JP6954778B2 - 伸縮性構造体および多層伸縮シート - Google Patents

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Description

本発明は、オレフィン系重合体組成物を含む伸縮性構造体、およびその用途に関する。
医療材料、衛生材料などを中心に、透湿性、柔軟性および伸縮性を有する材料が求められてきた。フィルムおよびフィラメントなどの繊維の分野で、これら要求を満たす代表的な材料として、ポリウレタン系樹脂が挙げられる。しかしポリウレタン系樹脂は非常に高価であり、環境に負荷を与える場合があった。また伸縮性が高いことにより、伸張後の戻りが速いことに起因した締め付け感が強くなり、長時間使用でのうっ血等が発生するという問題を抱えていた。
このような問題を解決するための様々な方法が公開されている。例えば特許文献1や特許文献2にはポリウレタン系以外の熱可塑性エラストマーに無機充填剤を配合したシートを延伸することによって多孔化したフィルムが開示されている。また特許文献3および特許文献4には、熱可塑性エラストマーと親水性樹脂、多孔粒子による伸縮シートが開示されている。
特開平5−50522号公報 特開2008−88293号公報 特開2015−63633号公報 特開2015−86367号公報
前述の特許文献1や特許文献2では、伸縮性、柔軟性を有する熱可塑性エラストマーに、一定の透湿性が付与されているがその効果は小さく、また、透湿性、伸縮性、柔軟性をそれぞれ高いレベルに保つ点で不十分であった。また前述の特許文献3や特許文献4では、多孔粒子により透湿性の向上はされているものの、伸縮性が良いためにすぐに戻ってしまうこと、応力緩和が低いなどの問題があった。
そのため、上記従来技術の問題点を解決し、低比重、低吸水率を保持したまま伸縮性に富み、かつ応力緩和性のバランスに優れるオレフィン系樹脂からなる伸縮性構造体が求められている。
そこで本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、日常生活で装着しても違和感なく高い応力緩和性を持ちながらも伸縮性と元の形状への復元力、かつ伸張後ゆっくり戻ることで締め付け感の少なく、フィット感のある伸縮性構造体、および当該伸縮性構造体を含む多層伸縮シートを提供せんとするものである。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、次によって解決することを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明の主旨は次の通りである。
[1]JIS K7127に準拠して引張速度200mm/分で150%伸長した後、10分後に得られる引張永久歪(PS10M)が1%〜50%の範囲であり、10分後に得られる引張永久歪(PS10M)と1分後に得られる引張永久歪(PS1M)との比率PS1M/PS10Mが1.8以上であることを特徴とする樹脂組成物を含む樹脂層(Y)、を含む単層構造または多層構造の伸縮性構造体。
[2]前記樹脂組成物が、下記要件(a)〜(d)を満たす4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を含有する樹脂組成物(X)を含むことを特徴とする、[1]に記載の伸縮性構造体。
要件(a);示差走査型熱量計(DSC)によって測定される共重合体(A)の融点(Tm)が観測されない。
要件(b);共重合体(A)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)と、α−オレフィン(ただし、4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位(ii)との合計を100モル%として、当該構成単位(i)50〜90モル%と、当該構成単位(ii)10〜50モル%とからなる。
要件(c);デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が、0.1〜5.0dL/gの範囲である。
要件(d);密度(ASTM D1505にて測定)が、830〜870kg/mである。
[3]前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)が下記要件(e)を満たすことを特徴とする、[2]に記載の伸縮性構造体。
要件(e);−40〜150℃の温度範囲で、10rad/s(1.6Hz)の周波数で動的粘弾性測定を行って得られる、tanδピーク温度は、0℃以上40℃以下である。
[4]前記樹脂組成物(X)が4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と熱可塑性エラストマー(B)からなる樹脂組成物(X1)である、[2]または[3]に記載の伸縮性構造体。
[5]前記樹脂層(Y)の表面に積層された、紙、または天然繊維もしくは合成繊維からなる織布もしくは不織布(D)からなる表面層(Z)を有する、[1]〜[4]のいずれかに記載の伸縮性構造体。
[6]多層シート構造を有することを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかに記載の伸縮性構造体。
[7][6]に記載の伸縮性構造体を少なくとも1層含んでなる多層伸縮シート。
高い応力緩和性を有しながらも磨耗性や形状保持性を有し、伸張させた構造体が即時に収縮せず、経時的に収縮する伸縮性構造体、および当該伸縮性構造体を含む伸縮性シートを提供する。
実施例1および比較例2で得られたシートについて、150%伸長後、1分後および10分後の引張永久歪の経時変化を示す図面である。
以下、本発明の伸縮性構造体ついて説明する。
本発明の伸縮性構造体は、下記の特性を有する樹脂組成物を含む樹脂層(Y)を含む、単層構造または多層構造の構造体である。多層構造の伸縮性構造体は、さらに表面層(Z)を含む積層体であってもよい。
≪樹脂層(Y)≫
樹脂層(Y)は、以下の樹脂組成物を含む層である。
樹脂組成物は、JIS K7127に準拠して引張速度200mm/分で150%伸長した後、10分後に得られる引張永久歪(PS10M)が1%以上50%以下であり、2%以上45%以下であることが好ましく、5%以上40%以下であることがより好ましい。また、上記樹脂組成物は、10分後に得られる引張永久歪(PS10M)と1分後に得られる引張永久歪(PS1M)との比率PS1M/PS10Mが1.8以上30以下であることが好ましく、1.9以上20以下であることがより好ましい。このような特性を満たす上記樹脂組成物は、伸張させた構造体が即時に収縮せず、経時的に収縮する性質を持つので、本発明の伸縮性構造体を、例えばシートまたは紡績糸に適用してウェアに加工とした際には伸縮性による締め付けが大きく軽減され、従って着心地が悪いという問題点も解消される。
上記樹脂組成物は、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を含む樹脂組成物(X)、好ましくは4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と熱可塑性エラストマー(B)からなる樹脂組成物(X1)を含む。樹脂層(Y)は、これらの樹脂組成物(X)を含む1層の構造体でもよいし、上記構造体を含む積層構造体でもよい。
以下、樹脂組成物(X)を構成する4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)および熱可塑性エラストマー(B)について説明する。
<4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)>
