JP4922049B2 - 皮膚外用剤の清涼感の評価方法 - Google Patents

皮膚外用剤の清涼感の評価方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4922049B2
JP4922049B2 JP2007110544A JP2007110544A JP4922049B2 JP 4922049 B2 JP4922049 B2 JP 4922049B2 JP 2007110544 A JP2007110544 A JP 2007110544A JP 2007110544 A JP2007110544 A JP 2007110544A JP 4922049 B2 JP4922049 B2 JP 4922049B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
skin
external preparation
refreshing
refreshing feeling
subject
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007110544A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008266193A (ja
Inventor
郁尚 藤田
祐子 遠藤
学志 山本
千裕 畑井
陽子 村田
正彰 三浦
浩二 三野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mandom Corp
Original Assignee
Mandom Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mandom Corp filed Critical Mandom Corp
Priority to JP2007110544A priority Critical patent/JP4922049B2/ja
Publication of JP2008266193A publication Critical patent/JP2008266193A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4922049B2 publication Critical patent/JP4922049B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Cosmetics (AREA)

Description

本発明は、皮膚外用剤の清涼感の評価方法に関する。さらに詳しくは、例えば、皮膚用化粧料、頭髪用化粧料などに代表される化粧料などの皮膚外用剤の清涼感の評価方法に関する。
香粧品分野では、清涼感を与える化粧料や肌に収斂効果を与える化粧料などが数多く上市されている。清涼感を与える化粧料には、気化熱で実際に皮膚の表面温度を低下させる低級アルコールや揮発性ガスなどの冷感を付与する成分と、メントールやその誘導体などの冷感を惹起させる成分が同時に含有されていることが多い。これら実際の皮膚の表面温度の低下による冷感および含有成分によって惹起される冷感は、いずれも清涼感という概念で把握されているため、化粧料の使用者間で清涼感の捉え方にバラツキがあることから、清涼感を画一的に評価することは困難である。
また、清涼感は、化粧料の使用者間でバラツキがあるのみならず、化粧料の塗布部位によっても異なることから、清涼感を的確に評価することは困難であるとされている(例えば、非特許文献1参照)。
そこで、本件出願人は、清涼感を的確に評価することができる方法が記載されている文献の調査をしたが、清涼感の評価方法が具体的に記載されている文献が発見されていない。
従来、皮膚外用剤や化粧料は、皮膚に付着したときの刺激性を判断するために、その商品化前に皮膚刺激性が評価されている。皮膚刺激性は、一般に、上腕内側部などの腕や頬に試験用試料を塗布することによって行われている(例えば、特許文献1参照)。
したがって、皮膚外用剤の清涼感を評価する場合にも、従来の皮膚刺激性を調べる場合と同様に、試験用試料をこれらの部位に塗布することが考えられる。しかしながら、これらの部位に清涼剤を含有する皮膚外用剤を塗布しても、皮膚外用剤に含まれている清涼剤の含有量の相違による皮膚外用剤が有する清涼感の強弱を的確に評価することができない。
特開平9−278645号公報 エイッチ・アール・ワトソンら(H.R.Watoson, et al.)、ジャーナル・オブ・ソサイエテイ・コスメティック・ケミストリー(J. Soc. Cosmet. Chem.)、29、185-200 (1978)
本発明は、皮膚外用剤が有する清涼感を的確に評価しうる方法の確立が待ち望まれている実情に鑑みてなされたものであり、皮膚外用剤の清涼感を的確にかつ容易に評価することができる皮膚外用剤の清涼感の評価方法を提供することを課題とする。
