JPH07238456A - クッション用網状構造体、その製法およびクッション製品 - Google Patents
クッション用網状構造体、その製法およびクッション製品Info
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- JPH07238456A JPH07238456A JP2544294A JP2544294A JPH07238456A JP H07238456 A JPH07238456 A JP H07238456A JP 2544294 A JP2544294 A JP 2544294A JP 2544294 A JP2544294 A JP 2544294A JP H07238456 A JPH07238456 A JP H07238456A
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Abstract
れ難い、クッション材に適した網状構造体、その製法お
よびクッション製品を安価に提供することを目的とす
る。 【構成】熱可塑性樹からなる繊度が100デニ−ル以上
100000デニ−ル以下の複合構造化された連続した
線条からなる、曲がりくねらせ互いに接触させて該接触
部の大部分を融着せしめて3次元網状構造を形成した見
掛け密度が0.005g/cm3 以上0.20g/cm3 以
下の網状構造体及び熱可塑性弾性樹脂と熱可塑性非弾性
樹脂を複合化できる様に各ノズルオリフィス前で分配し
該熱可塑性樹脂の低融点成分の融点〜融点+120℃の
温度から高融点成分の融点より融点+10℃の高い溶融
温度で該ノズルより下方に向けて吐出させ、溶融状態で
互いに接触させて融着させ3次元構造を形成しつつ、引
取り装置で挟み込み冷却槽で冷却せしめ網状構造を形成
することを特徴とする複合線状構造体の製法である。
Description
車両用クッション材、断熱材等に適した優れたクッショ
ン性と耐熱耐久性とを有する網状構造体及び、その製法
と網状構造体を用いた製品に関する。
車等のクッション材で、発泡ウレタン、非弾性捲縮繊維
詰綿、及び非弾性捲縮繊維を接着した樹脂綿や硬綿など
が使用されている。
ッション材としての耐久性は良好だが、透湿透水性に劣
り蓄熱性があるため蒸れやすく、かつ、熱可塑性では無
いためリサイクルが困難となり焼却される場合、焼却炉
の損傷が大きく、かつ、有毒ガス除去に経費が掛かる。
このため埋め立てされることが多くなったが、地盤の安
定化が困難なため埋め立て場所が限定され経費も高くな
っていく問題がある。また、加工性は優れるが製造中に
使用される薬品の公害問題などもある。また、熱可塑性
ポリエステル繊維詰綿では繊維間が固定されていないた
め、使用時形態が崩れたり、繊維が移動して、かつ、捲
縮のへたりで嵩高性の低下や弾力性の低下が問題にな
る。
綿、例えば接着剤にゴム系を用いたものとして特開昭6
0−11352号公報、特開昭61−141388号公
報、特開昭61−141391号公報等がある。又、架
橋性ウレタンを用いたものとして特開昭61−1377
32号公報等がある。これらのクッション材は耐久性に
劣り、且つ、熱可塑性でなく、単一組成でもないためリ
サイクルも出来ない等の問題、及び加工性の煩雑さや製
造中に使用される薬品の公害問題などもある。
1150号公報、特開平2−154050号公報、特開
平3−220354号公報等があるが、用いている熱接
着繊維の接着成分が脆い非晶性のポリマ−を用いるため
(例えば特開昭58−136828号公報、特開平3−
249213号公報等)接着部分が脆く、使用中に接着
部分が簡単に破壊されて形態や弾力性が低下するなどの
耐久性に劣る問題がある。改良法として、交絡処理する
方法が特開平4−245965号公報等で提案されてい
るが、接着部分の脆さは解決されず弾力性の低下が大き
い問題がある。また、加工時の煩雑さもある。更には接
着部分が変形しにくくソフトなクッション性を付与しに
くい問題もある。このため、接着部分を柔らかい、且つ
ある程度変形しても回復するポリエステルエラストマ−
を用い、芯成分に非弾性ポリエステルを用いた熱接着繊
維が特開平4−240219号公報で、同繊維を用いた
クッション材がWO−91/19032号公報、特開平
5−156561号公報、特開平5−163654号公
報等で提案されている。この繊維構造物に使われる接着
成分がポリエステルエラストマ−のソフトセグメントと
してはポリアルキレングリコ−ルの含有量が30〜50
重量%、ハ−ドセグメントの酸成分にテレフタル酸を5
0〜80モル%含有し、他の酸成分組成としてイソフタ
ル酸を含有して非晶性が増すことになり、融点も180
℃以下となり低溶融粘度として熱接着部分の形成を良く
してアメーバー状の接着部を形成しているが塑性変形し
やすいため、及び芯成分が非弾性ポリエステルのため、
特に加熱下での塑性変形が著しくなり、耐熱抗圧縮性が
低下する問題点がある。なお、この繊維は特公昭60−
1404号公報に記載された繊維と同じなので従来技術
が改良されていない。
ン網状体が特開昭47−44839号公報に開示されて
いる。が、細い繊維から構成したクッションとは異なり
表面が凸凹でタッチが悪く、素材がオレフィンのため耐
熱耐久性が著しく劣りクッション材には使用ができない
ものである。また、特公平3−17666号公報には繊
度の異なる吐出線条を互いに融着してモ−ル状物を作る
方法があるがクッション材には適さない網状構造体であ
る。特公平3−55583号公報には、ごく表面のみ冷
却前に回転体等の細化装置で細くする方法が記載されて
いる。この方法では表面をフラット化できず、厚みのあ
る細い線条層を作ることできない。したがって座り心地
の良好なクッション材にはならない。特開平1−207
462号公報では、塩化ビニ−ル製のフロアマットの開
示があるが、室温での圧縮回復性が悪く、耐熱性は著し
