JP4919977B2 - スライドラッチ錠 - Google Patents
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Description
すなわち発明にかかるスライドラッチ錠は、スライド左右端の一方端からスライド中間にある付勢方向切り替え点の手前までスライドさせたラッチをスライド一方端に向けて付勢し、かつ付勢方向切り替え点を越えてスライドさせたラッチをスライド左右端の他方端に向けて付勢する弾性部材をさらに備える構成を採用したのである。
またラッチを付勢方向切り替え点を越えてスライドさせると、スライド他方端側に付勢方向が切り替わり、弾性部材が以降のスライドを助勢(アシスト)するため、ラッチのスライド操作に力が要らない。
このようにスライドラッチ錠に弾性部材を組み込んだだけの構成であるから、構造が簡単であり、コストが低廉である。
そのため、曲げ撓んだ状態からできるだけ真っ直ぐに戻ろうとする力(復元力)によって、付勢方向切り替え点の手前までスライドさせたラッチは戻る方向に付勢され、付勢方向切り替え点を越えてスライドさせたラッチは進む方向に付勢されることになる。
ラッチ支持体10は左右方向に細長く、その上下面には左右端に至る案内溝12が設けられている。
また、ラッチ支持体10の表面の左右端間の中間部には、並列する小さな取り付けピン13が固定され、取り付けピン13間からは円柱形のストッパ14が突出している。
ラッチ30は、断面コの字形をなしてラッチ支持体10の表面および上下面の前側部を覆い、その上下板の側縁には内向きに延びる係合片32が設けられ、前記案内溝12にスライド自在に嵌合されている。
上下の係合片32のうち、上側の係合片32の左右方向の中間部にはラック31が形成されている。
さらに、ラッチ30の裏面であって、ラック31の下方には凹部30aが形成されており、この凹部30aには、並列する小さな取り付けピン33aが固定され、取り付けピン33a間から突出するストッパ33bを有するバネプレート33がはめ込まれている。
この位置において、ラッチ30の先端部は壁パネルPの室内側面に設けられたピン型のラッチ受けLにはまり込み、これにより施錠されるようになっている(図6参照)。
各コイルスプリング60のラッチ支持体10側の端部は、取り付けピン13にかしめられて固定され、ラッチ30側の端部は、バネプレート33の取り付けピン33aにかしめられて固定されており、その曲げ撓みの方向は互いに干渉しないように離反する方向となっている(図4から図6参照)。
ここで取り付けピン13、33aは、それぞれ大径のピンヘッドを有しているため、コイルスプリング60の両端部は抜け止めされている。
そのため、ラッチ30がスライドの左右端からスライド中心に向かうにつれて、両端が取り付けピン13、33aにかしめられたコイルスプリング60の曲げ撓みは大きくなり、スライド中心において、この曲げ撓みにより蓄積された弾性エネルギーが最大となるようになっている。
ここで、ストッパ14、33bにより、ラッチ30のスライド操作中にコイルスプリング60の曲げ撓みの方向が反転することが防止されており、スプリング60同士が互いに接近して干渉する事態が防止されている。
この連結軸40は、ラッチ支持体10に回転自在に支持された原動軸41と、表示板支持体20に回転自在に支持された従動軸42とからなり、前記原動軸41に角軸部41aが設けられ、この角軸部41aが従動軸42に形成された原動軸側角孔42aに挿入されている。
したがって、ラッチ30を左右方向にスライドさせると、連結軸40がこれに連動して正逆回転するようになっている。
また、従動軸42の表示板支持体20側の端面には表示板側角孔42bが形成されている。
ここで円板である表示板50の表面は2分割され、半円状の使用表示部51と半円状の不使用表示部52とが設けられている。
使用表示部51はたとえば表示板50の表面の上半分に半円形の赤シールを貼付することで形成され、不使用表示部52はたとえば表示板50の表面の下半分に半円形の青シールを貼付することで形成される。
また、表示板50の表面の中央は円柱形に突出し、その先端にドライバの係合孔が設けられて緊急開錠部53を構成している。
さらに、この表示カバー24には扇型の表示窓25が設けられており、表示板50が回転すると、その使用表示部51と不使用表示部52がこの表示窓25を通して室外側に切り替え表示されるようになっている。
さらに、この表示窓25からは表示板50の緊急開錠部53が外部に臨んでいる。
したがって、ラッチ30は開錠位置に向けてスライドし、スライド操作を開始する以前の開錠位置にまで途中で止まることなく完全に戻り切る。
ラッチ30のスライド中心においてコイルスプリング60の曲げ撓みが最大(すなわち弾性エネルギーが最大)となるため、スライド中心を越えると付勢方向が切り替わり施錠位置に向けて付勢されることになる。