本発明は、清涼剤を含有する皮膚外用剤を被験者の頸部の耳下部に付着させた後、該皮膚外用剤が有する清涼感を評価することを特徴とする皮膚外用剤の清涼感の評価方法に関する。
本発明の皮膚外用剤の清涼感の評価方法によれば、皮膚外用剤の清涼感を的確にかつ容易に評価することができる。
また、本発明において、清涼剤の濃度が異なる皮膚外用剤を付着させた各試験用シートをそれぞれ被験者の頸部の左右の耳下部に貼付することにより、該皮膚外用剤が有する清涼感を評価しうる被験者を選別した後、該被験者の頸部の耳下部に評価対象の皮膚外用剤を付着させ、該皮膚外用剤が有する清涼感を評価した場合には、より一層評価精度を高めて皮膚外用剤の清涼感を定量的に評価することができる。
本発明の皮膚外用剤の清涼感の評価方法では、清涼剤を含有する皮膚外用剤を被験者の頸部の耳下部に付着させた後、該皮膚外用剤が有する清涼感を評価する。
本発明においては、このように清涼剤を含有する皮膚外用剤を被験者の頸部の耳下部に付着させる点に、1つの大きな特徴がある。
本発明者らは、皮膚外用剤に含まれている清涼剤の含有量の相違による皮膚外用剤が有する清涼感の強弱を的確に評価することができる清涼感の評価方法を開発するべく鋭意研究を重ねたところ、意外なことに、清涼剤を含有する皮膚外用剤を被験者の頸部の耳下部に付着させた場合には、その操作が非常に簡便であるのみならず、皮膚外用剤に含まれている清涼剤の相違による皮膚外用剤が有する清涼感の強弱を的確に評価することができるという事実が見出された。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
本発明では、清涼剤を含有する皮膚外用剤が用いられる。清涼剤を含有する皮膚外用剤は、例えば、皮膚外用剤に清涼剤を添加することによって調製することができるほか、清涼剤と皮膚外用剤を構成する原料とを混合することによっても調製することができる。
皮膚外用剤としては、一般に用いられているものであればよく、本発明は、皮膚外用剤の種類によって限定されるものではない。皮膚外用剤の例としては、化粧料、医薬部外品などが挙げられる。これらのなかでは、本発明の評価方法は、特に化粧料に対して好適に使用することができる。化粧料としては、例えば、ヘアトニック、育毛剤などの頭髪化粧料、制汗剤、シェービング剤、プレシェーブローション、アフターシェーブローション、ボディーローションなどの皮膚化粧料などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
皮膚外用剤の剤型としては、例えば、リキッド、乳液、油液、ローション、クリーム、軟膏、エアゾールなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
清涼剤としては、例えば、メントール、メンチルグリセリルエーテル、カンファー、メンチルラクテート、サリチル酸メンチルなどが挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらの清涼剤のなかでは、メントール、メンチルグリセリルエーテルおよびカンファーからなる群より選ばれた少なくとも1種は、強い清涼感の持続性に優れていることから好ましい。
皮膚外用剤における清涼剤の含有量は、清涼剤の種類などによって異なるので一概には決定することができないが、通常、清涼感を高める観点から、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上であり、皮膚に対する刺激を抑制する観点から、好ましくは3重量%以下、より好ましくは1重量%以下である。
清涼剤を含有する皮膚外用剤を付着させる部位は、頸部の耳下部である。頸部の耳下部においては、皮膚分節C2ないしC3付近の側頸部が好ましく、耳垂付け根から半径10cm以内の側頸部がより好ましい。なお、皮膚分節とは、特定部位の脊髄と連絡する皮膚領域を意味する。
清涼剤を含有する皮膚外用剤を皮膚に付着させる前には、あらかじめその皮膚に付着している皮脂などの汚れを除去しておくことが好ましい。
清涼剤を含有する皮膚外用剤を皮膚に付着させる方法としては、例えば、塗布、貼付、噴霧などが挙げられるが、本発明は、かかる方法によって限定されるものではない。
清涼剤を含有する皮膚外用剤を皮膚に付着させる量は、特に限定されないが、通常、清涼感の評価の信頼性および経済性の観点から、皮膚外用剤が付着する部位が該皮膚外用剤で覆われる量、例えば、0.01〜0.5g/cm2程度であることが好ましい。
清涼剤を含有する皮膚外用剤を被験者の頸部の耳下部に付着させた後、該皮膚外用剤が有する清涼感を評価する。
