JP6954778B2 - 伸縮性構造体および多層伸縮シート - Google Patents
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すなわち、本発明の主旨は次の通りである。
[1]JIS K7127に準拠して引張速度200mm/分で150%伸長した後、10分後に得られる引張永久歪(PS10M)が1%〜50%の範囲であり、10分後に得られる引張永久歪(PS10M)と1分後に得られる引張永久歪(PS1M)との比率PS1M/PS10Mが1.8以上であることを特徴とする樹脂組成物を含む樹脂層(Y)、を含む単層構造または多層構造の伸縮性構造体。
[2]前記樹脂組成物が、下記要件(a)〜(d)を満たす4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を含有する樹脂組成物(X)を含むことを特徴とする、[1]に記載の伸縮性構造体。
要件(a);示差走査型熱量計(DSC)によって測定される共重合体(A)の融点(Tm)が観測されない。
要件(b);共重合体(A)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)と、α−オレフィン(ただし、4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位(ii)との合計を100モル%として、当該構成単位(i)50〜90モル%と、当該構成単位(ii)10〜50モル%とからなる。
要件(c);デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が、0.1〜5.0dL/gの範囲である。
要件(d);密度(ASTM D1505にて測定)が、830〜870kg/m3である。
[3]前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)が下記要件(e)を満たすことを特徴とする、[2]に記載の伸縮性構造体。
要件(e);−40〜150℃の温度範囲で、10rad/s(1.6Hz)の周波数で動的粘弾性測定を行って得られる、tanδピーク温度は、0℃以上40℃以下である。
[4]前記樹脂組成物(X)が4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と熱可塑性エラストマー(B)からなる樹脂組成物(X1)である、[2]または[3]に記載の伸縮性構造体。
[5]前記樹脂層(Y)の表面に積層された、紙、または天然繊維もしくは合成繊維からなる織布もしくは不織布(D)からなる表面層(Z)を有する、[1]〜[4]のいずれかに記載の伸縮性構造体。
[6]多層シート構造を有することを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかに記載の伸縮性構造体。
[7][6]に記載の伸縮性構造体を少なくとも1層含んでなる多層伸縮シート。
樹脂層(Y)は、以下の樹脂組成物を含む層である。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)(以下、単に「共重合体(A)」ともいう。)は、以下の要件(a)〜(d)を全て満たす。
要件(a);共重合体(A)の示差走査熱量計(DSC)で測定される融点(Tm)が観測されない。このような要件を満たすことによって、本発明の伸縮性構造体の引張物性の向上、引張永久歪の経時変化を緩やかにすることが可能となる。
デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が、0.1〜5.0dL/g、好ましくは0.5〜4.0dL/g、より好ましくは0.5〜3.5dL/gの範囲である。
密度(ASTM D1505にて測定)が、830〜870kg/m3、好ましくは830〜865kg/m3、さらに好ましくは830〜855kg/m3である。なお、測定条件等の詳細は、後述する実施例の欄に記載のとおりである。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(分子量分布;Mw/Mn)が、1.0〜3.5、好ましくは1.2〜3.0、さらに好ましくは1.5〜2.8の範囲である。なお、測定条件等の詳細は、後述する実施例の欄に記載のとおりである。前記Mw/Mnが3.5よりも過大であると、組成分布に由来する低分子量、低立体規則性ポリマーの影響が懸念されて、成形性が悪くなる。
−40〜150℃の温度範囲で、10rad/s(1.6Hz)の周波数で動的粘弾性測定を行って得られる、tanδピーク値が、1.0以上5.0以下であることが好ましく、1.5以上5.0以下であることがより好ましく、2.0以上4.0以下であることがさらに好ましい。
本発明の伸縮性構造体の室温での応力吸収性をより高める観点からは、−40〜150℃の温度範囲で、10rad/s(1.6Hz)の周波数で動的粘弾性測定を行って得られる、共重合体(A)のtanδピーク温度は、0℃以上40℃以下であることが好ましく、10℃以上40℃以下であることがより好ましく、20℃以上40℃以下であることがさらに好ましく、25℃以上40℃以下であることがさらに好ましい。