そのためラッチ30は施錠位置に向けてスライドし、図6のように、途中で止まることなく完全に施錠位置にまでスライドし切る。
この施錠位置においては、表示板50の使用表示部51が表示窓25に表示されることになる。
このため、使用表示部51か不使用表示部52のいずれかのみが表示窓25に表示されることになり、室内の使用不使用を室外側から明確に判別することができる。
また、ラッチ30のスライド操作がスライド中心を越えると、以降はコイルスプリング60の付勢でスライドしたい方向にラッチ30が助勢されるため、操作に力が要らない。
コイルスプリング60は、径が小さく、またラッチ30とラッチ支持体10の隙間に配置されているため、外部から目立つことなく、したがってスライドラッチ錠1の見た目に悪影響を及ぼさず、かつスライドラッチ錠1の寸法が大きくなることもない。
したがって、この場合でも、室外側からスライドラッチ錠1を開錠操作することができるようになっている。
コイルスプリング60の曲げ撓みが最大となる点、換言すれば蓄積された弾性エネルギーが最大となる点が付勢方向の切り替え点となり、この切り替え点の位置は、バネプレート33のラッチへ30の固定位置、ラッチ支持体10の取り付けピン13の位置等を変化させることで、適宜調節可能である。
押しバネや板ばねではラッチ30のスライドにともなう曲げ撓みが最大となる点が付勢方向の切り替え点となり、トーションスプリングではラッチ30のスライドにともなうねじりが最大となる点が付勢方向の切り替え点となる。
押しバネを用いる場合には、実施形態の引きバネと同様にその両端部をラッチ支持体10の表面とラッチ30の裏面にそれぞれ固定するとよい。
トーションスプリングを用いる場合には、図7のように、その両足をラッチ支持体10の取り付けピン13とラッチ30のバネプレート33の取り付けピン33aにそれぞれ固定し、ラッチ30をスライド左右端から付勢方向の切り替え点(図7ではスライド中心となっている。)に向けてスライドさせるにつれてそのねじりが大きくなるように調整するとよい。
いずれの弾性部材を使用するにせよ、外部から目立たないように、スライドラッチ錠1の寸法が大きくならないように組み込むことが好ましい。
ここで付勢力を大きくしたいときには数を増やし、小さくしたいときには数を減らすとよいことは無論である。
たとえば、ラッチ30と連結軸40との間、および連結軸40と表示板50との間に適宜ギアを介在させて表示板50の回転を調整したり、これらの間にクラッチを構成して表示板50の回転角度を一定範囲に制限したりしてもよいことは無論である。
P 壁パネル
L ラッチ受け
1 スライドラッチ錠
10 ラッチ支持体
11 ねじ筒
12 案内溝
13 取り付けピン
14 ストッパ
20 表示板支持体
21 ボルト
22、23 支持パネル
22a、23a 軸孔
24 表示カバー
25 表示窓
30 ラッチ
30a 凹部
31 ラック
32 係合片
33 バネプレート
33a 取り付けピン
33b ストッパ
40 連結軸
41 原動軸
41a 角軸部
42 従動軸
42a 原動軸側角穴
42b 表示板側角穴
43 ピニオン
43a クッションスプリング
50 表示板
50a 角軸部
51 使用表示部
52 不使用表示部
53 緊急開錠部
60 コイルスプリング
70 トーションスプリング
Claims (2)
- ドアの室内側面に取付けられるラッチ支持体10と、
このラッチ支持体10に支持され、ドアの左右方向にスライド操作可能なラッチ30と、
ドアの室外側面に取り付けられる表示板支持体20と、
前記ラッチ支持体10と前記表示板支持体20との間に配置され、前記ラッチ30のスライド操作に連動して正逆回転する連結軸40と、
前記表示板支持体20に支持されて前記連結軸40の正逆回転に連動して正逆回転し、その表面に設けられた使用表示部51と不使用表示部52とを切り替え表示する表示板50と、を備えるスライドラッチ錠1において、
スライド左右端の一方端からスライド中間にある付勢方向切り替え点の手前までスライドさせたラッチ30を前記スライド一方端に向けて付勢し、かつ前記付勢方向切り替え点を越えてスライドさせたラッチ30を前記スライド左右端の他方端に向けて付勢する弾性部材60、70をさらに備えることを特徴とするスライドラッチ錠。 - 前記弾性部材は、前記ラッチ30がスライド左右端から前記付勢方向切り替え点に向けてスライドするにつれてその曲げ撓みが大きくなるように、一端がラッチ30の裏面に支持され他端がラッチ支持体10の表面に支持されたコイルスプリング60である請求項1に記載のスライドラッチ錠。
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