JP6454195B2 - 温冷感の評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、外用剤により被験者の皮膚に付与する温冷感の評価方法に関する。
従来、皮膚に冷感を付与する冷感刺激成分を含有する外用剤や、皮膚に温感を付与する温感刺激成分を含有する外用剤が知られている。
このような外用剤の効能を調べるために、様々な方法が提案され、用いられている。
最も一般的な方法としては、清涼感等の強さを4〜5段階で評価する方法(例えば、特許文献1の段落0055、特許文献2の段落0022など)や、複数の被験者の中から、冷感等を感じた人数により評価する方法(例えば、特許文献3の段落0056)などが用いられている。
また、特許文献4は、体感温度低減用外用剤に関する技術であるが、当該体感温度低減用外用剤を用いたときの体感温度の変化を評価するという記載がある。この評価は、外用剤を所定時間貼付けた後で取り除き、この取り除いた部位に所定温度(例えば37〜38℃)の加温体を接触させて、当該接触部位の温感を4段階または5段階で評価するというものある。
さらに、特許文献5は、冷感組成物を用いた試料を肌に塗布し、赤外線サーモグラフィ装置により前記塗布部位とその周囲の肌表面温度との差を計測し、温度差を5段階で評価するようにしている。
特開2009−280533号公報 特開2014−201525号公報 特開2013−221008号公報 特開2014−111592号公報 特開2011−207788号公報
しかしながら、上記特許文献1〜4の方法は、いずれも、温冷感を数段階の強度レベルで官能評価するのみであるため、曖昧であり、複数の試料同士の細かな差異を評価するには不十分であった。また、特許文献4では加温体の接触部位の皮膚温度は測定していないため、この点でも曖昧性がある。
さらに、上記特許文献5では、肌の表面温度を実際に降下させる試料のみしか評価できないことが指摘される。つまり、例えば前記試料がメントールを含有する外用剤などである場合、肌に清涼感を与えるだけで肌の表面温度は実際にはほとんど変化させない。このような試料の場合には前記特許文献5の方法では十分に評価できない。
このような事情に鑑み、本発明は、外用剤により被験者の皮膚に付与する温冷感の評価方法において、評価対象となる前記外用剤が皮膚温度を実際に変化させるものであっても無くても関係なく、前記外用剤により皮膚に付与する効能を皮膚の温度変化量として定量的に評価可能とすることを目的としている。
本発明は、外用剤により被験者の皮膚に付与する温冷感の評価方法であって、前記被験者の身体における第1部位に前記外用剤を接触させる第1工程と、前記被験者の身体において前記第1部位とは異なる第2部位の皮膚温度を、温度検出部により測定しながら温度調節部により変化させる第2工程と、前記被験者が、前記第1部位における温冷感と前記第2部位における温冷感とが同等と判断したときの前記第2部位の皮膚温度を前記温度検出部により測定する第3工程と、前記第2工程において前記第2部位の皮膚温度を変化させる前に当該第2部位の皮膚温度を前記温度検出部により測定した値つまり測定開始時の測定値と、第3工程で測定した値との差を算出する第4工程と、前記第4工程の算出結果に基づいて前記外用剤を評価する第5工程とを含む、ことを特徴としている。
なお、本明細書において、前記「温冷感」とは、言うまでもないが、「温感」および「冷感」を含む意味として使用している。前記「冷感」の概念には、清涼感が含まれる。
上記構成では、被験者の身体の異なる2ヶ所(第1部位、第2部位)で外用剤により付与される温冷感と前記温度調節部により付与される温冷感とを同時に被験者に感じさせるようにしたうえで、前記被験者が前記2ヶ所の温冷感が同等と判断したときに前記第2部位の皮膚温度の実際の変化量を算出するようにしている。
