JP2024057846A - 美容キット - Google Patents
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Abstract
【課題】被施術者に対して与える快感情や自律神経活動への効果をより増幅させることが可能な美容キット、及び、美容方法を提供する。【解決手段】美容キット200は、泡状の製剤10と、製剤10が塗布された被施術者の肌300に作用するプローブ130と、プローブ130を調温する調温部140と、プローブ130を振動させる振動発生部150と、を有する美容機器100と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、美容キット、及び、美容方法に関する。
非特許文献1には、ヒトの手の平などで肌を押さえるようにして製剤を肌になじませる美容方法によって、被施術者に対して快感情を喚起できることが記載されている。また、非特許文献2には、ヒトの手で化粧料を肌に塗布する美容方法によって、被施術者の自律神経活動に影響を与える旨が記載されている。
非特許文献3には、快感情を喚起させやすい感触のクリーム製剤が記載されている。
このように、ヒトの手を使った美容方法や快感情を喚起させやすい感触の製剤によって、被施術者に対して快感情の喚起や自律神経活動へ影響を与えることが分かっている。
非特許文献3には、快感情を喚起させやすい感触のクリーム製剤が記載されている。
このように、ヒトの手を使った美容方法や快感情を喚起させやすい感触の製剤によって、被施術者に対して快感情の喚起や自律神経活動へ影響を与えることが分かっている。
河島三幸,引間理恵,生理心理学と精神生理学,35 (1), 33-42,2017
岡田明大、日本生理人類学会誌、Vol.4, NO.3, 41-47,1999
Morikawa T, Nakano S, Seiya T, Murata T, Ishii H, Takahashi Y, Hikima R, Suka M, Matsumoto M, 30thIFSCC Congress, Munich,2018
しかしながら、被施術者に対して与える快感情や自律神経活動への効果をより増幅させる観点から、手の平などで肌を押さえるようにして肌になじませる美容方法や、製剤をヒトの手で塗り広げる美容方法には限界がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、被施術者に対して与える快感情や自律神経活動への効果をより増幅させることができる美容キット、及び、美容方法に関する。
本発明は、泡状の製剤と、前記製剤が塗布された被施術者の肌に作用するプローブと、前記プローブを調温する調温部と、前記プローブを振動させる振動発生部と、を有する美容機器と、を備える美容キットに関する。
また、本発明は、泡状の製剤を被施術者の肌に塗布した状態で、プローブと前記プローブを調温する調温部と前記プローブを振動させる振動発生部とを有する美容機器の前記プローブを前記肌に作用させる工程を備える美容方法に関する。
本発明によれば、美容機器と泡状の製剤とを併用することによって、被施術者に対して与える快感情や自律神経活動への効果をより増幅させることができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略する。
本発明者らは、ヒトの手では実現が困難な熱(又は冷熱)や振動などの触覚刺激を被施術者に付与することが可能な美容機器と、泡状の製剤と、を併用することで、被施術者に対して与える快感情や自律神経活動への効果をより増幅できることを見いだした。
かかる知見により得られた本実施形態に係る美容キット200は、図1(a)に示すように、泡状の製剤10と、製剤10が塗布された被施術者の肌300に作用するプローブ130と、プローブ130を調温する調温部140と、プローブ130を振動させる振動発生部150と、を有する美容機器100と、を備える。
本実施形態の場合、泡状の製剤10と美容機器100とを組み合わせて用いるため、プローブ130の熱(又は冷熱)や振動によって被施術者に対して与える快感情や自律神経活動への効果をより増幅させることができる。
なお、本発明において、「快感情」とは、ヒトを含む動物に対して触覚刺激を付与した場合に喚起される快感情を意味する。そして、「快感情」には、心地よさ、幸福・満足感、豪華さ、リラックス、爽快感などが包含される(門地 et al、JOURNAL OF SOCIETY OF COSMETIC CHEMICALS OF JAPAN, Vol. 43, p10-18, 2009参照)。
また、本発明において、「被施術者」とは、エステティックサロン等の顧客でもよいし、施術者本人もでもよい。
また、本発明において、施術場所は、エステティックサロンや化粧品販売店のエステティックコーナー等でもよいし、一般家庭内でもよい。
また、本発明において、「肌」とは、被施術者の皮膚であり、顔、首、手、腕、足など体の部位は問わない。また、頭皮も含むものとする。
なお、本発明において、「快感情」とは、ヒトを含む動物に対して触覚刺激を付与した場合に喚起される快感情を意味する。そして、「快感情」には、心地よさ、幸福・満足感、豪華さ、リラックス、爽快感などが包含される(門地 et al、JOURNAL OF SOCIETY OF COSMETIC CHEMICALS OF JAPAN, Vol. 43, p10-18, 2009参照)。
また、本発明において、「被施術者」とは、エステティックサロン等の顧客でもよいし、施術者本人もでもよい。
また、本発明において、施術場所は、エステティックサロンや化粧品販売店のエステティックコーナー等でもよいし、一般家庭内でもよい。
また、本発明において、「肌」とは、被施術者の皮膚であり、顔、首、手、腕、足など体の部位は問わない。また、頭皮も含むものとする。
製剤10としては、特に限定されないが、油中水型乳化組成物、水中油型乳化組成物、水性組成物、油性組成物などが挙げられ、例えば、乳液、美容液、化粧水、スキンクリーム、ボディクリーム、エアゾール化粧料、洗顔料、メイク落とし、シェービングフォームなどのスキンケア化粧料、整髪料などの毛髪化粧料などが挙げられる。
製剤10としては、水中油型乳化組成物が好ましく、スキンケア化粧料がより好ましく、エアゾール化粧料がさらに好ましい。
製剤10としては、水中油型乳化組成物が好ましく、スキンケア化粧料がより好ましく、エアゾール化粧料がさらに好ましい。
本実施形態の場合、製剤10は、例えば、水中油型乳化組成物である。
これにより、製剤10と肌300に生じる摩擦抵抗を低減し、製剤10の柔らかい肌あたりや肌滑りのよさを実現することができる。
これにより、製剤10と肌300に生じる摩擦抵抗を低減し、製剤10の柔らかい肌あたりや肌滑りのよさを実現することができる。
また、製剤10は、例えば、スキンケア化粧料である。
これにより、被施術者に対して快感情を付与したり自律神経活動を改善したりしつつ、被施術者のスキンケアを行うことができる。すなわち、被施術者に対して心地よいスキンケアタイムを提供できる。
本実施形態の場合、一例として、製剤10は、加圧ガスを含有するエアゾール化粧料であり、泡の状態で容器から吐出される。加圧ガスの種類は、例えば、炭酸ガスやLPG、DMEである。ただし、本発明において、加圧ガスの種類は特に限定されず、炭酸ガスやLPG、DME以外のガスでもよい。
なお、本発明において、製剤10は、エアゾール化粧料に限定されず、例えば、ポンプ部を備える容器に収容され、ポンプ部の駆動により空気と混合されて泡状に吐出されるものであってもよい。
これにより、被施術者に対して快感情を付与したり自律神経活動を改善したりしつつ、被施術者のスキンケアを行うことができる。すなわち、被施術者に対して心地よいスキンケアタイムを提供できる。
本実施形態の場合、一例として、製剤10は、加圧ガスを含有するエアゾール化粧料であり、泡の状態で容器から吐出される。加圧ガスの種類は、例えば、炭酸ガスやLPG、DMEである。ただし、本発明において、加圧ガスの種類は特に限定されず、炭酸ガスやLPG、DME以外のガスでもよい。
なお、本発明において、製剤10は、エアゾール化粧料に限定されず、例えば、ポンプ部を備える容器に収容され、ポンプ部の駆動により空気と混合されて泡状に吐出されるものであってもよい。
