JP2005096507A - 乗用型作業車 - Google Patents

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Hiroto Kimura
木村  浩人
Masaki Orimoto
正樹 折本
Akio Kashii
秋雄 樫井
Toru Tsukamoto
徹 塚本
Kimihiko Otoshi
公彦 大利
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Abstract

【課題】 乗用型作業車において、右及び左の前輪を右又は左に操向操作して旋回する場合、旋回中心側の後輪によって作業地が荒らされる状態を少なくする。
【解決手段】 右及び左の後輪2に動力を伝動及び遮断可能な摩擦式の右及び左のサイドクラッチ31を備える。右及び左の前輪1が直進位置A0に操向操作されると、右及び左のサイドクラッチ31が伝動状態に操作され、右及び左の前輪1が直進位置A0から右及び左に操向操作されると、旋回中心側のサイドクラッチ31が所定の短い周期で伝動状態及び遮断状態に繰り返して操作されるように構成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、乗用型作業車の走行系の構造に関する。
乗用型作業車では例えば特許文献1に開示されているように、右及び左の後輪に動力を伝動及び遮断自在な右及び左のサイドクラッチ(特許文献1の図7,8,9中の96)を備えて、右及び左の前輪が直進位置に操向操作されると、右及び左のサイドクラッチが伝動状態に操作され、右及び左の前輪が右又は左に操向操作されると、旋回中心側のサイドクラッチが遮断操作されるように、右及び左の前輪と右及び左のサイドクラッチとを連係したものがある。
このように旋回中心側のサイドクラッチが遮断操作されて、旋回中心側の後輪が自由回転するように構成すると(旋回外側の後輪には動力が伝達されている)、旋回中心側の後輪が旋回に伴って適度に回転しながら前進する状態となって、旋回時に旋回中心側の後輪によって作業地が荒らされる状態が少なくなる。
特開2001−95332号公報(図7,8,9)
特許文献1の構造において右及び左の前輪を右又は左に操向操作して旋回する場合、特に走行抵抗の大きな作業地では(例えば凹凸の激しい地面や深い水田等)、旋回中心側の後輪が回転せずに殆どその場で横に向きを変えるような状態になることがある。このように、旋回中心側の後輪が回転せずに殆どその場で横に向きを変えるような状態になると、旋回時に旋回中心側の後輪によって作業地が荒らされる状態になることがある。
本発明は乗用型作業車において、右及び左の前輪を右又は左に操向操作して旋回する場合、作業地の状態の影響を受けることなく、旋回時に旋回中心側の後輪によって作業地が荒らされる状態を少なくすることを目的としている。
[I]
(構成)
本発明の第1特徴は、乗用型作業車において次のように構成することにある。
操向操作自在な右及び左の前輪と、右及び左の後輪と、右の後輪に動力を伝動及び遮断可能な摩擦式の右のサイドクラッチと、左の後輪に動力を伝動及び遮断可能な摩擦式の左のサイドクラッチとを備える。右及び左の前輪が直進位置に操向操作されると、右及び左のサイドクラッチを伝動状態に操作し、右及び左の前輪が直進位置から右及び左に操向操作されると、旋回中心側のサイドクラッチを所定の短い周期で伝動状態及び遮断状態に繰り返して操作する制御手段を備える。
(作用)
本発明の第1特徴によれば、右及び左の前輪が直進位置に操向操作されると、右及び左のサイドクラッチが伝動状態に操作され、右及び左の後輪に動力が伝達されて、機体は正常に直進する。
次に本発明の第1特徴によれば、右及び左の前輪が直進位置から右及び左に操向操作されると、旋回中心側のサイドクラッチが所定の短い周期で伝動状態及び遮断状態に繰り返して操作される。
本発明の第1特徴のように、右及び左のサイドクラッチを所定の短い周期で伝動状態及び遮断状態に繰り返して操作自在に構成すると、ミクロ的には右及び左のサイドクラッチから右及び左の後輪に動力が断続的に繰り返して伝達される状態となるが、マクロ的には右及び左のサイドクラッチから右及び左の後輪に動力が連続的に伝達される状態となる。本発明の第1特徴によると、旋回中心側のサイドクラッチの伝動状態の時間と遮断状態の時間との比を変更することにより、旋回中心側のサイドクラッチの伝動状態(動力伝達状態)が変更されて、旋回中心側の後輪が旋回外側の後輪よりも低速で回転駆動される。
これにより、本発明の第1特徴によると、特に走行抵抗の大きな作業地であっても(例えば凹凸の激しい地面や深い水田等)、旋回中心側の後輪は停止することなく回転駆動され、旋回中心側の後輪は少しずつ回転して前進しながら横に向きを変えるような状態となるのであり、旋回中心側の後輪が回転せずに殆どその場で横に向きを変えるような状態は生じ難い。
この場合、本発明の第1特徴によると、右及び左の前輪が直進位置から右及び左に操向操作された場合、旋回外側の後輪は機体が直進している状態での速度で駆動されたままの状態となっており、旋回外側の後輪が不必要に高速で駆動されることがないので、旋回外側の後輪によって作業地が荒らされる状態は生じ難い。