く悪いので、クッション材としては好ましくないもので
ある。この欠点を改良するため本発明者らは熱可塑性弾
性樹脂からなる網状構造体を提案した。しかして、熱可
塑性弾性樹脂からなる網状構造体は性能は良好だが一般
に使用されている安価な発泡ウレタンの価格より高くな
り、代替品とはなりにくい問題がある。
耐熱性、形態保持性、クッション性の優れた蒸れ難い、
クッション材に適した網状構造体及び製法と網状構造体
を用いたクッション製品を安価に提供することを目的と
する。
の手段、即ち本発明は、100〜100000デニ−ル
の連続線状体を曲がりくねらせランダムル−プを形成
し、夫々のル−プを互いに溶融状態で接触せしめて、接
触部の大部分を融着させてなる三次元ランダムル−プ接
合構造体であり、上記連続線状体自体が熱可塑性樹脂と
熱可塑性弾性樹脂で複合構造化されていることを特徴と
するクッション用網状構造体であり、熱可塑性弾性樹地
と熱可塑性非弾性樹脂が複合化されるようにノズルオリ
フィス前で分配し、前記熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂の
うち最も低融点の樹脂の融点+120℃温度から最も高
融点の樹脂の融点+10℃の温度で両方の樹脂を溶融複
合化し、ノズルから下方に吐出させ、溶融状態で多数の
ル−プを形成し、夫々のル−プを互いに接触し、融着さ
せて三次元ランダムル−プ構造を形成し引取り装置で挟
み込み冷却槽で冷却せしめて網状構造体を一体化するこ
とを特徴とするクッション用網状構造体の製法および前
記網状構造体をクッション材として用いたクッション製
品である。
ステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリウレタン等
が例示できる。なお、本発明において、非弾性樹脂を使
用する場合はガラス転移点温度が少なくとも40℃以上
のものを使用するのが好ましい。例えば、ポリエステル
では、ポリエチレンテレフタレ−ト(PET)、ポリエ
チレンナフタレ−ト(PEN)、ポリシクロヘキシレン
ジメチレンテレフタレ−ト(PCHDT)、ポリシクロ
ヘキシレンジメチレンナフタレ−ト(PCHDN)、ポ
リブチレンテレフタレ−ト(PBT)、ポリブチレンナ
フタレ−ト(PBN)、ポリアリレ−ト等、及びそれら
の共重合ポリエステル等が例示できる。ポリアミドで
は、ポリカプロラクタム(NY6)、ポリヘキサメチレ
ンアジパミド(NY66)、ポリヘキサメチレンセバカ
ミド(NY6−10)等が例示できる。本発明に用いる
非弾性樹脂としては、クッション材の側地にポリエステ
ルを用いる場合が多いので、廃棄する場合に分離せずに
リサイクルが可能なクッション素材として、耐熱性も良
好なPET、PEN、PCHDT等のポリエステルが特
に好ましい。
フトセグメントとして分子量300〜5000のポリエ
−テル系グリコ−ル、ポリエステル系グリコ−ル、ポリ
カ−ボネ−ト系グリコ−ル等をブロック共重合したポリ
エステル系エラストマ−、ポリアミド系エラストマ−、
ポリウレタン系エラストマ−などが挙げられる。熱可塑
性弾性樹脂とすることで、再溶融により再生が可能とな
るため、リサイクルが容易となる。例えば、ポリエステ
ル系エラストマ−としては、熱可塑性ポリエステルをハ
−ドセグメントとし、ポリアルキレンジオ−ルをソフト
セグメントとするポリエステルエ−テルブロック共重合
体、または、脂肪族ポリエステルをソフトセグメントと
するポリエステルエステルブロック共重合体が例示でき
る。ポリエステルエ−テルブロック共重合体のより具体
的な事例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフ
タレン2・6ジカルボン酸、ナフタレン2・7ジカルボ
ン酸、ジフェニル4・4’ジカルボン酸等の芳香族ジカ
ルボン酸、1・4シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環
族ジカルボン酸、琥珀酸、アジピン酸、セバチン酸ダイ
マ−酸等の脂肪族ジカルボン酸または、これらのエステ
ル形成性誘導体などから選ばれたジカルボン酸の少なく
とも1種と、1・4ブタンジオ−ル、エチレングリコ−
ル、トリメチレングリコ−ル、テトレメチレングリコ−
ル、ペンタメチレングリコ−ル、ヘキサメチレングリコ
−ル等の脂肪族ジオ−ル、1・1シクロヘキサンジメタ
ノ−ル、1・4シクロヘキサンジメタノ−ル等の脂環族
ジオ−ル、またはこれらのエステル形成性誘導体などか
ら選ばれたジオ−ル成分の少なくとも1種、および平均
分子量が約300〜5000のポリエチレングリコ−
ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレング
リコ−ル、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重
合体等のポリアルキレンジオ−ルのうち少なくとも1種
から構成される三元ブロック共重合体である。ポリエス
テルエステルブロック共重合体としては、上記ジカルボ
ン酸とジオ−ル及び平均分子量が約300〜5000の
ポリラクトン等のポリエステルジオ−ルのうち少なくと
も各1種から構成される三元ブロック共重合体である。
熱接着性、耐加水分解性、伸縮性、耐熱性等を考慮する
と、ジカルボン酸としてはテレフタル酸、または、及び
ナフタレン2・6ジカルボン酸、ジオ−ル成分としては
1・4ブタンジオ−ル、ポリアルキレンジオ−ルとして
はポリテトラメチレングリコ−ルの3元ブロック共重合
体または、ポリエステルジオ−ルとしてポリラクトンの
3元ブロック共重合体が特に好ましい。特殊な例では、
ポリシロキサン系のソフトセグメントを導入したものも
使うこたができる。また、上記エラストマ−に非エラス
トマ−成分をブレンドされたもの、共重合したもの等も
本発明の熱可塑性弾性樹脂に包含される。ポリアミド系
エラストマ−としては、ハ−ドセグメントにナイロン