本発明の伸縮性構造体の柔軟性をより高める観点からは、JIS K6253に準拠して、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定される、押針接触開始から15秒後における共重合体(A)のショアーA硬度は、5以上95以下であることが好ましく、10以上95以下であることがより好ましく、25以上90以下であることがさらに好ましく、50以上90以下であることが特に好ましい。
ΔHS=(押針接触開始直後のショアーA硬度値−押針接触開始から15秒後のショアーA硬度値)
組成分布の幅を小さくして低分子量成分の量を減らし、低分子量成分が原因となるべたつきによる成形不良を生じにくくする観点からは、酢酸メチルによる共重合体(A)の抽出量は、0質量%以上1.5質量%以下であることが好ましく、0質量%以上1.0質量%以下であることがより好ましく、0質量%以上0.8質量%以下であることがさらに好ましく、0質量%以上0.7質量%以下であることがさらに好ましい。
前記共重合体(A)の製造方法は、特に限定されないが前記共重合体(A)は、例えば、4−メチル−1−ペンテンと上述した「構成単位(ii)を導くα−オレフィン」とを適当な重合触媒存在下で重合することにより得ることができる。
樹脂層(Y)を構成する樹脂組成物(X)には、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の優れた特性を損なわない範囲で、共重合体(A)以外の熱可塑性エラストマー(B)が添加されていてもよい。なお、本発明においては樹脂組成物(X)が、共重合体(A)と熱可塑性エラストマー(B)からなる場合を、特に樹脂組成物(X1)と呼ぶ場合がある。
オレフィン系エラストマー(B−1)の第1の態様としては、ポリエチレンおよびポリプロピレンからなる群より選ばれる1つと、ポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレン、ポリイソブチレン、及びα−オレフィンからなる群より選ばれる1つとの共重合体が挙げられる。共重合の形態は、ブロック共重合、グラフト共重合のいずれでもよいが、ポリエチレンおよびポリプロピレンからなる群より選ばれる1つと、α−オレフィンからなる共重合体の場合のみ、共重合の形態はランダム共重合であってもよい。前記α−オレフィンとは、分子鎖の片末端に二重結合を有するオレフィンのことであり、1−ブテンや1−オクテンなどが好ましく用いられる。
スチレン系エラストマー(B−2)としては、硬質部(結晶部)となるポリスチレンブロックと、軟質部となるジエン系モノマーブロックとのブロック共重合体(SBS)、水添スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(HSBR)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン・イソブチレン・スチレン共重合体(SIBS)、スチレン・イソブチレン共重合体(SIB)などを例示することができる。スチレン系エラストマーは、1種単独で、または2種類以上を組み合せて用いられる。
ポリエステル系エラストマー(B−3)としては、芳香族ポリエステルと脂肪族ポリエステルとのブロック共重合体、および、芳香族ポリエステルと脂肪族ポリエーテルとのブロック共重合体が挙げられるが、芳香族ポリエステルと脂肪族ポリエーテルとのブロック共重合体であることが好ましい。
ポリアミド系エラストマー(B−4)としては、脂肪族ポリアミド(ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612)等のポリアミド樹脂の他、ポリアミドと脂肪族ポリエステルとのブロック共重合体、ポリアミドと脂肪族ポリエーテルとのブロック共重合体を挙げることができる。
樹脂組成物(X)は、本発明の効果を損なわない範囲で、共重合体(A)および熱可塑性エラストマー(B)以外の、従来公知である、低密度、中密度、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、環状オレフィン共重合体、塩素化ポリオレフィン、熱可塑性ポリウレタン等に代表される樹脂や後述する添加剤を含んでいてもよい。
樹脂組成物(X)は、副次的添加物を加えて種々の改質が行われたものであってもよい。副次的添加剤の具体例として、可塑剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、蛍光増白剤、離型剤、抗菌剤、核形成剤、熱安定剤、酸化防止剤、スリップ剤、帯電防止剤、着色防止剤、調整剤、艶消し剤、消泡剤、防腐剤、ゲル化剤、ラテックス、フィラー、インク、着色料、染料、顔料、香料などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの副次的添加物は単独で使用してもよく、複数を併用してもよい。