本発明の第1特徴に対して、旋回中心側のサイドクラッチを滑らせながら伝動状態を常に維持することによって(いわゆる半クラッチ状態)、旋回中心側のサイドクラッチの動力伝達を低下させることができるのであるが、前述の半クラッチ状態では旋回中心側のサイドクラッチが滑りながら動力を伝達するので、旋回中心側のサイドクラッチが発熱し易く、旋回中心側のサイドクラッチの耐久性の低下を生じ易い。又、前述の半クラッチ状態では作業地からの抵抗の変化により、旋回中心側の後輪の回転速度が変化し易い。
これに対して、本発明の第1特徴によると、旋回中心側のサイドクラッチを所定の短い周期で伝動状態及び遮断状態に繰り返して操作して、旋回中心側のサイドクラッチから旋回中心側の後輪に動力を伝達するように構成しているので、旋回中心側のサイドクラッチが滑りながら動力を伝達すると言う状態が少ない。
(発明の効果)
本発明の第1特徴によると、右及び左の前輪を右又は左に操向操作して旋回する場合、旋回中心側の後輪が少しずつ回転して前進しながら横に向きを変えるような状態となり、旋回中心側の後輪が回転せずに殆どその場で横に向きを変えるような状態を生じ難くすることができるようになって、作業地の状態の影響を受けることなく、旋回時に旋回中心側の後輪によって作業地が荒らされる状態を少なくすることができて、乗用型作業車の旋回性能を向上させることができた。
本発明の第1特徴によると、右及び左の前輪を右又は左に操向操作して旋回する場合、旋回外側の後輪は機体が直進している状態での速度で駆動されたままの状態となり、旋回外側の後輪によって作業地が荒らされる状態が生じ難いので、この面においても乗用型作業車の旋回性能を向上させることができた。
本発明の第1特徴によると、旋回中心側のサイドクラッチを所定の短い周期で伝動状態及び遮断状態に繰り返して操作して、旋回中心側のサイドクラッチから旋回中心側の後輪に動力を伝達するように構成しているので、旋回中心側のサイドクラッチが滑りながら動力を伝達すると言う状態が少なく、旋回中心側のサイドクラッチの発熱が少なくなって、旋回中心側のサイドクラッチの耐久性の低下を抑えることができた。又、旋回中心側のサイドクラッチが滑りながら動力を伝達すると言う状態が少ないことによって、作業地からの抵抗の変化により旋回中心側の後輪の回転速度が変化することが少なく、安定した旋回を行うことができるようになった。
[II]
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の乗用型作業車において次のように構成することにある。
右及び左の前輪の操向角度に応じて、旋回中心側のサイドクラッチの伝動状態の時間と遮断状態の時間との比が変更されるように、制御手段を構成する。
本発明の第3特徴は、本発明の第1特徴の乗用型作業車において次のように構成することにある。
機体の走行速度に応じて、旋回中心側のサイドクラッチの伝動状態の時間と遮断状態の時間との比が変更されるように、制御手段を構成する。
本発明の第4特徴は、本発明の第1特徴の乗用型作業車において次のように構成することにある。
右及び左の前輪の操向角度及び機体の走行速度に応じて、旋回中心側のサイドクラッチの伝動状態の時間と遮断状態の時間との比が変更されるように、制御手段を構成する。
(作用)
本発明の第2,3,4特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
前項[I]に記載のように、右及び左のサイドクラッチを所定の短い周期で伝動状態及び遮断状態に繰り返して操作自在に構成する場合、旋回中心側のサイドクラッチの伝動状態の時間と遮断状態の時間との比を変更することにより、旋回中心側の後輪の回転速度を変更することができる。
本発明の第2特徴(第4特徴)によると、右及び左の前輪を右又は左に操向操作して旋回する場合、右及び左の前輪の操向角度(機体の旋回半径)に応じて、旋回中心側の後輪が旋回外側の後輪よりも低速の適切な回転速度で回転駆動されるようにすることができる(例えば、右及び左の前輪が直進位置から右及び左に大きく操向操作されるほど(機体の旋回半径が小さくなるほど)、旋回中心側の後輪の回転速度が低速になるようにすることができる)。
本発明の第3特徴(第4特徴)によると、右及び左の前輪を右又は左に操向操作して旋回する場合、機体の走行速度に応じて、旋回中心側の後輪が旋回外側の後輪よりも低速の適切な回転速度で回転駆動されるようにすることができる(例えば、機体の走行速度が高速になるほど(機体の旋回速度が高速になるほど)、旋回中心側の後輪の回転速度が低速になるようにすることができる)。
(発明の効果)
本発明の第2,3,4特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴(第4特徴)によると、右及び左の前輪の操向角度(機体の旋回半径)に応じて、旋回中心側の後輪が旋回外側の後輪よりも低速の適切な回転速度で回転駆動されるようになり、右及び左の前輪の操向角度(機体の旋回半径)に応じて、旋回中心側の後輪が少しずつ回転して前進しながら横に向きを変えるような状態が適切に設定されるようになって、右及び左の前輪の操向角度(機体の旋回半径)の影響を受けることなく、旋回時に旋回中心側の後輪によって作業地が荒らされる状態を少なくすることができて、乗用型作業車の旋回性能を向上させることができた。
本発明の第3特徴(第4特徴)によると、機体の走行速度に応じて(機体の旋回速度に応じて)、旋回中心側の後輪が旋回外側の後輪よりも低速の適切な回転速度で回転駆動されるようになり、機体の走行速度(機体の旋回速度)に応じて、旋回中心側の後輪が少しずつ回転して前進しながら横に向きを変えるような状態が適切に設定されるようになり、機体の走行速度(機体の旋回速度)の影響を受けることなく、旋回時に旋回中心側の後輪によって作業地が荒らされる状態を少なくすることができて、乗用型作業車の旋回性能を向上させることができた。