6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、
ナイロン11、ナイロン12等及びそれらの共重合ナイ
ロンを骨格とし、ソフトセグメントには、平均分子量が
約300〜5000のポリエチレングリコ−ル、ポリプ
ロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、
エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体等のポ
リアルキレンジオ−ルのうち少なくとも1種から構成さ
れるブロック共重合体を単独または2種類以上混合して
用いてもよい。更には、非エラストマ−成分をブレンド
されたもの、共重合したもの等も本発明に使用できる。
ポリウレタン系エラストマ−としては、通常の溶媒(ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)の存在
または不存在下に、(A)数平均分子量1000〜60
00の末端に水酸基を有するポリエ−テル及び又はポリ
エステルと(B)有機ジイソシアネ−トを主成分とする
ポリイソシアネ−トを反応させた両末端がイソシアネ−
ト基であるプレポリマ−に、(C)ジアミンを主成分と
するポリアミンにより鎖延長したポリウレタンエラスト
マ−を代表例として例示できる。(A)のポリエステ
ル、ポリエ−テル類としては、平均分子量が約1000
〜6000、好ましくは1300〜5000のポリブチ
レンアジペ−ト共重合ポリエステルやポリエチレングリ
コ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレ
ングリコ−ル、エチレンオキシド−プロピレンオキシド
共重合体等のポリアルキレンジオ−ルが好ましく、
(B)のポリイソシアネ−トとしては、従来公知のポリ
イソシアネ−トを用いることができるが、ジフェニルメ
タン4・4’ジイソシアネ−トを主体としたイソシアネ
−トを用い、必要に応じ従来公知のトリイソシアネ−ト
等を微量添加使用してもよい。(C)のポリアミンとし
ては、エチレンジアミン、1・2プロピレンジアミン等
公知のジアミンを主体とし、必要に応じて微量のトリア
ミン、テトラアミンを併用してもよい。これらのポリウ
レタン系エラストマ−は単独又は2種類以上混合して用
いてもよい。なお、本発明の熱可塑性弾性樹脂の融点は
耐熱耐久性が保持できる140℃以上が好ましく、16
0℃以上のものを用いると耐熱耐久性が向上するのでよ
り好ましい。なお、必要に応じ、抗酸化剤や耐光剤等を
添加して耐久性を向上させることができる。
弾性樹脂からなる部分は、示差走査型熱量計にて測定し
た融解曲線において、融点以下に吸熱ピ−クを有するの
が好ましい。融点以下に吸熱ピ−クを有するものは、耐
熱耐へたり性が吸熱ピ−クを有しないものより著しく向
上する。例えば、本発明の好ましいポリエステル系熱可
塑性樹脂として、ハ−ドセグメントの酸成分に剛直性の
あるテレフタル酸やナフタレン2・6ジカルボン酸など
を90モル%以上含有するもの、より好ましくはテレフ
タル酸やナフタレン2・6ジカルボン酸の含有量は95
モル%以上、特に好ましくは100モル%とグリコ−ル
成分をエステル交換後、必要な重合度まで重合し、次い
で、ポリアルキレンジオ−ルとして、好ましくは平均分
子量が500以上5000以下、特に好ましくは100
0以上3000以下のポリテトラメチレングリコ−ルを
10重量%以上70重量%以下、より好ましくは20重
量%以上60重量%以下共重合量させた場合、ハ−ドセ
グメントの酸成分に剛直性のあるテレフタル酸やナフタ
レン2・6ジカルボン酸の含有量が多いとハ−ドセグメ
ントの結晶性が向上し、塑性変形しにくく、かつ、耐熱
抗へたり性が向上するが、溶融熱接着後更に融点より少
なくとも10℃以上低い温度でアニ−リング処理すると
より耐熱抗へたり性が向上する。圧縮歪みを付与してか
らアニ−リングすると更に耐熱抗へたり性が向上する。
このような処理をした網状構造体の線条を示差走査型熱
量計(DSC)で測定した融解曲線に室温以上融点以下
の温度で吸熱ピークをより明確に発現する。なおアニ−
リングしない場合は融解曲線に室温以上融点以下に吸熱
ピ−クを発現しない。このことから類推するに、アニ−
リングにより、ハ−ドセグメントが再配列され、疑似結
晶化様の架橋点が形成され、耐熱抗へたり性が向上して
いるのではないかとも考えられる。(この処理を疑似結
晶化処理と定義する)この疑似結晶化処理効果は、ポリ
アミド系弾性樹脂やポリウレタン系弾性樹脂にも有効で
ある。
と熱可塑性非弾性樹脂とが複合構造化された繊度が10
0〜100000デニ−ルの連続した線条を曲がりくね
らせ該線条同士を接触させ、接触部を融着して3次元網
状構造を形成している。このことで、大きい応力で変形
を与えても、熱可塑性非弾性樹脂が抗圧縮性を示しつつ
弾性限界を越えない変形を生じ、熱可塑性弾性樹脂は熱
可塑性非弾性樹脂が弾性回復限界を越えない応力におい
て部分的に大変形しつつ連続した線状が融着一体化した
3次元網状構造全体が変形して応力を吸収し、応力が解
除されると熱可塑性非弾性樹脂は弾性回復し、熱可塑性
弾性樹脂もゴム弾性を発現して、構造体は元の形態に回
復することができる。このことで、圧縮時の応力−歪み
曲線(SS曲線)が応力に対しての変形歪みが直線的に
変化し、座ったときの沈み込みが適度で、振動を受けた
ときの上下運動による応力変化を床つき感なく適度に沈
み込み臀部を低い反発力で支える好ましいショックアブ
ソ−バ−の働きを発現できるクッション材としては好ま
しい特性を付与できる。更には、良好な耐へたり性も保
持できる。熱可塑性弾性樹脂のみからなる線状体では、
柔らかいため座った時及び振動による上下運動での沈み
込みを大きくし易い欠点を本発明では解決し、体型保持
性が向上できる。公知の非弾性樹脂のみからなる線条で
