JP4923429B2 - ローラーレベラーの設定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属板の形状不良の矯正や残留応力の低減に用いられるローラーレベラーの設定方法、特に、ロールの押し込み量を胴長方向に変更するロールベンディング装置を有するローラーレベラーの設定方法に関する。
熱間圧延鋼板は、素材となるスラブ等の鋼片を加熱炉で再加熱した後、高圧水によるデスケーリングでスケールを除去しながら圧延機により熱間圧延され、所望の板厚、板幅、長さとなる。その後、必要に応じて加速冷却が行われ、さらに冷却床にて冷却された後、所定の寸法に切断されて製品となる。
このような工程で製造された鋼板は、圧延における鋼板の温度分布や圧延での伸び変形の不均一により、形状不良が発生することがある。温度分布の不均一の発生原因としては、加熱炉でのスラブの加熱むらやデスケーリングでの高圧水噴射の不均一、熱間圧延におけるロール冷却水や制御圧延のための冷却の不均一、さらには熱間圧延後の加速冷却における冷却不均一などがあげられる。
また、見かけ上平坦な鋼板であっても、冷却後の鋼板には残留応力が生じている場合がある。特に熱間圧延における鋼板の温度分布の不均一は、冷却過程において熱収縮量が不均一になることから、残留応力の発生に大きく影響している。これらの鋼板は、様々な寸法に切断されて用いられることが多いが、切断後の寸法や形状変化を防止するために、残留応力を極力低減することが望まれる。
鋼板に平坦度不良や残留応力が生じた場合、これを修正するために冷間でローラーレベラーやプレスによる矯正が行われる。一般に能率やコストの面からローラーレベラーによる矯正が多く用いられており、平坦度を良くするだけでなく、鋼板の内部に残存する残留応力の低減にも冷間でのローラーレベラーによる矯正が有効であることが知られている。
図3はローラーレベラーの一例を模式的に示す側面図である。
図3において、矯正ロール1はパスラインを挟んで、上下に設けられた複数の上矯正ロール1Tおよび下矯正ロール1Bとから構成され、上矯正ロール1Tと下矯正ロール1Bはパスラインに沿って、千鳥状に配置されている。上矯正ロール1Tは上バックアップロール2Tに、下矯正ロール1Bは下バックアップロール2Bに支持されており、上バックアップロール2Tは軸受を介して上ロールフレーム3Tに、下バックアップロール2Bも軸受を介して下ロールフレーム3Bに支持されている。
上ロールフレーム3Tは、上フレーム5Tに対して上下動が可能に設けられ、上ロールフレーム3Tと、上フレーム5Tの間には、ロールベンディング装置4が設けられている。このロールベンディング装置4は、矯正ロール1の胴長方向に複数配置され、それぞれの設定量を変えることにより、上ロールフレーム3Tを任意に変形させることができる。また、上バックアップロール2Tを介して上矯正ロール1Tも、この上ロールフレーム3Tと同じ状態に変形する。
上フレーム5Tは、ハウジング6に対して上下動可能に設けられ、ハウジング6の入側、出側に設けられた主圧下装置7により支持されている。この主圧下装置7を下降させることにより、上フレーム5T、ロールベンディング装置4、上ロールフレーム3T、上バックアップロール2T、上矯正ロール1Tが一括して下降する。
主圧下装置7の設定量を左右で変えることにより、上フレーム5Tは左右に傾斜した状態となり、上矯正ロール1Tも左右に傾斜した状態となる。
さらに、単独圧下ロール8が、単独圧下装置9を介して上フレーム5Tに設置されている場合もあり、その上下方向の位置は上フレーム5Tの位置に関わらず設定できる。
また、下ロールフレーム3Bは、下フレーム5Bを介してハウジング部に固定して設けられている。