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)(以下、単に「共重合体(A)」ともいう。)は、以下の要件(a)〜(d)を全て満たす。
要件(a);共重合体(A)の示差走査熱量計(DSC)で測定される融点(Tm)が観測されない。このような要件を満たすことによって、本発明の伸縮性構造体の引張物性の向上、引張永久歪の経時変化を緩やかにすることが可能となる。
要件(b);共重合体(A)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)と、α−オレフィン(ただし、4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位(ii)との合計を100モル%として、当該構成単位(i)50〜90モル%と、当該構成単位(ii)10〜50モル%とからなる。
すなわち、構成単位(i)の割合の下限値は、50モル%であるが、60モル%であることが好ましく、65モル%であることがさらに好ましく、68モル%であることがさらに好ましい。一方、構成単位(i)の割合の上限値は、90モル%であるが、87モル%であることが好ましく、86モル%であることがより好ましく、80モル%以下であることが特に好ましい。このように、本発明では共重合体(A)における前記構成単位(i)の割合が前記下限値以上であることで、室温付近にtanδのピーク値温度を持つことになるため、形状追従性および応力緩和性が優れ、また、前記構成単位(i)の割合が前記上限値以下にあることで適度な柔軟性を持つ。
また、構成単位(ii)の割合の上限値は、50モル%であるが、40モル%であることが好ましく、35モル%であることがより好ましく、32モル%であることがさらに好ましい。一方、構成単位(ii)の割合の下限値は、13モル%であるが、14モル%であることがより好ましく、20モル%であることが特に好ましい。
前記構成単位(ii)を導くα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素原子数2〜20、好ましくは炭素原子数2〜15、より好ましくは炭素原子数2〜10の直鎖状のα−オレフィン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセンなどの炭素原子数5〜20、好ましくは炭素原子数5〜15の分岐状のα−オレフィンが挙げられる。これらの中でもエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましく、エチレン、プロピレンが特に好ましい。
ここで、本発明の一態様において共重合体(A)は、通常、構成単位(i)および構成単位(ii)のみからなるものである。ただし、共重合体(A)は、本発明の目的を損なわない程度の少量(たとえば、10モル%以下)であれば、構成単位(i)および構成単位(ii)のほかに、構成単位(iii)として、4−メチル−1−ペンテンおよび構成単位(ii)を導くα−オレフィンのいずれでもない他のモノマーから導かれる構成単位をさらに含んでいてもよい。このような他のモノマーの好ましい具体例としては、前記共重合体(A)が4−メチル−1−ペンテン・プロピレン共重合体の場合であれば、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネンなどが挙げられる。
要件(c)
デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が、0.1〜5.0dL/g、好ましくは0.5〜4.0dL/g、より好ましくは0.5〜3.5dL/gの範囲である。
後述するように重合中に水素を併用すると分子量を制御でき、低分子量体から高分子量体まで自在に得て極限粘度[η]を調整することが出来る。前記極限粘度[η]が0.1dL/gよりも過小、または5.0dL/gよりも過大であると、重合体組成物をシート等に加工する際の、成形加工性が損なわれる場合がある。
要件(d)
密度(ASTM D1505にて測定)が、830〜870kg/m、好ましくは830〜865kg/m、さらに好ましくは830〜855kg/mである。なお、測定条件等の詳細は、後述する実施例の欄に記載のとおりである。
密度は共重合体(A)のコモノマー組成比によって適宜変えることができ、密度が上記範囲内にある共重合体(A)は、軽量なシートを製造する上で有利である。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の特に好ましい形態は、前記要件(a)、(b)、(c)および(d)に加えて、更に下記要件(e)を満たし、とりわけ好ましい態様においては、(a)〜(e)の要件に加えて、更に要件(f)、(g)、(h)および(i)から選ばれる1以上、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、特に好ましくは全てを満たしている。
要件(e)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(分子量分布;Mw/Mn)が、1.0〜3.5、好ましくは1.2〜3.0、さらに好ましくは1.5〜2.8の範囲である。なお、測定条件等の詳細は、後述する実施例の欄に記載のとおりである。前記Mw/Mnが3.5よりも過大であると、組成分布に由来する低分子量、低立体規則性ポリマーの影響が懸念されて、成形性が悪くなる。
ここで、本発明においては、後述する触媒を用いれば、上記要件(b)で示される極限粘度[η]の範囲内において、上記要件(c)を満たす共重合体(A)を得ることができる。なお、前記Mw/Mnおよび以下のMwの値は、後述する実施例において採用された方法で測定した場合の値である。
また、共重合体(A)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で、好ましくは500〜10,000,000、より好ましくは1,000〜5,000,000、さらに好ましくは1,000〜2,500,000である。
要件(f);
−40〜150℃の温度範囲で、10rad/s(1.6Hz)の周波数で動的粘弾性測定を行って得られる、tanδピーク値が、1.0以上5.0以下であることが好ましく、1.5以上5.0以下であることがより好ましく、2.0以上4.0以下であることがさらに好ましい。
要件(g)
本発明の伸縮性構造体の室温での応力吸収性をより高める観点からは、−40〜150℃の温度範囲で、10rad/s(1.6Hz)の周波数で動的粘弾性測定を行って得られる、共重合体(A)のtanδピーク温度は、0℃以上40℃以下であることが好ましく、10℃以上40℃以下であることがより好ましく、20℃以上40℃以下であることがさらに好ましく、25℃以上40℃以下であることがさらに好ましい。
共重合体(A)のtanδピーク温度を上記の温度範囲にすることで、室温でのtanδの値をより高めることができる。また室温にtanδピーク値を持つことにより、引張や変形の速度に応じて振動吸収性、材料の硬さや追従性を変化させることができる。
要件(h)
本発明の伸縮性構造体の柔軟性をより高める観点からは、JIS K6253に準拠して、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定される、押針接触開始から15秒後における共重合体(A)のショアーA硬度は、5以上95以下であることが好ましく、10以上95以下であることがより好ましく、25以上90以下であることがさらに好ましく、50以上90以下であることが特に好ましい。
