JP4368128B2 - 引き戸用鎌錠 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は引き戸の鎌錠に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からの引き戸用鎌錠としては、引き戸38を一旦完全に閉じた状態にしてから、操作つまみに連動させた係合部分7を有した鎌部材2を回転させ、枠体37に取り付けられた板状で中央部分に角孔を有した受けc内に係合部分7を出没させて施解錠する構成が主流であった。しかし、上記の構成では施解錠操作が常に手動であり、引き戸38を閉じた後で別の操作として施解錠を実施する必要があり、また引き戸38を開けた状態で誤って施錠操作をして鎌部材2の係合部分7を突出させてしまい、そのまま引き戸38を閉じると係合部分7の先端が受けcの正面に衝突して破損する危険性が問題とされていた。したがって、引き戸38が開いた状態では操作つまみを移動できなくする、実開平5−47263に開示されているような誤作動防止のためのトリガー機構を設けるか、若しくは係合部分7を突出させた誤作動状態から引き戸38を閉じて受けcの正面に衝突しても、鎌部材2全体が没して解除位置に復帰し、破損しないような別の機構を付加する必要があった。しかしこの誤作動防止機構を付加させても、トリガーを押した状態では操作可能になるためまだ完全なものとはいえない。
【0003】
そこで、誤作動を防止するという観点ではなく別の考え方として、引き戸38前面から突出しているトリガーと鎌部材2とを連結し、引き戸38が開いている状態ではトリガーのみが戸先面に突出しており、このとき鎌部材2の係合部分7はケース1内に没した状態であり、トリガーが受けcの正面に当接して没すると同時に鎌部材2が回転して係合部分7が突出して受けcに挿入する、引き戸38が閉じる最終段階でのトリガーの出没動作を鎌部材2の回転動作に変換して受けcと係合部分7を係合させる構成のものが特開平8−86132や特開平10−280769等に多数開示されている。
【0004】
また、力の弱い高齢者や子供などでも軽い力で開閉できるようにと引き戸38の走行性能を高めた結果、急激に閉じた場合に大きく跳ね返ってしまう現象が最近では問題とされてきている。前者の手動で鎌部材2を回転させて施解錠する構成では、当然跳ね返りを防止することは不可能であり、また後者のトリガーと鎌部材2を連動させる構成においても、引き戸38が閉じている状態ではトリガーは押されて鎌部材2の係合部分7は受けcと仮係合しているが、引き戸38を開けると鎌部材2が解錠方向に回転しながらトリガーが突出するため、閉鎖状態からそのまま開けることができ、やはり跳ね返りを防止することはできないことになる。
【0005】
そこで、上記での後者の構成にさらに跳ね返りを防止する機構を追加したものとして、引き戸38が閉じた瞬間とその後の一定時間のみ鎌部材2の解錠方向への回転動作を規制して一旦跳ね返りを防止し、一定時間後にはそのまま開けることができる状態に自然復帰する機構を含んだものが特開平10−292693や特開2001−12126や特開2002−138747等に既に多数開示されている。
【0006】
また、上記の鎌部材2とトリガーを連動させる構成にさらに跳ね返り防止機構を追加するのではなく、単に跳ね返りを防ぐ機構を有するものとしては、図14に示すような鎌部材2を一点回りに回転可能にケース1に装着し、常に鎌部材2の係合部分7がケース前面14から突出状態になるようにばね部材4を付勢しておき、さらに係合部分7の先端に傾斜面8を設け、引き戸38が閉じる最終段階で傾斜面8が受けcの係合部分挿入用角孔24の上端部26に当接し、鎌部材2が傾斜に沿ってばね部材4の付勢に逆らって回転し、係合部分7が受けcの正面を乗り越えた段階でばね部材4により鎌部材2が施錠方向に戻って係合状態になる自動ロック機構がある。この機構自体は従来から様々な用途によく用いられており、トリガーだけでなくトリガーの出没動作のためのばね等の部品も必要なく、部品点数が少なくて済み、また常に施錠状態を保持する構成であるため、跳ね返りを防止することも可能である。
【0007】
しかし上記のような自動ロック機構では、通常引き戸38を開ける度に解錠操作が必要になり、操作性が非常に悪いことが挙げられる。そこで図15(a)に示すように、鎌部材2にハンドル5を組付け、鎌部材2は回転軸3を中心に片方向のみにハンドル5と連動して回転するように構成しておき、図5(b)のようにハンドル5の回転操作と同時に解錠操作が実施でき、解錠後にそのままハンドル5を引っ張って引き戸38を開けることができるように構成したものもあるが、この構成においてもハンドル5での解錠操作は引き戸38と平行な面上での回転動作になり、引き戸38を開閉する左右方向の操作とは方向が異なり、操作性としてはあまり良くないことが挙げられる。
【0008】
またこの自動ロック機構での最大の問題点としては、引き戸38が開いている状態ではトリガーより遥かに大きな鎌部材2の係合部分7全体が常に戸先面から突出した状態になり、最大開口寸法を狭くしてしまうと共に通行時に大きな突起物となり、腕などに当たると怪我をする等の危険性を有することが挙げられ、したがって住居等で使用する引き戸38にはこの自動ロック機構はあまり使用されていないのが現状である。
【特許文献1】
実開平5−47263公報
【特許文献2】
特開平8−86132公報
【特許文献3】
特開平10−280769公報
【特許文献4】
特開平10−292693公報
【特許文献5】
特開2001−12126公報
【特許文献6】
特開2002−138747公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の引き戸を閉じる最終段階でトリガーが受けの面に当接して没する動作を鎌部材の回転動作に変換する構成においては、トリガー自体やトリガーを出没させるためのばね等の部品が必要になり、その分部品点数が増加し、組立の手間がかかることが問題として挙げられる。また引き戸が開いた状態では常にトリガーは戸先面から突出した状態であり、たとえ小さな形状のトリガーであっても通行時に衣服を引っ掛ける等のことも考えられ邪魔な存在であることには変わりない。