美容機器100は、当該美容機器100を肌に接触させる又は肌の近傍に設けることにより、振動及び熱(又は冷熱)による刺激を被施術者の肌に与えるものである。ただし、本発明において、美容機器100は、振動及び熱に加えて、当該美容機器100を肌に接触させることにより湿度、水分、微弱電流、EMS(Electrical Muscle Stimulation)、イオン導入、RF(Radio Frequency)、低周波、超音波、光、風などによる刺激を肌に与えるもの、もしくは、当該美容機器100を肌に接触はさせないが、肌の近傍に設けることにより、湿度、微弱電流、EMS(Electrical Muscle Stimulation)、イオン導入、RF(Radio Frequency)、低周波、超音波、光、風などによる刺激を肌に与えるものなどであってもよい。
なお、ここでいう「近傍」とは、美容機器100のプローブ130からの上記の刺激を肌に対し与えられる距離分離れた位置であり、刺激の種類によって異なる距離である。また、後述のように製剤10が塗布された肌に対して、プローブ130の全面と肌とが製剤10を介して非接触に維持された状態で美容機器100を用いる場合も、近傍にあたることとする。
なお、ここでいう「近傍」とは、美容機器100のプローブ130からの上記の刺激を肌に対し与えられる距離分離れた位置であり、刺激の種類によって異なる距離である。また、後述のように製剤10が塗布された肌に対して、プローブ130の全面と肌とが製剤10を介して非接触に維持された状態で美容機器100を用いる場合も、近傍にあたることとする。
図1(a)に示すように、本実施形態の場合、美容機器100は、調温部140と振動発生部150が収容されている本体部110を備えている。本体部110は、特に限定されないが、一例として、一方に長尺な形状に形成されており、当該本体部110の一端部(長手方向における一端部)にプローブ130が設けられている。また、本体部110におけるプローブ130が設けられている側とは反対側の端部は、施術者が把持する部分である把持部(不図示)を構成している。ただし、本発明において、美容機器100の形状は特に限定されず、美容機器100の用途に応じて適宜設定することができる。
プローブ130は、本体部110側とは反対側を向いている面を有し、当該面が肌300に対して接触する接触面131である。接触面131は、例えば、平坦に形成されている。
プローブ130は、例えば、金属材料によって形成されている。ただし、本発明において、プローブ130を形成する材料は特に限定されず、例えば、シリコーンなどの柔軟な材料であってもよい。また、プローブ130は、複数種類の材料によって構成されていてもよい。この場合、例えば、プローブ130の少なくとも接触面131が柔軟な材料によって形成されており、その他の部位が金属材料によって形成されていてもよい。
プローブ130の接触面131の面積は、2cm2以上800cm2以下であることが好ましく、より好ましくは、4cm2以上600cm2以下である。
また、プローブ130に加わる単位面積当たりの押し圧は、1Pa(N/m2)以上3300Pa(N/m2)以下が好ましく、より好ましくは1Pa(N/m2)以上2200Pa(N/m2)以下である。
なお、本発明において、プローブ130の形状は特に限定されず、少なくとも接触面131の面積やプローブ130に加わる単位面積当たりの押し圧が上記に記載の数値範囲であればよい。
プローブ130は、本体部110側とは反対側を向いている面を有し、当該面が肌300に対して接触する接触面131である。接触面131は、例えば、平坦に形成されている。
プローブ130は、例えば、金属材料によって形成されている。ただし、本発明において、プローブ130を形成する材料は特に限定されず、例えば、シリコーンなどの柔軟な材料であってもよい。また、プローブ130は、複数種類の材料によって構成されていてもよい。この場合、例えば、プローブ130の少なくとも接触面131が柔軟な材料によって形成されており、その他の部位が金属材料によって形成されていてもよい。
プローブ130の接触面131の面積は、2cm2以上800cm2以下であることが好ましく、より好ましくは、4cm2以上600cm2以下である。
また、プローブ130に加わる単位面積当たりの押し圧は、1Pa(N/m2)以上3300Pa(N/m2)以下が好ましく、より好ましくは1Pa(N/m2)以上2200Pa(N/m2)以下である。
なお、本発明において、プローブ130の形状は特に限定されず、少なくとも接触面131の面積やプローブ130に加わる単位面積当たりの押し圧が上記に記載の数値範囲であればよい。
また、図2に示すように、美容機器100は、例えば、プローブ130を加熱(又は冷却)する加熱冷却部142と、プローブ130を振動させる振動部152と、加熱冷却部142及び振動部152の動作制御を行う制御部160と、施術者からの入力操作を受け付ける操作部170と、を更に備えている。
なお、ここでいう「入力操作」とは、操作部170に対する直接的な入力操作であってもよいし、携帯電話及びタブレットなどの携帯端末やパーソナルコンピュータなどを介した間接的な入力操作であってもよい。
本実施形態の場合、加熱冷却部142と制御部160とがあわせて調温部140を構成しており、振動部152と制御部160とがあわせて振動発生部150を構成している。
振動部152としては、特に限定されないが、例えば、圧電素子やモータ等を用いることができる。
また、操作部170に対する入力操作によって、制御部160(調温部140)は、予め設定された温度範囲でプローブ130を調温することができる。
なお、ここでいう「入力操作」とは、操作部170に対する直接的な入力操作であってもよいし、携帯電話及びタブレットなどの携帯端末やパーソナルコンピュータなどを介した間接的な入力操作であってもよい。
本実施形態の場合、加熱冷却部142と制御部160とがあわせて調温部140を構成しており、振動部152と制御部160とがあわせて振動発生部150を構成している。
振動部152としては、特に限定されないが、例えば、圧電素子やモータ等を用いることができる。
また、操作部170に対する入力操作によって、制御部160(調温部140)は、予め設定された温度範囲でプローブ130を調温することができる。
本実施形態の場合、製剤10は、貯蔵弾性率G′が3以上220以下、損失弾性率G″が5以上55以下、損失正接Tanδが0.1以上1.5以下、平均泡径(泡の平均粒子径)が10μm以上250μm以下である。すなわち、製剤10は、平均泡径が小さく、特定の粘弾性比率を有する泡質のものである。
これにより、柔らかい肌あたりや肌滑りのよさを十分に確保することができるとともに、被施術者に快感情を喚起する温度でプローブ130の熱が肌300にじんわり広がるように伝わるようにできる。
これにより、柔らかい肌あたりや肌滑りのよさを十分に確保することができるとともに、被施術者に快感情を喚起する温度でプローブ130の熱が肌300にじんわり広がるように伝わるようにできる。
なお、ここでいう「貯蔵弾性率G′」とは弾性の程度を示す指標値であり、加えた外力とひずみによって生じたエネルギーを製剤10の内部に保存する性質を意味している。
また、ここでいう「損失弾性率G″」とは粘性の程度を示す指標値であり、加えた外力とひずみによって生じた与えたエネルギーを外部へ拡散する性質を意味している。
そして、損失正接Tanδとは、G″とG′の比である。本指標は、製剤10の弾性の性質と粘性の性質のどちらが強く出ているかを示す指標値であり、この値が低いと製剤10の性質が弾性寄りであること意味し、当該値が高いと製剤10の性質が粘性寄りであることを意味する。
また、ここでいう「損失弾性率G″」とは粘性の程度を示す指標値であり、加えた外力とひずみによって生じた与えたエネルギーを外部へ拡散する性質を意味している。
そして、損失正接Tanδとは、G″とG′の比である。本指標は、製剤10の弾性の性質と粘性の性質のどちらが強く出ているかを示す指標値であり、この値が低いと製剤10の性質が弾性寄りであること意味し、当該値が高いと製剤10の性質が粘性寄りであることを意味する。
図1(a)に示すように、本実施形態の場合、製剤10が塗布された被施術者の肌300に対して、製剤10を介してプローブ130を予め定められた押し圧で押し当てたときに、プローブ130の全面(本実施形態の場合、接触面131の全面)と肌300とが製剤10を介して非接触に維持される。