本発明の伸縮性構造体の応力緩和性、形状追従性をより高める観点からは、JIS K6253に準拠して、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定される、共重合体(A)の、押針接触開始直後のショアーA硬度の値と押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度の値との間の変化量ΔHSは、10以上60以下であることが好ましく、10以上50以下であることがより好ましく、15以上45以下であることがさらに好ましい。
なお、上記ΔHSは、以下の式に従って求められる値である。
ΔHS=(押針接触開始直後のショアーA硬度値−押針接触開始から15秒後のショアーA硬度値)
要件(i);
組成分布の幅を小さくして低分子量成分の量を減らし、低分子量成分が原因となるべたつきによる成形不良を生じにくくする観点からは、酢酸メチルによる共重合体(A)の抽出量は、0質量%以上1.5質量%以下であることが好ましく、0質量%以上1.0質量%以下であることがより好ましく、0質量%以上0.8質量%以下であることがさらに好ましく、0質量%以上0.7質量%以下であることがさらに好ましい。
酢酸メチルへの抽出量は、たとえば、共重合体(A)に含まれる成分をソックスレー抽出法で酢酸メチルに抽出したときの、抽出前後の共重合体(A)の質量変化量として測定することができる。
<4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の製造方法>
前記共重合体(A)の製造方法は、特に限定されないが前記共重合体(A)は、例えば、4−メチル−1−ペンテンと上述した「構成単位(ii)を導くα−オレフィン」とを適当な重合触媒存在下で重合することにより得ることができる。
ここで、本発明で用いることのできる重合触媒として、従来公知の触媒、例えばマグネシウム担持型チタン触媒、国際公開第01/53369号、国際公開第01/27124号、特開平3-193796号公報あるいは特開平02-41303号公報中、国際公開第2011/055803号、国際公開第2014/050817等に記載のメタロセン触媒などが好適に用いられる。
<熱可塑性エラストマー(B)>
樹脂層(Y)を構成する樹脂組成物(X)には、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の優れた特性を損なわない範囲で、共重合体(A)以外の熱可塑性エラストマー(B)が添加されていてもよい。なお、本発明においては樹脂組成物(X)が、共重合体(A)と熱可塑性エラストマー(B)からなる場合を、特に樹脂組成物(X1)と呼ぶ場合がある。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と、熱可塑性エラストマー(B)との合計量を100質量部とすると、柔軟性、応力緩和性の観点から、前記組成物中の共重合体(A)の含量の上限値は、通常100質量部、好ましくは90質量部、さらに好ましくは75質量部、特に好ましくは60質量部であり、下限値は、通常10質量部、好ましくは15質量部、さらに好ましくは25質量部、特に好ましくは30質量部である。
言い換えると、熱可塑性エラストマー(B)の含量の下限値は、通常0質量部、好ましくは10質量部、さらに好ましくは25質量部、特に好ましくは40質量部であり、上限値は、通常90質量部、好ましくは85質量部、さらに好ましくは75質量部、特に好ましくは70質量部である。
本発明でいう熱可塑性エラストマー(B)とは、融点以上に加熱すると熱可塑性の性質を示す一方、常温ではゴム弾性の性質を示すポリマーである。そのような熱可塑性エラストマー(B)は具体的には、ポリオレフィン系エラストマー(B−1)、ポリスチレン系エラストマー(B−2)、ポリエステル系エラストマー(B−3)、ポリアミド系エラストマー(B−4)が挙げられる。
≪オレフィン系エラストマー(B−1)≫
オレフィン系エラストマー(B−1)の第1の態様としては、ポリエチレンおよびポリプロピレンからなる群より選ばれる1つと、ポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレン、ポリイソブチレン、及びα−オレフィンからなる群より選ばれる1つとの共重合体が挙げられる。共重合の形態は、ブロック共重合、グラフト共重合のいずれでもよいが、ポリエチレンおよびポリプロピレンからなる群より選ばれる1つと、α−オレフィンからなる共重合体の場合のみ、共重合の形態はランダム共重合であってもよい。前記α−オレフィンとは、分子鎖の片末端に二重結合を有するオレフィンのことであり、1−ブテンや1−オクテンなどが好ましく用いられる。
例えば硬質部となるポリプロピレン等の結晶性の高いポリマーを形成するポリオレフィンブロックと、軟質部となる非晶性を示すモノマー共重合体とのブロック共重合体が挙げられ、具体的には、オレフィン(結晶性)・エチレン・ブチレン・オレフィンブロック共重合体、ポリプロピレン・ポリオレフィン(非晶性)・ポリプロピレンブロック共重合体等を例示することができる。具体例としては、JSR株式会社から商品名:DYNARON(ダイナロン)(登録商標)、三井化学株式会社から商品名:タフマー(登録商標)、ノティオ(登録商標)、ダウケミカル株式会社から商品名:ENGAGE(登録商標)、VERSIFY(登録商標)、エクソンモービルケミカル株式会社から商品名:Vistamaxx(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
本発明でいうポリオレフィン系エラストマーの第2の態様としては、ポリエチレンおよびポリプロピレンからなる群より選ばれる1つと、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、エチレン・ブテン共重合体、水素添加スチレンブタジエンからなる群より選ばれる1つとのブレンド物が挙げられる。このとき、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、エチレン・ブテン共重合体は、部分的もしくは完全に架橋されていてもよい。
具体例としては、三井化学株式会社から商品名:ミラストマー(登録商標)、住友化学株式会社から商品名:エスポレックス(登録商標)、三菱ケミカル株式会社から商品名:サーモラン(登録商標)、ゼラス(登録商標) 、エクソンモービルケミカル社から商品名:Santoplene(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
また、本発明に係るオレフィン系エラストマーは、酸無水物基、カルボキシル基、アミノ基、イミノ基、アルコキシシリル基、シラノール基、シリルエーテル基、ヒドロキシル基およびエポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基で変性されていてもよい。
≪スチレン系エラストマー(B−2)≫
スチレン系エラストマー(B−2)としては、硬質部(結晶部)となるポリスチレンブロックと、軟質部となるジエン系モノマーブロックとのブロック共重合体(SBS)、水添スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(HSBR)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン・イソブチレン・スチレン共重合体(SIBS)、スチレン・イソブチレン共重合体(SIB)などを例示することができる。スチレン系エラストマーは、1種単独で、または2種類以上を組み合せて用いられる。
