口12,12に流入してワープ孔を通って遊技盤本体1bの裏面に至った遊技球を、ステージ部材21の上面に形成されたステージ21a上に誘導するワープ流路24a,24aが内部に形成されている。このワープ流路24a,24aは、遊技球を一列で流下可能な筒状の流路であって、その入口となる上流側端部は遊技盤本体1bに形成されたワープ孔に接続しており、ここから遊技盤本体1bの裏面に沿って遊技盤本体1bの側端方向へ屈曲し、出口となる下流側端部はステージ21aの側端部の上方に近接した位置に配されるようになっている。これによって、第1遊技領域1aに開口したワープ入口12に流入した遊技球は、ワープ流路24a,24aを通って第2遊技領域20におけるステージ部材21の上面に形成されたステージ21aの側端方向へ誘導されることとなる。
ステージ部材21は、左右両側が中央に向かって下る傾斜面となっているとともに、中央部が上向きに突出した略W字状に形成されている。そして、このステージ部材21の上面が、遊技球が転動するステージ21aとされ、遊技球が略W字状の傾斜に沿って左右に転動するようになっている。また、このステージ部材21の中央部は、遊技盤本体1bに形成された導出口13の後方に位置するように形成されており、ステージ21aは、導出口形成部材23によって形成された導出口13の底面に連続するようになっている。これによって、ステージ21a上を転動する遊技球は前側へ誘導され、導出口13から第1遊技領域1aへ導出されることとなる。
また、ステージ21aの左右方向の中央であって、遊技球が転動する面の下側には、遊技球が流下可能な流路である球誘導路22の後方部分が形成されている。この球誘導路22は、前後方向に沿って延在するように形成された遊技球が一個流下可能な内径を有する筒状の流路で、前側に向かって下るように傾斜している。この球誘導路22の上流側端部はステージ21aに開口しており、下流側端部は上述したように、導出口形成部材23の前端部に開口している。
次に、遊技機100の制御系について図9,10を参照して説明する。遊技機100は、その制御系として遊技の進行を制御する遊技制御装置30(主制御基板、主制御回路)、この遊技制御装置30の制御下で各種の演出に関する制御を行う第2演出制御装置31(演出データ基板32、ドライバ基板35)、第1演出制御装置33(演出制御基板)、排出装置190による賞球または貸球の払い出しの制御と、発射装置70による遊技球の発射の制御を行う排出発射制御装置34(排出発射制御基板、排出発射制御回路)、電力を供給する電源供給装置37(電源基板、電源回路)を備えている。
遊技制御装置30は、CPU30b、RAM30c、ROM30d等を有する遊技用マイクロコンピュータを備えるとともに、図示しない入出力インタフェース、各種処理の同期やタイマ等のためのパルス信号を出力するクロック(発振器)等により構成されている。
CPU30bは、制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値などの各種乱数値なども生成している。RAM30cは、始動口10および普通変動入賞装置3内に設けられた始動口センサ50のオン信号などを記憶する記憶領域や、前記各種乱数値の記憶領域、並びに、CPU30bの作業領域等を備えている。また、特図及び普図の始動入賞(始動口センサ50及びゲートセンサから入力される検出信号)に対応して上限値(例えば、4)の範囲内で未処理の特図及び普図の変動表示ゲームの始動権利を特図及び普図の始動記憶数(保留数)として記憶する記憶領域を備えている。ROM30dには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、上述の各種乱数値に対応して、特図変動表示ゲームの大当り発生を判定するための特図変動表示ゲームの大当り判定値、変動パターン(リーチアクションの種類)の判定値などが記憶されている。
また、入出力インタフェースには、ローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、始動口10および普通変動入賞装置3の始動口センサ50、大入賞口のカウントセンサ51、一般入賞口2,2の一般入賞口センサ52などが接続されており、これらからの各種信号が入力され、これら各種信号は、該入出力インタフェースにより中継されて、CPU30bに対し出力される。
さらに、入出力インタフェースには、CPU30bから出力される各種の制御信号が入力され、これら制御信号は、該入出力インタフェースにより中継されて、図示しない出力ポート及びドライバを介して、特別変動入賞装置4の駆動手段としての各種開閉ソレノイド(例えば、大入賞口SOL53)、第1演出制御装置33、賞球の排出や遊技球の発射を制御する排出発射制御装置34などに出力されている。
第2演出制御装置31は遊技機固有のデータを記憶するデータ装置として、演出に関するデータを記憶したROMを備える演出データ基板32と、遊技盤1に配設された電気的機器の駆動機能を有する演出駆動基板をなすドライバ基板35とを有する。演出データ基板32は、演出の制御内容を記憶した制御ROM32c、画像や映像データが記憶されたキャラクタROM32b、音データが記憶された音声データROM32dを備えている。なお、この演出データ基板32に備えられた各種ROMの記憶内容は、遊技機の機種に依存するものである。ドライバ基板35は、ランプ・LED、装飾用役物(ソレノイド)などの遊技盤装飾装置54を駆動する盤装飾ドライバ35aを備え、第1演出制御装置33が遊技制御装置30から受信した制御信号(演出コマンド)に基づいて(遊技制御装置30の制御の下に)この盤装飾ドライバ35aを制御し、盤装飾を行うようになっている。
また、第1演出制御装置33は、制御装置としてのCPU33b、RAM33cや、表示ユニット170(液晶表示パネル175)における表示を制御する画像用メモリとしてのRAMや、グラフィックプロセッサとしてのVDP33d(video display processor)、画像や映像データが記憶されたサブ画像ROM33eなどを含むビデオ回路、音の出力を制御する音声LSI33f、音量を調節する音声ボリューム33gを備えている。また、クリア部材保持枠140に設けられたランプ、LEDなどのクリア部材保持枠140を装飾する枠装飾装置57を駆動する枠装飾ドライバ33hを備えている。さらに、表示ユニット170の液晶表示パネル175における表示状態を調節するための、輝度調節器33i、コントラスト調節器33jが備えられている。
