JP2004121829A - 中入れ材 - Google Patents
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Abstract
【課題】体圧の均一分散性を向上し、底付き感を殆ど生じない快適な使用感を有する中入れ材を提供する。
【解決手段】少なくとも表層に硬さが200N以下の柔軟層1を配置し、下層に圧縮応力が1600N以上、5000N以下の保持層2を配置した積層体からなる中入れ材10である。
【選択図】 図1
【解決手段】少なくとも表層に硬さが200N以下の柔軟層1を配置し、下層に圧縮応力が1600N以上、5000N以下の保持層2を配置した積層体からなる中入れ材10である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は中入れ材に関し、さらに詳しくは、寝装用ベッドマット、マットレス、家具用ソファー、クッション、電車、自動車などの車両用シート等の中材として好適に使用される中入れ材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、寝装用ベッドマット等の中入れ材には、発泡ウレタン、合成繊維等の繊維類を使用したものが主流になっている。しかし、発泡ウレタンの中入れ材は通水性が乏しく、かつ沈み込みが大きいため体圧が局部的に集中しやすくなり、底付き感を生ずるという欠点があった。また、合成繊維等の繊維類からなる中入れ材は、通気性・通水性に優れたものが得られ、さらに繊維を平面方向に対してほぼ垂直に配列してギャッヂ性(折れ曲がり性)を持たせるなどの多数の改善提案はあるが、体圧を均一に分散させて底付き感をなくすという課題の点では、なお一層の改善が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、体圧の均一分散性を向上し、底付き感を殆ど生じない快適な使用感を有する中入れ材を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決する本発明の中入れ材は、少なくとも表層に硬さが200N以下の柔軟層を配置し、下層に硬さが1600N以上、5000N以下の保持層を配置した積層体からなることを特徴とするものである。
【0005】
このように硬さが200N以下の柔軟層を表層に配置し、硬さが1600N以上、5000以下の硬い保持層を下層に配置する積層構造にしたことにより、表層側に身体を載せたときの体圧を身体全体にほぼ均等に分散させることが可能になり、局部的に集中する体圧を低減させて、底付き感のない快適な使用感を達成することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の詳細を説明する。
【0007】
図1は、本発明の中入れ材の一例について各層を分離した状態にして示すモデル図である。
【0008】
中入れ材10は、表層に柔軟層1を、下層に保持層2をそれぞれ配置し、さらに柔軟層1と保持層2との間に中間層3を配置した積層体として構成されている。モデル図では理解を容易にするため層間を離して図示しているが、実際の中入れ材では、これらが互いに接触または接合状態になっている。
【0009】
図示の中入れ材10には中間層3が設けられているが、この中間層3は必ずしも必要とするものではなく省略してもよい。中間層3を挿入するときは、その圧縮応力等の特性値が柔軟層1と保持層2との中間になるようにする。
【0010】
各層の構成材料の詳細については後述するが、柔軟層と中間層は発泡樹脂または繊維シート層が好ましく、さらに繊維シート層は、繊維相互が部分的に接着して構成された繊維成形体が好ましい。また、保持層は、柔軟層や中間層を支持する層として、繊維相互が部分的に接着して構成された繊維成形体が好ましい。
【0011】
本発明の中入れ材において、表層の柔軟層は硬さを200N以下とし、好ましくは10〜180N、特に好ましくは20〜130Nの範囲にする。これに対して下層の保持層は、硬さを1600N以上、5000N以下にし、好ましくは1800〜2200Nの範囲にする。なお、ここで「硬さ」とは、JIS K 6400 6.3 A法に基づいて測定されたものをいう。
【0012】
このように硬さが200N以下の表層側の柔軟層と1600N以上、5000N以下の下層側の保持層とを組み合わせることにより、表層上に身体を載せたとき、上下両層の硬さが相互にバランスして、体圧を身体全体にほぼ均等に分散させることができる。すなわち、体圧が局部的に集中した箇所をなくすため、底付き感のない快適な使用感を得ることができる。
【0013】
柔軟層の硬さが200Nを超えると、硬すぎて十分な体圧分散性が得られにくくなってバランスが崩れ、また保持層の硬さが1600N未満であると、十分な保持力が得られず底付き感を感じるようになってバランスが崩れるため、上記のような効果は得られなくなる。また、5000Nを超えた場合も底付き感が大きくなるという問題がある。
【0014】
本発明において更に好ましくは、少なくとも柔軟層と保持層とを重ねた積層体全体の屈曲性が15cm以上、好ましくは20〜30cmになるようにするとよい。このように積層体全体としての屈曲性を大きくすることにより、体圧の均等分散性を一層向上するため、さらに底付き感のない快適な使用感を得ることができる。
【0015】
ここで「屈曲性」とは、被測定試料から幅10cm、厚み5cm、長さ50cmの長方形試験片を3個作り、各試験片を水平な台の上に載せ、その台上を滑らせて台の端部から長さ30cmを突出した状態にして1分間放置し、その試験片の先端が台上面から垂れ下がった鉛直距離(cm)を読み取り、3個の試験片の測定値の平均を以って表示したものである。
【0016】
また、本発明において更に好ましくは、柔軟層の特性として、復元速度が2sec以上であること、好ましくは2〜10secであるようにするとよい。このように柔軟層の復元速度が比較的緩やかであることにより、中入れ材の上に身体を載せたときの体圧分布の均等性を一層向上し、更に快適な使用感を得ることができる。特に柔軟層が発泡樹脂である場合に好適である。
【0017】
