JP4919460B2 - 電力グリッドシステム - Google Patents
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Description
そして、上記電力グリッドにおいて電力の需給管理を行う電力グリッドシステムとしては、このように電力グリッドに連系して発電する夫々のコジェネレーション装置の個別発電量の計画を一元化して行うように構成された電力グリッドシステムが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
そして、夫々のコジェネレーション装置は、実行日において、上記電力グリッドシステムから受信した計画個別発電量に従って出力を設定することで、電力グリッド全体のエネルギコストの最適化に貢献し、その対価を需要部側で受け取ることができる。
特に、電力グリッド全体のエネルギコスト等の更なる最適化を図るべく、コジェネレーション装置が設置された需要部において、熱需要量のできるだけ多くのコジェネレーション装置の発生熱で賄うように、夫々のコジェネレーション装置の発電量を計画するように構成すれば、更なる処理速度の低下及びシステムの煩雑化が懸念される。
前記ユニット処理部が、夫々の前記需要部の過去における個別電力需要量及び個別熱需要量を、実個別電力需要量及び実個別熱需要量として格納する需要量データベースを備え、
前記実行時の前の計画時に、
前記ユニット処理部が、前記需要量データベースに格納されている前記実個別電力需要量及び前記実個別熱需要量に基づいて夫々の前記需要部の前記実行時における個別電力需要量及び個別熱需要量を予測個別電力需要量及び予測個別熱需要量として予測する予測処理を実行し、
夫々の前記需要部の前記実行時における個別受電量の合計であるユニット受電量と、夫々の前記需要部の前記実行時における個別熱調達コストの合計であるユニット熱調達コストとの関係を、前記予測個別電力需要量及び前記予測個別熱需要量に基づいて前記実行時におけるユニット受電量コスト情報として作成して、当該作成したユニット受電量コスト情報を前記グリッド処理部側に送信する情報作成処理を実行し、
夫々の前記ユニット処理部側から前記ユニット受電量コスト情報を受信した前記グリッド処理部が、当該受信したユニット受電量コスト情報を用いて求められる前記電力グリッド全体のエネルギコストを最適化するための夫々の前記ユニットのユニット受電量を、前記実行時における計画ユニット受電量として計画して、当該計画した計画ユニット受電量を対応する前記ユニット処理部側に送信するユニット受電量計画処理を実行し、
前記グリッド処理部側から前記計画ユニット受電量を受信した前記ユニット処理部が、当該受信した計画ユニット受電量に前記実行時における前記ユニット受電量を一致させるための夫々の前記コジェネレーション装置の個別発電量を、前記実行時における計画個別発電量として計画して、当該計画した計画個別発電量を対応する前記コジェネレーション装置側に送信する個別発電量計画処理を実行するように構成されており、
前記ユニット処理部が、前記実行時において、夫々の前記需要部の実際の個別熱需要量を実個別熱需要量として監視し、当該実個別熱需要量の前記予測個別熱需要量に対する乖離の有無を判定する熱需要量監視処理を実行するように構成され、
前記乖離が有ると判定した場合に、前記乖離を解消するように前記計画個別発電量を調整するように構成されている点にある。
次に、グリッド処理部では、需要部の総数よりも少ない夫々のユニットについてのユニット受電量コスト情報を用いて、上記ユニット受電量計画処理を実行して、電力グリッド全体のエネルギコストを最適化するための夫々のユニットの実行時における計画ユニット受電量を計画することで、一層処理速度の低下やシステムの煩雑化等の問題を抑制した合理的な構成を実現することができる。
そして、ユニット処理部において、グリッド処理部から受信した計画ユニット受電量を用いて、対応するユニットにおける夫々のコジェネレーション装置に対して、上記個別発電量計画処理を実行して、夫々のコジェネレーション装置の実行時における計画個別発電量を計画し、その計画した計画個別発電量を夫々のコジェネレーション装置に送信することができる。よって、実行時において、コジェネレーション装置は、その計画個別発電量に従った運転制御を行って、電力グリッド全体のエネルギコストの最適化に貢献することができる。
以上のように、本発明により、処理速度の低下やシステムの煩雑化等の問題を抑制した合理的な構成で、電力グリッド全体のエネルギコストの最適化を図るべく、当該電力グリッド内のコジェネレーション装置の個別発電量の計画を一元化して行うことができる電力グリッドシステムを実現することができる。