上記の構造のローラーレベラーにより、鋼板を矯正する際には、主圧下装置7の設定量を左右で変え、矯正ロール1の間隔が狭い方から広い方に向かって矯正ロール1間を通過させる。なお、以降の説明では簡略化のために、間隔の狭い側を入側、広い側を出側とし、矯正ロールについては、入側から順に、上下交互に、No1〜No9の番号を付けて表記する。最も出側の矯正ロールはNo9ロールが相当し、No8ロールが出側から2本目の矯正ロールとなる。なお、実際の矯正では、No1ロールとNo9ロールでは曲げが加えられないので、No2ロールを入側矯正ロール、No8ロールを出側矯正ロールと便宜的に称する。
この時、ローラーレベラー内で与える繰返し曲げ変形の履歴を適正にして、矯正後の鋼板の平坦度や残留応力が基準値以下となるように、主圧下装置7の入側、出側それぞれの設定量、ロールベンディング装置4の設定量、および単独圧下ロール8の設定量を決定する。なお、これらの設定は、矯正中のハウジング6の変形やたわみ量を考慮し矯正前に予め設定するか、矯正中の実測値に基づき各圧下装置の設定量を修正し、各ロールの押し込み量が適正値になるように補正する方法が取られている。
ここで、押し込み量は、上矯正ロール1Tによる押し込みの場合は、隣接する2つの下矯正ロール1Bの上面を結ぶ線と、この線に平行でかつ上矯正ロール1Tの下面を通る線との間隔を、矯正される鋼板の厚さから減じた寸法をいう。また、下矯正ロール1Bによる押し込みの場合は、隣接する2つの上矯正ロール1Tの下面を結ぶ線と、この線に平行でかつ下矯正ロール1Bの上面を通る線との間隔を、矯正される鋼板の厚さを減じた寸法をいう。すなわち、押し込み量は、実際に鋼板が曲げられる量に相当する。
曲げ変形量の尺度として、鋼板が曲げられる際に、その鋼板に塑性変形がおよぶ領域の厚さの割合で定義する、塑性変形率ηが通常用いられており、主に、矯正される鋼板の弾性係数、降伏応力、厚さおよび矯正ロールによる押し込み量により決まる。したがって、対象とする鋼板の種類と、矯正時に付与する最大曲げひずみ量を決めれば、押し込み量を求めることができ、押し込み量が定まれば上下ロールの相対位置が分かり、設定量を決定できる。
ローラーレベラーの入側押し込み量に関しては、特許文献1に、ローラーレベラー通材中に被矯正材に付与する入側最大加工度Kの上限値を被矯正材の厚みに応じて変化させるとともに、下限値を5以上とする方法が開示されている。ここでいう入側最大加工度Kと塑性変形率ηの間には、η=1−1/Kなる関係がある。
また、ローラーレベラーの出側押し込み量に関しては、特許文献2に、入側ロール押し込み量Sinについて、出側ロール押し込み量Soutと被矯正材の残留反り高さhresとの関係を求めておき、dhres/dSout=0を満たす最大の出側ロール押し込み量以下とし、かつhres=0を満たす出側ロール押し込み量Soutにロール位置を設定する方法が開示されている。
これらの技術の組合せにより、主圧下装置の入側設定量、出側設定量の適正値を求めることはできるが、矯正中のロールたわみが大きいと、被矯正材の板幅方向の位置で押し込み量が異なり、板幅方向の一部ではこれらの条件を満たさない場合がある。その際には、矯正後の鋼板は平坦であっても、鋼板を切断した際に上下反りが発生するといった問題がある。
一方、矯正ロールの胴長方向での押し込み量差を補正したローラーレベラーの設定に関しては、特許文献3に次のような設定方法が開示されている。
すなわち、まず、標準の複数の被矯正材を、矯正ロールのロール胴長方向の押し込み量を異ならせて試験的に矯正して、矯正時に発生する矯正ロールのロール胴長方向における押し込み量分布を計測するとともに、矯正後の被矯正材を切断して変形量を測定する。次に、各押し込み量分布のうち、押し込み量の差の最大値と、切断後の変形量の対応関係から、被矯正材が切断後に変形を生じない最大押し込み量差の最大値を当該被矯正材の変形臨界値として設定する。そして、実操業で被矯正材の最大押し込み量差が変形臨界値以内となる押し込み量分布が矯正ロールに付与されるように、ロールベンディング装置を設定する。