ここに「復元速度」とは、被測定試料の表面に直径90mm、重さ2.7kgの球状の重錘を10秒間載せた後、その重錘を取り除いて表面が元の平面に復元するまでの時間(sec)をいう。
【0018】
また、柔軟層および保持層は、共に通気性(JIS L 1079−1966規定のフラジール型通気性試験機により測定)が20cc/cm2 /sec以上であることが好ましい。柔軟層および保持層がこのような通気性を備えることにより、中入れ材のムレ感を軽減し、一層使用感を向上することができる。
【0019】
以下に、本発明の中入れ材に使用する柔軟層と保持層の構成材料について詳細を説明する。
【0020】
前述した通り、柔軟層は硬さが200N以下であり、好ましくは10〜180Nの特性を備えたものでなければならない。さらに好ましくは、復元速度が2sec以上であり、さらには、少なくとも柔軟層の上面側の表面に、多数の凸部を分散するように形成したものがよい。特に凸部の頂部形状を丸く球面状にすると尚よい。このように多数の凸部を設けると、体圧の均一分散性が向上し、一層底付き感を解消することができる。
【0021】
上記のような特性を有する柔軟層の構成材料としては、発泡樹脂、繊維シート、ゲル状物質などを例示することができるが、特に発泡樹脂が好ましく、中でも発泡ポリウレタンフォームが最適である。発泡ポリウレタンフォームとしては、反発弾性が20%以下の衝撃吸収能に優れた低反発性発泡ポリウレタンフォームを使用することが好ましい。さらに、通気性が20cc/cm2 /secを越えたものを使用することによりムレ感を軽減し、使用感を一層の向上する。
【0022】
ポリウレタンフォームとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等のポリオール成分およびトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等のイソシアネート成分に、水等の発泡剤、アミン系、金属系等の触媒、シリコン整泡剤、その他所望により難燃剤、助剤等を添加し、上記成分の重合反応により生成されるものである。ポリオール成分、イソシアネート成分はもとより、発泡剤、触媒、整泡剤等を適宜配合することにより所望の物性が発現することが可能である。
【0023】
他方、保持層の方は、前述したように硬さが1600N以上、5000N以下であることが必要である。好ましくは、1800〜2200Nの範囲の硬い特性を有するものがよい。また、ムレ感を軽減するため、通気性が20cc/cm2 /sec以上であることが好ましい。
【0024】
このような特性を備えた保持層の構成材料としては、繊維成形体、発泡樹脂などを例示することができるが、特に下記の構造を有する繊維成形体を使用することが好ましい。
【0025】
繊維成形体は、繊維相互が部分的に接着した構成を有しており、さらに好ましくは、その繊維成形体を構成する繊維の50重量%以上、特に60重量%以上が、保持層の平面方向(シートの面方向)に対してほぼ垂直に配列した構造になっていることである。このように構成繊維の50重量%以上が保持層の平面方向に対して垂直な配列になっていることにより、屈曲性が増大し、洗濯や使用に対する耐久性が高くなり、また透湿性や透水性も高くなり、優れた使用快適感を得ることができる。
【0026】
保持層に使用する繊維成型体は、低融点の熱可塑性重合体を主成分とする繊維Aと、これよりも高融点の熱可塑性重合体を主成分とする繊維Bとの混合物が、それら繊維の一部を互いに融着するようにした構成からなる。繊維Aと繊維Bとの混合割合は、重量比でA/B=20〜60/80〜40であるものがよい。繊維Aの混合割合が20重量%未満であると、繊維A相互間および/または繊維Aと繊維Bとの熱接着点が少なくなるため形態安定性が悪くなる。しかし、繊維Aの混合割合が60重量%を越えると、繊維成型体のソフト感が低下し、触感が粗硬になるため好ましくない。
【0027】
繊維Aおよび繊維Bはいずれもポリエステルからなることが好ましい。ポリエステルは、圧縮特性(圧縮回復性)、熱接着形態固定性に優れ、燃焼ガスの毒性が低く、リサイクルできるなどの利点を有し、総合的な面から好ましい材料である。
【0028】
前記重量比の割合からなる繊維Aと繊維Bを、通常の紡績工程で使用する給綿機、混綿機、開繊機を通して充分に混綿、開繊し、繊維混合物にした後、例えば、送綿ファンによる空気流などと共に、用途に応じた形状をもつ成形用型枠に吹き込んで充填する。繊維混合物を型枠に吹き込んで充填するためには、型枠が適度の通気性を有することが必要であり、その通気性としては、JIS L 1079−1966に規定のフラジール型通気性試験機により測定した場合、5〜200cc/cm2 /secの範囲であることが好ましい。
【0029】
このような成形用型枠として、例えば、図2に示すような成形用金型を使用することができる。図2の成形用金型は、上下一対の金型11,12からなり、そのうち金型11は多数の開孔14をもつパンチング金属板から上部側を開口した箱状に形成され、側面に繊維の吹込口13を有する。この吹込口13から、繊維A,Bの繊維混合物を空気と共に吹き込み、タテ、ヨコ、厚み方向にランダムに配列した状態に充填する。このように吹き込み後、押圧用金型12を矢印Yのように下方へ押し下げて圧縮し、圧縮充填物にする。
【0030】
次いで、その圧縮充填物を熱処理することにより繊維Aを溶融し、繊維A相互間および/または繊維Aと繊維Bとの接触点の少なくとも一部を接着して形態を固定し、図3に示すような繊維成形体Mにする。熱処理温度としては、繊維Aの主成分が溶融する温度であればよく、一般には80〜200℃が好ましい。熱処理時間は繊維成型体の密度やサイズ等によって適宜選択しうる。
【0031】
図3に示す繊維成型体Mのおいて、矢印Yの方向が押圧用金型12による圧縮方向であり、矢印Xの方向が繊維成形体Mを保持層に使用したときの厚さ方向に相当する。すなわち、繊維成形体Mは押圧用金型12により矢印Yの方向に圧縮されることにより、大部分の繊維A,Bが水平方向に配列された状態になるので、これを矢印Y方向を含む面でスライスして保持層を形成したとき、その保持層の面方向(スライス面方向)に垂直な方向、すなわち、矢印X方向に、50重量%以上の繊維が配列した状態になる。
【0032】
