JP2021083845A - クッション部材 - Google Patents

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【課題】使用者に対して心地よい感触を付与振ることができるクッション部材を提供する。【解決手段】本発明は、緩和性を有する袋体(X)及び袋体内に充填された発泡体(Y)を含むクッション部材であり、好ましくは、発泡体(Y)の密度が0.01g/cm2以上、0.3g/cm2以下であり、発泡体(Y)が4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体(A1)を含み、該共重合体(A1)が、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)と、α−オレフィン(ただし、4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位(ii)との合計を100モル%として、当該構成単位(i)60〜90モル%と、当該構成単位(ii)10〜40モル%とからなることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、ソファー、椅子、ベッド、枕、マットレス、クッション等として使用するに好適なクッション部材に関する。
ソファーや椅子などへ使用されるクッションは、これを敷いて座ることで、硬い床や構造物に直接座る場合よりも肌への感触をやわらげる作用がある。特に長期間の使用を想定して、様々な特徴を持つクッション材が提案されている。従来のクッション体として、綿や発泡粒子を充填材として使用したものが知られており、特許文献1には、大小さまざまな粒子径を備えた粒子が混合された発泡樹脂粒子を充填材として使用し、発泡樹脂粒子の大きさを5〜20mm程度の大きなものとし、これを伸縮性のないレザー等の袋体に充填した椅子形状のクッション体が記載されている。
更に、特許文献2には、伸縮性を有する袋体に、発泡樹脂粒子を封入することで、着座の際、容易に変形し、座り心地に優れるビーズクッション材が開示されている。また特許文献3には、袋体に発泡樹脂粒子を封入し、さらに袋体を表皮材で覆うことで、使用者に心地の良いクッションを提供している。
一方、ポリオレフィンからなる発泡体は軽量であり、さらに断熱性や柔軟性に優れることから、例えば、緩衝材や食器容器、断熱材、自動車部品等として用いられている。しかし、ポリオレフィンからなる発泡体は、発泡倍率が高倍率の発泡体を形成しても荷重に対する追従性は低いことから、特許文献3などでは良好なクッション性を発現させるには発泡体を粒子化するなど、小粒化することでクッション内での変形による追従性を付与させることが一般的であった。また特許文献4には、応力緩和性に優れる4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体からなる柔軟性、形状保持性および形状追従性に優れる発泡シートが開示されているが、発泡倍率は2倍程度であり、良好なクッション性を付与させるには発泡倍率の高倍率化が必要であるなど、さらなる改良が要求されていた。
実開昭56−115966号公報 特開2017−064054号公報 特開2004−223002号公報 WO2018/143411号
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決し、高い発泡倍率によるクッション性に富み、かつ応力緩和性のバランスに優れる発泡体を袋体に充填したクッションを提供することにある。
また本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、高い応力緩和性を持ちながらも伸縮性があり、かつ伸張後ゆっくり戻ることで締め付け感が少なくフィット感がある伸縮性の緩和樹脂層を有する袋体を有するクッションを提供せんとするものである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、次に示す手段によって上記課題を解決できることを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明の主旨は次の通りである。
[1]伸縮性を有する袋体(X)と当該袋体(X)内に充填された発泡体(Y)を含み、下記要件(x)を満たすクッション部材。
要件(x);23℃で測定したときの25%圧縮時の応力緩和率が40%以上である。
[2]前記発泡体(Y)が、下記要件(y)を満たす[1]に記載のクッション部材。
要件(y);密度が0.01g/cm3以上、0.3g/cm3以下である。
[3]前記発泡体(Y)が、下記要件(a)〜(c)を満たす4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体(A1)を含む熱可塑性樹脂(A)から形成される[1]または[2]に記載のクッション部材。
要件(a);4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)と、α−オレフィン(ただし、4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位(ii)との合計を100モル%として、当該構成単位(i)60〜90モル%と、当該構成単位(ii)10〜40モル%とを含む。
要件(b);−40〜150℃の温度範囲で、10rad/s(1.6Hz)の周波数で動的粘弾性測定を行って得られるtanδピーク温度が10℃以上45℃以下である。
要件(c);−40〜150℃の温度範囲で、10rad/s(1.6Hz)の周波数で動的粘弾性測定を行って得られるtanδピーク値が0.8以上5.0以下である。
[4]前記袋体(X)が、緩和樹脂層(X1)と表面層(X2)の少なくとも2層からなる[1]〜[3]のいずれかに記載のクッション部材。
[5]前記袋体(X)が、緩和樹脂層(X1)と表面層(X2)の少なくとも2層からなり、緩和樹脂層(X1)が前記熱可塑性樹脂(A)を含む[3]に記載のクッション部材。
[6]ソファー、椅子用クッション、床用クッション、寝具である[1]〜[5]のいずれかに記載のクッション部材。
本発明によれば、使用者に対して心地よい感触を付与することができるクッション部材を提供することができる。
図1は、本発明のクッション部材の一態様であるクッション部材1を示す。 図2は、クッション部材1から袋体2の一部を取り除いて、発泡体3が露出されたクッション部材1aを示す。 図3は、袋体2の一態様の断面構造を模式的に示した図である。
本発明のクッション部材は、伸縮性を有する袋体(X)と、袋体内に充填された発泡体(Y)を含むクッション部材である。
図1に、本発明のクッション部材の一態様であるクッション部材1を示す。クッション部材1は袋体2を有する。図2に、クッション部材1から袋体2の一部を取り除いて得られる、袋体2aを備えたクッション部材1aを示す。クッション部材1は、図1および2に示したとおり、袋体2内に充填された発泡体3を有する。
本発明のクッション部材は、下記要件(x)を満たす。
要件(x);23℃で測定したときの25%圧縮時の応力緩和率が40%以上であり、好ましくは40%以上であり、さらに好ましくは50%以上である。上記要件(x)を満たすクッション部材は、座った時に発泡体、および袋体の後述する緩和樹脂層が、掛かる応力を緩和して分散することにより良好な応力緩和性を示すことができる。この応力緩和率は、例えば、後述する4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A1)を袋体(X)の緩和樹脂層(X1)または発泡体(Y)に使用することで達成することができる。
本発明のクッション部材は好ましくは、15℃で測定したときの25%圧縮時の応力緩和率が好ましくは40%以上、より好ましくは45%以上、さらに好ましくは50%以上であり、かつ40℃で測定したときの25%圧縮時の応力緩和率が好ましくは30%以上、より好ましくは35%以上である。