このような構成によれば、調温部140の熱(又は冷熱)や振動発生部150の振動は、製剤10を介して肌300に対して伝達される。これにより、プローブ130を肌300に直接押し当てる場合や、他の製剤(美容液や乳液、クリーム製剤など)を介してプローブ130を肌300に押し当てる場合などと比較して、被施術者が感じる快感情や自律神経活動への効果を向上させることができる。
特に、本実施形態の場合、上述のような貯蔵弾性率G′、損失弾性率G″、損失正接Tanδ及び平均泡径を有する製剤10を用いるため、製剤10の流動性を適度に確保し、プローブ130の接触面131と肌300との間に製剤10が万遍なく入り込むようにできる。また、図1(a)に示すように、プローブ130を肌300に沿って移動させる際に、プローブ130の動きに製剤10が良好に追従することができるので、プローブ130の接触面131と肌300とを製剤10を介して非接触に維持することが容易となる。
より詳細には、本実施形態の場合、肌300の表面上に製剤10が塗布された状態で、更にその製剤10上にプローブ130を配置し、予め定められた押し圧で製剤10を介してプローブ130を押し当てる。この際、プローブ130に加わる単位面積当たりの押し圧は、上述のように1Pa(N/m2)以上3300Pa(N/m2)以下が好ましい。そして、この状態を維持しつつ、プローブ130を肌300に沿って移動させる。この際に、プローブ130の動きに製剤10が良好に追従し、プローブ130の接触面131と肌300との間に製剤10が万遍なく入り込んだ状態が維持される。これにより、接触面131と肌300との間に摩擦抵抗が生じることを抑制するとともに、プローブ130からの熱(又は冷熱)や振動、更には製剤10の泡の感触といった心地のよい刺激を被施術者の肌300に対して与えることができる。
本実施形態の場合、プローブ130と肌300との間に製剤10が介在している状態が、少なくとも5秒以上維持されることが好ましく、より好ましくは3秒以上維持される。
また、本実施形態の場合、上述のようにプローブ130の全面(接触面131の全面)と肌300とが製剤10を介して非接触に維持されることが好ましいが、本発明において、例えば、プローブ130の一部分が肌300に接触してもよい。
このような構成によれば、調温部140の熱(又は冷熱)や振動発生部150の振動は、製剤10を介して肌300に対して伝達される。これにより、プローブ130を肌300に直接押し当てる場合や、他の製剤(美容液や乳液、クリーム製剤など)を介してプローブ130を肌300に押し当てる場合などと比較して、被施術者が感じる快感情や自律神経活動への効果を向上させることができる。
特に、本実施形態の場合、上述のような貯蔵弾性率G′、損失弾性率G″、損失正接Tanδ及び平均泡径を有する製剤10を用いるため、製剤10の流動性を適度に確保し、プローブ130の接触面131と肌300との間に製剤10が万遍なく入り込むようにできる。また、図1(a)に示すように、プローブ130を肌300に沿って移動させる際に、プローブ130の動きに製剤10が良好に追従することができるので、プローブ130の接触面131と肌300とを製剤10を介して非接触に維持することが容易となる。
より詳細には、本実施形態の場合、肌300の表面上に製剤10が塗布された状態で、更にその製剤10上にプローブ130を配置し、予め定められた押し圧で製剤10を介してプローブ130を押し当てる。この際、プローブ130に加わる単位面積当たりの押し圧は、上述のように1Pa(N/m2)以上3300Pa(N/m2)以下が好ましい。そして、この状態を維持しつつ、プローブ130を肌300に沿って移動させる。この際に、プローブ130の動きに製剤10が良好に追従し、プローブ130の接触面131と肌300との間に製剤10が万遍なく入り込んだ状態が維持される。これにより、接触面131と肌300との間に摩擦抵抗が生じることを抑制するとともに、プローブ130からの熱(又は冷熱)や振動、更には製剤10の泡の感触といった心地のよい刺激を被施術者の肌300に対して与えることができる。
本実施形態の場合、プローブ130と肌300との間に製剤10が介在している状態が、少なくとも5秒以上維持されることが好ましく、より好ましくは3秒以上維持される。
また、本実施形態の場合、上述のようにプローブ130の全面(接触面131の全面)と肌300とが製剤10を介して非接触に維持されることが好ましいが、本発明において、例えば、プローブ130の一部分が肌300に接触してもよい。
更に、製剤10は、貯蔵弾性率G′が80以下であることが好ましい。
このようにすることによって、プローブ130を肌300に沿って移動させる際に、プローブ130の動きに製剤10がより良好に追従することができるので、プローブ130の接触面131と肌300とを製剤10を介して非接触に維持することが一層容易となる。
このようにすることによって、プローブ130を肌300に沿って移動させる際に、プローブ130の動きに製剤10がより良好に追従することができるので、プローブ130の接触面131と肌300とを製剤10を介して非接触に維持することが一層容易となる。
また、製剤10は、損失弾性率G″が30以下であることが好ましい。
このようにすることによっても、プローブ130を肌300に沿って移動させる際に、プローブ130の動きに製剤10がより良好に追従することができるので、プローブ130の接触面131と肌300とを製剤10を介して非接触に維持することが一層容易となる。
このようにすることによっても、プローブ130を肌300に沿って移動させる際に、プローブ130の動きに製剤10がより良好に追従することができるので、プローブ130の接触面131と肌300とを製剤10を介して非接触に維持することが一層容易となる。
また、上述のように、製剤10の貯蔵弾性率G′は3以上であり、損失弾性率G″は5以上であることが好ましい。このようにすることによって、予め定められた押し圧で製剤10を介してプローブ130を押し当てた際に、製剤10が、当該プローブ130に加わる圧力(押し圧)を支えることができる程度の弾性と粘性とを両方兼ね備える構成とすることができる。
以下、本実施形態に係る美容キット200を用いた美容方法(以下、本方法と称する場合がある)について説明する。
本方法は、図1(a)に示すように、泡状の製剤10を被施術者の肌300に塗布した状態で、プローブ130とプローブ130を調温する調温部140とプローブ130を振動させる振動発生部150とを有する美容機器100のプローブ130を肌300に作用させる工程を備える。
このように泡状の製剤10と美容機器100とを組み合わせて用いることによって、プローブ130の熱や振動によって被施術者に対して与える快感情や自律神経活動への効果をより増幅させることができる。
本方法は、図1(a)に示すように、泡状の製剤10を被施術者の肌300に塗布した状態で、プローブ130とプローブ130を調温する調温部140とプローブ130を振動させる振動発生部150とを有する美容機器100のプローブ130を肌300に作用させる工程を備える。
このように泡状の製剤10と美容機器100とを組み合わせて用いることによって、プローブ130の熱や振動によって被施術者に対して与える快感情や自律神経活動への効果をより増幅させることができる。
本実施形態の場合、上記の工程において、プローブ130の全面(接触面131の全面)と肌300とを製剤10を介して非接触に維持しながらプローブ130を肌300に沿って移動させる。
これにより、調温部140の熱や振動発生部150の振動は、泡状の製剤10を介して肌300に対して伝達される。そして、プローブ130の接触面131の全面と肌300とを製剤10を介して非接触に維持しながら、プローブ130を肌300に沿って移動させることによって、被施術者の肌300に対して心地のよい刺激を与えることができる。
よって、プローブ130を肌300に直接押し当てる場合や、他の製剤(美容液や乳液、クリーム製剤など)を介してプローブ130を肌300に押し当てる場合などと比較して、被施術者が感じる快感情や自律神経活動への効果を向上させることができる。
これにより、調温部140の熱や振動発生部150の振動は、泡状の製剤10を介して肌300に対して伝達される。そして、プローブ130の接触面131の全面と肌300とを製剤10を介して非接触に維持しながら、プローブ130を肌300に沿って移動させることによって、被施術者の肌300に対して心地のよい刺激を与えることができる。