しかし、被矯正材として厚鋼板を取り扱う場合、その板厚は4.5mm〜100mm以上、板幅は1000mm〜5500mm、引張強度は400MPa〜1000MPa以上と非常に広範な寸法、強度を有しており、標準の被矯正材も様々なものが必要となる。これらの多岐にわたる被矯正材に対して、矯正ロールの押し込み量を変化させて試験的に矯正し、矯正ロールの押し込み量分布と変形量を計測することは、極めて多くの労力を有する。また、新たな寸法または強度の厚鋼板を矯正する場合は、その都度上記のような試験を行うため、矯正の事前準備に多くの時間を要するといった問題がある。
また、特許文献4には、矯正ロールのたわみ量を、矯正ロールの基準設定位置、バックアップロールの設置位置、ロールベンディング装置の設置位置、ロールベンディング装置の設定量、被矯正材の寸法および被矯正材の機械特性値に基づいて演算したたわみ量から、矯正ロールの胴長方向各位置での押し込み量偏差を求め、偏差が許容値以下となるように、主圧下装置とロールベンディング装置の設定量を矯正前に求めた押し込み量偏差が許容値以下となるように設定する方法が開示されている(以下、従来技術と呼ぶ)。
したがって、特許文献1および特許文献2と従来技術を組み合わせることにより、任意の寸法、強度の被矯正材に対しての設定が可能ということになる。
特開2001−212616号公報 特開平11−226641号公報 特開平10−80725号公報 特開2002−292427号公報
しかし、特許文献1および特許文献2と従来技術を組み合わせて、任意の寸法、強度の被矯正材に対してローラーレベラーの設定を行った場合でも、以下のような問題がある。
矯正ロールのたわみは、入側および出側の押し込み量から決まる各ロールでの曲げ変形量および鋼板の板厚、板幅、降伏応力から定まる矯正反力と、バックアップロールの位置、ロールベンディング装置の位置およびそれらを支持するフレームの剛性により変化する。
通常の矯正では、入側のロールの押し込み量が出側のロールの押し込み量より大きいため、入側ロールでの曲げ変形量は、出側ロールでの曲げ変形量よりも大きい。このため、ロールにかかる反力も入側ロールの方が大きくなり、ロールのたわみ量も入側が大きくなる。
平坦度や残留応力を充分に低減するためには、最大の塑性変形率を与える入側ロールの押し込み量が均一になるように、また、矯正後の鋼板に、幅方向で異なる上下反りが発生することを防ぐためには、出側ロールの押し込み量が均一になるように設定することが望ましい。
たわみが小さい出側ロールに合わせてロールベンディング装置を設定すると、入側ロールで特に板幅中央部の塑性変形率が小さくなり、充分な矯正効果が得られない場合がある。また、たわみが大きい入側ロールに合わせてロールベンディング装置を設定する場合、たわみが小さい出側ロールに対しては過剰なベンディング量となり押し込み量偏差が残存し、矯正後の鋼板に幅方向で異なる上下反りが発生する場合がある。
そこで、従来技術では、最初のパスで、入側ロールでの押し込み量偏差を許容値以下となるように設定し、最後のパスで出側ロールでの押し込み量偏差が許容値以下となるように設定し、複数のパスで矯正することが、特許文献4の段落[0039]〜[0040]に記載されているが、切断後の上下反りの発生は矯正直後の状態では分からないため、最初のパスで矯正した後に発生すると予想される上下反りを、入側ロールで押し込み量偏差が残存する最後のパスで解消できるとは限らず、確実な矯正を実現するとは言い難い。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、1パスの矯正で最大の塑性変形率を加えるように設定されたロールと、最後の矯正ロールの双方で、許容の押し込み量偏差に抑え、1パスにて確実に平坦度および残留応力を低減する矯正を実現することができるローラーレベラーの設定方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく検討を重ね、以下の技術手段が有効であることを見出した。
[1]複数本の矯正ロールを上下に千鳥状に配置し、全ての上矯正ロール及び/又は下矯正ロールに対して同一の設定量にて被矯正材への押し込み量を矯正ロールの胴長方向で変更できるロールベンディング装置を兼ね備えたローラーレベラーにおいて、