皮膚外用剤が有する清涼感を評価する方法としては、例えば、(イ)清涼剤を含有する皮膚外用剤が付着した頸部の耳下部の部位における神経の導電率を測定する方法(例えば、特開2004−542378号公報参照)、(ロ)清涼剤を含有する皮膚外用剤を頸部の耳下部の部位に付着させたときの被験者の心拍変動から、所定の周波数範囲にある低周波成分の大きさと、前記低周波成分よりも高い周波数範囲にある高周波成分の大きさとを測定し、前記低周波成分の大きさと、前記高周波成分の大きさとに基づいて、清涼感を評価する方法(例えば、特開2006−075364号公報参照)、(ハ)被験者の頸部の耳下部に清涼剤を含有する皮膚外用剤を付着し、清涼感を被験者の官能試験によって数値化させる方法などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
前記清涼感の評価方法のなかでは、前記(ハ)の方法は、その操作が簡便であるとともに、清涼剤を含有する皮膚外用剤を被験者の頸部の耳下部に付着させることによって被験者が感じる清涼感の強弱を清涼感の評価基準に照らして定量的に評価することができることから、従来、感覚として捉えられていた皮膚外用剤の清涼感を的確に把握することができる。
被験者の頸部の耳下部に清涼剤を含有する皮膚外用剤を付着させる方法としては、例えば、清涼剤を含有する皮膚外用剤を付着させた試験用シートを用意し、この試験用シートを被験者の頸部の耳下部に貼付する方法などが挙げられる。
試験用シートに用いられるシートは、皮膚外用剤を付着させることができるものであればよく、特に限定されない。シートの例としては、織布、不織布、スポンジシート、紙、樹脂シート、ゴムシートなどが挙げられる。これらのなかでは、皮膚外用剤を含浸させることによって保持することができることから、織布、不織布、スポンジシートおよび紙が好ましい。シートの大きさおよび形状には特に限定がない。シートの大きさは、使用性を高めるとともに清涼感を的確に把握することができるようにする観点から、一辺の長さまたは直径が1〜10cm程度であればよい。また、シートの形状としては、例えば、三角形、四角形、その他の多角形、円形、楕円形などが挙げられる。
試験用シートに適用される皮膚外用剤の量は、特に限定されないが、通常、清涼感の評価の信頼性および経済性の観点から、皮膚外用剤が付着する部位が該皮膚外用剤で覆われる量、例えば、0.01〜0.5g/cm2程度であることが好ましい。
清涼感を評価するときの環境は、特に限定がなく、通常、大気中で室温であればよい。皮膚外用剤を皮膚に付着させておく時間は、使用される皮膚外用剤の種類やその清涼剤の含有量などによって異なるので一概には決定することができないが、清涼感の判断の容易化およびその迅速化の観点から、好ましくは3〜15分間、より好ましくは5〜10分間である。
皮膚外用剤の清涼感の評価を行う被験者の人数は、特に限定されないが、清涼感の評価の精度を高める観点から、できるだけ多いほうが好ましい半面、その被験者の選別のための手続きが煩雑となる傾向があることから、通常、好ましくは3〜20人程度、より好ましくは5〜10人程度である。
皮膚外用剤の清涼感の評価は、例えば、皮膚外用剤を被験者の頸部の耳下部に付着させ、皮膚外用剤が付着した部位における清涼感の強さを被験者に評価基準に基づいて評価してもらい、その評価の得点を集計することによって行うことができる。
この皮膚外用剤の清涼感の評価方法を採用した場合、皮膚外用剤の清涼感を定量的に具体的な数値で評価することができる。
皮膚外用剤の使用後は、該皮膚外用剤が付着している部位をそのままの状態で放置しておいてもよく、あるいは拭き取ることによって除去してもよい。
なお、清涼剤を含有する皮膚外用剤の清涼感は、個々の被験者によって異なる。したがって、清涼剤を含有する皮膚外用剤の清涼感の評価結果の客観性や再現性を高める観点から、被験者をあらかじめ選別しておくことが好ましい。
被験者の選別は、例えば、清涼剤の濃度が異なる皮膚外用剤を付着させた各試験用シートをそれぞれ被験者の頸部の左右の耳下部に貼付し、各試験用シートが貼付された部位において被験者が感じる清涼感を対比し、その清涼感の強弱を評価することによって行うことができる。これにより、被験者が、試験用シートが貼付された頸部の左右の耳下部で清涼感の強弱を識別することができるかどうかを把握することができる。
清涼剤の濃度が異なる皮膚外用剤は、複数種類を用意すればよいが、皮膚外用剤が有する清涼感の強弱を容易に識別することができるようにする観点から、清涼剤の濃度が異なる2種類の皮膚外用剤を用意することが好ましい。
清涼剤の濃度が異なる2種類の皮膚外用剤を用いる場合、一方の皮膚外用剤における清涼剤の含有量と他方の皮膚外用剤における清涼剤の含有量との差が小さすぎる場合、清涼感の強弱の相違を識別することが困難となる傾向がある。これとは逆に、両者の差が大きすぎる場合、清涼感の強弱の相違を敏感に感じ取ることができない被験者であっても清涼感の強弱の相違を容易に識別することができるようになり、清涼感の評価精度が低下する傾向がある。
したがって、一方の皮膚外用剤における清涼剤の含有率A(重量%)と他方の皮膚外用剤における清涼剤の含有率B(重量%)との差の絶対値〔│A−B│(重量%)〕は、清涼剤の種類などによって異なるので一概には決定することができないが、通常、好ましくは0.01〜0.3重量%程度、より好ましくは0.03〜0.1重量%程度である。