また、上記第1特徴構成によれば、上記予測処理により、ユニット処理部が備える需要量データベースに格納された実個別電力需要量及び実個別熱需要量を利用して、実行時における予測個別電力需要量及び予測個別熱需要量を予測することができる。よって、続いて実行される上記情報作成処理において、その予測個別電力需要量及び予測個別熱需要量を用いて、ユニット受電量コスト情報として利用する、実行時におけるユニット受電量とユニット熱調達コストとを、比較的正確に求めることができる。
さらに、上記第1特徴構成によれば、夫々の前記コジェネレーション装置の運転制御を実行する実行時において、ユニット処理部により、上記熱需要量監視処理を実行して、計画時の予測処理で予測した予測個別熱需要量に対する実個別熱需要量の乖離が有ると判定した場合に、当該乖離を解消するように各コジェネレーションの前記計画個別発電量を調整するので、前記実行時の時々の実個別熱需要量の変化に応じて電力グリッド全体のエネルギコストの高騰を抑制することができる。
前記乖離が有ると判定した場合に、当該実行時に対して、前記予測処理、前記情報作成処理、前記ユニット受電量計画処理、及び、前記個別発電量計画処理を再実行するように構成されている点にある。
図1は、コジェネレーション装置Coを設置した需要部3の電力及び熱の形態を示す模式図、図2は、需要部3の複数が互いに電力融通可能な形態で電力系統1に接続されてなる電力グリッドGの形態を示す模式図、図3は、本発明に係る電力グリッドシステム100により実行される計画処理のフロー図、図4は、ユニット受電量コスト情報として作成されるデータテーブルを示す図、及び、図5は、電力調達コスト情報として作成されるデータテーブルを示す図である。
尚、上記需要部3において、電力負荷4で消費される電力量を個別電力需要量、熱負荷5で消費される熱量を個別熱需要量、コジェネレーション装置Coで発生される電力量を個別発電量、電力系統1から需要部3の電力負荷4に供給される電力量を個別受電量と呼ぶ。ここで、この個別受電量は、正の値の場合には、電力系統1側から需要部3側へ電力が供給される状態を表し、逆に、負の値の場合には需要部3側から電力系統1側へ電力が供給される状態を表す。
また、この需要部3は、1又は複数のコジェネレーション装置Coの発生熱を融通しあって消費する熱負荷5を備えた一又は複数の住居として設定することができる。
また、この電力系統1としては、別の電力会社が運営管理する送電線を利用しても構わないが、上記電気事業者が自ら運営管理する自営線を利用しても構わない。
尚、上記ユニットUにおいて、当該ユニットU内の夫々の需要部3の個別受電量の合計をユニット受電量、当該ユニットU内の夫々のコジェネレーション装置Coの個別発電量の合計をユニット発電量と呼ぶ。ここで、このユニット受電量は、正の値の場合には電力系統1を通じてユニットU外からユニットU内へ電力が供給される状態を表し、逆に、負の値の場合には電力系統1を通じてユニットU内からユニットU外へ電力が供給される状態を表す。また、このユニットUには、上記のようにコジェネレーション装置Coを設置した需要部3以外に、コジェネレーション装置Coを設置しておらず、消費する電力の全てを電力系統1からの受電電力で賄う需要部や、コジェネレーション装置COのように熱を発生しない発電設備を設置した需要部等を含んでも構わない。
そして、この電力グリッドシステム100は、将来において夫々のコジェネレーション装置Coの運転制御を実行する実行時に対して、夫々のコジェネレーション装置Coの個別発電量を計画するように構成されており、以下に、この電力グリッドシステム100の詳細について説明する。
前日の計画処理では、先ず、夫々の処理内容については後述するが、夫々の上記ユニット処理システムUMによる予測処理(ステップ#11)及び情報作成処理(ステップ#12)が実行され、次に、上記グリッド処理システムGMによるユニット受電量計画処理(ステップ#13)が実行され、次に、夫々の上記ユニット処理システムUMによる個別発電量計画処理(ステップ#14)が実行される。
例えば、この予測処理(ステップ#11)では、当日の月日、曜日、天候などの属性と同じ属性を有する実個別電力需要量及び実個別熱需要量を上記需要量データベースDBから抽出し、その抽出した実個別電力需要量及び実個別熱需要量の夫々の平均値などを、当日における予測個別電力需要量及び予測個別熱需要量とする形態の予測方法やその他の公知の予測方法を利用することができる。