構成したクッション材では、著しい反発力を示し床つき
感が大きくなり、圧縮変形による塑性変形も生じて回復
性が不充分となり耐熱耐久性も劣る。なお、線状が連続
していない場合は、接着点が応力の伝達点と成るため接
着点に著しい応力集中が起こり構造破壊を生じ前記従来
技術にも例示した特開昭60−11352号公報、特開
昭61−137732号公報、WO91−19032号
公報NO如く耐熱耐久性が劣り好ましくない。融着して
いない場合は、形態保持が出来ず、構造体が一体で変形
しないため、応力集中による疲労現象が起こり耐久性が
劣ると同時に、形態が変形してしまうので好ましくな
い。本発明のより好ましい融着の程度は、線条が接触し
ている部分の大半が融着した状態であり、もっとも好ま
しくは接触部分が全て融着した状態である。なお、本発
明の構造体を形成する線状の繊度は100デニ−ル以下
では抗圧縮強力が低くなり反発力が低下するので好まし
くない。100000デニ−ル以上では線状体の個々の
抗圧縮性は大きいが構成本数が少なくなり力の分散が悪
くなり100kg/cm2 以上の著しく大きい圧縮力を受け
た場合応力集中によるへたりが発生するので使用部分が
制限される場合がある。好ましくは300〜50000
デニ−ル、より好ましくは500〜30000デニ−ル
である。なお、本発明においては繊度の異なる線状を見
掛け密度との組合せで最適な構成とする方法も好ましい
構成として選択できる。本発明の熱可塑性弾性樹脂と熱
可塑性非弾性樹脂からなる構造体は複合線状化すること
で上記性能を発現させることでクッション性能を保持
し、かつ、非弾性樹脂を使用しているため原料費が安く
なり発泡ウレタンの代替品としての可能性が高いものと
なる。
しい複合化形態としては、シ−ス・コア構造またはサイ
ド・バイ・サイド構造及びそれらの組合せ構造などが挙
げられる。が、特には熱接着部分が大変形しても回復で
きる網状3次元構造となるために線状の表面の50%以
上を熱可塑性弾性樹脂が占めるシ−ス・コア構造または
サイド・バイ・サイド構造及びそれらの組合せ構造など
が挙げられる。すなわち、シ−ス・コア構造ではシ−ス
成分が熱可塑性弾性樹脂であり、サイド・バイ・サイド
構造では熱可塑性弾性樹脂の溶融粘度を熱可塑性非弾性
樹脂の溶融粘度より低くして線状の表面を占める熱可塑
性弾性樹脂の割合を多くした構造(比喩的には偏芯シ−
ス・コア構造のシ−スに熱可塑性弾性樹脂を配した様な
構造)として線状の表面を占める熱可塑性弾性樹脂の割
合を80%以上としたものが特に好ましく、最も好まし
くは線状の表面を占める熱可塑性弾性樹脂の割合を10
0%としたシ−スコアである。断面形状は特には限定さ
れないが、中空断面や異形断面にすることで、抗圧縮性
や嵩だか性をを付与できるので低繊度化したい場合特に
好ましい。抗圧縮性は用いる素材のモジュラスにより調
整して、柔らかい素材では中空率や異形度を高くし初期
圧縮応力の勾配を調整できるし、ややモジュラスの高い
素材では中空率や異形度を低くして座り心地が良好な抗
圧縮性を付与する。中空断面や異形断面の他の効果とし
て中空率や異形度を高くすることで、同一の抗圧縮性を
付与した場合、より軽量化が可能となり、自動車等の座
席に用いると省エネルギ−化ができ、布団などの場合
は、上げ下ろし時の取扱性が向上する。
ッション材としての機能が発現できる0.005g/cm
3 〜0.20g/cm3 以下である。0.005g/cm3
未満では反発力が失われるのでクッション材には不適当
であり、0.20g/cm3 を越えると反発力が高すぎて
座り心地が悪くなり好ましくない。本発明の好ましい見
掛け密度は0.01g/cm3 〜0.10g/cm3 、より
好ましくは0.03g/cm3 〜0.06g/cm3 であ
る。しかして、本発明網状構造体は、繊度の異なる線条
からなる各層の見掛け密度を変え好ましい特性を付与す
ることができる。例えば、繊度の細い表面層と繊度の太
い基本層からなる場合は、表面層の密度はやや高くして
構成本数を多くし線条の一本が受ける応力を少なくして
応力の分散を良くし、且つ臀部を支えるクッション性も
向上させることで座り心地を向上させることもできる。
基本層は繊度を太くして少し硬くし、振動吸収と体型保
持を受け持つ層、座席フレ−ムが接する面はより緻密な
層とするため、やや繊度の細い線条で、且つ高密度とす
ることによりフレ−ム面から受ける振動や反発応力をク
ッション層に均一に伝達し、クッション層で一体化した
全体が変形してエンルギ−変換できるようにし、座り心
地を良くすると共にクッションの耐久性も向上させるこ
ともできる。又、座席のサイドの厚みと張りを付与させ
るために部分的に繊度をやや細くして高密度化すること
もできる。このように各層はその目的に応じ好ましい密
度と繊度を任意に選択できる。なお、網状構造体の各層
の厚みは、特に限定されないが、クッション体としての
機能が発現されやすい3mm以上とするのが好ましく5mm
以上とするのが特に好ましい。
せた線条が途中で30°以上、好ましくは45°以上曲
げられ実質的に面がフラット化されて接触部の大部分が
融着している表層部を有することが好ましい。このこと
で、網状構造体面の該線条の接触点が大幅に増加して接
着点を形成するため、座った時の臀部の局部的な外力も
臀部に異物感を与えずに構造面で受け止められ面構造が
全体で変形して内部の構造体全体も変形して応力を吸収
し、応力が解除されると弾性樹脂のゴム弾性が発現し
て、構造体は元の形態に回復することができる。実質的
にフラット化されてない場合、臀部に異物感を与え、表
面に局部的な外力が掛かかり、表面の線条及び接着点部
分までに選択的に応力集中が発生する場合があり、この
ような外力に対しては熱可塑性非弾性樹脂と熱可塑性弾
性樹脂が複合化された線状では応力集中による疲労が発
生して耐へたり性が低下する場合がある。表面がフラッ
ト化された場合、ワディング層を使用しないで、又は非
