JP2005052860A - ローラーレベラー及び矯正方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 大板形状の形状不良のみならず、条切等の切断加工を行った際の条切キャンバーや条切反りの発生を抑制し、金属板を良好な形状に矯正可能なローラーレベラー及び矯正方法を提供する。
【解決手段】 千鳥状に配置された矯正ロール群2を有するローラーレベラーにおいて、前記矯正ロール群中の1本の矯正ロール4に対して、そのロール胴長方向に複数配置され、該矯正ロールにクラウンを与えるようにそれぞれ独立に圧下制御可能な第1の分割クラウニング手段5を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】 千鳥状に配置された矯正ロール群2を有するローラーレベラーにおいて、前記矯正ロール群中の1本の矯正ロール4に対して、そのロール胴長方向に複数配置され、該矯正ロールにクラウンを与えるようにそれぞれ独立に圧下制御可能な第1の分割クラウニング手段5を設ける。
【選択図】 図1
Description
本発明は、金属板を矯正するためのローラーレベラー及び矯正方法に関し、主として鋼板条切等の切断後に発生するキャンバー(条切キャンバー)及び反り(条切反り)を抑制するための矯正技術に関する。
切断、溶接等の工程に供される構造用鋼板において、鋼板の元形状及び切断後の形状はユーザー側の施工性に大きく影響を与えるものであり、形状不良の要因となる残留応力の低減を行うために、鋼板製造工程においてローラーレベラーを用いた矯正等が行われる。ローラーレベラーによる矯正により残留応力の低減を行う場合、条切キャンバーの要因となる板幅方向の残留応力勾配を十分低減するためには、矯正時において最大塑性変形率80%程度の強圧下矯正が必要となる。このような矯正を行った場合、図16に示すように、板厚平均長手方向残留応力σxの板幅方向勾配は、矯正前に比べて矯正後は小さくなるため、条切後のキャンバー発生を抑制することができる。
ローラーレベラーによる強圧下矯正において、矯正機の剛性やモータ出力等の仕様に応じて矯正可能な最大板厚が決まってくるが、実際の矯正を行う場合、矯正ロールの撓み制御機構を有していないローラーレベラーにおいては圧下を強くするに従い矯正反力による矯正ロールの撓みが発生するため、特に板幅中央位置において曲げ押し込み量の低減により十分な矯正を行うことができない。
矯正ロールの撓み制御機構を有するローラーレベラーにおいては、例えば特許文献1に示されるようなウェッジ方式、あるいは特許文献2に示されるような油圧圧下方式による矯正ロールの撓み制御方式が実用化されている。
特公昭56−41323号公報
特開平11−123457号公報
ローラーレベラーによる強圧下矯正において、矯正機の剛性やモータ出力等の仕様に応じて矯正可能な最大板厚が決まってくるが、実際の矯正を行う場合、矯正ロールの撓み制御機構を有していないローラーレベラーにおいては圧下を強くするに従い矯正反力による矯正ロールの撓みが発生するため、特に板幅中央位置において曲げ押し込み量の低減により十分な矯正を行うことができない。
矯正ロールの撓み制御機構を有するローラーレベラーにおいては、例えば特許文献1に示されるようなウェッジ方式、あるいは特許文献2に示されるような油圧圧下方式による矯正ロールの撓み制御方式が実用化されている。
しかし、これらの矯正ロールの撓み制御方式は、バックアップロール群を保持するロールフレームに対して撓み制御を行う構造であり、各矯正ロールを独自にクラウニング可能な構造とはなっていない。そのため、これらの方式を用いて全矯正ロールにおいてロール撓みの極小化を図ることは困難であり、必然的に矯正時曲げ履歴差の幅方向分布が生じる。そのような状況下で矯正を行った場合、仮に大板形状で十分平坦化された板であっても、鋼板中に条切反りの原因となる残留モーメントの分布が生じる。図17に、曲げ履歴差により残留モーメントのばらつきが発生する状況を示す。残留モーメントに影響を与えるのは主に表層近傍の応力であり、板厚中央に近づくにつれて残留モーメントへの影響は小さくなる。図17中の左図のように、矯正時ロール撓みが小さい場合、すなわち幅方向位置で曲げ履歴差が小さい場合には表層近傍の応力差が幅方向各位置で小さく、残留モーメントの幅方向各位置でのばらつきは小さい。しかし、図17中の右図のように、矯正時ロール撓みが大きい場合、すなわち幅方向位置で曲げ履歴差が大きい場合には、表層近傍の応力差が幅方向各位置で大きく、幅方向各位置にて残留モーメントの大きいばらつきが生じる。そのため、条切等の切断加工を行った際、この残留モーメントが解放されて条切反りが発生するため、仮に切断前の板形状が良好であった場合においても、その品質保証上問題を有する結果となる。
