以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
図1は、本実施の形態にかかるサービス管理システム(以下、システムと略する)の構成の具体例を示す図である。以降の説明において、サービスとは、対象物(装置、プログラム等)に関する情報や作業を含み、具体的には、不具合を克服するための情報や作業などが該当する。また、他の具体例として、当該対象物に必要な情報、たとえば当該対象物で特定の動作をさせるためのプログラムなどのコンテンツの提供などであってもよい。つまり、サービスの提供とは、対象物に対する情報(コンテンツ)の提供を意味する。
図1を参照して、サービス管理システムは、対象物に関する情報等であるサービスを要求する移動端末装置の具体例としての携帯電話1、サービス管理装置としてのサービス提供サーバ(以下、サーバと略する)3、サービスの対象装置(以下、対象装置と略する)5、およびサービス提供装置としてのサポート担当者が携帯する端末装置2A,2B,2C(これらを代表させて端末装置2と称する)を含み、携帯電話1および対象装置5と、携帯電話1およびサーバ3とが、各々、通信7−1,7−2を行なっている。
対象装置5は、サーバ3を利用して提供されるサービスの対象となる装置である。たとえば、持ち運びの難しい大型の装置や重量物、一般ユーザにとっては確認し難い位置に設置されている家電などが該当する。以降の説明では、具体例として対象装置5はエアコンであるものとする。
携帯電話1と対象装置5との間の通信7−1は無線通信であり、好ましくは短距離無線通信や無線PAN(Personal Area Network)といった比較的短距離の無線通信である。具体的な通信方法としては、IrDAやIrSimple(登録商標)、BlueTooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)などが該当する。現状では、IrSimple(登録商標)やBlueTooth(登録商標)が搭載されている携帯電話や、車両やPCなどの対象装置が多く存在している。そのため、携帯電話1と対象装置5との間の通信7−1がこのような通信方法であることにより、新たな通信手段を搭載することなく、既存の通信手段を利用して本システムを構成することが可能になる。
携帯電話1とサーバ3との間の通信7−2は通信センター9(図2参照)を介した通信である。通信センター9は、具体的には携帯電話通信会社の基地局などが該当し、携帯電話1と通信センター9との間の通信7−2Aは、通常の、携帯電話と基地局との間でパケット通信を行なうための通信方法が該当する。通信センター9とサーバ3との間の通信7−2Bは、公衆回線を用いた通信や専用回線を用いた通信や無線通信など、特定の通信方法には限定されない。ここでは、具体例としてインターネットを介した通信であるものとする。
図2は、携帯電話1、サーバ3、および対象装置5のハードウェア構成の具体例を示すブロック図である。
図2を参照して、携帯電話1は、画像取得手段であるカメラ11、音声入力手段であるマイク12、音声出力手段であるスピーカ13、対象装置5と通信7−1を行なうための第1通信部14、携帯電話1全体を制御する制御部15、データやプログラムなどを記憶するための記憶部16、ボタンなどで構成される指示入力手段でもある操作部17、サーバ3と通信センター9を介して通信7−2Aを行なうための第2通信部18、ディスプレイなどで構成される画像出力手段である表示部19、位置取得手段であってGPS(Global Positioning System)を用いて携帯電話1の位置を取得するための制御を行なうGPS制御部10、および携帯電話1から電話をかけるための制御を行なう電話制御部20を含んで構成される。
制御部15はCPU(Central Processing Unit)を含んで構成され、記憶部16の所定領域にはCPUで実行されるプログラムが記憶されている。記憶されているプログラムには、カメラ11を起動して画像撮影し、画像データを取得するための撮影プログラムや、カメラ11で取得された画像データに対して所定の処理を行なうための画像処理プログラムや、マイク12を起動して録音し、音声データを得るための録音プログラムや、第1通信部14を起動して対象装置5とデータの送受信を行なうための第1通信プログラムや、後述するサポートサービスを受ける時間予約を行なうための予約アプリケーションなどであるプログラムなどが含まれる。
制御部15は操作部17からの操作信号や、所定のプログラムを実行することで生成される制御信号などに基づいて記憶部16から所定のプログラムを読み出して実行し、各部の動作や処理を制御する。
サーバ3は、携帯電話1と通信センター9を介して通信7−2Bを行なうための通信部31、サーバ3全体を制御する制御部35、データやプログラムなどを記憶するための記憶部33、および計時手段であるタイマ部37を含んで構成される。制御部35も同様にCPUを含んで構成され、記憶部33の所定領域に記憶されているプログラムを読み出して実行し、通信部31やその他の図示されない構成の動作や処理を制御する。記憶されているプログラムには、後述するサポートサービス提供の時間予約を実行するためのプログラムが含まれる。
