JP4922249B2 - 作業車の走行伝動構造 - Google Patents
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Description
これにより、前輪と後輪とが同じ速度で駆動された状態で旋回を行うことにより、操向操作された前輪で作業地を荒らしてしまう状態が避けられる。前述のような旋回が終了して、前輪が直進位置側に操向操作されると、後二輪駆動状態から四輪駆動状態に戻る。
(構成)
本発明の第1特徴は作業車の走行伝動構造において次のように構成することにある。
前輪及び後輪に動力を伝達する四輪駆動状態、前輪への動力を遮断して後輪に動力を伝達する後二輪駆動状態を設定可能な伝動切換装置を備える。直進位置から右及び左の設定角度を設定し、前輪の操向角度を検出する操向角度センサーを備える。
前輪の操向角度が直進位置から右又は左の設定角度の範囲内であると、伝動切換装置を四輪駆動状態に操作し、前輪の操向角度が右又は左の設定角度を超えて操向限度側になると、伝動切換装置を後二輪駆動状態に操作する第1制御手段を備える。
前輪の操向角度が右及び左の設定角度を超えて直進位置側になってから設定時間の経過がカウントされると、伝動切換装置を四輪駆動状態に操作する第2制御手段を備える。
本発明の第1特徴によると、四輪駆動状態において、旋回を開始すべく前輪が右又は左に操向操作されて、前輪の操向角度が右又は左の設定角度を超えて操向限度側になると、後二輪駆動状態となる。旋回が終了して前輪が直進位置側に操向操作され、前輪の操向角度が右及び左の設定角度を超えて直進位置側になっても、直ぐに四輪駆動状態になることはなく、後二輪駆動状態が維持されて、設定時間の経過後に四輪駆動状態となる。
これにより、旋回が終了した後、設定時間が経過するまでの後二輪駆動状態において、前輪の操向操作を行って機体の向きを修正すればよいのであり、この間において前輪の操向操作が大きなものになっても、操向操作された前輪で作業地を荒らしてしまうようなことはない。
本発明の第1特徴によると、作業車の走行伝動構造において、四輪駆動状態での直進時に前輪を右又は左に操向操作して旋回を開始すると、後二輪駆動状態となるように構成した場合、旋回が終了しても設定時間が経過するまでは、後二輪駆動状態が維持されるように構成することにより、操向操作された前輪で作業地を荒らしてしまうような状態を避けることができるようになって、作業車の走行性能を向上させることができた。
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の作業車の走行伝動構造において次のように構成することにある。
前輪の操向角度が右及び左の設定角度を超えて直進位置側になってから設定時間が経過するまでに、前輪の操向角度が右又は左の設定角度を超えて操向限度側になると、設定時間の経過のカウントが再び最初から行われるように、第2制御手段を構成する。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
前項[I]に記載のように、旋回が終了した後、設定時間が経過するまで後二輪駆動状態が維持される状態において、大きな前輪の操向操作が行われると、機体の向きの修正に手間取ることが考えられ、設定時間が経過するまでに、機体の向きの修正が終了しないことが考えられる。これにより、設定時間が経過するまでの後二輪駆動状態において、前輪の操向操作を行って機体の向きを修正している途中で、設定時間が経過して四輪駆動状態となり、操向操作された前輪で作業地を荒らしてしまうことがある。
このように四輪駆動状態となるタイミングが先に延ばされることにより、この間に前輪の操向操作を行って機体の向きを修正することができるのであり、四輪駆動状態となるまでに機体の向きの修正を終了することができる。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、旋回が終了した後、設定時間が経過するまで後二輪駆動状態が維持される状態において、大きな前輪の操向操作が行われて、機体の向きの修正に手間取るようなことになっても、四輪駆動状態となるまでに機体の向きの修正を終了することができるようになって、作業車の走行性能を向上させることができた。
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第1又は第2特徴の作業車の走行伝動構造において次のように構成することにある。
設定時間を長短に変更可能な変更手段を備える。
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
旋回が終了した後、設定時間が経過するまでの後二輪駆動状態において、前輪の操向操作を行って機体の向きを修正する場合、機体の向きの修正にあまり時間を必要としない状態や、前項[II]に記載のような大きな前輪の操向操作は行われないが、機体の向きの修正に時間を要する状態が考えられる。
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第3特徴によると、各種の状態に応じて設定時間を短くしたり、長くしたりすることができるようになって、作業車の走行性能を向上させることができた。
図1に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2で支持された機体の前部にエンジン10が備えられ、機体の後部にミッションケース3が備えられて、作業車の一例である四輪駆動型の農用トラクタが構成されている。
制御弁19により標準クラッチ8を遮断状態に操作し、制御弁20により増速クラッチ9を伝動状態に操作すると、前輪1が後輪2よりも高速で駆動されるように、前輪1及び後輪2に動力が伝達される増速四輪駆動状態が得られる。
制御弁19,20により標準及び増速クラッチ8,9を遮断状態に操作すると、右及び左の前輪1への動力が遮断され(右及び左の前輪1が自由回転状態)、右及び左の後輪2に動力が伝達される後二輪駆動状態が得られる。