【0010】
また上記のトリガーと鎌部材を連動させる機構では、前述のように引き戸を閉鎖状態で保持したり、急激な閉鎖での跳ね返りを防止することはできない。そこで、跳ね返りを防止する機構を有する構成にさらに発展させたとしても、そのためには益々多数の部品が別途必要となり、当然組立も複雑になり、全体のサイズも大きくなり、コスト面でも割高になると考えられる。
【0011】
さらに最近では跳ね返りを防止するだけでなく、建付けが悪い場合などでは、レールの傾きや振動等で引き戸が閉じた状態から勝手に徐々に開いてくる問題も指摘されており、上記での構成においてはこの問題には全く対処することはできない。ここで、前述の自動ロック機構では常に施錠状態を保持するためこの問題は解決できるのであるが、自動ロック機構を使用するには引き戸を開けた状態での鎌部材の係合部分が常に通行側に突出する問題を解消する必要がある。
【0012】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、鎌部材を連動させるためのトリガーやその周辺部品、さらには跳ね返り防止機構のための別途部品を全く必要とせず、引き戸が開いた解錠状態では係合部分を含む鎌部材全体がケース内に完全に収納され、したがって引き戸を開けた状態では戸先面から開口部側に突出するものは何も無く通行時の安全性に優れ、引き戸を開閉する方向と施解錠のためのハンドル操作の方向を同方向に設定することにより操作性を向上させることができ、ハンドル操作で鎌部材が直接連動する構成に一部自動ロック機構を取り入れることにより急激な閉鎖時においても跳ね返りを確実に防止し、さらにレールの傾斜や振動で徐々に開いてくる誤動作をも阻止することができる、少ない部品点数で構成可能な引き戸用鎌錠を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記目的を達成するために次の技術手段を講じた。まずケースと鎌部材と回転軸を設け、ケース内に回転軸にて鎌部材を回動自在に装着して鎌錠本体を構成し、引き戸の戸先側厚み方向面に掘り込んだ状態で装着する。また枠体の縦枠の戸先面と面対する位置に板状で中央部分に係合部分挿入用角孔を有し、その上下内面を係合面とした受けを装着する。鎌錠本体のケースは箱型で前面上下に取り付け孔を有したつば部分を備え、ケース前面の中央部分に係合部分出没用角孔を設け、さらにケース側面に回転軸挿入孔と連動部分挿入用角孔を設けておく。鎌部材は回転軸挿入孔と係合部分と第一爪と第二爪を有しており、係合部分の先端には傾斜面を逆側には係止辺を設け、さらに第一爪と第二爪間を一定距離離れた凹部分として形成し、第一爪と第二爪部分はある程度の厚みを持たせておく。
【0014】
次に係合部分がケース前面側になるようにケース内に鎌部材を配置し、一定角度範囲のみで回動可能な状態で鎌部材を回転軸にて組付ける。この一定角度は、係合部分がケース内に完全に収納された位置から、ケース前面に大きく突出して係止辺が上下垂直方向になる位置までに設定し、前者の位置を鎌部材の収納状態、後者の位置を鎌部材の突出状態とする。また前記ケース側面の連動部分挿入用角孔は上記の鎌部材の回転で凹部分が移動する位置に配置しておく。さらに上記回転可能範囲内での中間位置付近を境として鎌部材は両方向に付勢されるようにばね部材を装着しておく。したがって鎌部材は収納状態と突出状態に振り分けて付勢され、どちらかの位置で安定して保持されることになり、回転の途中で停止することはない。
【0015】
また鎌部材を突出状態にしてから引き戸を閉じた場合に、係合部分先端の傾斜面が枠体に装着された受けの係合部分挿入用角孔の上端部または下端部に当接するように鎌錠本体と受けの上下位置を設定しておく。ここで鎌部材の回転方向に制限は無く、突出状態からの鎌部材の回転可能方向が上方向であるなら係合部分先端の傾斜面の向きは先端から斜め下方になり、受けの係合部分挿入用角孔の下端部に当接するように両者を配置し、鎌部材の回転可能方向が下方向であるなら係合部分先端の傾斜面の向きは先端から斜め上方になり、受けの係合部分挿入用角孔の上端部に当接するように両者を配置する。
【0016】
次に、座に連動部分を有したハンドルを組付けて操作部本体を構成し、さらに操作部本体を引き戸の両側に配置し、戸先面に掘り込んだ状態で取り付けられた鎌錠本体と引き戸の厚み部分を両側の座で挟み込むようにして固定する。このとき連動部分の先端がケース側面の連動部分挿入用角孔を通して第一爪と第二爪間の凹部分に挿入されるように設定しておく。また座に対するハンドルの移動操作により連動部分が一定範囲内で左右方向に動作するように構成しておく。したがってハンドル操作により連動部分が凹部分内で左右移動することになり、その結果連動部分が第一爪や第二爪を押す動作が得られ、この動作は回転軸を中心に両方向に鎌部材を回転させる動作になり、即ちハンドル操作を係合部分の出没動作に変換することが可能になる。連動部分が第一爪を押す場合と第二爪を押す場合ではハンドルの移動方向は左右逆であり、同様に鎌部材の回転方向も逆方向になる。
【0017】
ここで、係合部分が突出状態から収納状態へ移行するときの回転方向と、その動作を得るために連動部分が移動する方向を解錠方向とし、逆の方向を施錠方向とする。さらに連動部分の左右移動により解錠方向に鎌部材を回転させる側の爪を第一爪とし、逆に施錠方向に鎌部材を回転させる側の爪を第二爪とする。また連動部分の両側面で第一爪側を第一側面、第二爪側を第二側面とする。
【0018】
さらに、ハンドル操作により連動部分が解錠方向に最も移動しているときの連動部分の位置を解錠側位置とし、このとき鎌部材の第一爪は連動部分の第一側面に、第二爪は第二側面に共に接しており、両爪で連動部分の両側面を挟み込むように設定しておく。したがって通常引き戸を開けた時には上記の状態でハンドルは保持され、鎌部材は収納状態になっている。
【0019】