[III]
(構成)
本発明の第5特徴は、本発明の第1特徴の乗用型作業車において次のように構成することにある。
右及び左の前輪の操向角度に応じて周期が変更されるように、制御手段を構成する。
本発明の第6特徴は、本発明の第1特徴の乗用型作業車において次のように構成することにある。
機体の走行速度に応じて周期が変更されるように、制御手段を構成する。
本発明の第7特徴は、本発明の第1特徴の乗用型作業車において次のように構成することにある。
右及び左の前輪の操向角度及び機体の走行速度に応じて周期が変更されるように、制御手段を構成する。
(作用)
本発明の第5,6,7特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
前項[I]に記載のように、右及び左のサイドクラッチを所定の短い周期で伝動状態及び遮断状態に繰り返して操作自在に構成する場合、周期を変更することにより、旋回中心側のサイドクラッチの動力伝達状態を変更することができる(例えば、旋回中心側のサイドクラッチが間欠的に動力を伝達したり、連続的に動力を伝達したりするようにすることができる)。
本発明の第5特徴(第7特徴)によると、右及び左の前輪を右又は左に操向操作して旋回する場合、右及び左の前輪の操向角度(機体の旋回半径)に応じて、旋回中心側の後輪が旋回外側の後輪よりも低速の回転速度で回転駆動される際に、旋回中心側のサイドクラッチを適切な動力伝達状態にすることができる(例えば、右及び左の前輪が直進位置から右及び左に大きく操向操作されるほど(機体の旋回半径が小さくなるほど)、旋回中心側のサイドクラッチが連続的に動力を伝達するようにすることができる)。
本発明の第6特徴(第7特徴)によると、右及び左の前輪を右又は左に操向操作して旋回する場合、機体の走行速度に応じて、旋回中心側の後輪が旋回外側の後輪よりも低速の回転速度で回転駆動される際に、旋回中心側のサイドクラッチを適切な動力伝達状態にすることができる(例えば、機体の走行速度が高速になるほど(機体の旋回速度が高速になるほど)、旋回中心側のサイドクラッチが連続的に動力を伝達するようにすることができる)。
(発明の効果)
本発明の第5,6,7特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第5特徴(第7特徴)によると、右及び左の前輪の操向角度(機体の旋回半径)に応じて、旋回中心側のサイドクラッチを適切な動力伝達状態にすることができ、右及び左の前輪の操向角度(機体の旋回半径)に応じて、旋回中心側の後輪が少しずつ回転して前進しながら横に向きを変えるような状態が適切に設定されるようになって、右及び左の前輪の操向角度(機体の旋回半径)の影響を受けることなく、旋回時に旋回中心側の後輪によって作業地が荒らされる状態を少なくすることができて、乗用型作業車の旋回性能を向上させることができた。
本発明の第6特徴(第7特徴)によると、機体の走行速度(機体の旋回速度)に応じて旋回中心側のサイドクラッチを適切な動力伝達状態にすることができ、機体の走行速度(機体の旋回速度)に応じて、旋回中心側の後輪が少しずつ回転して前進しながら横に向きを変えるような状態が適切に設定されるようになって、機体の走行速度(機体の旋回速度)の影響を受けることなく、旋回時に旋回中心側の後輪によって作業地が荒らされる状態を少なくすることができて、乗用型作業車の旋回性能を向上させることができた。
[IV]
(構成)
本発明の第8特徴は、本発明の第1〜第7特徴の乗用型作業車のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することにある。
油圧駆動力により駆動される操作部材によって、旋回中心側のサイドクラッチが伝動状態及び遮断状態に操作されるように構成する。
(作用)
本発明の第8特徴によると、本発明の第1〜第7特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[I]〜[III]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第8特徴のように、油圧駆動力によると操作部材が充分な力により操作されるように構成することができるので、旋回中心側のサイドクラッチが操作部材によって伝動状態及び遮断状態に確実に操作されるようになる。
(発明の効果)
本発明の第8特徴によると、本発明の第1〜第7特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[I]〜[III]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第8特徴によると、旋回中心側のサイドクラッチが操作部材によって伝動状態及び遮断状態に確実に操作されるようになって、旋回中心側のサイドクラッチの動力伝達を低下させる際の作動の信頼性を向上させることができた。
[V]
本発明の第9特徴は、本発明の第1〜第7特徴の乗用型作業車のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することにある。
電気駆動力により駆動される操作部材によって、旋回中心側のサイドクラッチが伝動状態及び遮断状態に操作されるように構成する。
(作用)