第1演出制御装置33は図示しない入出力インタフェースを有し、この入出力インタフェースにはローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、遊技制御装置30、第2演出制御装置31の演出データ基板32、遊技機の前面(例えば、上皿153の周囲)に設けられた遊技者が操作可能な演出用ボタン59などが接続されており、これらからの各種信号が入力され、これら各種信号は、該入出力インタフェースにより中継されて、CPU33bに対し出力される。なお、遊技制御装置30から出力される制御信号(各種コマンドなど)は中継基板73を介して第1演出制御装置33に送信されるようになっている。
さらに、入出力インタフェースには、CPU33bから出力される各種の制御信号が入力され、これら制御信号は、該入出力インタフェースにより中継されて、図示しない出力ポート及びドライバを介して、演出データ基板32、液晶表示パネル175のバックライト56、枠装飾装置57(枠装飾ドライバ33hを介して)などに出力されている。なお、CPU33bから出力される制御信号のうち、画像の制御に関する制御信号は、CPU33bからVDP33dに出力され、VDP33dから該制御信号に基づく画像データが液晶表示器55に出力される。また、音声の制御に関する制御信号は、CPU33bから音声LSI33fに出力され、音声LSI33fから該制御信号に基づく音声データがスピーカ58に出力される。
そして、第1演出制御装置33は、遊技制御装置30から中継基板73を介して受信した制御信号(演出コマンド)に基づいて(遊技制御装置30の制御の下に)、枠装飾装置57による枠装飾の制御、表示ユニット170に備えられる液晶表示パネル175(液晶表示器55、バックライト56)の制御、スピーカ58による音の出力の制御を行う。さらに、遊技制御装置30から中継基板73を介して受信した制御信号(演出コマンド)に基づいて(遊技制御装置30の制御の下に)ドライバ基板35の盤装飾ドライバ35aを介して遊技盤装飾装置54の制御を行う。
排出発射制御装置34は、図10に示すように、CPU34aやRAM、ROM等を備える(マイクロプロセッサを備える)とともに、入力インタフェース(入力I/F)34b、出力インタフェース(出力I/F)34cを備える。そして、出力インタフェース34cには、CPU34a(マイクロプロセッサ)から出力される各種の制御信号が入力される。これら制御信号は、該出力インタフェース34cにより中継されて、図示しない出力ポート及びドライバを介して、第1演出制御装置33や、遊技制御装置30、排出装置190、発射装置70などに出力される。また、入力インタフェース34bには、ローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、発射装置70に設けられた発射球検出センサ71や、操作ハンドル156に設けられたタッチセンサ156k、発射勢検出器156i、ストップスイッチ156j、初期位置検出スイッチ156mなどが接続されている。そして、入力インタフェース34bは、これらから入力された各種信号を中継し、CPU34a(マイクロプロセッサ)に対し出力する。
そして、上述の各制御基板や、遊技機100に備えられた各装置には、前面枠本体130に設けられた電源供給装置37(電源回路、電源基板)から電力が供給されるようになっている。なお、第2演出制御装置31への電源供給は第1演出制御装置33を介して行われるようになっている。
これらの制御回路においては、例えば以下のような制御が行われる。
遊技制御装置30のCPU30bでは、始動口10および普通変動入賞装置3に備えられた始動口センサ50からの遊技球の検出信号の入力に基づき、特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM30dに記憶されている判定値と比較し、特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。また、この他に変動パターンの判定を行う処理などを行い、これらの結果を含む制御情報を始動記憶として始動口10および普通変動入賞装置3への入賞毎に順に記憶する処理を行う。すなわち、遊技制御装置30が始動口10および普通変動入賞装置3への入賞に基づく変動表示ゲームの実行を保留し、予め定められた上限数以内で始動記憶として記憶可能な始動記憶手段をなす。
この始動記憶は、直ちに変動表示ゲームを開始できない場合(例えば、前の始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行中や特別遊技状態中)に、所定の上限数(例えば4)の範囲内で記憶可能であって、始動口10および普通変動入賞装置3への入賞がある度に特図始動記憶数を1増加し、特図変動表示ゲームを開始する度に特図始動記憶数を1減少する処理が行われる。なお、始動記憶は、始動口10および普通変動入賞装置3への遊技球の入賞時に始動記憶が所定の上限数未満である場合に記憶されるようになっており、始動口10および普通変動入賞装置3への入賞時に始動記憶が所定の上限数であった場合は、始動記憶として記憶されず、特図変動表示ゲームの始動権利は付与されない。そして、遊技制御装置30は、この始動記憶に関する始動入賞信号を、中継基板73を介して第1演出制御装置33に送信する処理を行う。
第1演出制御装置33とこれに接続した第2演出制御装置31では、遊技制御装置30からの制御信号に基づき、表示ユニット170の液晶表示パネル175で特図変動表示ゲームに対応した表示ゲームやその背景などを含む遊技関連画像200を表示する処理や、スピーカ58からの音の出力、ランプ、LED、上部役物装置25などの遊技盤装飾装置54を制御する処理、ランプ、LEDなどの枠装飾装置57を制御する処理を行う。また、第1演出制御装置33とこれに接続した第2演出制御装置31では、図12に示すように、所定条件の成立に基づき、前方に位置する第1遊技領域1aにある遊技球202や遊技釘203を視認しやすくするような発射調整補助表示201を、遊技関連画像200の前側に重なるように表示する処理を行う。なお、この発射調整補助表示201の表示に関する処理については後に詳しく説明する。