この状態から引き戸を閉じる方向にハンドルを操作すると、引き戸が走行し始めるより先に連動部分が施錠方向に移動し、連動部分の第二側面が第二爪をばね部材の付勢に逆らって押し、鎌部材が回転して係合部分が突出し始める。ここで鎌部材がある程度回転して境の位置を越え、ばね部材により付勢される方向が変わると鎌部材はばね部材の力で突出状態にまで先に回転しようとする動作に変わる。またハンドルの操作により連動部分の第二側面で第二爪を押すのはこのばね部材の付勢の方向が施錠方向に変わった直後の位置までに制限しておき、この連動部分が最も施錠方向に移動しているときの位置を施錠側位置とすると、連動部分の左右移動動作は解錠側位置から施錠側位置までの範囲に制限されることになる。
【0020】
したがって連動部分の第二側面が第二爪を施錠側位置まで押し込んだ以降は、鎌部材はばね部材の力のみで突出状態までさらに回転移動することになり、突出状態では第二爪と第二側面は一定の距離をおいて離れた状態になるように設定しておく。その結果連動部分が施錠側位置を保持した状態のままで、鎌部材は突出状態から第二爪が第二側面に当接するまでの角度において解錠方向にばね部材の付勢に逆らって回転可能となり、この角度を自由角度とすると、突出状態から解錠方向に自由角度分だけは鎌部材はハンドル操作と連動しないことになる。
【0021】
ハンドルは連動部分が施錠側位置に達した段階で既に停止しており、鎌部材は突出状態になっており、さらにハンドルを持ったままの一連の動作で引き戸を閉じると、完全に閉鎖する直前に係合部分先端の傾斜面が受けの係合部分挿入用角孔の上端部または下端部どちらかに当接することになる。ここで上記のように鎌部材は解錠方向に自由角度分だけ回転可能であり、傾斜面に押されて係合部分は係合部分挿入用角孔の端部を乗り越える。その後係合部分が受け内に完全に挿入された段階で、ばね部材の力により鎌部材は施錠方向に突出状態まで再度回転し、受けの係合面と係合部分の係止辺とが係合することになり、引き戸を施錠することが可能になる。この段階での動作は前述の自動ロック機構と同じで、係合部分先端が受けの正面を乗り越えるために必要な回転角度を自由角度より小さく設定しておくことが重要であり、またこの自由角度内での鎌部材の解錠方向の回転動作でばね部材の付勢方向が変わらないように境の位置を設定しておくと良い。
【0022】
次に第一爪は、連動部分が解錠側位置から施錠側位置に移動する動作中には一旦連動部分の第一側面から離れ、連動部分が施錠側位置で停止後、さらにばね部材のみの力で鎌部材が突出状態になったときに連動部分の第一側面に第一爪が再度接するように設定しておく。このように設定することにより、引き戸が閉じている施錠状態からハンドル操作により連動部分を解錠方向に移動させると、即座に第一側面が第一爪を押して鎌部材を解錠方向に回転させる動作が得られ、係合部分は受けから外れて引き戸を開けることができることになる。
【0023】
このときの解錠方向の動作としては、連動部分の第一側面は解錠側位置に移動するまで第一爪を押し続け、途中でばね部材の付勢の方向が変わり、連動部分が解錠側位置に移動すると同時に鎌部材は収納状態に復帰し、第二爪も再度第二側面に接した状態に戻り、この位置でばね部材の力により保持されることになる。ハンドルの操作はこの解錠側位置で既に停止しており、その後はそのままハンドルを持った状態での一連の同方向への操作で引き戸を開けることができる。
【0024】
上記での連動部分の左右移動動作を得るための操作部本体の機構やハンドルの操作方法はどのような構成であってもよいが、ハンドルが座内で連動部分と同方向に左右移動するスライド動作と、ハンドルが座に設けられた引き戸と平行な面上の上下方向の軸を中心に回転移動するスイング動作が簡単で適しており、後者ではハンドルの左右への操作に対する連動部分の移動方向が逆になるため第一爪と第二爪の配置を左右に反転させておくと良い。
【0025】
また上記のように、引き戸を開ける方向へのハンドル操作により鎌部材が解錠方向に回転動作し、引き戸を閉じる方向へのハンドル操作により鎌部材が施錠方向に回転動作するように設定すると、引き戸を開閉するためにハンドルを左右に押し引きする操作と施解錠操作を一連の動作として実施することができるようになる。ここで全体の動作をまとめると、まず係合部分が受けに係合している施錠状態から引き戸を開けようとハンドルを引く操作をすると同時に係合部分が受けから離脱し、そのまま鎌部材は収納状態にまで回転し、その後ハンドルを持ったままの一連の動作で引き戸を最後まで開けることが可能になる。そして逆に引き戸を閉じようとハンドルを閉じる方向に操作すると、即座に連動部分が施錠側位置に移動して引き戸が走行するよりも早く鎌部材は突出状態になり、その後ハンドルを持ったままの一連の動作で引き戸を閉じることができ、完全に閉じる最終段階で係合部分の傾斜面が受けの係合部分挿入用角孔の端部に当接し、受けの正面を乗り越えて自動ロック機構により施錠できることになる。
【0026】
上記のように構成することにより、施錠状態では完全に係合部分が受けにかかった状態であるため、跳ね返りを完全に防止することが可能となり、建付けの悪いレールが傾いた状態や常に振動を受ける条件下でも引き戸が勝手に開く現象を防ぐことができる。ここで上記のように、本発明では常に跳ね返りを防止することが可能となるため、今度は急激な閉鎖時での跳ね返りの衝撃を緩和させることが重要になってくる。そこで係合部分の係止辺位置に強い弾性を有した当接部材を設け、跳ね返り時の衝撃や音なりを緩和させる構成を付加しておくと、さらに優れた跳ね返り防止機構に発展させることができる。
【0027】
また受けを内外二個の箱状の部材にて構成し、内側の部材に係合部分挿入用角孔と係合面を備えておき、重ね合わせた状態での両者間に強い巻ばねを挿入しておくと、跳ね返りの荷重が係合面にかかった段階で内側の部材が跳ね返る方向に移動しようとする動作になり、このとき巻ばねの圧縮力により跳ね返りの衝撃を吸収することができ、さらに効果的な跳ね返り防止機構として提案することが可能になる。
