JP4926560B2 - 椅子 - Google Patents

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    • A47FURNITURE; DOMESTIC ARTICLES OR APPLIANCES; COFFEE MILLS; SPICE MILLS; SUCTION CLEANERS IN GENERAL
    • A47CCHAIRS; SOFAS; BEDS
    • A47C5/00Chairs of special materials
    • A47C5/005Chairs of special materials of paper, cardboard or similar pliable material

Description

本発明は、椅子に関し、更に詳細には古紙などの紙類を使用した快適で、かつクッション性の高い椅子に関する。
従来、リサイクル素材を用いて形成された椅子に類似する技術としては、例えば、特許文献1に開示されている考案が知られている。特許文献1に記載されている考案は、例えば、一度使用した段ボールを型抜きして平板にし、それを上部開放の箱形に組んで筐体とし、段ボールからなる複数の帯状体を格子状に組んでなる井桁状の支持体を筐体の内部に配置し、該筐体を布製のカバーで覆うと共に、発泡ウレタンなどを布で覆った座部と背もたれを筐体の上部開放部から井桁状の支持体上に配置して簡易なソファーとするものである。
実用新案登録第3092935号
特許文献1に開示された考案は、ソファーの筐体だけを段ボールで形成したものである。その理由としては、座部と背もたれを段ボールで形成した場合、クッション性や保温性に問題があり、快適に座っていることができないからである、と考えられる。そのため、特許文献1に記載された考案では、発泡ウレタンなどを布で覆って座部と背もたれを形成していることから、すべての構成要素をリサイクル素材で形成したものではない。その結果、リサイクル素材の使用効率が悪いという問題がある。ところで、例えば、古紙などの紙類を粉砕して紙パウダーとし、それにポリオレフィン系合成樹脂などを混ぜて発泡材を成型し、この発泡材から種々の製品を作る技術が知られている。
この技術によると、一度使用した段ボールなどを含むあらゆる古紙をリサイクル素材として使用することができ、しかもこの技術では、古紙を粉砕してこれにポリオレフィン系合成樹脂などを混ぜ、発泡材として成型することで種々の製品を作ることができるので、その製品を構成するあらゆる要素をこの発泡材で作ることができることから、リサイクル素材の使用効率が格段に高い、という大きな効果がある。しかし、この技術で成型される発泡材で椅子を作ると、クッション性があまり良くなく、結局、特許文献1に開示の考案と同じように座部にクッション性のある別な素材を使用せざるを得なくなる、という問題があった。
本発明の目的は、かかる従来の問題点を解決するためになされたもので、例えば古紙などを含む紙類をパウダー状に粉砕し、これにポリオレフィン系合成樹脂などを混ぜて発泡材とし、この発泡材を用いて、クッション性が高くかつ快適に座っていることのできる椅子を提供することにある。
この発明は、上面を座り面とした座部と、該座部の下面側に配置されて前記座部を支える脚部とからなる椅子である。かかる発明の特徴は、前記座部が、内部に多数の独立した気泡を形成した発泡材からなる所定厚みの板状を呈し、前記発泡材が、ポリオレフィン系合成樹脂と、紙パウダーと、親水性合性高分子とを混合加熱して高温溶融物とすると共に該高温溶融物に水を混入して得られ、前記板状体は、並列に形成された多数の通路状空隙部を備え、該通路状空隙部の延びる方向が前記座部の前記座り面に沿う方向になるように前記脚部の上部に載置されると共に、該脚部に接合されていることにある。
本発明の椅子における実施形態の一例としては、前記板状の座部が、前記発泡材をほぼ同一直径の円柱状に成型した多数の柱状体を束ねて構成され、隣接する前記柱状体は、それら周面どうしが接触する部分で接合され、かつ隣接する前記柱状体の周面どうしが非接触な部分で前記通路状空隙部を形成している。
本発明の椅子における実施形態の他の例としては、前記脚部が、前記発泡材を円柱状に成型した多数の前記柱状体を束ねて形成され、前記脚部を構成している前記柱状体の長手方向を前記座部の前記下面に対して直交する方向に向けて前記座部の下面側に配置されている。
この発明の椅子では、座部を形成している発泡材が、紙パウダーと、ポリオレフィン系合成樹脂と、親水性合性高分子とを混合加熱して高温溶融物とし、この高温溶融物に水を混入して得られることから、発泡材の内部には多数の独立した気泡が形成されている。しかも、この座部には、並列に形成された多数の通路状空隙部が形成されている。そのため、この椅子は、座った人の体温で座部が暖められると、座部の高い保温性能により快適に座り続けることができる。さらに、この発明の椅子では、前述した発泡材を板状に成型した所定厚みの座部に、並列に形成された多数の通路状空隙部が形成され、これら通路状空隙部の延びる方向が座部の座り面に沿う方向になるように座部を脚部の上部に載置しているので、非常にクッション性が高く、そのためウレタンなどを布で包んだ別体のクッションなどを配置しなくても快適な座り心地を与えることができる。