水添スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体の具体例としては、JSR株式会社から商品名:ダイナロン(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。 スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体は、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)を水素添加してなるものである。SISの具体例としては、JSR株式会社から商品名:JSR SIS(登録商標)として、株式会社クラレから商品名:ハイブラー(登録商標)、またはシェル株式会社から商品名:クレイトンD(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
また、SEPSの具体例としては、株式会社クラレから商品名:セプトン(登録商標)、またはシェル株式会社から商品名:クレイトン(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
また、SEBSの具体例としては、旭化成株式会社から商品名:タフテック(登録商標)、またはシェル株式会社から商品名:クレイトン(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
また、SIB、SIBSの具体例としては、株式会社カネカから商品名:シブスター(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
≪ポリエステル系エラストマー(B−3)≫
ポリエステル系エラストマー(B−3)としては、芳香族ポリエステルと脂肪族ポリエステルとのブロック共重合体、および、芳香族ポリエステルと脂肪族ポリエーテルとのブロック共重合体が挙げられるが、芳香族ポリエステルと脂肪族ポリエーテルとのブロック共重合体であることが好ましい。
ポリエステルエラストマー中の芳香族ポリエステルとしては、ポリブチレンテレフタレート系樹脂および/またはポリエチレンテレフタレート系樹脂であることが好ましい。ここで、ポリブチレンテレフタレート系樹脂とは、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、またはテレフタル酸とイソフタル酸を組合せたものを用い、ジオール成分として1,4−ブタンジオールを用いたポリエステルをいうものとするが、このジカルボン酸成分の一部(50モル%未満)を他のジカルボン酸成分やオキシカルボン酸成分で置き換えたり、ジオール成分の一部(50モル%未満)をブタンジオール成分以外の低分子ジオール成分で置き換えたりしたポリエステルであってもよい。また、ポリエチレンテレフタレート系樹脂とは、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、またはテレフタル酸とイソフタル酸を組合せたジカルボン酸成分を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを用いたポリエステルをいうものとするが、このジカルボン酸成分の一部(50モル%未満)を他のジカルボン酸成分やオキシカルボン酸成分で置き換えたり、ジオール成分の一部(50モル%未満)をエチレングリコール成分以外の低分子ジオール成分で置き換えたりしたポリエステルであってもよい。
また、ポリエステル系エラストマー中の脂肪族ポリエーテルとしては、ポリアルキレングリコール系樹脂であることが好ましく、そのなかでも、ポリテトラメチレングリコール系樹脂および/またはポリエチレングリコール系樹脂であることがさらに好ましい。ここで、ポリアルキレングリコール系樹脂とは、ポリアルキレングリコールを主たる成分とする脂肪族ポリエーテルをいうものとするが、ポリエーテル部分の一部(50質量%未満)を、アルキレングリコール成分以外のジオキシ成分で置き換えた脂肪族ポリエーテルであってもよい。また、ポリテトラメチレングリコール系樹脂とは、ポリテトラメチレングリコールを主たる成分とするポリアルキレングリコールをいうものとするが、脂肪族ポリエーテル部分の一部(50質量%未満)を、テトラメチレングリコール成分以外のジオキシ成分で置き換えた脂肪族ポリエーテルであってもよい。さらに、ポリエチレングリコール系樹脂とは、ポリエチレングリコールを主たる成分とするポリアルキレングリコールをいうものとするが、脂肪族ポリエーテル部分の一部(50質量%未満)を、エチレングリコール成分以外のジオキシ成分で置き換えた脂肪族ポリエーテルであってもよい。ここで、「主たる」とは、脂肪族ポリエーテル部分全体を100質量%とした際、50質量%以上を占める場合をいうものとする。
ポリエステル系エラストマーの具体例としては、東レ・デュポン株式会社から商品名:ハイトレル(登録商標)、東洋紡株式会社から商品名:ペルプレン(登録商標)、三菱化学株式会社から商品名:プリマロイ(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
≪ポリアミド系エラストマー(B−4)≫
ポリアミド系エラストマー(B−4)としては、脂肪族ポリアミド(ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612)等のポリアミド樹脂の他、ポリアミドと脂肪族ポリエステルとのブロック共重合体、ポリアミドと脂肪族ポリエーテルとのブロック共重合体を挙げることができる。
ポリアミド系エラストマーとして市販されているものとしては、宇部興産株式会社から商品名:UBESTA(登録商標)、ダイセル・エボニック社から商品名:ダイアミド(登録商標)、ベスタミドE(登録商標)、アルケマ社から商品名:ペバックス(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。
<その他の重合体>
樹脂組成物(X)は、本発明の効果を損なわない範囲で、共重合体(A)および熱可塑性エラストマー(B)以外の、従来公知である、低密度、中密度、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、環状オレフィン共重合体、塩素化ポリオレフィン、熱可塑性ポリウレタン等に代表される樹脂や後述する添加剤を含んでいてもよい。
<添加剤>
樹脂組成物(X)は、副次的添加物を加えて種々の改質が行われたものであってもよい。副次的添加剤の具体例として、可塑剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、蛍光増白剤、離型剤、抗菌剤、核形成剤、熱安定剤、酸化防止剤、スリップ剤、帯電防止剤、着色防止剤、調整剤、艶消し剤、消泡剤、防腐剤、ゲル化剤、ラテックス、フィラー、インク、着色料、染料、顔料、香料などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの副次的添加物は単独で使用してもよく、複数を併用してもよい。
可塑剤としては、芳香族カルボン酸エステル(フタル酸ジブチル等)、脂肪族カルボン酸エステル(メチルアセチルリシノレート等)、脂肪族ジアルボン酸エステル(アジピン酸−プロピレングリコール系ポリエステル等)、脂肪族トリカルボン酸エステル(クエン酸トリエチル等)、リン酸トリエステル(リン酸トリフェニル等)、エポキシ脂肪酸エステル(ステアリン酸エポキシブチル等)、石油樹脂等が挙げられる。
離型剤としては、高級脂肪酸の低級(C1〜4)アルコールエステル(ステアリン酸ブチル等)、脂肪酸(C4〜30)の多価アルコールエステル(硬化ヒマシ油等)、脂肪酸のグリコールエステル、流動パラフィン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等)、多環フェノール系(2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等)、リン系(テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニレンジホスフォネート等)、アミン系(N,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン等)の酸化防止剤が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、アクリレート系等が挙げられる。
