JP4924360B2 - 携帯機器 - Google Patents

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Description

本発明は、開口が形成された筐体と、その開口の一縁を回動軸として開閉してその開口を開閉自在に覆う蓋とを備えた携帯機器に関する。
近年、携帯電話機や携帯型のゲーム機器などの携帯機器が広く普及している。これらの携帯機器は益々高機能化されてきており、さらに近年では防水機能も求められてきている。
携帯機器、例えば携帯電話機には、例えば外部機器との接続用の開口が形成されており、そういった開口に、小型化を損うことなく如何にして高い防止性を付与するかが問題となる。
電池を装着するための開口に関し、例えば特許文献1には、電池パック収納部をOリングと内カバーとで防水を行なうことが開示されており、また、特許文献2には電池蓋と防水パッキンとで電池ポケットの防水を行なうことが開示されている。
特開2004−56164号公報 特開平11−25940号公報
ここで、開口周りについて防水性を付与するのに重要なことは、小型化、軽量化を損うことなく、何度も開閉しても閉じたときには確実に防水性を発揮することである。
ここで、開口部に防水性を付与するには、その開口部を覆う蓋にパッキンあるいはOリングを固定しそのパッキンあるいはOリングを開口周縁または開口内壁に押し当てることが一般的に考えられるが、その場合に、そのパッキンやOリングが捩れてしまわないように、大きな横向きの力を与えずにパッキンやOリングを押し当てる必要がある。このためには、その開口を覆う蓋をその開口の真上から押し当てるのが最良であるが、蓋を本体に連結したまま蓋を開口の真上から押し当てる構造を実現しようとすると複雑な構造が必要となり、小型化の要請に反する結果となる。防水性が考慮されていない場合の、このような開口の蓋としては、その一辺が本体にヒンジ結合されてそのヒンジを中心に開閉する構造が一般に採用されており、小型化や構造の簡易化の観点からはその構造をそのまま採用することが好ましい。しかしながら、その場合、蓋を閉じるたびに、その蓋に取り付けたOリング等の防水部材に、横向きの力が加わってそのOリング等に捩れが生じ、この捩れによりその蓋を持ち上げる方向の力が生じて防水性能を低下させる原因となり、また蓋が少し開きぎみとなって外観上も不都合を生じるおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑み、本体に対し扉状に開閉する蓋を備えた一般的な構造を踏襲しつつ防水部材の捻れを抑え確実な防水性能と良好な外観を実現する携帯機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の携帯機器は、開口が形成された筐体と、その開口の一縁を回動軸として開閉してその開口を開閉自在に覆う蓋とを備えた携帯機器において、
上記蓋が、
この携帯機器の外形の一部を担う本体板部と、
本体板部の上記開口側の面から突出した状態に形成されその開口に嵌入する、Oリングが配置される外周を一周した溝が形成された嵌入突部とを有し、さらに、
上記溝に嵌め込まれ上記開口内壁面に接して開口内への水の浸入を防止する防水用Oリングを備えたものであって、
上記嵌入突部が、少なくとも、上記回動軸とは反対側の部分において上記溝内に突出して形成されその溝の幅を狭めてその溝に配置されたOリングを幅方向に押圧する、その溝に沿って分散配置された複数の押圧リブを有することを特徴とする。
本発明の携帯機器は、分散配置された上記の複数の押圧リブを備えてOリングを幅方向に押圧する構造を採用したため、蓋の開閉時にOリングに横向きの力が加わってもそのOリングに捻れが生じることが防止され蓋の開閉を繰り返しても防水性能が維持されるとともに、蓋のそのOリングの捻れによる浮きの発生が防止されて、外観上も良好となる。
本発明では、押圧リブを分散配置したことにより、蓋を閉めたときにOリングが押されて変形する余地が溝内に十分残されており、例えばOリングを嵌め込む溝の幅自体を狭めOリングが変形するスペースが奪われた場合のような防水性能の低下は生じない。
ここで、本発明の携帯機器において、上記複数の押圧リブは、上記溝を形成する両側の壁から互いに向かって突出した一対の押圧リブが上記溝に沿って複数対分散配置されたものであることが好ましい。
Oリングを溝の一方のみから押すとその部分でOリングが蛇行し不用意な圧がかかるおそれがあるが、Oリングを一対の押圧リブで溝の両側から押圧することにより、Oリングの蛇行が防止され、防水性能を一層高度に保つことができる。
また、本発明の携帯機器において、上記蓋の嵌入突部が、
上記開口の一縁に対応する位置に、上記筐体の、その一縁の内側に入り込んで筐体に回動自在に係止されて回動軸を形成する回動軸用突起部と、
上記開口の、その一縁の反対側に対応する他縁の内側に入り込んでその他縁に係止し、この蓋を閉状態に維持する係止突起部とを有することが好ましい。
開口を覆う蓋を本体筐体に完全に固定する代わりに、後述する実施形態に示すような構造も広く採用されている。
さらに、本発明の携帯機器において、上記開口が長円形の開口であって、上記嵌入突部が開口に嵌入する長円形状に突出した形状を有し、