つまり、前記外用剤により皮膚に付与される温冷感の変化を、皮膚温度の実際の変化量を表す数値に置き換えてから、当該数値に基づいて前記外用剤の効能(即ち、温冷感の付与効果)を評価するようにしているから、評価対象となる前記外用剤が皮膚温度を実際に変化させるものであっても無くても関係なく、皮膚温度の変化量として定量的に評価できるようになる。これにより、前記評価は、曖昧性を低減できて、前記外用剤により皮膚に付与する効能を人に判り易く伝える指標にできると言える。
前記第1部位と前記第2部位は、左半身と右半身とに対称に設定される、ことが好ましい。
上記構成では、前記被験者による前記第1部位の温冷感の感じ方と前記第2部位の温冷感の感じ方とが可及的に近似するようになるので、前記2ヶ所の温冷感が同等であるか否かを判断するときの信頼性がより一層向上する。
また、前記第2工程の開始時期は、前記第1工程で前記被験者に前記外用剤を接触させた時点から所定時間が経過した時点とし、前記所定時間は、前記外用剤の接触時点から当該外用剤が皮膚に付与する温冷感の強度が最大レベルになるまでに要する時間を予め調べておいて、その結果に基づいて設定する、ことが好ましい。
上記構成では、前記外用剤により前記第1部位の皮膚に付与する温冷感の強度を最大レベルにさせてから前記第2工程を開始するようになるので、最適な状態で前記2ヶ所の温冷感が同等であるか否かを判断することが可能になる。これにより、当該判断の信頼性が向上することになるので、評価の精度向上に貢献できる。一方、前記外用剤によって前記第1部位の皮膚に付与する温冷感の強度が最大になる前に前記第2工程を開始した場合には、前記強度が最大レベルになった状態つまり最適な状態で前記2ヶ所の温冷感が同等であるか否かを判断できなくなるおそれがある(言い換えると、温冷感の強度が最大レベルに達する前に第1部位と第2部位の温冷感が同等と判断されるおそれがある)。
さらに、前記外用剤は、冷感を付与する外用剤又は温感を付与する外用剤とすることができる。また、前記外用剤は、化粧料とすることができる。
本発明に係る温冷感の評価方法によれば、評価対象となる外用剤が皮膚温度を実際に変化させるものであっても無くても関係なく、前記外用剤により皮膚に付与する効能を皮膚の温度変化量として定量的に評価することが可能になる。
本発明に係る温冷感の評価方法を説明するための図である。 評価方法に用いる温度制御装置の一実施形態の概略構成を示す図である。 温度制御装置のブローブの一実施形態の概略構成を示す図である。 外用剤のメントール含有量とその効能を表す第2部位1Bの皮膚温度の変化量との関係を示す図表である。
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1から図4に、本発明の一実施形態を示している。本発明の温冷感の評価方法は、被験者の身体の第1部位1Aに外用剤を接触させるとともに、被験者の身体において前記第1部位1Aと異なる第2部位1Bにおける皮膚温度を測定しながら変化させることにより、被験者が前記第1部位1Aにおける温冷感と前記第2部位1Bにおける温冷感とが同等と判断したときの前記第2部位1Bの皮膚温度を測定し、この測定値T1と当該第2部位1Bの皮膚温度の測定開始時の測定値T0との差(T1−T0)を算出し、この算出結果に基づいて外用剤を評価する。
前記外用剤としては、皮膚に冷感を付与する外用剤、または皮膚に温感を付与する外用剤が挙げられる。
前記冷感を付与する外用剤としては、例えば、冷感化粧料(清涼化粧料とも称する)が挙げられる。前記冷感化粧料は、特に限定されないが、冷感成分(例えば、l−メントール、メンチルグリセリルエーテル、メンチルラクテート、1−メンチル−3−ヒドロキシブチレート、dl−カンファ、オイゲノール、メントン、ミント、サリチル酸メンチル、ユーカリプトール等)、エタノール、水を含むことが好ましい。
前記温感を付与する外用剤としては、例えば、温感化粧料が挙げられる。前記温感化粧料は、特に限定されないが、温感成分(例えば、カプサイシン、バニリルブチルエーテル等)、エタノール、水を含むことが好ましい。