対象装置5は、携帯電話1と通信7−1を行なうための通信部51、対象装置5全体を制御する制御部55、およびデータやプログラムなどを記憶するための記憶部53を含んで構成される。制御部55も同様にCPUを含んで構成され、記憶部53の所定領域に記憶されているプログラムを読み出して実行し、通信部51やその他の図示されない構成の動作や処理を制御する。また、記憶部53の所定領域には、対象装置5の機器情報が記憶されている。機器情報は、対象装置5を特定する情報を含み、具体的には、製造番号(シリアルナンバー)や識別子などを含む。また、その他の情報として対象装置5に関する情報として、機種名、製造者や販売者を特定する情報、当該機器の販売日や始動日時を特定する情報、および修理(サービス提供)の履歴などのサポートに関する情報、等が含まれていてもよい。このような情報は特定の操作や処理によって自動的に入力されるものであってもよいし、予め記憶されているものであってもよいし、ユーザや販売者等が入力するものであってもよい。たとえば、上記販売日の情報としては、最初に電源を入れる操作が行なわれた日時が取得され、自動的に記憶されてもよい。さらに、記憶部53に記憶されている機器情報としては、後述するように、携帯電話1において対象装置5から所定範囲内の位置において取得された携帯電話1の位置情報が、対象装置5の設置された位置を示す情報として含まれてもよい。さらに、その位置情報は、所定の操作または所定の周期で確認されて変更されたことが検出されたときなどに、更新されるものであってもよい。さらに、対象装置5には、上述のような更新されたことが対象装置5において検出された場合、その旨を携帯電話1に通知し、サーバ3に通知させるような構成が含まれていてもよい。
本システムでは、以下のような流れでサービスの提供を管理するための準備を行なうための処理が実行される。
まず第1段階として、携帯電話1においてサービスの提供を受ける日時を予約するために上記予約アプリケーションが実行されることでサービス提供に必要な情報が生成され、サービス情報として携帯電話1からサーバ3に渡される。次に、第2段階として、携帯電話1においてサービスの提供を受ける日時を予約するための処理が実行され、サーバ3においてサポートサービスを提供する予約日時を決定するための処理が実行されて、予約日時が確定される。次に、第3段階として、サーバ3において予約日時の所定時間前にサービスを提供するための事前の処理が実行されて、その後にサービスを提供するための処理が実行される。
図3は、携帯電話1において上述の本システムでの処理を実行するための機能構成の具体例を示すブロック図である。図3のブロック図に示される機能は、携帯電話1の制御部15に含まれるCPUが記憶部16に記憶されている所定のプログラムを実行することで主に制御部15に形成される機能である。または、その少なくとも一部は図2に示されたハードウェア構成によって実現される機能であってもよい。
図3を参照して、携帯電話1の上記処理を行なうための機能は、操作入力部101、予約アプリケーション実行部103、機器情報要求部105、機器情報取得部107、位置情報取得部109、送信制御部111、および予告受信部113を含んで構成される。
操作入力部101は操作部17が操作されたことによる操作信号の入力を受付け、予約アプリケーション実行部103に操作信号を入力する。予約アプリケーション実行部103は、操作信号に従って上述の予約アプリケーションを実行し、その実行に従って、機器情報要求部および位置情報取得部109に対して制御信号を出力する。
機器情報要求部105は、上記制御信号に従って第1通信部14で通信7−1を行ない、機器情報を要求する制御信号を出力する。上記要求を受信した対象装置5から通信7−1で送信された機器情報は、機器情報取得部107において取得されて、送信制御部111に渡される。位置情報取得部109は、上記制御信号に従ってGPS制御部10で取得された当該携帯電話1の位置を示す位置情報を入力し、その位置情報を対象装置5の設置位置を示す位置情報として送信制御部111に渡す。
送信制御部111は、予め通信センター9を介してサーバ3にアクセスするためのURL(Uniform Resource Locators)等のアクセス情報を記憶しており、渡された対象装置5の機器情報および位置情報を含むサービス情報を生成して、第2通信部18から通信7−2Aを行なって通信センター9を介してサーバ3に対して送信する。