上記蓋が、嵌入突部の長軸の一端側に形成されて短軸に平行に延びる回動軸の回りに回動して開閉し、上記押圧リブが、少なくとも、その長軸の他端側に形成されていてもよい。
Oリングの、蓋の開閉のヒンジ部から離れた部分に横向きの大きな力が働くため、本発明は、長円形の開口を塞ぐような場合に、特に有効である。
さらに、本発明の携帯機器は、上記筐体内部の、上記開口から覗く位置に、外部機器との電気的接続のためのコネクタを備えたものであってもよい。
本発明は、外部機器との接続用に設けられた筐体開口を塞ぐ構造として好適である。
さらに、本発明の携帯機器は、無線通信機能を有する携帯電話機であってもよい。
本発明は携帯電話機に好適に適用することができる。
以上の本発明によれば、蓋の開閉を繰り返してもOリングの捻れが押えられ、確実な防水性能と良好な外観が維持される。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の携帯機器の一実施形態である携帯電話機の外観を示す斜視図である。
この携帯電話機1は、本体ユニット10と、表示ユニット20とを有し、表示ユニット20は本体ユニット10に軸支されて開閉する構造となっている。
本体ユニット10には、ユーザによる操作を受けて電話番号やその他様々な情報を入力するためのキー11が多数配列されており、また、その下端部には、内部のマイクロホンに通じる送話口12が設けられている。
また、表示ユニット20にはその中央に画像表示用の表示画面21が備えられており、その上部には、内部の発音体からの音を出力するための受話口22が備えられている。
この携帯電話機1には、無線電話機能のほか、電子メールの送受信機能やその他の様々な機能が組み込まれているが、本実施形態はそれらの機能自体は主題ではなく、ここではそれらの詳細は割愛する。
図2は、本体ユニットをその背面側から見たときの斜視図である。
この本体ユニット10の筐体13の側面には、開口(図示せず)が形成されており、その開口を開閉自在に塞ぐ蓋14が備えられている。
また、この本体ユニット10には、開閉自在なリアカバー15が備えられており、このリアカバー15を開けた内部には電池パックが装填される電池室が設けられ、電池パックが装填されている。この携帯電話機1は、その装填された電池パックから電力供給を受けて動作する。
この携帯電話機1は、蓋14の内部だけでなく、リアカバー15の内部も水密構造となっており、またその他の部分も全て水密構造となっていて防水性能を有する携帯電話機であるが、以下では、本実施形態に特有な、蓋14の構造について説明する。
図3は、蓋14を内側から見て、Oリングを分解して示した斜視図、図4は、Oリングを嵌めてない状態の蓋の内側の部分拡大図である。
また、図5は、Oリングを嵌めた状態の蓋の六面図であり、(A)は平面図、(B)は左側面図、(C)は右側面図、(D)は上面図、(E)は下面図、(F)は背面図である。
さらに、図6は、筐体の開口と、その開口を塞ぐときの蓋の動きを示した図である。
この蓋14は、筐体13に形成された開口15(図6参照)をその開口15の一縁(図6の下側の縁)を回動軸として開閉して開口15を開閉自在に覆う蓋であって、本体板部141と嵌入突部142とを有する。
本体板部141は、この携帯電話機1の外形の一部を担うものである。
また、嵌入突部142は、本体板部141の、開口15側の面(内側の面)141aから突出した形状を有し、筐体13に形成された開口15に嵌入するものである。この嵌入突部142の側面には、その外周を一周する、Oリング配置用の溝142aが形成されている。この溝142aには、Oリング17が嵌め込まれる。このOリングは、図6に示すように、開口15を形成する、筐体13の壁面131に一周に渡って接触して、この開口15からの水の侵入を防止する役割りを担っている。ここで、開口15は、上下に長い長円形状を有しており、嵌入突部142も、その開口15の形状に合わせ、上下に長い長円形状を有している。
ここで、この溝142aの、図3の上側の部分には、その溝142aの内側に突出してその溝142aの幅を狭める複数の押圧リブ142bが形成されている。これら複数の押圧リブ142bは、溝142aを形成する両側の壁から互いに向かって突出した一対の押圧リブ142bが溝142aに沿って複数対(ここに示す例では3対)分散配置されたものである。
これらの押圧リブ142bは、この溝142aに配置されたOリング17を幅方向に押圧し、この蓋14の開閉時にOリング17に加わる横向きの力には、Oリング17の捻れを防止する役割りを担っている。
さらに、この蓋14の本体板部141の下側には、筐体13内に挿入されてこの蓋14が開いているときであっても筐体13から容易には抜け落ちないようにするためのフラップ143を有し、またこの蓋14の嵌入突部142の下端には回動軸用突起部144が形成されており、さらに、この嵌入突部142の上端、すなわち、嵌入突部142の長円形状の長軸の、回動軸用突起部144に対する反対側の位置には、係止突起部145が形成されている。溝141a内に突出した押圧リブ142bは、係止突起部145側に形成されている。
ここで、回動軸用突起部144は、図6に示すように、筐体13の開口15の内側に入り込んで筐体13に回動自在に係止されて、この嵌合突部142の長円形状の短軸と平行な回動軸を形成するものである。
また、係止突起145は、これも図6に示すように、筐体13の開口15の内側に入り込んで筐体13に係止され、蓋14を閉状態に維持するためのものである。