前記のような問題の発生を未然に防ぐためには、レベラー入側で十分な圧下を加えて板厚平均長手方向残留応力を下げ、条切キャンバーの要因となる長手方向残留応力の板幅方向勾配を低減しつつ、同時に幅方向各位置で条切反り発生の要因となる残留モーメントを低減する方法が必要となる。しかし、現状の撓み制御機構を有するローラーレベラーの矯正ロール撓み制御方法は、前者のレベラー入側強圧下については十分に実現可能な仕様となっている場合が多いが、後者の残留モーメント低減については高精度な制御を行うことが困難である。これは前述のように、上記レベラーが各矯正ロールを独自にクラウニング可能な機構となっておらず、上側ないし下側のうちクラウニング装置を有する側の矯正ロール群を一斉に圧下する形式となっているため、特に条切反りの影響となる繰り返し曲げを行う後段ロールの圧下量を均一化することができないからである。特に板厚が比較的大きい場合、圧下位置変動に対する板断面塑性変形率の変動が大きくなり、後段ロールにおいてより高精度な制御が必要とされるため、残留モーメントの低減はより困難なものとなる。また一方で、加速冷却材に代表されるように、鋼板の残留応力は主に板幅端部に発生するものであり、板幅端部の残留応力低減を目的とする場合は前段強圧下ロールにて撓み制御を行う必要性は低い。なぜなら、矯正中にロール撓みが発生したとしても、残留応力の高い板幅端部において十分に強圧下が加わりさえすれば、前記条切キャンバーの原因である板幅方向残留応力勾配は十分に低減し、その結果、条切キャンバーの発生を抑制できると考えられるからである。しかしながら、従来方式は主に前段及び後段の両方の矯正ロールともロール撓みを制御する方式であり、設備の面でも高コスト化、大型化の要因となっている。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、大板形状の形状不良のみならず、条切等の切断加工を行った際の条切キャンバーや条切反りの発生を抑制し、金属板を良好な形状に矯正可能なローラーレベラー及び矯正方法を提供することを目的とする。
本発明に係るローラーレベラーは、千鳥状に配置された矯正ロール群を有するローラーレベラーにおいて、前記矯正ロール群中の1本の矯正ロールに対して、そのロール胴長方向に複数配置され、該矯正ロールにクラウンを与えるようにそれぞれ独立に圧下制御可能な第1の分割クラウニング手段を設けたものである。言い換えれば、矯正ロール群中の1本の矯正ロールにおけるロール胴長方向の圧下量分布を、該矯正ロールを複数位置で支持する第1の分割クラウニング手段の押圧力分布により独立に制御可能とするものである。
本発明によれば、矯正材の矯正中においても、第1の分割クラウニング手段により矯正ロール群中の1本の矯正ロールに所望のクラウンを与えることができるので、特に残留モーメントに影響を与える後段曲げ曲率を任意に制御することができるため、条切キャンバー及び条切反りの低減が可能である。
本発明によれば、矯正材の矯正中においても、第1の分割クラウニング手段により矯正ロール群中の1本の矯正ロールに所望のクラウンを与えることができるので、特に残留モーメントに影響を与える後段曲げ曲率を任意に制御することができるため、条切キャンバー及び条切反りの低減が可能である。
また、本発明のローラーレベラーにおいて、前記第1の分割クラウニング手段は、前記1本の矯正ロールのロール胴長方向に配置された複数のバックアップロールと、各バックアップロールを介して前記矯正ロールを独立に圧下制御可能な複数の押圧手段とを備えたものである。
この押圧手段には、例えば油圧シリンダを用いることができ、これらの油圧シリンダ列によってバックアップロール列を介して当該矯正ロールを直接に撓み制御することが可能である。