また、本発明の椅子では、板状の座部が、発泡材をほぼ同一太さの柱状に成型した多数の柱状体を、隣接する該柱状体の周面どうしが接触する部分と非接触な部分とを形成するように束ねて構成されているので、隣接する柱状体の周面どうしの非接触部分が通路状空隙部となることから、通路状空隙部の形成が容易であり、そのため上述した構成の椅子を容易にかつ大量に製造することができる。
さらに、本発明の椅子では、前述した発泡材を柱状に成型した多数の柱状体を束ねて形成したものを脚部として使用しているので、この椅子のすべての構成要素を紙パウダーと、ポリオレフィン系合成樹脂と、親水性合性高分子とからなる発泡材で形成することができる。そのため、紙パウダーを古紙などから得る場合にはリサイクル素材の使用効率を格段に高めることができる。さらに、本発明の椅子では、該椅子におけるすべての構成要素を紙パウダーと、ポリオレフィン系合成樹脂と、親水性合性高分子とからなる発泡材で形成したことにより、非常に軽量で、かつ柔らかいので、持ち運びを含めて取り扱いが容易であり、また子供が椅子にぶつかっても怪我をすることもなく、さらにはフローリングの床を引きずるように椅子を移動しても摩擦が起こらず、かつ発泡材自体に吸音性があるので大きな音が出ることもなく、一般家庭などで使用しても生活上非常に使い勝手が良い。
以下、本発明の椅子を図に示される実施形態について更に詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る椅子10を概略的に示す斜視図、図2は図1の2−2線で切断して示す椅子10の断面図、図3は図1の3−3線で切断して示す椅子10の断面図である。図1において、椅子10の横方向を矢印Xで示し、前後方向を矢印Yで示し、高さ方向を矢印Zで示す。椅子10は、上面11aを座り面とした座部11と、該座部11の下面11b(図2及び図3)における横方向(左右方向)Xの両側に配置されて座部11を支える一対の脚部12とから構成されている。
座部11は、所定厚みの板状を呈し、この板状の座部11は、図4に示されるように、発泡材をほぼ同一直径の円柱状に成型した多数の柱状体13を、隣接する柱状体13の周面どうしが接触するように束ねて構成されている。隣接する柱状体13は、それら周面どうしの接触部分14aで接合されている。また、柱状体13の端面が円形であるので、これらを束ねると隣接する柱状体13の周面どうしが非接触となる部分14bができる。この非接触な部分14bは、柱状体13に沿って延びる通路状の空隙部となっている。したがって、多数の通路状空隙部14bは、その方向が柱状体13の長手方向となる。この板状の座部11は、図1から明らかなように柱状体13の長手方向が椅子10の横方向Xに向くように左右の脚部12の上部に跨架されると共に、該左右の脚部12に接合されている。しかし、本発明の椅子10では、柱状体13の長手方向が椅子10の前後方向Yに向くように板状の座部11を左右の脚部12の上部に跨架してもよく、要するには、柱状体13の長手方向が座部11の座り面11aに沿っていれば、どちらの方向に向いていてもよい。
左右の脚部12もまた、前述した発泡材を円柱状に成型した多数の柱状体13を束ねた所定厚みの板状体で構成されている。このような各脚部12は、柱状体13の長手方向が座部11の下面11bに対して直交すべく高さ方向Zへ向くように、座部11の左右に配置されて該座部11を支持している。具体的には、各脚部12は、それぞれ4つの板状体12a,12b,12c、12dで構成されている。これら板状体12a,12b,12c、12dのうち、2つの板状体12a,12bの前後方向Yにおける寸法は、板状の座部11における前後方向の寸法と同じであり、また、これら板状体12a,12bの高さ方向Zの寸法は同一である。これら2つの板状体12a,12bは、横方向Xに並べて重ね合わされ、接着剤などで相互に接合されている。接合された2つの板状体12a,12bが、座部11の下面11a側における横方向両側に配置されるとき、外側に位置する板状体(外側板状体)12aの側面は座部11の長手方向端面と同一面に位置するように揃えられている。
座部11の下面11b中央部には、図2及び図3に示されるように前述した発泡材を円柱状に成型した多数の柱状体13を束ねて所定厚みの板状に形成した支持体15が配置されている。この支持体15も脚部12の各板状体12aと同様に柱状体13の長手方向が座部11の下面11bに対して直交すべく高さ方向Zへ向くように座部11の下面中央部に配置され、その上面15aは座部11の下面11bに接合され、また対向する一対の側面15b,15cは脚部12を構成している内側の板状体(内側板状体)12bの側面に接合されている。支持体15は、座部11の座り面11aに人が座るとき座部15の中央部に大きな荷重が掛かり、その場合、左右の脚部12の下端側が外側に開くような曲げ力を受けるので、脚部12の撓みを防止する支持手段として機能するものであるが、座部11の強度向上にも寄与している。