繊維成形体Mに用いる繊維Aとしては、融点の異なる少なくとも2種類の熱可塑性重合体からなる複合繊維にするとよい。すなわち、繊維Bよりも融点が低い熱可塑性重合体R1 を少なくとも表面側に配置し、その熱可塑性重合体R1 よりも融点が20℃以上高い熱可塑性重合体R2 を芯側に配置した複合繊維にすることであり、この複合繊維にすることにより繊維成形体Mの使用耐久性を向上することができる。
【0033】
熱可塑性重合体R1 としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレン共重合体、エチレンブテン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィンあるいはオレフィン共重合体、ポリへキサメチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレートイソフタレート等のポリエステルあるいは共重合ポリエステル等の熱可塑性ポリマーから選ばれ、少なくとも一種類のポリマーを用いることができる。熱可塑性重合体R1 は、熱可塑性重合体R2 や繊維Bの融点より低いことが必要である。その融点は繊維間の熱接着性や圧縮に対する回復性、つまり圧縮残留ひずみの観点から80〜170℃であることが好ましい。
【0034】
熱可塑性重合体R2 は、特に限定はされないが、例えば、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸あるいはそれらのエステルを主たるジカルボン酸成分とし、エチレングリコールもしくはテトラメチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートあるいは、2,6−ナフタレートなどの線状ポリエステルを用いることができる。このうちポリエチレンテレフタレート(通常のポリエステル)が好ましい。
【0035】
繊維成型体の形態安定性、ソフト感および圧縮残留ひずみの観点から、熱可塑性重合体R1 とR2 の配合比R1 /R2 (重量比)は20/80〜60/40が好ましく、より好ましくは20/80〜50/50がよい。
【0036】
また、繊維Aには、必要に応じて熱可塑性重合体R1 ,R2 以外の成分として、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料のほか、各種の抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防止剤等の添加剤を、本来の機能を喪失しないかぎり、複合や混合などにより添加することができる。
【0037】
また、繊維Aは、形態安定性および均一な密度の繊維成型体を得る観点から、繊度が1〜12dtex、繊維長が10〜100mmの短繊維であることが好ましい。また、繊維Aには、繊維成型体の嵩高性、ソフト感、圧縮に対する回復性をよくするため捲縮を与えるとよい。その捲縮の程度は繊維成型体の用途により適宜選択すればよいが、一般的には捲縮数が3山/25mm以上、捲縮度が5%以上が好ましく、より好ましくは捲縮数が5山/25mm以上、捲縮度が15%以上であるのがよい。
【0038】
繊維Aと混合する繊維Bは、低融点成分である熱可塑性重合体R1 の融点より高ければ特に限定されない。例えば、ポリエステルの他にも、6−ナイロン、66−ナイロン、610−ナイロン、109−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン等のポリアミドを用いることができるが、なかでもポリエステルが好ましい。また、熱可塑性重合体R1 の融点より高い成分であれば、1種類だけを使用しても、数種類を併用してもよい。
【0039】
また、繊維Bに使用する熱可塑性重合体は、繊維Aの低融点成分R1 の融点より20℃以上高い融点を有するものを使用することが好ましく、この融点差により繊維成型体の使用耐久性を向上することができる。
【0040】
また、繊維Bは、繊度が0.5〜34dtex、繊維長が10〜100mmの短繊維が好ましく、これにより繊維成形体の嵩、圧縮抵抗、圧縮回復性、触感、形状保持性および密度の均一性を良好にすることができる。また、繊維Bの繊度は、太ければ太いほど、繊維成形体の水切れ性を良くし、乾燥性を良好にするが、34dtexを越えると触感が粗硬になるので好ましくない。
【0041】
繊維Bの捲縮は、捲縮数が3山/25mm以上、捲縮度が5%以上であることが好ましく、より好ましくは、捲縮数が5山/25mm以上、捲縮度が15%以上であるのがよい。このような捲縮態様にすることにより繊維成形体の嵩高性、ソフト感、圧縮に対する回復性をよくすることができる。
【0042】
上述した中入れ材の構成材料として用意された発泡樹脂、繊維成形体等は、用途に応じてサイズ・厚みを適宜選定し、所定の厚みにスライスし、それぞれ積層して積層体にする。積層体にするときは、層間は単に重ね合わせただけであってもよく、或いは接着してもよい。
【0043】
本発明の中入れ材は、寝装用ベッドマット、マットレス、家具用ソファー、クッション、電車、自動車などの車両用シート等の中材として使用することができ、特に寝装用ベッドマット用として好ましく使用することができる。
【0044】
【実施例】
以下に、本発明の実施例及び比較例を説明するが、評価に使用した特性の測定法は次の通りである。
【0045】
〔硬さ〕
JIS K 6400 6.3 A法に基づいて測定した。
【0046】
〔反発弾性〕
JIS K 6400 9.1 A法に基づいて測定した。
【0047】
〔復元速度〕
径90mm、重さ2.7kgの球状おもりにて10秒荷重後、おもりを取り除いてからフォームが水平に復元するまでの時間。
【0048】
〔通気性〕
JIS L 1079−1966に規定されたフラジール型通気性試験機により測定した。
【0049】
〔屈曲性〕
幅10cm、厚み5cm、長さ50cmの長方形試験片を3個準備し、水平な台上にのせ、試験片をすべらせて台の端から長さ30cm出した状態で1分間放置後、繊維成型体の厚み方向である台の上面と試験片の先端の下面の高さの差(撓み量cm)をスケールで読みとり、3回の平均値で示した。
実施例1