この押圧手段には、例えば油圧シリンダを用いることができ、これらの油圧シリンダ列によってバックアップロール列を介して当該矯正ロールを直接に撓み制御することが可能である。
また、本発明のローラーレベラーにおいては、前記第1の分割クラウニング手段のほかに、前記矯正ロール以外の1本または複数本の矯正ロールをクラウニング可能な第2の分割クラウニング手段を有するものである。なお、第2の分割クラウニング手段は、第1の分割クラウニング手段と同様の構成であっても良く、別の構成であっても良い。
本発明によれば、第2の分割クラウニング手段により前段強圧下を行う前段矯正ロールの撓み制御が可能となり、そのため、前段矯正ロールによる板幅方向各位置の曲げ履歴差が非常に大きい場合や、板の形状不良が顕著な場合、あるいは加速冷却プロセスにおける冷却むらが大きい場合などにおいて、板の全幅にわたって残留応力を低減することができる。
本発明によれば、第2の分割クラウニング手段により前段強圧下を行う前段矯正ロールの撓み制御が可能となり、そのため、前段矯正ロールによる板幅方向各位置の曲げ履歴差が非常に大きい場合や、板の形状不良が顕著な場合、あるいは加速冷却プロセスにおける冷却むらが大きい場合などにおいて、板の全幅にわたって残留応力を低減することができる。
また、本発明のローラーレベラーにおいて、前記第1の分割クラウニング手段は、N本の矯正ロールのうち、レベラー入側よりN−1本目の矯正ロールに対して設けられている。したがって、この構成により、最終曲げ曲率の均一化が可能となるため、特に残留モーメントに起因する条切反りの低減を図ることが可能である。また構造上も簡易化することができる。
また、本発明のローラーレベラーにおいては、N本の矯正ロールのうち、レベラー入側よりN−1本目の矯正ロールに対して配置された前記第1の分割クラウニング手段と、N本目の矯正ロールに対してそのロール胴長方向の矯正反力分布を測定するように配置された複数の測定手段とを有する。
本発明によれば、N本目の矯正ロールにおける矯正反力分布を測定することにより、N−1本目の矯正ロールにおける曲げモーメント分布を計算することができるので、N本目矯正ロールにおける矯正反力分布が等分布荷重となるようにN−1本目矯正ロールの撓み制御を行うことにより、最終曲げ曲率の均一化を図ることができる。
本発明によれば、N本目の矯正ロールにおける矯正反力分布を測定することにより、N−1本目の矯正ロールにおける曲げモーメント分布を計算することができるので、N本目矯正ロールにおける矯正反力分布が等分布荷重となるようにN−1本目矯正ロールの撓み制御を行うことにより、最終曲げ曲率の均一化を図ることができる。
また、本発明の矯正方法は、請求項1から5のいずれかに記載のローラーレベラーを用いて、レベラー入側よりN本目の矯正ロールの胴長方向複数位置において矯正中の矯正反力分布を測定し、該矯正反力分布測定値と予め算出した矯正反力分布予測値との差が矯正反力変動許容値以下となるように独立圧下制御可能なN−1本目の矯正ロールのクラウニング制御を行うことで、繰り返し曲げ矯正時のN−1本目の矯正ロールにおける最終曲げ曲率のロール胴長方向分布を均一化するものである。
本発明によれば、板厚平均残留応力の板幅方向勾配及び残留モーメントの板幅方向ばらつきを十分に低減することができるため、大板形状の形状不良のみならず、条切等の切断加工を行った際にも条切キャンバーや条切反り等の形状不良を生じることがなく、極めて良好な形状に矯正することができる。したがって、ユーザー側における施工コストの削減が可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態におけるローラーレベラーの概要を示す側面図、図2は図1の第1の分割クラウニング手段の概要を示す正面図である。