本発明の第9特徴によると、本発明の第1〜第7特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[I]〜[III]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第9特徴のように、電気駆動力によると操作部材が充分な高速により操作されるように構成することができるので、旋回中心側のサイドクラッチの伝動状態の時間と遮断状態の時間との比や、周期を適切に変更することができるようになる。
(発明の効果)
本発明の第9特徴によると、本発明の第1〜第7特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[I]〜[III]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第9特徴によると、旋回中心側のサイドクラッチの伝動状態の時間と遮断状態の時間との比や、周期を適切に変更することができるようになって、旋回中心側のサイドクラッチの動力伝達を低下させる際の作動の信頼性を向上させることができた。
[1]
図1に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2を備えた機体の後部に、リンク機構3及びリンク機構3を昇降駆動する油圧シリンダ4が備えられ、リンク機構3の後部に苗植付装置5が支持されて、乗用型作業車の一例である乗用型田植機が構成されている。
図1に示すように、苗植付装置5は、伝動ケース6、伝動ケース6の後部に回転駆動自在に支持された植付ケース7、植付ケース7の両端に備えられた一対の植付アーム8、接地フロート9及び苗のせ台10等を備えて構成されている。これにより、苗のせ台10が左右に往復横送り駆動されるのに伴って、植付ケース7が回転駆動され、苗のせ台10の下部から植付アーム8が交互に苗を取り出して田面に植え付ける。
図1に示すように、運転座席11の後側に肥料を貯留するホッパー12及び繰り出し部13が備えられ、運転座席11の下側にブロア14が備えられている。接地フロート9に作溝器15が備えられて、繰り出し部13と作溝器15とに亘ってホース16が接続されている。これにより前述のような苗の植え付けに伴って、ホッパー12から肥料が所定量ずつ繰り出し部13によって繰り出され、ブロア14の送風により肥料がホース16を通って作溝器15に供給されるのであり、作溝器15を介して肥料が田面に供給される。
[2]
図1に示すように、機体の前部にミッションケース17が備えられ、ミッションケース17から前方に延出された支持フレーム18にエンジン19が支持されている。図3及び図4に示すように、ミッションケース17の右及び左側部にスペーサ26が連結され、スペーサ26に右及び左の前車軸ケース21が連結されており、右及び左の前車軸ケース21に右及び左の前輪1が右及び左に操向操作自在に支持されている。右の前車軸ケース21のフランジ部21aと、左の前車軸ケース21のフランジ部21aとに亘って、補強フレーム22がミッションケース17の下側を通るように連結されている。
図2に示すように、ミッションケース17の下部にピットマンアーム20が縦軸芯P1周りに揺動自在に支持され、右及び左の前輪1とピットマンアーム20とに亘ってタイロッド27が接続されている。図1に示すように、運転座席11の前方に操縦ハンドル28が備えられて、操縦ハンドル28によりピットマンアーム20が揺動操作されるように構成されており、操縦ハンドル28によりピットマンアーム20を揺動操作して、右及び左の前輪1を右及び左に操向操作する。
ミッションケース17の左側部に静油圧式無段変速装置(図示せず)が連結されて、エンジン19の動力が伝動ベルト(図示せず)を介して、静油圧式無段変速装置に伝達されている。静油圧式無段変速装置の動力がミッションケース17の内部に伝達され、ギヤ変速式の副変速装置(図示せず)、前輪デフ機構(図示せず)及び前車軸(図示せず)を介して、右及び左の前輪1に伝達される。図1及び図2に示すように、副変速装置の動力がミッションケース17から伝動軸23及び後車軸ケース24を介して、右及び左の後輪2に伝達される。静油圧式無段変速装置の動力が、植付クラッチ(図示せず)及びPTO軸25を介して苗植付装置5に伝達される。
[3]
次に、後車軸ケース24について説明する。
図2に示すように、後車軸ケース24に1本の伝動軸29が支持されて、伝動軸29にベベルギヤ29aが固定されており、伝動軸23の動力がベベルギヤ29aを介して伝動軸29に伝達される(後輪デフ機構は備えられていない)。伝動軸29に伝動ギヤ30が相対回転自在に外嵌されて、伝動軸29と伝動ギヤ30との間に右及び左のサイドクラッチ31が備えられている。伝動ギヤ30と右及び左の後輪2の車軸2aとが、中間ギヤ32を介して連動されている。
図2に示すように、右及び左のサイドクラッチ31は、多数の摩擦板及び摩擦板を押圧するピストン31aを備えた摩擦式に構成されて、バネ(図示せず)によりピストン31aが摩擦板の押圧側(伝動状態)に付勢されており、右及び左のサイドクラッチ31に作動油を供給してピストン31aを摩擦板から離し操作することにより、右及び左のサイドクラッチ31が遮断状態に操作される。これにより、伝動軸23の動力が伝動軸29、伝動状態の右及び左のサイドクラッチ31、中間ギヤ32を介して右及び左の後輪2に伝達される。右又は左のサイドクラッチ31を遮断状態に操作すると、右又は左の後輪2への動力が遮断されて、右又は左の後輪2が自由回転状態となる。