抗菌剤としては、4級アンモニウム塩、ピリジン系化合物、有機酸、有機酸エステル、ハロゲン化フェノール、有機ヨウ素等が挙げられる。
界面活性剤としては非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性の界面活性剤を挙げることができる。非イオン性界面活性剤としては、高級アルコールエチレンオキシド付加物、脂肪酸エチレンオキシド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキシド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキシド付加物等のポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤、ポリエチレンオキシド、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビットもしくはソルビタンの脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミンの脂肪族アミド等の多価アルコール型非イオン性界面活性剤などが挙げられ、アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸のアルカリ金属塩等の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩、高級アルコールリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩などが挙げられ、カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩などが挙げられる。両性界面活性剤としては、高級アルキルアミノプロピオン酸塩等のアミノ酸型両面界面活性剤、高級アルキルジメチルベタイン、高級アルキル時ヒドロキシエチルベタイン等のベタイン型両性界面活性剤などが挙げられる。
帯電防止剤としては、上記の界面活性剤、脂肪酸エステル、高分子型帯電防止剤が挙げられる。脂肪酸エステルとしてはステアリン酸やオレイン酸のエステルなどが挙げられ、高分子型帯電防止剤としてはポリエーテルエステルアミドが挙げられる。
顔料としては、無機含量(酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、硫化カドミウム等)、有機顔料(アゾレーキ系、チオインジゴ系、フタロシアニン系、アントラキノン系)が挙げられる。染料としてはアゾ系、アントラキノン系、トリフェニルメタン系等が挙げられる。これら顔料および染料の添加量は、特に限定されないが、前記共重合体(A)100質量部に対して、合計で、通常5質量部以下、好ましくは0.1〜3質量部である。
スリップ剤としては、ワックス(カルナバロウワックス等)、高級脂肪酸(ステアリン酸等)、講習脂肪酸塩(ステアリン酸カルシウム等)、高級アルコール(ステアリルアルコール等)、高級脂肪酸アミド(ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド等)等が挙げられる。
上記の各種添加剤の添加量は、本発明の目的を損なわない範囲内で用途に応じて、特に限定されないが、前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)に対して、それぞれ、0.01〜30質量部であることが好ましい。
本発明の伸縮性構造体における樹脂層(Y)の厚さは、取り扱い性が容易である点で、20μm〜2000μmであることが好ましく、20μm〜1500μmであることがより好ましく、50μm〜1000μmであることが更に好ましい。
本発明の伸縮性構造体を構成する樹脂層(Y)は一層であっても多層であっても良い。多層構造の場合として、例えば、複数の樹脂組成物(X)を含んでなる構造、樹脂組成物(X)を含んでなる層と熱可塑性エラストマー(B)からなる層が積層された構造、等が挙げられる。
本発明からなる伸縮性構造体は、前記樹脂層(Y)と、紙、天然繊維もしくは合成繊維からなる織布もしくは不織布、フィルムまたはシートなどからなる表面層(Z)が積層された構造を持つ。このような多層構造体の好ましい態様は、多層シートである。
≪表面層(Z)≫
本発明の多層構造の伸縮性構造体における表面層(Z)は、紙、天然繊維もしくは合成繊維からなる織布もしくは不織布(D)を含んでなる。前記、紙、天然繊維もしくは合成繊維からなる織布もしくは不織布(D)としては、特に限定されず、従来公知のものなどが用いられる。繊維質素材としては、例えば、綿、麻、絹、羊毛等の天然繊維、レーヨン、キュプラ等の再生繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ4−メチルー1−ペンテン、ポリ塩化ビニル等の合成繊維を挙げることができる。織布としては、例えば、前記繊維質素材から作られた織物、編物等を挙げることができる。また不織布としては、前記繊維質素材を化学的方法、機械的方法、またはそれらの組合せにより絡み合わせてウエッブとしたものなどが挙げられる。
前記、紙、天然繊維もしくは合成繊維からなる織布もしくは不織布(D)の厚さは、取り扱い性が容易である点で、20μm〜2000μmであることが好ましく、20μm〜1500μmであることがより好ましく、50μm〜1000μmであることが更に好ましい。
また、本発明における表面層(Z)は、少なくとも一部が樹脂層(Y)と接触している層であることが好ましい。ここで、「少なくとも一部が基材層と接触している」とは、表面層が基材層の一部分と接触しているか、或いは、表面層が基材層の全体と接触していることを意味し、基材層と表面層との接触割合が、基材層の総面積に対して、30%〜100%であることが好ましく、50%〜100%であることがより好ましい。
また、本発明における表面層(Z)は、シート状である樹脂層(Y)の片面側にのみ積層されてもよいし、シート状である樹脂層(Y)の両面側に積層されてもよい。
本発明の多層構造の伸縮性構造体における基材層と表面層との厚さの比〔基材層の厚さ/表面層の厚さ〕には特に制限はないが、1〜100/100/1〜100が好ましく、1〜50/100/1〜50がより好ましい。
<伸縮性構造体の製造方法>
本発明の伸縮性構造体を構成する樹脂層(Y)の製造方法(成形方法)には特に限定はなく、例えば従来公知の製造方法が使用できる。
各成分を溶媒に溶かした溶液を均一混合した後、溶媒を除去して組成物を製造することも可能であるが、溶媒へ原料の溶解、溶媒除去等の工程が不要で、実用的な製造方法である、各成分を溶融混練することにより組成物を製造する溶融混練法を採用することが好ましい。その溶融混練方法については、特に制限はなく、ニーダー、ロールミル、バンバリーミキサー、単軸または二軸押出機等の通常使用されている公知の混合機を用いて、例えば180〜250℃下で溶融混錬後、造粒あるいは粉砕する方法を採用することができる。それらの中でも混合性や生産性の観点から、二軸押出機の使用が好ましい。該方法により、各成分および添加剤が均一に分散混合された高品質の樹脂組成物ペレットを得ることができる。
本発明に係る伸縮性構造体は、例えば、一般的なTダイ押出成形機およびモールド印刷成形機で成形することにより得られる。例えば一軸押出機にてシリンダーシリンダー温度170〜250℃およびキャストロール温度0〜70℃で成形を行ってシートを形成する。
