JP4923643B2 - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼の連続鋳造方法に関し、詳しくは、鋳片のコーナー部を圧下しながら鋳造する鋼の連続鋳造方法に関するものである。
鋼の連続鋳造においては、鋳片に各種の表面割れが発生することが知られている。この表面割れは、特に直送圧延やホットチャージ圧延を行う場合には、熱間において欠陥を検出したり、表面手入れをしたりすることが必要なため、工程上の障害を招き、また生産性を著しく阻害する。また、表面割れを鋳片段階で除去できなかった場合には、圧延後に手入れが必要になる。
鋳片の表面割れには、凝固点近傍の凝固割れが起点となって鋳型で発生し、二次冷却帯で拡大する、所謂縦割れ(鋳造方向の割れ)と、鋼の脆化温度域で発生する、結晶粒界に沿った所謂横割れとがあるが、後者の横割れは、主に鋳片の曲げ変形及び矯正変形に伴う応力により発生し、連続鋳造工程のような低歪速度での変形時に発生しやすく、また、800℃近傍の脆化温度域において極めて発生しやすくなることが知られている。このような低歪速度での変形時における鋼の高温脆化は、主に、AlN、NbC、Nb[C・N]、VC、V[C・N]などの炭窒化物の析出や、[Fe・Mn]Sなどの硫化物の析出に起因していると考えられている。横割れは、鋳片における発生位置や形状などから、横ヒビ割れ、コーナー割れ、カギ割れなどと呼ばれているが、発生機構は同一である。ここでは、これらをまとめて横割れと称する。
従来から実施されてきた横割れ低減対策は、鋳片表面に最も歪つまり応力が作用する位置である、鋳片の曲げ部及び矯正部における鋳片表面温度を上述の脆化温度域から回避するように冷却パターンを設定したり、上述した有害析出物の低減による高温延性の向上を目的として、Al、Nb、V、B、Nなどの含有量を低減する、或いは、Tiを添加して無害なTiNを優先的に析出させたりする方法である。
しかしながら、鋳片の曲げ部や矯正部において脆化温度域を回避するために、二次冷却水を減少したり、温度低下の特に大きい鋳片コーナー部の冷却水をカットする所謂「幅切り」を実施したりして、緩冷却化を強化しすぎると、凝固シェルが薄くなって、ロール間のバルジングが発生し、それによる表面割れ及び内部割れの発生や、湯面変動などの別の欠陥を発生させることになる。このような制約から、特に脆化温度範囲が広い、Nb及びVなどの合金元素を含有する鋼では、鋳片の表面温度の制御のみでは、脆化温度域を完全に回避するということは実際には不可能であった。
また、鋼の材質特性上の要求から、Nb、Vなどの元素の添加は不可欠なため、含有量を減少させることは不可能であったり、鋼種によってはTiの添加により低温靱性の低下を生じたりする場合があり、上述のような成分系からの対策も、抜本的な対策にはなっていなかった。特に、鋳片コーナー部では、鋳片の他の部位に比べて温度が下がりやすいことや、オシレーションマークによる切欠き作用の影響により、横割れの発生が顕著であった。
この横割れの低減を目的として、特許文献1には、曲げ部及び矯正部を経て鋳片を連続鋳造する際に、鋳片のコーナー部に生じたオシレーションマークの凸部を、前記曲げ部の上方位置で圧下し、平坦化させる方法が提案されている。特許文献1によれば、オシレーションマークが平坦化されることにより、曲げ部及び矯正部での応力集中が軽減され、横割れが防止できるとしている。
特開2000−197953号公報