脚部12を構成する他の2つの板状体12c,12dは、支持体15を椅子10の前後方向Y側から挟むように内側板状体12bに沿ってその内側に配置され、板状体12bの内側面とこれに対向する側面とが接着剤などで接合され、また、支持体15とこれに対向する側面が接着剤などで接合されている。脚部12の最内側を構成する2つの板状体12c、12dは同じ高さのものではあるが、他の2つの外側及び内側の板状体12a,12bよりは低い。従って、支持体15を挟んで椅子10の前方側及び後方側には、座部11の下面と左右の脚部12をそれぞれ構成している2つの内側板状体12bとで画成された空間部が形成される。これら空間部には、それぞれ板状の2つの荷重受け部16a,17a及び16b,17bが配置される。
すなわち、図1及び図3に示されるように椅子10の前方側では、左右の脚部12をそれぞれ構成する内側板状体12b間における座部11の下面側に形成されている空間部に、上下に重ねられて接着剤などで接合された2つの荷重受け部16a,17aがその横方向Xの両端部を最内側板状体12cにおける上面に乗せて配置されている。また、椅子10の後方側でも同様に、左右の脚部12をそれぞれ構成する内側板状体12b間における座部11の下面側に形成されている空間部に、上下に重ねられて接着剤などで接合された2つの荷重受け部16b,17bがその横方向Xの両端部を最内側板状体12dにおける上面に乗せて配置されている。
支持体15を挟んで座部11の前方側及び後方側において、座部11の下側の各空間部に配置される2枚重ねの荷重受け部16a,17a及び16b,17bは、その上面が座部11の下面11bに密着し、それぞれの内側面が支持体15に密着し、横方向側面が内側板状体12bに密着するように最内側板状体12c,12dの上面に跨架されるが、これらの構成要素と、2枚重ねの荷重受け部16a,17a及び16b,17bとの密着部は、接着剤などで接合しておくことも好ましい。これら荷重受け部16a,17a,及び16b,17bも前述した座部11や、脚部12を構成している板状体12a〜12dと同じように発泡材を円柱状に成型した多数の柱状体13を束ねて形成された所定厚みの板状体である。荷重受け部16a,16bは、柱状体13の長手方向が座部11の柱状体のそれと同じ方向、即ち横方向Xへ向くように配置され、他方、荷重受け部17a,17bは、柱状体13の長手方向が前後方向Yへ向くように配置されているので、荷重受け部16a,16bとその下に重なる荷重受け部17a,17bとは、柱状体13の長手方向をほぼ90度異にしていることが分かる。これにより、上下に重ねられた荷重受け部16a,17a,及び16b,17bの強度を向上できるので、座部11から伝達される荷重を十分に受けることができる。
このように構成された椅子10において、座部11の座り面11aに人が座ると、座部11に掛かる荷重は、該荷重の掛かった部分の内部に位置する複数の柱状体13を撓ませ、その撓みは、隣接する柱状体13との間に形成されている通路状空隙部14bを潰しながら接合部14aでつながっている隣接する柱状体13に伝搬され、さらに座部11の下面側に配置されている荷重受け部16a,16b,17a,17bにおける多数の柱状体13にも伝搬し、これら多数の柱状体13の撓みにより次第に吸収される。各柱状体13は、それ自体もクッション性が大きい性質を有しているが、この椅子10では、座部11が、円柱状をした多数の柱状体13を束ねることで、隣接する柱状体13どうしの非接触な部分14bによって形成される多数の通路状空隙部を備えているので、高いクッション性能を発揮する。このような通路状空隙部14bの存在は、保温性を高めることにもなり、したがって、座った人の体温で座部11が暖められると、その保温性により快適に座り続けることができる。
さらに、この椅子10では、座部11の下側に、同様な構成の荷重受け部16a,17a,及び16b,17bを配置していることにより、クッション性能がより向上し、座り心地の良さを高めている。また、この椅子10では、座部11や荷重受け部16a,17a,及び16b,17bに限らず、左右の脚部12や支持体15についても多数の柱状体13を束ねた成型体で構成されているので、柱状体13の成型に必要な紙パウダーを古紙から得る場合には、そのリサイクル率を格段に向上させることができる。また、この椅子10は、前述したように紙パウダーと、ポリオレフィン系合成樹脂と、親水性合性高分子とを混合加熱して高温溶融物とし、この高温溶融物に水を混入して得た発泡材で形成されており、その比重は0.025〜0.040g/cmである。そのため、この実施形態に係る椅子10は、非常に軽量で、かつ構成素材が柔らかいので、持ち運びを含めて取り扱いが容易であり、また子供が椅子にぶつかっても怪我をすることもなく、さらにはフローリングの床を引きずるように椅子を移動しても摩擦が起り難いのでフローリンへの損傷もなく、かつ発泡材自体に吸音性もあるので大きな音が出ることもなく、一般家庭などで使用しても生活上非常に使い勝手が良い。
前述した座部11、板状体12a〜12d、支持体15、及び荷重受け部16a,17a,及び16b,17bを形成している柱状体13は、20〜40重量%のポリオレフィン系合成樹脂と、平均粒径が30〜100μmの範囲にある40〜60重量%の紙パウダーと、平均粒径が5〜150μmの範囲にある20〜30重量%の親水性合性高分子とを含み、これらポリオレフィン系合成樹脂、紙パウダー、及び親水性高分子を混合加熱して110〜170℃の高温溶融物とすると共に該高温溶融物に水を混入して得られる発泡材で形成されている。このような発泡材及びその製造方法は、本発明と同一の発明者による発明として公開された特開2003−41041に開示されており、既に公知の技術である。したがって、本発明の椅子10の構成要素の形成に用いる発泡材およびその製造方法については以下に簡単に説明する。