そして、遊技制御装置30のCPU30bは、特図変動表示ゲームが大当たりであった場合に特別遊技状態を発生し、大入賞口SOL53により特別変動入賞装置4を動作する制御を行う。また、遊技制御装置30のCPU30bは、各種入賞口に設けられたセンサ(始動口センサ50、カウントセンサ51、一般入賞口センサ52)から入力される遊技球の検出信号に基づき排出発射制御装置34に制御信号を出力する。すなわち、以上のことから遊技制御装置30は、遊技の進行を制御する遊技制御装置をなし、第1演出制御装置33と第2演出制御装置31とが遊技機100における種々の演出を制御する演出制御装置をなす。
また、排出発射制御装置34は、遊技制御装置30からの制御信号(賞球コマンド)や、球貸機(図示略)からの制御信号(球貸しコマンド)に基づいて所要数の遊技球(賞球、貸球)を排出装置190から排出させる制御を行う。さらに、操作ハンドル156に設けられたタッチセンサ156kからの入力に基づき、発射装置70による遊技球の発射制御を行う。また、ストップスイッチ156jが操作されている期間には、発射装置70による遊技球の発射を中断する制御を行う。すなわち、ストップスイッチ156j、排出発射制御装置34が遊技者の操作により発射装置70による発射を中断する発射中断手段をなす。
また、回動部156cが初期位置から動いたことを検出(操作ハンドル156が操作されたことを検出)する初期位置検出スイッチ156mからの入力に基づき、検出信号を第1演出制御装置33に出力する制御を行う。また、回動部156cの回動角度を検出するための発射勢検出器156iからの入力に基づき、発射勢を第1演出制御装置33に出力する制御を行う。なお、発射勢検出器156iは、回動部156cの初期位置からの回転角度を検出するものであり、実際の発射勢を検出するものではないが、回動部156cの回動角度に比例して発射勢が変化するので、発射勢を検出するものとすることができる。すなわち、発射勢検出器156i、排出発射制御装置34が、発射装置70による遊技球の発射勢を検出する発射勢検出手段をなす。
また、これらの各基板は、機種に依存する演出データ基板32やドライバ基板35を備えた第2演出制御装置31、遊技制御装置30が遊技盤1に取り付けられ、複数の機種で共通使用可能な第1演出制御装置33、排出発射制御装置34、電源供給装置37が前面枠本体130もしくは裏機構枠160に取り付けられている。よって、遊技盤1を変更することにより機種に依存する装置(基板)のみが交換され、遊技機100の遊技内容を変更することが可能である。
なお、機種に依存する演出に関するデータを記憶する演出データ基板32におけるデータを記憶する部分は、ハード的には遊技盤毎に変更することは少ないのに対して、遊技盤装飾装置54を駆動する盤装飾ドライバ35aを備えるドライバ基板35は、遊技盤毎に変更することが多い。よって、このように演出データ基板32とドライバ基板35を分割構成することで、遊技盤の種類によりハード的に変更するドライバ基板35のみの設計を変更したり開発したりできるので非常に効率のよい構成となる。
次に、発射調整補助表示201の表示に関する処理について説明する。
上述したように、遊技盤1は遊技盤本体1bが透明な合成樹脂で形成され、後方に配された表示ユニット170の画像表示面171の画像を、遊技盤本体1bを透して視認可能となっており、第1遊技領域1aの略全体に画像が表示される。そして、図11に示すように、遊技球202は遊技関連画像200の前方に位置する第1遊技領域1aを流下することとなるので、後方に表示された遊技関連画像200と遊技球202が重なり、画像内容、演出内容によっては、遊技球202が見えにくくなることがある。そこで、図12に示すように、画像表示面171の所定領域に遊技関連画像200の前側に重なる発射調整補助表示201を表示することで、遊技球202や遊技釘203の視認性を高めるようにしている。
この発射調整補助表示201は、単色無地の表示(単調静止画像)であり、前方に位置する第1遊技領域1aにある遊技球202が見やすくなるような表示となっている。また、発射調整補助表示201は、第1遊技領域1aの上方部であって遊技球誘導部15の終端部近傍の領域のうち、遊技球202が最初に遊技釘203に衝突することとなる部分(図4に点線で示した領域A)に表示されるようになっている。すなわち、表示ユニット170の画像表示面171における表示領域のうち、発射された遊技球が到達する領域の後方に位置する所定の表示領域に表示されるようになっている。これにより、発射勢の調整を容易かつ確実に行うことが可能となる。なお、発射調整補助表示201は、遊技関連画像200とは関連性のない画像であって、遊技関連画像200の表示による演出内容に影響しないものとされている。
第1演出制御装置33においては、遊技に関連する遊技関連画像200の表示を行うための図13に示す演出制御処理が行われるようになっている。この演出制御処理では、まず、演出コマンドを受信したか否かの判定(ステップa1)を行う。この演出コマンドを受信したか否かの判定(ステップa1)では、特図変動表示ゲームの開始時に遊技制御装置30から出力される演出コマンドを受信したかが判定される。なお、演出コマンドは、変動表示ゲームの抽選結果(当たり、はずれ)の情報や、停止図柄態様の情報、リーチの有無や種類の情報、変動時間の情報などを含むものである。
この演出コマンドを受信したか否かの判定(ステップa1)において、演出コマンドを受信した場合(ステップa1;Y)は、演出表示生成処理(ステップa2)を行う。この演出表示生成処理(ステップa2)では、受信した演出コマンドに基づき、画像表示面171に表示する遊技関連画像200(変動図柄、演出キャラクタ、背景など)を作成(編集)する処理を行う。その後、演出表示処理(ステップa3)を行い、演出制御処理を終了する。この演出表示処理(ステップa3)においては、演出表示生成処理(ステップa2)で作成した遊技関連画像200を画像表示面171に表示する処理を行う。すなわち、第1演出制御装置33が遊技に関する遊技関連画像200を画像表示装置に表示する遊技関連画像表示手段をなす。