特許文献1は、横割れの防止手段として有効であるが、具体的な実施条件が明確でない。即ち、鋳片のコーナー部を圧下する際の鋳片温度は500℃以上とすることが好ましいとしており、実施例では、鋳片コーナー部の表面温度が750〜800℃の範囲で圧下を行っており、鋼の脆化温度域或いは脆化温度域よりも低温側で実施している。本発明者等の検討結果によれば、鋳片コーナー部の表面温度が750〜800℃の時点で鋳片コーナー部を圧下しても、横割れ防止効果は十分に発揮されないことが確認されている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、鋳片のコーナー部を圧下しながら鋳造する鋼の連続鋳造方法において、コーナー部を圧下する時点の鋳片表面温度を限定し、より一層横割れの発生を防止することのできる、鋼の連続鋳造方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る鋼の連続鋳造方法は、少なくとも垂直曲げ型スラブ連続鋳造機の矯正部よりも上流側で、スラブ鋳片のコーナー部を圧下しながら溶鋼を連続鋳造するに際し、前記連続鋳造機の湾曲部に鋳片支持ロールとは独立して設置した、外広がりのテーパー部を両端部に備えた糸車状ロールまたは前記コーナー部と相対する圧下ロールを用い、前記コーナー部の鋳片表面温度を900℃以上としてコーナー部を斜めの方向から圧下し、鋳片矯正時の鋳造方向の引張応力に起因する鋳片横割れを防止することを特徴とするものである。
第2の発明に係る鋼の連続鋳造方法は、第1の発明において、連続鋳造機の二次冷却帯で前記コーナー部を冷却せずにコーナー部の鋳片表面温度を900℃以上に制御することを特徴とするものである。
第3の発明に係る鋼の連続鋳造方法は、第1の発明において、連続鋳造機内で前記コーナー部を900℃以上に加熱した後に、コーナー部を圧下することを特徴とするものである。
本発明によれば、コーナー部の鋳片表面温度を900℃以上とした条件でコーナー部を圧下するので、鋳片コーナー部の横割れを効率良く回避することができ、横割れの検出や手入れといった補助的工程を要することなく、連続鋳造工程から熱間圧延工程へと鋳片を直行させることが可能となる。その結果、生産性の向上や省エネルギー化、ひいてはコスト低減に大きく寄与し、工業上有益な効果がもたらされる。
以下、本発明を具体的に説明する。
先ず、図1を用いて本発明を実施する際に用いるスラブ連続鋳造機を説明する。図1は、本発明を実施する際に用いる垂直曲げ型スラブ連続鋳造機の側面概要図である。図1は垂直曲げ型スラブ連続鋳造機であるが、湾曲型スラブ連続鋳造であっても本発明を適用することができる。
垂直曲げ型スラブ連続鋳造機1には、溶鋼11を冷却して凝固させ、スラブ鋳片12の外殻形状を形成するための鋳型5が設置され、この鋳型5の上方所定位置には、取鍋(図示せず)から供給される溶鋼11を鋳型5に中継供給するためのタンディッシュ2が設置されている。一方、鋳型5の下方には、サポートロール6、ガイドロール7及びピンチロール8からなる複数対の鋳片支持ロールが配置されており、鋳型5から引き抜かれるスラブ鋳片12は、これらの鋳片支持ロールに支持されながら鋳造方向下方に引き抜かれる。このうち、ピンチロール8は、スラブ鋳片12を支持すると同時にスラブ鋳片12を引き抜くための駆動ロールである。