被験者の頸部の左右の耳下部に試験用シートを貼付しているあいだの時間は、使用される清涼剤の種類や皮膚外用剤における清涼剤の含有量などによって異なるので一概には決定することができないが、清涼感の判断の容易化および迅速化の観点から、好ましくは3〜15分間、より好ましくは5〜10分間である。
被験者の人数は、特に限定されないが、清涼感の評価の精度を高める観点から、できるだけ多いほうが好ましい半面、その被験者の選別のための手続きが煩雑となる傾向があることから、通常、好ましくは3〜100人程度、より好ましくは5〜80人程度である。
次に、試験用シートを複数の被験者の頸部の左右の耳下部にそれぞれ貼付し、所定時間が経過した後に、被験者の頸部の左右の耳下部にそれぞれ貼付されている各試験用シートにおける清涼感の強弱などを評価しうる被験者を選別する。
各試験用シートにおける清涼感の強弱を評価しうる被験者の選別は、例えば、あらかじめ設定しておいた選別基準に照らして清涼感の評価が適切であると判断する被験者を選択することによって行うことができる。選別基準の設定方法は、清涼感の評価を適切に行うことができる被験者が選別されればよく、本発明は、その設定方法によって限定されるものではない。
かくして選別された被験者は、清涼剤を含有する皮膚外用剤が有する清涼感を適切に判断しうる者として認定することができる。
次に、選別された被験者が評価対象の皮膚外用剤の清涼感の評価を行う。この皮膚外用剤の清涼感の評価を行う被験者の人数は、特に限定されないが、清涼感の評価の精度を高める観点から、できるだけ多いほうが好ましい半面、その被験者の選別のための手続きが煩雑となる傾向があることから、通常、好ましくは3〜20人程度、より好ましくは5〜10人程度である。
選別された被験者の頸部の耳下部に清涼剤を含有する皮膚外用剤を付着させた後、該皮膚外用剤が有する清涼感を評価する。皮膚外用剤が有する清涼感を評価する方法は、前記と同様であればよい。
以上説明したように、本発明の皮膚外用剤の清涼感の評価方法によれば、皮膚外用剤の清涼感を容易にかつ的確に評価することができる。また、本発明において、清涼剤の濃度が異なる皮膚外用剤を付着させた各試験用シートをそれぞれ被験者の頸部の左右の耳下部に貼付することにより、該皮膚外用剤が有する清涼感を評価しうる被験者を選別した後、該被験者の頸部の耳下部に評価対象の皮膚外用剤を付着させ、該皮膚外用剤が有する清涼感を評価した場合には、皮膚外用剤の清涼感の評価を定量的に行うことができるとともに、その評価精度をより一層高めることができる。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
被験者として、20歳代から30歳代の男性10名により、室温が23〜27℃である試験室で試験を行った。
まず、皮膚外用剤が適用される被験者の頸部の耳下部を濡れタオルで拭き、皮脂汚れなどを除去した後、約10分間安静にした。
その後、清涼剤としてメントール0.01重量%、ポリオキシエチレン(30)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル〔カッコ内の数値は、付加モル数を示す。以下同じ〕0.2重量%およびエタノール10.0重量%を含有し、残部が精製水からなる皮膚外用剤100μLを不織布〔二村化学工業(株)製、品番:TCF#404WJ−M、縦2cm×横2cm〕に含浸させ、試験用シートAを得た。
一方、対比のため、清涼剤としてメントール0.05重量%、ポリオキシエチレン(30)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル0.2重量%およびエタノール10.0重量%を含有し、残部が精製水からなる皮膚外用剤100μLを不織布〔二村化学工業(株)製、品番:TCF#404WJ−M、縦2cm×横2cm〕に含浸させ、試験用シートBを得た。
試験用シートAおよび試験用シートBをそれぞれ被験者の頸部の右側耳下部および左側耳下部に貼付し、貼付時から1分間、3分間、5分間、7分間または10分間経過時における清涼感の強さを以下の評価方法にしたがって評価した。その結果を図1に示す。なお、図1において、*印は、危険率5%以内で有意差があることを意味する。
〔清涼感の強さの評価方法〕
清涼感は、強くなるにしたがって、爽快感からヒリヒリとした痛みや灼熱感に変化していく。
したがって、これらの爽快感、ヒリヒリとした痛みおよび灼熱感をいずれも清涼感として把握し、以下の評価基準に基づいて各被験者に清涼感の強さを評価してもらい、測定時ごとに被験者全員の各評価の得点を集計した後、平均値を求め、その数値を清涼感の強さの指標とした。
<評価基準>
0点:清涼感をまったく感じない。
1点:清涼感をかすかに感じる。
2点:清涼感をはっきりと感じる。
3点:耐えられないほど清涼感を強く感じる。
比較例1