さらに、前記冷感化粧料および温感化粧料は、例えば、油脂、ロウ、炭化水素、シリコーン化合物、脂肪酸エステル、高級アルコール、高級脂肪酸等の油性成分;ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤;多価アルコール;カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キサンタンガム等の増粘剤;グリチルリチン酸及びその塩等の抗炎症剤;リン酸およびその塩類、クエン酸およびその塩類、乳酸およびその塩類、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミンなどのpH調整剤;香料;紫外線吸収剤;酸化防止剤;金属イオン封鎖剤;被膜形成性高分子化合物;粉体;色素;顔料;染料;ビタミン類;アミノ酸類;収斂剤;美白剤;動植物抽出物;酸;アルカリなどを含有してもよい。
前記冷感化粧料および温感化粧料の剤型としては、特に限定されないが、例えば、ローション、乳液、ジェル、クリーム、スティック、エアゾールなどが挙げられる。
前記冷感化粧料および温感化粧料の用途としては、特に限定されないが、例えば、例えば、ボディーローション、デオドラント化粧料(例えば、デオドラントローション、デオドラントジェル、デオドラントスプレー、デオドラントロールオン、デオドラントペーパーなど)、化粧水、乳液、スキンケアクリーム、トニック、スティック化粧料、リップ、皮膚脱色剤(ボディーブリーチング剤)、洗浄料(例えば、ボディーシャンプー、クレンジング剤、洗顔剤、固形石鹸など)、シート化粧料(例えば、拭き取り用シート、シートパック剤など)、貼付剤(例えば、パップ剤など)、髭剃り用化粧料(例えば、シェービングジェルなど)、洗髪用化粧料(例えば、シャンプー、リンスなど)、育毛剤、ヘアカラー、ヘアブリーチ、パーマ液、ヘアスタイリング剤(例えば、ヘアトニックなど)などが挙げられる。
なお、本発明の前記外用剤は、例えば、化粧品、医薬部外品、医薬品、雑貨などとして用いられる。
前記実施形態では、外用剤の剤型はローションである(即ち、外用剤は液状である)。
前記実施形態では、前記第1部位1Aと前記第2部位1Bとを、左半身と右半身とで対称となる位置に設定する。具体的には、図1に示すように、前記第1部位1Aは例えば頸部の右側耳下部位とされ、前記第2部位1Bは例えば頸部の左側耳下部位とされる。
図2を参照して、前記評価方法で用いる温度制御装置2の構成を詳細に説明する。温度制御装置2は、ブローブ3、開始スイッチ4、自覚スイッチ5、制御部6などを備えている。ブローブ3、開始スイッチ4ならびに自覚スイッチ5と制御部6とは電気コード(図示省略)を介して接続されている。
ブローブ3は、被験者の皮膚表面(例えば前記第2部位1B)に接触させられるものであって、熱伝導板31、温度調節部32、温度検出部33を含む。このブローブ3は、手に持つことが可能な外形形状ならびに外形寸法に設定されている。
温度調節部32は、被験者の皮膚表面(例えば前記第2部位1B)に接触されかつ当該接触部位に温度刺激を付与し当該接触部位の皮膚温度を変化させるものであって、ペルチェ素子32a、当該ペルチェ素子32aを冷却するためのファン32bを含む。
ペルチェ素子32aは、熱伝導板31の外表面に取り付けられており、ファン32bは熱伝導板31の背面に取り付けられている。ファン32bの本体は図示していないが、図3に示すメッシュ状カバー32cの内部に配置される。
温度検出部33は、温度調節部32の接触部位の近傍(前記第2部位1Bに含まれる)に接触されかつその接触部位の皮膚温度を測定するものであって、熱電対などの温度センサ33a、熱流束センサ33bを含む。
この温度センサ33aおよび熱流束センサ33bは、前記熱伝導板31の外表面にペルチェ素子32aと隣り合うように取り付けられている。
開始スイッチ4は、人的操作に応答して下記第2工程の開始を要求するための開始要求信号を出力するものである。
自覚スイッチ5は、被験者の操作に応答して下記第3工程での認識を示す認識信号を出力するものである。