鋳型5の出口から1mないし5m程度離れた位置に配置される複数対のガイドロール7は、スラブ鋳片12の支持・案内方向が鉛直方向から湾曲方向へと方向を変える曲げ部16を構成している。つまり、鋳型5から鉛直方向に引き抜かれた平板上のスラブ鋳片12は曲げ部16で次第に円弧状に曲げられ、半径が一定の湾曲部へと矯正されるようになっている。同様に湾曲部が水平線に接触する位置の近傍に配置される複数対のガイドロール7は、スラブ鋳片12の支持・案内方向が湾曲方向から水平方向へと方向を変える矯正部17を構成している。つまり、円弧状のスラブ鋳片12は矯正部17で次第に平板上に曲げ戻され、水平部へと矯正されるようになっている。尚、図1では、曲げ部16及び矯正部17ともに複数対のガイドロール7で構成されているが、一対のガイドロールのみで構成してもよい。本発明の曲げ部16及び矯正部17は、一対のガイドロールで矯正する場合も含むものとする。
鋳造方向に隣り合う鋳片支持ロールの間隙には、水スプレーノズル或いはエアーミストスプレーノズルなどのスプレーノズル(図示せず)が配置された二次冷却帯が構成され、二次冷却帯のスプレーノズルから噴霧される冷却水(「二次冷却水」ともいう)によってスラブ鋳片12は引き抜かれながら冷却されるようになっている。
タンディッシュ2の底部には、タンディッシュ2から鋳型5に注入される溶鋼11の流量を調整するためのスライディングノズル3が設置され、このスライディングノズル3の下面には、溶鋼11を鋳型5に注入するための耐火物製の浸漬ノズル4が設置されている。また、鋳片支持ロールの下流側には、鋳造されたスラブ鋳片12を搬送するための複数の搬送ロール9が設置されており、この搬送ロール9の上方には、鋳造されるスラブ鋳片12から所定の長さのスラブ鋳片12aを切断するための鋳片切断機10が配置されている。
タンディッシュ2に注入された溶鋼11は、タンディッシュ2から浸漬ノズル4を介して鋳型5に注入され、鋳型5に鋳造された溶鋼11は鋳型5で冷却されて凝固シェル13を形成し、内部に未凝固層14を有するスラブ鋳片12として、サポートロール6、ガイドロール7及びピンチロール8からなる複数対の鋳片支持ロールに支持されつつ下方に連続的に引き抜かれる。鋳型5の溶鋼湯面上には、モールドパウダー(図示せず)を添加する。スラブ鋳片12を引き抜きながら、二次冷却帯によって冷却する。冷却されたスラブ鋳片12は、凝固シェル13の厚みを増大して、やがて凝固完了位置15で中心部までの凝固を完了する。このようにして鋳造したスラブ鋳片12を鋳片切断機10により切断してスラブ鋳片12aを得る。スラブ鋳片12aは、次工程の熱間圧延工程に搬送される。尚、湾曲型スラブ連続鋳造機は、曲げ部16が設置されていない以外は、垂直曲げ型スラブ連続鋳造機1と同様の構造である。
本発明は、このようなスラブ連続鋳造機を用い、鋳造中のスラブ鋳片12のコーナー部を圧下しながら、溶鋼11の連続鋳造を行うものである。
スラブ鋳片12のコーナー部は、オシレーションマークが深く残存しており、スラブ鋳片の曲げや矯正時にオシレーションマークの部位に応力が集中しやすく、且つ、スラブ鋳片の他の部分に比べて表面温度が低下しやすく、湾曲型連続鋳造機及び垂直曲げ型連続鋳造機における鋳片の矯正時に脆化温度域になりやすいことから、横ヒビ割れ、コーナー割れ、カギ割れなどと呼ばれる横割れが発生しやすい。
尚、本発明において鋳片の曲げとは、垂直曲げ型連続鋳造機において垂直部の平板状の鋳片を円弧状に曲げることであり、鋳片の矯正とは、湾曲型連続鋳造機及び垂直曲げ型連続鋳造機において円弧状の鋳片を水平面に沿って平板状に曲げることである。鋳片の曲げは垂直型連続鋳造機の曲げ部で行われ、鋳片の矯正は湾曲型連続鋳造機及び垂直曲げ型連続鋳造機の矯正部で行われる。