また、演出コマンドを受信したか否かの判定(ステップa1)において、演出コマンドを受信していない場合(ステップa1;N)は、演出表示処理(ステップa3)を行い、演出制御処理を終了する。この場合は、すでに変動表示ゲームが実行中であるか、始動入賞口(始動口10、普通変動入賞装置3)への入賞がなく変動表示ゲームが実行されていない場合である。そして、すでに変動表示ゲームが実行中である場合には、演出表示処理(ステップa3)において、表示中の変動表示ゲームの表示に関する処理を行う。また、始動入賞口への入賞がなく変動表示ゲームが実行されていない場合は、デモ表示を画像表示面171に表示する処理を行う。なお、デモ表示は、前回の変動表示ゲームの終了から所定時間が経過した場合に表示されるようになっており、それまでは前回の変動表示ゲームが終了した状態の遊技関連画像200が表示される。
また、図14に示すように、排出発射制御装置34では、操作ハンドル156の操作を監視する発射操作監視処理が行われるようになっている。この発射操作監視処理では、まず、発射操作が行われたか否かの判定(ステップa4)を行う。この発射操作が行われたか否かの判定(ステップa4)では、操作ハンドル156に設けられ、回動部156cが初期位置から動いたことを検出(操作ハンドル156が操作されたことを検出)した際に検出信号を出力する初期位置検出スイッチ156mからの入力があったかが判定される。
発射操作が行われたか否かの判定(ステップa4)において、発射操作が行われた場合(ステップa4;Y)、すなわち、初期位置検出スイッチ156mからの入力があった場合は、調整検出信号を出力する処理(ステップa5)を行う。この調整検出信号を出力する処理(ステップa5)では、発射操作が行われたことを示す調整検出信号を、第1演出制御装置33に出力する処理を行い、その後、発射操作監視処理を終了する。また、発射操作が行われたか否かの判定(ステップa4)において、発射操作が行われていない場合(ステップa4;N)、すなわち、初期位置検出スイッチ156mからの入力がなかった場合は、発射操作監視処理を終了する。
また、図15に示すように、第1演出制御装置33においては、発射調整補助表示201の表示を行うための発射調整補助表示処理が行われるようになっている。この発射調整補助表示処理では、まず、上述した発射操作監視処理で、発射操作が行われた場合に出力される調整検出信号を受信したか否かの判定(ステップa6)を行う。この調整検出信号を受信したか否かの判定(ステップa6)において、調整検出信号を受信した場合(ステップa6;Y)は、重畳表示処理(ステップa7)を行う。この重畳表示処理(ステップa7)では、上述の演出制御処理で画像表示面171に表示された遊技関連画像200の前側に重なるように、発射調整補助表示201を表示する処理を行い、その後、発射調整補助表示処理を終了する。すなわち、第1演出制御装置33が表示ユニット170(画像表示装置)の所定領域に遊技関連画像200の前側に重なるように発射調整補助表示201を表示する発射調整補助表示手段をなす。また、調整検出信号を受信したか否かの判定(ステップa6)において、調整検出信号を受信していない場合(ステップa6;N)は、発射調整補助表示処理を終了する。このように、遊技関連画像200を表示する処理と発射調整補助表示201を表示する処理が別々であり、また、発射調整補助表示201は遊技関連画像200の前側に重ねて表示するだけなので、表示の制御が複雑になることがなく、第1演出制御装置33に過大な負荷がかかることがない。
これらの処理により、図16に示すように、発射操作の開始と同時に発射調整補助表示201の表示が開始されるようになる。よって、遊技者が発射操作を開始した際の発射勢の調整が必要なときに発射調整補助表示201が表示されるようになり、確実に発射勢の調整が可能となって無駄球の発射を防止できる。また、発射調整補助表示201は、遊技関連画像200の状態(デモ表示や変動表示など)に関係なく表示の開始、終了が行われるようになっている。なお、発射調整補助表示201は、所定条件の成立(例えば、表示開始から所定時間の経過や始動入賞口への入賞)により終了するようになっている。
以上のことから、前面側に遊技領域1aが形成された遊技盤1と、該遊技盤1の下方に配設されて遊技領域1aに向けて遊技球を発射する発射装置70と、該発射装置70による発射勢を調整するために遊技者が操作可能な発射勢調整手段(操作ハンドル156)と、を備えた遊技機100において、遊技盤1を透光性を有する部材で形成し、該遊技盤後方に画像表示装置(表示ユニット170)を備えて、当該遊技機100の前方位置から該遊技盤1を透して画像表示装置に表示される画像を視認可能に構成するとともに、画像表示装置における表示を制御する表示制御手段(第1演出制御装置33)と、発射勢調整手段の操作による変化を検出して検出信号を出力する操作検出手段(初期位置検出スイッチ156m)と、を備え、該表示制御手段は、遊技盤1の後方に位置する画像表示装置の表示領域に、遊技に関する遊技関連画像200を表示する遊技関連画像表示手段(第1演出制御装置33)と、画像表示装置の表示領域のうち、発射された遊技球が到達する領域の後方に位置する所定の表示領域に、遊技関連画像200の前側に重なるように発射調整補助表示201を表示する発射調整補助表示手段(第1演出制御装置33)と、を備え、発射調整補助表示手段は、操作検出手段からの検出信号に基づき発射調整補助表示201の表示を開始するようにしたこととなる。
次に、発射調整補助表示201の表示に関する制御の第1変形例について図17から19を参照して説明する。本変形例では、発射操作の開始後、発射勢が所定値に達した際に発射調整補助表示201の表示を開始するようにしている。
図17に示すように、排出発射制御装置34で行われる発射操作監視処理では、まず、発射操作が行われたか否かの判定(ステップb1)を行う。発射操作が行われたか否かの判定(ステップb1)では、上述の実施形態と同様に、初期位置検出スイッチ156mから出力される検出信号の有無に基づき、発射操作が行われたかを判定する。この発射操作が行われたか否かの判定(ステップb1)において、発射操作が行われていない場合(ステップb1;N)は、発射操作監視処理を終了する。また、発射操作が行われたか否かの判定(ステップb1)において、発射操作が行われた場合(ステップb1;Y)は、調整検出信号を出力する処理(ステップb2)を行い、第1演出制御装置33に対して、発射操作が行われたことを示す調整検出信号を出力する。その後、発射勢を出力する処理(ステップb3)を行い、発射操作監視処理を終了する。