発泡材の内部には、多数の独立した気泡が形成されている。気泡は、その形状や大きさが一様ではなく、縦横方向と厚み方向とに不連続かつ不規則に延びている。発泡材の内部では、親水性高分子が気泡を包被する膜を形成している。発泡部材は、その燃焼カロリーが4500cal/g以上であって6000cal/g以下の範囲にあり、その比重が0.025g/cm以上であって0.040g/cm以下の範囲にある。発泡材は、その帯電電圧が2.0〜2.4KVの範囲にあり、帯電した発泡材の帯電電圧減衰時間が1.8〜2.0秒の範囲にある。
発泡材における無機化合物と紙パウダーとは目視不能である。発泡材は、単位体積当たりの発泡倍率が5〜60倍に範囲にある。発泡倍率は、5〜50倍の範囲にあることが好ましい。発泡倍率が5倍未満では、発泡材の内部に気泡が十分に形成されず、発泡材の硬度が増加してそれのクッション性が低下する。発泡倍率が60倍を超過すると、発泡材の強度が著しく低下する。発泡材は、独立気泡が50%以上であり、平均気泡径が2.0mm以下である。独立気泡率は、60%以上が好ましく、平均気泡径は、1.5mm以下が好ましい。
ポリオレフィン系合成樹脂には、ポリプロピレンとポリエチレンとのうちのいずれか一方、または、それらを所与の割合で混合したものを使用することができる。ポリプロピレンには、ブロック重合ポリプロピレン、ランダム重合ポリプロピレン、ホモ重合ポリプロピレン、メタロセン−ポリプロピレン、のうちから選択された少なくとも1種類を使用することができる。ポリエチレンには、低密度ポリエチレン、リニア低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、メタロセン触媒ポリエチレン、変成ポリエチレン、エチレンビニルアセテート(EVA)のうちから選択された少なくとも1種類を使用することができる。
なお、ポリプロピレンには、線状ポリプロピレンとイソプレンとラジカル重合開始剤とを反応させた改質ポリプロピレンを使用することもできる。線状ポリプロピレンには、プロピレンの単独重合体や共重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体のうちの少なくとも1つを使用することができる。ラジカル重合開始剤には、過酸化物やアゾ化合物を使用することができる。
ポリオレフィン系合成樹脂は、それが改質物質を含有していてもよい。改質物質は、ポリオレフィン系合成樹脂の全重量に対するその重量比が0.1重量%以上かつ10重量%以下の範囲にあることが好ましい。改質物質は、ポリオレフィン系合成樹脂と相互に親和性を有する樹脂で、そのメルトフローインデックスが0.1〜15g/10分の範囲にあり、ポリオレフィン系合成樹脂の流動性を向上させることができる。また、改質物質は、無機化合物と紙パウダーとをポリオレフィン系合成樹脂に接着するバインダーとして機能する。改質物質には、エチレン−プロピレンエラストマー、水素添加スチレン−ブタジエンラバー、スチレン−エチレンブチレン・オレフィン結晶ブロックポリマーのうちの少なくとも1つを使用することができる。
水素添加スチレン−ブタジエンラバーやスチレン−エチレンブチレン・オレフィン結晶ブロックコポリマーは、エチレンとブテン−1とから形成されたランダム性の高い共重合体であり、ポリマー分子中に二重結合を持たず、かつ、低結晶性で柔軟性のある透明性の高い合成樹脂である。無機化合物には、酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリン、マイカ、クレー等のうちの少なくとも1つを使用することができる。無機化合物は、発泡材の平均気泡径を調整する発泡核剤となる。
紙パウダーには、広葉樹パルプと針葉樹パルプとのうちの少なくとも一方を原料としてそれらパルプを粉状に粉砕したセルロース主体の粉砕パルプが使用されている。なお、紙パウダーには、古紙を粉状に粉砕したものを使用することもでき、粉砕パルプと古紙を粉状に粉砕したものとを所定の割合で混合したものを使用することもできる。広葉樹パルプや針葉樹パルプを原料とした紙パウダーは、リグニン成分が1%以下のものを使用することが好ましく、古紙を原料とした紙パウダーは、セルロース成分が95重量%以上含まれていることが好ましい。
パルプは、機械的パルプ、化学的機械パルプ、半化学的パルプ、化学的パルプのいずれであってもよい。古紙には、新聞古紙や雑誌古紙、印刷古紙、包装古紙、段ボール古紙、OA古紙等を使用することができる。
親水性合成高分子には、ポリビニルアルコールとアクリル酸塩とマレイン酸塩とのうちの少なくとも1つが使用されている。なお、親水性合成高分子に代えて、親水性天然高分子を使用することもできる。親水性天然高分子には、デンプンを使用することが好ましい。デンプンには、特に限定はなく、とうもろこし、さつまいも、バレイショ、小麦、大麦、米等に含まれるデンプンを使用することができる。親水性天然高分子には、デンプンの他に、ニカワや天然ゴム、寒天を使用することもできる。
水は、水道水を使用することができる。水には、特に限定はなく、軟水や硬水、純水のいずれであっても使用することができる。