鋳片のコーナーを圧下する手段としては、例えば図2(A)に示すように、両端部に外広がりのテーパー部を備えた糸車状ロール18でスラブ鋳片12のコーナー部の2箇所を同時に圧下する方法、或いは、図2(B)に示すように個別の圧下ロール19で各コーナー部をそれぞれ圧下する方法などを採用することができる。図2は、鋳片コーナー部の圧下方法を示す平面概略図である。尚、図1では、糸車状ロール18及び圧下ロール19を図示していない。
本発明においては、コーナー部の鋳片表面温度が900℃以上の条件で、コーナー部を圧下することを必須条件としている。一般的に、コーナー部は、鋳片の長辺側と短辺側の両方向から冷却されるので、鋳片のほかの部分に比べて温度が降下しやすい。このため、900℃以上という温度を確保するために、二次冷却によるコーナー部の冷却を停止したり、或いは減少したり、更には、連続鋳造機内で高周波加熱などによって積極的にコーナー部を加熱したりすることも効果的である。尚、900℃以上という温度条件は、前述した特許文献1の実施例で行われている温度域よりも100℃ないし150℃以上高い温度である。
本発明者等の実験や検討により、900℃以上の温度域で鋳片に加工歪を与えることにより、800℃近傍の鋼の高温脆化が大幅に軽減されることが確認されている。図3に、本発明者等による試験結果を示す。図3は、試験片を800〜1000℃の温度に加熱して試験片に加工を加えた後、800℃の温度に保持して引張試験を実施したときの絞り値(=RA)である。絞り値が高いほど、延性に優れる。図3に示すように、900℃未満の試験片に加工歪を与えても、延性の十分な改善はみられず、脆化を回避できないことが確認されている。このように、900℃以上の高温の鋼に加工歪を与えることで延性の回復がみられることは、組織の微細化や、炭窒化物の析出の制御による効果と考えられる。
尚、900℃以上の高温域で鋳片に圧下を加えることについては、基本的に脆化温度域よりも高温側での加工であり、しかも、脆化による延性低下が著しい低歪速度ではなく、比較的延性低下が起きにくい高歪速度での加工であることから、コーナー部の圧下加工によって鋳片に割れなどの発生を起こすことの危険性はほとんどないといえる。
また、一般的に、コーナー割れ(鋳片コーナー部の横割れ)は、湾曲型連続鋳造機及び垂直曲げ型連続鋳造で鋳造された鋳片の上面側のコーナー部に発生しやすい。これは、連続鋳造機内における鋳片の矯正時に、鋳片上面側に鋳造方向の引張応力が作用するからであり、また、この鋳片矯正時の表面温度は、特にコーナー部で800℃付近となることが多く、鋼の脆化温度域にほぼ相当していることから、割れ感受性が高くなっているからである。
このため、横ヒビ割れ及びコーナー割れなどの横割れは、矯正部で発生することが多い。従って、鋳片が矯正部にさしかかるよりも以前に、脆化軽減のための圧下を加えることが必要である。ところが、矯正部付近では、コーナー部の表面温度は、上述のように、800℃近傍まで下がっていることが多く、この状態で圧下を加えても、前述した図3のデータのように、延性の回復は期待できない。従って、特に、コーナー部について、コーナー部の冷却を抑制したり、積極的に加熱したりすることによって、900℃以上という温度を確保することが効果的である。
このような、圧下による歪付加の効果は、コーナー部に限定されるわけではないが、内部が未凝固の状態の鋳片に圧下加工を行うことは、内部割れの発生などのリスクを伴い、場合によっては、鋳片に予期せぬ形状変化を与えて、操業トラブルにつながる可能性もある。この点、鋳片のコーナー部は、その形状から圧下に対して比較的強靭であり、本発明者等は、実験結果から、圧下を実施しても、操業・品質上の問題は発生しないことを確認している。