発射勢を出力する処理(ステップb3)では、操作ハンドル156に設けられた発射勢検出器156iからの検出信号に基づき、第1演出制御装置33に対して発射勢を出力する処理を行う。ここで、発射勢検出器156iは、回動部156cの初期位置からの回転角度を検出するものであり、実際の発射勢を検出するものではないが、回動部156cの回動角度に比例して発射勢が変化するので、発射勢を検出するものとすることができる。なお、発射された遊技球の発射勢(球速など)を測定する測定装置を発射装置70などに設け、この測定装置で測定した発射勢を第1演出制御装置33に出力するようにしても良い。
図18に示すように、第1演出制御装置33で行われる発射調整補助表示処理では、まず、上述した発射操作監視処理で、発射操作が行われた場合に出力される調整検出信号を受信したか否かの判定(ステップb4)を行う。この調整検出信号を受信したか否かの判定(ステップb4)において、調整検出信号を受信していない場合(ステップb4;N)は、発射調整補助表示処理を終了する。また、調整検出信号を受信したか否かの判定(ステップb4)において、調整検出信号を受信した場合(ステップb4;Y)は、発射勢が所定値であるか否かの判定(ステップb5)を行う。
発射勢が所定値であるか否かの判定(ステップb5)では、上述した発射操作監視処理で出力される発射勢の値が所定値となったかが判定される。この発射勢が所定値であるか否かの判定(ステップb5)において、発射勢が所定値でない場合(ステップb5;N)は、発射調整補助表示処理を終了する。また、発射勢が所定値であるか否かの判定(ステップb5)において、発射勢が所定値である場合(ステップb5;Y)は、重畳表示処理(ステップb6)を行って発射調整補助表示201を表示する処理を行った後、発射調整補助表示処理を終了する。
これらの処理により、図19に示すように、発射操作の開始後、大まかな発射勢の調整が済んで詳細な発射勢の調整が必要となった際に発射調整補助表示201の表示が開始されるようになる。よって、表示開始時期が発射開始よりも遅くなるので、発射調整補助表示201が表示される期間を短くでき、遊技関連画像200の視認が妨げられる期間を短くできる。また、目安となる所定の発射勢に近づいたことを、発射調整補助表示201が表示されることで知ることができるので、現在の発射勢と目安となる所定の発射勢の関係を明確に把握でき、調整が容易となる。また、発射調整補助表示201は、遊技関連画像200の状態(デモ表示や変動表示など)に関係なく表示の開始、終了が行われるようになっている。なお、発射調整補助表示は、所定条件の成立(例えば、表示開始から所定時間の経過や始動入賞口への入賞)により終了するようになっている。
以上のことから、発射装置70による遊技球の発射勢を検出する発射勢検出手段(発射勢検出器156i、排出発射制御装置34)を備え、発射調整補助表示手段(第1演出制御装置33)は、発射勢検出手段で検出した発射勢が予め定められた所定の値となった場合に発射調整補助表示201の表示を開始するようにしたこととなる。
次に、発射調整補助表示201の表示に関する制御の第2変形例について図20から22を参照して説明する。本変形例では、始動記憶の数が所定数となった場合に発射調整補助表示201の表示を終了するようにしている。
図20に示すように、排出発射制御装置34で行われる発射操作監視処理では、まず、発射操作が行われたか否かの判定(ステップc1)を行う。発射操作が行われたか否かの判定(ステップc1)では、上述の実施形態と同様に、初期位置検出スイッチ156mから出力される検出信号の有無に基づき、発射操作が行われたかを判定する。この発射操作が行われたか否かの判定(ステップc1)において、発射操作が行われていない場合(ステップc1;N)は、発射操作監視処理を終了する。また、発射操作が行われたか否かの判定(ステップc1)において、発射操作が行われた場合(ステップc1;Y)は、調整検出信号を出力する処理(ステップc2)を行い、第1演出制御装置33に対して、発射操作が行われたことを示す調整検出信号を出力する。その後、発射勢を出力する処理(ステップc3)を行い、発射操作監視処理を終了する。また、発射勢を出力する処理(ステップc3)では、上述の第1変形例と同様に、操作ハンドル156に設けられた発射勢検出器156iからの検出信号に基づき、第1演出制御装置33に対して発射勢を出力する処理を行う。
図21に示すように、第1演出制御装置33で行われる発射調整補助表示処理では、まず、上述した発射操作監視処理で、発射操作が行われた場合に出力される調整検出信号を受信したか否かの判定(ステップc4)を行う。この調整検出信号を受信したか否かの判定(ステップc4)において、調整検出信号を受信していない場合(ステップc4;N)は、発射調整補助表示処理を終了する。また、調整検出信号を受信したか否かの判定(ステップc4)において、調整検出信号を受信した場合(ステップc4;Y)は、発射勢が所定値であるか否かの判定(ステップc5)を行う。
発射勢が所定値であるか否かの判定(ステップc5)では、上述した発射操作監視処理で出力される発射勢の値が所定値となったかが判定される。この発射勢が所定値であるか否かの判定(ステップc5)において、発射勢が所定値でない場合(ステップc5;N)は、発射調整補助表示処理を終了する。また、発射勢が所定値であるか否かの判定(ステップc5)において、発射勢が所定値である場合(ステップc5;Y)は、重畳表示処理(ステップc6)を行って発射調整補助表示201を表示する処理を行った後、始動記憶の数は所定値か否かの判定(ステップc7)を行う。なお、始動記憶の数に関する情報は遊技制御装置30から送信されるようになっている。
この始動記憶の数は所定値か否かの判定(ステップc7)において、始動記憶の数が所定値でない場合(ステップc7;N)は、重畳表示処理(ステップc6)に戻る。そして、以降、始動記憶が所定値となるまで、重畳表示処理(ステップc6)と始動記憶の数は所定値か否かの判定(ステップc7)を繰り返すようになっている。また、始動記憶の数は所定値か否かの判定(ステップc7)において、始動記憶の数が所定値である場合(ステップc7;Y)は、重畳表示終了処理(ステップc8)を行って発射調整補助表示201の表示を終了する処理を行い、発射調整補助表示処理を終了する。