制御部6は、開始スイッチ4および自覚スイッチ5から出力される開始要求信号または認識信号に応答して温度調節部32を制御するとともに温度検出部33から出力される情報を処理するものである。
次に、上記温度制御装置2を用いて外用剤により皮膚に付与する温冷感を評価する方法について詳細に説明する。
評価の雰囲気条件としては、特に限定されない。例えば、温度21〜23℃、湿度40〜60%RH程度の室温条件でもよいし、温感化粧料や冷感化粧料などが一般的に用いられると想定される温湿度条件を採用してもよい。
第1工程として、被験者の身体における前記第1部位1Aに外用剤を接触させる。外用剤を接触させる方法としては、特に限定されず、例えば、外用剤を塗布することにより接触させてもよいし、外用剤を張り付けることにより接触させてもよい。なお、上記「塗布」には、「噴霧による塗布」を含む。即ち、例えば、ミストスプレー容器等を用いて、外用剤を噴霧塗布することにより接触させてもよい。
第2工程として、被験者の身体において前記第2部位1Bの皮膚温度を温度制御装置2により測定しながら変化させる。
詳しくは、この第2工程の温度調節は、被験者または実験者が開始スイッチ4を押動操作することに伴い当該開始スイッチ4から出力される開始信号が制御部6に入力されたときに、当該制御部6が前記開始信号に応答して温度調節部32を制御することにより実行開始する。
この開始時には、まず、前記第2部位1Bの皮膚温度を温度検出部33により測定し、この測定値を「測定開始時の測定値T0」とする。上記「測定開始時の測定値T0」は、制御部6のバッファメモリ領域(図示省略)に保存してもよい。そして、温度調節部32により、第2部位1Bの皮膚温度を、所定の昇温速度で上昇させるように、または、所定の降温速度で降下させるように制御する。上記昇温速度は、特に限定されないが、例えば、0.1〜0.5℃/秒が好ましく、より好ましくは0.2〜0.4℃/秒である。上記降温速度は、特に限定されないが、例えば、0.1〜0.5℃/秒が好ましく、より好ましくは0.2〜0.4℃/秒である。
第3工程として、被験者が前記第1部位1Aにおける温冷感と前記第2部位1Bにおける温冷感とが同等と判断したときの前記第2部位1Bの皮膚温度を温度検出部33により測定する。この第2部位1Bの皮膚温度の測定値を、「自覚時の測定値T1」とする。上記「自覚時の測定値T1」は、制御部6の前記バッファメモリ領域(図示省略)に保存してもよい。
詳しくは、この第3工程による温度測定は、被験者が自覚スイッチ5を押動操作することにより当該自覚スイッチ5から出力される認識信号が制御部6に入力されたときに、当該制御部6が前記認識信号に応答して、温度検出部33を制御することにより行う。
第4工程として、前記第3工程で測定した被験者が前記第1部位1Aにおける温冷感と前記第2部位1Bにおける温冷感とが同等と判断したときの前記第2部位1Bの皮膚温度の測定値(自覚時の測定値T1)と、前記第2工程で測定した測定開始時における前記第2部位1Bの皮膚温度の測定値(測定開始時の測定値T0)との差(T1−T0)を算出する。
上記第4工程の演算処理は、制御部6が前記3工程での測定が終了したと判定した場合に、当該制御部6が実行してもよい。なお、上記第4工程の演算処理は、オペレータが電子計算機あるいはパーソナルコンピュータなどを用いて行うようにしてもよい。
第5工程として、前記第4工程の算出結果である(T1−T0)に基づいて外用剤を評価する(詳しくは、外用剤の効能を評価する)。被験者の数が2人以上の場合には、当該被験者それぞれに対して上記第1〜第4工程を行うとともに、前記第4工程において被験者毎に(T1−T0)を算出することに加えて、当該被験者毎に算出した(T1−T0)の平均値を算出し、上記平均値に基づいて外用剤を評価してもよい。さらに、(T1−T0)の標準偏差を算出し、上記標準偏差に基づいて外用剤を評価してもよい。また、被験者の数が2人以上の場合、上記平均値および標準偏差以外の統計学的データを算出し、それに基づき外用剤を評価してもよい。さらに、被験者数などに応じて、最大値及び最小値の削除や、異常値の削除等の処理を行った後に統計学的処理を行ってもよい。