発泡材は、ポリオレフィン系合成樹脂と紙パウダーと親水性合成高分子とを加熱下に混合し、それらの高温溶融物に水を混入することにより製造することができるが、その際の溶融物には、合成樹脂に紙パウダーと親水性合成高分子とが略均一に分散している。発泡材は、押出機を使用して製造され、押出機の先端部に取り付けられたダイから押し出される。発泡材は、ダイの形状によって、板状、シート状、或いは柱状に成形でき、ダイから押し出された発泡材を順次カットすることによりペレット状にも成形することができる。
合成樹脂と紙パウダーと親水性合成高分子との重量比は、合成樹脂が20重量%以上であって40重量%以下、紙パウダーが40重量%以上であって60重量%以下、親水性合成高分子が20重量%以上であって30重量%以下の範囲にある。合成樹脂と紙パウダーと親水性合成高分子とを混合した溶融物に対する水の重量比は、10重量%以上であって30重量%以下の範囲にある。
合成樹脂が20重量%未満では、溶融物の内部における発泡が不十分となり、発泡材にわずかしか気泡が形成されず、断熱性能が低下する。合成樹脂が40重量%を超過した場合では、紙パウダーや親水性合成高分子よりも燃焼カロリーが高い合成樹脂の割合が増え、発泡材の燃焼カロリーが6000cal/gを超過してしまう場合がある。
紙パウダーが60重量%を超過しかつ親水性合成高分子が30重量%を超過した場合では、加熱しても流動性を示さない紙パウダーと親水性合成高分子とが押出機の内部における合成樹脂の流動性を妨げ、押出機の内部において合成樹脂と紙パウダーと親水性合成高分子とが均一に混合されない場合がある。紙パウダーが40重量%未満かつ親水性合成高分子が20重量%未満では、発泡部材19の比重が0.025g/cmを超過してしまう場合がある。
紙パウダーは、その平均粒径が30μm以上であって100μm以下の範囲にある。紙パウダーの平均粒径が30μm未満の場合では、パルプや古紙を30μm未満の粒径に加工するために複数の工程を必要とするので、紙パウダーの生産コストが高くなってしまう。その結果、発泡材の生産コストが上昇する。紙パウダーの平均粒径が100μmを超過した場合では、紙パウダーが合成樹脂の中で分散不良を起こし、紙パウダーが合成樹脂の中に嵩高な継粉を形成する場合があり、発泡材の内部に紙パウダーの塊が形成され、発泡材が脆弱となってその耐衝撃性が低下してしまう。
親水性合成高分子は、その平均粒径が5μm以上であって150μm以下の範囲にある。親水性合成高分子の平均粒径が5μm未満の場合では、親水性合成高分子を5μm未満の粒径に加工するために複数の工程を必要とするので、使用する親水性合成高分子の生産コストが高くなってしまう。親水性合成高分子の平均粒径が150μmを超過した場合は、親水性合成高分子が合成樹脂の中で分散不良を起こし、親水性合成高分子が合成樹脂の中に嵩高な継粉を形成する場合があり、発泡材の内部に親水性合成高分子の塊が形成されてしまう。
押出機内において水を混入する以前の溶融物の温度は110℃以上〜170℃以下の範囲にあることが好ましい。溶融物の温度が110℃未満では、混入する水の量にもよるが、水が溶融物の内部で瞬時に気化せず、溶融物の内部に多数の気泡を作ることができない。溶融物の温度が170℃を超過した場合では、合成樹脂や紙パウダー、親水性合成高分子の性状が温度によって変化し、特に、紙パウダーが黄ばんだり、黒ずんだりすることで、発泡材自体が変色してしまう。
発泡材を製造するとき、押出機に発泡材を着色する着色剤や発泡材の嵩を増すための増量剤、合成高分子からなる相溶剤を混入することもできる。相溶剤は、合成樹脂と相互に親和性を有するもので、合成樹脂と混合物を形成し、合成樹脂の流動性を向上させることができ、合成樹脂と紙パウダーとを接着するバインダーとしての作用を有する。相溶剤の溶融物に対する重量比は、3重量%以上であって5重量%以下の範囲にあることが好ましい。発泡材の製造方法では、押出機にポリオレフィン系合成樹脂と紙パウダーと親水性合成高分子とを投入し、それらを加熱下に混合するとともに、それらの高温溶融物に水を加えるだけなので、その製造が簡単である。この製造方法では、水の気化を利用して発泡を行っているので、環境に与える負荷を少なくすることができ、さらに、窒素ガスやプロパン、ブタン等の液化ガスを使用していないので、製造時の安全性が向上する。
図5〜図7のそれぞれには、本発明の第2〜第4の各実施形態に係る椅子20,30,40が示されている。図5に示される第2の実施形態に係る椅子20では、図1に示される第1の実施形態に係る椅子10を構成している座部11と、これを支持している左右の脚部12と、支持体15と、荷重受け部16a,17a,及び16b,17b(但し、荷重受け部16b,17bは図5に表れていない)とを備えると共に、前後方向Yにおける後方側即ち背面側において座部11と脚部12とに密着するように配置された背もたれ21を備えている。この背もたれ21を除く他の構成部分は、図1に示される第1の実施形態に係る椅子10と実質的に同じであるので図5に示す椅子20に同一の参照符号を付けてその説明を省略する。背もたれ21は、座部11の横方向Xにおける幅寸法とほぼ同じ幅寸法を有し、また、高さ方向Zにおける寸法H1が脚部12の下面から座部11の座り面11aまでの高さ寸法H2より高い矩形の板状体で形成されている。