常に薄いワディング層を積層し、側地で表面を覆い自動
車用、鉄道用等の座席や椅子又はベット用、ソファ−
用、布団用等のクッションマットにすることができる。
がフラット化されていない場合は、網状構造体の表面に
比較的厚め(好ましくは10mm以上)のワディング層を
積層して側地で表面を覆って座席やクッションマットを
形成する必要がある。必要に応じてワディング層との接
着または側地との接着は表面がフラットな場合は容易で
あるが、フラット化されていない場合は凸凹なため接着
が不完全になる。なお、非弾性樹脂のみから成る線状で
は、そのまま応力が接着点に集中して構造破壊を生じ回
復しなくなる。
網状構造体は、熱可塑性弾性樹脂と熱可塑性非弾性樹脂
を複合化できるように、各ノズルオリフィス前で分配
し、該熱可塑性樹脂の低融点成分の融点より120℃以
下で高融点成分の融点より10℃以上の溶融温度で該ノ
ズルより下方に向けて吐出させ、溶融状態の複合化した
吐出線条を曲がりくねらせて互いに接触させて大部分の
接触部を融着させ3次元構造を形成しつつ、引取り装置
で挟み込み、次いで冷却槽で冷却せしめて網状構造体を
形成する複合線状構造体の製法である。熱可塑性弾性樹
脂と熱可塑性非弾性樹脂は一般的な溶融押出機を用いて
別々に溶融し、一般的な複合紡糸の方法と同様にオリフ
ィス直前で複合化するように分配合流させ吐出する。シ
−スコアではコア成分を中心から供給し、その回りから
シ−ス成分を合流させ吐出する。サイドバイサイドでは
左右または前後から各成分を合流させて吐出する。この
ときの溶融温度は、低融点の成分の融点より120℃以
下の温度で溶融させないと熱分解が著しくなり熱可塑性
樹脂の特性が悪くなるので好ましくない。他方高融点成
分の融点より10℃以上高い溶融温度にしないとメルト
フラクチャ−が発生し正常な線状形成ができなくなる。
また、サイドバイサイドの場合は線状の接着が不良にな
る場合がある。好ましい溶融温度は低融点成分の融点よ
り20℃以上100℃以下、より好ましくは30℃以上
80℃以下、高融点成分の融点より15℃以上40℃以
下、より好ましくは20℃以上30℃以下の範囲となる
同一溶融温度で合流させ吐出させる。合流直前の溶融温
度差は10℃以下にしないと異常流動を発生し複合化形
態の形成が損なわれる場合がある。オリフィスの形状は
特に限定されないが、異形断面(例えば三角形、Y型、
星型等の断面二次モ−メントが高くなる形状)や中空断
面(例えば三角中空、丸型中空、突起つきの中空等とな
るよう形状)とすることで溶融状態の吐出線条が形成す
る3次元構造が流動緩和し難くし、逆に接触点での流動
時間を長く保持して接着点を強固にできるので特に好ま
しい。特開平1−2075号公報に記載の接着のための
加熱をする場合、3次元構造が緩和し易くなり平面的構
造化し、3次元立体構造化が困難となるので好ましくな
い。構造体の特性向上効果としては、見掛けの嵩を高く
でき軽量化になり、また抗圧縮性が向上し、弾発性も改
良できへたり難くなる。中空断面では中空率が80%を
越えると断面が潰れ易くなるので、好ましくは軽量化の
効果が発現できる10%以上70%以下、より好ましく
は20%以上60%以下である。オリフィスの孔間ピッ
チは線状が形成するル−プが充分接触できるピッチとす
る必要がある。緻密な構造にするには孔間ピッチを短く
し、粗密な構造にするには孔間ピッチを長くする。本発
明の孔間ピッチは好ましくは3mm〜20mm、より好まし
くは5mm〜10mmである。本発明では所望に応じ異密度
化や異繊度化もできる。列間のピッチ又は孔間のピッチ
も変えた構成、及び列間と孔間の両方のピッチも変える
方法などで異密度層を形成できる。また、オリフィスの
断面積を変えて吐出時の圧力損失差を付与すると、溶融
した熱可塑性弾性樹脂を同一ノズルから一定の圧力で押
し出される吐出量が圧力損失の大きいオリフィスほど少
なくなる原理を用いて異繊度化できる。次いで、引取り
ネットで溶融状態の3次元立体構造体両面を挟み込み、
両面の溶融状態の曲がりくねった吐出線条を30°以上
折り曲げて変形させて表面をフラット化すると同時に曲
げられていない吐出線条との接触点を接着して構造を形
成後、連続して冷却媒体(通常は室温の水を用いるのが
冷却速度を早くでき、コスト面でも安くなるので好まし
い)で急冷して本発明の3次元立体網状構造体を得る。
次いで水切り乾燥するが冷却媒体中に界面活性剤等を添
加すると、水切りや乾燥がしにくくなったり、熱可塑性
弾性樹脂が膨潤することもあり好ましくない。本発明の
好ましい方法としては、一旦冷却後、疑似結晶化処理を
行う。疑似結晶化処理温度は、少なくとも融点(Tm)
より10℃以上低く、Tanδのα分散立ち上がり温度
(Tαcr)以上で行う。この処理で、融点以下に吸熱
ピ−クを持ち、疑似結晶化処理しないもの(吸熱ピ−ク
を有しないもの)より耐熱耐へたり性が著しく向上す
る。本発明の好ましい疑似結晶化処理温度は(Tαcr
+10℃)から(Tm−20℃)である。単なる熱処理
により疑似結晶化させると耐熱耐へたり性が向上する。
が更には一旦冷却後、10%以上の圧縮変形を付与して
アニ−リングすることで耐熱耐へたり性が著しく向上す
るのでより好ましい。また、一旦冷却後、乾燥工程を経
する場合、乾燥温度をアニ−リング温度とすることで同
時に疑似結晶化処理を行うができる。また、別途疑似結
晶化処理を行うができる。次いで所望の長さまたは形状
に切断してクッション材に用いる。尚、ノズル面と樹脂
を固化させる冷却媒体上に設置した引取りコンベアとの
距離、樹脂の溶融粘度、オリフィスの孔径と吐出量など
により所望のループ径や線径をきめられる。冷却媒体上
に設置した間隔が調整可能な一対の引取りコンベアで溶
融状態の吐出線条を挟み込み停留させることで互いに接
触した部分を融着させ、連続して冷却媒体中に引込み固
化させ網状構造体を形成する時、上記コンベアの間隔を
調整することで、融着した網状体が溶融状態でいる間で