上記の外用剤の「効能」とは、例えば、外用剤が冷感を付与する外用剤(例えば、冷感化粧料等)の場合には「冷感を付与する効果・効能」であり、外用剤が温感を付与する外用剤(例えば、温感化粧料等)の場合には「温感を付与する効果・効能」である。上記効能の評価の基準としては、上記(T1−T0)の絶対値が大きければ効能が大きいと解釈できる。
また、前記第2工程における「測定開始時」は、評価対象である外用剤や、評価結果の使用目的に応じて設定することができる。測定開始時は、前記第1工程で被験者に外用剤を接触させた時点から所定時間が経過した時点とすることができる。上記所定時間は、例えば、外用剤の種類や使用方法等に従って設定した特定の時間としてもよいし、被験者ごとに予め調べた結果に基づいて設定した時間としてもよい。上記所定時間は、例えば、外用剤の温冷感を付与する効能が十分に発揮されるまでに要する時間とすることが好ましい。一般的に、温冷感を付与する外用剤を皮膚に接触させてから、外用剤の効能が十分に発揮されるまでには、0〜20分(特に、1〜10分)程度の時間を要するため、外用剤を被験者の皮膚に接触させた時点からかかる時間の経過後に測定を開始することにより、外用剤の効能をより正確に評価することができる。但し、外用剤適用から特定時間(例えば、1分)の経過後の効能を知りたい場合には、上記所定時間はそのような特定時間に設定すればよい。
被験者ごとに予め調べた結果に基づいて上記所定時間を設定する場合の上記所定時間の設定方法の一例を説明する。例えば、外用剤の接触時点から当該外用剤が皮膚に付与する温冷感の強度が多段階評価の最大レベルになるまでに要する時間を予め調べておいて、その結果に基づいて適宜に設定することが好ましい。より詳しくは、被験者に外用剤を接触させた後、1分毎に温冷感の強度を官能的に3〜11段階程度(より好ましくは4〜6段階、例えば6段階)で評価し、温冷感の強度が最大レベルとなる経過時間を調べる。前記最大レベルとは、最大値の1点を指すものではなく、いくつかにレベル分けした場合の最大レベルという意味である。
仮に、接触直後の強度が「2」、接触1分後の強度が「3」、接触2分後、接触3分後ならびに接触4分後の強度がいずれも「4(最大)」、接触5分後の強度が「3」であったとすると、前記所定時間は「2分」とする(即ち、前記第2工程の開始時間を接触から2分後とする)。
実施例1
図4を参照して、実施例に基づき本発明の評価方法をより具体例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(温度制御装置)
温度制御装置2として、インタークロス株式会社製、商品名「intercross−200」を用いた。
(外用剤)
メントール含有量を異ならせた3タイプの外用剤(冷感化粧料)A1,A2,A3を評価に用いた。タイプA1のメントール含有量は0.3w%、タイプA2のメントール含有量は0.9w%、タイプA3のメントール含有量は3.0w%である。
<タイプA1>
l−メントール 0.3質量%
エタノール 50.0質量%
水 残 部
合計 100.0質量%
<タイプA2>
l−メントール 0.9質量%
エタノール 50.0質量%
水 残 部
合計 100.0質量%
<タイプA3>
l−メントール 3.0質量%
エタノール 50.0質量%
水 残 部
合計 100.0質量%
(被験者)
被験者を1人(B1とする)として評価を行った。
(事前評価)
評価は、温度21〜23℃、湿度40〜60%RHの環境下で行った。
ミストスプレー容器に充填した外用剤を、被験者B1の頸部の右側耳下部位(第1部位1A)に噴霧により約0.15ml塗布した。塗布直後から1分毎に、冷感の強度を下記の基準で評価した。
5:我慢できない程の感覚(強すぎる)
4:3と5の間
3:はっきりとした感覚
2:1と2の間
1:かすかな感覚
0:なにも感じない