図2,3,4に示すように、右及び左の後輪2を独立に制動作動する右及び左のサイドブレーキ11が備えられ、右及び左のサイドブレーキペダル12が備えられている。右のサイドブレーキ11と右のサイドブレーキペダル12とが、右の操作シリンダ13及び右の連係ロッド14を介して接続されており、左のサイドブレーキ11と左のサイドブレーキペダル12とが、左の操作シリンダ13及び左の連係ロッド14を介して接続されている。
図2に示すように、パワーステアリング用の操作シリンダ23が備えられ、右及び左の前輪1のナックルアーム24と操作シリンダ23とに亘って、右及び左のタイロッド25が接続されて、全油圧式のパワーステアリング機構が構成されており、図1に示す操縦ハンドル26の操作により操作シリンダ23が右又は左に作動して、右及び左の前輪1が右又は左に操向操作される。
次に、走行モードスイッチ28を後二輪駆動位置B1に操作した状態について、図5及び図6に基づいて説明する。
走行モードスイッチ28が後二輪駆動位置B1に操作されていると、操向角度センサー27の検出値、走行モードスイッチ28、第1及び第2旋回スイッチ29,30の操作位置に基づいて、以下のように制御装置18により制御弁19〜22が操作され、前輪変速装置5、右及び左のサイドブレーキ11が操作される。
次に、走行モードスイッチ28を標準四輪駆動位置B2に操作した状態の前半について図5及び図6に基づいて説明する。
走行モードスイッチ28が標準四輪駆動位置B2に操作されていると、操向角度センサー27の検出値、走行モードスイッチ28、第1及び第2旋回スイッチ29,30の操作位置に基づいて、以下のように制御装置18により制御弁19〜22が操作され、前輪変速装置5、右及び左のサイドブレーキ11が操作される。
次に、走行モードスイッチ28を標準四輪駆動位置B2に操作した状態の後半について図5及び図6に基づいて説明する。
前項[5]に記載のようにして旋回状態となった後、前輪1の操向角度Aが右及び左の設定角度A2を超えて直進位置A1側になって(ステップS1,S2)、直進状態及び機体の向きを少し変える状態に戻ると、第1旋回スイッチ29がON位置に操作されている場合には(ステップS26,S27)、右及び左のサイドブレーキ11が解除状態に操作され(ステップS3)、第2旋回スイッチ30がOFF位置に操作されていると(ステップS4,S5,S6)、ステップS6からステップS12に移行して、前輪変速装置5が標準四輪駆動状態に維持される(ステップS14)。
このように、前輪変速装置5が後二輪駆動状態に維持される間において、右及び左の前輪1の操向操作を行って機体の向きを修正する。カウント時間Tが設定時間T1に達すると(ステップS11)、前輪変速装置5が標準四輪駆動状態に操作される(ステップS12,S14)(第2制御手段に相当)。この場合、設定スイッチ31を操作することにより、設定時間T1を少し長めに設定したり、少し短めに設定したりすることができる。
次に、走行モードスイッチ28を増速四輪駆動位置B3に操作した状態について、図5及び図6に基づいて説明する。
走行モードスイッチ28が増速四輪駆動位置B3に操作されていると、操向角度センサー27の検出値、走行モードスイッチ28、第1及び第2旋回スイッチ29,30の操作位置に基づいて、以下のように制御装置18により制御弁19〜22が操作され、前輪変速装置5、右及び左のサイドブレーキ11が操作される。
前述の[発明を実施するための最良の形態]では、図5のステップS5,S6に示すように、走行モードスイッチ28が標準四輪駆動位置B2に操作され、且つ第2旋回スイッチ30がON位置に操作されている状態において、ステップS7〜S11に移行するように構成されている。
この構成において、走行モードスイッチ28が標準四輪駆動位置B2に操作され、且つ第2旋回スイッチ30がON位置に操作されている状態、並びに、走行モードスイッチ28が増速四輪駆動位置B3に操作され、且つ第2旋回スイッチ30がON位置に操作されている状態の両方の状態において、ステップS7〜S11に移行するように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]において、増速四輪駆動状態を廃止し、後二輪駆動状態及び標準四輪駆動状態の2状態を備えたものに構成してもよい。
2 後輪
5 伝動切換装置
27 操向角度センサー
31 変更手段
A 前輪の操向角度
A1 直進位置
A2 右及び左の設定角度
A3 操向限度
T1 設定時間
Claims (3)
- 前輪及び後輪に動力を伝達する四輪駆動状態、前輪への動力を遮断して後輪に動力を伝達する後二輪駆動状態を設定可能な伝動切換装置を備えて、
直進位置から右及び左の設定角度を設定し、前輪の操向角度を検出する操向角度センサーを備えて、
前輪の操向角度が直進位置から右又は左の設定角度の範囲内であると、前記伝動切換装置を四輪駆動状態に操作し、前輪の操向角度が右又は左の設定角度を超えて操向限度側になると、前記伝動切換装置を後二輪駆動状態に操作する第1制御手段を備え、
前輪の操向角度が右及び左の設定角度を超えて直進位置側になってから設定時間の経過がカウントされると、前記伝動切換装置を四輪駆動状態に操作する第2制御手段を備えてある作業車の走行伝動構造。 - 前輪の操向角度が右及び左の設定角度を超えて直進位置側になってから設定時間が経過するまでに、前輪の操向角度が右又は左の設定角度を超えて操向限度側になると、設定時間の経過のカウントが再び最初から行われるように、前記第2制御手段を構成してある請求項1に記載の作業車の走行伝動構造。
- 前記設定時間を長短に変更可能な変更手段を備えてある請求項1又は2に記載の作業車の走行伝動構造。
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