厚み調節が可能となり、所望の厚みのものが得られる。
引取りコンベアとノズル面の距離は好ましくは30cm以
内であり、長過ぎると溶融線条が冷却さて接触部が融着
しなくなるので好ましくない。コンベア速度も速すぎる
と、接触点の形成が不充分になったり、融着点が充分に
形成されるまでに冷却され、接触部の融着が不充分にな
る場合がある。また、速度が遅過ぎると溶融物が滞留し
過ぎ、密度が高くなるので、所望の見掛け密度に適した
コンベア速度を設定する必要がある。
る場合、その使用目的、使用部位により使用する樹脂、
繊度、ル−プ径、嵩密度を選択する必要がある。例え
ば、表層のワディングに用いる場合は、ソフトなタッチ
と適度の沈み込みと張りのある膨らみを付与するため
に、低密度で細い繊度、細かいル−プ径にするのが好ま
しく、中層のクッション体としては、共振振動数を低く
し、適度の硬さと圧縮時のヒステリシスを直線的に変化
させて体型保持性を良くし、耐久性を保持させるため
に、中密度で太い繊度、やや大きいル−プ径が好まし
い。また、3次元構造を損なわない程度に成形型等を用
いて使用目的にあった形状に成形して側地を被せ車両用
座席、船舶用座席、ベット、椅子、家具等に用いること
ができる。勿論、用途との関係で要求性能に合うべく他
の素材、例えば短繊維集合体からなる硬綿クッション
材、不織布等と組合せて用いることも可能である。ま
た、樹脂製造過程以外でも性能を低下させない範囲で製
造過程から成形体に加工し、製品化する任意の段階で難
燃化、防虫抗菌化、耐熱化、撥水撥油化、着色、芳香等
の機能付与を薬剤添加等の処理加工ができる。本発明に
言うクッション製品とは、本発明のクッション性能が要
求される物品であれば、いかなる物品でも良いが、具体
例としては車両用座席、船舶用座席、マットレス、ベッ
ド、ソファー、椅子、寝装具、家具等が挙げられる。
た。 融点(Tm)および融点以下の吸熱ピ−ク 島津製作所製TA50,DSC50型示差熱分析計を使
用し、昇温速度20℃/分で測定した吸発熱曲線から吸
熱ピ−ク(融解ピ−ク)温度を求めた。 25%圧縮硬さ 試料を20cm×20cmの大きさに切断し、オリエンテッ
ク社製テンシロンにてφ150mm圧縮板にて65%まで
圧縮して得た応力−歪み曲線の25%圧縮時の応力で示
す。(n=3の平均値) 見掛け密度 試料を15cm×15cmの大きさに切断し、4か所の高さ
を測定し、体積を求め、試料の重さを体積で徐した値で
示す。(n=4の平均値) 線条の繊度 試料を10箇所から各線条部分を切り出し、アクリル樹
脂で包埋して断面を削り出し切片を作成して断面写真を
得る。各部分の断面写真より各部の断面積(Si)を求
める。また、同様にして得た切片をアセトンでアクリル
樹脂を溶解し、真空脱泡して密度勾配管を用いて40℃
にて測定した比重(SGi)を求める。ついで次式より
線状の9000mの重さを求める。(単位cgs) 繊度={(1/10) Σ(Si)×(SGi)}×9000
00 融着 試料を目視判断で融着しているか否かを接着している繊
維同士を手で引っ張って外れないか否かで外れないもの
を融着していると判断する。 耐熱耐久性(70℃残留歪) 試料を15cm×15cmの大きさに切断し、50%圧縮し
て70℃乾熱中22時間放置後冷却して圧縮歪みを除き
1日放置後の厚み(b)を求め、処理前の厚み(a)か
ら、次式、即ち(a−b)/(a)×100より算出す
る:単位%(n=3の平均値) 繰返し圧縮歪 試料を15cm×15cmの大きさに切断し、島津製作所製
サ−ボパルサ−にて、25℃65%RH室内にて50%
の厚みまで1Hzのサイクルで圧縮回復を繰り返し2万
回後の試料を1日放置後の厚み(b)を求め、処理前の
厚み(a)から、次式、即ち(a−b)/(a)×10
0より算出する:単位%(n=3の平均値) 座り心地 30℃RH75%室内で座席用フレ−ムにバケットシ−
ト状に成形したクッションにポリエステルモケットの側
地を掛けた座席にパネラ−を座らせ(n=5) (1) 床つき感:座ったときの「どすん」と床に当たった
感じの程度を感覚的に定性評価した。感じない;◎、殆
ど感じない;○、やや感じる;△、感じる;× (2) 蒸れ感:2時間座っていて、臀部やふと股の内側の
座席と接する部分が蒸れた感じを感覚的に定性評価し
た。殆ど感じない:◎、僅かに蒸れを感じる;○、やや
蒸れを感じる;△、蒸れを著しく感じる;× (3) 8時間以内でどの程度我慢して座席に座っていられ
るか:1時間以内;×、2時間以内;△、4時間以内;
○、4時間以上;◎ (4) 4時間座席に座らせたときの腰の疲れ程度を感覚的
に定性評価した。無し;◎、殆ど疲れない;○、やや疲
れる;△、非常に疲れる;× (5) 総合評価: (1)から(4) までの評価の◎を4点、○
を3点、△を2点、×を1点として12点以上で△を含
まないもの;非常に良い(◎)、12点以上で△を含む
もの;良い(○)、10点以上で×を含まないもの;や
や悪い(△)、×を含むもの;悪い(×)として評価し
た。
レ−ト(DMT)又は、ジメチルナフタレ−ト(DM
N)と1・4ブタンジオ−ル(1・4BD)を少量の触
媒と仕込み、常法によりエステル交換後、ポリテトラメ
チレングリコ−ル(PTMG)を添加して昇温減圧しつ
つ重縮合せしめポリエ−テルエステルブロック共重合エ
ラストマ−を生成させ、次いで抗酸化剤1%を添加混合
練込み後ペレット化し、50℃48時間真空乾燥して得
られた熱可塑性弾性樹脂原料の処方を表1に示す。
4’ジフェニルメタンジイソシアネ−ト(MDI)とP
TMG及び鎖延長剤として1・4BDを添加して重合し
ペレット化し真空乾燥してポリエ−テル系ウレタンを熱
可塑性弾性樹脂原料とした。得られたポリマ−の融点は
158℃、PTMG含有量は54%、Tαcrは−10℃
であった。(実験No. A−4)
性樹脂として、相対粘度1.0のポリブチレンテレフタ
レ−ト(PBT)と固有粘度0.63のポリエチレンテ