出側から2本目の矯正ロールの押し込み量を、予め出側から2本目の矯正ロールの押し込み量と矯正後の鋼板に残留する反り高さの関係が、該押し込み量が負の値から正の値へ変化するときに、該反り高さが正の値から負の値に変化して再び正の値に変化することに基づいて、前記関係から求めた矯正後の反りを目標範囲に抑える押し込み量の範囲のうち、出側から2本目の矯正ロールの押し込み量が大きい範囲に設定することを特徴とするローラーレベラーの設定方法。
[2]複数本の矯正ロールを上下に千鳥状に配置し、全ての上矯正ロール及び/又は下矯正ロールに対して同一の設定量にて被矯正材への押し込み量を矯正ロールの胴長方向で変更できるロールベンディング装置と、矯正ロールの出側に任意に位置を設定できる単独圧下ロールとを兼ね備えたローラーレベラーにおいて、
出側から2本目の矯正ロールの押し込み量を、予め出側から2本目の矯正ロールの押し込み量と矯正後の鋼板に残留する反り高さの関係が、該押し込み量が負の値から正の値へ変化するときに、該反り高さが正の値から負の値に変化して再び正の値に変化することに基づいて、前記関係から求めた矯正後の反りを目標範囲に抑える押し込み量の範囲のうち、出側から2本目の矯正ロールの押し込み量が大きい範囲に設定し、最も出側の矯正ロールで弾性範囲内の曲げを付与するように、矯正ロールの出側に配置された任意に位置を設定できる単独圧下ロールの位置を設定することを特徴とするローラーレベラーの設定方法。
[3]出側から2本目の矯正ロールでの胴長方向の押し込み量の偏差が最小となるように、ロールベンディング装置の設定量を設定することを特徴とする前記[1]または[2]に記載のローラーレベラーの設定方法。
本発明によれば、出側ロールの押し込み量を適正に定めることにより、各ロールに作用する反力差を解消したから、各ロール特に、入側ロールと出側ロールの押し込み量偏差がともに、許容範囲内におさまるようになり、1パスの矯正で平坦度/残留応力の低減と、矯正後の上下反りの発生防止を実現できるようになり、作業性が大幅に向上する。
また、複数パスで矯正する際に、平坦度や残留応力の低減効果を最大の塑性変形率を付与するように入側ロールでの最初のパスで矯正した後に発生すると予想される上下反りを、入側ロールで押し込み量偏差が残存する最後のパス後にも残存する可能性がなくなり、矯正後の鋼板の品質が大幅に向上する。
本発明に係るローラーレベラーの設定方法を、図3に示す構造のローラーレベラーで鋼板を矯正する場合について説明する。
まず、入側ロールの押し込み量を、矯正後の鋼板の平坦度や残留応力が基準の値以下になるように、設備負荷の許容を勘案して決定する。なお、矯正前の鋼板の平坦度や残留応力の実測値または推定値から定める場合もある。
次に、出側ロール押し込み量を設定する。図4に、板厚25mm、板幅4000mm、降伏応力392MPaの鋼板を、ロール本数9本、ロールピッチ300mmのローラーレベラーで、入側の塑性変形率を80%として矯正する際の出側ロールの押し込み量と、矯正後の鋼板に残留する反り高さ(上反りを正、下反りを負)の関係を示す。また、図5に、その時の出側ロールでの塑性変形率を示す。図4から、反り高さを±3mm以下とするためには、図4中のaの範囲、もしくは、bの範囲(塑性変形率25〜35%)に押し込み量を設定する必要がある。
最後に、矯正ロールのたわみにより生じる押し込み量偏差を相殺するように、ロールベンディング装置を設定する。ロールベンディング装置が個々のロール毎に設けられている場合は、全てのロールでたわみ量に応じて設定し、全ロールの押し込み量を均一とすることができる。
しかし、ロール胴長方向に複数配置されたロールベンディング装置を全てのロールに設けると、その数は膨大となり構造的に配置することが困難であり、例えば、図3に例示したように、全ての上ロールに対して同一の設定量となるように、簡略化した機構を用いることが多い。この場合、全てのロールの押し込み量を均一にすることはできないが、極力押し込み量偏差が小さくなるような設定をすることが望ましい。