【0028】
したがって本発明では、引き戸を開けた状態では係合部分を含む鎌部材全体が完全にケース内に収納された状態で保持され、トリガーや跳ね返り防止のための別途部品は全く必要なく、戸先側に突出するものは何も無い状態になるため通行時の安全性が高められる。さらには引き戸を左右に押し引きする通常の開閉操作のみで施解錠が可能になるため操作性に優れており、急激な閉鎖時の跳ね返りも防止することができ、かつ非常に少ない部品点数で構成することができるためコスト面においても有利である。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明に関する引き戸用鎌錠の実施の形態を説明する。図1〜図7は本発明の第一実施形態を示しており、図1は分解斜視図であり、図2は施錠状態の納まり縦側面断面図であり、図3は図2の配置を上下反転させた状態の断面図であり、図4は施錠状態の納まり横断面図である。
【0030】
第一実施形態の引き戸用鎌錠は図1に示すように、ケース1と鎌部材2と回転軸3とばね部材4からなる鎌錠本体aと、引き戸38の両側面に装着される二対の座6とハンドル5からなる操作部本体bと、係合部分挿入用角孔24と係合面25を有した受けcとから構成され、図4に示すように引き戸38の戸先面厚み方向部分に鎌錠本体aを掘り込んだ状態で装着し、引き戸38の戸先側両側面に操作部本体bを掘り込んだ状態で配置し、鎌錠本体aと引き戸38の厚み部分を挟み付けた状態で両側の座6を取り付ける。したがって図1に示すように片方の座6にねじ柱を設けて雌ねじを切っておき、さらにねじ柱をケース1の上下位置の孔に貫通させ、取り付けねじを他方の座6の取り付け孔18を通してねじ柱の雌ねじ部分に螺合し、両方の座6を引き付けて固定するとよい。さらに受けcを枠体37の戸先面と面対する位置に同様に掘り込んだ状態で装着する。
【0031】
図1に示すように、鎌錠本体aのケース1は薄い箱型であり、戸先側に位置するケース前面14の上下につば部分を設け、つば部分に取り付け孔18を備えておく。さらにケース前面14に係合部分出没用角孔16を、またケース側面15に回転軸挿入孔13と連動部分挿入用角孔17を設けておく。鎌部材2は、先端に位置する傾斜面8と係止辺9を備えた係合部分7と、一定の間隔を有して並んだ第一爪10と第二爪11と、回転軸挿入孔13とを有し、回転軸3にてケース1に係合部分7がケース前面14側になる配置にて装着する。また第一爪10と第二爪11間を凹部分12とすると、ケース側面15の連動部分挿入用角孔17は凹部分12付近になるように配置しておく。さらにばね部材4をケース1と鎌部材2に連結して組付けておく。
【0032】
受けcは、図1に示すように正面が板状で中央部分に係合部分挿入用角孔24を有し、その上下位置内面を係合面25とし、奥部分には空間を設けておき、枠体37に掘り込んだ状態で装着する。このとき図2では係合部分7の傾斜面8は先端から斜め上方に傾斜しており、鎌部材2は回転軸3を中心に反時計回りに回転すると解錠する設定になっており、したがって突出状態で受けcの係合部分挿入用角孔24の上端部26に傾斜面8が面対するように受けcと鎌錠本体aの上下関係を設定しておく。また鎌部材2の回転方向は図2に示す方向に限定されるわけではなく、図4に示すような図2を上下に反転させた構成でもよく、この場合は傾斜面8の向きと鎌部材2の回転方向が逆になり、受けcの係合部分挿入用角孔24の下端部27と傾斜面8が面対するように配置しておけばよい。
【0033】
第一実施形態での操作部本体bは、図1に示すように中央部分が凹状で、凹状部分の奥面を一部分開口させた形状の座6と、連動部分19を有した上下に長いハンドル5からなり、座6の凹状部分奥面の開口部分にハンドル5の連動部分19を差し込んだ状態でハンドル5全体を座6内に挿入し、座6に対して左右方向にハンドル5が移動可能なように両者を組付ける。したがって連動部分19は座6の奥面から突出した状態でハンドル5と同方向に同じ距離だけ左右移動することになる。
【0034】
図2は鎌部材2の係合部分7がケース前面14から最も突出した状態で、係合部分7が完全に受けc内に挿入され、係止辺9は上下垂直方向になっており、受けcの係合面25と係合部分7の係止辺9が係合している施錠状態を示している。また図4は図2と同じ状態を示す施錠状態の横断面図であり、このとき連動部分19は凹部分12に挿入された状態で、ハンドル5と連動部分19は座6内で最も戸先側に移動した位置になっている。
【0035】
次に図5〜図7に基づいて、ハンドル5の左右方向への操作による連動部分19の移動動作と、その動作に連動した鎌部材2の回転と、それに伴うばね部材4の付勢の方向を説明する。図5〜図7は共に図2の配置のときの施解錠の動作を示しており、図を解り易くするために操作部本体bは連動部分19のみを表記しておく。
【0036】
図5は引き戸が開いている解錠状態から、ハンドル5の操作により施錠状態へ移行する動作を順に示す模式図であり、図5(a)は最も係合部分7が没した鎌部材2の収納状態を示しており、図5(d)は係合部分7が最もケース前面14から出ている鎌部材2の突出状態を示している。したがって鎌部材2の回転可能範囲を図5(a)〜図5(d)の角度に制限しておくとよく、ここで図5(a)の収納状態から図5(d)の突出状態に移行するときの鎌部材2の回転方向と、その動作を得るための連動部分19の移動方向を施錠方向とし、逆に図5(d)の突出状態から図5(a)の収納状態に移行するときの方向を解錠方向とする。
【0037】
図5(a)〜図5(d)までの全ての状態で、連動部分19は常に第一爪10と第二爪11間の凹部分12に位置しており、連動部分19はハンドル5と同方向に左右移動するのであるが、このとき連動部分19の移動により押されて解錠方向に鎌部材2を回転させる側の爪を第一爪10とし、逆方向に押されて鎌部材2を施錠方向に回転させる側の爪を第二爪11とする。また連動部分19の両側面で、第一爪10側を第一側面20とし、第二爪11側を第二側面21とする。
【0038】