これらの処理により、図22に示すように、発射操作の開始後、大まかな発射勢の調整が済んで詳細な発射勢の調整が必要となった際に発射調整補助表示201の表示が開始されるようになり、遊技関連画像200の視認が妨げられる期間を短くできる。また、始動記憶の数が所定値(ここでは1)となった際に、発射調整補助表示201の表示が終了するようになり、遊技関連画像200の視認が妨げられる期間を短くできる。すなわち、始動記憶の数が所定数になるような状態は、発射勢の調整が完了し、最適な位置に遊技球を発射できている状態であるので発射調整補助表示201は必要なく、この状態となった場合に発射調整補助表示201を終了するようにすることで、遊技関連画像200の視認が妨げられる期間を短くできる。また、発射調整補助表示201は、遊技関連画像200の状態(デモ表示や変動表示など)に関係なく表示の開始、終了が行われるようになっている。
以上のことから、遊技盤1に、遊技球の入賞により変動表示ゲームを始動させるための始動入賞口(始動口10、普通変動入賞装置3)を設け、始動入賞口への入賞に基づく変動表示ゲームの実行を保留し、予め定められた上限数以内で始動記憶として記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置30)を備え、発射調整補助表示手段(第1演出制御装置33)は、始動記憶の数が所定数となった場合に発射調整補助表示201の表示を終了するようにしたこととなる。
次に、発射調整補助表示201の表示に関する制御の第3変形例について図23から25を参照して説明する。本変形例では、ストップスイッチ156jによる発射の中断の後、発射を再開した際に発射調整補助表示201の表示を開始するようにしている。
図23に示すように、排出発射制御装置34で行われる発射操作監視処理では、まず、ストップスイッチ156jが操作されたか否かの判定(ステップd1)を行う。このストップスイッチ156jが操作されたか否かの判定(ステップd1)において、ストップスイッチ156jが操作された場合(ステップd1;Y)は、発射を停止する処理(ステップd2)を行う。その後、ストップスイッチ156jの操作が解除されたか否かの判定(ステップd3)を行う。
ストップスイッチ156jの操作が解除されたか否かの判定(ステップd3)において、ストップスイッチ156jの操作が解除されていない場合(ステップd3;N)は、発射を停止する処理(ステップd2)に戻る。そして、以後ストップスイッチ156jの操作が解除されるまで、発射を停止する処理(ステップd2)とストップスイッチ156jの操作が解除されたか否かの判定(ステップd3)を繰り返すようになっている。また、ストップスイッチ156jの操作が解除されたか否かの判定(ステップd3)において、ストップスイッチ156jの操作が解除された場合(ステップd3;Y)は、操作解除信号を出力する処理(ステップd4)を行う。
また、ストップスイッチ156jが操作されたか否かの判定(ステップd3)において、ストップスイッチ156jが操作されていない場合(ステップd3;Y)は、操作解除信号を出力する処理(ステップd4)を行う。この操作解除信号を出力する処理(ステップd4)では、ストップスイッチ156jの操作の解除に関する情報を含む操作解除信号を、第1演出制御装置33に出力する処理がなされる。その後、発射操作が行われたか否かの判定(ステップd5)を行う。
発射操作が行われたか否かの判定(ステップd5)では、上述の実施形態と同様に、初期位置検出スイッチ156mから出力される検出信号の有無に基づき、発射操作が行われたかを判定する。この発射操作が行われたか否かの判定(ステップd5)において、発射操作が行われていない場合(ステップd5;N)は、発射操作監視処理を終了する。また、発射操作が行われたか否かの判定(ステップd5)において、発射操作が行われた場合(ステップd5;Y)は、調整検出信号を出力する処理(ステップd6)を行い、第1演出制御装置33に対して、発射操作が行われたことを示す調整検出信号を出力し、発射操作監視処理を終了する。
図24に示すように、第1演出制御装置33で行われる発射調整補助表示処理では、まず、上述した発射操作監視処理で、ストップスイッチ156jの操作が解除された際に出力される操作解除信号を受信したか否かの判定(ステップd7)を行う。この操作解除信号を受信したか否かの判定(ステップd7)において、操作解除信号を受信していない場合(ステップd7;N)は、発射調整補助表示処理を終了する。また、操作解除信号を受信したか否かの判定(ステップd7)において、操作解除信号を受信した場合(ステップd7;Y)は、発射操作が行われた場合に出力される調整検出信号を受信したか否かの判定(ステップd8)を行う。
この調整検出信号を受信したか否かの判定(ステップd8)において、調整検出信号を受信していない場合(ステップd8;N)は、発射調整補助表示処理を終了する。また、調整検出信号を受信したか否かの判定(ステップd8)において、調整検出信号を受信した場合(ステップd8;Y)は、重畳表示処理(ステップd9)を行って発射調整補助表示を表示する処理を行った後、始動記憶の数は所定値か否かの判定(ステップd10)を行う。なお、始動記憶の数は遊技制御装置30から送信されるようになっている。
この始動記憶の数は所定値か否かの判定(ステップd10)において、始動記憶の数が所定値でない場合(ステップd10;N)は、重畳表示処理(ステップd9)に戻る。そして、以降、始動記憶が所定値となるまで、重畳表示処理(ステップd9)と始動記憶の数は所定値か否かの判定(ステップd10)を繰り返すようになっている。また、始動記憶の数は所定値か否かの判定(ステップd10)において、始動記憶の数が所定値である場合(ステップd10;Y)は、重畳表示終了処理(ステップd11)を行って発射調整補助表示の表示を終了する処理を行い、発射調整補助表示処理を終了する。
これらの処理により、図25に示すように、ストップスイッチ156jによる発射の中断の後、発射を再開した際に発射調整補助表示201の表示が開始されるようになる。