レフタレ−ト(PET)と共に重量比50%/50%と
なるようにオリフィス前で合流させ、実施例1は265
℃、実施例2は280℃、実施例3は285℃、実施例
4は258℃にて、ノズルは幅50cm、長さ5cmのノズ
ル有効面に長さ方向に列間ピッチを5mm、幅方向に孔間
ピッチを10mmのオリフィス形状が実施例1と実施例3
はトリプルブリッジの丸型中空形成ノズル、実施例2と
実施例4はY型のノズルより、全吐出量を1100g/
分にて吐出させ、ノズル面12cm下に冷却水を配し、幅
60cmのステンレス製エンドレスネットを平行に5cm間
隔で一対の引取りコンベアを水面上に一部出るように配
した上に引取り、接触部分を融着させつつ、両面を挟み
込みつつ毎分1mの速度で25℃の冷却水中へ引込み固
化させ、次いで100℃の熱風乾燥機中で20分疑似結
晶化処理した後、所定の大きさに切断して線状の繊度が
9000〜9200デニ−ル、見掛け密度0.043〜
0.044g/cm3 の複合線状構造体を得た。得られた
複合線状構造体の特性を表2に示す。実施例1は線状の
断面形態が三角おむすびの中空シ−スコア型で耐熱耐久
性も良く、適度の沈み込みと中空異形効果による適度の
反発力を持ち、座り心地の良いクッション材に適した例
である。実施例2と実施例4は線状の断面形態が三角シ
−スコア型で耐熱耐久性も良く、適度の沈み込みと異形
効果による反発力が働き、座り心地の良いクッション材
に適した例である。実施例3は線状の断面形態が三角お
むすびの中空サイドバイサイド型で耐熱耐久性も良く、
適度の沈み込みと中空異形で非弾性樹脂の効果でやや硬
めの反発力を持ち、座り心地の良いクッション材に適し
た例である。
ポリエチレンテレフタレ−ト−ポリエチレンイソフタレ
−ト共重合ポリエステル(PES)をシ−ス成分にし、
固有粘度0.63のポリエチレンテレフタレ−ト(PE
T)をコア成分に及びメルトインデックス15のポリエ
チレン(PE)をシ−ス成分に、メルトインデックス1
2のポリプロピレン(PP)をコア成分に分配し、押し
出し温度280℃及び250℃で孔配列は実施例2と同
一で孔形状が丸断面のオリフィスより吐出し、疑似結晶
化処理しなかった以外は実施例2と同様の条件で得られ
た複合線状の繊度が比較例1は7500デニ−ル、比較
例2は13000デニ−ルで見掛け密度が0.045g
/cm3 の複合線状構造体の特性を表−2に示す。比較例
1は繊度のやや低い非弾性ポリエステルからなる複合線
状構造体のため耐熱耐久性が悪く、硬くて座り心地も悪
いクッション材に適さない例である。比較例2は繊度が
やや太い非弾性オレフィンからなる複合線状構造体のた
め、耐熱耐久性が悪く、比較例1より少し柔らかいが、
座席に必要な柔らかさに比較して硬くクッション材に適
さない例である。
吐出し、ノズル面60cm下に引取りコンベアネットを配
して引き取ったあと疑似結晶化処理をしなかった以外、
実施例2と同様の方法で得た網状構造体の特性の一部を
表2に示す。なお、接着状態が不良で形態保持が悪いた
め、見掛け密度、70℃残留歪、繰返圧縮歪み及び座り
心地の評価はしていない。比較例3は形態が固定されて
いないので体型保持機能が付与できないクッション材に
適さない例である。
ッチを3mm、幅方向に孔間ピッチを4mmとした丸断面の
オリフィスをもつノズルより、溶融温度を285℃にて
全吐出量を50g/分で吐出し、ノズル面4cm下に引取
りコンベアネットを配して0.1m/分にて引き取った
以外、比較例3と同様にして得た複合線状の繊度が97
デニ−ル、見掛け密度が0.025g/cm3 の複合線状
構造体の特性を表2に示す。比較例4は緻密な構造で繊
度が著しく細いため回復性は良好だが、柔らか過ぎてク
ッション材としてはそのまま使えない例である。
ッチを8mm、幅方向に孔間ピッチを20mmとした丸断面
のオリフィスをもつノズルより、溶融温度を28℃にて
全吐出量を5600g/分で吐出し、ノズル面25cm下
に引取りコンベアネットを配して1.5m/分にて引き
取った以外、比較例3と同様にして得た複合線状の繊度
が146000デニ−ル、見掛け密度が0.15g/cm
3 の複合線状構造体の特性を表2に示す。比較例5は繊
度が太過ぎて硬くなり座り心地の悪くなるクッション材
の例である。
全吐出量280g/分及び1100g/分にて吐出し、
ノズル面6cm及び25cm下に引取りコンベアネットを配
して引取り速度2m/分及び0.2m/分にて引き取っ
た以外比較例3と同様にして得た複合線状構造体の特性
を表2に示す。比較例6は複合線状の繊度が2300デ
ニ−ル、見掛けの密度が0.0045g/cm3 と低いた
め耐熱耐久性は良いが柔らか過ぎて極めて座り心地の悪
いクッション材に適さない例である。比較例7は複合線
状の繊度が9400デニ−ル、見掛けの密度が0.22
g/cm3 と見掛け密度が高いため耐熱耐久性がやや劣
り、硬いため座り心地もやや劣るクッション材に適さな
い例である。
し、単孔当たり1.98g/分孔の吐出量にて吐出し、
引取りコンベアのステンレス製エンドレスネット幅を1
40cmとし平行に12cm間隔で引取った以外実施例2と
同様にして得られた長さ2mに切断した網状構造体の特
性及び線状体の繊度とル−プの平均直径は実施例2と同
じであった。この網状構造体を幅110cmに切断して、
難燃ポリエステル繊維からなる幅110cm、長さ200
cm、厚み12cmに縫製されたキルティング側地に入れて
マットレスを作成した。このマットレスをベッドに設置
し、25℃RH65%室内にてパネラ−4人に7時間使
用させて寝心地を官能評価した。なお、ベットにはシ−
ツを掛け、掛け布団は1.8kgのダウン/フェザ−:9
0/10を中綿にしたもの、枕はパネラ−が毎日使用し
ているものを着用させた。評価結果は、床つき感がな
く、沈み込みが適度で、蒸れを感じない快適な寝心地の
ベットであった。比較のため、密度0.04g/cm3 で