シートの厚さは、その使用用途にもよるが、通常5〜1000μm、好ましくは30〜200μmであると、シートの生産性に優れ、シートの成形時にピンホールが生じることがなく、十分な強度も得られることから好ましい。
また、シート表面にはエンボス加工を施してもよく、シート成形時または成形後に延伸してもよい。さらに、成形して得られたシートは樹脂の融点未満の温度でのアニーリング処理を行ってもよい。
シート状の伸縮性構造体はインフレーション成形法で作製してもよい。具体的には、一軸押出機にて、所定のシリンダー温度で、インフレーション用ダイから重力方向とは逆方向の上向方向に押出してインフレーションを行い、インフレーションフィルムを得ることができる。
インフレーションフィルムの引取速度は通常2〜40m/分、好ましくは4〜30m/分である。フィルムの厚さは特に限定されないが、通常は10〜300μm、好ましくは20〜250μm、より好ましくは30〜60μmである。
シート状の伸縮性構造体は、モールド印刷成形法で作製してもよい。具体的には、シリンダー表面の凹刻部に溶融押出、充填された熱可塑性吸水性樹脂を、基材表面に圧着転写して融着させる成型の方法を言い、溶融押出された熱可塑性樹脂をシリンダー表面の凹刻部に充填する工程と、前記シリンダーの凹刻部に充填された樹脂を基材表面に圧着転写して融着させる工程を有する。シリンダー表面の凹刻部は種々の模様状とすることができ、樹脂はその種々の模様状に基材上に凸状に融着される。溶融押出された熱可塑性吸水性樹脂をシリンダー表面の凹刻部に充填する際に押出成型機を導入すると、量産速度の向上を図ることができ好適である。
モールド印刷成型時の膜厚は、特に限定されず、30〜1000μm、好ましくは30〜800μmであることが望ましい。膜厚が30μm未満の場合、得られるモールド印刷成型シートの吸水性能、吸放湿性能が低下するおそれがある。また、膜厚が800μmを超える場合、得られるモールド印刷成型シートの柔軟性が悪化するおそれがある。
本発明に係る多層構造の伸縮性構造体は、樹脂層(Y)と表面層(Z)を積層する事で得られる。積層の方法は特に限定されないが、例えば、
(1)樹脂層(Z)成形用の樹脂組成物(X)を共押出し、その際に表面層(Z)材料積層させて基材層及び表面層を備える積層体を製造する方法(以下、「共押出法」ともいう)、
(2)予め樹脂層(Y)及び表面層(Z)を個別に成形しておき、成形された基材層(Y)及び表面層(Z)を熱融着させる方法(以下、「熱融着法」ともいう)、
(3)予め樹脂層(Y)層を成形しておき、成形された上記一方の層の表面に他方の層を、押出コーティングによって積層させる方法(以下、「押出コーティング法」ともいう)、
(4)予め樹脂層(Y)を成形しておき、表面層(Z)を接着剤、あるいは粘着材などで接合する方法、縫糸にて編むステッチボンドにて結合して積層する方法等が挙げられる。
<伸縮性構造体の用途>
本発明の伸縮性構造体は、樹脂組成物(X)の有する高い応力緩和性と伸縮性に加えゆっくり緩和する特長や引張速度により材料の破断伸びや強度が変化する速度依存性などの特徴有する上、さらに表面層に紙、天然繊維もしくは合成繊維からなる織布もしくは不織布(D)を積層させることで、従来樹脂組成物だけでは困難であった柔軟性と磨耗性の両立、縫い付け時の強度、意匠性を付与することが可能となり、様々な用途へ展開可能となる。
本発明の伸縮性構造体は、従来公知の用途である、衣類用資材、医療用資材、衛生用資材、食品包装材、漁業用資材、農林業用資材、土木建築用資材、シューズ用資材、スポーツ用資材、レジャー用資材、産業用資材などの用途に用いることができる。例えば、衣類用資材としては、肌着、靴下、シャツ、ブリーフ、トランクス、ショーツ、キャミソール、スパッツ、ブラジャー、タイツ、腹巻などのインナーウェア、Tシャツ、セーター、コート、ジャケット、ジャンパー、パンツ、スカート、帽子、手袋等のアウターウェア、トレーニングウェア、スキーウェア、水着、レオタード、サポーター等のスポーツウェア、医療用資材としては、手術用シーツ、メディカルウェア、血液吸収体、薬品吸収体、医療用テープ、絆創膏、湿布材等、衛生用資材としては、オムツ、失禁パット、生理用品、お産パッド、母乳パッド、マスク紐、眼帯紐、創傷被覆材等、漁業用資材としては、海苔網、巻き網、養殖の魚網や養殖網等、農林業用資材としては、防虫ネット、防風ネット、遮光ネット、雑草防止用ネット、防鳥用ネット、キューリネット、フラワーネット等、土木建築用資材としては、保水シート、結露防止シート、緑化シート、育苗シート、植生ネット、土嚢ネット等、シューズ用資材としては、靴表皮材、靴紐、スポーツ、レジャー用資材としては、ゴルフ、野球、テニス、卓球、バレーボール、バドミントン、サッカー、ハンドボール、バスケットボール、ホッケー、アイスホッケ、水球などのスポーツ用ネット、靴表皮材、虫取り網等、産業用資材としては、帽子、お手拭、洗車用品、玩具等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例における各種物性は以下の方法により測定した。
〔組成〕
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)中の各構成単位(4−メチル−1−ペンテン及びα−オレフィン)の含有率(モル%)は、13C−NMRにより測定した。
・測定装置:核磁気共鳴装置(ECP500型、日本電子(株)製)
・観測核:13C(125MHz)
・シーケンス:シングルパルスプロトンデカップリング
・パルス幅:4.7μ秒(45°パルス)
・繰り返し時間:5.5秒
・積算回数:1万回以上
・溶媒:オルトジクロロベンゼン/重水素化ベンゼン(容量比:80/20)混合溶媒
・試料濃度:55mg/0.6mL
・測定温度:120℃
・ケミカルシフトの基準値:27.50ppm
〔極限粘度[η]〕
共重合体の極限粘度[η]は、測定装置としてウベローデ粘度計を用い、デカリン溶媒中、135℃で測定した。
約20mgの特定4MP1系共重合体をデカリン25mlに溶解させた後、ウベローデ粘度計を用い、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定する。このデカリン溶液にデカリンを5ml加えて希釈した後、上記と同様にして比粘度ηspを測定する。この希釈操作を更に2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度[η](単位:dl/g)として求める(下記の式1参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)・・・式1
〔重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)〕
共重合体の重量平均分子量(Mw)、及び重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC:Gel Permeation Chromatography)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。
−条件−
測定装置:GPC(ALC/GPC 150−C plus型、示唆屈折計検出器一体型、Waters製)
カラム:GMH6−HT(東ソー(株)製)2本、及びGMH6−HTL(東ソー(株)製)2本を直列に接続
溶離液:o−ジクロロベンゼン
カラム温度:140℃
流量:1.0mL/min
〔メルトフローレート(MFR)〕
共重合体(A−1)およびPPのメルトフローレート(MFR:Melt Flow Rate)は、ASTM D1238に準拠し、230℃で2.16kgの荷重にて測定した。単位は、g/10minである。
〔密度〕