この蓋14で開口15を閉じるときは、図6に示すように、回動軸用突起部144を筐体13の開口15の縁に係止させて蓋14を図6に示す矢印の方向に回動させ、係止突起145を、開口15の他方の縁に係止させる。このとき、Oリング17の、蓋14の動きが大きい、係止突起145側の部分で、筐体13の開口を形成している内壁と摺れて、Oリング17に、そのOリング17を捻る方向の力が働くが、上述したように、この部分には分散配置された押圧リブ142bが形成されているため、Oリングの捻れが防止される。また、このOリング17は、開口15を形成している内壁に接して変形するが、押圧リブ142は、Oリング17とほぼ点接触的に分散して接しているだけなので、そのOリング17が変形しても溝142aの内部にその変形した部分が収容され、十分な防水性能が発揮することができる。またOリング17の捻れが防止されることから、蓋14を閉じたときの、そのOリング17の捻れが元に戻ろうとすることによる蓋14の浮き上がりが防止され、外観上も優れたものとなる。
この開口131の内側には、例えば、外部機器(図示せず)との接続用のコネクタ18等が配置され、蓋14を開けた状態で外部機器と接続され、その接続を外したときは蓋14が閉じられて防水性が確保される。
尚、上記の実施形態では、Oリング17を押圧する押圧リブ142bは、蓋14の開閉時の動きの大きな一部分にのみ形成されているが、溝142aに沿った、さらに広い範囲、例えばその溝142の全周に渡って分散配置されていてもよい。
また、押圧リブは、溝142aを形成している両側の壁から互いに向かって突出するように対に形成されているが、水の侵入が防止できさえすればよく、必ずしも両壁に対に形成されている必要はない。
本発明の携帯機器の一実施形態である携帯電話機の外観を示す斜視図である。 本体ユニットをその背面側から見たときの斜視図である。 蓋を内側から見て、Oリングを分解して示した斜視図である。 Oリングを嵌めてない状態の蓋の内側の部分拡大図である。 Oリングを嵌めた状態の蓋の六面図である。 筐体の開口と、その開口を塞ぐときの蓋の動きを示した図である。
符号の説明
1 携帯電話機
10 本体ユニット
13 筐体
14 蓋
15 リアカバー
17 Oリング
18 コネクタ
20 表示ユニット
131 壁面
141 本体板部
142 嵌入突部
142a 溝
142b 押圧リブ
145 係止突起部

Claims (6)

  1. 開口が形成された筐体と、前記開口の一縁を回動軸として開閉して該開口を開閉自在に覆う蓋とを備えた携帯機器において、
    前記蓋が、
    当該携帯機器の外形の一部を担う本体板部と、
    前記本体板部の前記開口側の面から突出した状態に形成され該開口に嵌入する、Oリングが配置される外周を一周した溝が形成された嵌入突部とを有し、さらに、
    前記溝に嵌め込まれ前記開口内壁面に接して該開口内への水の浸入を防止する防水用Oリングを備えたものであって、
    前記嵌入突部が、少なくとも、前記回動軸とは反対側の部分において前記溝内に、該溝の開口から底にわたって一定の突出量で突出して形成され該溝の幅を、該溝の開口から底にわたって前記防水用Oリングの太さよりも狭めて該溝に配置された該防水用Oリングを幅方向に押圧する、該溝に沿って分散配置された複数の押圧リブを有し、
    前記押圧リブが、前記溝を形成する両側の壁のうち少なくとも一方の壁から他方の壁に向かって突出するとともに、該一方の壁上を該溝の開口側から該溝の底側に向かって延びる、該他方の壁に向いている面が曲面である柱形状を有していることを特徴とする携帯機器。
  2. 前記複数の押圧リブは、前記溝を形成する両側の壁から互いに向かって突出した一対の押圧リブが前記溝に沿って複数対分散配置されたものであることを特徴とする請求項1記載の携帯機器。
  3. 前記蓋の前記嵌入突部が、
    前記開口の前記一縁に対応する位置に、前記筐体の、前記一縁の内側に入り込んで該筐体に回動自在に係止されて前記回動軸を形成する回動軸用突起部と、
    前記開口の、前記一縁の反対側に対応する他縁の内側に入り込んで該他縁に係止し、当該蓋を閉状態に維持する係止突起部とを有することを特徴とする請求項1又は2記載の携帯機器。
  4. 前記開口が長円形の開口であって、前記嵌入突部が該開口に嵌入する長円形状に突出した形状を有し、
    前記蓋が、前記嵌入突部の長軸の一端側に形成されて短軸に平行に延びる回動軸の回りに回動して開閉し、前記押圧リブが、少なくとも、該長軸の他端側に形成されていることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項記載の携帯機器。
  5. 前記筐体内部の、前記開口から覗く位置に、外部機器との電気的接続のためのコネクタを備えたことを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項記載の携帯機器。
  6. 当該携帯機器が、無線通信機能を有する携帯電話機であることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1項記載の携帯機器。
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