以下、本発明を構成する袋体(X)と発泡体(Y)について説明する。
≪袋体(X)≫
袋体は、伸縮性を有するものであれば特に限定されない。袋体の伸び率は、例えば、好ましくは10〜500%であり、より好ましくは50〜300%である。なお、袋体の伸び率は、JIS L 1096(2010)のA法に準拠して測定することができる。袋体は、例えば、伸縮性を有する生地を袋状に縫合することにより、又は、伸縮性を有する生地を袋状に形成することにより作製することができる。伸縮性を有する生地には、例えば、ポリウレタン弾性繊維等の高伸縮性の弾性糸(スパンデックス)、ポリエステルとポリエーテルとを共重合した糸、及びゴム糸等の伸縮性を有する糸を使用することによって伸縮性が付与された生地、平編、ゴム編及びパール編等の糸の編み方によって伸縮性が付与された生地、並びに、伸縮性を有する糸及び伸縮性を付与する編み方によって伸縮性が付与された生地等が挙げられる。
袋体が伸縮を有することにより、袋体内に充填される発泡粒子等の発泡体(Y)の流動範囲が広がる。発泡体が変形可能となるための空間が発泡体と袋体(X)との間に形成されているので、これにより、クッション部材に押圧力を加えると、身体部位の形状に合わせて発泡体が容易に変形することができる。そして、クッション部材内部の発泡粒子等の発泡体(Y)が変形および比較的自由に流動することにより、使用者に対して心地よい感触を付与することができる。その結果、発泡体(Y)の弾力性によって使用者は押圧力を受けるようになることから、独特のホールド感が得られ、使用者に対してさらに心地よい感触を付与することができる。
本発明における袋体(X)は、緩和樹脂層(X1)と表面層(X2)の少なくとも二層を含む積層体であってもよい。緩和樹脂層(X1)と表面層(X2)を含む積層体である袋体(X)の一態様の断面模式図を図3に示す。図3に示す袋体2は、符号「X1」で示す緩和樹脂層(X1)と、緩和樹脂層(X1)を挟む、符号「X2」で示す二層の表面層(X2)とを有する三層構造の積層体である。
以下、緩和樹脂層(X1)および表面層(X2)について説明する。
≪緩和樹脂層(X1)≫
緩和樹脂層(X1)を構成する材質は特に限定されないが、熱可塑性樹脂(A)であることが好ましく、機械強度及び伸縮性の観点から、ポリオレフィン系樹脂またはポリスチレン系樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂(A)は、さらに好ましくは、下記要件(a)〜(c)を満たす4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体(A1)を含む。緩和樹脂層(X1)は、さらに好ましくは4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体(A1)と熱可塑性エラストマー(B)からなる樹脂組成物を含む。
以下、4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体(A1)について説明する。
<4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体(A1)>
4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体(A1)(以下、単に「共重合体(A1)」ともいう。)は、以下の要件(a)〜(c)を全て満たす。
要件(a);共重合体(A1)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)と、α-オレフィン(ただし、4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位(ii)とを含み、構成単位(i)と構成単位(ii)との合計を100モル%として、当該構成単位(i)60〜90モル%と、当該構成単位(ii)10〜40モル%とからなる。
すなわち、構成単位(i)の割合の下限値は、60モル%であるが、65モル%であることが好ましく、68モル%であることがさらに好ましく、70モル%であることがさらに好ましい。一方、構成単位(i)の割合の上限値は、90モル%であるが、87モル%であることが好ましく、86モル%であることがより好ましく、85モル%以下であることが特に好ましい。このように、本発明では共重合体(A1)における前記構成単位(i)の割合が前記下限値以上であることで、室温付近にtanδのピーク値温度を持つことになるため、緩和樹脂層(X1)は形状追従性および応力緩和性が優れ、また、前記構成単位(i)の割合が前記上限値以下にあることで緩和樹脂層(X1)は適度な柔軟性を持つ。
また、構成単位(ii)の割合の上限値は、40モル%であるが、35モル%であることが好ましく、32モル%であることがより好ましく、30モル%であることがさらに好ましい。一方、構成単位(ii)の割合の下限値は、10モル%であるが、14モル%であることがより好ましく、15モル%であることが特に好ましい。
前記構成単位(ii)を導くα-オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素原子数2〜20、好ましくは炭素原子数2〜15、より好ましくは炭素原子数2〜10の直鎖状のα-オレフィン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセンなどの炭素原子数5〜20、好ましくは炭素原子数5〜15の分岐状のα−オレフィンが挙げられる。これらの中でもエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましく、エチレン、プロピレンが特に好ましい。
ここで、本発明の一態様において共重合体(A1)は、通常、構成単位(i)および構成単位(ii)のみからなるものである。ただし、共重合体(A1)は、本発明の目的を損なわない程度の少量(たとえば、10モル%以下)であれば、構成単位(i)および構成単位(ii)のほかに、構成単位(iii)として、4−メチル−1−ペンテンおよび構成単位(ii)を導くα-オレフィンのいずれでもない他のモノマーから導かれる構成単位をさらに含んでいてもよい。このような他のモノマーの好ましい具体例としては、前記共重合体(A1)が4−メチル−1−ペンテン・プロピレン共重合体の場合であれば、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネンなどが挙げられる。
要件(b)
−40〜150℃の温度範囲で、10rad/s(1.6Hz)の周波数で動的粘弾性測定を行って得られる、共重合体(A1)のtanδピーク温度は、0℃以上45℃以下であることが好ましく、10℃以上40℃以下であることがより好ましく、20℃以上40℃以下であることがさらに好ましく、25℃以上40℃以下であることがさらに好ましい。
要件(c)は、室温での応力吸収性をより高める観点から要求される要件である。
共重合体(A1)のtanδピーク温度を上記の温度範囲にすることで、室温でのtanδの値をより高めることができる。また室温にtanδピーク値を持つことにより、引張や変形の速度に応じて振動吸収性、材料の硬さや追従性を変化させることができる。
要件(c)
−40〜150℃の温度範囲で、10rad/s(1.6Hz)の周波数で動的粘弾性測定を行って得られる、tanδピーク値が、0.8以上5.0以下であることが好ましく、1.5以上5.0以下であることがより好ましく、2.0以上4.0以下であることがさらに好ましい。
tanδピーク値を前記範囲内にすることで、圧縮時の応力緩和率が向上し、さらに追従性を付与できる。
本発明の4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体(A1)の特に好ましい形態は、前記要件(a)、(b)および(c)に加えて、更に下記要件(d)を満たし、とりわけ好ましい態様においては、(a)〜(d)の要件に加えて、更に要件(e)、(f)および(g)から選ばれる1以上、好ましくは2以上、より好ましくは全てを満たしている。