これにより、発射再開時における発射勢の調整が容易になる。また、止め打ち等、発射中止手段を用いて変則的な打ち方をしている遊技者においては頻繁に表示がなされるので目立つようになり、不正を防止できる。そして、始動記憶の数が所定値(ここでは1)となった際に、発射調整補助表示201の表示を終了する。よって、遊技関連画像200の視認が妨げられる期間を短くできる。すなわち、始動記憶の数が所定数になるような状態は、発射勢の調整が完了し、最適な位置に遊技球を発射できている状態であるので発射調整補助表示は必要なく、この状態となった場合に発射調整補助表示を終了するようにすることで、遊技関連画像200の視認が妨げられる期間を短くできる。
以上のことから、発射勢調整手段(操作ハンドル156)は、遊技者の操作により発射装置70による発射を中断する発射中断手段(ストップスイッチ156j、排出発射制御装置34)を備え、発射調整補助表示手段(第1演出制御装置33)は、発射中断手段の操作による発射の中断の後、発射を再開した場合に発射調整補助表示201の表示を開始するようにしたこととなる。
次に、発射調整補助表示201の表示に関する制御の第4変形例について図26から28を参照して説明する。本変形例では、発射操作の開始から所定時間始動入賞口(始動口10、普通変動入賞装置3)への入賞がない場合に発射調整補助表示201の表示を開始するようにしている。
図26に示すように、排出発射制御装置34で行われる発射操作監視処理では、まず、発射操作が行われたか否かの判定(ステップe1)を行う。発射操作が行われたか否かの判定(ステップe1)では、上述の実施形態と同様に、初期位置検出スイッチ156mから出力される検出信号の有無に基づき、発射操作が行われたかを判定する。この発射操作が行われたか否かの判定(ステップe1)において、発射操作が行われていない場合(ステップe1;N)は、発射操作監視処理を終了する。また、発射操作が行われたか否かの判定(ステップe1)において、発射操作が行われた場合(ステップe1;Y)は、調整検出信号を出力する処理(ステップe2)を行い、第1演出制御装置33に対して、発射操作が行われたことを示す調整検出信号を出力し、発射操作監視処理を終了する。
図27に示すように、第1演出制御装置33で行われる発射調整補助表示処理では、まず、上述した発射操作監視処理で、発射操作が行われた場合に出力される調整検出信号を受信したか否かの判定(ステップe3)を行う。この調整検出信号を受信したか否かの判定(ステップe3)において、調整検出信号を受信していない場合(ステップe3;N)は、発射調整補助表示処理を終了する。また、調整検出信号を受信したか否かの判定(ステップe3)において、調整検出信号を受信した場合(ステップe3;Y)は、始動記憶があるか否かの判定(ステップe4)を行う。
この始動記憶があるか否かの判定(ステップe4)において、始動記憶がある場合(ステップe4;Y)は、発射調整補助表示処理を終了する。また、始動記憶があるか否かの判定(ステップe4)において、始動記憶がない場合(ステップe4;N)は、発射操作の開始から所定時間が経過したか否かの判定(ステップe5)を行う。
この発射操作の開始から所定時間が経過したか否かの判定(ステップe5)において、所定時間が経過していない場合(ステップe5;N)は、発射調整補助表示処理を終了する。また、発射操作の開始から所定時間が経過したか否かの判定(ステップe5)において、所定時間が経過している場合(ステップe5;Y)は、重畳表示処理(ステップc9)を行って発射調整補助表示201を表示する処理を行い、始動記憶の数は所定値か否かの判定(ステップe7)を行う。なお、始動記憶の数は遊技制御装置30から送信されるようになっている。
この始動記憶の数は所定値か否かの判定(ステップe7)において、始動記憶の数が所定値でない場合(ステップe7;N)は、重畳表示処理(ステップe6)に戻る。そして、以降、始動記憶が所定値となるまで、重畳表示処理(ステップe6)と始動記憶の数は所定値か否かの判定(ステップe7)を繰り返すようになっている。また、始動記憶の数は所定値か否かの判定(ステップe7)において、始動記憶の数が所定値である場合(ステップe7;Y)は、重畳表示終了処理(ステップe8)を行って発射調整補助表示201の表示を終了する処理を行い、発射調整補助表示処理を終了する。
これらの処理により、図28に示すように、発射操作の開始から所定時間始動入賞口への入賞がない場合に発射調整補助表示201の表示が開始されるようになる。このように始動入賞口への入賞がない状態は、発射勢の調整が不完全な状態であり、この場合に発射調整補助表示201を表示することで確実に発射勢の調整を補助でき、遊技者にとって不利な状態が長く続かないようにすることができる。そして、始動記憶の数が所定値(ここでは2)となった際に、発射調整補助表示201の表示を終了する。よって、遊技関連画像200の視認が妨げられる期間を短くできる。すなわち、始動記憶の数が所定数になるような状態は、発射勢の調整が完了し、最適な位置に遊技球を発射できている状態であるので発射調整補助表示201は必要なく、この状態となった場合に発射調整補助表示201を終了するようにすることで、遊技関連画像200の視認が妨げられる期間を短くできる。
以上のことから、遊技盤1に、遊技球の入賞により変動表示ゲームを始動させるための始動入賞口(始動口10、普通変動入賞装置3)を設け、発射調整補助表示手段(第1演出制御装置33)は、発射勢調整手段(操作ハンドル156)の操作開始時から所定時間始動入賞口への入賞がなかった場合に、発射調整補助表示201の表示を開始するようにしたこととなる。
なお、上述した実施形態及び変形例1から4の構成を任意に組み合わせて適用するようにしても良い。
また、発射調整補助表示201は、遊技者が操作スイッチ(例えば、演出用ボタン59)を操作することで表示されるようにしても良い。