予告受信部113は、第2通信部18において通信7−2Aを行なって、後述するサービス提供時の処理においてサーバ3から送信される予告情報を通信センター9を介して受信する。そして、予告情報に基づいて、位置情報取得部109に対して制御信号を出力する。位置情報取得部109は、上記制御信号に従ってGPS制御部10で取得された当該携帯電話1の位置を示す位置情報を入力し、予告情報を受取ったときの当該携帯電話1の位置情報として送信制御部111に渡す。送信制御部111は、渡された位置情報を第2通信部18から通信7−2Aを行なって通信センター9を介してサーバ3に対して送信する。
なお、通信センター9を介してサーバ3にアクセスするためのアクセス情報は、予め送信制御部111に記憶されているものではなく、送信時に操作入力部101から入力されるものであってもよい。または、予め送信制御部111に複数のアクセス情報が記憶されており、予約アプリケーション実行時に対象装置5やサービス内容に応じたアクセス情報が選択されてもよいし、操作入力部101から選択を受付けて設定されてもよい。または、アクセス情報は対象装置5から取得されるものであってもよく、その場合の1つの具体例としては、機器情報要求部105からの要求に応じて、機器情報としてアクセス情報が対象装置5から送信されてもよい。または、他の具体例として、アクセス情報がQR(Quick Response)コードなどの二次元バーコードや、一次元バーコードや、テキストなどの画像情報として対象装置5の表面に添付されており、携帯電話1においてその画像情報を読取って解析することでアクセス情報が得られてもよい。この場合、送信制御部111には、カメラ11や図示しないバーコードリーダなどの画像取得手段において光学的に取得された画像を解析してアクセス情報を取得する手段が含まれる。
図4は、サーバ3において上述の本システムでの処理を実行するための機能構成の具体例を示すブロック図である。図4のブロック図に示される機能は、サーバ3の制御部35に含まれるCPUが記憶部33に記憶されている所定のプログラムを実行することで主に制御部35に形成される機能である。または、その少なくとも一部は図2に示されたハードウェア構成および/または図2には示されていないハードウェア構成によって実現される機能であってもよい。
図4を参照して、サーバ3の上記処理を行なうための機能は、サービス情報入力部301、検索および登録部303、データ要求部304、データ取得部305、予約処理部307、時刻検出部311、コマンド送信処理部313、位置情報取得部315、判断部317、サービス提供処理部319、および遅延処理部323を含んで構成される。また、記憶部35の所定領域として、データベース記憶部302と予約記憶部309とが含まれる。
データベース記憶部302は、各機器についての機器情報とユーザ情報との対応を登録するデータベースが記憶されている。機器情報としてはサポートサービスを提供する対象としての機器を特定し得る情報であればよく、具体的には、機種名や製造番号(シリアルナンバー)などが該当する。ユーザ情報としては当該機器のユーザを特定し、アクセスし得る情報であればよく、ユーザ名や住所や電話番号などが該当する。さらに、上記データベースには、これらの対応に加えて、当該機器の販売日や修理(サービス提供)の履歴やサポート担当者またはサポート担当者が携帯する端末装置2との対応などが登録されていてもよい。このような情報は、後述する検索および登録部303における登録処理で、携帯電話1から得られたユーザ情報に基づいて登録されるものであってもよいし、オペレータ等が入力することで登録されるものであってもよい。
サービス情報入力部301は、通信部31において通信7−2を行なって携帯電話1から通信センター9を介して受信した上記サービス情報を入力し、検索および登録部303と予約処理部307とに渡す。
検索および登録部303は、上記サービス情報に含まれる機器情報を用いて上記データベースを検索し、該当する情報を抽出する。抽出された場合には、さらに対応付けられているユーザ情報に含まれるユーザの住所と上記サービス情報に含まれている対象装置5の設置位置を示す位置情報とを比較する。この結果、対象装置5に関する情報が登録されていない場合、または対応付けて登録されているユーザの住所と上記サービス情報に含まれている対象装置5の設置位置を示す位置情報出表わされる位置との差が所定距離内にない場合には、データ要求部304に対してその旨を示す信号を出力する。データ要求部304は上記信号が入力されると、携帯電話1に対してユーザ情報を要求するための要求信号を出力し、その要求に応じて携帯電話1から送信されたユーザ情報はデータ取得部305において受信される。検索および登録部303は、取得された情報をデータベースに登録するための処理を行なう。または、上記サービス情報に含まれる機器情報を用いて上記データベースを検索し、該当する情報が上記データベースから抽出されなかった場合には、機器情報と共に上記サービス情報に含まれる位置情報をユーザ情報の住所に変わる情報として、新規の情報をデータベースに登録する。
予約処理部307は、上記サービス情報を受信し、対象装置5にサービスを提供する日時を予約するための処理を実行し、確定された予約日時を示す時間情報と、上記サービス情報に含まれている機器情報および位置情報とを予約情報として予約記憶部309に記憶させる。