本発明の多層構造の伸縮性構造体における表面層(Z)は、紙、天然繊維もしくは合成繊維からなる織布もしくは不織布(D)を含んでなる。前記、紙、天然繊維もしくは合成繊維からなる織布もしくは不織布(D)としては、特に限定されず、従来公知のものなどが用いられる。繊維質素材としては、例えば、綿、麻、絹、羊毛等の天然繊維、レーヨン、キュプラ等の再生繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ4−メチルー1−ペンテン、ポリ塩化ビニル等の合成繊維を挙げることができる。織布としては、例えば、前記繊維質素材から作られた織物、編物等を挙げることができる。また不織布としては、前記繊維質素材を化学的方法、機械的方法、またはそれらの組合せにより絡み合わせてウエッブとしたものなどが挙げられる。
本発明の伸縮性構造体を構成する樹脂層(Y)の製造方法(成形方法)には特に限定はなく、例えば従来公知の製造方法が使用できる。
(1)樹脂層(Z)成形用の樹脂組成物(X)を共押出し、その際に表面層(Z)材料積層させて基材層及び表面層を備える積層体を製造する方法(以下、「共押出法」ともいう)、
(2)予め樹脂層(Y)及び表面層(Z)を個別に成形しておき、成形された基材層(Y)及び表面層(Z)を熱融着させる方法(以下、「熱融着法」ともいう)、
(3)予め樹脂層(Y)層を成形しておき、成形された上記一方の層の表面に他方の層を、押出コーティングによって積層させる方法(以下、「押出コーティング法」ともいう)、
(4)予め樹脂層(Y)を成形しておき、表面層(Z)を接着剤、あるいは粘着材などで接合する方法、縫糸にて編むステッチボンドにて結合して積層する方法等が挙げられる。
本発明の伸縮性構造体は、樹脂組成物(X)の有する高い応力緩和性と伸縮性に加えゆっくり緩和する特長や引張速度により材料の破断伸びや強度が変化する速度依存性などの特徴有する上、さらに表面層に紙、天然繊維もしくは合成繊維からなる織布もしくは不織布(D)を積層させることで、従来樹脂組成物だけでは困難であった柔軟性と磨耗性の両立、縫い付け時の強度、意匠性を付与することが可能となり、様々な用途へ展開可能となる。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)中の各構成単位(4−メチル−1−ペンテン及びα−オレフィン)の含有率(モル%)は、13C−NMRにより測定した。
・測定装置:核磁気共鳴装置(ECP500型、日本電子(株)製)
・観測核:13C(125MHz)
・シーケンス:シングルパルスプロトンデカップリング
・パルス幅:4.7μ秒(45°パルス)
・繰り返し時間:5.5秒
・積算回数:1万回以上
・溶媒:オルトジクロロベンゼン/重水素化ベンゼン(容量比:80/20)混合溶媒
・試料濃度:55mg/0.6mL
・測定温度:120℃
・ケミカルシフトの基準値:27.50ppm
共重合体の極限粘度[η]は、測定装置としてウベローデ粘度計を用い、デカリン溶媒中、135℃で測定した。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)・・・式1
共重合体の重量平均分子量(Mw)、及び重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC:Gel Permeation Chromatography)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。
−条件−
測定装置:GPC(ALC/GPC 150−C plus型、示唆屈折計検出器一体型、Waters製)
カラム:GMH6−HT(東ソー(株)製)2本、及びGMH6−HTL(東ソー(株)製)2本を直列に接続
溶離液:o−ジクロロベンゼン
カラム温度:140℃
流量:1.0mL/min
共重合体(A−1)およびPPのメルトフローレート(MFR:Melt Flow Rate)は、ASTM D1238に準拠し、230℃で2.16kgの荷重にて測定した。単位は、g/10minである。
共重合体の密度は、JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して、測定した。この密度(kg/m3)を軽量性の指標とした。
共重合体の融点(Tm)は、測定装置として示差走査熱量計(DSC220C型、セイコーインスツル(株)製)を用いて測定した。約5mgの重合体を、測定用アルミニウムパン中に密封し、室温から10℃/minで200℃まで加熱する。重合体を完全融解させるために、200℃で5分間保持し、次いで、10℃/minで−50℃まで冷却する。−50℃で5分間置いた後、10℃/minで200℃まで2度目の加熱を行ない、この2度目の加熱でのピーク温度(℃)を重合体の融点(Tm)とする。なお、複数のピークが検出される場合には、最も高温側で検出されるピークを採用する。