図2に示すように、後車軸ケース24と伝動軸29と間に摩擦式のブレーキ34が備えられており、1つのブレーキペダル35とブレーキ34とが機械的に連係されている。これにより、ブレーキペダル34を踏み操作すると伝動軸29に制動が掛かり、右及び左の前輪1に制動が掛かるのであり、伝動状態の右及び左のサイドクラッチ31を介して右及び左の後輪2に制動が掛かる。
図2に示すように、油圧ポンプ(図示せず)の作動油を右及び左のサイドクラッチ31に給排操作する右及び左の制御弁33が備えられている。右及び左の制御弁33は、右及び左のサイドクラッチ31から作動油を排出して右及び左のサイドクラッチ31を伝動状態に操作する伝動位置33a、右及び左のサイドクラッチ31に作動油を供給して右及び左のサイドクラッチ31を遮断状態に操作する遮断位置33bに操作自在に構成されており、バネにより伝動位置33aに付勢された電磁操作式に構成されている。
図2に示すように、制御装置36が備えられており、制御装置36により右及び左の制御弁33が通電及び通電遮断されて、図5に示すように、右及び左の制御弁33が所定の短い周期Tで伝動位置33a及び遮断位置33bに繰り返して操作される。この場合、右(左)の制御弁33の伝動状態33aの時間T1と右(左)の制御弁33の遮断状態33bの時間T2との比T1/T2が、制御装置36により変更自在に構成されている。図2に示すように、ピットマンアーム20の操向角度を検出する操向角度センサー37が備えられており、操向角度センサー37の検出値が制御装置36に入力されている。
[4]
次に、右及び左の前輪1を右又は左に操向操作して旋回する状態について説明する。
図2に示すように、ピットマンアーム20に対して、直進位置A0、右及び左の設定角度A1、右及び左の操向限度A2が設定されている。図2に示す状態はピットマンアーム20が直進位置A0に操向操作された状態であり、右及び左の制御弁33が伝動位置33aに操作されて保持され、右及び左のサイドクラッチ31が伝動状態に操作されている。ピットマンアーム20が直進位置A0と右及び左の設定角度A1との間に操向操作されていても、前述の状態となる。これにより、機体は直進又は緩やかに右又は左に向きを変える。
図2に示すように、ピットマンアーム20が右(左)の設定角度A1と右(左)の操向限度A2との間に操向操作されると、図5に示すように旋回中心側(右又は左)の制御弁33が、所定の短い周期T(周波数)で伝動位置33a及び遮断位置33bに繰り返して操作される(旋回中心側(右又は左)のサイドクラッチ31が短い周期T(周波数)で伝動状態及び遮断状態に繰り返して操作される)。
周期T(周波数)が初期値R2に維持された状態において、図6の実線B1に示すように、ピットマンアーム20が右(左)の設定角度A1と右(左)の操向限度A2との間に操向操作されると、ピットマンアーム20の操向角度に応じて、ピットマンアーム20が直進位置A0から右(左)に大きく操向操作されるほど、旋回中心側(右又は左)の制御弁33の伝動位置33aの時間T1と遮断位置33bの時間T2との比T1/T2が、初期値R1から次第に小さくなっていく。これにより、旋回中心側(右又は左)のサイドクラッチ31の動力伝達が低下して、旋回中心側(右又は左)の後輪2の駆動回転数(回転速度)が低下していく。
図6の実線B1に示すように、ピットマンアーム20が右(左)の操向限度A2に操向操作されると、旋回中心側(右又は左)の制御弁33の伝動位置33aの時間T1と遮断位置33bの時間T2との比T1/T2が、「0.0」となり(旋回中心側(右又は左)の制御弁33が遮断位置33bに操作されて保持された状態)、旋回中心側(右又は左)のサイドクラッチ31が遮断状態に操作されて、旋回中心側(右又は左)の後輪2が自由回転状態となる。
以上の状態において、旋回外側(左又は右)のサイドクラッチ31は伝動状態に操作されており、右及び左の前輪1、旋回外側(左又は右)の後輪2には、ピットマンアーム20が直進位置A0に操向操作された状態での動力が伝達されている。
前述のように、ピットマンアーム20が右(左)の設定角度A1と右(左)の操向限度A2との間に操向操作される場合、周期T(周波数)が初期値R2に維持された状態において、に、ピットマンアーム20が直進位置A0から右(左)に大きく操向操作されるほど、旋回中心側(右又は左)の制御弁33の伝動位置33aの時間T1と遮断位置33bの時間T2との比T1/T2が、図6の一点鎖線B2や二点鎖線B3に示すように、初期値R1から次第に小さくなっていくように構成してもよい。
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]に代えて、図7に示すように構成してもよい。
機体の走行速度を検出する走行速度センサー(図2に示す伝動軸23等の回転数を検出し、右及び左の前輪1や右及び左の後輪2の回転速度を算出して機体の走行速度とする)(図示せず)を備えて、走行速度センサーの検出値を制御装置36に入力するように構成する。ピットマンアーム20が直進位置A0、直進位置A0と右及び左の設定角度A1との間に操向操作されていると、右及び左の制御弁33が伝動位置33aに操作されて保持され、右及び左のサイドクラッチ31が伝動状態に操作されている。