よって、プローブ130を肌300に直接押し当てる場合や、他の製剤(美容液や乳液、クリーム製剤など)を介してプローブ130を肌300に押し当てる場合などと比較して、被施術者が感じる快感情や自律神経活動への効果を向上させることができる。
本実施形態の場合、調温部140は、プローブ130を10℃以上45℃以下の温度に調温することが好ましい。
このようにすることによって、被施術者の快感情を喚起する温度でプローブ130の熱が肌300に対して伝達されるようにできる。
このようにすることによって、被施術者の快感情を喚起する温度でプローブ130の熱が肌300に対して伝達されるようにできる。
また、振動発生部150は、プローブ130を1Hz以上500Hz以下の周波数で振動させることが好ましく、10Hz以上200Hz以下がより好ましく、30Hz以上180Hz以下がさらに好ましい。
これにより、プローブ130の振動によって被施術者の快感情を喚起する振動でプローブ130の振動が製剤10を介して肌300に伝達されるようにできる。
これにより、プローブ130の振動によって被施術者の快感情を喚起する振動でプローブ130の振動が製剤10を介して肌300に伝達されるようにできる。
本実施形態の場合、一例として、調温部140は、プローブ130を37℃以上42℃以下の温度に調温し、振動発生部150は、プローブ130を1Hz以上200Hz以下の周波数で振動させる。
これにより、被施術者が感じる快感情や自律神経活動への効果を向上させる熱や振動をプローブ130から出力し、製剤10を介して肌300に伝達されるようにできる。
これにより、被施術者が感じる快感情や自律神経活動への効果を向上させる熱や振動をプローブ130から出力し、製剤10を介して肌300に伝達されるようにできる。
また、上述のように、本実施形態の場合、製剤10として、貯蔵弾性率G′が3以上220以下、損失弾性率G″が5以上55以下、損失正接Tanδが0.1以上1.5以下、平均泡径が10μm以上250μm以下のものを用いる。
これにより、プローブ130の接触面131と肌300との間に製剤10が万遍なく入り込むとともに、プローブ130の動きに良好に追従することができる程度の流動性と、プローブ130に加わる圧力(押し圧)を支えることができる程度の弾性及び粘性と、の両方を備えた製剤10を実現することができる。よって、プローブ130が振動している状態や移動している状態においても、当該プローブ130の接触面131と肌300との間に製剤10が介在している状態を良好に維持することができる。
より詳細には、製剤10の貯蔵弾性率G′は、3以上120以下であることがより好ましく、更に好ましくは5以上80以下である。また、製剤10の損失弾性率G″は、5以上40以下であることがより好ましく、更に好ましくは5以上30以下である。また、製剤10の平均泡径は、15μm以上225μm以下であることがより好ましく、更に好ましくは20μm以上200μm以下である。
そして、製剤10として、貯蔵弾性率G′が5以上80以下、損失弾性率G″が5以上30以下、損失正接Tanδが0.1以上1.5以下、平均泡径が20μm以上200μm以下のものを用いることによって、プローブ130の接触面131と肌300との間に製剤10が万遍なく入り込むとともに、プローブ130の動きに良好に追従することができる程度の流動性と、プローブ130に加わる圧力(押し圧)を支えることができる程度の弾性及び粘性と、の両方を備えた製剤10をより確実に実現することができる。
これにより、プローブ130の接触面131と肌300との間に製剤10が万遍なく入り込むとともに、プローブ130の動きに良好に追従することができる程度の流動性と、プローブ130に加わる圧力(押し圧)を支えることができる程度の弾性及び粘性と、の両方を備えた製剤10を実現することができる。よって、プローブ130が振動している状態や移動している状態においても、当該プローブ130の接触面131と肌300との間に製剤10が介在している状態を良好に維持することができる。
より詳細には、製剤10の貯蔵弾性率G′は、3以上120以下であることがより好ましく、更に好ましくは5以上80以下である。また、製剤10の損失弾性率G″は、5以上40以下であることがより好ましく、更に好ましくは5以上30以下である。また、製剤10の平均泡径は、15μm以上225μm以下であることがより好ましく、更に好ましくは20μm以上200μm以下である。
そして、製剤10として、貯蔵弾性率G′が5以上80以下、損失弾性率G″が5以上30以下、損失正接Tanδが0.1以上1.5以下、平均泡径が20μm以上200μm以下のものを用いることによって、プローブ130の接触面131と肌300との間に製剤10が万遍なく入り込むとともに、プローブ130の動きに良好に追従することができる程度の流動性と、プローブ130に加わる圧力(押し圧)を支えることができる程度の弾性及び粘性と、の両方を備えた製剤10をより確実に実現することができる。
<製剤の評価:試験例1~16>
ここで、貯蔵弾性率G′、損失弾性率G″、損失正接Tanδ及び平均泡径がそれぞれ異なる複数種類の水中油型乳化組成物の製剤と、上記の美容機器100と、を用いて、以下に説明する実験を行った結果を図3から図6に示す。より詳細には、図3、図4(a)~図4(c)は、ガラス面310に各製剤を塗布し、プローブ130をガラス面310に沿って移動させ、当該プローブ130の移動に伴う各製剤の動きをそれぞれ観察した結果を示す。また、図5及び図6は、これら各製剤を被験者(被施術者)の肌300に塗布し、プローブ130を肌300に沿って移動させた際に、被験者の快感情に与える影響をそれぞれ評価した結果を示す。より詳細には、被験者の快感情の評価として、「心地よさ」及び「リラックス」を専門家(1名)による官能評価によってそれぞれ以下の3段階で評価した。
(1)心地よさ:
○:心地よい。
△:あまり心地よくない。
×:明らかに心地よくない。
(2)リラックス
○:リラックスできる。
△:あまりリラックスできない。
×:明らかにリラックスできない。
ここで、貯蔵弾性率G′、損失弾性率G″、損失正接Tanδ及び平均泡径がそれぞれ異なる複数種類の水中油型乳化組成物の製剤と、上記の美容機器100と、を用いて、以下に説明する実験を行った結果を図3から図6に示す。より詳細には、図3、図4(a)~図4(c)は、ガラス面310に各製剤を塗布し、プローブ130をガラス面310に沿って移動させ、当該プローブ130の移動に伴う各製剤の動きをそれぞれ観察した結果を示す。また、図5及び図6は、これら各製剤を被験者(被施術者)の肌300に塗布し、プローブ130を肌300に沿って移動させた際に、被験者の快感情に与える影響をそれぞれ評価した結果を示す。より詳細には、被験者の快感情の評価として、「心地よさ」及び「リラックス」を専門家(1名)による官能評価によってそれぞれ以下の3段階で評価した。
(1)心地よさ:
○:心地よい。
△:あまり心地よくない。
×:明らかに心地よくない。
(2)リラックス
○:リラックスできる。
△:あまりリラックスできない。
×:明らかにリラックスできない。
図5における区分Aは、実施形態として、上記の製剤10、すなわち貯蔵弾性率G′が3以上220以下、損失弾性率G″が5以上55以下、損失正接Tanδが0.1以上1.5以下、平均泡径が10μm以上250μm以下の製剤(以下製剤10a)を複数(図5に示す試験例1~9)用いて官能評価を行った結果を示している。
また、図3は、被験者(被施術者)の肌300に代わりにガラス面310に製剤10aを塗布し、ガラス面310を肌300に沿って移動させた状態の写真を示す図であり、当該写真は、ガラス面310の裏側(プローブ130側とは反対側の面側)から当該プローブ130と製剤10aを視た状態を示す。同様に、図1(b)は、ガラス面310に製剤10aを塗布し、ガラス面310を肌300に沿って移動させた状態の模式図であり、ガラス面310の裏側(プローブ130側とは反対側の面側)から当該プローブ130と製剤10aを視た状態を示す。
図6における区分Bは、比較形態として、貯蔵弾性率G′が250以上410以下、損失弾性率G″が60以上80以下、損失正接Tanδが0.1以上0.3以下、平均泡径が25μm以上75μm以下の製剤(以下製剤10b)を複数(図6に示す試験例10~12)用いて官能評価を行った結果を示している。
同様に、図6における区分Cは、比較形態として、貯蔵弾性率G′が1以上75以下、損失弾性率G″が1以上20以下、損失正接Tanδが0.25以上1以下、平均泡径が280μm以上400μm以下の製剤(以下製剤10c)を複数(図6に示す試験例13~15)用いて官能評価を行った結果を示している。