時刻検出部311は、タイマ部37で計時される現在時刻と予約記憶部309に記憶されている予約情報とに基づいて、予約された日時の所定時間前を検出して、コマンド送信処理部313および位置情報取得部315にその旨を示す信号を出力する。コマンド送信処理部313は、上記信号を受取ると予約された日時の所定時間前であることの予告を携帯電話1に送信するための処理を行なう。また、予約情報に基づいてサービスを提供するための情報(コマンドと称する)を端末装置2に送信するための処理を行なう。その際、上記データベースに対象装置5とサポート担当者またはサポート担当者が携帯する端末装置2との対応が記憶されている場合や、提供するサポート内容とサポート担当者とが予め対応付けられている場合などには、コマンド送信処理部313は、対応する端末装置2を検出し、その端末装置2に対してコマンドを送信してもよい。
位置情報取得部315は、上記信号を受取ると携帯電話1の位置情報を取得するための処理を行なって携帯電話1の位置情報を取得し、判断部317に渡す。判断部317は、位置情報取得部315から渡された携帯電話1の位置情報に示される位置と、予約記憶部309に登録されている予約情報のうちの対象装置5の設置位置として記憶されている位置情報に示される位置とを比較し、これらの位置の差が所定距離内であるか否かを判断する。ここでの「所定距離」は、たとえばGPSの誤差を考慮した距離であってもよいし、対象装置5からサービスの提供を受け得る距離内として具体的に10m程度の距離であってもよい。または、対象装置5の機種に応じて予め設定されている距離であってもよい。これらの位置の差が所定距離内である場合には、携帯電話1を携帯しているサービスを受けるユーザが、対象装置5からサービスの提供を受け得る距離内である対象装置5近傍にいる(たとえば在宅している)として、サービス提供処理部319に対してサービス提供の開始を指示する制御信号を出力する。上記2つの位置情報の示す位置の差が所定距離内にない場合には、その旨を示す制御信号を遅延処理部323に対して出力する。
図5は、本システムにおいてサービスを提供する日時を予約する処理を実現するための、携帯電話1、サーバ3、および対象装置5での処理の具体例を示すフローチャートである。図5に示されるフローチャートは、各々、携帯電話1およびサーバ3のCPUが所定プログラムを読み出して実行し、図3および図4の機能を制御することで実現される。また、図8は、携帯電話1において予約アプリケーションが実行された場合の携帯電話1での画面遷移の具体例を示す図であり、予約アプリケーションの実行に従って図8(A)〜図8(I)に遷移することを示している。
携帯電話1での処理は、携帯電話1において予約アプリケーションが選択され、起動することで開始される。
図5を参照して、携帯電話1において予約アプリケーションが起動すると、始めに図8(A)の画面が表示され、対象装置5から機器情報を取得するための操作が指示される。図8(A)の画面では、具体的には、対象装置5に向けて入手ボタンを押すことが指示され、その操作を受付けることで、機器情報を要求する制御信号が出力される(ステップS101)。その要求を受信した対象装置5では、その要求に従って機器情報が送信されて(ステップS301)、機器情報取得部107において取得される(ステップS103)。続いて、上記予約アプリケーションの実行に伴って位置情報取得部109において位置情報が取得される(ステップS105)。上記ステップS103で対象装置5から機器情報が取得され、上記ステップS105で携帯電話1の位置情報が取得されると図8(B)の画面が表示され、その内容の確認を受付ける。なお、上記ステップS103で対象装置5から機器情報が取得されると、上記ステップS105で携帯電話1の位置情報を取得する処理に先だって図8(C)の画面を表示させ、位置情報を取得することについての許可を受付けるようにしてもよい。その場合、上記ステップS105では、操作入力部101から許可する操作が入力された場合に位置情報が取得されるものとする。また、上述のように、対象装置5の記憶部53に機器情報として設置位置を示す情報が記憶されている場合、携帯電話1または対象装置5において上記ステップS105で取得された位置情報と比較することで、設置位置が変更されたことを検出することができる。その場合、図8(C)の画面においてたとえば「機器の位置情報を現在の位置に変更しますか?」などの表示を行なって、対象装置5の記憶部53に記憶されている設置位置を示す情報を、ステップS105で取得された位置情報に更新するか否かの指示を受付けることもできる。
続いて、ステップS103で取得された機器情報とステップS105で取得された位置情報とを含んだサービス情報が生成されて、図8(D)の画面が表示される。図8(D)の画面においてサービス情報をサーバ3に送信し予約するための処理を開始することについての指示を受付けると、送信制御部111においてサービス情報がサーバ3に対して送信される(ステップS107)。