共重合体の密度は、JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して、測定した。この密度(kg/m)を軽量性の指標とした。
〔融点(Tm)〕
共重合体の融点(Tm)は、測定装置として示差走査熱量計(DSC220C型、セイコーインスツル(株)製)を用いて測定した。約5mgの重合体を、測定用アルミニウムパン中に密封し、室温から10℃/minで200℃まで加熱する。重合体を完全融解させるために、200℃で5分間保持し、次いで、10℃/minで−50℃まで冷却する。−50℃で5分間置いた後、10℃/minで200℃まで2度目の加熱を行ない、この2度目の加熱でのピーク温度(℃)を重合体の融点(Tm)とする。なお、複数のピークが検出される場合には、最も高温側で検出されるピークを採用する。
〔動的粘弾性〕
動的粘弾性の測定では、厚さ3mmのプレスシートを測定試料として用い、さらに動的粘弾性測定に必要な45mm×10mm×3mmの短冊片を切り出した。ANTONPaar社製MCR301を用いて、10rad/sの周波数で−40〜150℃までの動的粘弾性の温度依存性を測定し、0〜40℃の範囲でガラス転移温度に起因する損失正接(tanδ)がピーク値(最大値)となる際の温度(以下「ピーク値温度」ともいう。)、およびその際の損失正接(tanδ)の値を測定した。
〔機械特性(引張破断伸び、引張破断強度、ヤング率〕
厚みが400μmのシートを、幅25mm×長さ100mmのダンベル状に切断したものを試験片として用いた。
JIS K7127(1999)に準拠し、引張試験機(万能引張試験機3380、インストロン製)を用いて、チャック間距離50mm、引張速度200mm/min、及び温度23℃の条件で、試験片の引張弾性率(YM)(単位:MPa)、引張破断伸び(EL)(単位:%)、および引張破断強度(TS)(単位:MPa)を測定した。
〔引張応力緩和率(%)〕
定速伸張形引張試験機(島津製作所社製オートグラフAG−500C)を使用して、掴み間隔100mmで、100mm/分の速度により10mm幅に切断したシートまたはフィラメントを100および300%伸長させた。その時の応力(初期応力)を計測し、そのままフィラメントを120秒間保持させ、その間の応力の変化についても計測した。そして、上記初期応力と伸長から60秒後の応力との差から応力緩和率を算出した。
SR=(F−F)/F×100
SR :引張応力緩和率(%)
:100%および300%伸長時の初期応力(MPa)
F :100%および300%伸長時後、120秒後の応力(MPa)
〔引張永久歪・伸縮比〕
厚みが400μmのシートを、JIS K7127 5号ダンベル状に切断したものを試験片として用いた。
JIS K7127(1999)に準拠し、引張試験機(万能引張試験機3380、インストロン製)を用いて、チャック間距離80mm、引張速度200mm/min、及び温度23℃の条件でシートを150%伸長させて10分保持した。保持したチャックを解放させてシートを試験機から外し、解放1分後と10分後のチャック間距離を測定し、下記の式から引張永久歪を算出した。
PS=(I−I)/I×100
PS :引張永久歪(%)
I :1分後または10分後のチャック間距離(mm)
:試験前のチャック間距離(mm)
また、上記で得られた開放10分後の引張永久歪(PS10M)と1分後の引張永久歪(PS1M)の比(PS1M/PS10M)を伸縮比として求めた。
〔伸縮性積層体の着圧応力緩和測定〕
作製した伸縮シートを筒状に丸めて端部を粘着テープで固定させて、円筒状の積層体を作製(有効長13cm)した。その積層体を人型マネキンの腕部分(腕周り25cm)に装着させ、装着部分に圧力センサ(エアパック方式)を設置した。その後、着圧試験機(株式会社エイエムアイ・テクノ 型番AMI3037−10))を使用して、圧力センサに空気を一定量入れた後にかかる応力(初期応力)を計測し、そのまま30秒間保持させ、その間の応力の変化についても計測した。そして、上記初期応力と伸長から300秒後の応力との差を緩和率として算出した。
SR=(F−F)/F×100
SR :引張応力緩和率(%)
:初期応力(MPa)
F :300秒後の応力(MPa)
<合成例1>
<4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)の合成>
充分に窒素置換した容量1.5Lの攪拌翼付のSUS製オートクレーブに、300mlのn−ヘキサン(乾燥窒素雰囲気下、活性アルミナ上で乾燥したもの)、及び450mlの4−メチル−1−ペンテンを23℃で装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し、攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温が60℃になるまで加熱し、全圧(ゲージ圧)が0.40MPaとなるようにプロピレンで加圧した。
続いて、予め調製しておいた、Al換算で1mmolのメチルアルミノキサン、及び0.01mmolのジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを含むトルエン溶液0.34mlを、オートクレーブに窒素で圧入し、重合反応を開始させた。重合反応中は、オートクレーブの内温が60℃になるように温度調整した。
重合開始から60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し、重合反応を停止させた後、オートクレーブ内を大気圧まで脱圧した。脱圧後、反応溶液に、該反応溶液を攪拌しながらアセトンを添加し、溶媒を含む重合反応生成物を得た。
次いで、得られた溶媒を含む重合反応生成物を減圧下、100℃で12時間乾燥させて、36.9gの粉末状の共重合体A−1を得た。得られた共重合体A−1の各種物性の測定結果を表1に示す。
共重合体A−1中の4−メチル−1−ペンテンの含有率は72.5mol%であり、プロピレンの含有率は27.5mol%であった。また、共重合体A−1の密度は839kg/mであった。共重合体A−1の極限粘度[η]は1.5dl/gであり、重量平均分子量(Mw)は337,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であり、メルトフローレート(MFR)は11g/10minであった。共重合体A−1の融点(Tm)は観測されなかった。
<4−メチル−1−ペンテン・α‐オレフィン共重合体(A−2)の合成>
充分に窒素置換した容量1.5Lの攪拌翼付のSUS製オートクレーブに、300mlのn−ヘキサン(乾燥窒素雰囲気下、活性アルミナ上で乾燥したもの)、及び450mlの4−メチル−1−ペンテンを23℃で装入した後、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し、攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温が60℃になるまで加熱し、全圧(ゲージ圧)が0.19MPaとなるようにプロピレンで加圧した。
続いて、予め調製しておいた、Al換算で1mmolのメチルアルミノキサン、及び0.01mmolのジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを含むトルエン溶液0.34mlをオートクレーブに窒素で圧入し、重合反応を開始させた。重合反応中は、オートクレーブの内温が60℃になるように温度調整した。
重合開始から60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し、重合反応を停止させた後、オートクレーブ内を大気圧まで脱圧した。脱圧後、反応溶液に、該反応溶液を攪拌しながらアセトンを添加し、溶媒を含む重合反応生成物を得た。次いで、得られた溶媒を含む重合反応生成物を減圧下、130℃で12時間乾燥させて、44.0gの粉末状の4−メチル−1−ペンテン共重合体(A−2)を得た。