要件(d)
示差走査熱量計(DSC)で測定される融点(Tm)が観測されないか、110℃以上160℃未満であり、好ましくは観測されないか、110℃以上150℃未満であり、さらに好ましくは観測されないか、110℃以上140℃未満である。このような要件を満たすことによって、本発明の発泡体(Y)の密度を下げる、すなわち発泡倍率を上げることが可能となる。
要件(e)
デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が、0.1〜5.0dL/g、好ましくは0.5〜4.0dL/g、より好ましくは0.5〜3.5dL/gの範囲である。
共重合体(A1)の重合中に水素を併用すると分子量を制御でき、低分子量体から高分子量体まで自在に得て極限粘度[η]を調整することができ、極限粘度[η]を前記範囲内に調整することが可能である。前記極限粘度[η]が0.1dL/gよりも小さい、または5.0dL/gよりも大きいと、重合体組成物等をシート等に加工する際の、成形加工性が損なわれる場合がある。
要件(f)
密度(ASTM D1505にて測定)が、830〜870kg/m3、好ましくは830〜865kg/m3、さらに好ましくは830〜855kg/m3である。なお、測定条件等の詳細は、後述する実施例の欄に記載のとおりである。
密度は共重合体(A1)のコモノマー組成比によって適宜変えることができ、コモノマー組成比を調整することによって、密度を前記範囲内に調整することが可能である。密度が上記範囲内にある共重合体(A1)は、軽量なシートを製造する上で有利である。
要件(g)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(分子量分布;Mw/Mn)が、1.0〜3.5、好ましくは1.2〜3.0、さらに好ましくは1.5〜2.8の範囲である。なお、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)の測定条件等の詳細は、後述する実施例の欄に記載のとおりである。前記Mw/Mnが3.5よりも大きいと、組成分布に由来する低分子量、低立体規則性ポリマーの影響が懸念されて、成形性が悪くなる場合がある。
また、共重合体(A1)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で、好ましくは500〜10,000,000、より好ましくは1,000〜5,000,000、さらに好ましくは1,000〜2,500,000である。
<4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体(A1)の製造方法>
前記共重合体(A1)の製造方法は、特に限定されないが、前記共重合体(A1)は、例えば、4−メチル−1−ペンテンと上述した「構成単位(ii)を導くα-オレフィン」とを適当な重合触媒存在下で重合することにより得ることができる。
ここで、本発明で用いることのできる重合触媒として、従来公知の触媒、例えばマグネシウム担持型チタン触媒、国際公開第01/53369号パンフレット、国際公開第01/27124号パンフレット、特開平3-193796号公報あるいは特開平02-41303号公報中、国際公開第2011/055803号、国際公開第2014/050817等に記載のメタロセン触媒などが好適に用いられる。
<熱可塑性エラストマー(B)>
緩和樹脂層(Y)は、4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体(A1)を含む場合、共重合体(A1)の優れた特性を損なわない範囲で、共重合体(A1)以外の熱可塑性エラストマー(B)を含有してもよい。
4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体(A1)と、熱可塑性エラストマー(B)との合計量を100質量部とすると、柔軟性、応力緩和性の観点から、共重合体(A1)の含量の上限値は、通常100質量部、好ましくは90質量部、さらに好ましくは75質量部、特に好ましくは60質量部であり、下限値は、通常10質量部、好ましくは15質量部、さらに好ましくは25質量部、特に好ましくは30質量部である。
言い換えると、熱可塑性エラストマー(B)の含量の下限値は、通常0質量部、好ましくは10質量部、さらに好ましくは25質量部、特に好ましくは40質量部であり、上限値は、通常90質量部、好ましくは85質量部、さらに好ましくは75質量部、特に好ましくは70質量部である。
本発明でいう熱可塑性エラストマー(B)とは、融点以上に加熱すると熱可塑性の性質を示す一方、常温ではゴム弾性の性質を示すポリマーである。そのような熱可塑性エラストマー(B)は具体的には、ポリオレフィン系エラストマー(B−1)、ポリスチレン系エラストマー(B−2)が挙げられる。
≪オレフィン系エラストマー(B−1)≫
オレフィン系エラストマー(B−1)の第1の態様としては、ポリエチレンおよびポリプロピレンからなる群より選ばれる1つと、ポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレン、ポリイソブチレン、及びα-オレフィンからなる群より選ばれる1つとの共重合体が挙げられる。共重合の形態は、ブロック共重合、グラフト共重合のいずれでもよいが、ポリエチレンおよびポリプロピレンからなる群より選ばれる1つと、α-オレフィンからなる共重合体の場合のみ、共重合の形態はランダム共重合であってもよい。前記α-オレフィンとは、分子鎖の片末端に二重結合を有するオレフィンのことであり、1−ブテンや1−オクテンなどが好ましく用いられる。
例えば硬質部となるポリプロピレン等の結晶性の高いポリマーを形成するポリオレフィンブロックと、軟質部となる非晶性を示すモノマー共重合体とのブロック共重合体が挙げられ、具体的には、オレフィン(結晶性)・エチレン・ブチレン・オレフィンブロック共重合体、ポリプロピレン・ポリオレフィン(非晶性)・ポリプロピレンブロック共重合体等を例示することができる。具体例としては、JSR株式会社から商品名:DYNARON(ダイナロン)(登録商標)、三井化学株式会社から商品名:タフマー(登録商標)、ノティオ(登録商標)、ダウケミカル株式会社から商品名:ENGAGE(登録商標)、VERSIFY(登録商標)、エクソンモービルケミカル株式会社から商品名:Vistamaxx(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
本発明でいうポリオレフィン系エラストマーの第2の態様としては、ポリエチレンおよびポリプロピレンからなる群より選ばれる1つと、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、エチレン・ブテン共重合体、水素添加スチレンブタジエンからなる群より選ばれる1つとのブレンド物が挙げられる。このとき、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、エチレン・ブテン共重合体は、部分的もしくは完全に架橋されていてもよい。
具体例としては、三井化学株式会社から商品名:ミラストマー(登録商標)、住友化学株式会社から商品名:エスポレックス(登録商標)、三菱ケミカル株式会社から商品名:サーモラン(登録商標)、ゼラス(登録商標) 、エクソンモービルケミカル社から商品名:Santoplene(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
また、本発明に係るオレフィン系エラストマーは、酸無水物基、カルボキシル基、アミノ基、イミノ基、アルコキシシリル基、シラノール基、シリルエーテル基、ヒドロキシル基およびエポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基で変性されていてもよい。
≪スチレン系エラストマー(B−2)≫