また、連続鋳造機の鋳型直下では、本発明の条件である900℃以上という表面温度を比較的容易に確保できるが、反面、鋳型直下の二次冷却帯の鋳片に圧下加工を行うことは、未だ凝固シェルが薄く、脆弱であるため、ブレークアウトなどのリスクを伴うことになる。その点、或る程度十分な厚さの凝固シェルが形成された、鋳型から離れた二次冷却帯での圧下加工は、コーナー部の温度が低下していること以外は、理想的な条件といえる。このため、コーナー部の温度低下を抑える、或いは、積極的な加熱を加えたのちに、鋳型から離れた二次冷却帯で圧下加工を行ってコーナー部に歪を付与することは、本発明の効果的な実施方法である。
以上説明したように、本発明によれば、コーナー部の鋳片表面温度を900℃以上とした条件でスラブ鋳片のコーナー部を圧下するので、鋳片コーナー部の横割れを回避することができ、横割れの検出や手入れといった補助的工程を要することなく、連続鋳造工程から熱間圧延工程へと鋳片を直行させることが可能となる。
図1に示す垂直曲げ型連続鋳造機を用いて、厚み250mm、幅1600mmの断面形状の中炭素鋼のスラブ鋳片を、鋳造速度1.4m/minで鋳造した。垂直曲げ型連続鋳造機の垂直部長さは3m、湾曲半径は10mである。このとき、鋳型内溶鋼湯面位置から鋳造方向下流側に2.8m離れた位置(曲げ部の0.2m上方)の鋳片短辺側に、図2に示す糸車状ロールを設置して、鋳片のコーナー部分を圧下した。糸車状ロールは油圧シリンダーにより作動させ、油圧シリンダーの作動は油圧ユニットを用いて制御した。
鋳片コーナー部の圧下量は5mmとし、鋳片コーナー表層部5mmの平均歪量は20%、歪速度は0.25sec-1であった。鋳片圧下時の鋳片コーナー部の表面温度は900〜940℃であった(本発明例1)。鋳造後、浸透探傷法により、鋳片のコーナー割れを調査した。また、比較として、コーナーを圧下しないで、その他の鋳造条件を本発明例1と同一として鋳造した鋳片(比較例1)のコーナー割れ発生状況も調査した。表1に、これらの鋳造条件と鋳片のコーナー割れ発生状況の調査結果を示す。
Figure 0004923643
連続鋳造時に曲げ部の上方でコーナー部を圧下していない比較例1では、鋳片コーナー部に多数のコーナー割れが発生したが、圧下を加えた本発明例1では、鋳片コーナー部における表面割れは皆無であった。
図1に示す、垂直部長さ3m、湾曲半径10mの垂直曲げ型連続鋳造機を用いて、断面形状が厚み250mm、幅1600mmの中炭素鋼の鋳片を、鋳造速度1.5m/minで鋳造した。このとき、鋳型内溶鋼湯面位置から鋳造方向下流側に12m離れた位置(湾曲部の途中)の鋳片短辺側に、図2に示す糸車状ロールを設置して、鋳片のコーナー部分を圧下した。糸車状ロールは油圧シリンダーにより作動させ、油圧シリンダーの作動は油圧ユニットを用いて制御した。
鋳片コーナー部の圧下量は5mmとし、鋳片コーナー表層部5mmの平均歪量は20%、歪速度は0.25sec-1であった。このときに、鋳片の短辺側及びコーナー部の二次冷却水を停止し、鋳片コーナー部の表面温度を上昇させた。その結果、圧下位置における鋳片コーナー部の表面温度は900℃であった(本発明例2)。鋳造後、浸透探傷法により、鋳片のコーナー割れを調査した。
また、比較のために、鋳片の短辺側及びコーナー部の二次冷却水を停止しないまま、鋳片コーナー部を圧下する鋳造も行った(比較例2)。比較例2では、鋳片の短辺側及びコーナー部の二次冷却水を停止しない以外は、本発明例2と同一の鋳造条件で行った。比較例2ではコーナー部を圧下する時点の鋳片コーナー部の表面温度は800℃であった。