尚、上記当日における予測個別電力需要量や予測個別熱需要量が既に特定されている場合などにおいては、その予測個別電力需要量や予測個別熱需要量を入力することにより、上記予測処理(ステップ#11)の実行を省略することができる。
尚、上記運転パターンとしては、夫々のコジェネレーション装置Coを低出力運転(即ち、最低出力での運転)させる低出力運転パターン、夫々のコジェネレーション装置Coを熱主運転(即ち、コジェネレーション装置Coの個別発熱量を予測個別熱需要量に追従させる運転)させる熱主運転パターン、夫々のコジェネレーション装置Coを電主運転(即ち、コジェネレーション装置Coの個別発電量を予測個別電力需要量に追従させる運転)させる電主運転パターン、夫々のコジェネレーション装置Coを定格運転(即ち、最大出力での運転)させる定格運転パターンなどを挙げることができるが、別に、他の運転パターンを想定しても構わない。
よって、このユニット受電量は、夫々のコジェネレーション装置Coの出力が高いほど小さくなる傾向を有するので、例えば、図4に示すように、上記低出力運転パターンを想定した場合のユニット受電量を最大として、熱主運転パターン若しくは電主運転パターン、定格運転パターンの順に、ユニット受電量が徐々に小さくなる。
一方、上記ユニット受電量コスト情報における上記ユニット熱調達コストは、夫々の運転パターンにおいて夫々のコジェネレーション装置Coの個別発電量をパラメータとし、上記ユニット熱調達コストを目的関数としたシミュレーションを実行し、当該ユニット熱調達コストが最小となるときの値が夫々のコジェネレーション装置Coの個別発電量に関連付けて設定される。
具体的に、ユニット受電量計画処理(ステップ#13)では、夫々のユニットUのユニット受電量をパラメータとし、上記ユニット受電量コスト情報(図4参照)に加えて、発電装置Ge、市場Ma、蓄放電装置Ba等の電力調達コストを示す電力調達コスト情報についてのデータテーブル(図5参照)を参照して、上記ユニット受電量のパラメータから求められる電力グリッドG全体のエネルギコストを最も安くすることを目的としたシミュレーションを実行する。そして、このシミュレーションにより求めた当該エネルギコストが最適となるときの夫々のユニットUのユニット受電量を、上記計画ユニット受電量に決定する。
また、上記ユニットUには、コジェネレーション装置Coを設置した需要部3を複数含むので、ユニットUの総数の増加が抑制され、グリッド処理システムGMでの処理速度の向上が図られている。
尚、上記ユニットUとして、単一の需要部3を含むユニットUを含んでも構わない。
具体的には、個別発電量計画処理(ステップ#14)では、ユニット受電量コスト情報を参照して、グリッド処理システムGMから受信した計画ユニット受電量に対応する運転パターンを特定し、その特定した運転パターンでの夫々のコジェネレーション装置Coの個別発電量を、計画個別発電量に決定する。
また、このように電力グリッドG全体のエネルギコストの最適化に貢献するように、コジェネレーション装置Coを計画個別発電量に従って運転した需要家3については、例えば電気事業者からその貢献度に見合った対価を支払うようにしても構わない。
夫々のユニット処理システムUMは、当日において、対応するユニットU内の夫々の需要部3の実個別熱需要量を監視し、当該実個別熱需要量の予測個別熱需要量に対する乖離の有無を判定する熱需要量監視処理(ステップ#17)を実行する。
ここで、夫々のコジェネレーション装置Coは、1時間毎等の所定の計測タイミングで実際の個別熱需要量を計測し(ステップ#16)、その計測した個別熱需要量を上記実個別熱需要量としてユニット処理システムUM側に送信するように構成されている。
具体的に、上記個別発電量調整処理(ステップ#18)では、ユニットUの実際のユニット受電量を計画ユニット受電量に維持したままで、実個別熱需要量が予測個別熱需要量に対して高い側に乖離した需要部3のコジェネレーション装置Coの計画発電量を増加すると共に、実個別熱需要量が予測個別熱需要量に対して低い側に乖離した需要部3のコジェネレーション装置Coの計画発電量を減少する形態で、夫々のコジェネレーション装置Coの計画個別発電量が調整される。
よって、このような個別発電量調整処理(ステップ#18)を実行することで、実個別熱需要量の予測熱需要量に対する乖離に起因するユニットU内におけるユニット熱調達コストの高騰が抑制される。
3:需要部
100:電力グリッドシステム
Co:コジェネレーション装置
DB:需要量データベース