動的粘弾性の測定では、厚さ3mmのプレスシートを測定試料として用い、さらに動的粘弾性測定に必要な45mm×10mm×3mmの短冊片を切り出した。ANTONPaar社製MCR301を用いて、10rad/sの周波数で−40〜150℃までの動的粘弾性の温度依存性を測定し、0〜40℃の範囲でガラス転移温度に起因する損失正接(tanδ)がピーク値(最大値)となる際の温度(以下「ピーク値温度」ともいう。)、およびその際の損失正接(tanδ)の値を測定した。
厚みが400μmのシートを、幅25mm×長さ100mmのダンベル状に切断したものを試験片として用いた。
JIS K7127(1999)に準拠し、引張試験機(万能引張試験機3380、インストロン製)を用いて、チャック間距離50mm、引張速度200mm/min、及び温度23℃の条件で、試験片の引張弾性率(YM)(単位:MPa)、引張破断伸び(EL)(単位:%)、および引張破断強度(TS)(単位:MPa)を測定した。
定速伸張形引張試験機(島津製作所社製オートグラフAG−500C)を使用して、掴み間隔100mmで、100mm/分の速度により10mm幅に切断したシートまたはフィラメントを100および300%伸長させた。その時の応力(初期応力)を計測し、そのままフィラメントを120秒間保持させ、その間の応力の変化についても計測した。そして、上記初期応力と伸長から60秒後の応力との差から応力緩和率を算出した。
SR=(F0−F)/F0×100
SR :引張応力緩和率(%)
F0 :100%および300%伸長時の初期応力(MPa)
F :100%および300%伸長時後、120秒後の応力(MPa)
厚みが400μmのシートを、JIS K7127 5号ダンベル状に切断したものを試験片として用いた。
JIS K7127(1999)に準拠し、引張試験機(万能引張試験機3380、インストロン製)を用いて、チャック間距離80mm、引張速度200mm/min、及び温度23℃の条件でシートを150%伸長させて10分保持した。保持したチャックを解放させてシートを試験機から外し、解放1分後と10分後のチャック間距離を測定し、下記の式から引張永久歪を算出した。
PS=(I−I0)/I0×100
PS :引張永久歪(%)
I :1分後または10分後のチャック間距離(mm)
I0 :試験前のチャック間距離(mm)
作製した伸縮シートを筒状に丸めて端部を粘着テープで固定させて、円筒状の積層体を作製(有効長13cm)した。その積層体を人型マネキンの腕部分(腕周り25cm)に装着させ、装着部分に圧力センサ(エアパック方式)を設置した。その後、着圧試験機(株式会社エイエムアイ・テクノ 型番AMI3037−10))を使用して、圧力センサに空気を一定量入れた後にかかる応力(初期応力)を計測し、そのまま30秒間保持させ、その間の応力の変化についても計測した。そして、上記初期応力と伸長から300秒後の応力との差を緩和率として算出した。
SR=(F0−F)/F0×100
SR :引張応力緩和率(%)
F0 :初期応力(MPa)
F :300秒後の応力(MPa)
<4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)の合成>
充分に窒素置換した容量1.5Lの攪拌翼付のSUS製オートクレーブに、300mlのn−ヘキサン(乾燥窒素雰囲気下、活性アルミナ上で乾燥したもの)、及び450mlの4−メチル−1−ペンテンを23℃で装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し、攪拌機を回した。
充分に窒素置換した容量1.5Lの攪拌翼付のSUS製オートクレーブに、300mlのn−ヘキサン(乾燥窒素雰囲気下、活性アルミナ上で乾燥したもの)、及び450mlの4−メチル−1−ペンテンを23℃で装入した後、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し、攪拌機を回した。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体A−1を用い、リップ幅240mmのTダイを設置した20mmφの単軸押出機(単軸シート形成機、(株)田中鉄工所製)のホッパーに投入した。そして、シリンダー温度を230℃、ダイス温度を230℃に設定し、Tダイから溶融混練物を厚み400μmで押し出し、キャストシート成形することにより、実施例1のシートを得た。得られたシートの物性評価結果を表2に示す。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)を80質量部と、オレフィン系熱可塑性エラストマー(B−1)(三井化学株式会社製 商品名:タフマー(登録商標)PN−2060)を20質量部用いた以外は実施例1と同様の方法により実施例2のシートを得た。得られたシートの物性評価結果を表2に示す。また実施例1のシートを樹脂層(Y)として、ポリエステル製織布を表面層(Z)として、熱プレス装置で0.2MPa、150℃で30秒熱融着させた積層構造体を用いて、着圧試験による応力緩和測定を実施した。その結果を表2に示す。