共重合体A−2中の4−メチル−1−ペンテンの含有率は84.1mol%であり、プロピレンの含有率は25.9mol%であった。また、共重合体A−2の密度は838kg/mであった。共重合体A−2の極限粘度[η]は1.5dl/gであり、重量平均分子量(Mw)は340,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であり、メルトフローレート(MFR)は11g/10minであった。共重合体A−2の融点(Tm)は132℃であった。
Figure 0006954778
<実施例1>
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体A−1を用い、リップ幅240mmのTダイを設置した20mmφの単軸押出機(単軸シート形成機、(株)田中鉄工所製)のホッパーに投入した。そして、シリンダー温度を230℃、ダイス温度を230℃に設定し、Tダイから溶融混練物を厚み400μmで押し出し、キャストシート成形することにより、実施例1のシートを得た。得られたシートの物性評価結果を表2に示す。
<実施例2>
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)を80質量部と、オレフィン系熱可塑性エラストマー(B−1)(三井化学株式会社製 商品名:タフマー(登録商標)PN−2060)を20質量部用いた以外は実施例1と同様の方法により実施例2のシートを得た。得られたシートの物性評価結果を表2に示す。また実施例1のシートを樹脂層(Y)として、ポリエステル製織布を表面層(Z)として、熱プレス装置で0.2MPa、150℃で30秒熱融着させた積層構造体を用いて、着圧試験による応力緩和測定を実施した。その結果を表2に示す。
<実施例3>
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)を60質量部と、オレフィン系熱可塑性エラストマー(B−1)(三井化学株式会社製 商品名:タフマー(登録商標)PN−2060)を40質量部用いた以外は実施例1と同様の方法により実施例3のシートを得た。得られたシートの物性評価結果を表2に示す。
<実施例4>
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)を40質量部と、オレフィン系熱可塑性エラストマー(B−1)(三井化学株式会社製 商品名:タフマー(登録商標)PN−2060)を60質量部用いた以外は実施例1と同様の方法により実施例4のシートを得た。得られたシートの物性評価結果を表2に示す。
<実施例5>
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)を70質量部と、スチレン系熱可塑性エラストマー(B−2)(旭化成ケミカルズ株式会社製 商品名:タフテック(登録商標)H−1221)を30質量部用いた以外は実施例1と同様の方法により実施例5のシートを得た。得られたシートの物性評価結果を表2に示す。
<実施例6>
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)を70質量部と、オレフィン系熱可塑性エラストマー(B−3)(三井化学株式会社製 商品名:ミラストマー(登録商標)5030NS)を30質量部用いた以外は実施例1と同様の方法により実施例6のシートを得た。得られたシートの物性評価結果を表2に示す。
<比較例1>
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−2)を100質量部用いた以外は実施例1と同様の方法により比較例1のシートを得た。得られたシートの物性評価結果を表2に示す。
<比較例2>
スチレン系熱可塑性エラストマー(B−2)(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:タフテック(登録商標)H1221)を用いた以外は実施例1と同様の方法により比較例2のシートを得た。得られたシートの物性評価結果を表2に示す。また比較例2のシートを樹脂層(Y)として、ポリエステル製織布を表面層(Z)として、熱プレス装置で0.2MPa、150℃で30秒熱融着させた積層構造体を用いて、着圧試験による応力緩和測定を実施した。その結果を表2に示す。
Figure 0006954778
実施例1と比較例2での着圧時の引張永久歪の時間変化をプロットしたものを図1に示す。実施例1は300秒後の応力低く推移していることがわかる。一方で比較例2は大きく変化していない事が読み取れる。PS1M/PS10M値が1.8以上である伸縮性構造体を含む伸縮性構造体は、伸張後ゆっくり戻るため、例えばウェアなどの用途に適用した場合は、締め付け感が軽減され、着心地が改善されることが期待される。

Claims (5)

  1. JIS K7127に準拠して引張速度200mm/分で150%伸長した後、10分後に得られる引張永久歪(PS10M)が1%〜50%の範囲であり、
    10分後に得られる引張永久歪(PS10M)と1分後に得られる引張永久歪(PS1M)との比率PS1M/PS10Mが1.8以上であることを特徴とする樹脂組成物を含む樹脂層(Y)
    前記樹脂層(Y)の表面に積層された、紙、または天然繊維もしくは合成繊維からなる織布もしくは不織布(D)からなる表面層(Z)と、
    を含み、
    前記樹脂組成物が、下記要件(a)〜(d)を満たす4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を含有する樹脂組成物(X)を含む、
    多層構造の伸縮性構造体。
    要件(a);示差走査型熱量計(DSC)によって測定される共重合体(A)の融点(Tm)が観測されない。
    要件(b);共重合体(A)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)と、α−オレフィン(ただし、4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位(ii)との合計を100モル%として、当該構成単位(i)50〜90モル%と、当該構成単位(ii)10〜50モル%とからなる。
    要件(c);デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が、0.1〜5.0dL/gの範囲である。
    要件(d);密度(ASTM D1505にて測定)が、830〜870kg/m である。
  2. 前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)が下記要件(e)を満たすことを特徴とする、請求項に記載の伸縮性構造体。
    要件(e);−40〜150℃の温度範囲で、10rad/s(1.6Hz)の周波数で動的粘弾性測定を行って得られる、tanδピーク温度は、0℃以上40℃以下である。
  3. 前記樹脂組成物(X)が4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と熱可塑性エラストマー(B)からなる樹脂組成物(X1)である、請求項1または2に記載の伸縮性構造体。
  4. 多層シート構造を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の伸縮性構造体。
  5. 請求項に記載の伸縮性構造体を少なくとも1層含んでなる多層伸縮シート。
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