実施例1において、試験用シートAおよび試験用シートBをそれぞれ被験者の頸部の右側耳下部および左側耳下部に貼付する代わりに、被験者の右腕の前腕内側部および左腕の前腕内側部にそれぞれ貼付した以外は、実施例1と同様にして清涼感の強さを評価した。なお、各試験用シートAおよびBを貼付する前には、あらかじめ皮膚外用剤が適用される被験者の前腕内側部を濡れタオルで拭き、皮脂汚れなどを除去しておいた。その結果を図2に示す。
比較例2
実施例1において、試験用シートAおよび試験用シートBをそれぞれ被験者の頸部の右側耳下部および左側耳下部に貼付する代わりに、被験者の右側の頬下部(顎付近)および左側の頬下部にそれぞれ貼付した以外は、実施例1と同様にして清涼感の強さを評価した。なお、各試験用シートAおよびBを貼付する前には、あらかじめ皮膚外用剤が適用される被験者の頬下部を濡れタオルで拭き、皮脂汚れなどを除去しておいた。その結果を図3に示す。
図2〜3に示された結果から、試験用シートAおよび試験用シートBが貼布された部位が前腕内側部(比較例1)や頬下部(比較例2)では、試験用シートAおよび試験用シートBに清涼剤として含有されているメントールの濃度がそれぞれ相違していても、その清涼感の強弱を明確に判別することが困難であることがわかる。
これに対して、図1に示された結果から、試験用シートAおよび試験用シートBが貼布された部位が頸部の耳下部である場合には(実施例1)、試験用シートAおよび試験用シートBに清涼剤として含有されているメントールの濃度がそれぞれ相違していることによる清涼感の強弱を有意に判別することができることがわかる。
したがって、実施例1によれば、清涼剤を含有する皮膚外用剤を被験者の頸部の耳下部に付着させた後、該皮膚外用剤が有する清涼感を評価するという評価方法が採られているので、皮膚外用剤の清涼感を的確に評価することができることがわかる。
実施例2
(1)被験者の選別
(i)1回目の清涼感の評価
実施例1において、被験者を20歳代から30歳代の男性66名に変更し、試験用シートAおよび試験用シートBの貼付時から1分間、3分間、5分間、7分間または10分間経過時における清涼感の強さを試験用シートAおよび試験用シートBのそれぞれについて実施例1と同様にして評価してもらい、被験者全員の各評価の得点を集計した後、平均値を求めた。この各被験者の評価得点の平均値のことを以下、平均スコアという。
(ii)2回目の清涼感の評価
1回目の清涼感の評価を行った日から7日間経過後に、前記と同一の被験者の男性66名により、前記「1回目の清涼感の評価」において、試験用シートAおよび試験用シートBをそれぞれ被験者の頸部の左側耳下部および右側耳下部に貼付したこと以外は、前記「1回目の清涼感の評価」と同様にして、貼付時から1分間、3分間、5分間、7分間または10分間経過時における清涼感の強さを試験用シートAおよび試験用シートBのそれぞれについて評価してもらい、被験者全員の各評価の得点を集計した後、平均スコアを求めた。
次に、試験用シートAおよび試験用シートBのそれぞれについて求められた平均スコアに基づいて、以下の選別基準により、被験者を選別した。
<選別基準>
以下のAおよびBのいずれの項目についても適合する被験者を選別することとする。
A:2回行なったいずれの試験においても、試験用シートAの平均スコアと試験用シートBの平均スコアとの差の絶対値が0.5以上であること
B:2回行なったいずれの試験においても、試験用シートBの平均スコアが0.5以上であること
以上の結果、選別された被験者は、66名中39名であった。
(2)選別された被験者による皮膚外用剤の清涼感の評価
一般に、皮膚外用剤に揮発性ガスが含まれている場合、揮発性ガスが揮発する際に気化熱を奪うことから、清涼剤が有する本来の清涼感を的確に判断することが困難となる。そこで、この皮膚外用剤の清涼感の評価では、皮膚外用剤に含まれている清涼剤が有する本来の清涼感を的確に判断することを困難にさせる揮発性ガスを用いて清涼感を評価することにした。
表1に示された成分を混合することにより、皮膚外用剤A〜Cをそれぞれ調製した。得られた皮膚外用剤A〜Cをそれぞれ40gの量で満注量が150mLであるエアゾール用容器内にそれぞれ充填し、エアゾール用バルブを取り付けた後、揮発性ガス(噴射剤)として液化石油ガス60gをエアゾール容器のステムから充填した。その後、ステムに適したノズル釦を装着することにより、エアゾール型皮膚外用剤を製造した。
製造したエアゾール型皮膚外用剤のノズル部に、直径3cm、長さ10cmの円筒形状の筒状体を取り付けた。
選別された被験者39名のなかから10名を無作為に抽出し、各被験者の頸部の耳下部を濡れタオルで拭いて皮脂などを取り除いた後、10分間安静にさせた。
次に、選別された各被験者の頸部の耳下部に、エアゾール型皮膚外用剤に取り付けられた筒状体の開口部を接触させ、1秒間噴霧を行なった。
噴霧終了時から0秒間(噴霧終了直後)、10秒間、20秒間、30秒間、1分間、3分間、5分間、7分間、10分間、13分間、15分間または20分間経過時の清涼感の強さを実施例1と同様にして評価した。その結果を図4に示す。