携帯電話1および対象装置5において以上の処理が実行されることで、上記第1段階として、携帯電話1において上記予約アプリケーションが実行されることでサービス提供に必要な情報が生成され、サービス情報して携帯電話1からサーバ3に渡される処理が完了する。このような処理が実行されることで、対象装置5が運搬不可能なものであったり、高所等の確認し難い位置に設置されているものあったりしても、ユーザは対象装置5の機器情報をサーバ3に対して容易に送信することができる。また、サーバ3は正確な機器情報を得ることができ、効率的にサービスを提供させることができる。
以上で説明された携帯電話1で実行される予約アプリケーションは、上述のように予め携帯電話1の記憶部16に記憶されているものであってもよいが、携帯電話1の記憶部16には予約アプリケーションをサーバ3に要求するためのプログラムのみが記憶されており、上述の処理に先だって上記プログラムを起動して実行することで、サーバ3から取得されて記憶部16に記憶されてもよい。たとえば、1つの具体例としては、上述のように対象装置5に添付されているQRコードなどの画像情報を光学的に読取って解析することで得られたアクセス情報は、対象装置5専用の予約アプリケーションを提供するサーバ3へアクセスするためのアクセス情報である場合が挙げられる。その場合、携帯電話1では上記プログラムを起動してそのプログラムに従って上記アクセス情報を取得し、サーバ3にアクセスすることで、サーバ3から、対象装置5に対応した予約アプリケーションを取得する。取得した予約アプリケーションは携帯電話1の記憶部16に格納されて起動され、上記ステップS101以降の処理が実行される。
次に、サーバ3では、上記ステップS107で携帯電話1から送信されたサービス情報を受取ると処理が開始される。
サーバ3では、検索および登録部303において携帯電話1からのサービス情報に含まれる機器情報を用いてデータベース記憶部302に記憶されているデータベースが検索される(ステップS201)。データベースに対象装置5の機器情報が登録されていない場合(ステップS203でNO)、サービス情報に含まれる位置情報をユーザ情報の住所に変わる情報とし、検索および登録部303はサービス情報に含まれる対象装置5の機器情報と位置情報とを新規にデータベースに登録する。さらに、データ要求部304において携帯電話1に対してその他のユーザ情報が要求される(ステップS205)。また、上記ステップS203,S205では、データベースに登録されている対象装置5の機器情報に対応付けられているユーザ情報の住所とサービス情報に含まれている位置情報の示す位置との差が所定距離内でない場合にも、データベースの住所が上記位置情報に更新された上で、同様にその他のユーザ情報が要求される。
携帯電話1は、サーバ3から上記ステップS205で送信された要求を受信すると(ステップS109でYES)、予約アプリケーション実行部103においてユーザ情報を取得するための処理が実行されて図8(E)の画面が表示され、ユーザ情報の入力を受付ける。ここでは、上記要求に含まれているユーザ情報の項目が入力可能に提示されて、ユーザの入力操作を受付けてもよいし、ユーザ情報として予め定められている項目が入力可能に提示されて、ユーザの入力操作を受付けてもよい。また、予約アプリケーション実行部103において記憶部16の所定領域に記憶されているユーザ情報が読み出され、予め自動的に上記項目の入力欄に表示された状態で表示されてもよい。住所以外のユーザ情報としては、具体的にはユーザの氏名や電話番号などが該当する。上述のように、携帯電話1からサーバ3に送信されるサービス情報には対象装置5の設置位置としての位置情報が含まれるため、サーバ3の検索および登録部303ではその位置情報をユーザの住所の情報として用いることができる。そのため、ユーザ情報として改めてユーザ情報の入力を必要とせず、ユーザの登録操作が容易となる。図8(E)の画面にしたがって受付けたユーザ情報はサーバ3に対して送信される(ステップS111)。ステップS111で送信されたユーザ情報は、サーバ3のデータ取得部305において取得され、検索および登録部303においてデータベースに登録される(ステップS207)。上記データベースには、位置情報と製造番号を含む機器情報とが組合わされて登録されることで、たとえば集合住宅などほぼ同一の位置情報で同じ機器が複数存在する場合においても製造番号で世帯を特定することが可能になる。
このように、サーバ3が携帯電話1から機器情報と共に対象装置5が設置されている位置を示す位置情報を取得することで住所を入力する操作が不要となり、対象装置5のユーザ登録を容易にすることができる。また、登録されたユーザ情報に変更が生じた場合にもその変更を検出し、容易に更新することができる。