同様に、図6における区分Dは、比較形態として、貯蔵弾性率G′が1以上50以下、損失弾性率G″が1以上10以下、損失正接Tanδが0.2以上1以下、平均泡径が0μmの製剤(以下製剤10d)、すなわち泡状でない製剤(図6に示す試験例16)を用いて官能評価を行った結果を示している。試験例16は、試験例1と比較して、組成は同じであるが泡状でない(加圧ガスや空気を含有していない)点において相違しており、その他の点においては同種の製剤である。換言すると、試験例1は、試験例16に加圧ガスや空気を含有させたものである。
また、図4(a)~図4(c)は、被験者(被施術者)の肌300に代わりにガラス面310に製剤10b~10dをそれぞれ塗布し、ガラス面310を肌300に沿って移動させた状態の写真を示す図であり、当該写真は、ガラス面310の裏側から当該プローブ130と製剤10b~10dを視た状態を示す。同様に、図7(b)は、ガラス面310に製剤10b~10dを塗布し、ガラス面310を肌300に沿って移動させた状態の模式図であり、ガラス面310の裏側から当該プローブ130と製剤10b~10dを視た状態を示す。
上記の各製剤の貯蔵弾性率G′、損失弾性率G″、損失正接Tanδは、製剤を吐出した直後にストレス制御型レオメータ(Anton Paar社製レオメータ Physica MCR 301)を用いて動的粘弾性測定によるひずみ依存性を測定した。そして、各泡製剤の動的粘弾性測定により得られた線形粘弾性領域における貯蔵弾性率G′、損失弾性率G″及び損失正接Tanδの値を比較した。
なお、ここでいう「線形粘弾性領域」とは、加えた応力とひずみに比例関係が成り立つ領域を意味している。
各製剤の平均泡径は、容器からガラスシリンダー内に製剤を吐出し、KRUSS社製の動的フォームアナライザーDFA100にて、製剤が吐出された時点から略1秒経過した時点で計測を行った。
また、図3は、被験者(被施術者)の肌300に代わりにガラス面310に製剤10aを塗布し、ガラス面310を肌300に沿って移動させた状態の写真を示す図であり、当該写真は、ガラス面310の裏側(プローブ130側とは反対側の面側)から当該プローブ130と製剤10aを視た状態を示す。同様に、図1(b)は、ガラス面310に製剤10aを塗布し、ガラス面310を肌300に沿って移動させた状態の模式図であり、ガラス面310の裏側(プローブ130側とは反対側の面側)から当該プローブ130と製剤10aを視た状態を示す。
図6における区分Bは、比較形態として、貯蔵弾性率G′が250以上410以下、損失弾性率G″が60以上80以下、損失正接Tanδが0.1以上0.3以下、平均泡径が25μm以上75μm以下の製剤(以下製剤10b)を複数(図6に示す試験例10~12)用いて官能評価を行った結果を示している。
同様に、図6における区分Cは、比較形態として、貯蔵弾性率G′が1以上75以下、損失弾性率G″が1以上20以下、損失正接Tanδが0.25以上1以下、平均泡径が280μm以上400μm以下の製剤(以下製剤10c)を複数(図6に示す試験例13~15)用いて官能評価を行った結果を示している。
同様に、図6における区分Dは、比較形態として、貯蔵弾性率G′が1以上50以下、損失弾性率G″が1以上10以下、損失正接Tanδが0.2以上1以下、平均泡径が0μmの製剤(以下製剤10d)、すなわち泡状でない製剤(図6に示す試験例16)を用いて官能評価を行った結果を示している。試験例16は、試験例1と比較して、組成は同じであるが泡状でない(加圧ガスや空気を含有していない)点において相違しており、その他の点においては同種の製剤である。換言すると、試験例1は、試験例16に加圧ガスや空気を含有させたものである。
また、図4(a)~図4(c)は、被験者(被施術者)の肌300に代わりにガラス面310に製剤10b~10dをそれぞれ塗布し、ガラス面310を肌300に沿って移動させた状態の写真を示す図であり、当該写真は、ガラス面310の裏側から当該プローブ130と製剤10b~10dを視た状態を示す。同様に、図7(b)は、ガラス面310に製剤10b~10dを塗布し、ガラス面310を肌300に沿って移動させた状態の模式図であり、ガラス面310の裏側から当該プローブ130と製剤10b~10dを視た状態を示す。
上記の各製剤の貯蔵弾性率G′、損失弾性率G″、損失正接Tanδは、製剤を吐出した直後にストレス制御型レオメータ(Anton Paar社製レオメータ Physica MCR 301)を用いて動的粘弾性測定によるひずみ依存性を測定した。そして、各泡製剤の動的粘弾性測定により得られた線形粘弾性領域における貯蔵弾性率G′、損失弾性率G″及び損失正接Tanδの値を比較した。
なお、ここでいう「線形粘弾性領域」とは、加えた応力とひずみに比例関係が成り立つ領域を意味している。
各製剤の平均泡径は、容器からガラスシリンダー内に製剤を吐出し、KRUSS社製の動的フォームアナライザーDFA100にて、製剤が吐出された時点から略1秒経過した時点で計測を行った。
図3及び図1(b)に示すように、製剤10a(試験例1~9)を用いた場合、プローブ130をガラス面310に沿って動かしたとしても、製剤10aはプローブ130の動きに良好に追従し、プローブ130の接触面131とガラス面310との間に万遍なく入り込むことが分かった。また、製剤10aは、プローブ130に加わる圧力(押し圧)を良好に支え、プローブ130と肌300との間に製剤10aが介在している状態を十分に維持することができた。
一方、図4(a)に示すように、製剤10b(試験例10~12)を用いた場合、プローブ130を移動させた際に製剤10bは接触面131とガラス面310との間の領域から逃げてしまい、製剤10bはプローブ130の移動跡350(道)を形成してしまうことが分かった。
また、図4(b)に示すように、製剤10c(試験例13~15)を用いた場合、プローブ130からの圧力によって製剤10cの泡が容易に壊れてしまうとともに、プローブ130を移動させた際に製剤10bは接触面131とガラス面310との間の領域から逃げてしまい、製剤10cはプローブ130の移動跡350を形成してしまうことが分かった。
同様に、図4(c)に示すように、製剤10d(試験例16)を用いた場合、当該製剤10dは、プローブ130を支えることができず、接触面131とガラス面310との間の領域から逃げてしまい、製剤10dはプローブ130の移動跡350を形成してしまうことが分かった。
すなわち、製剤10b~10dを用いた場合、図7(a)及び図7(b)に示すように、接触面131とガラス面310(又は肌300)との間の領域においてプローブ130の移動跡350が形成され、ガラス面310における製剤10b~10dから露出した部分が、プローブ130の接触面131と接触してしまうことが分かった。
一方、図4(a)に示すように、製剤10b(試験例10~12)を用いた場合、プローブ130を移動させた際に製剤10bは接触面131とガラス面310との間の領域から逃げてしまい、製剤10bはプローブ130の移動跡350(道)を形成してしまうことが分かった。
また、図4(b)に示すように、製剤10c(試験例13~15)を用いた場合、プローブ130からの圧力によって製剤10cの泡が容易に壊れてしまうとともに、プローブ130を移動させた際に製剤10bは接触面131とガラス面310との間の領域から逃げてしまい、製剤10cはプローブ130の移動跡350を形成してしまうことが分かった。
同様に、図4(c)に示すように、製剤10d(試験例16)を用いた場合、当該製剤10dは、プローブ130を支えることができず、接触面131とガラス面310との間の領域から逃げてしまい、製剤10dはプローブ130の移動跡350を形成してしまうことが分かった。
すなわち、製剤10b~10dを用いた場合、図7(a)及び図7(b)に示すように、接触面131とガラス面310(又は肌300)との間の領域においてプローブ130の移動跡350が形成され、ガラス面310における製剤10b~10dから露出した部分が、プローブ130の接触面131と接触してしまうことが分かった。
このように、製剤10b~10dを用いた場合と比較して、貯蔵弾性率G′が3以上220以下、損失弾性率G″が5以上55以下、損失正接Tanδが0.1以上1.5以下、平均泡径が10μm以上250μm以下の製剤(製剤10a)を用いることによって、プローブ130の接触面131と肌300との間に製剤10が介在している状態を良好に維持することができる。