厚み10cmの発泡ウレタン板状体で同様のマットレスを
作成し、ベットに設置して寝心地を評価した結果、床つ
き感は少ないが沈み込みが大きくやや蒸れを感じる寝心
地の悪いベットであった。
し、引取りコンベアのステンレス製エンドレスネット幅
を140cmとし平行に12cm間隔で引取った以外比較例
1と単孔当たりの吐出量で同様にして得られた長さ2m
に切断した網状構造体の特性及び線状体の繊度とル−プ
の平均直径は比較例1と同じであった。この網状構造体
を幅110cmに切断して、難燃ポリエステル繊維からな
る幅110cm、長さ200cm、厚み12cmに縫製された
キルティング側地に入れてマットレスを作成した。この
マットレスをベッドに設置し、実施例8と同様に寝心地
の官能評価を行った結果、沈み込みが少なく硬い為か床
つき感が大きく且つベットマットと接する部分が痛くな
ってすぐ目覚め、しかも蒸れを感じ寝苦しい寝心地の悪
いベットであった。
さ58cmに切断してポリエステル繊維からなるモケット
の側地を掛け、座部は4か所、背部は2か所のキルトを
入れたクッションを作成し、ソファ−の座部と背部に設
置し、実施例7と同様に座り心地を評価した結果、背部
はもたれた時に適度の反発を示し、座部は床つき感、蒸
れ感は殆ど感じず、腰の疲れをあまり感じない座り心地
の良好なソファ−であった。
様のクッションを作成し、ソファ−の座部と背部に設置
し、実施例9と同様に座り心地を評価した結果、背部は
もたれた時に硬く異物感を感じ、座部は床つき感、蒸れ
感が著しく、臀部が痛くなり長時間座れない座り心地の
劣悪なソファ−であった。
さ40cmで角を丸くア−ルをつけて切断してポリエステ
ル繊維からなるモケットの側地を掛け、事務用椅子に設
置し、実施例7と同様に座り心地を評価した結果、床つ
き感、蒸れ感は殆ど感じず、腰の疲れをあまり感じない
座り心地の良好な事務用椅子であった。
と熱可塑性非弾性樹脂を複合化された線条が融着一体化
して3次元立体網状構造化した座り心地のより改善され
た、耐熱耐久性、嵩高で、適度の圧縮反発力を持ち、蒸
れにくいクッション材に適したリサイクルが容易な網状
構造体で且つ安価であるので車両用座席、船舶用座席、
家具用クッション、寝装用品を安価に提供できる。複合
線状構造体単独での使用や他の素材との併用も可能であ
る。更には、伸縮不織布用途にも種々の加工により使用
できる。
Claims (11)
- 【請求項1】 100〜100000デニ−ルの連続線
状体を曲がりくねらせランダムル−プを形成し、夫々の
ル−プを互いに溶融状態で接触せしめて、接触部の大部
分を融着させてなる三次元ランダムル−プ接合構造体で
あり、上記連続線状体自体が熱可塑性樹脂と熱可塑性弾
性樹脂で複合構造化されていることを特徴とするクッシ
ョン用網状構造体。 - 【請求項2】 連続線状体の複合構造がシ−ス・コア型
構造であり、シ−ス成分が熱可塑性弾性樹脂である請求
項1記載のクッション用網状構造体。 - 【請求項3】 連続線状体の複合構造がサイドバイサイ
ド型構造である請求項1記載のクッション用網状構造
体。 - 【請求項4】 連続線状体が中空断面である請求項1乃
至3のいずれかに記載のクッション用網状構造地。 - 【請求項5】 連続線状体が異形断面である請求項1乃
至4のいずれかに記載のクッション用網状構造体。 - 【請求項6】 連続線状体を構成する熱可塑性弾性樹脂
が示差走査型熱量計(DSC)で測定した融解曲線に室
温以上融点以下の温度に吸熱ピークを有する請求項1の
クッション用網状構造体。 - 【請求項7】 網状構造体を形成するル−プが、ル−プ
の途中において、該網状構造体の厚み方向を基線とし
て、該基線から30°以上押し曲げて接触部の大部分が
融着しており、構造体は実質的にフラット化されている
請求項1記載のクッション用網状構造体。 - 【請求項8】 熱可塑性弾性樹地と熱可塑性非弾性樹脂
が複合化されるようにノズルオリフィス前で分配し、前
記熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂のうち最も低融点の樹脂
の融点+120℃温度から最も高融点の樹脂の融点+1
0℃の温度で両方の樹脂を溶融複合化し、ノズルから下
方に吐出させ、溶融状態で多数のル−プを形成し、夫々
のル−プを互いに接触し、融着させて三次元ランダムル
−プ構造を形成し引取り装置で挟み込み冷却槽で冷却せ
しめて網状構造体を一体化することを特徴とするクッシ
ョン用網状構造体の製法。 - 【請求項9】 一旦冷却後、熱可塑性弾性樹脂の融点よ
り少なくとも10℃以上低い温度でアニ−リングを行な
う請求項8記載のクッション用網状構造体の製法。 - 【請求項10】 一旦冷却後、10%以上の圧縮歪みを
付与して熱可塑性弾性樹脂の融点より少なくとも10℃
以上低い温度でアニ−リングを行なう請求項8に記載の
クッション用網状構造体の製法。 - 【請求項11】 請求項1記載の網状構造体をクッショ
ン材として用いたクッション製品。
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CN105683434A (zh) * | 2013-10-29 | 2016-06-15 | 东洋纺株式会社 | 压缩耐久性优异的网状结构体 |
KR20160075531A (ko) * | 2013-10-28 | 2016-06-29 | 도요보 가부시키가이샤 | 정숙성과 경량성이 우수한 탄성 망상 구조체 |
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-
1994
- 1994-02-23 JP JP2544294A patent/JP3430443B2/ja not_active Expired - Lifetime
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