図7に示すように、ピットマンアーム20が右(左)の設定角度A1と右(左)の操向限度A2との間に操向操作されると、図5に示すように旋回中心側(右又は左)の制御弁33が、所定の短い周期T(周波数)で伝動位置33a及び遮断位置33bに繰り返して操作される(旋回中心側(右又は左)のサイドクラッチ31が短い周期T(周波数)で伝動状態及び遮断状態に繰り返して操作される)。
ピットマンアーム20が右(左)の設定角度A1と右(左)の操向限度A2との間に操向操作されると、周期T(周波数)が初期値R2に維持された状態において、旋回中心側(右又は左)の制御弁33の伝動位置33aの時間T1と遮断位置33bの時間T2との比T1/T2が、初期値R1に維持される。この状態において、図7の実線C1に示すように、機体の走行速度が高速になるほど(機体の旋回速度が高速になるほど)、旋回中心側(右又は左)の制御弁33の伝動位置33aの時間T1と遮断位置33bの時間T2との比T1/T2が、初期値R1から次第に小さくなっていく。
前述のように、ピットマンアーム20が右(左)の設定角度A1と右(左)の操向限度A2との間に操向操作される場合、周期T(周波数)が初期値R2に維持された状態において、旋回中心側(右又は左)の制御弁33の伝動位置33aの時間T1と遮断位置33bの時間T2との比T1/T2が、機体の走行速度が高速になるほど(機体の旋回速度が高速になるほど)、図7の一点鎖線C2や二点鎖線C3に示すように、初期値R1から次第に小さくなっていくように構成してもよい。
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]に代えて、以下のように構成してもよい。
機体の走行速度を検出する走行速度センサー(図2に示す伝動軸23等の回転数を検出し、右及び左の前輪1や右及び左の後輪2の回転速度を算出して、機体の走行速度とする)(図示せず)を備えて、走行速度センサーの検出値を制御装置36に入力するように構成する。ピットマンアーム20が直進位置A0、直進位置A0と右及び左の設定角度A1との間に操向操作されていていると、右及び左の制御弁33が伝動位置33aに操作されて保持され、右及び左のサイドクラッチ31が伝動状態に操作されている。
ピットマンアーム20が右(左)の設定角度A1と右(左)の操向限度A2との間に操向操作されると、図5に示すように旋回中心側(右又は左)の制御弁33が、所定の短い周期T(周波数)で伝動位置33a及び遮断位置33bに繰り返して操作される(旋回中心側(右又は左)のサイドクラッチ31が短い周期T(周波数)で伝動状態及び遮断状態に繰り返して操作される)。
ピットマンアーム20が右(左)の設定角度A1と右(左)の操向限度A2との間に操向操作されると、周期T(周波数)が初期値R2に維持された状態において、ピットマンアーム20の操向角度に応じて、ピットマンアーム20が直進位置A0から右(左)に大きく操向操作されるほど、旋回中心側(右又は左)の制御弁33の伝動位置33aの時間T1と遮断位置33bの時間T2との比T1/T2が、初期値R1から次第に小さくなっていく(図6参照)。
この状態において、機体の走行速度が高速になるほど(機体の旋回速度が高速になるほど)、旋回中心側(右又は左)の制御弁33の伝動位置33aの時間T1と遮断位置33bの時間T2との比T1/T2が、さらに小さくなっていく。
ピットマンアーム20が右(左)の操向限度A2に操向操作されると、旋回中心側(右又は左)の制御弁33の伝動位置33aの時間T1と遮断位置33bの時間T2との比T1/T2が、「0.0」となり(旋回中心側(右又は左)の制御弁33が遮断位置33bに操作されて保持された状態)、旋回中心側(右又は左)のサイドクラッチ31が遮断状態に操作されて旋回中心側(右又は左)の後輪2が自由回転状態となる(図6参照)。
[発明の実施の第3別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態][発明の実施の第2別形態]に代えて、図8に示すように構成してもよい。
ピットマンアーム20が直進位置A0、直進位置A0と右及び左の設定角度A1との間に操向操作されていていると、右及び左の制御弁33が伝動位置33aに操作されて保持され、右及び左のサイドクラッチ31が伝動状態に操作されている。
図8に示すように、ピットマンアーム20が右(左)の設定角度A1と右(左)の操向限度A2との間に操向操作されると、図5に示すように旋回中心側(右又は左)の制御弁33が、所定の短い周期T(周波数)で伝動位置33a及び遮断位置33bに繰り返して操作される(旋回中心側(右又は左)のサイドクラッチ31が短い周期T(周波数)で伝動状態及び遮断状態に繰り返して操作される)。
図8の実線D1に示すように、ピットマンアーム20が右(左)の設定角度A1と右(左)の操向限度A2との間に操向操作されると、旋回中心側(右又は左)の制御弁33の伝動位置33aの時間T1と遮断位置33bの時間T2との比T1/T2が初期値R1に維持された状態において、ピットマンアーム20の操向角度に応じて、ピットマンアーム20が直進位置A0から右(左)に大きく操向操作されるほど、周期Tが初期値R2から次第に小さくなっていく(周波数が次第に大きくなっていく)。この場合、周期Tが大きいと(周波数が小さいと)、旋回中心側(右又は左)のサイドクラッチ31が間欠的に動力を伝達する状態となるのであり、周期Tが小さいと(周波数が大きいと)、旋回中心側(右又は左)のサイドクラッチ31が連続的に動力を伝達する状態となる。
前述のように、ピットマンアーム20が右(左)の設定角度A1と右(左)の操向限度A2との間に操向操作される場合、ピットマンアーム20が直進位置A0から右(左)に大きく操向操作されるほど、周期T(周波数)が図8の一点鎖線D2や二点鎖線D3に示すように、初期値R2から次第に小さく(大きく)なっていくように構成してもよい。
[発明の実施の第4別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第3別形態]に代えて、図9に示すように構成してもよい。
機体の走行速度を検出する走行速度センサー(図2に示す伝動軸23等の回転数を検出し、右及び左の前輪1や右及び左の後輪2の回転速度を算出して、機体の走行速度とする)(図示せず)を備えて、走行速度センサーの検出値を制御装置36に入力するように構成する。ピットマンアーム20が直進位置A0、直進位置A0と右及び左の設定角度A1との間に操向操作されていていると、右及び左の制御弁33が伝動位置33aに操作されて保持され、右及び左のサイドクラッチ31が伝動状態に操作されている。
ピットマンアーム20が右(左)の設定角度A1と右(左)の操向限度A2との間に操向操作されると、図5に示すように旋回中心側(右又は左)の制御弁33が、所定の短い周期T(周波数)で伝動位置33a及び遮断位置33bに繰り返して操作される(旋回中心側(右又は左)のサイドクラッチ31が短い周期T(周波数)で伝動状態及び遮断状態に繰り返して操作される)。
ピットマンアーム20が右(左)の設定角度A1と右(左)の操向限度A2との間に操向操作されると、旋回中心側(右又は左)の制御弁33の伝動位置33aの時間T1と遮断位置33bの時間T2との比T1/T2が初期値R1に維持された状態において、図9の実線E1に示すように、機体の走行速度が高速になるほど(機体の旋回速度が高速になるほど)、周期Tが初期値R2から次第に小さくなっていく(周波数が次第に大きくなっていく)。この場合、周期Tが大きいと(周波数が小さいと)、旋回中心側(右又は左)のサイドクラッチ31が間欠的に動力を伝達する状態となるのであり、周期Tが小さいと(周波数が大きいと)、旋回中心側(右又は左)のサイドクラッチ31が連続的に動力を伝達する状態となる。
前述のように、ピットマンアーム20が右(左)の設定角度A1と右(左)の操向限度A2との間に操向操作される場合、ピットマンアーム20が直進位置A0から右(左)に大きく操向操作されるほど、周期T(周波数)が図9の一点鎖線E2や二点鎖線E3に示すように、初期値R2から次第に小さく(大きく)なっていくように構成してもよい。
[発明の実施の第5別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第4別形態]に代えて、以下のように構成してもよい。
ピットマンアーム20が直進位置A0、直進位置A0と右及び左の設定角度A1との間に操向操作されていていると、右及び左の制御弁33が伝動位置33aに操作されて保持され、右及び左のサイドクラッチ31が伝動状態に操作されている。
ピットマンアーム20が右(左)の設定角度A1と右(左)の操向限度A2との間に操向操作されると、図5に示すように旋回中心側(右又は左)の制御弁33が、所定の短い周期T(周波数)で伝動位置33a及び遮断位置33bに繰り返して操作される(旋回中心側(右又は左)のサイドクラッチ31が短い周期T(周波数)で伝動状態及び遮断状態に繰り返して操作される)。
ピットマンアーム20が右(左)の設定角度A1と右(左)の操向限度A2との間に操向操作されると、旋回中心側(右又は左)の制御弁33の伝動位置33aの時間T1と遮断位置33bの時間T2との比T1/T2が初期値R1に維持された状態において、ピットマンアーム20の操向角度に応じて、ピットマンアーム20が直進位置A0から右(左)に大きく操向操作されるほど、周期Tが初期値R2から次第に小さくなっていく(周波数が次第に大きくなっていく)。
この状態において、機体の走行速度が高速になるほど(機体の旋回速度が高速になるほど)、周期Tがさらに小さくなっていく(周波数がさらに大きくなっていく)。この場合に、周期Tが大きいと(周波数が小さいと)、旋回中心側(右又は左)のサイドクラッチ31が間欠的に動力を伝達する状態となるのであり、周期Tが小さいと(周波数が大きいと)、旋回中心側(右又は左)のサイドクラッチ31が連続的に動力を伝達する状態となる。
[発明の実施の第6別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]において以下のように構成してもよい。
ピットマンアーム20が右(左)の設定角度A1と右(左)の操向限度A2との間に操向操作されると、ピットマンアーム20の操向角度に応じて、ピットマンアーム20が直進位置A0から右(左)に大きく操向操作されるほど、旋回中心側(右又は左)の制御弁33の伝動位置33aの時間T1と遮断位置33bの時間T2との比T1/T2が、初期値R1から次第に小さくなっていくのに加えて、周期Tも初期値R2から次第に小さくなっていくように構成する(周波数も次第に大きくなっていくように構成する)。
[発明の実施の第7別形態]
前述の[発明の実施の第1別形態]において、以下のように構成してもよい。
ピットマンアーム20が右(左)の設定角度A1と右(左)の操向限度A2との間に操向操作されると、機体の走行速度が高速になるほど(機体の旋回速度が高速になるほど)旋回中心側(右又は左)の制御弁33の伝動位置33aの時間T1と遮断位置33bの時間T2との比T1/T2が、初期値R1から次第に小さくなっていくのに加えて、周期Tも初期値R2から次第に小さくなっていくように構成する(周波数も次第に大きくなっていくように構成する)。
[発明の実施の第8別形態]
前述の[発明の実施の第2別形態]及び[発明の実施の第5別形態]において、以下のように構成してもよい。
ピットマンアーム20が右(左)の設定角度A1と右(左)の操向限度A2との間に操向操作されると、ピットマンアーム20が直進位置A0から右(左)に大きく操向操作されるほど、旋回中心側(右又は左)の制御弁33の伝動位置33aの時間T1と遮断位置33bの時間T2との比T1/T2が、初期値R1から次第に小さくなり、周期Tが初期値R2から次第に小さくなっていくように構成するのに加えて(周波数が次第に大きくなっていくように構成するのに加えて)、機体の走行速度が高速になるほど(機体の旋回速度が高速になるほど)、旋回中心側(右又は左)の制御弁33の伝動位置33aの時間T1と遮断位置33bの時間T2との比T1/T2が小さくなっていき、周期Tが小さくなっていくように構成する(周波数が大きくなっていくように構成する)。
[発明の実施の第9別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第8別形態]において、右及び左のサイドクラッチ31のピストン31aを電磁ソレノイドによって操作するように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第8別形態]において、右及び左の設定角度A1を廃止し、ピットマンアーム20が直進位置A0から少しでも右(左)に操向操作されると、図5に示すように旋回中心側(右又は左)の制御弁33が、所定の短い周期T(周波数)で伝動位置33a及び遮断位置33bに繰り返して操作されるように構成してもよい(旋回中心側(右又は左)のサイドクラッチ31が短い周期T(周波数)で伝動状態及び遮断状態に繰り返して操作されるように構成してもよい)。
本発明は乗用型田植機ばかりではなく、機体の後部に直播装置を備えた乗用型直播機や機体の後部に薬剤散布装置を備えた乗用型管理機、モーアを備えた乗用型芝刈機にも適用できる。
乗用型田植機の全体側面図 ピットマンアーム、右及び左のサイドクラッチの連係状態を示す平面図 ミッションケース、右及び左の前車軸ケースの付近の正面図 右及び左の前車軸ケースの付近の縦断側面図 旋回中心側(右又は左)の制御弁が所定の短い周期で伝動位置及び遮断位置に繰り返して操作される状態を示す図 ピットマンアームの操向角度と、旋回中心側(右又は左)の制御弁の伝動状態の時間と遮断位置の時間との比との関係を示す図 発明の実施の第1別形態において、機体の走行速度と、旋回中心側(右又は左)の制御弁の伝動状態の時間と遮断位置の時間との比との関係を示す図 発明の実施の第3別形態において、ピットマンアームの操向角度と、周期との関係を示す図 発明の実施の第4別形態において、機体の走行速度と、周期との関係を示す図
符号の説明
1 右及び左の前輪
2 右及び左の後輪
31 右及び左のサイドクラッチ
31a 操作部材
36 制御手段
A0 直進位置
T 周期
T1 旋回中心側のサイドクラッチの伝動状態の時間
T2 旋回中心側のサイドクラッチの遮断状態の時間
T1/T2 比

Claims (9)

  1. 操向操作自在な右及び左の前輪と、右及び左の後輪と、右の後輪に動力を伝動及び遮断可能な摩擦式の右のサイドクラッチと、左の後輪に動力を伝動及び遮断可能な摩擦式の左のサイドクラッチとを備えると共に、
    右及び左の前輪が直進位置に操向操作されると、前記右及び左のサイドクラッチを伝動状態に操作し、右及び左の前輪が直進位置から右及び左に操向操作されると、旋回中心側のサイドクラッチを所定の短い周期で伝動状態及び遮断状態に繰り返して操作する制御手段を備えてある乗用型作業車。
  2. 右及び左の前輪の操向角度に応じて、旋回中心側のサイドクラッチの伝動状態の時間と遮断状態の時間との比が変更されるように、前記制御手段を構成してある請求項1に記載の乗用型作業車。
  3. 機体の走行速度に応じて、旋回中心側のサイドクラッチの伝動状態の時間と遮断状態の時間との比が変更されるように、前記制御手段を構成してある請求項1に記載の乗用型作業車。
  4. 右及び左の前輪の操向角度及び機体の走行速度に応じて、旋回中心側のサイドクラッチの伝動状態の時間と遮断状態の時間との比が変更されるように、前記制御手段を構成してある請求項1に記載の乗用型作業車。
  5. 右及び左の前輪の操向角度に応じて、前記周期が変更されるように、前記制御手段を構成してある請求項1に記載の乗用型作業車。
  6. 機体の走行速度に応じて、前記周期が変更されるように、前記制御手段を構成してある請求項1に記載の乗用型作業車。
  7. 右及び左の前輪の操向角度及び機体の走行速度に応じて、前記周期が変更されるように、前記制御手段を構成してある請求項1に記載の乗用型作業車。
  8. 油圧駆動力により駆動される操作部材によって、旋回中心側のサイドクラッチが伝動状態及び遮断状態に操作されるように構成してある請求項1〜7のうちのいずれか一つに記載の乗用型作業車。
  9. 電気駆動力により駆動される操作部材によって、旋回中心側のサイドクラッチが伝動状態及び遮断状態に操作されるように構成してある請求項1〜7のうちのいずれか一つに記載の乗用型作業車。
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