この背もたれ21も、脚部12と同様に前述した発泡材を円柱状に成型した多数の柱状体13を束ねた所定厚みの板状体で構成されたものであり、その柱状体13の長手方向が、脚部12と同様に高さ方向Zへ延びるように座部11と脚部12の後方側に配置され、座部11と脚部12とのそれぞれ背面に接合されている。なお、第2の実施形態に係る椅子20では、一対の脚部12がそれぞれ1つの板状体12aに、並列に並べた2つの板状体12c,12dを重ねて形成されている。したがって、第1の実施形態に係る椅子10と比較すると、それぞれ1つの板状体12bが無い分だけ横方向Xの幅寸法が短くなるが、椅子20の横方向Xにおける幅寸法や前後方向Yにおける寸法は、座部11の寸法(厚みや幅、前後方向の長さなど)や脚部12を構成しているそれぞれの板状体の寸法(厚みや幅、前後方向の長さなど)を変えることで自由に変更することができる。
このような構成の椅子20によると、座部11の背後に背もたれ21が存在するので椅子20に座っている人の背を支持でき、したがって、疲れることなく長時間座ることができる。その際、背もたれ21が、前述した発泡材を円柱状に成型した多数の柱状体13を束ねてなる所定厚みの板状体で形成されたものであるため、座部11に座っている人の背が非常に柔軟に支持されることから、背もたれ21に寄りかかっている背中の筋肉に強い圧迫を与えることがないので筋肉痛を起こすことが無く、快適な座り心地を与えることができる。
次に、図6に示される第3の実施形態に係る椅子30は、子供用に構成されたものである。この椅子30では、図1に示される第1の実施形態に係る椅子10の横方向Xを前後方向として使用される。しかし、説明の便宜上、図1に示される実施形態の椅子10と同様に、X方向を横方向、Y方向を前後方向、Z方向を高さ方向として説明する。この子供用の椅子30も、基本的には図1に示される椅子10と同様に座部11、これを支持する脚部12、支持体15などから構成されている。また、図5に示される第2の実施形態に係る椅子20では、2枚重ねの荷重受け部16a,17a,及び16b,17bが設けられていたが、この椅子30では、各1枚の荷重受け部17a,17bのみを備えている。さらに、この椅子30では、図5に示される第2の実施形態に係る椅子20と同様に背もたれ21を備えている。背もたれ21は、横方向Xにおいて座部11の側面と一方の脚部12の外側面とに密着するように配置されてそれらに接合されている。したがって、使用時には、背もたれ21が配置されている側が背面(後面)となり、その反対側が正面となる。
この椅子30には、その正面側に、座部11から脚部12に亘って窪み部31が形成されている。具体的には、この窪み部31は、座部11の正面側における縁部から内方へ向かって切り欠かれた凹部31aと、脚部12の正面側上部から下方向に向かうU字形の切欠き部31bとで構成され、この切欠き部31bは、座部11に形成された凹部31aに整合するように凹部31aの真下に位置すると共に該凹部31aと同じ幅寸法W1で形成されている。脚部12に形成された切欠き部31bは、脚部12の下面から所定の高さまで切り欠かれ、この窪み部31の幅寸法W1は、少なくとも子供の両足が入る寸法か、又はそれより大きくされている。脚部12は、最内側の板状体12c,12dを備え、これら板状体12c,12dは、第1の実施形態に係る椅子10で説明したように支持体15を挟んでその両側に配置されているので、脚部12を座部11の凹部31aに整合するように上方からU字状に切り欠くと、その間に挟まれている板状の支持体15も前後方向Yから見てL字状に切り欠かれることになる。また、荷重受け部17a,17bは、それぞれその両端部が各脚部12を構成している最内側の板状体12c,12dの上に跨架されているので、これら荷重受け部17a,17bについてもそれぞれその一端側が上方から見てL字形に切り欠かれる。その結果として、椅子30の正面側に、座部11から脚部12に亘る窪み部31が形成される。この窪み部31の底面31cは、座部11の座り面11aに座った子供の足を乗せるフットレスト面として作用する。
このように構成された子供用の椅子30によると、子供が座部11の座面11aに腰掛けると、子供の脚が椅子30の正面側に形成された窪み部31に収まるので、足をフットレスト面31cに乗せることができ、その結果、身体全体を安定させることができる。また、子供の脚を収めている窪み部31の内周面すべてが前述した発泡材で形成されているため、子供が脚を動かして窪み部31の内周面にぶつけたり擦りつけたりしても怪我などをすることがない。さらに、子供が、窪み部31の底面であるフットレスト面31cに足を乗せたときに発泡材の柔らかな感触を受けるので、あたかも絨毯の上に足を乗せているような安心感とくつろぎ感を与えることができる。
図7に示される第4の実施形態に係る椅子40は、複数の人が座ることのできる長椅子(ソファー)である。図7において、長椅子40の横方向を矢印Xで示し、前後方向を矢印Yで示し、高さ方向を矢印Zで示す。この長椅子40は、上面41aを座り面とした座部41と、これを支持する脚部42と、背もたれ43とから構成されている。座部41は、第1実施形態に係る椅子10で用いた座部11と同じように、前述した発泡材をほぼ同一直径の円柱状に成型してなる多数の柱状体13を、隣接する柱状体13の周面どうしが接触するように束ね、相互に接触する部分を接合して構成されている。このような座部41は、図7から明らかなように柱状体13の長手方向が長椅子40の横方向Xに向くように脚部42の上部に乗せられ、かつ接合されている。なお、座部41を脚部42の上に配置するとき、第1の実施形態に係る椅子10で説明したように、座部41を構成している柱状体13の長手方向が座り面41aに沿う方向であればどのような向きであってもよい。
脚部42は、板状の座部41の全面を支持すべく平面形状が座部41と同じ形状と大きさの中実直方体を呈し、前述した発泡材を円柱状に成型した多数の柱状体を束ね、相互に接触する部分を接合して形成されている。このような脚部42は、これを形成している柱状体の長手方向が座部41の下面に対して直交する高さ方向Zに延びるように、座部41の下側に配置されて該座部41を支持している。背もたれ43は、背もたれ本体43aとその天面に配置する化粧カバー43bとから構成されている。背もたれ本体43aは、脚部42と同様に前述した発泡材を円柱状に成型した多数の柱状体を束ね、相互に接触する部分を接合して中実直方体に形成されている。このような背もたれ本体43aは、柱状体の長手方向が高さ方向Zに延びるように座部41と脚部42の後方側(背面)に密着して配置され、かつ接合されている。背もたれ本体43aの天面に配置される化粧カバー43bは、座部41と同じように、前述した発泡材をほぼ同一直径の円柱状に成型してなる多数の柱状体13を、隣接する柱状体13の周面どうしが接触するように束ね、相互に接触する部分を接合した薄い板状のものである。このような化粧カバー43bは、図7から明らかなように柱状体13の長手方向が長椅子40の横方向Xに向くように背もたれ本体43aの天面に乗せられ、かつ接合されている。
上述した本発明の各実施形態に係る椅子10,20,30,40では、座部11,41の平面形状が矩形であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、円形、楕円形、および他の様々な形状で形成することができる。また、第1の実施形態に係る椅子10では左右の脚部12がそれぞれ4つの板状体12a〜12dで形成され、また、第2及び第3の各実施形態に係る椅子20,30では左右の脚部12がそれぞれ1つの板状体12aに、並列に並べた2つの板状体12c,12dを重ねて形成されていたが、椅子10,20,30を構成するいずれか1つ又は2つの板状体の横方向Xにおける寸法を大きくすることにより板状体の数を少なくすることができるし、またその形状も矩形である必要はなく、それを構成している柱状体の端面側から見て円弧状であってもよい。
また、各実施形態に係る椅子10,20,30,40の構成要素である柱状体13を形成している発泡材について単位体積当たりの発泡倍率は、前述したように5〜50倍が好ましい範囲であるが、椅子10,20,30,40の脚部12を構成している板状体12a,12b,12c,12d、脚部42、背もたれ21、及び背もたれ本体43aの構成要素である柱状体13については、それを形成する発泡材の発泡倍率を10倍〜35倍の範囲とすることが好ましい。その理由として、脚部12,42、背もたれ21及び背もたれ本体43aについてはクッション性よりも強度の高さが優先されるので、発泡倍率を低くして内部の気泡を少なくし、硬度を高めることが望ましいからである。椅子10,20,30,40の脚部12,42以外の部分、特に座部11,41や荷重受け部16a,17a及び16b,17bについてはクッション性が優先されるので、それらの構成要素である柱状体13を形成している発泡材の発泡倍率を30〜50倍の範囲とすることが好ましい。
前述した発泡材で形成された柱状体13を束ねて構成された板状体の物理特性について説明すると、該板状体の圧縮強さは、図8の(a)及び(b)に示される板状体50に対して柱状体13の長手方向を縦方向とし、柱状体13の長手方向に直交する方向を横方向とすると、板状体50は、柱状体13の長手方向に沿う面を表面50aとした直方体を呈している。このような板状体50について、23℃条件下で、縦方向への圧縮強さは、45〜70Kpa、横方向への圧縮強さはは、4.5〜7.5Kpaであった。圧縮強さの測定は、JIS K 7220の発泡プラスチック−硬質材料の圧縮試験に従って実施した。測定方法の詳細は以下の通りである。
(1) 試験片
試験片の厚Tさは50mm、試験片の表面50aは25.0cm、形状及び寸法は、一辺(L)が100mmの直方体である。
(2)圧縮試験機
圧縮試験機は、平滑平行な2枚の正方形の加圧板をもち、その表面は研磨され、荷重によって変形しないものである。加圧板の大きさは、一辺が10cm以上である。加圧板は、一方を固定板とし、もう一方を可動板とする。可動板は、以下の測定手順によって一定の速度で移動可能なものとする。また、加圧板の面積は、試験片の断面積よりも大きい。
(3)測定手順(A法)
試験片の幅、長さ、厚さをISO 1923によって測定し、試験片を圧縮試験機の加圧板の間に置き、試験片と加圧板の中心を合わせる。可動板を一定の速度で移動して試験片を圧縮する。試験速度は、可能な限り圧縮前に測定した試験片の厚さの10%mm/minに近い速度とした。変形が10%以上になるまで圧縮した。