そのための1つの実施形態は、出側ロール押し込み量を最も大きくする方法であり、図4中のbの範囲に出側ロール押し込み量を設定し、出側ロールでも塑性曲げが生じるようにすればよい。
また、別の実施形態は、最後の矯正ロールのさらに出側に設けられた、任意に位置を設定できるロールである単独圧下ロールを用い、最後の矯正ロールにて弾性範囲内で曲げひずみを付与する方法である。
図1に、板厚25mm、板幅4000mm、降伏応力392MPaの鋼板を、ロール本数9本、ロールピッチ300mmのローラーレベラーで、入側ロールでの塑性変形率を80%として矯正する際の各ロールに生じる反力を示す。
ここで、出側ロールでの塑性変形率を0%とした場合(図4中aの範囲)を従来技術として(◆)で示し、出側ロールの塑性変形率を30%とした場合(図4中bの範囲)を実施形態1として(●)で、出側ロールの塑性変形率を30%とし、最後の矯正ロールで弾性限の曲げが加わるように、単独圧下ロールを設定した場合を実施形態2として(▲)で示している。
図1によれば、出側ロールの反力は従来技術<実施形態1<実施形態2の順に大きくなり、実施形態1および実施形態2では入側ロールとほぼ等しい反力となっている。
この時の、各ロールのたわみ量を演算により求め、押し込み量偏差(板端押し込み量−板幅中央押し込み量)を求めると図2のようになる。入側ロールと出側ロールの押し込み量偏差の差は、従来技術の場合は図4中のaの範囲を超えているが、実施形態1および実施形態2では図4中のbの範囲内におさまり、特に、最後の矯正ロールで弾性限の曲げを加えた実施形態2の場合に押し込み量偏差が最も小さくなっている。
このように、本発明によれば、出側ロールの押し込み量を適正に定めることにより、各ロールに作用する反力差を解消するようにしているので、各ロール、特に、入側ロールと出側ロールの押し込み量偏差がともに許容範囲内におさまるようになり、1パスの矯正で平坦度および残留応力の低減と、矯正後の上下反りの発生防止を実現できる。
なお、上記説明では、図3に示した構造のローラーレベラーを対象としたが、ロールベンディング装置および主圧下装置が下矯正用ロール側に設けられた装置や上下に設けられた装置の場合も同様に、入側ロールおよび出側ロールを基準に押し込み量を設定すればよい。
また、最後の矯正ロールでの曲げ量を弾性限としたが、矯正後の反りが許容する範囲での塑性曲げを付与してもよい。ただし、矯正後の反り量を安定するためには、最後に塑性曲げを付与するロールで押し込み量を均一にするのが望ましく、最後の矯正ロールでの曲げを弾性範囲内とし、出側ロールにて塑性曲げが完了する方が望ましい。
図3に示す構造のローラーレベラーを用いて鋼板の矯正を行った。ローラーレベラーは矯正ロールの本数が9本(上矯正ロール4本、下矯正ロール5本)であり、出側に単独圧下ロールを設けている。矯正ロールは直径290mm、胴長5400mmであり、単独圧下ロールは直径400mm、胴長5400mmである。矯正する鋼板は、板厚25mm、板幅4000mm、板長7000mm、降伏応力392MPaの鋼板を6枚準備した。矯正前には板幅方向の反りがありその高さは最大部で20〜25mmであり、入側ロール押し込み量は塑性変形率が80%となるように、3.0mmとした。
本発明例1では、出側ロールの塑性変形率が30%となるように、押し込み量を0.38mmとして、単独圧下ロールは板上面より50mm上方に退避し、通板中の鋼板と接触しないようにした。
本発明例2では、出側ロールの押し込み量は同様に0.38mmとし、最後の矯正ロールで弾性限界の曲げひずみとなるように、単独圧下ロールを3.3mmに設定した。
また、比較例では、従来技術に則り、出側ロールの塑性変形率が0%となるように、出側ロールの押し込み量を0.00mmとした。
上記3通りの圧下設定に対して、ロールベンディング装置を、入側ロールの押し込み量偏差を相殺するように設定した場合(パターンa)と、出側ロールの押し込み量偏差を相殺するように設定した場合(パターンb)で1パスのみ通板した。
結果を表1に示す。ロールベンディング装置をパターンaで設定した鋼板A、C、Eでは、充分な塑性変形率が得られており、矯正後には平坦な鋼板となっている。また、パターンbで設定したうち、本発明例の鋼板B、Dについても、矯正後の鋼板は平坦となっているが、比較例の鋼板Fでは反りが残存した。鋼板Fの矯正では入側ロールでの押し込み量が特に板幅中央付近で不足したため、塑性変形率が不足し充分な矯正効果が得られなかったためである。
矯正後に平坦となった鋼板A〜Eについては、幅200mmの条にガス切断し、反り量を調査した。条切断後の反り量の変動範囲は表1に示す通りである。なお、上反りを正、下反りを負で表記している。
本発明例の鋼板A〜Dでは±3mm以下の反り量に抑えられており、特に、本発明例2の鋼板C、Dでは、鋼板A、Bに比べ反り量が小さくなっている。また、出側ロールの押し込み量偏差相殺するように設定したパターンbで矯正した鋼板B、Dは、鋼板A、Cに比べ反り量が小さく、鋼板Dでは反りが一切発生しなかった。
一方、比較例の鋼板Eでは、大きな反りが発生している。
本発明におけるロール毎の矯正反力の一例を示す図。 本発明におけるロール毎の押し込み量偏差の一例を示す図。 ローラーレベラーの一例を示す側面図。 出側ロールの押し込み量と矯正後の反り量との関係を示す図。 出側ロールの押し込み量と出側ロールの塑性変形率の関係を示す図。
符号の説明
1 矯正ロール
1T 上矯正ロール
1B 下矯正ロール
2T 上バックアップロール
2B 下バックアップロール
3T 上ロールフレーム
3B 下ロールフレーム
4 ロールベンディング装置
5T 上フレーム
5B 下フレーム
6 ハウジング
7 主圧下装置
8 単独圧下ロール
9 単独圧下装置

Claims (3)

  1. 複数本の矯正ロールを上下に千鳥状に配置し、全ての上矯正ロール及び/又は下矯正ロールに対して同一の設定量にて被矯正材への押し込み量を矯正ロールの胴長方向で変更できるロールベンディング装置を兼ね備えたローラーレベラーにおいて、
    出側から2本目の矯正ロールの押し込み量を、予め出側から2本目の矯正ロールの押し込み量と矯正後の鋼板に残留する反り高さの関係が、該押し込み量が負の値から正の値へ変化するときに、該反り高さが正の値から負の値に変化して再び正の値に変化することに基づいて、前記関係から求めた矯正後の反りを目標範囲に抑える押し込み量の範囲のうち、出側から2本目の矯正ロールの押し込み量が大きい範囲に設定することを特徴とするローラーレベラーの設定方法。
  2. 複数本の矯正ロールを上下に千鳥状に配置し、全ての上矯正ロール及び/又は下矯正ロールに対して同一の設定量にて被矯正材への押し込み量を矯正ロールの胴長方向で変更できるロールベンディング装置と、矯正ロールの出側に任意に位置を設定できる単独圧下ロールとを兼ね備えたローラーレベラーにおいて、
    出側から2本目の矯正ロールの押し込み量を、予め出側から2本目の矯正ロールの押し込み量と矯正後の鋼板に残留する反り高さの関係が、該押し込み量が負の値から正の値へ変化するときに、該反り高さが正の値から負の値に変化して再び正の値に変化することに基づいて、前記関係から求めた矯正後の反りを目標範囲に抑える押し込み量の範囲のうち、出側から2本目の矯正ロールの押し込み量が大きい範囲に設定し、最も出側の矯正ロールで弾性範囲内の曲げを付与するように、矯正ロールの出側に配置された任意に位置を設定できる単独圧下ロールの位置を設定することを特徴とするローラーレベラーの設定方法。
  3. 出側から2本目の矯正ロールでの胴長方向の押し込み量の偏差が最小となるように、ロールベンディング装置の設定量を設定することを特徴とする請求項1または2に記載のローラーレベラーの設定方法。
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