更には、図5に示すように、製剤10a(試験例1~9)を用いた場合、すべての試験例において、「心地よさ」及び「リラックス」の両方の評価が「○」となった。
一方、図6に示すように、製剤10b(試験例10~12)を用いた場合、試験例10は「心地よさ」及び「リラックス」の両方の評価が「△」となり、残りの試験例11、12は「心地よさ」及び「リラックス」の両方の評価が「×」となった。同様に、製剤10c(試験例13~15)及び製剤10d(試験例16)を用いた場合、試験例14は「心地よさ」及び「リラックス」の両方の評価が「△」となり、残りの試験例13、15及び16は「心地よさ」及び「リラックス」の両方の評価が「×」となった。
一方、図6に示すように、製剤10b(試験例10~12)を用いた場合、試験例10は「心地よさ」及び「リラックス」の両方の評価が「△」となり、残りの試験例11、12は「心地よさ」及び「リラックス」の両方の評価が「×」となった。同様に、製剤10c(試験例13~15)及び製剤10d(試験例16)を用いた場合、試験例14は「心地よさ」及び「リラックス」の両方の評価が「△」となり、残りの試験例13、15及び16は「心地よさ」及び「リラックス」の両方の評価が「×」となった。
このように、製剤10b~10dを用いた場合と比較して、貯蔵弾性率G′が3以上220以下、損失弾性率G″が5以上55以下、損失正接Tanδが0.1以上1.5以下、平均泡径が10μm以上250μm以下の製剤(製剤10a)を用いることによって、被施術者が感じる快感情への効果を向上させることができる。
<美容キットを用いた評価:実施例1、比較例1~6>
以下、図8(a)から図9(c)を用いて実施例1及び比較例1~6を説明する。
実施例1及び比較例1~6では、それぞれ以下に説明する美容方法を3名の被験者(被施術者)に対して施術し、当該美容方法が被験者の快感情や自律神経活動に与える影響を評価した。
より詳細には、被験者の快感情の評価として、美容方法の施術中の「心地よさ」及び「リラックス」を専門評価者3名による官能評価によってそれぞれ6段階で評価した。
また、被験者の自律神経活動に与える影響の評価として、施術前後でそれぞれ被験者の心電データを3分間計測した。そして、計測された心電データ(より詳細には心拍間隔時系列データ)をMem Calc法(最大エントロピー法)を用いて、高周波成分(HF:High Frequency)と低周波成分(LF:Low Frequency)に分解し解析を行った。なお、高周波成分(HF)は、0.15Hzよりも大きく0.45Hz以下の領域の積分値であり、低周波成分(LF)は、0.04Hz以上0.15Hz以下の領域の積分値である。
得られた高周波成分(HF)の変動係数(CCV:Coefficient of Component Variance)の値(以下、CCV(HF)と称する場合がある)は、以下の式(1)を用いて表される。そして、高周波成分の変動係数(CCV(HF))を副交感神経の活動度を示す指標とした。このCCV(HF)の数値が高いほど、副交感神経の活性が高いことを意味している。
[{(HF)1/2}/AVRR]×100(%)・・・・・・(1)
同様に、低周波成分(LF)と高周波成分(HF)との比(LF/HF)の変動係数の値(以下、CCV(LF/HF)と称する場合がある)は、以下の式(2)を用いて表される。そして、低周波成分と高周波成分との比の変動係数(CCV(LF/HF))を自律神経活動のバランスを示す指標とした。このCCV(LF/HF)の数値が高いと交感神経優位な状態を意味し、当該数値が低いと副交感神経優位な状態を意味する。
[{(LF/HF)1/2}/AVRR]×100(%)・・・・・・(2)
そして、CCV(HF)、CCV(LF/HF)は、被験者がどの程度鎮静状態、或いは覚醒状態にあるかを定量的に示す指標値として用いることができる。
また、得られた心電データにおけるR-R間隔の変動係数(以下、CVRRと称する場合がある)の値を自律神経の総合的な活動度(トータルパワー)を示す指標とした。
なお、被験者の心電データの計測はクロスウェル社のきりつ名人(登録商標)にて、心電計を用いて計測し、心電データの解析はきりつ名人付属ソフトを用いて行った。
実施例1及び比較例1~6では、それぞれ以下に説明する美容方法を3名の被験者(被施術者)に対して施術し、当該美容方法が被験者の快感情や自律神経活動に与える影響を評価した。
より詳細には、被験者の快感情の評価として、美容方法の施術中の「心地よさ」及び「リラックス」を専門評価者3名による官能評価によってそれぞれ6段階で評価した。
また、被験者の自律神経活動に与える影響の評価として、施術前後でそれぞれ被験者の心電データを3分間計測した。そして、計測された心電データ(より詳細には心拍間隔時系列データ)をMem Calc法(最大エントロピー法)を用いて、高周波成分(HF:High Frequency)と低周波成分(LF:Low Frequency)に分解し解析を行った。なお、高周波成分(HF)は、0.15Hzよりも大きく0.45Hz以下の領域の積分値であり、低周波成分(LF)は、0.04Hz以上0.15Hz以下の領域の積分値である。
得られた高周波成分(HF)の変動係数(CCV:Coefficient of Component Variance)の値(以下、CCV(HF)と称する場合がある)は、以下の式(1)を用いて表される。そして、高周波成分の変動係数(CCV(HF))を副交感神経の活動度を示す指標とした。このCCV(HF)の数値が高いほど、副交感神経の活性が高いことを意味している。
[{(HF)1/2}/AVRR]×100(%)・・・・・・(1)
同様に、低周波成分(LF)と高周波成分(HF)との比(LF/HF)の変動係数の値(以下、CCV(LF/HF)と称する場合がある)は、以下の式(2)を用いて表される。そして、低周波成分と高周波成分との比の変動係数(CCV(LF/HF))を自律神経活動のバランスを示す指標とした。このCCV(LF/HF)の数値が高いと交感神経優位な状態を意味し、当該数値が低いと副交感神経優位な状態を意味する。
[{(LF/HF)1/2}/AVRR]×100(%)・・・・・・(2)
そして、CCV(HF)、CCV(LF/HF)は、被験者がどの程度鎮静状態、或いは覚醒状態にあるかを定量的に示す指標値として用いることができる。
また、得られた心電データにおけるR-R間隔の変動係数(以下、CVRRと称する場合がある)の値を自律神経の総合的な活動度(トータルパワー)を示す指標とした。
なお、被験者の心電データの計測はクロスウェル社のきりつ名人(登録商標)にて、心電計を用いて計測し、心電データの解析はきりつ名人付属ソフトを用いて行った。
実施例1では、製剤10(図8(a)~図9(c)では「泡製剤」と記載)が塗布された被験者の肌に対して、製剤10を介してプローブ130を予め定められた押し圧で押し当て、プローブ130の全面(接触面131の全面)と肌300とを製剤10を介して非接触に維持しながら、プローブ130を肌300に沿って移動させる美容方法を被験者に対して施術した。
比較例1では、被験者の手の平を肌300に沿って移動させる美容方法を被験者に対して施術した。
比較例2では、被験者の肌に対してプローブ130を直接的に押し当て、プローブ130の全面が肌300対して接触している状態を維持しながら、プローブ130を肌300に沿って移動させる美容方法を被験者に対して施術した。
比較例3では、被験者の手の平と肌300とをクリーム製剤(図8(a)~図9(c)では「クリーム」と記載)を介して非接触に維持しながら、当該手の平を肌300に沿って移動させる美容方法を被験者に対して施術した。
比較例4では、被験者の肌300の上に製剤10を塗布した状態で、当該被験者の手の平を肌300に沿って移動させる美容方法を被験者に対して施術した。
比較例5では、クリーム製剤が塗布された被験者の肌に対してプローブ130を押し当て、プローブ130の接触面131を肌300に沿って移動させる美容方法を被験者に対して施術した。
比較例6では、泡状ではない製剤(図8(a)~図9(c)では「泡なし製剤」と記載)が塗布された被験者の肌に対してプローブ130を押し当て、プローブ130の接触面131を肌300に沿って移動させる美容方法を被験者に対して施術した。