また図4に示すように、引き戸38の両側から凹部分12内に挿入された連動部分19が両方共に第一爪10と第二爪11に掛かる必要があるため、両爪はある程度の厚みを有するように設定しておく。さらには図1及び図4に示すように、引き戸38の両側に配置された連動部分19の先端の、片方には突起部分22を他方にはへこみ部分23を設け、組付けた状態で突起部分22とへこみ部分23が嵌り合うようにし、片方のハンドル5の操作で他方のハンドル5も同時に同じ方向に移動するように構成しておく。
【0039】
図5(a)に示す、係合部分7が完全にケース1内に没した鎌部材2の収納状態では、連動部分19はケース側面15の連動部分挿入用角孔17の最も戸尻側に位置しており、鎌部材2の第一爪10は連動部分19の第一側面20にかつ第二爪11は第二側面21に両方同時に接しており、両爪で連動部分19を挟み込んだ状態になっている。この図5(a)での連動部分19の位置を解錠側位置とし、これ以上ハンドル5及び連動部分19は戸尻側には移動しないように規制しておく。また図5(c)と図5(d)に示す連動部分19が最も戸先側に移動した位置を連動部分19の施錠側位置とし、同様にこれ以上ハンドル5及び連動部分19は戸先側には移動しないように規制しておく。
【0040】
そして次に、図5(a)〜図5(d)間にて規制した鎌部材2の回転可能範囲での中間位置を境として、鎌部材2が突出状態か収納状態のどちらかに付勢されるようにばね部材4を配置する。したがってばね部材4の形状は図5に示すようなコイルばねが優れており、常に両端が広がる方向に力がかかるように設定しておき、両端をケース1と鎌部材2に取り付ける。また図5(b)に示す位置を両方向に付勢させるときの境の位置にしようとする場合は、図5(b)の状態で鎌部材2に取り付けたばね部材4の片端位置が、ケース1に取り付けた他端位置と回転軸3の中心とを結んだ線上になるように設定するとよく、この位置でばね部材4は最も圧縮された状態になり、この位置を境にして鎌部材2は収納状態と突出状態に振り分けて付勢させることができる。したがって鎌部材2は両方向に最大に回転した収納状態の位置と突出状態の位置とで安定して保持されることになる。
【0041】
ばね部材4の形状においては、鎌部材2の回転可能範囲に対して途中の任意の位置で付勢の方向が変わるように設定できればよく、図示はしないが、図5のようなコイルばねを用いず、回転軸3と同軸位置に多角形の部材を配置し、多角形の部材を板ばねで両側から挟んで抱き込むような構成であってもよく、この場合は多角形の部材の突出した角位置を境にして両方向に付勢させることができることになる。
【0042】
次に図5(a)に示す状態からの、ハンドル5の操作による連動部分19の戸先側への移動に伴う鎌部材2の回転動作を順に説明する。図5(a)の解錠状態から連動部分19が施錠方向に移動すると、連動部分19の第二側面21が第二爪11を押し、鎌部材2は施錠方向に回転しながら係合部分7が突出し始める。図5(b)に示す状態がばね部材4の付勢方向の境の位置であり、ここまではばね部材4に逆らってハンドル5と連動部分19を移動操作することになる。図5(b)の状態では連動部分19はまだ戸先側に移動可能であり、図5(b)以降の動作は連動部分19により第二爪11がさらに押されると同時に、ばね部材4が境の位置を越えるため、連動部分19とばね部材4の両方に押されて鎌部材2は施錠方向に回転することになる。
【0043】
ここで、次の段階としては図5(c)の位置が重要であり、この位置は連動部分19が最も戸先側である施錠側位置に到達した状態であり、この位置でハンドル5と連動部分19の動作は停止することになる。したがって連動部分19の第二側面21が鎌部材2の第二爪11を押す動作はこの図5(c)の状態までであり、この連動部分19に押される動作だけでは鎌部材2はまだ完全に突出状態にまでは至らないように設定しておく。そして図5(c)の位置以降は、ばね部材4による付勢の力によりさらに鎌部材2を図5(d)に示す突出状態にまで回転させるように構成しておく。つまり図5(c)〜図5(d)の範囲での鎌部材2の回転は連動部分19には干渉されず、ばね部材4の付勢による力だけが作用していることになり、この鎌部材2の回転が許容された角度を自由角度とする。実際の動作としては、ばね部材4の付勢により鎌部材2が回転する方が早く、図5(c)の位置は単なる通過点に過ぎず、鎌部材2は図5(b)から一気に図5(d)に移動する動作になると考えられる。
【0044】
また、回転軸3からの第一爪10と第一側面20との接点までの距離と、回転軸3からの第二爪11と第二側面21との接点までの距離を変えておくことにより、図5(a)に示す両爪が連動部分19両側面に接した状態から連動部分19を移動させると、第二爪11は図5(c)までは常に第二側面21と接した状態を保持しつつ、第一爪10は徐々に第一側面20から離れるような第一爪10と第二爪11の軌跡を得ることができる。そして図5(c)以降の連動部分19が停止してからの鎌部材2のさらなる回転で一気に第一爪10が第一側面20に接近し、図5(d)の完全に鎌部材2が突出状態にまで回転した位置で第一爪10が第一側面20に再度接するように設定しておく。
【0045】
以上に説明した一連の動作は、引き戸38を大きく開いた状態から閉じようとした時の動作であり、ハンドル5が解錠側位置に保持された図5(a)の状態から引き戸38を閉じる方向にハンドル5を操作すると、引き戸38が走行を開始するより早く連動部分19が図5(c)の施錠側位置にまで移動し、ほぼ同時にばね部材4により鎌部材2は図5(d)の突出状態にまで回転することになる。その後ハンドル5は施錠側位置で停止するため、そのまま同方向にハンドル5を引く一連の動作で引き戸38を閉じることができることになる。
【0046】