図4に示された結果から、清涼剤としてメントールが含まれていない皮膚外用剤Aでは、経時的に清涼感が低下していくことがわかる。これは、皮膚外用剤Aに含まれている液化石油ガスが経時とともに揮散していくので、感じられる清涼感が低下していくことに基づくものと考えられる。
これに対して、清涼剤としてメントールが含まれている皮膚外用剤BおよびCでは、含まれている液化石油ガスが経時とともに揮散していくので、感じられる清涼感が低下していくと考えられる予想に反し、噴霧から約3分間経過後には、メントールによる本来の清涼感がより強く感じられるようになることがわかる。
以上のことから、あらかじめ選別しておいた被験者の頸部の耳下部に皮膚外用剤を付着させた後、該皮膚外用剤が有する清涼感を評価した場合には、揮発性ガスが含まれている皮膚外用剤を用い、経時的に揮発性ガスが揮散した場合であっても、清涼剤が本来有する清涼感を的確に評価することができることがわかる。
実施例1における清涼感の強さの経時的変化を示すグラフである。 比較例1における清涼感の強さの経時的変化を示すグラフである。 比較例2における清涼感の強さの経時的変化を示すグラフである。 実施例2における清涼感の強さの経時的変化を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 清涼剤を含有する皮膚外用剤の清涼感の評価方法であって、前記皮膚外用剤を被験者の頸部の耳下部に付着させた後、該皮膚外用剤が有する清涼感を評価することを特徴とする皮膚外用剤の清涼感の評価方法。
  2. 清涼剤の濃度が異なる皮膚外用剤を付着させた各試験用シートをそれぞれ被験者の頸部の左右の耳下部に貼付することにより、該皮膚外用剤が有する清涼感を評価しうる被験者を選別した後、該被験者の頸部の耳下部に評価対象の皮膚外用剤を付着させ、該皮膚外用剤が有する清涼感を評価する請求項1記載の皮膚外用剤の清涼感の評価方法。
  3. 清涼剤が、メントール、メンチルグリセリルエーテルおよびカンファーからなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1または2記載の皮膚外用剤の清涼感の評価方法。
JP2007110544A 2007-04-19 2007-04-19 皮膚外用剤の清涼感の評価方法 Expired - Fee Related JP4922049B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007110544A JP4922049B2 (ja) 2007-04-19 2007-04-19 皮膚外用剤の清涼感の評価方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007110544A JP4922049B2 (ja) 2007-04-19 2007-04-19 皮膚外用剤の清涼感の評価方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008266193A JP2008266193A (ja) 2008-11-06
JP4922049B2 true JP4922049B2 (ja) 2012-04-25

Family

ID=40046202

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007110544A Expired - Fee Related JP4922049B2 (ja) 2007-04-19 2007-04-19 皮膚外用剤の清涼感の評価方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4922049B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5840587B2 (ja) * 2012-09-27 2016-01-06 株式会社マンダム 温冷感の評価方法
JP6454195B2 (ja) * 2015-03-23 2019-01-16 株式会社マンダム 温冷感の評価方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6233112A (ja) * 1985-08-06 1987-02-13 Kao Corp 液体シヤンプ−組成物
JPH09157638A (ja) * 1995-12-06 1997-06-17 Lion Corp 人体用エアゾール組成物
US6267974B1 (en) * 1999-04-16 2001-07-31 Unilever Home & Personal Care Usa, Division Of Conopco, Inc. Cosmetic compositions with sensate mixtures based on isopulegol