G:電力グリッド
GM:グリッド処理システム(グリッド処理部)
U:ユニット
UM:ユニット処理システム(ユニット処理部)
Claims (5)
- コジェネレーション装置を設置した需要部の複数が互いに電力融通可能な形態で電力系統に接続されてなる電力グリッドにおいて、将来において夫々の前記コジェネレーション装置の運転制御を実行する実行時に対して、夫々の前記コジェネレーション装置の個別発電量を計画する電力グリッドシステムであって、
前記電力グリッドに対応付けて設けられたグリッド処理部と、前記コジェネレーション装置を設置した需要部を1以上含むユニットを複数設定して当該夫々のユニットに対応付けて設けられた複数のユニット処理部とを、互いに通信可能な状態で備えると共に
前記ユニット処理部が、夫々の前記需要部の過去における個別電力需要量及び個別熱需要量を、実個別電力需要量及び実個別熱需要量として格納する需要量データベースを備え、
前記実行時の前の計画時に、
前記ユニット処理部が、前記需要量データベースに格納されている前記実個別電力需要量及び前記実個別熱需要量に基づいて夫々の前記需要部の前記実行時における個別電力需要量及び個別熱需要量を予測個別電力需要量及び予測個別熱需要量として予測する予測処理を実行し、
夫々の前記需要部の前記実行時における個別受電量の合計であるユニット受電量と、夫々の前記需要部の前記実行時における個別熱調達コストの合計であるユニット熱調達コストとの関係を、前記予測個別電力需要量及び前記予測個別熱需要量に基づいて前記実行時におけるユニット受電量コスト情報として作成して、当該作成したユニット受電量コスト情報を前記グリッド処理部側に送信する情報作成処理を実行し、
夫々の前記ユニット処理部側から前記ユニット受電量コスト情報を受信した前記グリッド処理部が、当該受信したユニット受電量コスト情報を用いて求められる前記電力グリッド全体のエネルギコストを最適化するための夫々の前記ユニットのユニット受電量を、前記実行時における計画ユニット受電量として計画して、当該計画した計画ユニット受電量を対応する前記ユニット処理部側に送信するユニット受電量計画処理を実行し、
前記グリッド処理部側から前記計画ユニット受電量を受信した前記ユニット処理部が、当該受信した計画ユニット受電量に前記実行時における前記ユニット受電量を一致させるための夫々の前記コジェネレーション装置の個別発電量を、前記実行時における計画個別発電量として計画して、当該計画した計画個別発電量を対応する前記コジェネレーション装置側に送信する個別発電量計画処理を実行するように構成されており、
前記ユニット処理部が、前記実行時において、夫々の前記需要部の実際の個別熱需要量を実個別熱需要量として監視し、当該実個別熱需要量の前記予測個別熱需要量に対する乖離の有無を判定する熱需要量監視処理を実行するように構成され、
前記乖離が有ると判定した場合に、前記乖離を解消するように前記計画個別発電量を調整するように構成されている電力グリッドシステム。 - 前記ユニットとして、前記コジェネレーション装置を設置した需要部を複数含むユニットが設定されている請求項1に記載の電力グリッドシステム。
- 前記ユニット処理部が、前記情報作成処理において、夫々の前記コジェネレーション装置の前記実行時における運転パターンを複数想定し、夫々の前記運転パターンにおける前記ユニット受電量と前記ユニット熱調達コストとを示すデータテーブルを、前記ユニット受電量コスト情報として作成すると共に、前記個別発電量計画処理において、前記ユニット受電量コスト情報を参照し、前記計画ユニット受電量に対応する前記運転パターンでの夫々の前記コジェネレーション装置の個別発電量を、前記計画個別発電量に決定するように構成されている請求項1又は2に記載の電力グリッドシステム。
- 前記ユニット処理部が、前記実行時において、
前記乖離が有ると判定した場合に、当該実行時に対して、前記予測処理、前記情報作成処理、前記ユニット受電量計画処理、及び、前記個別発電量計画処理を再実行するように構成されている請求項1〜3の何れか一項に記載の電力グリッドシステム。 - 前記ユニット処理部が、前記実行時において、前記乖離が有ると判定した場合に、前記ユニットの実際のユニット受電量を計画ユニット受電量に維持したままで、前記ユニット内の夫々の前記コジェネレーション装置の計画個別発電量を調整する個別発電量調整処理を実行するように構成されている請求項1〜4の何れか一項に記載の電力グリッドシステム。
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