柔軟層及び保持層として、それぞれ下記材料および特性のシート材を用意し、柔軟層は2種類を使用して、表層側のシート材(低反発性発泡ポリウレタンフォーム)は厚さ2cm、内層側のシート材(ポリウレタンフォーム)は厚さ2cmに、また、保持層用のシート材(繊維成形体)は厚さ4cmにそれぞれスライスし、これら3層を積層した積層体を中入れ材とした寝装用ベッドマットを製作した。この中入れ材の屈曲性は26cmであった。
【0050】
得られた寝装用ベッドマットを、測定前に温度20℃、湿度50%に温調した部屋に24hr放置した後、体圧分布測定機(ニッタ株式会社製、商品名:BIGMAT)にセットし、温度20℃、湿度50%に温調された部屋で、ベッドマット上に身長168cm、体重58kgの人が仰向けに寝た状態にしたときの、水平なフラット面(0°)および背あげ時(ギャッジ角度30°)の平均体圧、最高体圧、接触面積をそれぞれ測定した。また、褥瘡について次のように言われている。皮膚は毛細管から栄養を受け代謝を行っており、毛細管圧は32mmHgでこれ以上の圧がかかると血行が妨げられ栄養代謝障害がおこる。局所的にこの圧迫が続くことにより生じる皮膚組織の変化、壊死、潰瘍が褥瘡である(平成9年 化学繊維研究所発行 「高齢者の生活を支援するADL評価技術に関する研究」参照)。このことから32mmHg(約44.5gf/cm2 )以上となる接触面積を求めた。その測定結果を表1に示す。
【0051】
表1から、上記ベッドマットはフラット面(0°)および背あげ時(ギャッジ角度30°)とも、比較例1に比べて身体の接触面積が大きく、平均体圧と底付き感の指標である最高体圧と体圧が32mmHg(約44.5gf/cm2 )以上となる接触面積がいずれも低くなっている。また、比較例2に対しては、背あげ時(ギャッジ角度30°)における接触面積が大きく、平均体圧と最高体圧とが低くなっている。すなわち、平均体圧と最高体圧とが低いこと、背あげ時(ギャッジ角度30°)の体圧が32mmHg(約44.5gf/cm2 )以上となる接触面積が小さいこと、から体圧の均一分散性に優れ、底付き感が殆どないことがわかる。
【0052】
〔柔軟層〕
(表層側シート)
材料: 低反発性発泡ポリウレタンフォーム
硬さ; 40N
復元速度; 5sec
通気性; 30cc/cm2 /sec
密度; 40kg/m3
反発弾性; 10%
(内層側シート)
材料: 汎用発泡ポリウレタンフォーム
硬さ; 160N
復元速度; 1sec未満
通気性; 120cc/cm2 /sec
密度; 25kg/m3
反発弾性; 50%
比較例1
実施例1において保持層に使用した繊維成形体のみで厚さ8cmの中入れ材を作り、寝装用ベッドマットを製作した。この中入れ材の屈曲性は25cmであった。
【0053】
この寝装用ベッドマットを実施例1と同じ条件で水平なフラット面(0°)および背あげ時(ギャッジ角度30°)の平均体圧、最高体圧、接触面積を測定し、その結果を表1に示した。
【0054】
表1の結果から、比較例1のベッドマットはフラット面(0°)および背あげ時(ギャッジ角度30°)とも、それぞれ最高体圧が実施例1及び2に比べて非常に大きく、臀部と頭部に集中して150および185g/cm2 にもなっており、そのため底付き感が非常に大きいものであった。
【0055】
比較例2
実施例1において柔軟層の表層側に使用した低反発性発泡ポリウレタンフォームのみで厚さ8cmの中入れ材を作り、寝装用ベッドマットを製作した。この中入れ材の屈曲性は58cmであった。
【0056】
この寝装用ベッドマットを実施例1と同じ条件で水平なフラット面(0°)および背あげ時(ギャッジ角度30°)の平均体圧、最高体圧、接触面積、体圧が32mmHg(約44.5gf/cm2 )以上となる接触面積を測定し、その結果を表1に示した。
【0057】
表1の結果から、比較例2のベッドマットは、フラット面(0°)のときは、平均体圧および最高体圧とも低いが、柔らかすぎて身体が固い底板の近くまで沈みすぎて底付き感が大きいものであった。また背あげ時(ギャッジ角度30°)には、平均体圧および最高体圧、体圧が32mmHg(約44.5gf/cm2 )以上となる接触面積とも急激に上昇し、特に最高体圧は 臀部で148g/cm2 にもなり、底付き感が大きいものであった。
【0058】
実施例2
実施例1において、柔軟層の表面側に多数の凸部を分散するように形成した以外は、同一構造にした中入れ材を作り、寝装用ベッドマットを製作した。この中入れ材の屈曲性は26cmであった。
【0059】
この寝装用ベッドマットを実施例1と同じ条件で水平なフラット面(0°)および背あげ時(ギャッジ角度30°)の平均体圧、最高体圧、接触面積、体圧が32mmHg(約44.5gf/cm2 )以上となる接触面積を測定し、その結果を表1に示した。
【0060】
表1の結果から、実施例2のベッドマットは、実施例1のベッドマットよりも接触面積および体圧が32mmHg(約44.5gf/cm2 )以上となる接触面積が増大しており、一層快適な使用感のあるベッドマットにすることができた。
【0061】
【表1】
【0062】
【発明の効果】
上述したように本発明の中入れ材によれば、硬さが200N以下の柔軟層を表層に配置し、硬さが1600N以上、5000N以下の硬い保持層を下層に配置する積層構造にしたことにより、表層側に身体を載せたときの体圧を身体全体にほぼ均等に分散させることが可能になり、局部的に集中する体圧を低減させて、底付き感のない快適な使用感を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中入れ材の一例を各層を離すように示した模式図である。
【図2】本発明の中入れ材に使用する繊維成形体を製造する装置の一例を示す概略縦断面図である。
【図3】図2の装置で成形された繊維成形体の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 柔軟層
2 保持層
3 中間層
10 中入れ材
11,12 金型
14 開孔
【発明の属する技術分野】