また、発泡材で形成された柱状体13を束ねて構成された板状体50の圧縮永久歪みは、50%〜60%である。この圧縮永久歪みについは、JIS K 6767の発泡プラスチック−ポリエチレン−試験方法の付属書1に従って測定した。測定方法の詳細は以下の通りである。
(1)試験片
試験片は、上下の表面が平行で長さ50mm,幅50mm、厚さ約25mmの図8に示されるような直方体である。試験片の数は3つ。
(2)試験装置
試験装置は、2枚の平行な平面板(圧縮板)からなり、4個以上のボルトとナットによって、平面板の間に挟んだ試験片を初めの厚さの25%だけ圧縮できるような構造の圧縮装置を使用した。平面板(圧縮板)は、アルミニウム又はクロムめっき鋼などで作られ、表面が平滑であり、また力を受けても曲がることがない、十分な厚さのものである。
(3)操作
試験片の厚さをISO 1923に規定の測定装置を使用し、中央部で測定した後、試験装置に挟み、試験片の厚さの25%だけ圧縮固定して、温度23℃±2℃、相対湿度(50±5)%の場所に連続22時間放置した。その後、試験片を平面板から取り外し、標準状態の場所に24時間放置した後、前と同じ箇所の厚さを測定した。
さらに、発泡材で形成された柱状体13を束ねて構成された板状体の嵩密度は、0.026〜0.040である。この嵩密度についは、JIS K 7222の発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の測定に従って測定した。測定方法の詳細は以下の通りである。
(1)試験片
測定用試験片は、成形後72時間以上経過した試料から切り取った。試験片の体積は50cm以上である。
(2)測定装置
測定装置は、はかり、鋼製直尺を用いた。はかりは、試験片の質量を0.5%の精度で測定できるものである。
(3)手順
ISO1923に従って、試験片の寸法をミリメートル単位で測定した。各寸法を3回以上別々に測定し、各寸法の平均値を求め、試験片の体積を算出した。
発泡材で形成された柱状体13を束ねて構成された板状体の反撥弾性率は、3〜10%である。この反撥弾性率についは、JIS K 6400−3の軟質発泡材料−物理特性の求め方に従って測定した。測定方法の詳細は以下の通りである。
(1)試験装置
試験装置は、内径30〜65mmの垂直な透明の管からなり、その内側にJIS B 1501 に規定する呼び5/8の鋼球(直径16±0.5mm、質量16±0.5g)を保持し、鋼球を回転させず中央部に落下させ、跳ね返った高さを測定した。
(2)試験片
試験片は、上下の表面が平行な平滑面をもし、厚さが50mm、長さが100mmである。試験片は3個である。
(3)試験方法
管の下側に試験を置き、試験片の上面の16mm上方にゼロ点がくるように管の高さを調整した。次いで、鋼球を落下させ、跳ね返った最高の高さを記録した。落下又は跳ね返る際に鋼球が管に当たった場合、得られた値は無効とした。視線による誤差を最小にするため、観察者は、跳ね返る高さを読む位置にある環状の目盛りが直線になるところに、目の位置を合わせた。一つの試験片に対して、少なくとも1分間以内に3個の正しい測定値を得た。
本発明の第1の実施形態に係る椅子を示す斜視図。 図1の2−2線で切断して示す椅子の断面図。 図1の3−3線で切断して示す椅子の断面図。 柱状に成型した柱状体を束ねてなる座部の一部を拡大して示す部分的な端面図。 本発明の第2の実施形態に係る椅子を示す斜視図。 本発明の第3の実施形態に係る椅子を示す斜視図。 本発明の第4の実施形態に係る椅子(長椅子)を示す斜視図。 圧縮強さを得るために用いた、発泡材の柱状体を束ねてなる板状体の説明図。
符号の説明
10,20,30,40 椅子
11 座部
11a 上面(座り面)
11b 下面
12 脚部
12a,12b,12c,12d 板状体
13 柱状体
14a 隣接する柱状体の周面どうしが接触する部分
14b 隣接する柱状体の周面どうしが非接触な部分(通路状空隙部)
15 支持板
16a,16b 荷重受け部
17a,17b 荷重受け部

Claims (3)

  1. 上面を座り面とした座部と、該座部の下面側に配置されて前記座部を支える脚部とからなる椅子において、
    前記座部が、内部に多数の独立した気泡を形成した発泡材からなる所定厚みの板状を呈し、
    前記発泡材が、ポリオレフィン系合成樹脂と、紙パウダーと、親水性合性高分子とを混合加熱して高温溶融物とすると共に該高温溶融物に水を混入して得られ、
    前記板状の座部は、並列に形成された多数の通路状空隙部を備え、該通路状空隙部の延びる方向が前記座り面に沿う方向になるように前記脚部の上部に載置されると共に、該脚部に接合されていることを特徴とする前記椅子。
  2. 前記板状の座部が、前記発泡材をほぼ同一直径の円柱状に成型した多数の柱状体を束ねて構成され、隣接する前記柱状体は、それら周面どうしが接触する部分で接合され、かつ隣接する前記柱状体の周面どうしが非接触な部分で前記通路状空隙部を形成している請求項1に記載の椅子。
  3. 前記脚部が、前記発泡材を円柱状に成型した多数の前記柱状体を束ねて形成され、前記脚部を構成している前記柱状体の長手方向を前記座部の前記下面に対して直交する方向に向けて前記座部の下面側に配置されている請求項2に記載の椅子。
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