このローラーレベラーは、矯正すべき板材(矯正材)1の通板方向に上下複数の矯正ロールが千鳥状に配置された矯正ロール群2と、各々の矯正ロールを支持する複数のバックアップロールからなるバックアップロール群3とを有し、順次繰り返し曲げを矯正材1に加えることにより残留応力を低減する。この矯正ロール群2のうちの1つである、上側または下側の矯正ロール4を独立に圧下制御可能とし、この矯正ロール4にクラウンを付与するために、矯正ロール4のロール胴長方向に複数配置された第1の分割クラウニング手段5を有する構成とする。この第1の分割クラウニング手段5は、図2に示すように、矯正ロール4のロール胴長方向に配置された複数の短いバックアップロール6と、各バックアップロール6の押圧力を独立に制御する複数の、例えば油圧シリンダ7からなる押圧手段とで構成されている。また、各油圧シリンダ7はキャリッジ8に固定され、そのシリンダロッド先端にバックアップロール6を回転自在に支持する支持部材9が取り付けられている。
このローラーレベラーは、矯正すべき板材(矯正材)1の通板方向に上下複数の矯正ロールが千鳥状に配置された矯正ロール群2と、各々の矯正ロールを支持する複数のバックアップロールからなるバックアップロール群3とを有し、順次繰り返し曲げを矯正材1に加えることにより残留応力を低減する。この矯正ロール群2のうちの1つである、上側または下側の矯正ロール4を独立に圧下制御可能とし、この矯正ロール4にクラウンを付与するために、矯正ロール4のロール胴長方向に複数配置された第1の分割クラウニング手段5を有する構成とする。この第1の分割クラウニング手段5は、図2に示すように、矯正ロール4のロール胴長方向に配置された複数の短いバックアップロール6と、各バックアップロール6の押圧力を独立に制御する複数の、例えば油圧シリンダ7からなる押圧手段とで構成されている。また、各油圧シリンダ7はキャリッジ8に固定され、そのシリンダロッド先端にバックアップロール6を回転自在に支持する支持部材9が取り付けられている。
上記のように構成されたローラーレベラーにおいては、矯正材1の矯正中において、上記第1の分割クラウニング手段5の各油圧シリンダ7の油圧圧下を制御することにより矯正ロール4に所望のクラウンを与えることができ、これにより、その矯正ロール4でのロール撓みを独立に制御できるだけでなく、板形状不良等に起因する不均一なロール変形にも対応した柔軟なクラウニング制御が行える。このような第1の分割クラウニング手段5を有することにより、特に残留モーメントに影響を与える後段曲げ曲率を任意に制御できるため、残留応力の制御性という点において有利なローラーレベラーである。
レベラー後段における後段矯正ロールによる曲げ曲率を均一化することにより残留モーメント分布を低減可能であることは既に述べたが、レベラー前段における前段矯正ロールによる板幅各位置での曲げ履歴差が非常に大きい場合、前段矯正ロールによる影響が無視できなくなる可能性がある。また、板の形状不良が顕著な場合や加速冷却プロセスにおいて冷却むらが比較的大きかった場合、板の全幅にわたって残留応力を低減することが求められるため、板幅方向で均一かつ強圧下を加えられる機構が併せて必要となる。そのため、このローラーレベラーは例えば図3に示すように構成されている。すなわち、前記独立圧下制御可能な矯正ロール4の第1の分割クラウニング手段5とは別に、それに加えて、前段強圧下を行う前段矯正ロール10に対して第2の分割クラウニング手段11を設ける。第2の分割クラウニング手段11は公知のものであり、ここではウエッジ式の分割クラウニング機構により構成されている。ウェッジ式の第2の分割クラウニング手段11は、前段矯正ロール10のロール胴長方向に配置される複数のバックアップロール12をそれぞれロールフレーム13により支持し、各ロールフレーム13にそれぞれ可動くさび14を装着してなるもので、各可動くさび14を例えば油圧シリンダ15により独立に押し引きすることにより、可動くさび14の傾斜面による変位がロールフレーム13を介してバックアップロール12に与えられるようにしたものである。これによって、ロールフレーム13に加えられる押圧力がバックアップロール12を介して前段矯正ロール10に伝えられ、前段矯正ロール10を所望のロール撓みでもってクラウニングすることができる。なお、第2の分割クラウニング手段11は前記第1の分割クラウニング手段5と同様に油圧シリンダ式としても良いものであり、1つまたは複数の矯正ロール10のクラウニング制御が可能な構成であればよい。
上記のように、このローラーレベラーは、独立圧下制御可能な矯正ロール4の第1の分割クラウニング手段5のほかに、前段強圧下を行う前段矯正ロール10に対してクラウニング可能な第2の分割クラウニング手段11を設けたので、板の全体にわたってキャンバ及び反りの低減の両方を可能とする矯正を行うことができる。