本発明は中入れ材に関し、さらに詳しくは、寝装用ベッドマット、マットレス、家具用ソファー、クッション、電車、自動車などの車両用シート等の中材として好適に使用される中入れ材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、寝装用ベッドマット等の中入れ材には、発泡ウレタン、合成繊維等の繊維類を使用したものが主流になっている。しかし、発泡ウレタンの中入れ材は通水性が乏しく、かつ沈み込みが大きいため体圧が局部的に集中しやすくなり、底付き感を生ずるという欠点があった。また、合成繊維等の繊維類からなる中入れ材は、通気性・通水性に優れたものが得られ、さらに繊維を平面方向に対してほぼ垂直に配列してギャッヂ性(折れ曲がり性)を持たせるなどの多数の改善提案はあるが、体圧を均一に分散させて底付き感をなくすという課題の点では、なお一層の改善が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、体圧の均一分散性を向上し、底付き感を殆ど生じない快適な使用感を有する中入れ材を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決する本発明の中入れ材は、少なくとも表層に硬さが200N以下の柔軟層を配置し、下層に硬さが1600N以上、5000N以下の保持層を配置した積層体からなることを特徴とするものである。
【0005】
このように硬さが200N以下の柔軟層を表層に配置し、硬さが1600N以上、5000以下の硬い保持層を下層に配置する積層構造にしたことにより、表層側に身体を載せたときの体圧を身体全体にほぼ均等に分散させることが可能になり、局部的に集中する体圧を低減させて、底付き感のない快適な使用感を達成することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の詳細を説明する。
【0007】
図1は、本発明の中入れ材の一例について各層を分離した状態にして示すモデル図である。
【0008】
中入れ材10は、表層に柔軟層1を、下層に保持層2をそれぞれ配置し、さらに柔軟層1と保持層2との間に中間層3を配置した積層体として構成されている。モデル図では理解を容易にするため層間を離して図示しているが、実際の中入れ材では、これらが互いに接触または接合状態になっている。
【0009】
図示の中入れ材10には中間層3が設けられているが、この中間層3は必ずしも必要とするものではなく省略してもよい。中間層3を挿入するときは、その圧縮応力等の特性値が柔軟層1と保持層2との中間になるようにする。
【0010】
各層の構成材料の詳細については後述するが、柔軟層と中間層は発泡樹脂または繊維シート層が好ましく、さらに繊維シート層は、繊維相互が部分的に接着して構成された繊維成形体が好ましい。また、保持層は、柔軟層や中間層を支持する層として、繊維相互が部分的に接着して構成された繊維成形体が好ましい。
【0011】
本発明の中入れ材において、表層の柔軟層は硬さを200N以下とし、好ましくは10〜180N、特に好ましくは20〜130Nの範囲にする。これに対して下層の保持層は、硬さを1600N以上、5000N以下にし、好ましくは1800〜2200Nの範囲にする。なお、ここで「硬さ」とは、JIS K 6400 6.3 A法に基づいて測定されたものをいう。
【0012】
このように硬さが200N以下の表層側の柔軟層と1600N以上、5000N以下の下層側の保持層とを組み合わせることにより、表層上に身体を載せたとき、上下両層の硬さが相互にバランスして、体圧を身体全体にほぼ均等に分散させることができる。すなわち、体圧が局部的に集中した箇所をなくすため、底付き感のない快適な使用感を得ることができる。
【0013】
柔軟層の硬さが200Nを超えると、硬すぎて十分な体圧分散性が得られにくくなってバランスが崩れ、また保持層の硬さが1600N未満であると、十分な保持力が得られず底付き感を感じるようになってバランスが崩れるため、上記のような効果は得られなくなる。また、5000Nを超えた場合も底付き感が大きくなるという問題がある。
【0014】
本発明において更に好ましくは、少なくとも柔軟層と保持層とを重ねた積層体全体の屈曲性が15cm以上、好ましくは20〜30cmになるようにするとよい。このように積層体全体としての屈曲性を大きくすることにより、体圧の均等分散性を一層向上するため、さらに底付き感のない快適な使用感を得ることができる。
【0015】
ここで「屈曲性」とは、被測定試料から幅10cm、厚み5cm、長さ50cmの長方形試験片を3個作り、各試験片を水平な台の上に載せ、その台上を滑らせて台の端部から長さ30cmを突出した状態にして1分間放置し、その試験片の先端が台上面から垂れ下がった鉛直距離(cm)を読み取り、3個の試験片の測定値の平均を以って表示したものである。
【0016】
また、本発明において更に好ましくは、柔軟層の特性として、復元速度が2sec以上であること、好ましくは2〜10secであるようにするとよい。このように柔軟層の復元速度が比較的緩やかであることにより、中入れ材の上に身体を載せたときの体圧分布の均等性を一層向上し、更に快適な使用感を得ることができる。特に柔軟層が発泡樹脂である場合に好適である。
【0017】
ここに「復元速度」とは、被測定試料の表面に直径90mm、重さ2.7kgの球状の重錘を10秒間載せた後、その重錘を取り除いて表面が元の平面に復元するまでの時間(sec)をいう。
【0018】
また、柔軟層および保持層は、共に通気性(JIS L 1079−1966規定のフラジール型通気性試験機により測定)が20cc/cm2 /sec以上であることが好ましい。柔軟層および保持層がこのような通気性を備えることにより、中入れ材のムレ感を軽減し、一層使用感を向上することができる。
【0019】
以下に、本発明の中入れ材に使用する柔軟層と保持層の構成材料について詳細を説明する。
【0020】
前述した通り、柔軟層は硬さが200N以下であり、好ましくは10〜180Nの特性を備えたものでなければならない。さらに好ましくは、復元速度が2sec以上であり、さらには、少なくとも柔軟層の上面側の表面に、多数の凸部を分散するように形成したものがよい。特に凸部の頂部形状を丸く球面状にすると尚よい。このように多数の凸部を設けると、体圧の均一分散性が向上し、一層底付き感を解消することができる。
【0021】