その後、携帯電話1においてはサービスを受ける日時を予約するための予約登録処理が実行され(ステップS113)、サーバ3においては予約処理部307で携帯電話1からの予約を受付けて予約記憶部309に登録するための処理が実行される(ステップS209)。
サーバ3において予約が確定して登録されると、予約の登録が完了した旨の通知が携帯電話1に対して送信され(ステップS211)、サーバ3での一連の処理が終了する。また、携帯電話1でも、上記通知を受信すると(ステップS115)、予約アプリケーションが終了し、携帯電話1での一連の処理が終了する。
なお、上記ステップS113,S209での予約を登録するための処理については、本発明において特定の方法には限定されず、予約を登録するための周知の様々な方法を採用することができる。上記ステップS113,S209での処理の1つの具体例を図6のフローチャートに示す。
図6を参照して、上記ステップS113,S209での予約を登録するための処理の1つの具体例としては、始めに、サーバ3の予約処理部307は携帯電話1に対して希望日時を要求するための制御信号を送信する(ステップS401)。携帯電話1の予約アプリケーション実行部103では上記制御信号を受信することで、図8(F)に示される希望日時を受付けるための画面を表示し操作入力部101から希望日時の入力を受付けて、その日時を示す信号をサーバ3に対して送信する(ステップS501)。
サーバ3の予約処理部307では、上記ステップS501で携帯電話1から送信された希望日時を示す信号を受信すると、予約記憶部309に登録されている予約情報を参照するなどして空き日時を検索し(ステップS405)、受信した希望日時が空き日時に該当しているか否かを判断する。その結果、希望日時が空き日時に該当している場合には(ステップS407でYES)、その日時を予約日時として確定し、確定された予約日時を示す時間情報とサービス情報などとを予約情報として予約記憶部309に登録する(ステップS413)。
希望日時が空き日時に該当していない場合には(ステップS407でNO)、予約処理部307は予約記憶部309に登録されている予約情報を参照するなどして予約を受付けることが可能な日時を次候補として抽出し、その情報を携帯電話1に対して送信する(ステップS409)。ここで抽出される次候補は、空き日時のうち上記ステップS501で受付けた希望日時に最も近い日時であってもよいし、時間が同じで日が異なる日時であってもよいし、同じ曜日であってもよい。また、そのうちのいずれか、またはそれらを組合わせて複数の候補であってもよい。
携帯電話1においては、上記ステップS501での送信に続いてサーバ3から次候補を受信すると(ステップS503でYES)、予約アプリケーション実行部103は上記ステップS501で送信した希望日時では予約が登録されなかったものとして、図8(G)に示される、受信した次候補で予約を希望するか否かを選択させるための画面、または受信した複数の次候補の中から希望する日時を選択させるための画面を表示させるなどして操作入力部101から次の希望日時の入力を受付けて、入力された希望日時をサーバ3に対して送信する(ステップS505)。
サーバ3の予約処理部307では、上記ステップS409で送信した次候補を希望日時として携帯電話1から受信すると(ステップS411でYES)、その日時を予約日時として確定し、確定された予約日時を示す時間情報とサービス情報などと共に予約情報として予約記憶部309に登録する(ステップS413)。
なお、上述の予約処理においては、予約アプリケーション実行部103は図8(H)に示される画面を表示し、予め予約日時の所定時間前に携帯電話1の位置情報を取得してサーバ3に送信することの許可を受付けることが好ましい。
携帯電話1およびサーバ3において以上の処理が実行されることで、上記第2段階として、予約日時を確定する処理が完了する。上記ステップS209で予約日時が確定して時間情報が登録され、上記ステップS211で通知が送信されることで、携帯電話1では上記ステップS115で図8(I)に示される画面が表示され、その内容が確認される。
図7は、携帯電話1およびサーバ3で、予約日時に先だって実行される処理の具体例を示すフローチャートである。図7に示されるフローチャートは、各々、携帯電話1およびサーバ3のCPUが所定プログラムを読み出して実行し、図3および図4の機能を制御することで実現される。
サーバ3での処理は、時刻検出部311において、予約日時よりも、予め時刻検出部311に記憶されている所定時間前であることが検出されることで開始される。
時刻検出部311においてタイマ部37での計時が監視されて、上記処理で予約記憶部309に登録された時間情報に基づいて予約日時の所定時間前に達したことが検出されると、コマンド送信処理部313において、サービスの提供を行なうことの予告が携帯電話1に対して送信される(ステップS601)。さらに、位置情報取得部315において携帯電話1に対して位置情報を要求する制御信号が出力される。時刻検出部311に記憶されている上記所定時間は変更可能であってもよい。また、上記所定時間は、予約情報ごとに設定されて予約情報に含まれて予約記憶部309に登録されていてもよい。また、対象装置5に応じてまたはサービスの種類に対応して時刻検出部311に記憶されており、時刻検出部311では対応する「所定時間」前が検出されてもよい。