その結果、塗布直後の冷感の強度は「2」、塗布1分後の強度が「3」、塗布2分後、塗布3分後ならびに塗布4分後の強度がいずれも「4(最大)」、塗布5分後の強度が「3」であった。これより、測定開始時を塗布2分後と設定した。
(本評価)
評価は、温度21〜23℃、湿度40〜60%RHの環境下で行った。
ミストスプレー容器に充填した外用剤を、被験者B1の頸部の右側耳下部位(第1部位1A)に噴霧により塗布した(塗布量:約0.15ml)。頸部の左側耳下部位(第2部位1B)に温度制御装置2のプローブ3を接触させた。
外用剤の塗布2分後に、開始スイッチ4を押して、プローブ3の温度検出部33により第2部位1Bの皮膚温度T0を計測するとともに、皮膚温度の制御を開始した。なお、皮膚温度は、温度調節部32により第2部位1Bの皮膚温度を0.3℃/秒の降温速度で降下させるように制御した。
被験者B1が、第1部位1Aの冷感と第2部位1Bの冷感が同等となったと判断した時点で自覚スイッチ5を押すと、プローブ3の温度検出部33により第2部位1Bの皮膚温度T1を計測する。そして、前記得られた測定値T0及びT1より温度差(T1−T0)を算出した。
(結果)
上記で算出された温度差(T1−T0)としては、メントール含有量の最も少ないタイプA1の外用剤の場合を下記表1に、タイプA2の外用剤の場合を下記表2に、タイプA3の外用剤の場合を下記表3にそれぞれ示した。
結果を説明する。
Figure 0006454195
Figure 0006454195
Figure 0006454195
これら表1〜3の結果を図4のグラフに示した。図4では、横軸に外用剤のメントール含有量を、また、縦軸に温度差(T1−T0)を示した。
図4により、3タイプA1〜A3の外用剤についての前記温度差(T1−T0)の絶対値は、外用剤のメントール含有量が多くなるに従い大きくなることが判る。このように、上記3タイプA1〜A3の冷感化粧料である外用剤個々の冷感について、被験者の皮膚温度の実際の変化量を表す数値に置き換えるようにしているから、評価対象となる外用剤が皮膚温度を実際に変化させるもので無くても、皮膚温度の変化量として定量的に評価することが可能になる。
実施例2
外用剤のメントール含有量を5w%としたタイプA4について、被験者をB1,B2,B3,B4,B5の5名にし、被験者毎の温度差(T1−T0)と、すべての被験者に関するデータの平均および標準偏差を調べた。その結果を下記表4に示している。
Figure 0006454195
このタイプA4の外用剤の場合、上記タイプA3の外用剤に比べて温度差の絶対値がさらに大きくなることが判った。また、被験者毎の皮膚温度の変化を感じる感覚に個体差があることを考慮し、平均および標準偏差を算出している。
このように、被験者の数を2人以上として、当該被験者毎の第4工程で算出結果の平均および標準偏差をさらに算出している場合には、被験者固有の温度体感能力の優劣が前記第3工程に影響することは避けられないものの、前記第4工程の算出結果の平均化により低減できるようになるので、被験者を1人とする場合に比べると、評価の精度向上に貢献できる。
以上説明したように、本発明を適用した実施形態では、要するに、被験者の身体の異なる2ヶ所(第1部位1A、第2部位1B)で外用剤により付与される温冷感と温度調節部32により付与される温冷感とを同時に被験者に感じさせるようにしたうえで、前記被験者が前記2ヶ所の温冷感が同等と判断したときに前記第2部位1Bの皮膚温度の実際の変化量(T1−T0)を算出し、当該算出結果に基づき外用剤の効能を評価するようにしている。
つまり、この実施形態では、外用剤により付与される温冷感の変化を、皮膚温度の実際の変化量を表す数値に置き換えているから、評価対象となる外用剤が皮膚温度を実際に変化させるものであっても無くても関係なく、外用剤により皮膚に付与する効能を皮膚温度の変化量として定量的に評価できるようになる。これにより、前記評価は、曖昧性を低減できて、外用剤により皮膚に付与する効能を人に判り易く伝える指標にできると言える。