以上のような遊技機100は、前面側に遊技領域1aが形成された遊技盤1と、該遊技盤1の下方に配設されて遊技領域1aに向けて遊技球を発射する発射装置70と、該発射装置70による発射勢を調整するために遊技者が操作可能な発射勢調整手段(操作ハンドル156)と、を備えた遊技機100であって、遊技盤1を透光性を有する部材で形成し、該遊技盤後方に画像表示装置(表示ユニット170)を備えて、当該遊技機100の前方位置から該遊技盤1を透して画像表示装置に表示される画像を視認可能に構成するとともに、画像表示装置における表示を制御する表示制御手段(第1演出制御装置33)と、発射勢調整手段の操作による変化を検出して検出信号を出力する操作検出手段(初期位置検出スイッチ156m)と、を備え、該表示制御手段は、遊技盤1の後方に位置する画像表示装置の表示領域に、遊技に関する遊技関連画像200を表示する遊技関連画像表示手段(第1演出制御装置33)と、画像表示装置の表示領域のうち、発射された遊技球が到達する領域の後方に位置する所定の表示領域に、遊技関連画像200の前側に重なるように発射調整補助表示201を表示する発射調整補助表示手段(第1演出制御装置33)と、を備え、発射調整補助表示手段は、操作検出手段からの検出信号に基づき発射調整補助表示201の表示を開始するようにしている。
したがって、表示制御手段は、遊技盤1の後方に位置する画像表示装置の表示領域に、遊技に関する遊技関連画像200を表示する遊技関連画像表示手段と、画像表示装置の表示領域のうち、発射された遊技球が到達する領域の後方に位置する所定の表示領域に、遊技関連画像200の前側に重なるように発射調整補助表示201を表示する発射調整補助表示手段と、を備えるので、制御内容を複雑にすることなく、遊技者が発射勢を容易かつ確実に調整することができる。すなわち、発射調整補助表示201を表示することにより、その前方に位置する遊技領域1aにある遊技球を視認しやすくなるので、発射勢の調整時に遊技球の確認が容易となり、無駄球の発射を防止できる。また、発射調整補助表示201(単調静止画像)は遊技関連画像200に重合して表示するので表示の制御が複雑になることがなく、表示制御手段に過大な負荷がかかることがない。さらに、発射調整補助表示201は遊技関連画像200とは別の画像であり、遊技関連画像200の表示内容に制約を与えないため、演出内容を制約することもない。
また、発射調整補助表示手段は、操作検出手段からの検出信号に基づき発射調整補助表示201の表示を開始するので、遊技者が発射操作を開始した際の発射勢調整が必要なときに発射調整補助表示201が表示されるようになり、確実に発射勢の調整が可能となって無駄球の発射を防止できる。
また、発射装置70による遊技球の発射勢を検出する発射勢検出手段(発射勢検出器156i、排出発射制御装置34)を備え、発射調整補助表示手段(第1演出制御装置33)は、発射勢検出手段で検出した発射勢が予め定められた所定の値となった場合に発射調整補助表示201の表示を開始するようにしている。
したがって、発射装置70による遊技球の発射勢を検出する発射勢検出手段を備え、発射調整補助表示手段は、発射勢検出手段で検出した発射勢が予め定められた所定の値となった場合に発射調整補助表示201の表示を開始するので、発射調整補助表示201が表示される期間を短くできる。すなわち、発射の開始後、大まかな発射勢の調整が済んで詳細な発射勢の調整が必要となった際に発射調整補助表示201の表示が開始されるようになり、表示開始時期が発射開始よりも遅くなるので、発射調整補助表示201が表示される期間を短くでき、遊技関連画像200の視認が妨げられる期間を短くできる。また、目安となる所定の発射勢に近づいたことを、発射調整補助表示201が表示されることで知ることができるので、現在の発射勢と目安となる所定の発射勢の関係を明確に把握でき、調整が容易となる。
また、発射勢調整手段(操作ハンドル156)は、遊技者の操作により発射装置70による発射を中断する発射中断手段(ストップスイッチ156j、排出発射制御装置34)を備え、発射調整補助表示手段(第1演出制御装置33)は、発射中断手段の操作による発射の中断の後、発射を再開した場合に発射調整補助表示201の表示を開始するようにしている。
したがって、発射勢調整手段は、遊技者の操作により発射装置70による発射を中断する発射中断手段を備え、発射調整補助表示手段は、発射中断手段の操作による発射の中断の後、発射を再開した場合に発射調整補助表示201の表示を開始するので、発射再開時における発射勢の調整が容易になる。また、止め打ち等、発射中断手段を用いて変則的な打ち方をしている遊技者においては頻繁に表示がなされるので目立つようになり、不正を防止できる。
また、遊技盤1に、遊技球の入賞により変動表示ゲームを始動させるための始動入賞口(始動口10、普通変動入賞装置3)を設け、発射調整補助表示手段(第1演出制御装置33)は、発射勢調整手段(操作ハンドル156)の操作開始時から所定時間始動入賞口への入賞がなかった場合に、発射調整補助表示201の表示を開始するようにしている。
したがって、遊技盤1に、遊技球の入賞により変動表示ゲームを始動させるための始動入賞口を設け、発射調整補助表示手段は、発射勢調整手段の操作開始時から所定時間始動入賞口への入賞がなかった場合に、発射調整補助表示201の表示を開始するので、確実に発射勢の調整を補助できる。すなわち、始動入賞口への入賞がない状態は、発射勢の調整が不完全な状態であり、この場合に発射調整補助表示201を表示することで確実に発射勢の調整を補助でき、遊技者にとって不利な状態が長く続かないようにすることができる。
また、遊技盤1に、遊技球の入賞により変動表示ゲームを始動させるための始動入賞口(始動口10、普通変動入賞装置3)を設け、始動入賞口への入賞に基づく変動表示ゲームの実行を保留し、予め定められた上限数以内で始動記憶として記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置30)を備え、発射調整補助表示手段(第1演出制御装置33)は、始動記憶の数が所定数となった場合に発射調整補助表示201の表示を終了するようにしている。
したがって、始動入賞口への入賞に基づく変動表示ゲームの実行を保留し、予め定められた上限数以内で始動記憶として記憶可能な始動記憶手段を備え、発射調整補助表示手段は、始動記憶の数が所定数となった場合に発射調整補助表示201の表示を終了するので、遊技関連画像200の視認が妨げられる期間を短くできる。すなわち、始動記憶の数が所定数になるような状態は、発射勢の調整が完了し、最適な位置に遊技球を発射できている状態であるので発射調整補助表示201は必要なく、この状態となった場合に発射調整補助表示201を終了するようにすることで、遊技関連画像200の視認が妨げられる期間を短くできる。
なお、本発明の遊技機100は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。