前述した表1に、これらの鋳造条件と鋳片のコーナー割れ発生状況の調査結果を合わせて示す。表1に示すように、鋳片コーナー部の温度が800℃のときに圧下した比較例2では、鋳片コーナー部に多数の表面割れが発生したが、鋳片コーナー部の温度が900℃のときに圧下した本発明例2では、鋳片コーナー部における表面割れは皆無であった。
図1に示す、垂直部長さ3m、湾曲半径10mの垂直曲げ型連続鋳造機を用いて、断面形状が厚み250mm、幅1600mmの中炭素鋼の鋳片を、鋳造速度1.3m/minで鋳造した。このとき、鋳型内溶鋼湯面位置から鋳造方向下流側に12m離れた位置(湾曲部の途中)の鋳片短辺側に、図2に示す糸車状ロールを設置して、鋳片のコーナー部分を圧下した。糸車状ロールは油圧シリンダーにより作動させ、油圧シリンダーの作動は油圧ユニットを用いて制御した。
鋳片コーナー部の圧下量は5mmとし、鋳片コーナー表層部5mmの平均歪量は20%、歪速度は0.25sec-1であった。このときに、鋳片のコーナー近傍に誘導加熱装置を設置し、コーナー部を加熱して鋳片コーナー部の表面温度を上昇させた。その結果、圧下位置における鋳片コーナー部の表面温度は930℃であった(本発明例3)。鋳造後、浸透探傷法により、鋳片のコーナー割れを調査した。
また、比較のために、鋳片を加熱することなく、しかも、鋳片の短辺側及びコーナー部の二次冷却水を停止しないまま、鋳片コーナー部を圧下する鋳造も行った(比較例3)。比較例3では、鋳片を加熱しない以外は、本発明例3と同一の鋳造条件で行った。比較例3ではコーナー部を圧下する時点の鋳片コーナー部の表面温度は780℃であった。
前述した表1に、これらの鋳造条件と鋳片のコーナー割れ発生状況の調査結果を合わせて示す。表1に示すように、鋳片コーナー部の温度が780℃のときに圧下した比較例3では、鋳片コーナー部に多数の表面割れが発生したが、鋳片コーナー部の温度が930℃のときに圧下した本発明例3では、鋳片コーナー部における表面割れは皆無であった。
本発明で使用する垂直曲げ型連続鋳造機の概略図である。 鋳片コーナー部の圧下方法を示す平面概略図である。 鋳片に加工歪を加えた後、800℃で引張試験を実施したときの絞り値と加工温度との関係を示す図である。
符号の説明
1 垂直曲げ型スラブ連続鋳造機
2 タンディッシュ
3 スライディングノズル
4 浸漬ノズル
5 鋳型
6 サポートロール
7 ガイドロール
8 ピンチロール
9 搬送ロール
10 鋳片切断機
11 溶鋼
12 スラブ鋳片
13 凝固シェル
14 未凝固層
15 凝固完了位置
16 曲げ部
17 矯正部
18 糸車状ロール
19 圧下ロール

Claims (3)

  1. 少なくとも垂直曲げ型スラブ連続鋳造機の矯正部よりも上流側で、スラブ鋳片のコーナー部を圧下しながら溶鋼を連続鋳造するに際し、前記連続鋳造機の湾曲部に鋳片支持ロールとは独立して設置した、外広がりのテーパー部を両端部に備えた糸車状ロールまたは前記コーナー部と相対する圧下ロールを用い、前記コーナー部の鋳片表面温度を900℃以上としてコーナー部を斜めの方向から圧下し、鋳片矯正時の鋳造方向の引張応力に起因する鋳片横割れを防止することを特徴とする、鋼の連続鋳造方法。
  2. 連続鋳造機の二次冷却帯で前記コーナー部を冷却せずにコーナー部の鋳片表面温度を900℃以上に制御することを特徴とする、請求項1に記載の鋼の連続鋳造方法。
  3. 連続鋳造機内で前記コーナー部を900℃以上に加熱した後に、コーナー部を圧下することを特徴とする、請求項1に記載の鋼の連続鋳造方法。
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