上記のような特性を有する柔軟層の構成材料としては、発泡樹脂、繊維シート、ゲル状物質などを例示することができるが、特に発泡樹脂が好ましく、中でも発泡ポリウレタンフォームが最適である。発泡ポリウレタンフォームとしては、反発弾性が20%以下の衝撃吸収能に優れた低反発性発泡ポリウレタンフォームを使用することが好ましい。さらに、通気性が20cc/cm2 /secを越えたものを使用することによりムレ感を軽減し、使用感を一層の向上する。
【0022】
ポリウレタンフォームとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等のポリオール成分およびトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等のイソシアネート成分に、水等の発泡剤、アミン系、金属系等の触媒、シリコン整泡剤、その他所望により難燃剤、助剤等を添加し、上記成分の重合反応により生成されるものである。ポリオール成分、イソシアネート成分はもとより、発泡剤、触媒、整泡剤等を適宜配合することにより所望の物性が発現することが可能である。
【0023】
他方、保持層の方は、前述したように硬さが1600N以上、5000N以下であることが必要である。好ましくは、1800〜2200Nの範囲の硬い特性を有するものがよい。また、ムレ感を軽減するため、通気性が20cc/cm2 /sec以上であることが好ましい。
【0024】
このような特性を備えた保持層の構成材料としては、繊維成形体、発泡樹脂などを例示することができるが、特に下記の構造を有する繊維成形体を使用することが好ましい。
【0025】
繊維成形体は、繊維相互が部分的に接着した構成を有しており、さらに好ましくは、その繊維成形体を構成する繊維の50重量%以上、特に60重量%以上が、保持層の平面方向(シートの面方向)に対してほぼ垂直に配列した構造になっていることである。このように構成繊維の50重量%以上が保持層の平面方向に対して垂直な配列になっていることにより、屈曲性が増大し、洗濯や使用に対する耐久性が高くなり、また透湿性や透水性も高くなり、優れた使用快適感を得ることができる。
【0026】
保持層に使用する繊維成型体は、低融点の熱可塑性重合体を主成分とする繊維Aと、これよりも高融点の熱可塑性重合体を主成分とする繊維Bとの混合物が、それら繊維の一部を互いに融着するようにした構成からなる。繊維Aと繊維Bとの混合割合は、重量比でA/B=20〜60/80〜40であるものがよい。繊維Aの混合割合が20重量%未満であると、繊維A相互間および/または繊維Aと繊維Bとの熱接着点が少なくなるため形態安定性が悪くなる。しかし、繊維Aの混合割合が60重量%を越えると、繊維成型体のソフト感が低下し、触感が粗硬になるため好ましくない。
【0027】
繊維Aおよび繊維Bはいずれもポリエステルからなることが好ましい。ポリエステルは、圧縮特性(圧縮回復性)、熱接着形態固定性に優れ、燃焼ガスの毒性が低く、リサイクルできるなどの利点を有し、総合的な面から好ましい材料である。
【0028】
前記重量比の割合からなる繊維Aと繊維Bを、通常の紡績工程で使用する給綿機、混綿機、開繊機を通して充分に混綿、開繊し、繊維混合物にした後、例えば、送綿ファンによる空気流などと共に、用途に応じた形状をもつ成形用型枠に吹き込んで充填する。繊維混合物を型枠に吹き込んで充填するためには、型枠が適度の通気性を有することが必要であり、その通気性としては、JIS L 1079−1966に規定のフラジール型通気性試験機により測定した場合、5〜200cc/cm2 /secの範囲であることが好ましい。
【0029】
このような成形用型枠として、例えば、図2に示すような成形用金型を使用することができる。図2の成形用金型は、上下一対の金型11,12からなり、そのうち金型11は多数の開孔14をもつパンチング金属板から上部側を開口した箱状に形成され、側面に繊維の吹込口13を有する。この吹込口13から、繊維A,Bの繊維混合物を空気と共に吹き込み、タテ、ヨコ、厚み方向にランダムに配列した状態に充填する。このように吹き込み後、押圧用金型12を矢印Yのように下方へ押し下げて圧縮し、圧縮充填物にする。
【0030】
次いで、その圧縮充填物を熱処理することにより繊維Aを溶融し、繊維A相互間および/または繊維Aと繊維Bとの接触点の少なくとも一部を接着して形態を固定し、図3に示すような繊維成形体Mにする。熱処理温度としては、繊維Aの主成分が溶融する温度であればよく、一般には80〜200℃が好ましい。熱処理時間は繊維成型体の密度やサイズ等によって適宜選択しうる。
【0031】
図3に示す繊維成型体Mのおいて、矢印Yの方向が押圧用金型12による圧縮方向であり、矢印Xの方向が繊維成形体Mを保持層に使用したときの厚さ方向に相当する。すなわち、繊維成形体Mは押圧用金型12により矢印Yの方向に圧縮されることにより、大部分の繊維A,Bが水平方向に配列された状態になるので、これを矢印Y方向を含む面でスライスして保持層を形成したとき、その保持層の面方向(スライス面方向)に垂直な方向、すなわち、矢印X方向に、50重量%以上の繊維が配列した状態になる。
【0032】
繊維成形体Mに用いる繊維Aとしては、融点の異なる少なくとも2種類の熱可塑性重合体からなる複合繊維にするとよい。すなわち、繊維Bよりも融点が低い熱可塑性重合体R1 を少なくとも表面側に配置し、その熱可塑性重合体R1 よりも融点が20℃以上高い熱可塑性重合体R2 を芯側に配置した複合繊維にすることであり、この複合繊維にすることにより繊維成形体Mの使用耐久性を向上することができる。
【0033】
熱可塑性重合体R1 としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレン共重合体、エチレンブテン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィンあるいはオレフィン共重合体、ポリへキサメチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレートイソフタレート等のポリエステルあるいは共重合ポリエステル等の熱可塑性ポリマーから選ばれ、少なくとも一種類のポリマーを用いることができる。熱可塑性重合体R1 は、熱可塑性重合体R2 や繊維Bの融点より低いことが必要である。その融点は繊維間の熱接着性や圧縮に対する回復性、つまり圧縮残留ひずみの観点から80〜170℃であることが好ましい。