携帯電話1においては予告受信部113で上記ステップS601で送信された予告を受信すると処理が開始される。
携帯電話1では、上記ステップS603で送信された位置情報の要求をサーバ3から受付けると(ステップS701でYES)、位置情報取得部109で位置情報が取得されて(ステップS703)、送信制御部111においてサーバ3に対して送信される(ステップS705)。
サーバ3では、位置情報取得部305において携帯電話1から上記ステップS705で送信された位置情報を取得し(ステップS605)、判断部317において、上記ステップS413で予約記憶部309に記憶された予約情報のうちの対象装置5の設置位置として記憶されている位置情報と比較される。その結果、これらが一致すると判断された場合、または上述のようにこれらの位置情報に示される位置の差が所定距離内であると判断された場合には(ステップS607でYES)、サービス提供処理部319において予約日時にサービスを提供するための処理が行なわれる(ステップS611)。具体的には、サービスの提供を行なわせるための信号を端末装置2に送信する処理が行なわれる。上述のサービスの提供を行なわせるための信号は、サービスの提供が可能な状態であることを示す信号であってもよいし、サービスの提供に必要な情報を示す信号であってもよい。
このような処理が実行されることで、サーバ3において、予約日時に携帯電話1を携帯しているユーザが対象装置5近傍にいる、具体的にはユーザの在宅を把握できる。その確認の後にステップS611でサービスを提供するための処理が行なわれることで、たとえばサービスの内容がユーザへの電話を伴う場合や、ユーザ宅の訪問を伴う場合に、それらの作業を繰返すことなく、サーバ3において効率的にサービスを提供させることができる。
上記2つの位置情報が一致していないと判断された場合、または上述のようにこれらの際が所定範囲よりも大きいと判断された場合には(ステップS607でNO)、遅延処理部323において遅延処理が実行される(ステップS609)。ステップS609での遅延処理は、具体的には、予約日時に達するまで、所定の時間間隔で上記ステップS603〜S607の処理を繰返す処理が該当する。また、その他の処理として、予約日時に達するまで上記2つの位置情報が一致していないと判断された場合には、予約日時を変更する処理が行なわれてもよい。具体的には、上記ステップS409〜S413の処理が再度実行されて、次の予約を受付けるようにしてもよい。または、予約日時経過後も所定の時間間隔で上記ステップS603〜S607の処理を繰返して携帯電話1の位置を取得し、対象装置5から所定範囲内にあることが確認された時点で、空き時間であるか否かを確認し、空き時間であればステップS611の処理を実行してサービスを提供するようにしてもよい。
携帯電話1および対象装置5において以上の処理が実行されることで、上記第3段階として、サーバ3において予約日時の所定時間前にサービスを提供するための事前の処理が完了する。
このような処理が実行されることで、サーバ3では効率的なサービスの提供をさせることが可能となる。また、よりユーザの希望に沿った日時でサービスを提供させることが可能となる。
なお、以上の説明では上記対象装置5の設置位置を示す位置情報として、その近傍で携帯電話1において取得された当該携帯電話1の位置情報が用いられるものとしている。しかしながら、他の例として、上述のように対象装置5の記憶部53に記憶される機器情報に対象装置の設置位置を示す位置情報が含まれ、携帯電話1において通信7−1で対象装置5から記憶された設置位置を示す位置情報を含む機器情報を取得することでその位置情報をサービス情報としてサーバ3に送信してもよい。この場合、対象装置5の位置情報は、設置時等に予め入力し記憶させておいてもよい。
[変形例]
以上の説明では、予約日時の所定時間前になったことが検出されると、サーバ3において携帯電話1の位置を示す位置情報が取得されて予約時に送信された位置情報と比較されてサービスの提供が判断されているが、上記判断を行なう装置はサーバ3に限定されず、その他の装置であってもよい。その他の装置としては、たとえば携帯電話1において行ない、その判断結果をサーバ3に送信するようにしてもよい。
図9は、変形例にかかる携帯電話1’において予約日時の所定時間前の携帯電話1’の位置が対象装置5の設置位置として記憶された位置から所定範囲内にあるか否かを判断する場合の、携帯電話1’の機能構成の具体例を示すブロック図である。図9に示される機能構成は、図3に示された携帯電話1の機能構成に加えて、位置情報記憶部115および判断部117をさらに含んで構成される。