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)を60質量部と、オレフィン系熱可塑性エラストマー(B−1)(三井化学株式会社製 商品名:タフマー(登録商標)PN−2060)を40質量部用いた以外は実施例1と同様の方法により実施例3のシートを得た。得られたシートの物性評価結果を表2に示す。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)を40質量部と、オレフィン系熱可塑性エラストマー(B−1)(三井化学株式会社製 商品名:タフマー(登録商標)PN−2060)を60質量部用いた以外は実施例1と同様の方法により実施例4のシートを得た。得られたシートの物性評価結果を表2に示す。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)を70質量部と、スチレン系熱可塑性エラストマー(B−2)(旭化成ケミカルズ株式会社製 商品名:タフテック(登録商標)H−1221)を30質量部用いた以外は実施例1と同様の方法により実施例5のシートを得た。得られたシートの物性評価結果を表2に示す。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)を70質量部と、オレフィン系熱可塑性エラストマー(B−3)(三井化学株式会社製 商品名:ミラストマー(登録商標)5030NS)を30質量部用いた以外は実施例1と同様の方法により実施例6のシートを得た。得られたシートの物性評価結果を表2に示す。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−2)を100質量部用いた以外は実施例1と同様の方法により比較例1のシートを得た。得られたシートの物性評価結果を表2に示す。
スチレン系熱可塑性エラストマー(B−2)(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:タフテック(登録商標)H1221)を用いた以外は実施例1と同様の方法により比較例2のシートを得た。得られたシートの物性評価結果を表2に示す。また比較例2のシートを樹脂層(Y)として、ポリエステル製織布を表面層(Z)として、熱プレス装置で0.2MPa、150℃で30秒熱融着させた積層構造体を用いて、着圧試験による応力緩和測定を実施した。その結果を表2に示す。
Claims (5)
- JIS K7127に準拠して引張速度200mm/分で150%伸長した後、10分後に得られる引張永久歪(PS10M)が1%〜50%の範囲であり、
10分後に得られる引張永久歪(PS10M)と1分後に得られる引張永久歪(PS1M)との比率PS1M/PS10Mが1.8以上であることを特徴とする樹脂組成物を含む樹脂層(Y)と、
前記樹脂層(Y)の表面に積層された、紙、または天然繊維もしくは合成繊維からなる織布もしくは不織布(D)からなる表面層(Z)と、
を含み、
前記樹脂組成物が、下記要件(a)〜(d)を満たす4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を含有する樹脂組成物(X)を含む、
多層構造の伸縮性構造体。
要件(a);示差走査型熱量計(DSC)によって測定される共重合体(A)の融点(Tm)が観測されない。
要件(b);共重合体(A)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)と、α−オレフィン(ただし、4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位(ii)との合計を100モル%として、当該構成単位(i)50〜90モル%と、当該構成単位(ii)10〜50モル%とからなる。
要件(c);デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が、0.1〜5.0dL/gの範囲である。
要件(d);密度(ASTM D1505にて測定)が、830〜870kg/m 3 である。 - 前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)が下記要件(e)を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の伸縮性構造体。
要件(e);−40〜150℃の温度範囲で、10rad/s(1.6Hz)の周波数で動的粘弾性測定を行って得られる、tanδピーク温度は、0℃以上40℃以下である。 - 前記樹脂組成物(X)が4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と熱可塑性エラストマー(B)からなる樹脂組成物(X1)である、請求項1または2に記載の伸縮性構造体。
- 多層シート構造を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の伸縮性構造体。
- 請求項4に記載の伸縮性構造体を少なくとも1層含んでなる多層伸縮シート。
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