次に上記動作に引き続いた、引き戸38を閉じる最終段階で係合部分7が受けcに係合する動作を図6に基づいて説明する。図6(a)は図5(d)と同じ状態であり、鎌部材2の係合部分7先端の傾斜面8が受けcの係合部分挿入用角孔24の上端部26に近接した状態を示しており、さらに引き戸38を閉じると係合部分7の傾斜面8が係合部分挿入用角孔24の上端部26に当接する。その結果、図6(b)に示すように鎌部材2は解錠方向に回転する動作になり、このとき前述の自由角度分だけ鎌部材2はハンドル5および連動部分19の位置に干渉されること無く回転可能であるため、前述の自由角度を係合部分7が受けcの上端部26を乗り越えるのに必要な回転角度より大きく設定しておくと、係合部分7は図6(c)の位置まで回転することが可能になる。
【0047】
またこの図6(c)の位置でばね部材4は境の位置を越えておらず、鎌部材2は突出状態に戻る方向に付勢されるように設定しておくと、係合部分7が受けcの正面を乗り越えて完全に受けc内に挿入された段階では図6(d)に示すように鎌部材2はばね部材4の力により突出状態に戻り、即ち係合部分7の係止辺9と受けの係合面25を係合させて施錠することが可能になる。
【0048】
この図6で説明した動作は従来の自動ロックの機構と全く同じであり、引き戸38が完全に閉じた瞬間に係合部分7の係止辺9が受けcの係合面25に係合するため確実に跳ね返りを防止することができ、そのままの状態で係合状態を維持するため、建付けが悪くレールが傾いていたり、常時振動を受けるような状況下においても勝手に開いてくるような現象をも阻止することができる。また図5で説明した引き戸38を閉じようとする最初の段階でのハンドル5の操作で係合部分7が突出状態になり、さらに連続した図6で説明した引き戸を閉じる動作で施錠が可能となるため、従来の引き戸38が開いた状態での誤作動を防止するためのトリガーや、引き戸38が閉じる最終段階で鎌部材2を回転させて受けcに挿入させるための連動用のトリガー等は必要ない。
【0049】
次に図6(d)の施錠状態から引き戸38を開ける場合の動作を図7にて説明する。図7(a)は図6(d)と同じ施錠状態であり、連動部分19の第一側面20に第一爪10が接している状態である。この状態からハンドル5を、引き戸を開ける方向である戸尻側に操作すると、ばね部材4の力に逆らって図7(b)に示すように連動部分19の第一側面20が第一爪10を押し、鎌部材2が解錠方向に回転し、係合部分7が受けcの係合面25から外れて解錠することができる。
【0050】
その後、図7(c)に示すばね部材4の付勢方向が変わる境の位置を過ぎると、ばね部材4と連動部分19両方の動作により鎌部材2は図7(d)に示す収納状態にまで回転することになる。また図7(d)の状態で連動部分19は解錠側位置に到達し、ハンドル5はこの位置で停止するため、そのままの一連の動作でさらに引き戸38を大きく開けることができる。つまりを引き戸38を開ける方向にハンドル5を操作するだけで、解錠と引き戸38を開ける動作が同時に得られることになる。この図7(d)の状態では、鎌部材2の第一爪10第二爪11両方が第一側面20第二側面21に接した収納状態になっており、前述の図5(a)に戻っていることがわかる。
【0051】
上記の一連の動作が、引き戸38を大きく開けた状態から一旦完全に閉めて施錠状態にし、再度開けるまでの一サイクルの操作になる。また引き戸38が開いた状態のままでハンドル5を左右に操作すると、図6で説明した係合部分7と受けcの係合動作が無く、図5と図7で説明した鎌部材2の係合部分7が出没を繰り返すだけの動作になる。
【0052】
第一実施形態では図4に示すように引き戸の両側に操作部本体bを掘り込んだ状態で装着し、部屋の内外からの操作を可能とする玄関引き戸や室内用の間仕切り用引き戸に適した構成にて説明してきたが、次にキャビネットや収納家具等の引き戸に適した構成を第二実施形態として図8にて説明する。第二実施形態においても図8に示すように、鎌錠本体aと受けcの構成や、鎌錠本体aの連動部分19と鎌部材2の動作等は全く第一実施形態と同様である。しかし、第二実施形態での引き戸38では人が通行する状況はあり得ないため、操作面が片方に限定できることになり、操作部本体bは引き戸38の片側のみに配置するだけでよいことになる。したがって第一爪10第二爪11部分の厚みは薄くてもよく、鎌錠本体aを非常に薄くコンパクトに構成することが可能になる。
【0053】
さらには第二実施形態においても、引き戸を閉じると同時に施錠する自動ロック機構は同様であるため、波に揺られる小型船舶等の引き違い窓や、保冷車等の走行車両の側面引き戸等にも適しており、ロックを忘れた状況で急停車すると引き戸38が急激に移動するような危険性を防止でき、さらには引き戸38の開閉操作の後に毎回別の操作としてロックする手間をも削減することが可能になる。
【0054】
また第一実施形態や第二実施形態では、操作部本体bを引き戸38の厚み方向に掘り込んで、引き戸38面からハンドル5や座6がほとんど出っ張らない、引き違えタイプにも対応可能な構成としてきたが、この構成では必然的に従来の掘り込み引き手のように、座6の凹状部分に指先を入れて左右に操作することになり、操作性という点ではまだ不十分であると考えられる。最近ではより操作性が重視され、さらに楽な開閉を実現するために、大きなパイプ状のハンドル5を引き戸38面からある程度突出させて取り付け、ハンドル5を握って開閉操作するタイプが増加しており、このタイプは片引きのものが多く、玄関用の洋風スライディングドアや公共施設の廊下等で使用する引き戸に頻繁に用いられてきている。したがって次に第三実施形態として、上記のような大きなハンドル5を使用するタイプにも適応可能な構成を図9〜図11にて説明する。
【0055】
図9は第三実施形態の斜視図であり、図10は納まり横断面図であり、図11は連動部分19と鎌部材2の動作を示す模式図であり、鎌錠本体aと受けcの構成は第一実施形態とほとんど同様である。ここで、図10に示すように座6に取り付けられたハンドル5の移動動作を、引き戸38面と平行な上下方向の軸を中心に回転するスイング動作にて構成した点が第一実施形態と異なっている。したがってハンドル5の握り手部分29と連動部分19は完全な左右直線運動にはならず、ハンドル5を座6に回転自在に組付ける連結ピン28を中心とした円弧上を移動する略左右移動動作になる。そこで、連動部分19が第一爪10や第二爪11に接触しながら移動し、さらに鎌部材2を回転させる動作が円滑に得られるように、ハンドル5及び連動部分19の最大振り角度や連動部分19の形状を設定しておく必要がある。