特に、上記実施形態のように、前記第1部位1Aと前記第2部位1Bとを左半身と右半身とに対称に設定している場合には、前記被験者による前記第1部位1Aの温冷感の感じ方と前記第2部位1Bの温冷感の感じ方とが可及的に近似するようになるので、前記2ヶ所の温冷感が同等であるか否かを判断するときの信頼性が向上する。これにより、評価の精度向上に貢献できる。
また、上記実施形態のように、外用剤が発揮する効能によって前記第1部位1Aの皮膚温度を最大に変化させてから前記第2工程を開始するようにしているので、被験者が最適な状態で前記2ヶ所の温冷感が同等であるか否かを判断することが可能になる。これにより、当該判断の信頼性が向上することになるので、評価の精度向上に貢献できる。
なお、本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲内で適宜に変更することが可能である。
(1)上記実施形態では、温度調節部32としてペルチェ素子32aを用いる構成とした例を挙げているが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、例えば市販の蓄熱材、保冷材、電熱ヒータ(例えば、ハロゲンヒータなど)、スポットクーラなどを用いることが可能である。
(2)上記実施形態では、温度検出部33として熱電対などの温度センサ33a、熱流束センサ33bを用いる構成とした例を挙げているが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、公知のいろいろなセンサを用いることが可能である。
本発明は、外用剤により被験者の皮膚に付与する温冷感の評価方法に好適に利用することが可能である。
1A 第1部位
1B 第2部位
2 温度制御装置
3 ブローブ
31 熱伝導板
32 温度調節部
32a ペルチェ素子
32b ファン
32c メッシュ状カバー
33 温度検出部
33a 温度センサ
33b 熱流束センサ
4 開始スイッチ
5 自覚スイッチ
6 制御部

Claims (5)

  1. 外用剤により被験者の皮膚に付与する温冷感の評価方法であって、
    前記被験者の身体における第1部位に前記外用剤を接触させる第1工程と、
    前記被験者の身体において前記第1部位とは異なる第2部位の皮膚温度を、温度検出部により測定しながら温度調節部により変化させる第2工程と、
    前記被験者が、前記第1部位における温冷感と前記第2部位における温冷感とが同等と判断したときの前記第2部位の皮膚温度を前記温度検出部により測定する第3工程と、
    前記第2工程において前記第2部位の皮膚温度を変化させる前に当該第2部位の皮膚温度を前記温度検出部により測定した値と、第3工程で測定した値との差を算出する第4工程と、
    前記第4工程の算出結果に基づいて前記外用剤を評価する第5工程とを含む、ことを特徴とする温冷感の評価方法。
  2. 請求項1に記載の温冷感の評価方法において、
    前記第1部位と前記第2部位は、左半身と右半身とに対称に設定される、ことを特徴とする温冷感の評価方法。
  3. 請求項1または2に記載の温冷感の評価方法において、
    前記第2工程の開始時期は、前記第1工程で前記被験者に前記外用剤を接触させた時点から所定時間が経過した時点とし、
    前記所定時間は、前記外用剤の接触時点から当該外用剤が皮膚に付与する温冷感の強度が最大レベルになるまでに要する時間を予め調べておいて、その結果に基づいて設定する、ことを特徴とする温冷感の評価方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の温冷感の評価方法において、
    前記外用剤が、冷感を付与する外用剤又は温感を付与する外用剤である、ことを特徴とする温冷感の評価方法。
  5. 請求項4に記載の温冷感の評価方法において、
    前記外用剤が、化粧料である、ことを特徴とする温冷感の評価方法。
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