位置情報取得部109は、サービス提供のための日時を予約するために予約アプリケーション実行部103で上記予約アプリケーションが実行されることで予約アプリケーション実行部103から出力される制御信号に従って位置情報を取得し、送信制御部111に渡すと共に、位置情報記憶部115に記憶させる。
予告受信部113においてサーバ3から上記予告を受信すると、位置情報取得部109は携帯電話1’の位置情報を取得し、判断部117に入力する。判断部117は、入力された(そのときの)位置情報と、位置情報記憶部115に記憶されている(予約を行なった際の)位置情報とを比較して、これらの位置情報で示される位置の差が所定距離内であるか否かを判断し、その結果を送信制御部111に渡して、サーバ3に送信する。
図10は、上記判断を行なう変形例にかかる携帯電話1’から判断結果を取得して、サービス提供のための処理を行なう、変形例にかかるサーバ3’の機能構成の具体例を示すブロック図である。図10に示される機能構成は、図4に示されたサーバ3の機能構成のうちの位置情報取得部315に替えて判断結果取得部321を含んで構成され、携帯電話1’から上記判断結果を取得し、判断部317がその結果に応じてサービス提供処理部319または遅延処理部323に処理を実行させる。
変形例においては、携帯電話1’およびサーバ3’が各々図9および図10に示された機能構成であって、図7に示された処理のうち、ステップS605,S607が携帯電話1’において実行されて、ステップS705では、そのときの携帯電話1の位置情報に替えて携帯電話1’における上記判断結果がサーバ3’に送信される。そして、上記ステップS607では判断部317がその判断結果が上記2つの位置情報の示す位置の差が所定距離内であるか否かを判断し、その結果に応じてステップS609の遅延処理またはステップS611のサービス提供処理を実行させる。
このような構成とすることで、予約時刻の所定時間前の携帯電話1の位置情報がサーバ3において取得されることなく、携帯電話1においてその位置情報を用いて行なわれた判断結果のみがサーバ3で取得される。そのため、サーバ3による携帯電話1の位置取得の回数を抑えることができる。その結果、携帯電話1のユーザのプライバシーに配慮して効率的なサービスを提供することが可能になる。また、位置情報が通信7−2で送信される回数を抑えることができる。その結果、セキュリティ性を高めつつ効率的なサービスを提供することが可能になる。
また、さらに他の変形例として、本システムに上記判断を行なうための、図9に示された位置情報記憶部115および判断部117を含んだ専用の処理装置が含まれて、予約時刻の所定時間前に、上記処理装置において上記判断が行なわれ、その結果がサーバ3に送信されるようにしてもよい。この場合、携帯電話1と上記処理装置との間の通信方式は暗号化された通信等、セキュリティ性の高い通信方式であることが好ましい。このような構成とすることでも、携帯電話1のユーザのプライバシーに配慮して効率的なサービスを提供することが可能になり、また、セキュリティ性を高めつつ効率的なサービスを提供することが可能になる。
さらに、上述の予約アプリケーションや、サーバ3または携帯電話1’において予約日時の所定時間前に行なわれる処理を実行させるためのプログラムを、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム機器として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーションシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
提供されるプログラム機器は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム機器は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1’ 携帯電話、2,2A,2B,2C 端末装置、3,3’ サーバ、5 対象装置、7−1,7−2 通信、9 通信センター、10 GPS制御部、11 カメラ、12 マイク、13 スピーカ、14 第1通信部、15 制御部、16 記憶部、17 操作部、18 第2通信部、19 表示部、20 電話制御部、31 通信部、33 記憶部、35 制御部、37 タイマ部、51 通信部、53 記憶部、55 制御部、101 操作入力部、103 予約アプリケーション実行部、105 機器情報要求部、107 機器情報取得部、109 位置情報取得部、111 送信制御部、113 予告受信部、115 位置情報記憶部、117 判断部、301 サービス情報入力部、302 データベース記憶部、303 検索および登録部、304 データ要求部、305 データ取得部、307 予約処理部、309 予約記憶部、311 時刻検出部、313 コマンド送信処理部、315 位置情報取得部、317 判断部、319 サービス提供処理部、321判断結果取得部、323 遅延処理部。