なお、実施例1、比較例2、比較例5及び比較例6では、上記の美容機器100を使用し、調温部140は、プローブ130を37℃に調温し、振動発生部150は、プローブ130を200Hz以下の周波数で振動させた。
また、実施例1及び比較例4では、製剤10として、上記の製剤10aの試験例1(すなわち、貯蔵弾性率G′が3以上220以下、損失弾性率G″が5以上55以下、損失正接Tanδが0.1以上1.5以下、平均泡径が10μm以上250μm以下のもの)を用いた。また、一例として、製剤10の塗布量は1.0gであり、その塗布膜の厚みは、約0.05mm以上0.5mm以下である。
また、比較例3及び比較例5では、クリーム製剤として、非特許文献3に記載のような、肌300に対して塗布した際に快感情を喚起する感触であることが確認されているものを用いた。また、一例として、クリーム製剤の塗布量は0.5gであり、その塗布膜の厚みは、約0.01mm以上0.1mm以下である。
また、比較例6では、泡状ではない製剤として、上記の製剤10dの試験例16(すなわち貯蔵弾性率G′が3以上220以下、損失弾性率G″が5以上55以下、損失正接Tanδが0.1以上1.5以下、平均泡径が0μmのもの)を用いた。また、一例として、製剤10dの塗布量は1.0gであり、その塗布膜の厚みは、約0.05mm以上0.5mm以下である。
比較例1では、被験者の手の平を肌300に沿って移動させる美容方法を被験者に対して施術した。
比較例2では、被験者の肌に対してプローブ130を直接的に押し当て、プローブ130の全面が肌300対して接触している状態を維持しながら、プローブ130を肌300に沿って移動させる美容方法を被験者に対して施術した。
比較例3では、被験者の手の平と肌300とをクリーム製剤(図8(a)~図9(c)では「クリーム」と記載)を介して非接触に維持しながら、当該手の平を肌300に沿って移動させる美容方法を被験者に対して施術した。
比較例4では、被験者の肌300の上に製剤10を塗布した状態で、当該被験者の手の平を肌300に沿って移動させる美容方法を被験者に対して施術した。
比較例5では、クリーム製剤が塗布された被験者の肌に対してプローブ130を押し当て、プローブ130の接触面131を肌300に沿って移動させる美容方法を被験者に対して施術した。
比較例6では、泡状ではない製剤(図8(a)~図9(c)では「泡なし製剤」と記載)が塗布された被験者の肌に対してプローブ130を押し当て、プローブ130の接触面131を肌300に沿って移動させる美容方法を被験者に対して施術した。
なお、実施例1、比較例2、比較例5及び比較例6では、上記の美容機器100を使用し、調温部140は、プローブ130を37℃に調温し、振動発生部150は、プローブ130を200Hz以下の周波数で振動させた。
また、実施例1及び比較例4では、製剤10として、上記の製剤10aの試験例1(すなわち、貯蔵弾性率G′が3以上220以下、損失弾性率G″が5以上55以下、損失正接Tanδが0.1以上1.5以下、平均泡径が10μm以上250μm以下のもの)を用いた。また、一例として、製剤10の塗布量は1.0gであり、その塗布膜の厚みは、約0.05mm以上0.5mm以下である。
また、比較例3及び比較例5では、クリーム製剤として、非特許文献3に記載のような、肌300に対して塗布した際に快感情を喚起する感触であることが確認されているものを用いた。また、一例として、クリーム製剤の塗布量は0.5gであり、その塗布膜の厚みは、約0.01mm以上0.1mm以下である。
また、比較例6では、泡状ではない製剤として、上記の製剤10dの試験例16(すなわち貯蔵弾性率G′が3以上220以下、損失弾性率G″が5以上55以下、損失正接Tanδが0.1以上1.5以下、平均泡径が0μmのもの)を用いた。また、一例として、製剤10dの塗布量は1.0gであり、その塗布膜の厚みは、約0.05mm以上0.5mm以下である。
図8(a)は、実施例1及び比較例1~6における官能評価(心地よさ)の結果を示すグラフである。図8(a)における縦軸の官能評価(心地よさ)は1から6の数値で被験者(被施術者)が感じた心地よさを評価するものであり、数値が大きいほど心地よさの程度が大きく、数値が小さいほど心地よさの程度が小さいことを示している。なお、数値は、専門評価者3名の平均値で示した。
図8(b)は、実施例1及び比較例1~6における官能評価(リラックス)の結果を示すグラフである。図8(b)における縦軸の官能評価(リラックス)は1から6の数値で被験者(被施術者)が得られたリラックス感の程度を評価するものであり、数値が大きいほど得られたリラックス感の程度が大きく、数値が小さいほど当該リラックス感の程度が小さいことを示している。なお、数値は、専門評価者3名の平均値で示した。
図9(a)は、実施例1及び比較例1~6におけるCCV(HF)(副交感神経の活動度を示す指標)の解析結果を示すグラフである。図9(a)における縦軸のCCV(HF)の値は、上記の各美容方法が施術される前を基準とした、当該美容方法の施術後における副交感神経の活動度の変化を示す指標であり、数値が大きいほど副交感神経の活動度が増加し、数値が小さいほど当該副交感神経の活動度が減少したことを示している。
図9(b)は、実施例1及び比較例1~6におけるCCV(LF/HF)(自律神経活動のバランスを示す指標)の解析結果を示すグラフである。図9(b)における縦軸のCCV(LF/HF)の値は、美容方法が被験者に施術される前を基準とした、当該美容方法の施術後における自律神経の活動度の変化を示す指標であり、数値が大きいほど交感神経の活動が優位であり、数値が小さいほど副交感神経の活動が優位であることを示している。
図9(c)は、実施例1及び比較例1~6におけるCVRR(自律神経の総合的な活動度を示す指標)の解析結果を示すグラフである。図9(c)における縦軸のCVRRの値は、施術される前を基準とした、当該美容方法の施術後における自律神経の総合的な活動度の変化率を示す指標であり、数値が大きいほど自律神経の総合的な活動度が増加し、数値が小さいほど当該自律神経の総合的な活動度が減少したことを示している。
図8(a)に示すように、比較例3、5及び6では、「心地よさ」について4以上の評価が得られたが、施術者の手の平と製剤10とを組み合わせて施術した比較例4では、「心地よさ」について3以下の評価となった。しかし、美容機器100と製剤10とを組み合わせた実施例1では、「心地よさ」について5以上の評価が得られた。
同様に、図8(b)に示すように、比較例3、5及び6では、「リラックス」について4以上の評価が得られたが、施術者の手の平と製剤10とを組み合わせて施術した比較例4では、「リラックス」について3前後の評価となった。しかし、美容機器100と製剤10とを組み合わせた実施例1では、「リラックス」について5以上の評価が得られた。
また、図9(a)に示すように、比較例3、5及び6では、副交感神経の活動度が増加した結果が得られたが、比較例4では副交感神経の活動度に変化は見られなかった。しかし、実施例1では、副交感神経の活動度が、比較例3、5及び6よりも大きく増加した。
また、図9(b)に示すように、比較例1、比較例4と比較例5において交感神経が優位となった結果が得られたが、実施例1において副交感神経が最も優位となった結果が得られた。
また、図9(c)に示すように、実施例1においては、副交感神経の活動度の上昇に伴うトータルパワーの上昇も確認された。
同様に、図8(b)に示すように、比較例3、5及び6では、「リラックス」について4以上の評価が得られたが、施術者の手の平と製剤10とを組み合わせて施術した比較例4では、「リラックス」について3前後の評価となった。しかし、美容機器100と製剤10とを組み合わせた実施例1では、「リラックス」について5以上の評価が得られた。
また、図9(a)に示すように、比較例3、5及び6では、副交感神経の活動度が増加した結果が得られたが、比較例4では副交感神経の活動度に変化は見られなかった。しかし、実施例1では、副交感神経の活動度が、比較例3、5及び6よりも大きく増加した。
また、図9(b)に示すように、比較例1、比較例4と比較例5において交感神経が優位となった結果が得られたが、実施例1において副交感神経が最も優位となった結果が得られた。
また、図9(c)に示すように、実施例1においては、副交感神経の活動度の上昇に伴うトータルパワーの上昇も確認された。
また、実施例1の美容方法について、被験者らは、「じんわり温かさが伝わる感覚や泡が柔らかく滑る感触が心地よい」と評価した。