スチレン系エラストマー(B−2)としては、硬質部(結晶部)となるポリスチレンブロックと、軟質部となるジエン系モノマーブロックとのブロック共重合体(SBS)、水添スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(HSBR)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン・イソブチレン・スチレン共重合体(SIBS)、スチレン・イソブチレン共重合体(SIB)などを例示することができる。スチレン系エラストマーは、1種単独で、または2種類以上を組み合せて用いられる。
水添スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体の具体例としては、JSR株式会社から商品名:ダイナロン(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。 スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体は、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)を水素添加してなるものである。SISの具体例としては、JSR株式会社から商品名:JSR SIS(登録商標)として、株式会社クラレから商品名:ハイブラー(登録商標)、またはシェル株式会社から商品名:クレイトンD(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
また、SEPSの具体例としては、株式会社クラレから商品名:セプトン(登録商標)、またはシェル株式会社から商品名:クレイトン(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
また、SEBSの具体例としては、旭化成株式会社から商品名:タフテック(登録商標)、またはシェル株式会社から商品名:クレイトン(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
また、SIB、SIBSの具体例としては、株式会社カネカから商品名:シブスター(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
<添加剤>
緩和樹脂層(X1)は、副次的添加物を加えて種々の改質が行われたものであってもよい。副次的添加剤の具体例として、可塑剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、蛍光増白剤、離型剤、抗菌剤、核形成剤、熱安定剤、酸化防止剤、スリップ剤、帯電防止剤、着色防止剤、調整剤、艶消し剤、消泡剤、防腐剤、ゲル化剤、ラテックス、フィラー、インク、着色料、染料、顔料、香料などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの副次的添加物は単独で使用してもよく、複数を併用してもよい。
可塑剤としては、芳香族カルボン酸エステル(フタル酸ジブチル等)、脂肪族カルボン酸エステル(メチルアセチルリシノレート等)、脂肪族ジアルボン酸エステル(アジピン酸−プロピレングリコール系ポリエステル等)、脂肪族トリカルボン酸エステル(クエン酸トリエチル等)、リン酸トリエステル(リン酸トリフェニル等)、エポキシ脂肪酸エステル(ステアリン酸エポキシブチル等)、石油樹脂等が挙げられる。
離型剤としては、高級脂肪酸の低級(C1〜4)アルコールエステル(ステアリン酸ブチル等)、脂肪酸(C4〜30)の多価アルコールエステル(硬化ヒマシ油等)、脂肪酸のグリコールエステル、流動パラフィン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等)、多環フェノール系(2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等)、リン系(テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニレンジホスフォネート等)、アミン系(N,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン等)の酸化防止剤が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、アクリレート系等が挙げられる。
抗菌剤としては、4級アンモニウム塩、ピリジン系化合物、有機酸、有機酸エステル、ハロゲン化フェノール、有機ヨウ素等が挙げられる。
界面活性剤としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性の界面活性剤を挙げることができる。非イオン性界面活性剤としては、高級アルコールエチレンオキシド付加物、脂肪酸エチレンオキシド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキシド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキシド付加物等のポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤、ポリエチレンオキシド、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビットもしくはソルビタンの脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミンの脂肪族アミド等の多価アルコール型非イオン性界面活性剤などが挙げられ、アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸のアルカリ金属塩等の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩、高級アルコールリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩などが挙げられ、カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩などが挙げられる。両性界面活性剤としては、高級アルキルアミノプロピオン酸塩等のアミノ酸型両面界面活性剤、高級アルキルジメチルベタイン、高級アルキル時ヒドロキシエチルベタイン等のベタイン型両性界面活性剤などが挙げられる。
帯電防止剤としては、上記の界面活性剤、脂肪酸エステル、高分子型帯電防止剤が挙げられる。脂肪酸エステルとしてはステアリン酸やオレイン酸のエステルなどが挙げられ、高分子型帯電防止剤としてはポリエーテルエステルアミドが挙げられる。
顔料としては、無機含量(酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、硫化カドミウム等)、有機顔料(アゾレーキ系、チオインジゴ系、フタロシアニン系、アントラキノン系)が挙げられる。染料としてはアゾ系、アントラキノン系、トリフェニルメタン系等が挙げられる。これら顔料および染料の添加量は、特に限定されないが、前記共重合体(A)100質量部に対して、合計で、通常5質量部以下、好ましくは0.1〜3質量部である。
スリップ剤としては、ワックス(カルナバロウワックス等)、高級脂肪酸(ステアリン酸等)、講習脂肪酸塩(ステアリン酸カルシウム等)、高級アルコール(ステアリルアルコール等)、高級脂肪酸アミド(ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド等)等が挙げられる。
上記の各種添加剤の添加量は、本発明の目的を損なわない範囲内で用途に応じて、特に限定されないが、緩和樹脂層(X1)が前記4−メチル−1−ペンテン・α‐オレフィン共重合体(A1)を含む場合、共重合体(A1)に対して、それぞれ、0.01〜30質量部であることが好ましい。
本発明のクッション部材における緩和樹脂層(X1)の厚さは、取り扱い性が容易である点で、20μm〜2000μmであることが好ましく、20μm〜1500μmであることがより好ましく、50μm〜1000μmであることが更に好ましい。
本発明のクッション部材を構成する緩和樹脂層(X1)は一層であっても多層であっても良い。多層構造の場合として、例えば、複数の緩和樹脂層(X1)を含んでなる構造、緩和樹脂層(X1)を含んでなる層と熱可塑性エラストマー(B)からなる層が積層された構造、等が挙げられる。
≪表面層(X2)≫
本発明の袋体(X)における表面層(X2)は、紙、天然繊維、再生繊維もしくは合成繊維からなる織布または不織布を含んでなる。前記、紙、天然繊維、再生繊維もしくは合成繊維からなる織布または不織布としては、特に限定されず、従来公知のものなどが用いられる。繊維質素材としては、例えば、綿、麻、絹、羊毛等の天然繊維、レーヨン、キュプラ等の再生繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ塩化ビニル等の合成繊維を挙げることができる。織布としては、例えば、前記繊維質素材から作られた織物、編物等を挙げることができる。また不織布としては、前記繊維質素材を化学的方法、機械的方法、またはそれらの組合せにより絡み合わせてウエッブとしたものなどが挙げられる。
前記、天然繊維、再生繊維もしくは合成繊維からなる織布または不織布の厚さは、取り扱い性が容易である点で、20μm〜2000μmであることが好ましく、20μm〜1500μmであることがより好ましく、50μm〜1000μmであることが更に好ましい。
また、本発明における表面層(X2)は、少なくとも一部が緩和樹脂層(X1)と接触している層であることが好ましい。ここで、「少なくとも一部が緩和樹脂層(X1)と接触している」とは、表面層(X2)が緩和樹脂層(X1)の一部分と接触しているか、或いは、表面層(X2)が緩和樹脂層(X1)の全体と接触していることを意味し、緩和樹脂層(X1)と表面層(X2)との接触割合が、緩和樹脂層(X1)の総面積に対して、30%〜100%であることが好ましく、50%〜100%であることがより好ましい。
また、本発明における表面層(X2)は、シート状である緩和樹脂層(X1)の片面側にのみ積層されてもよいし、シート状である緩和樹脂層(X1)の両面側に積層されてもよい。
本発明の袋体(X)が図3に示すような三層構造である場合の袋体(X)における緩和樹脂層(X1)と表面層(X2)との厚さの比〔表面層の厚さ/緩和樹脂層の厚さ/表面層の厚さ〕は、特に制限はないが、10〜100/100/10〜100が好ましく、1〜50/100/1〜50がより好ましい。
<緩和樹脂層(X1)の製造方法>
本発明の緩和樹脂層(X1)の製造方法(成形方法)には特に限定はなく、例えば従来公知の製造方法が使用できる。
各成分を溶媒に溶かした溶液を均一混合した後、溶媒を除去して組成物を製造することも可能であるが、溶媒へ原料の溶解、溶媒除去等の工程が不要で、実用的な製造方法である、各成分を溶融混練することにより組成物を製造する溶融混練法を採用することが好ましい。その溶融混練方法については、特に制限はなく、ニーダー、ロールミル、バンバリーミキサー、単軸または二軸押出機等の通常使用されている公知の混合機を用いて、例えば180〜250℃下で溶融混錬後、造粒あるいは粉砕する方法を採用することができる。それらの中でも混合性や生産性の観点から、二軸押出機の使用が好ましい。該方法により、各成分および添加剤が均一に分散混合された高品質の樹脂組成物ペレットを得ることができる。
本発明に係る緩和樹脂層(X1)は、例えば、一般的なTダイ押出成形機およびモールド印刷成形機で前記組成物を成形することにより得られる。例えば一軸押出機にてシリンダーシリンダー温度170〜250℃およびキャストロール温度0〜70℃で成形を行ってシートを形成する。
シートの厚さは、その使用用途にもよるが、通常5〜1000μm、好ましくは30〜200μmである。前記厚さであると、シートの生産性に優れ、シートの成形時にピンホールが生じることがなく、十分な強度も得られることから好ましい。
また、シート表面にはエンボス加工を施してもよく、シート成形時または成形後に延伸してもよい。さらに、成形して得られたシートは樹脂の融点未満の温度でのアニーリング処理を行ってもよい。
シート状の緩和樹脂層(X1)はインフレーション成形法で作製してもよい。具体的には、一軸押出機にて、所定のシリンダー温度で、インフレーション用ダイから重力方向とは逆方向の上向方向に押出してインフレーションを行い、インフレーションフィルムを得ることができる。
インフレーションフィルムの引取速度は通常2〜40m/分、好ましくは4〜30m/分である。フィルムの厚さは特に限定されないが、通常は10〜300μm、好ましくは20〜250μm、より好ましくは30〜60μmである。
シート状の緩和樹脂層(X1)は、モールド印刷成形法で作製してもよい。具体的には、モールド印刷成形法は、シリンダー表面の凹刻部に溶融押出、充填された熱可塑性吸水性樹脂を、基材表面に圧着転写して融着させる成形の方法を言い、溶融押出された熱可塑性樹脂をシリンダー表面の凹刻部に充填する工程と、前記シリンダーの凹刻部に充填された樹脂を基材表面に圧着転写して融着させる工程を有する。シリンダー表面の凹刻部は種々の模様状とすることができ、樹脂はその種々の模様状に基材上に凸状に融着される。溶融押出された熱可塑性吸水性樹脂をシリンダー表面の凹刻部に充填する際に押出成型機を導入すると、量産速度の向上を図ることができ好適である。
モールド印刷成形時の膜厚は、特に限定されず、通常30〜1000μm、好ましくは30〜800μmであることが望ましい。膜厚が30μm未満の場合、得られるモールド印刷成型シートの吸水性能、吸放湿性能が低下するおそれがある。また、膜厚が1000μmを超える場合、得られるモールド印刷成型シートの柔軟性が悪化するおそれがある。
本発明に係るクッション部材の緩和樹脂層(X1)および表面層(X2)を含む袋体(X)は、緩和樹脂層(X1)と表面層(X2)を積層する事で得られる。積層の方法は特に限定されないが、例えば、
(1)表面層(X2)成形用の樹脂組成物を共押出し、その際に表面層(X1)の材料を積層させて基材層及び表面層を備える積層体を製造する方法(以下、「共押出法」ともいう)、
(2)予め緩和樹脂層(X1)及び表面層(X2)を個別に成形しておき、成形された緩和樹脂層(X1)及び表面層(X2)を熱融着させる方法(以下、「熱融着法」ともいう)、
(3)予め緩和樹脂層(X1)を成形しておき、成形された層の一方の層の表面に表面層(X2)を、押出コーティングによって積層させる方法(以下、「押出コーティング法」ともいう)、
(4)予め緩和樹脂層(X1)を成形しておき、表面層(X2)を接着剤、あるいは粘着材などで接合する方法、縫糸にて編むステッチボンドにて結合して積層する方法、
(5)表面層(X2)に、溶剤に緩和樹脂層(X1)の材料を溶解させた溶液を含侵またはコーティングによって積層させる方法
等が挙げられる。
≪発泡体(Y)≫
発泡体(Y)の材質は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂(A)であることが好ましく、機械的強度及び耐熱性の観点からポリオレフィン系樹脂及びポリウレタン系樹脂であることがより好ましい。ポリオレフィン系樹脂とは、オレフィン成分を50質量%以上含有する樹脂である。ポリオレフィン系樹脂には、例えばポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂等がある。これらは1種を単独で、又は2種以上を混合して使用してもよい。なお、ポリオレフィン系樹脂の中でも、機械的強度と耐熱性とのバランスに特に優れることからポリプロピレン系樹脂が発泡体の材質としてより好ましく、従来公知の方法により、ポリオレフィン系樹脂粒子を発泡させることにより、ポリオレフィン系樹脂の発泡粒子を作製することができる。
本発明のクッション部材においては、前記袋体(X)が、緩和樹脂層(X1)と表面層(X2)の少なくとも2層からなり、前記緩和樹脂層(X1)が、発泡体(Y)に含まれる熱可塑性樹脂(A)を含むことが好ましい。すなわち、本発明のクッション部材においては、前記袋体(X)の緩和樹脂層(X1)と発泡体(Y)とが同じ熱可塑性樹脂を含み、同じ4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A1)を含むことが好ましい。
発泡体(Y)の材質は、好ましくは前記緩和樹脂層(X1)で記載した4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体(A1)を含む熱可塑性樹脂組成物である。ここで4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体(A1)の好ましい態様は、既に記載の要件(a)、(b)および(c)に加えて、更に下記要件(d)を満たし、とりわけ好ましい態様においては、(a)〜(d)の要件に加えて、更に要件(e)、(f)および(g)から選ばれる1以上、好ましくは2以上、より好ましくは全てを満たす。
本発明の発泡体(Y)の材質である4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A1)を含む熱可塑性樹脂組成物は、発泡成分として、慣用の発泡剤を含んでおり、発泡剤は、分解性発泡剤(化学発泡剤)であってもよいが、腐食性、取扱性などの観点から、揮発性発泡剤(物理発泡剤)であってもよい。揮発性発泡剤としては、例えば、無機系発泡剤(窒素、二酸化炭素、酸素、空気、水など)、有機系発泡剤(脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、芳香族炭化水素、塩化炭化水素、フッ化炭化水素、アルコール類、エーテル類、アルデヒド類、ケトン類など)などが挙げられる。これらのうち、安価で毒性が低い点から、ブタン(n−ブタン、イソブタン)やペンタン(n−ペンタン、イソペンタンなど)などの低級脂肪族炭化水素が汎用される。
発泡剤の割合は、例えば、樹脂100質量部に対して、例えば、0.01〜30質量部、好ましくは0.1〜25質量部、さらに好ましくは1〜20質量部(特に5〜15質量部)程度である。
前記熱可塑性樹脂組成物は気泡調整剤を含んでいてもよい。気泡調整剤としては、例えば、ケイ素化合物(タルク、シリカ、ゼオライトなど)、無機酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩又は炭酸水素塩など)、有機酸又はその塩(クエン酸、クエン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛など)、金属酸化物(酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウムなど)、金属水酸化物(水酸化アルミニウムなど)などが挙げられる。これらの気泡調整剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
気泡調整剤の割合は、樹脂100質量部に対して、例えば、0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜5質量部、さらに好ましくは0.1〜3質量部(特に0.5〜2質量部)程度である。
熱可塑性樹脂組成物は収縮防止剤を含んでいてもよい。収縮防止剤としては、例えば、脂肪酸エステル(パルミチン酸モノ乃至トリグリセリド、ステアリン酸モノ乃至トリグリセリドなどのC8−24脂肪酸と多価アルコールとのエステルなど)、脂肪酸アミド(パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミドなどのC8−24脂肪酸アミドなど)などが挙げられる。これらの収縮防止剤は、水分蒸散性を向上させるための界面活性剤として機能してもよい。これらの収縮防止剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
収縮防止剤の割合は、樹脂100質量部に対して、例えば、0.01〜30質量部、好ましくは0.05〜20質量部、さらに好ましくは0.1〜10質量部(特に1〜5質量部)程度である。
熱可塑性樹脂組成物は、慣用の添加剤、例えば、着色剤(染料や顔料など)、表面平滑剤、安定剤(酸化防止剤、熱安定化剤、紫外線吸収剤など)、粘度調節剤、相溶化剤、分散剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、充填剤(炭酸カルシウム、炭素繊維など)、滑剤、離型剤、潤滑剤、衝撃改良剤、可塑剤、難燃剤、バイオサイド(殺菌剤、静菌剤、抗かび剤、防腐剤、防虫剤など)、消臭剤などを含んでいてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
なお、着色剤は有彩色の着色剤であってもよく、無彩色の着色剤であってもよい。本発明では、着色剤を使用することにより、光の吸収性、反射性などを調整可能である。る。
本発明における発泡体(Y)は下記要件を満たすことが好ましい。
要件(y)
ASTM D1505に準拠して測定した密度が0.01g/cm3以上0.3g/cm3以下であり、好ましくは、0.02g/cm3以上、0.2g/cm3以下、さらに好ましくは0.02g/cm3以上、0.1g/cm3以下である。なお、密度の測定条件等の詳細は、後述する実施例の欄に記載のとおりである。
発泡体(Y)の密度は、すなわち発泡倍率を示しており、密度が0.1g/cm3以上ということは発泡体の倍率が10倍以上であることを意味している。言い換えれば発泡体(Y)の発泡倍率は、緩衝性を有する限り、特に制限されず、3〜100倍であり、好ましくは4〜50倍、さらに好ましくは10〜50倍程度であってもよい。発泡倍率が低すぎると、衝撃吸収性が低下する虞があり、高すぎると、機械的強度、柔軟性が低下する虞がある。
発泡体(Y)の平均気泡径は、例えば、0.2〜2mm、好ましくは0.4〜1.8mm、さらに好ましくは0.5〜1.5mm(特に0.3〜1.2mm)程度である。平均気泡径が小さすぎると緩衝性が低下する場合があり、大きすぎると機械的特性が低下する。
<発泡体(Y)の製造方法>
本発明の発泡体(Y)の製造方法は従来公知の製造方法を使用できる。好ましくは、ガスを使用して物理的に発泡させながら溶融状態の上記の熱可塑性樹脂組成物を押出ダイからネット状に押し出す第1工程と、その後、必要に応じて所望長さおよび所望形態に切断する第2工程により製造することができる。
第1工程においてネット状に押出成形する方法は公知であり、先端に円筒ダイが装着された押出機を使用して押出成形する方法を適用できる。前記円筒ダイは、内周と外周のそれぞれの円周上に配置した多数のノズルを有しており、内周側のノズルと外周側のノズルが互いに逆方向に回転することでネット状(筒状ネット形態)に押し出すことができるものである。
ネット状に押出成形する方法としては、特開2014−46293号公報(実施例)、特許第4684783号公報に記載の方法(剪断法成形;段落番号0026〜0030)、特開2008−2002号公報の段落番号0045、特公昭41−5264号公報に記載された方法を挙げることができる。
第1工程において使用するガスとしては、不活性ガスまたは不燃性ガス(窒素、炭酸ガス、フロン、代替フロンなど)、脂肪族炭化水素(プロパン、n−ブタン、イソブタン、ペンタン(n−ペンタン、イソペンタンなど)、ヘキサン(n−ヘキサンなど)など)、芳香族炭化水素(トルエンなど)、ハロゲン化炭化水素(三塩化フッ化メタンなど)、エーテル類(ジメチルエーテル、石油エーテルなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などから選ばれる1または2以上を挙げることができる。
第1工程おける発泡倍率は4〜80倍が好ましく、5〜40倍がより好ましく、10〜35倍がさらに好ましい。 発泡倍率は、発泡体の用途に応じて調整することができる。
第2工程は、第1工程で得られたネット状の発泡繊維を用途に応じた形態や長さに切断する工程である。第2工程で切断するとときは、発泡繊維の幅方向にのみ切断し、長さ方向には切断しない。発泡繊維の幅方向に切断するときは、繊維長さに対して直交する方向に切断することが好ましいが、斜交する方向に切断されたものが含まれていてもよい。
本発明の発泡体(Y)は単独で使用することができるが、必要に応じて他の剤と混合したり、他の剤を表面に付着させたりした形態で使用することもできる。
他の剤としては、消臭剤、抗菌剤、抗菌剤を除く薬剤(抗アレルギー剤など)、着色剤、香料(マイクロカプセルに封入された香料も含む)、ゼオライト、備長炭、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、活性炭、珪藻土などの調湿剤から選ばれる1または2以上を挙げることができる。
また本発明の発泡体(Y)は、製造後に表面を着色してもよいし、着色剤を発泡繊維の発泡構造内部に含浸させることで着色することもできる。
[クッション部材を備えた物品]
本発明におけるクッション部材は、従来公知の様々な物品として使用することができる。例えば、本発明のクッション部材は、ソファー、床用クッション、椅子用クッション、睡眠用枕及びマットレス等の寝具等に好適に使用できる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における各種物性は以下の方法により測定した。
〔組成〕
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)中の各構成単位(4−メチル−1−ペンテン及びα-オレフィン)の含有率(モル%)は、13C−NMRにより測定した。
・測定装置:核磁気共鳴装置(ECP500型、日本電子(株)製)
・観測核:13C(125MHz)
・シーケンス:シングルパルスプロトンデカップリング
・パルス幅:4.7μ秒(45°パルス)
・繰り返し時間:5.5秒
・積算回数:1万回以上
・溶媒:オルトジクロロベンゼン/重水素化ベンゼン(容量比:80/20)混合溶媒
・試料濃度:55mg/0.6mL
・測定温度:120℃
・ケミカルシフトの基準値:27.50ppm
〔極限粘度[η]〕
共重合体の極限粘度[η]は、測定装置としてウベローデ粘度計を用い、デカリン溶媒中、135℃で測定した。
約20mgの4−メチル−1−ペンテン(4MP1)共重合体をデカリン25mlに溶解させた後、ウベローデ粘度計を用い、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリンを5ml加えて希釈した後、上記と同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作を更に2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度[η](単位:dl/g)として求めた(下記の式1参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)・・・式1
〔重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)〕
共重合体の重量平均分子量(Mw)、及び重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC:Gel Permeation Chromatography)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。
−条件−
測定装置:GPC(ALC/GPC 150−C plus型、示唆屈折計検出器一体型、Waters製)
カラム:GMH6−HT(東ソー(株)製)2本、及びGMH6−HTL(東ソー(株)製)2本を直列に接続
溶離液:o−ジクロロベンゼン
カラム温度:140℃
流量:1.0mL/min
〔メルトフローレート(MFR)〕
メルトフローレート(MFR:Melt Flow Rate)は、ASTM D1238に準拠し、230℃で2.16kgの荷重にて測定した。単位は、g/10minである。
〔密度〕
共重合体の密度は、JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して、測定した。この密度(kg/m3)を軽量性の指標とした。また発泡体の密度はJIS K7222に準拠して水中置換法により算出した。
〔融点(Tm)〕
共重合体の融点(Tm)は、測定装置として示差走査熱量計(DSC220C型、セイコーインスツル(株)製)を用いて測定した。約5mgの重合体を、測定用アルミニウムパン中に密封し、室温から10℃/minで200℃まで加熱した。重合体を完全融解させるために、200℃で5分間保持し、次いで、10℃/minで−50℃まで冷却した。−50℃で5分間置いた後、10℃/minで200℃まで2度目の加熱を行ない、この2度目の加熱でのピーク温度(℃)を重合体の融点(Tm)とした。なお、複数のピークが検出される場合には、最も高温側で検出されるピークを採用した。
〔動的粘弾性〕
動的粘弾性の測定では、厚さ3mmの共重合体のプレスシートを測定試料として用い、さらにプレスシートから動的粘弾性測定に必要な45mm×10mm×3mmの短冊片を切り出した。ANTONPaar社製MCR301を用いて、10rad/sの周波数で−40〜150℃までの動的粘弾性の温度依存性を測定し、0〜40℃の範囲でガラス転移温度に起因する損失正接(tanδ)がピーク値(最大値)となる際の温度(以下「ピーク値温度」ともいう。)、およびその際の損失正接(tanδ)の値を測定した。
〔圧縮応力緩和試験〕
圧縮応力減衰率は圧縮試験機(機種名AG−100kNX、島津製作所製)を用い、23℃の環境で発泡体を充填した袋体(サイズ:縦15cm×横15cm)を10mm/minの圧縮速度で圧縮した。試験前の袋体のサイズから25%圧縮した時点で圧縮を停止させ、直後の力と3分間保持した後の力を測定した。本測定を同様に15℃、40℃でも実施した。
<合成例1>
<4−メチル−1−ペンテン・プロピレン共重合体(A−1)の合成>
充分に窒素置換した容量1.5Lの攪拌翼付のSUS製オートクレーブに、300mlのn−ヘキサン(乾燥窒素雰囲気下、活性アルミナ上で乾燥したもの)、及び450mlの4−メチル−1−ペンテンを23℃で装入した後、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し、攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温が60℃になるまで加熱し、全圧(ゲージ圧)が0.19MPaとなるようにプロピレンで加圧した。
続いて、予め調製しておいた、Al換算で1mmolのメチルアルミノキサン、及び0.01mmolのジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを含むトルエン溶液0.34mlをオートクレーブに窒素で圧入し、重合反応を開始させた。重合反応中は、オートクレーブの内温が60℃になるように温度調整した。
重合開始から60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し、重合反応を停止させた後、オートクレーブ内を大気圧まで脱圧した。脱圧後、反応溶液に、該反応溶液を攪拌しながらアセトンを添加し、溶媒を含む重合反応生成物を得た。次いで、得られた溶媒を含む重合反応生成物を減圧下、130℃で12時間乾燥させて、44.0gの粉末状の4−メチル‐1−ペンテン・プロピレン共重合体(A−1)(以下、共重合体(A−1)ともいう)を得た。得られた共重合体(A−1)の各種物性の測定結果を表1に示す。
共重合体(A−1)中の4−メチル−1−ペンテンの含有率は84.1mol%であり、プロピレンの含有率は15.9mol%であった。また、共重合体(A−1)の密度は838kg/m3であった。共重合体(A−1)の極限粘度[η]は1.5dl/gであり、重量平均分子量(Mw)は340,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であり、メルトフローレート(MFR)は11g/10minであった。共重合体(A−1)の融点(Tm)は132℃であった。
<合成例2>
<4−メチル−1−ペンテン・プロピレン共重合体(A−2)の合成>
充分に窒素置換した容量1.5Lの攪拌翼付のSUS製オートクレーブに、300mlのn−ヘキサン(乾燥窒素雰囲気下、活性アルミナ上で乾燥したもの)、及び450mlの4−メチル−1−ペンテンを23℃で装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し、攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温が60℃になるまで加熱し、全圧(ゲージ圧)が0.40MPaとなるようにプロピレンで加圧した。
続いて、予め調製しておいた、Al換算で1mmolのメチルアルミノキサン、及び0.01mmolのジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを含むトルエン溶液0.34mlを、オートクレーブに窒素で圧入し、重合反応を開始させた。重合反応中は、オートクレーブの内温が60℃になるように温度調整した。
重合開始から60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し、重合反応を停止させた後、オートクレーブ内を大気圧まで脱圧した。脱圧後、反応溶液に、該反応溶液を攪拌しながらアセトンを添加し、溶媒を含む重合反応生成物を得た。
次いで、得られた溶媒を含む重合反応生成物を減圧下、100℃で12時間乾燥させて、36.9gの粉末状の4−メチル‐1−ペンテン・プロピレン共重合体(A−2)(以下、共重合体(A−2)ともいう))を得た。得られた共重合体(A−2)の各種物性の測定結果を表1に示す。
共重合体(A−1)中の4−メチル−1−ペンテンの含有率は72.5mol%であり、プロピレンの含有率は27.5mol%であった。また、共重合体(A−2)の密度は839kg/m3であった。共重合体(A−1)の極限粘度[η]は1.5dl/gであり、重量平均分子量(Mw)は337,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であり、メルトフローレート(MFR)は11g/10minであった。共重合体(A−2)の融点(Tm)は観測されなかった。
Figure 2021083845
<実施例1>
4−メチル−1−ペンテン・プロピレン共重合体(A−1) 100質量部、二次抗酸化剤としての耐熱安定剤としてのn−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)プロピネートを0.2質量部、収縮防止剤としてステアリン酸モノグリセライド(日本べーリンガー(株)製、「ACTIV325」)3.2質量部、発泡核剤:平均粒子径7.4μmのタルク、日本タルク(株)製「ミクロエースK−1」1.7質量部 を配合した。然る後に、(株)プラスチック工学研究所社製2軸押出機BT−30(スクリュー系30mmφ、L/D=46)を用い、設定温度230℃、樹脂押出量60g/minおよび200rpmの条件で造粒して樹脂組成物とし、タンデム押出機((株)プラ技研製)の第1の押出機(スクリュー径65mm)に下記処方の樹脂組成物を投入した。この第1の押出機の途中からブタンガス[i−ブタン/n−ブタン(体積比)=20/80]10質量部を注入した後、第2の押出機(スクリュー径90mm)で発泡適正温度に調整し、先端に取り付けた丸形金型(リングダイ)の口金から押出発泡し、ストランド状の発泡体を得た。得られた発泡体の発泡倍率は30倍、密度は0.028g/cm3であった。
物性の測定結果を表2に示す。
得られたストランド状の発泡体を長さ2cm程度にカットした。15質量部%のウレタン系樹脂からなる厚み0.1mmのスパンデックス布材を表面層(X2)とし、緩和樹脂層(X1)として、4−メチル−1−ペンテン・プロピレン共重合体(A−1)から作製した厚み0.2mmの押出シートを使用して、表面層(X2)と緩和樹脂層(X1)とを、図3に示した構造となるように、熱プレス機を用いて180℃で20秒、0.2MPaの条件で貼り合わせたのちに、縫合して袋体を作製した。この袋体の中に100gのカットした発泡体を充填してクッション体を作製した。
<実施例2>
共重合体(A−1) 100質量部の代わりに、4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体(A−1) 55質量部、4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体(A−2) 45質量部とした以外は実施例1と同様に配合し、押出発泡成形してストランド状の発泡体を得た。得られた発泡体の発泡倍率は18倍、密度は0.046g/cm3であった。
物性の測定結果を表2に示す。
得られたストランド状の発泡体を長さ2cm程度にカットした。15質量部%のウレタン系樹脂からなるスパンデックス布材(表面層(X2))を縫合した袋体を作製した。この袋体の中に100gのカットした発泡体を充填してクッション体を作製した。
<比較例1>
共重合体(A−1)100質量部の代わりに結晶性低密度ポリエチレン(東ソー(株)製「170」)100質量部とした以外は実施例1と同様に配合し、押出発泡成形してストランド状の発泡体を得た。得られた発泡体の発泡倍率は30倍、密度は0.03g/cm3であった。
物性の測定結果を表2に示す。
Figure 2021083845
1,1a クッション部材
2,2a 袋体
3 発泡体
X1 緩和樹脂層
X2 表面層

Claims (6)

  1. 伸縮性を有する袋体(X)と当該袋体(X)内に充填された発泡体(Y)を含み、下記要件(x)を満たすことを特徴とするクッション部材。
    要件(x);23℃で測定したときの25%圧縮時の応力緩和率が40%以上である。
  2. 前記発泡体(Y)が、下記要件(y)を満たすことを特徴とする、請求項1に記載のクッション部材。
    要件(y);密度が0.01g/cm3以上、0.3g/cm3以下である。
  3. 前記発泡体(Y)が、下記要件(a)〜(c)を満たす4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体(A1)を含む熱可塑性樹脂(A)から形成される請求項1または2に記載のクッション部材。
    要件(a);4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体(A1)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)と、α−オレフィン(ただし、4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位(ii)とを含み、構成単位(i)と構成単位(ii)との合計を100モル%として、構成単位(i)60〜90モル%と、当該構成単位(ii)10〜40モル%とを含む。
    要件(b);−40〜150℃の温度範囲で、10rad/s(1.6Hz)の周波数で動的粘弾性測定を行って得られるtanδピーク温度が10℃以上45℃以下である。
    要件(c);−40〜150℃の温度範囲で、10rad/s(1.6Hz)の周波数で動的粘弾性測定を行って得られるtanδピーク値が0.8以上5.0以下である。
  4. 前記袋体(X)が、緩和樹脂層(X1)と表面層(X2)の少なくとも2層からなる請求項1〜3のいずれかに記載のクッション部材。
  5. 前記袋体(X)が、緩和樹脂層(X1)と表面層(X2)の少なくとも2層からなり、前記緩和樹脂層(X1)が前記熱可塑性樹脂(A)を含む請求項3に記載のクッション部材。
  6. ソファー、椅子用クッション、床用クッション、寝具である請求項1〜5のいずれかに記載のクッション部材。
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