【0034】
熱可塑性重合体R2 は、特に限定はされないが、例えば、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸あるいはそれらのエステルを主たるジカルボン酸成分とし、エチレングリコールもしくはテトラメチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートあるいは、2,6−ナフタレートなどの線状ポリエステルを用いることができる。このうちポリエチレンテレフタレート(通常のポリエステル)が好ましい。
【0035】
繊維成型体の形態安定性、ソフト感および圧縮残留ひずみの観点から、熱可塑性重合体R1 とR2 の配合比R1 /R2 (重量比)は20/80〜60/40が好ましく、より好ましくは20/80〜50/50がよい。
【0036】
また、繊維Aには、必要に応じて熱可塑性重合体R1 ,R2 以外の成分として、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料のほか、各種の抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防止剤等の添加剤を、本来の機能を喪失しないかぎり、複合や混合などにより添加することができる。
【0037】
また、繊維Aは、形態安定性および均一な密度の繊維成型体を得る観点から、繊度が1〜12dtex、繊維長が10〜100mmの短繊維であることが好ましい。また、繊維Aには、繊維成型体の嵩高性、ソフト感、圧縮に対する回復性をよくするため捲縮を与えるとよい。その捲縮の程度は繊維成型体の用途により適宜選択すればよいが、一般的には捲縮数が3山/25mm以上、捲縮度が5%以上が好ましく、より好ましくは捲縮数が5山/25mm以上、捲縮度が15%以上であるのがよい。
【0038】
繊維Aと混合する繊維Bは、低融点成分である熱可塑性重合体R1 の融点より高ければ特に限定されない。例えば、ポリエステルの他にも、6−ナイロン、66−ナイロン、610−ナイロン、109−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン等のポリアミドを用いることができるが、なかでもポリエステルが好ましい。また、熱可塑性重合体R1 の融点より高い成分であれば、1種類だけを使用しても、数種類を併用してもよい。
【0039】
また、繊維Bに使用する熱可塑性重合体は、繊維Aの低融点成分R1 の融点より20℃以上高い融点を有するものを使用することが好ましく、この融点差により繊維成型体の使用耐久性を向上することができる。
【0040】
また、繊維Bは、繊度が0.5〜34dtex、繊維長が10〜100mmの短繊維が好ましく、これにより繊維成形体の嵩、圧縮抵抗、圧縮回復性、触感、形状保持性および密度の均一性を良好にすることができる。また、繊維Bの繊度は、太ければ太いほど、繊維成形体の水切れ性を良くし、乾燥性を良好にするが、34dtexを越えると触感が粗硬になるので好ましくない。
【0041】
繊維Bの捲縮は、捲縮数が3山/25mm以上、捲縮度が5%以上であることが好ましく、より好ましくは、捲縮数が5山/25mm以上、捲縮度が15%以上であるのがよい。このような捲縮態様にすることにより繊維成形体の嵩高性、ソフト感、圧縮に対する回復性をよくすることができる。
【0042】
上述した中入れ材の構成材料として用意された発泡樹脂、繊維成形体等は、用途に応じてサイズ・厚みを適宜選定し、所定の厚みにスライスし、それぞれ積層して積層体にする。積層体にするときは、層間は単に重ね合わせただけであってもよく、或いは接着してもよい。
【0043】
本発明の中入れ材は、寝装用ベッドマット、マットレス、家具用ソファー、クッション、電車、自動車などの車両用シート等の中材として使用することができ、特に寝装用ベッドマット用として好ましく使用することができる。
【0044】
【実施例】
以下に、本発明の実施例及び比較例を説明するが、評価に使用した特性の測定法は次の通りである。
【0045】
〔硬さ〕
JIS K 6400 6.3 A法に基づいて測定した。
【0046】
〔反発弾性〕
JIS K 6400 9.1 A法に基づいて測定した。
【0047】
〔復元速度〕
径90mm、重さ2.7kgの球状おもりにて10秒荷重後、おもりを取り除いてからフォームが水平に復元するまでの時間。
【0048】
〔通気性〕
JIS L 1079−1966に規定されたフラジール型通気性試験機により測定した。
【0049】
〔屈曲性〕
幅10cm、厚み5cm、長さ50cmの長方形試験片を3個準備し、水平な台上にのせ、試験片をすべらせて台の端から長さ30cm出した状態で1分間放置後、繊維成型体の厚み方向である台の上面と試験片の先端の下面の高さの差(撓み量cm)をスケールで読みとり、3回の平均値で示した。
実施例1
柔軟層及び保持層として、それぞれ下記材料および特性のシート材を用意し、柔軟層は2種類を使用して、表層側のシート材(低反発性発泡ポリウレタンフォーム)は厚さ2cm、内層側のシート材(ポリウレタンフォーム)は厚さ2cmに、また、保持層用のシート材(繊維成形体)は厚さ4cmにそれぞれスライスし、これら3層を積層した積層体を中入れ材とした寝装用ベッドマットを製作した。この中入れ材の屈曲性は26cmであった。
【0050】
得られた寝装用ベッドマットを、測定前に温度20℃、湿度50%に温調した部屋に24hr放置した後、体圧分布測定機(ニッタ株式会社製、商品名:BIGMAT)にセットし、温度20℃、湿度50%に温調された部屋で、ベッドマット上に身長168cm、体重58kgの人が仰向けに寝た状態にしたときの、水平なフラット面(0°)および背あげ時(ギャッジ角度30°)の平均体圧、最高体圧、接触面積をそれぞれ測定した。また、褥瘡について次のように言われている。皮膚は毛細管から栄養を受け代謝を行っており、毛細管圧は32mmHgでこれ以上の圧がかかると血行が妨げられ栄養代謝障害がおこる。局所的にこの圧迫が続くことにより生じる皮膚組織の変化、壊死、潰瘍が褥瘡である(平成9年 化学繊維研究所発行 「高齢者の生活を支援するADL評価技術に関する研究」参照)。このことから32mmHg(約44.5gf/cm2 )以上となる接触面積を求めた。その測定結果を表1に示す。