【0056】
また第三実施形態では、ハンドル5の握り手部分29の略左右移動と連動部分19の略左右移動の方向が逆になるため、鎌部材2の第一爪10と第二爪11の配置を逆にしておく必要がある。また第三実施形態でも第一実施形態と同様に鎌部材2の回転方向に制限は無く、図9及び図11では鎌部材2の解錠方向の回転を第一実施形態で説明してきた方向とは逆の、図3と同じ方向である時計回りにて設定し、係合部分7先端の傾斜面8を先端から斜め下方に傾斜するように形成し、係合部分7の傾斜面8が受けcの係合部分挿入用角孔24の下端部27に当接する構成にて表記する。
【0057】
上記のように、第三実施形態ではハンドル5の操作がスイング動作であるため、図10に示すようにハンドル5及び連動連動部分19の振り角度はなるべく小さい方がよく、したがってスイング動作の回転の中心である連結ピン28位置からの握り手部分29までの距離と、連結ピン28位置からの連動部分19の両側面と第一爪10第二爪11との接点までの距離が共に大きい方が条件面で優れていることになる。したがって座6は引き戸38面に掘り込まず外付けにし、ハンドル5の小さい操作角度で比較的大きな連動部分19の移動距離を得るように構成するとよい。
【0058】
図11は連動部分19の略左右移動に伴う鎌部材2と係合部分7の回転動作を示す模式図であり、図11(a)が解錠状態で図11(d)が施錠状態を示している。図11(d)に示す連動部分19の位置が施錠側位置であり、図3に示す第一実施形態とでは施錠側位置と解錠側位置は左右に反転させた状態になっており、連動部分19は引き戸38を開けようとする方向へのハンドル5の操作により戸先側に移動することになる。したがって第一実施形態と同様に押されて鎌部材2が解錠方向に回転する側の爪を第一爪10とすると、第一爪10はケース前面14側に配置されることになり、第一爪10や第二爪11も第一実施形態とは左右に反転させた配置になる。その他の連動部分19の移動による鎌部材2の回転動作や、ばね部材4による境の位置に対して両方向に付勢させる構成や、連動部分19が施錠側位置を保持した状態での鎌部材2の自由角度の設定等は第一実施形態と全く同様である。
【0059】
また前述のように第三実施形態は玄関等の片引き戸に適した構成であり、引き違い戸のように召し合せ部分でのロック機構を有していない場合が多く、鎌錠本体aに錠前によるロック機能をも付加させる必要性が高いと考えられる。このロック機構は、ロック用つまみの操作によりハンドル5自体の移動を規制する構成や、鎌部材2の回転を規制する構成等どのような手段であってもよいが、一例として図11に示すような、ケース側面15を貫通してロック用連結板30を配置し、ロック用連結板30の両端を座6から突出させてロック用つまみと連結し、ロック用つまみの回転操作によりロック用連結板30をケース1内で回転させ、鎌部材2を突出状態から回転できないようにする手段が簡単である。
【0060】
図11(a)〜図11(c)はロック解除状態で鎌部材2は回転可能な状態であり、係合部分7が突出している施錠状態で図11(d)のようにロック用つまみを回転操作してロック用連結板30を回転させると、鎌部材2の解錠方向の回転を規制してロックすることができる。またロック用連結板30に板ばね31を付勢しておき、ロック及び解除の際にクリック感を付加しておくとよい。
【0061】
また本発明の引き戸用鎌錠は自動ロック機構が特徴の一つであり、引き戸38の急激な閉鎖においても確実に跳ね返りを防止する構成が有効とされるのであるが、常に強制的に引き戸を跳ね返らないように停止させるため、閉鎖速度が速い場合などでは非常に大きな衝撃が発生すると考えられる。引き戸38を完全に閉じる手前の段階で摩擦等を用いて速度を減速させる装置を別途装着する場合もあるが、そうでない場合がほとんどであり、跳ね返り時の衝撃を少しでも緩和させる機構が本発明の引き戸用鎌錠にも必要であると考えられる。そこで、鎌錠本体aに上記機構を付加した構成を第四実施形態として図12に、さらに受けcに上記構成を付加した構成を第五実施形態として図13にて説明する。
【0062】
第四実施形態は鎌部材2の係合部分7がかなりの厚みを有している場合に適しており、図12に示すように係合部分7の係止辺9位置に強い弾性を有したゴムや樹脂等の当接部材32を装着し、施錠状態で受けcの係合面25と接触するように配置し、非常に強い跳ね返りが生じた場合にのみ弾性により僅かに当接部材32が変形して衝撃を吸収させる構成であり、同時に跳ね返りの際の衝撃音を低減させる役割も付加させることができる。
【0063】
第五実施形態は鎌部材2の係合部分7が板状か若しくは厚みが薄い場合に適しており、受けc内に設けた機構にて跳ね返りの衝撃を緩和させる構成である。図13は第五実施形態での受けcの縦側面断面図であり、係合部分挿入用角孔24とその上に位置する係合面25を有した受け内板33と、取り付け孔18を有し枠体37に固定される受け外ケース34を設け、受け外ケース34に対して左右方向に受け内板33が移動可能なように両者を組付けておく。受け内板33の左右移動手段はどのような構成であってもよいが、図13に示すような受け内板33と受け外ケース34の両下部を鋲35で回動自在に組付ける構成が簡単であり、さらに受け内板33上部と受け外ケース34上部間に強い押しばね36を挿入しておく。
【0064】
図13(a)は押しばね36により受け内板33が奥方向に押し付けられた基準位置を示しており、引き戸38が低速度で閉じた時には跳ね返りは無く、そのまま受け内板33の係合面25と鎌部材2の係止辺9が係合して施錠されることになる。しかし急激に閉鎖した時には、跳ね返ろうとする作用が発生し、係合部分7の係止辺9が受け内板33の係合面25を引っ張る動作になり、この動作を押しばね36の圧縮力にて吸収させることにより衝撃を緩和することができることになる。