比較例1の美容方法について、被験者らは、「肌の上で手の平が引っ掛かる感触がありあまり心地よくなかった」と評価した。
比較例2の美容方法について、被験者らは、「温かさが心地よかったが、一方でプローブ130の滑りが悪く肌のガサガサ感を感じた」と評価した。
比較例3の美容方法について、被験者らは、「しっとりとした感触が心地よく、クリーム製剤の肌なじみがよかった」と評価した。
比較例4の美容方法について、被験者らは、「ズルズルと滑る感触があり、製剤10の肌なじみがあまりよくなかった」と評価した。
比較例5の美容方法について、被験者らは、「プローブ130の滑りが重たく、適度な抵抗感があった」と評価した。
比較例6の美容方法について、被験者らは、「肌あたりが柔らかくなく、温かさが拡散しない」と評価した。
比較例1の美容方法について、被験者らは、「肌の上で手の平が引っ掛かる感触がありあまり心地よくなかった」と評価した。
比較例2の美容方法について、被験者らは、「温かさが心地よかったが、一方でプローブ130の滑りが悪く肌のガサガサ感を感じた」と評価した。
比較例3の美容方法について、被験者らは、「しっとりとした感触が心地よく、クリーム製剤の肌なじみがよかった」と評価した。
比較例4の美容方法について、被験者らは、「ズルズルと滑る感触があり、製剤10の肌なじみがあまりよくなかった」と評価した。
比較例5の美容方法について、被験者らは、「プローブ130の滑りが重たく、適度な抵抗感があった」と評価した。
比較例6の美容方法について、被験者らは、「肌あたりが柔らかくなく、温かさが拡散しない」と評価した。
このように、ヒトの手のみを用いる比較例1では、被験者に対して与える快感情や自律神経活動への効果が低いことが分かった。美容機器100のみを用いる比較例2では、被験者に対して与える快感情や自律神経活動への効果(以下、単に効果と称する場合がある)について、比較例1よりは良好であったが著しく向上はしないことが分かった。快感情を喚起させやすい感触のクリーム製剤を用いた比較例3、5では、当該クリーム製剤を手と併用した場合(比較例3)は高い効果が得られ、当該クリーム製剤を美容機器100と併用した場合(比較例)は、比較例3と比較して効果に大きな差は無かった。また、泡状の製剤10(製剤10aの試験例1)を手と併用した場合(比較例4)、効果はあまり高くないことが分かった。
一方で、泡状の製剤10を美容機器100と併用した場合(実施例1)、被験者に対して与える快感情や自律神経活動への効果がかなり高く、手と製剤(快感情を喚起させやすい感触に設計したクリーム)との組み合わせで快感情の喚起を目指した比較例3の結果を上回った。また、実施例1は、美容機器100、製剤10をそれぞれ単独で用いた比較例2、4と比べてより良好な結果が得られた。すなわち、美容機器100と製剤10とを併用する実施例1による快感情や自律神経活動への効果は、ヒトの手と製剤とを併用した従来の美容方法による効果を大きく上回ること、また特定の美容機器(美容機器100)と特定の製剤(泡状の製剤10(製剤10a))を組み合わせることによる相乗効果が存在することが分かった。また、製剤(泡状の製剤10(製剤10a)を美容機器100と併用することによって、当該製剤をヒトの手と併用する従来の美容方法とは異なる感触を被施術者に対して与えることができることが分かった。
一方で、泡状の製剤10を美容機器100と併用した場合(実施例1)、被験者に対して与える快感情や自律神経活動への効果がかなり高く、手と製剤(快感情を喚起させやすい感触に設計したクリーム)との組み合わせで快感情の喚起を目指した比較例3の結果を上回った。また、実施例1は、美容機器100、製剤10をそれぞれ単独で用いた比較例2、4と比べてより良好な結果が得られた。すなわち、美容機器100と製剤10とを併用する実施例1による快感情や自律神経活動への効果は、ヒトの手と製剤とを併用した従来の美容方法による効果を大きく上回ること、また特定の美容機器(美容機器100)と特定の製剤(泡状の製剤10(製剤10a))を組み合わせることによる相乗効果が存在することが分かった。また、製剤(泡状の製剤10(製剤10a)を美容機器100と併用することによって、当該製剤をヒトの手と併用する従来の美容方法とは異なる感触を被施術者に対して与えることができることが分かった。
このように、本実施形態に係る美容方法によれば、手の平やプローブ130を肌300に直接押し当てる場合や、他の製剤(美容液や乳液、クリーム製剤など)を介してプローブ130を肌300に押し当てる場合などと比較して、プローブ130の熱や振動によって被験者に対して与える快感情や自律神経活動への効果をより増幅させることができる。
また、同種の製剤であっても、泡状ではない場合(泡状ではない製剤10dの場合)、泡状である場合(泡状の製剤10aの場合)と比較して、心地よさ、リラックスは低下し、自律神経活動への影響も低下することが分かった。すなわち、本実施形態に係る美容方法によれば、泡状ではない製剤を用いる場合と比較して、プローブ130の熱や振動によって被験者に対して与える快感情や自律神経活動への効果をより増幅させることができる。
また、同種の製剤であっても、泡状ではない場合(泡状ではない製剤10dの場合)、泡状である場合(泡状の製剤10aの場合)と比較して、心地よさ、リラックスは低下し、自律神経活動への影響も低下することが分かった。すなわち、本実施形態に係る美容方法によれば、泡状ではない製剤を用いる場合と比較して、プローブ130の熱や振動によって被験者に対して与える快感情や自律神経活動への効果をより増幅させることができる。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
10 製剤
100 美容機器
110 本体部
130 プローブ
131 接触面
140 調温部
142 加熱冷却部
150 振動発生部
152 振動部
160 制御部
170 操作部
200 美容キット
300 肌
310 ガラス面
350 移動跡
100 美容機器
110 本体部
130 プローブ
131 接触面
140 調温部
142 加熱冷却部
150 振動発生部
152 振動部
160 制御部
170 操作部
200 美容キット
300 肌
310 ガラス面
350 移動跡
Claims (13)
- 泡状の製剤と、
前記製剤が塗布された被施術者の肌に作用するプローブと、前記プローブを調温する調温部と、前記プローブを振動させる振動発生部と、を有する美容機器と、
を備える美容キット。 - 前記製剤は水中油型乳化組成物である請求項1に記載の美容キット。
- 前記製剤はスキンケア化粧料である請求項1又は2に記載の美容キット。
- 前記製剤は、貯蔵弾性率G′が3以上220以下、損失弾性率G″が5以上55以下、損失正接Tanδが0.1以上1.5以下、平均泡径が10μm以上250μm以下である請求項1又は2に記載の美容キット。
- 前記製剤が塗布された被施術者の肌に対して、前記製剤を介して前記プローブを予め定められた押し圧で押し当てたときに、前記プローブの全面と前記肌とが前記製剤を介して非接触に維持される請求項4に記載の美容キット。
- 前記製剤は、貯蔵弾性率G′が80以下である請求項4に記載の美容キット。
- 前記製剤は、損失弾性率G″が30以下である請求項4に記載の美容キット。
- 前記調温部は、前記プローブを10℃以上45℃以下の温度に調温する請求項1又は2に記載の美容キット。
- 前記振動発生部は、前記プローブを1Hz以上500Hz以下の周波数で振動させる請求項1又は2に記載の美容キット。
- 前記調温部は、前記プローブを37℃以上42℃以下の温度に調温し、
前記振動発生部は、前記プローブを1Hz以上200Hz以下の周波数で振動させる請求項1又は2に記載の美容キット。 - 泡状の製剤を被施術者の肌に塗布した状態で、プローブと前記プローブを調温する調温部と前記プローブを振動させる振動発生部とを有する美容機器の前記プローブを前記肌に作用させる工程を備える美容方法。
- 前記工程において、前記プローブの全面と前記肌とを前記製剤を介して非接触に維持しながら前記プローブを前記肌に沿って移動させる請求項11に記載の美容方法。
- 前記製剤として、貯蔵弾性率G′が3以上220以下、損失弾性率G″が5以上55以下、損失正接Tanδが0.1以上1.5以下、平均泡径が10μm以上250μm以下のものを用いる請求項11又は12に記載の美容方法。
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