【0051】
表1から、上記ベッドマットはフラット面(0°)および背あげ時(ギャッジ角度30°)とも、比較例1に比べて身体の接触面積が大きく、平均体圧と底付き感の指標である最高体圧と体圧が32mmHg(約44.5gf/cm2 )以上となる接触面積がいずれも低くなっている。また、比較例2に対しては、背あげ時(ギャッジ角度30°)における接触面積が大きく、平均体圧と最高体圧とが低くなっている。すなわち、平均体圧と最高体圧とが低いこと、背あげ時(ギャッジ角度30°)の体圧が32mmHg(約44.5gf/cm2 )以上となる接触面積が小さいこと、から体圧の均一分散性に優れ、底付き感が殆どないことがわかる。
【0052】
〔柔軟層〕
(表層側シート)
材料: 低反発性発泡ポリウレタンフォーム
硬さ; 40N
復元速度; 5sec
通気性; 30cc/cm2 /sec
密度; 40kg/m3
反発弾性; 10%
(内層側シート)
材料: 汎用発泡ポリウレタンフォーム
硬さ; 160N
復元速度; 1sec未満
通気性; 120cc/cm2 /sec
密度; 25kg/m3
反発弾性; 50%
比較例1
実施例1において保持層に使用した繊維成形体のみで厚さ8cmの中入れ材を作り、寝装用ベッドマットを製作した。この中入れ材の屈曲性は25cmであった。
【0053】
この寝装用ベッドマットを実施例1と同じ条件で水平なフラット面(0°)および背あげ時(ギャッジ角度30°)の平均体圧、最高体圧、接触面積を測定し、その結果を表1に示した。
【0054】
表1の結果から、比較例1のベッドマットはフラット面(0°)および背あげ時(ギャッジ角度30°)とも、それぞれ最高体圧が実施例1及び2に比べて非常に大きく、臀部と頭部に集中して150および185g/cm2 にもなっており、そのため底付き感が非常に大きいものであった。
【0055】
比較例2
実施例1において柔軟層の表層側に使用した低反発性発泡ポリウレタンフォームのみで厚さ8cmの中入れ材を作り、寝装用ベッドマットを製作した。この中入れ材の屈曲性は58cmであった。
【0056】
この寝装用ベッドマットを実施例1と同じ条件で水平なフラット面(0°)および背あげ時(ギャッジ角度30°)の平均体圧、最高体圧、接触面積、体圧が32mmHg(約44.5gf/cm2 )以上となる接触面積を測定し、その結果を表1に示した。
【0057】
表1の結果から、比較例2のベッドマットは、フラット面(0°)のときは、平均体圧および最高体圧とも低いが、柔らかすぎて身体が固い底板の近くまで沈みすぎて底付き感が大きいものであった。また背あげ時(ギャッジ角度30°)には、平均体圧および最高体圧、体圧が32mmHg(約44.5gf/cm2 )以上となる接触面積とも急激に上昇し、特に最高体圧は 臀部で148g/cm2 にもなり、底付き感が大きいものであった。
【0058】
実施例2
実施例1において、柔軟層の表面側に多数の凸部を分散するように形成した以外は、同一構造にした中入れ材を作り、寝装用ベッドマットを製作した。この中入れ材の屈曲性は26cmであった。
【0059】
この寝装用ベッドマットを実施例1と同じ条件で水平なフラット面(0°)および背あげ時(ギャッジ角度30°)の平均体圧、最高体圧、接触面積、体圧が32mmHg(約44.5gf/cm2 )以上となる接触面積を測定し、その結果を表1に示した。
【0060】
表1の結果から、実施例2のベッドマットは、実施例1のベッドマットよりも接触面積および体圧が32mmHg(約44.5gf/cm2 )以上となる接触面積が増大しており、一層快適な使用感のあるベッドマットにすることができた。
【0061】
【表1】
【0062】
【発明の効果】
上述したように本発明の中入れ材によれば、硬さが200N以下の柔軟層を表層に配置し、硬さが1600N以上、5000N以下の硬い保持層を下層に配置する積層構造にしたことにより、表層側に身体を載せたときの体圧を身体全体にほぼ均等に分散させることが可能になり、局部的に集中する体圧を低減させて、底付き感のない快適な使用感を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中入れ材の一例を各層を離すように示した模式図である。
【図2】本発明の中入れ材に使用する繊維成形体を製造する装置の一例を示す概略縦断面図である。
【図3】図2の装置で成形された繊維成形体の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 柔軟層
2 保持層
3 中間層
10 中入れ材
11,12 金型
14 開孔
Claims (10)
- 少なくとも表層に硬さが200N以下の柔軟層を配置し、下層に硬さが1600N以上、5000N以下の保持層を配置した積層体からなることを特徴とする中入れ材。
- 前記積層体の屈曲性が15cm以上である請求項1に記載の中入れ材。
- 前記柔軟層と保持層の通気性がそれぞれ20cc/cm2 /sec以上である請求項1または2に記載の中入れ材。
- 前記柔軟層が復元速度2sec以上の発泡樹脂からなる請求項1〜3のいずれかに記載の中入れ材。
- 前記柔軟層が復元速度2sec以上の繊維成形体からなる請求項1〜3のいずれかに記載の中入れ材。
- 前記保持層が繊維相互が部分的に接着した繊維成形体からなる請求項1〜5のいずれかに記載の中入れ材。
- 前記柔軟層の少なくとも上面側に多数の凸部が分散形成されている請求項1〜6のいずれかに記載の中入れ材。
- 前記保持層の繊維成形体を構成している繊維の50重量%以上が該保持層の平面方向に対してほぼ垂直に配列している請求項6または7に記載の中入れ材。
- ベッドマット、寝具類およびシート類から選ばれる少なくとも1つの用途に用いられる請求項1〜8のいずれかに記載の中入れ材。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の中入れ材を用いた寝装用ベッドマット。
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