また、後段矯正ロールによる曲げ曲率の均一化を実現するためには、既に図1に示したように、N本の矯正ロールを有するローラーレベラーにおいて、レベラー入側よりN−1本目の矯正ロール4を第1の分割クラウニング手段5により独立圧下制御可能な機構とした方が、最終曲げ曲率を制御しやすい上に構造上も簡易化できるため、より効果的である。
矯正材の残留モーメントの低減を図る場合、前述のようにローラーレベラー後段の矯正ロールにおいて幅方向各位置で均一な曲げを付与するのが効果的である。実際に上記ローラーレベラーを用いて図1中の後段独立圧下制御可能な矯正ロール4の位置における幅方向各位置の曲げ均一化を行う場合、矯正中の曲げ曲率を直接測定する方法はレベラーの構造上極めて難しいため、他の測定可能量を用いて曲げ曲率分布を算出する方法が求められる。その方法の一例を図4に示す。
ここでは、最終ロール(N本目矯正ロール)16にかかる荷重分布(矯正反力分布)を測定するための測定手段17が設けられている。この測定手段17は、最終ロール(N本目矯正ロール)16を支持するようにロール胴長方向に複数のバックアップロール18を配置するとともに、各バックアップロール18にかかる荷重を測定するための、例えばロードセル19を設けたものである。
ここでは、最終ロール(N本目矯正ロール)16にかかる荷重分布(矯正反力分布)を測定するための測定手段17が設けられている。この測定手段17は、最終ロール(N本目矯正ロール)16を支持するようにロール胴長方向に複数のバックアップロール18を配置するとともに、各バックアップロール18にかかる荷重を測定するための、例えばロードセル19を設けたものである。
このように構成された測定手段17のロードセル19により、矯正中の荷重分布を測定し、この荷重分布よりN−1本目の矯正ロールの位置における曲げ曲率分布を計算する。N−1本目の矯正ロールにおける矯正材の曲げモーメント分布は、N本目の矯正ロール16における矯正材に対する荷重分布に対応する。この荷重分布と曲げ曲率との関係を、図5のように幅方向に分割した1スリットについて示す。図5中の幅方向i番目のスリット位置におけるN本目ロール矯正反力をPi,N、ロール半ピッチをLとすると、i番目のスリット位置におけるN−1本目ロールでの曲げモーメントMi,N-1は、
Mi,N-1=Pi,N・L
で表される。正確には、ある矯正ロールの位置における曲げモーメント分布は、その矯正ロールに至るまでの曲げ履歴差、つまりは前の矯正ロールにおける残留曲げモーメント分布に依存するが、N−1本目の矯正ロールにおいて塑性変形が付与される程度の圧下設定では、N−1本目の矯正ロールにおける曲げ履歴差の影響が大きい。よって、N−1本目矯正ロールの曲げモーメント分布の均一化により曲げ曲率分布もほぼ均一化されるため、曲げモーメント分布に対応するN本目矯正ロールの矯正反力分布を均一化することで、N−1本目矯正ロールの曲げ曲率分布の均一化を図ることが可能である。
Mi,N-1=Pi,N・L
で表される。正確には、ある矯正ロールの位置における曲げモーメント分布は、その矯正ロールに至るまでの曲げ履歴差、つまりは前の矯正ロールにおける残留曲げモーメント分布に依存するが、N−1本目の矯正ロールにおいて塑性変形が付与される程度の圧下設定では、N−1本目の矯正ロールにおける曲げ履歴差の影響が大きい。よって、N−1本目矯正ロールの曲げモーメント分布の均一化により曲げ曲率分布もほぼ均一化されるため、曲げモーメント分布に対応するN本目矯正ロールの矯正反力分布を均一化することで、N−1本目矯正ロールの曲げ曲率分布の均一化を図ることが可能である。
レベラー矯正を行う板は一般的にロール胴長よりも狭いため、板から図4中の矯正ロール20に負荷される矯正反力分布と、その矯正反力分布に対応してロードセル19にて実測される荷重分布との関係を、矯正前に予め求めておく必要がある。そのためには以下のような方法をとる。
まず、目標とするのがN−1本目矯正ロールでの曲げモーメント均一化であり、これに対応するN本目矯正ロールの矯正反力分布は、ほぼ等分布荷重となる。そこで図6のように、矯正材の寸法・材質・圧下設定等から計算される予測等分布荷重Prが負荷された場合にバックアップロール18及びロードセル19にかかる予測矯正荷重分布(矯正反力分布予測値)P1,N,P2,N,・・・,Pn,Nを、矯正前に予め求めておく。次に、その予め求められた予測矯正荷重分布(矯正反力分布予測値)とロードセル19にて測定される実測矯正荷重分布(矯正反力測定値)とを比較する。その際、予測矯正荷重分布(矯正反力分布予測値)と実測矯正荷重分布(矯正反力測定値)との差の許容値(矯正反力変動許容値)を予め計算しておき、この矯正反力変動許容値と実際の矯正反力変動値を比較して、その差をもとに前記第1の分割クラウニング手段5の独立圧下制御によりN−1本目の矯正ロールのクラウニングを行う。このような制御を行うことにより、N−1本目の矯正ロールの位置における曲げ曲率を均一化することができる。
まず、目標とするのがN−1本目矯正ロールでの曲げモーメント均一化であり、これに対応するN本目矯正ロールの矯正反力分布は、ほぼ等分布荷重となる。そこで図6のように、矯正材の寸法・材質・圧下設定等から計算される予測等分布荷重Prが負荷された場合にバックアップロール18及びロードセル19にかかる予測矯正荷重分布(矯正反力分布予測値)P1,N,P2,N,・・・,Pn,Nを、矯正前に予め求めておく。次に、その予め求められた予測矯正荷重分布(矯正反力分布予測値)とロードセル19にて測定される実測矯正荷重分布(矯正反力測定値)とを比較する。その際、予測矯正荷重分布(矯正反力分布予測値)と実測矯正荷重分布(矯正反力測定値)との差の許容値(矯正反力変動許容値)を予め計算しておき、この矯正反力変動許容値と実際の矯正反力変動値を比較して、その差をもとに前記第1の分割クラウニング手段5の独立圧下制御によりN−1本目の矯正ロールのクラウニングを行う。このような制御を行うことにより、N−1本目の矯正ロールの位置における曲げ曲率を均一化することができる。
次に、本発明の実施例を示す。板厚25mm,板幅2500mm,降伏応力400MPaの鋼板を冷間にて矯正ロールが9本のローラーレベラーにより矯正を行った際の残留応力及び残留モーメントを、レベラー矯正のシミュレーションモデルにより計算した。結果の一例を図7〜図15に示す。
図7〜図9は、ロール撓み制御機構を有しないレベラーにて矯正を行った場合の結果であり、図7は各ロールにおける曲率係数(曲げ曲率/降伏曲率)を、板幅方向各位置について示したものである。図7のように、ロール撓み制御を行わない場合、板幅方向で矯正中曲げ履歴差が生じる。このような状況下で矯正を行った場合、矯正後の長手方向残留応力σxの板厚方向分布は図8のようになる。図8において、表層近傍の残留応力は板幅方向各位置でばらつきがあり、その結果、図9のように板幅方向各位置で残留モーメント(反り高さに換算)が大きくばらつく結果となる。
図7〜図9は、ロール撓み制御機構を有しないレベラーにて矯正を行った場合の結果であり、図7は各ロールにおける曲率係数(曲げ曲率/降伏曲率)を、板幅方向各位置について示したものである。図7のように、ロール撓み制御を行わない場合、板幅方向で矯正中曲げ履歴差が生じる。このような状況下で矯正を行った場合、矯正後の長手方向残留応力σxの板厚方向分布は図8のようになる。図8において、表層近傍の残留応力は板幅方向各位置でばらつきがあり、その結果、図9のように板幅方向各位置で残留モーメント(反り高さに換算)が大きくばらつく結果となる。
一方、図10〜図12において、前述の第1の分割クラウニング手段によるN−1本目の独立圧下制御ロール(ここではNo.8ロール)を用いてNo.8ロールの曲げ曲率の均一化を行った場合の結果を示す。図10のように、No.8ロール位置にて板幅方向各位置での曲げ曲率は均一化されており、またこの圧下設定においてはNo.8ロールにて曲率係数Kが1以上、つまりNo.8ロールにて最終塑性曲げが付与される設定となっている。このような状況下で矯正を行った場合、図11のように、板厚中央近傍の残留応力は板幅方向各位置でばらついているものの、表層近傍における残留応力は板幅方向でほぼ均一化されており、その結果、図12のように、残留モーメントのばらつきを図9に比べて小さく抑えることができる。
また、上記独立圧下制御ロールとは別に、その他の矯正ロールをクラウニング可能な機構(第2の分割クラウニング手段)を有するレベラーを用いた場合の結果を図13〜図15に示す。ここでは、第2の分割クラウニング手段としてウェッジ式ロール撓み制御機構を想定したモデルを用いた。図10と図13を比較すると、図13についてはNo.8ロールのみでなく、No.8ロール以外の矯正ロールにおいても曲げ曲率が板幅方向でほぼ均一化されている。その結果、矯正後の長手方向残留応力σxの板厚方向分布は図14のようになり、図11と比較すると、図14の方が表層から板厚中央寄りの近傍においても残留応力の板幅方向ばらつきが小さくなっているのがわかる。このような残留応力分布であるが故に、残留モーメントのばらつきも当然ながら図15のように小さく抑えられ、図12と比較しても更に残留モーメントのばらつきが低減されている。
1 矯正材
2 矯正ロール群
3 バックアップロール群
4 矯正ロール
5 第1の分割クラウニング手段
6 バックアップロール
7 油圧シリンダ
8 キャリッジ
9 支持部材
10 前段矯正ロール
11 第2の分割クラウニング手段
12 バックアップロール
13 ロールフレーム
14 可動くさび
15 油圧シリンダ
16 最終ロール
17 測定手段
18 バックアップロール
19 ロードセル
2 矯正ロール群
3 バックアップロール群
4 矯正ロール
5 第1の分割クラウニング手段
6 バックアップロール
7 油圧シリンダ
8 キャリッジ
9 支持部材
10 前段矯正ロール
11 第2の分割クラウニング手段
12 バックアップロール
13 ロールフレーム
14 可動くさび
15 油圧シリンダ
16 最終ロール
17 測定手段
18 バックアップロール
19 ロードセル
Claims (6)
- 千鳥状に配置された矯正ロール群を有するローラーレベラーにおいて、前記矯正ロール群中の1本の矯正ロールに対して、そのロール胴長方向に複数配置され、該矯正ロールにクラウンを与えるようにそれぞれ独立に圧下制御可能な第1の分割クラウニング手段を設けたことを特徴とするローラーレベラー。
- 前記第1の分割クラウニング手段は、前記1本の矯正ロールのロール胴長方向に配置された複数のバックアップロールと、各バックアップロールを介して前記矯正ロールを独立に圧下制御可能な複数の押圧手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載のローラーレベラー。
- 前記第1の分割クラウニング手段のほかに、前記矯正ロール以外の1本または複数本の矯正ロールをクラウニング可能な第2の分割クラウニング手段を有することを特徴とする請求項1または2記載のローラーレベラー。
- 前記第1の分割クラウニング手段は、N本の矯正ロールのうち、レベラー入側よりN−1本目の矯正ロールに対して設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のローラーレベラー。
- N本の矯正ロールのうち、レベラー入側よりN−1本目の矯正ロールに対して配置された前記第1の分割クラウニング手段と、N本目の矯正ロールに対してそのロール胴長方向の矯正反力分布を測定するように配置された複数の測定手段とを有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のローラーレベラー。
- 請求項1から5のいずれかに記載のローラーレベラーを用いて、レベラー入側よりN本目の矯正ロールの胴長方向複数位置において矯正中の矯正反力分布を測定し、該矯正反力分布測定値と予め算出した矯正反力分布予測値との差が矯正反力変動許容値以下となるように独立圧下制御可能なN−1本目の矯正ロールのクラウニング制御を行うことで、繰り返し曲げ矯正時のN−1本目の矯正ロールにおける最終曲げ曲率のロール胴長方向分布を均一化することを特徴とする矯正方法。
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---|---|---|---|
JP2003285607A JP2005052860A (ja) | 2003-08-04 | 2003-08-04 | ローラーレベラー及び矯正方法 |
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