【0065】
跳ね返りの瞬間は図13(b)に示すように、押しばね36が圧縮した分僅かに跳ね返る方向に移動する現象が起こるが、跳ね返りの力が消滅した段階では受け内板33は押しばね36の力により基準位置に引寄せられて停止することになり、枠体37と引き戸38の戸先面との隙間が生じたりすることはない。また第四実施形態と第五実施形態の構成を両方同時に使用してもよく、これらの跳ね返り時の衝撃を緩和させる構成は第一実施形態から第三実施形態までの全ての構成に適応させることが可能である。
【0066】
【発明の効果】
ハンドルの操作を直接鎌部材に連動させ、ばね部材により鎌部材の回転動作を収納状態と突出状態に振り分けて付勢し、さらに自動ロック機構を係合部分が受けに係合する直前の自由角度範囲内に限定して採用したため、トリガーやその周辺部品は全く必要なくなり、解錠状態では係合部分はケース内に完全に没した状態で保持できることになり、引き戸が開いている時には係合部分はもちろんのこと、トリガーさえも戸先側に突出すること無く、通行における危険性を完全に排除することが可能になる。
【0067】
施解錠操作が引き戸を開閉するために押し引きする時のハンドル操作と同じ方向であり、引き戸を閉じる方向にハンドル操作した初期の段階で係合部分が突出状態になり、そのまま引き戸を閉じるだけで施錠することができ、引き戸を開ける方向にハンドル操作すると同時に解錠でき、そのままハンドルを持った状態でさらに引き戸を大きく開けることが可能であり、つまり開閉の操作と施解錠の操作が一連の動作で実施できることになり非常に操作性が優れている。
【0068】
施錠の際の動作は自動ロック機構と同様であり、扉が閉じている状態では常に受けと鎌部材の係合部分がかかりあった状態になるため、確実に引き戸の跳ね返りを防止することができ、さらには建付けが悪くレールが傾斜しているような状態や常に振動を受けるような条件下であっても、引き戸が勝手に開いてくるような現象を阻止することができる。
【0069】
係合部分の係止辺位置に弾性を有した当接部材を装着するか、若しくは受けを内外の箱状の部材にて構成して両者間に押しばねを組み込むことにより、急激に引き戸を閉じた時の跳ね返りの衝撃や音なりを、当接部材の弾性力や押しばねの圧縮力により吸収して緩和させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態の分解斜視図である。
【図2】本発明の第一実施形態の納まり縦側面断面図である。
【図3】図2を上下反転させた状態の納まり縦側面断面図である。
【図4】本発明の第一実施形態の納まり横断面図である。
【図5】本発明の第一実施形態の、鎌部材が収納状態から突出状態に移行する動作を示す模式図である。
【図6】本発明の第一実施形態の、突出状態の鎌部材が受けに係合する動作を示す模式図である。
【図7】本発明の第一実施形態の、施錠状態から解錠する動作を示す模式図である。
【図8】本発明の第二実施形態の納まり横断面図である。
【図9】本発明の第三実施形態の分解斜視図である。
【図10】本発明の第三実施形態の納まり横断面図である。
【図11】本発明の第三実施形態の、連動部分と鎌部材の動作を示す模式図である。
【図12】本発明の第4実施形態の、鎌部材の係合部分の側面図である。
【図13】本発明の第五実施形態の、受けの縦側面断面図である。
【図14】従来の自動ロック機構を示す模式図である。
【図15】従来の自動ロック機構で、さらに解錠をハンドルの回転操作で実施する構成の模式図である。
【符号の説明】
a 鎌錠本体
b 操作部本体
c 受け
1 ケース
2 鎌部材
3 回転軸
4 ばね部材
5 ハンドル
6 座
7 係合部分
8 傾斜面
9 係止辺
10 第一爪
11 第二爪
12 凹部分
13 回転軸挿入孔
14 ケース前面
15 ケース側面
16 係合部分出没用角孔
17 連動部分挿入用角孔
18 取り付け孔
19 連動部分
20 第一側面
21 第二側面
22 突起部分
23 へこみ部分
24 係合部分挿入用角孔
25 係合面
26 上端部
27 下端部
28 連結ピン
29 握り手部分
30 ロック用連結板
31 板ばね
32 当接部材
33 受け内板
34 受け外ケース
35 鋲
36 押しばね
37 枠体
38 引き戸

Claims (2)

  1. ケース内に鎌部材が回動自在に装着され、連動部分を有するハンドルの操作により鎌部材の係合部分がケースの戸先面から出没して受けの係合面に係合することで施解錠を可能とする引き戸用の鎌錠であって、鎌錠本体はケースと鎌部材と回転軸とばね部材を有し、鎌部材は傾斜面と係止辺を有した係合部分と一定の間隔を有して並んだ第一爪と第二爪を備えており、ハンドルはケースに左右方向に一定範囲のみ移動する状態で装着され、かつハンドルの連動部分を第一爪と第二爪間に配置し、ハンドル操作による連動部分の左右移動で第一爪若しくは第二爪を押して鎌部材の回転動作を得、さらにばね部材を鎌部材の回転可能角度範囲内での中間位置付近を境として鎌部材が突出状態若しくは収納状態の両方向に振り分けて付勢するように装着し、ハンドルの連動部分が解錠側位置でかつ鎌部材が収納状態のときは、第一爪は連動部分の第一側面にまた第二爪は連動部分の第二側面に同時に接しており、連動部分が施錠側位置でかつ鎌部材が突出状態の時は連動部分の第二側面と第二爪は一定寸法離れた状態で第一爪のみが第一側面に接しており、連動部分が施錠側位置を保持したままの状態で鎌部材の解錠方向への一定角度の回転を許容するように構成したことを特徴とする引き戸用鎌錠。
  2. 前記ばね部材を装着する際に、鎌部材を突出状態若しくは収納状態の両方向に振り分けて付勢させる境の位置を、連動部分が施錠側位置を保持したままの状態で鎌部材の回転が許容された一定角度範囲内では、鎌部材は常に突出状態に戻るように設定したことを特徴とする請求項1に記載の引き戸用鎌錠。
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