JP2001226252A (ja) * 2000-02-15 2001-08-21 Lion Corp 皮膚用化粧料
JP2001278768A (ja) * 2000-03-29 2001-10-10 Nonogawa Shoji Kk 皮膚外用剤
JP3963306B2 (ja) * 2001-09-06 2007-08-22 新東京インターナショナル株式会社 魚介類の養殖臭有無の判別方法および養殖場の管理方法
JP2003202335A (ja) * 2002-01-07 2003-07-18 Toshiharu Mori 化粧料の成分選択方法及び化粧料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008266193A (ja) 2008-11-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Kuijt-Evers et al. Association between objective and subjective measurements of comfort and discomfort in hand tools
Boinbaser et al. Dynamic sensory characterization of cosmetic creams during application using Temporal Check-All-That-Apply (TCATA) questions
CN105769643B (zh) 一种出水保湿霜及其制备方法
JP2012521416A (ja) ストレス緩和及び鎮静効果を有する香料及び化粧料組成物
Deschamps et al. Health assessment of self‐employed hairdressers in France
JP4922049B2 (ja) 皮膚外用剤の清涼感の評価方法
JP2000053532A (ja) 美容法
JP5019016B2 (ja) 睡眠改善剤及び香料製剤
CN105764571B (zh) 用于递送口腔舒适感的组合物
TW550085B (en) Skin barrier function recovery and promotion composition and evaluation method thereof
JP5840587B2 (ja) 温冷感の評価方法
Guest et al. Effect of hydration on the tactile and thermal sensitivity of the lip
Brown Health hazard manual for cosmetologists, hairdressers, beauticians and barbers
JP2005289995A (ja) ポリグリセリル−3メチルグルコースジステアレートを使用して製造された水中油型の化粧料組成物
JP2014005403A (ja) 香料組成物および化粧料
TW201713354A (zh) 防止掉髮或促進生髮之氣溶膠型組成物
ES2616003T3 (es) Productos con efecto olfatorio determinado de forma metrológica para influir sobre la posición de partida psico-fisiológica
JP2007254497A (ja) 香料組成物
JP2024057846A (ja) 美容キット
JP2009291397A (ja) 化粧料の選択方法
Kupczewska-Dobecka et al. RD50Value as the Criterion for Setting Maximum Admissible Levels of Occupational Exposure to Irritants in Poland
JP2003119491A (ja) 精神高揚用香料組成物
JP2014005404A (ja) 酢酸ボルニルを含有する香料組成物および化粧料
JP2005224352A (ja) 美容術アドバイス方法およびイオン測定装置
Kilmer Johnson's First Aid Manual

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120131

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120203

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4922049

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150210

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees