JP2005045887A - 需給計画作成装置、需給計画作成方法及び需給計画作成用プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】融通を受ける必要がある事業者と、融通が可能な事業者がそれぞれ複数ある状況で、経済的な融通計画を作成することができる需給計画作成装置を提供する。
【解決手段】複数の事業者がそれぞれ別個に作成した需給計画情報を各事業者から受信する手段と、複数の事業者から受信した需給計画情報を総括して、所定の形式にまとめる総括手段と、前記総括手段によって作成された需給総括情報から、ある探索対象項目について、需給不足を起こしている事業者及び不足量を探索する第1の探索手段と、その探索対象項目について、融通可能な事業者、融通可能量及び融通単価を探索する第2の探索手段と、前記第1の探索手段及び第2の探索手段による探索結果に基づいて、需給融通案を算出する演算手段と、前記需給融通案を各事業者に送信する手段とを備える。
【選択図】 図2
【解決手段】複数の事業者がそれぞれ別個に作成した需給計画情報を各事業者から受信する手段と、複数の事業者から受信した需給計画情報を総括して、所定の形式にまとめる総括手段と、前記総括手段によって作成された需給総括情報から、ある探索対象項目について、需給不足を起こしている事業者及び不足量を探索する第1の探索手段と、その探索対象項目について、融通可能な事業者、融通可能量及び融通単価を探索する第2の探索手段と、前記第1の探索手段及び第2の探索手段による探索結果に基づいて、需給融通案を算出する演算手段と、前記需給融通案を各事業者に送信する手段とを備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力系統の需給計画作成装置及び需給計画作成方法に係り、特に、複数の発電事業者間の融通を行う需給計画作成装置及び需給計画作成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電力系統の需給計画においては、ある時刻における供給電力量と消費電力量が常に同量となるような運用(同時同量制約)が必要であると共に、安定供給のために、電力供給部に関して、常にある一定の供給予備力(増加方向の供給余力)及び下げしろ(減少方向の供給余力)の確保が制約として要求される。これらの制約を満足した上で、より経済的な発電機の運用を計画するのが電力系統における需給計画である。このような電力系統の需給計画に関する技術としては、特許文献1、特許文献2等に記載されたものが知られている。
【0003】
図14は、複数の発電事業者による需給計画を表す図である。すなわち、各発電事業者21、22〜2nは、それぞれの契約需要家al〜anから電力需要情報bl〜bnを入手する。各発電事業者は、各々独立に、それぞれの需給計画作成手段cl〜cnを用いて、各発電事業者の電力供給量の合計とそれぞれの契約需要家の電力需要が各時刻で同量になるという需給バランスが成立するように、需給計画dl〜dnを作成する。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−308771号公報
【特許文献2】
特開平10−42472号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図14に示した従来の形態では、各発電事業者とその契約需要家間のみでの需給バランスを考慮した需給計画を作成し、各発電事業者は自社内で供給力をまかなうことを原則としているため、運用上の制約が厳しくなり、計画作成に困難が伴うという問題点があった。また、他の発電事業者間で、電力等の余剰分及び不足分を融通し合う仕組みがないため、計画の柔軟性に欠け、より経済的な運用の可能性が限定されてしまうという問題点があった。
【0006】
さらに、複数の発電事業者間で融通しようとしても、適切な指針がなく、トータルで見た経済性が悪化する可能性があった。また、複数の発電事業者に対する需給計画において、供給予備力や下げしろといった供給の信頼性に対する考慮も必要と考えられるが、この間題に対する解決は未だなされていない。
【0007】
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、融通を受ける必要がある事業者と、融通が可能な事業者がそれぞれ複数あるような状況で、経済的な融通計画を作成することができる需給計画作成装置、需給計画作成方法及び需給計画作成用プログラムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の需給計画作成装置は、複数の事業者がそれぞれ別個に作成した需給計画情報を各事業者から受信する手段と、複数の事業者から受信した需給計画情報を総括して、所定の形式にまとめる総括手段と、前記総括手段によって作成された需給総括情報を各事業者に送信する手段とを有することを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項7に記載の需給計画作成方法は、請求項1に記載の発明を方法の観点から捉えたものであって、複数の事業者がそれぞれ別個に作成した需給計画情報を各事業者から受信する処理と、複数の事業者から受信した需給計画情報を総括して、所定の形式にまとめる総括処理と、前記総括処理によって作成された需給総括情報を各事業者に送信する処理とを含むことを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項11に記載の発明は、請求項7に記載の発明をコンピュータプログラムという観点から捉えたものであって、コンピュータを制御することにより、需給計画を作成する需給計画作成用プログラムにおいて、そのプログラムは前記コンピュータに、複数の事業者がそれぞれ別個に作成した需給計画情報を各事業者から受信するステップと、複数の事業者から受信した需給計画情報を総括して、所定の形式にまとめる総括ステップと、前記総括ステップによって作成された需給総括情報を各事業者に送信するステップとを実行させるものであることを特徴とするものである。
【0011】
上記のような構成を有する請求項1、請求項7、請求項11の発明によれば、各発電事業者が他の発電事業者の需給アンバランス状況等を知ることが可能になるため、これをもとに発電事業者間の各種の電力融通を検討することが可能になる。
【0012】
請求項2に記載の需給計画作成装置は、複数の事業者がそれぞれ別個に作成した需給計画情報を各事業者から受信する手段と、複数の事業者から受信した需給計画情報を総括して、所定の形式にまとめる総括手段と、前記総括手段によって作成された需給総括情報から、ある探索対象項目について、需給不足を起こしている事業者及び不足量を探索する第1の探索手段と、その探索対象項目について、融通可能な事業者、融通可能量及び融通単価を探索する第2の探索手段と、前記第1の探索手段及び第2の探索手段による探索結果に基づいて、需給融通案を算出する演算手段と、前記需給融通案を各事業者に送信する手段とを有することを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項8に記載の需給計画作成方法は、請求項2に記載の発明を方法の観点から捉えたものであって、複数の事業者がそれぞれ別個に作成した需給計画情報を各事業者から受信する処理と、複数の事業者から受信した需給計画情報を総括して、所定の形式にまとめる総括処理と、前記総括処理によって作成された需給総括情報から、ある探索対象項目について、需給不足を起こしている事業者及び不足量を探索する第1の探索処理と、その探索対象項目について、融通可能な事業者、融通可能量及び融通単価を探索する第2の探索処理と、前記第1の探索処理及び第2の探索処理による探索結果に基づいて、需給融通案を算出する演算処理と、前記需給融通案を各事業者に送信する処理とを含むことを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項12に記載の発明は、請求項8に記載の発明をコンピュータプログラムという観点から捉えたものであって、コンピュータを制御することにより、需給計画を作成する需給計画作成用プログラムにおいて、そのプログラムは前記コンピュータに、複数の事業者がそれぞれ別個に作成した需給計画情報を各事業者から受信するステップと、複数の事業者から受信した需給計画情報を総括して、所定の形式にまとめる総括ステップと、前記総括ステップによって作成された需給総括情報から、ある探索対象項目について、需給不足を起こしている事業者及び不足量を探索する第1の探索ステップと、その探索対象項目について、融通可能な事業者、融通可能量及び融通単価を探索する第2の探索ステップと、前記第1の探索ステップ及び第2の探索ステップによる探索結果に基づいて、需給融通案を算出する演算ステップと、前記需給融通案を各事業者に送信するステップとを実行させるものであることを特徴とするものである。
【0015】
上記のような構成を有する請求項2、請求項8、請求項12の発明によれば、需給バランス等の不足を一事業者だけで確保することが無理な場合でも、その経済的な代替案を提示することが可能になり、経済性と柔軟性のある需給計画の作成が可能となる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の需給計画作成装置において、前記演算手段が、線形計画問題を求解する手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の需給計画作成装置において、前記演算手段が、タブサーチ法を用いて求解する手段を有することを特徴とするものである。
【0017】
上記のような構成を有する請求項3、請求項4の発明によれば、需給バランス等が不足している事業者と、それらの融通が可能な事業者がそれぞれ複数存在するときに、前者のどの事業者が後者のどの事業者へどれだけ融通するのがトータルで見て経済的かを計算することが可能になるため、経済性と柔軟性のある需給計画の作成が可能となる。また、コストは線形の関数に限らなくても良く、制約条件についても複雑なものを同時に扱うことが可能になる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の需給計画作成装置において、前記演算手段が、グラフ作成部と最大マッチング作成部とを有し、前記グラフ作成部において、前記第1の探索手段によって探索された第1のグループを表す点と、前記第2の探索手段によって探索された第2のグループを表す点とを辺で結んだグラフを作成し、前記最大マッチング作成部において、前記グラフの中から最大マッチングを作成することを特徴とするものである。
【0019】
また、請求項9に記載の需給計画作成方法は、請求項5に記載の発明を方法の観点から捉えたものであって、請求項8に記載の需給計画作成方法において、前記演算処理が、グラフ作成処理と最大マッチング作成処理とを含み、前記グラフ作成処理において、前記第1の探索処理によって探索された第1のグループを表す点と、前記第2の探索処理によって探索された第2のグループを表す点とを辺で結んだグラフを作成し、前記最大マッチング作成処理において、前記グラフの中から最大マッチングを作成することを特徴とするものである。
【0020】
上記のような構成を有する請求項5、請求項9の発明によれば、2事業者間でしか融通が行えない場合に、各種の不足量を最大数の事業者に分散することが可能になる。
【0021】
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載の需給計画作成装置において、前記演算手段が、グラフ作成部とネットワーク作成部と最小費用フロー作成部とを有し、前記グラフ作成部において、前記第1の探索手段によって探索された第1のグループを表す点と、前記第2の探索手段によって探索された第2のグループを表す点とを辺で結んだグラフを作成し、前記ネットワーク作成部において、前記グラフの各辺に容量及びコストを与え、前記最小費用フロー作成部において、前記グラフの中から最小費用フローを作成することを特徴とするものである。
【0022】
また、請求項10に記載の需給計画作成方法は、請求項6に記載の発明を方法の観点から捉えたものであって、請求項8に記載の需給計画作成方法において、前記演算処理が、グラフ作成処理とネットワーク作成処理と最小費用フロー作成処理とを含み、前記グラフ作成処理において、前記第1の探索処理によって探索された第1のグループを表す点と、前記第2の探索処理によって探索された第2のグループを表す点とを辺で結んだグラフを作成し、前記ネットワーク作成処理において、前記グラフの各辺に容量及びコストを与え、前記最小費用フロー作成処理において、前記グラフの中から最小費用フローを作成することを特徴とするものである。
【0023】
上記のような構成を有する請求項6、請求項10の発明によれば、2事業者間でしか融通が行えないとした場合に、最も適切な組み合わせを求めることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下、実施形態という)を、図面を参照して具体的に説明する。
【0025】
(1)第1実施形態
図1は、本発明に係る電力系統の需給計画作成装置の第1実施形態の構成を示すブロック図である。すなわち、本実施形態の需給計画作成装置は、各発電事業者21,22〜2nからそれぞれの需給情報を受信する受信手段11と、発電事業者毎の需給情報を格納する需給情報格納手段12と、発電事業者毎の需給情報を総括した需給総括情報を作成する需給情報総括手段13と、需給総括情報を格納する需給総括情報格納手段14と、この需給総括情報を各発電事業者21,22〜2nに送信する送信手段15とを備えている。
【0026】
なお、前記発電事業者毎の需給情報としては、少なくとも、発電事業者名、時刻、需給不足量、供給予備力不足量、下げしろ不足量、融通可能電力量、融通単価(融通電力を他発電事業者に売る場合の単価)、上げ余裕電力量、上げ余裕電力単価(上げ余裕電力を他発電事業者に売る場合の単価)、下げ余裕電力量、下げ余裕電力単価(下げ余裕電力を他発電事業者に売る場合の単価)の情報を含むものとする。また、前記需給総括情報は、図2に示すように、時刻をキーとして、前記発電事業者毎の需給情報を一覧できるように表形式等にまとめたものである。
【0027】
上記のような構成を有する第1実施形態によれば、各発電事業者が個別に作成した需給計画の需給アンバランス状況等を一覧で知ることが可能になるため、これをもとに発電事業者間の各種の電力融通を検討することが可能になる。
【0028】
(2)第2実施形態
図3は、本発明に係る電力系統の需給計画作成装置の第2実施形態の構成を示すブロック図である。すなわち、本実施形態の需給計画作成装置は、上記第1実施形態と同様の受信手段11、需給情報格納手段12、需給情報総括手段13、需給総括情報格納手段14及び送信手段15とを備えると共に、以下の構成を有する探索手段20と、演算手段30としてLP法求解部301とを備えている。
【0029】
また、前記探索手段20は、需給計画を作成する対象項目(例えば、電力、供給予備力等)を設定する探索対象設定部201と、前記需給総括情報を参照して、ある時刻断面において、探索対象項目について需給不足を起こしている発電事業者及びそれらの不足量を収集する不足事業者探索部(第1の探索部)202と、同じ時刻断面において、探索対象項目について融通可能な発電事業者及びそれらの融通可能量、融通単価を収集する融通可能事業者探索部(第2の探索部)203とを備えている。そして、前記不足事業者探索部(第1の探索部)202によって、不足情報が作成され、融通可能事業者探索部(第2の探索部)203によって、融通可能情報が作成されるように構成されている。
【0030】
なお、不足情報は、例えば、図2に示した表で、探索対象項目の不足分を示す欄に正の値を持つ発電事業者名とその不足量を収集することにより作成される。また、融通可能情報は、例えば、図2に示した表で、探索対象項目の余裕分を示す欄に正の値を持つ発電事業者名と、その融通可能量及び融通単価を収集することにより作成される。
【0031】
また、LP法求解部301では、前記不足情報と融通可能情報からLP法で使用する変数に値をセットする。このLP法では、例えば、以下のような定式化を行う。なお、以下に示す数式(1)は、[具体例1]に示した探索対象項目が「需給電力」の場合のものである。
【数1】
【0032】
上記のようにして定式化したLP問題を、例えばシンプレックス法により解くことができる。そして、演算手段30であるLP法求解部301は、その計算結果を需給融通案として需給融通案格納手段40に格納する。なお、需給融通案は、例えば、図4に示したような形式で表示される。そして、送信手段15によって、需給融通案が各発電事業者21,22〜2nに送信される。
【0033】
上記のような構成を有する第2実施形態によれば、探索対象項目について不足している発電事業者と、その探索対象項目について融通が可能な発電事業者がそれぞれ複数存在するときに、前者のどの発電事業者が後者のどの発電事業者からどれだけ融通してもらうのが全体的に見て経済的かを計算することが可能になる。
【0034】
[具体例1]
この具体例1は、上記第2実施形態に示した需給計画作成装置を用い、探索対象項目を「需給電力(需給バランス)」としたものである。
【0035】
すなわち、需給計画作成装置の不足事業者探索部(第1の探索部)202によって、需給総括情報からある時刻断面において需給バランス不足を起こしている発電事業者(これらの発電事業者の集合を、この節では以後“グループD”と称する)及びそれらの電力不足量が収集され、電力不足情報が作成される。
【0036】
次に、融通可能事業者探索部(第2の探索部)203によって、同一の時刻断面で融通可能な電力を所有している発電事業者(これらの発電事業者の集合を、この節では以後“グループS”と称する)及びそれらの融通可能電力量、融通単価が収集され、融通可能電力情報が作成される。
【0037】
そして、LP法求解部301によって、電力不足情報と融通可能電力情報とから、LP法で使用する変数に値がセットされる。この具体例1においては、上記の数式(1)と同様な定式化が行われる。
【数2】
【0038】
上記で定式化したLP問題を、例えばシンプレックス法により解くことができる。そして、LP法求解部301は、その計算結果を需給電力融通案格納手段40に格納する。また、需給電力融通案の形式は、例えば、図4に示したようなものである。そして、送信手段15によって、この需給電力融通案が各発電事業者21,22〜2nに送信される。
【0039】
この具体例1によれば、需給バランスが不足している発電事業者と、電力の融通が可能な発電事業者がそれぞれ複数存在するときに、前者のどの発電事業者が後者のどの発電事業者からどれだけ電力を融通してもらうのがトータルで見て経済的かを計算することが可能になる。
【0040】
[具体例2]
この具体例2は、上記第2実施形態に示した需給計画作成装置を用い、探索対象項目を「供給予備力」としたものである。
【0041】
すなわち、需給計画作成装置の不足事業者探索部(第1の探索部)202によって、需給総括情報32からある時刻断面において供給予備力不足を起こしている発電事業者(これらの発電事業者の集合を、この節では以後“グループU”と称する)及びそれらの供給予備力不足量が収集され、供給予備力不足情報が作成される。
【0042】
次に、融通可能事業者探索部(第2の探索部)203によって、同一の時刻断面で融通可能な供給予備力を所有している発電事業者(これらの発電事業者の集合を、この節では以後“グループY”と称する)及びそれらの融通可能供給予備力量、融通単価が収集され、融通可能供給予備力情報が作成される。
【0043】
そして、LP法求解部301によって、供給予備力不足情報と融通可能供給予備力情報とから、LP法で使用する変数に値がセットされる。この具体例2においては、下記の数式(2)のような定式化が行われる。
【数3】
【0044】
上記で定式化したLP問題を、例えばシンプレックス法により解くことができる。LP法求解部301は、その計算結果を供給予備力融通案格納装置40に格納する。また、供給予備力融通案の形式は、例えば、図5に示したようなものである。そして、送信手段15によって、この供給予備力融通案が各発電事業者21,22〜2nに送信される。
【0045】
この具体例2によれば、供給予備力が不足している発電事業者と、供給予備力の融通が可能な発電事業者がそれぞれ複数存在するときに、前者のどの発電事業者が後者のどの発電事業者からどれだけ供給予備力を融通してもらうのがトータルで見て経済的かを計算することが可能になる。
【0046】
[具体例3]
この具体例3は、上記第2実施形態に示した需給計画作成装置を用い、探索対象項目を「下げしろ」としたものである。
【0047】
すなわち、需給計画作成装置の不足事業者探索部(第1の探索部)202によって、需給総括情報からある時刻断面において下げしろ不足を起こしている発電事業者(これらの発電事業者の集合を、この節では以後“グループL”と称する)及びそれらの下げしろ不足量が収集され、下げしろ不足情報が作成される。
【0048】
次に、融通可能事業者探索部(第2の探索部)203によって、同一の時刻断面で融通可能な下げしろを所有している発電事業者(これらの発電事業者の集合を、この節では以後“グループW”と称する)及びそれらの融通可能下げしろ量、融通下げしろ単価が収集され、融通可能下げしろ情報が作成される。
【0049】
そして、LP法求解部301によって、下げしろ不足情報と融通可能下げしろ情報とから、LP法で使用する変数に値がセットされる。この具体例3においては、下記の数式(3)のような定式化が行われる。
【数4】
【0050】
上記で定式化したLP問題を、例えばシンプレックス法により解くことができる。LP法求解部301は、その計算結果を下げしろ融通案格納手段40に格納する。また、下げしろ融通案の形式は、例えば、図6に示したようなものである。そして、送信手段15によって、この下げしろ融通案が各発電事業者21,22〜2nに送信される。
【0051】
この具体例3によれば、下げしろが不足している発電事業者と、下げしろの融通が可能な発電事業者がそれぞれ複数存在するときに、前者のどの発電事業者が後者のどの発電事業者からどれだけ下げしろを融通してもらうのがトータルで見て経済的かを計算することが可能になる。
【0052】
(3)第3実施形態
図7は、本発明に係る電力系統の需給計画作成装置の第3実施形態の構成を示すブロック図である。すなわち、本実施形態の需給計画作成装置は、上記第2実施形態の変形例であって、需給バランス、供給予備力及び下げしろが不足している発電事業者と、それらの融通が可能な発電事業者がそれぞれ複数存在するときに、演算手段30として、LP法求解部301と共に、タブサーチ(Tabu Search:以下、TSと称す)法求解部302を備え、複数の運用制約を満足し、且つ経済的な融通計画を作成することができるようにしたものである。
【0053】
この第3実施形態に示した需給計画作成装置においては、不足事業者探索部(第1の探索部)202によって、需給総括情報からある時刻断面において、運用制約違反を起こしている発電事業者(これらの発電事業者の集合を、この節では以後“グループK”と称する)及びそれらの制約違反量が収集され、運用制約違反情報が作成される。この運用制約違反情報は、例えば、図2の表で各種不足(需給バランス不足、供給予備力不足、下げしろ不足)の欄に正の値を持つ発電事業者名と、同じ列の不足量の値を収集することにより作成される。
【0054】
次に、融通可能事業者探索部(第2の探索部)203によって、同一の時刻断面で融通可能な各種電力量(融通可能電力量、融通可能上げ余裕電力量、融通可能下げ余裕電力量)を所有している発電事業者(これらの発電事業者の集合を、この節では以後“グループH”と称する)及びそれらの融通可能な各種電力量、各種融通単価が収集され、各種融通可能情報が作成される。この各種融通可能情報は、例えば、図2の表で融通可能電力量、融通可能上げ余裕電力量、融通可能下げ余裕電力量の欄に正の値を持つ発電事業者名と、同じ列の融通可能電力量、融通可能上げ余裕電力量、融通可能下げ余裕電力量を収集することにより作成される。
【0055】
また、TS法求解部302では、これらの情報から以下のようにして初期解、評価関数、近傍が作成され、評価関数の小さい融通案の探索が行われる。すなわち、「初期解」は、融通電力量、融通供給予備力、融通下げしろに関する問題を各々に独立に定式化した問題については、LP法求解部301で求めることができるので、その答えを初期解とする。
【0056】
また、「評価関数」は、例えば以下のように定義する。
【数5】
【0057】
そして、演算部30によって得られた計算結果を各種融通案格納手段40に格納する。また、各種融通案の形式は、例えば図6に示したようなものである。そして、送信手段15によって、各種融通案が各発電事業者21,22〜2nに送信される。
【0058】
この第3実施形態によれば、需給バランス、供給予備力及び下げしろが不足している発電事業者と、それらの融通が可能な発電事業者がそれぞれ複数存在するときに、前者のどの発電事業者が後者のどの発電事業者へどれだけ融通するのが全体的に見て経済的かを計算することが可能になる。また、コストは線形の関数に限らなくても良く、制約条件についても複雑なものを同時に扱うことが可能になる。
【0059】
(4)第4実施形態
本実施形態は、上記第3実施形態の変形例であって、図8に示したように、演算手段30として、グラフ作成部303と、最大マッチング作成部304を備え、この演算手段30によって得られた解である最大マッチングを格納する最大マッチング格納手段50を備えたものである。
【0060】
この第4実施形態に示した需給計画作成装置においては、不足事業者探索部(第1の探索部)202によって、需給総括情報からある時刻断面において、運用制約違反を起こしている発電事業者(これらの発電事業者の集合を、この節では以後“グループK”と称する。また、グループKに属する発電事業者を“グループKの点”とも称し、その集合を記号でVKと書くことにする。)及びそれらの制約違反量が収集され、運用制約違反情報が作成される。この運用制約違反情報は、例えば、図2の表で各種不足(需給バランス不足、供給予備力不足、下げしろ不足)の欄に正の値を持つ発電事業者名と、同じ列の不足量の値を収集することにより作成される。
【0061】
次に、融通可能事業者探索部(第2の探索部)203によって、同一の時刻断面で融通可能な各種電力量(融通可能電力量、融通可能上げ余裕電力量、融通可能下げ余裕電力量)を所有している発電事業者(これらの発電事業者の集合をこの節では以後“グループH”と称する。また、グループHに属する発電事業者を“グループHの点”とも称し、その集合を記号でVHと書くことにする。)及びそれらの融通可能な各種電力量、各種融通単価が収集され、各種融通可能情報が作成される。この各種融通可能情報は、例えば、図2の表で融通可能電力量、融通可能上げ余裕電力量、融通可能下げ余裕電力量の欄に正の値を持つ発電事業者名と、同じ列の融通可能電力量、融通可能上げ余裕電力量、融通可能下げ余裕電力量を収集することにより作成される。
【0062】
グラフ作成部303は、グループKの点の制約違反量をグループHの点の融通可能量で補える(すなわち、融通可能量>不足量)場合、これらの点を結ぶことで得られる辺の集合Eと、VK,VHとから得られる2部グラフG=(VK,VH,E)を作成する。なお、便宜上、Gの辺はVKからVHに向かうものと考え、Gを有向グラフとみなす。この2部グラフの例を図9に示す。この図では、グループHに属する発電事業者Hl〜H4と、グループKに属する発電事業者Kl〜K3及びそれらのマッチングを示している。
【0063】
最大マッチング作成部304は、2部グラフGのマッチングMに対して、その補助グラフG(M)を以下のようにして作成する。ここで、Mrは、Mに含まれる辺を全て逆向きにした集合を示している。
【数6】
V(G(M))=V(G)∪{s,t}
E(G(M))=(E−M)∪ Mr ∪{s,t}
G(M)のsからtへの有向パスが存在するか否かを、幅優先探索により求めることができるので、これらから最大マッチングは以下のアルゴリズムにより求められ、最大マッチングが作成される。
【0064】
ステップ1:M=φとする。
ステップ2:Mに関する補助グラフG(M)を作る。
ステップ3:G(M)において、sからtへの有向パスが存在すれば、それを見つけてQ’とし、FM={(s,v)|vはV1のマッチされていない点}∪{(w,t)|wはV2のマッチされていない点}とおき、Q=Q’−FMとすると、M’=(Q−Mr)∪(M−Qr)はGのマッチングであり、Mよりも辺が一本多くなっているので、M=M’とおいてステップ2に戻る。一方、sからtへの有向パスが存在しなければ、Mを最大マッチングとして終了する。
最大マッチングの例を図10に示す。この図では、Hl−K3、H2−K2、H4−Klが太線で表され、最大マッチングとして示されている。
【0065】
この第4実施形態によれば、需給バランス、供給予備力及び下げしろが不足している発電事業者と、それらの融通が可能な発電事業者がそれぞれ複数存在するが、2つの発電事業者間でしか融通が行えない場合に、組み合わせ数が最大になるような融通の計画を作成することが可能になる。
【0066】
(5)第5実施形態
本実施形態は、上記第4実施形態の変形例であって、図11に示したように、演算手段30として、グラフ作成部303と、ネットワーク作成部305と、最小費用フロー作成部306を備え、この演算手段30によって得られた解である最適ペアを格納する最適ペア格納手段60を備えたものである。
【0067】
この第5実施形態に示した需給計画作成装置においては、不足事業者探索部(第1の探索部)202によって、需給総括情報からある時刻断面において、運用制約違反を起こしている発電事業者(これらの発電事業者の集合を、この節では以後“グループK”と称する。また、グループKに属する発電事業者を“グループKの点”とも称し、その集合を記号でVKと書くことにする。)及びそれらの制約違反量が収集され、運用制約違反情報が作成される。この運用制約違反情報は、例えば、図2の表で各種不足(需給バランス不足、供給予備力不足、下げしろ不足)の欄に正の値を持つ発電事業者名と、同じ列の不足量の値を収集することにより作成される。
【0068】
次に、融通可能事業者探索部(第2の探索部)203によって、同一の時刻断面で融通可能な各種電力量(融通可能電力量、融通可能上げ余裕電力量、融通可能下げ余裕電力量)を所有している発電事業者(これらの発電事業者の集合をこの節では以後“グループH”と称する。また、グループHに属する発電事業者を“グループHの点”とも称し、その集合を記号でVHと書くことにする。)及びそれらの融通可能な各種電力量、各種融通単価が収集され、各種融通可能情報が作成される。この各種融通可能情報は、例えば、図2の表で融通可能電力量、融通可能上げ余裕電力量、融通可能下げ余裕電力量の欄に正の値を持つ発電事業者名と、同じ列の融通可能電力量、融通可能上げ余裕電力量、融通可能下げ余裕電力量を収集することにより作成される。
【0069】
そして、グループKの点の制約違反量をグループHの点の融通可能量で補える(すなわち、融通可能量>不足量)場合、グラフ作成部303によって、これらの点を結ぶことで得られる辺の集合Eと、VK,VHとから得られる2部グラフG=(VK,VH,E)が作成される。なお、便宜上、Gの辺はVKからVHに向かうものと考え、Gを有向グラフとみなす。また、ネットワーク作成部305によって、Gの各辺の容量及びコストが与えられ、ネットワークが作成される。
【0070】
例えば、辺のコストは以下のようにして計算される。なお、この値が小さいほど、融通に適するペアと考えられる。図12にネットワークの例を示す。
【数7】
【0071】
そこで、新たに、辺のコストを
【数8】
と定義し、
【数9】
と定義すれば、最も適当な融通に関するペアの作成は、辺の容量cap(e)=1とした上記の最小費用フロー問題と考えることができる。fに関する補助ネットワークN(f)は、以下で定義できる。
【数10】
【0072】
このとき、最小費用フロー作成部306は、以下のアルゴリズムで費用最小のフロー、すなわち最適ペアを作成する。
ステップ1:fに関する補助ネットワークN(f)を作る。
ステップ2:N(f)に負の長さの閉路が存在しなければ、fが最小費用フローになるので終了する。
ステップ3:負の長さの閉路が存在するときは、そのような閉路を見つけ、C上の辺の残余容量の最小値△(C)を求め、C上の各辺の流量を△(C)だけ増加する。
【0073】
すなわち、
【数11】
と更新して、ステップlに戻る。図13に最適なペアを太線で示す。
【0074】
この第5実施形態によれば、需給バランス、供給予備力及び下げしろが不足している発電事業者と、それらの融通が可能な発電事業者がそれぞれ複数存在していて、2つの発電事業者間でしか融通が行えない場合に、最も適合したペアを決定することができる。
【0075】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、融通を受ける必要がある事業者と、融通が可能な事業者がそれぞれ複数あるような状況で、経済的な融通計画を作成することができる需給計画作成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る需給計画作成装置の第1実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】需給総括情報の一例を示す図である。
【図3】本発明に係る需給計画作成装置の第2実施形態の構成を示すブロック図である。
【図4】需給融通案の一例を示す図である。
【図5】供給予備力融通案の一例を示す図である。
【図6】下げしろ融通案の一例を示す図である。
【図7】本発明に係る需給計画作成装置の第3実施形態の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明に係る需給計画作成装置の第4実施形態の構成を示すブロック図である。
【図9】第4実施形態の需給計画作成装置によって作成された2部グラフの一例を示す図である。
【図10】第4実施形態の需給計画作成装置によって得られた最大マッチングの一例を示す図である。
【図11】本発明に係る需給計画作成装置の第5実施形態の構成を示すブロック図である。
【図12】第5実施形態の需給計画作成装置によって作成されたネットワークの一例を示す図である。
【図13】第5実施形態の需給計画作成装置によって得られた最小費用フローの一例を示す図である。
【図14】従来の複数発電事業者を対象とする需給計画作成装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
11…受信手段
12…需給情報格納手段
13…需給情報総括手段
14…需給総括情報格納手段
15…送信手段
20…探索手段
201…不足事業者探索手段(第1の探索手段)
202…融通可能事業者探索手段(第2の探索手段)
21〜2n…発電事業者1〜発電事業者n
30…演算手段
301…LP法求解部
302…TS法求解部
303…グラフ作成部
304…最大マッチング作成部
305…ネットワーク作成部
306…最小費用フロー作成部
40…需給融通案格納手段
50…最大マッチング格納手段
60…最適ペア格納手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力系統の需給計画作成装置及び需給計画作成方法に係り、特に、複数の発電事業者間の融通を行う需給計画作成装置及び需給計画作成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電力系統の需給計画においては、ある時刻における供給電力量と消費電力量が常に同量となるような運用(同時同量制約)が必要であると共に、安定供給のために、電力供給部に関して、常にある一定の供給予備力(増加方向の供給余力)及び下げしろ(減少方向の供給余力)の確保が制約として要求される。これらの制約を満足した上で、より経済的な発電機の運用を計画するのが電力系統における需給計画である。このような電力系統の需給計画に関する技術としては、特許文献1、特許文献2等に記載されたものが知られている。
【0003】
図14は、複数の発電事業者による需給計画を表す図である。すなわち、各発電事業者21、22〜2nは、それぞれの契約需要家al〜anから電力需要情報bl〜bnを入手する。各発電事業者は、各々独立に、それぞれの需給計画作成手段cl〜cnを用いて、各発電事業者の電力供給量の合計とそれぞれの契約需要家の電力需要が各時刻で同量になるという需給バランスが成立するように、需給計画dl〜dnを作成する。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−308771号公報
【特許文献2】
特開平10−42472号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図14に示した従来の形態では、各発電事業者とその契約需要家間のみでの需給バランスを考慮した需給計画を作成し、各発電事業者は自社内で供給力をまかなうことを原則としているため、運用上の制約が厳しくなり、計画作成に困難が伴うという問題点があった。また、他の発電事業者間で、電力等の余剰分及び不足分を融通し合う仕組みがないため、計画の柔軟性に欠け、より経済的な運用の可能性が限定されてしまうという問題点があった。
【0006】
さらに、複数の発電事業者間で融通しようとしても、適切な指針がなく、トータルで見た経済性が悪化する可能性があった。また、複数の発電事業者に対する需給計画において、供給予備力や下げしろといった供給の信頼性に対する考慮も必要と考えられるが、この間題に対する解決は未だなされていない。
【0007】
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、融通を受ける必要がある事業者と、融通が可能な事業者がそれぞれ複数あるような状況で、経済的な融通計画を作成することができる需給計画作成装置、需給計画作成方法及び需給計画作成用プログラムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の需給計画作成装置は、複数の事業者がそれぞれ別個に作成した需給計画情報を各事業者から受信する手段と、複数の事業者から受信した需給計画情報を総括して、所定の形式にまとめる総括手段と、前記総括手段によって作成された需給総括情報を各事業者に送信する手段とを有することを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項7に記載の需給計画作成方法は、請求項1に記載の発明を方法の観点から捉えたものであって、複数の事業者がそれぞれ別個に作成した需給計画情報を各事業者から受信する処理と、複数の事業者から受信した需給計画情報を総括して、所定の形式にまとめる総括処理と、前記総括処理によって作成された需給総括情報を各事業者に送信する処理とを含むことを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項11に記載の発明は、請求項7に記載の発明をコンピュータプログラムという観点から捉えたものであって、コンピュータを制御することにより、需給計画を作成する需給計画作成用プログラムにおいて、そのプログラムは前記コンピュータに、複数の事業者がそれぞれ別個に作成した需給計画情報を各事業者から受信するステップと、複数の事業者から受信した需給計画情報を総括して、所定の形式にまとめる総括ステップと、前記総括ステップによって作成された需給総括情報を各事業者に送信するステップとを実行させるものであることを特徴とするものである。
【0011】
上記のような構成を有する請求項1、請求項7、請求項11の発明によれば、各発電事業者が他の発電事業者の需給アンバランス状況等を知ることが可能になるため、これをもとに発電事業者間の各種の電力融通を検討することが可能になる。
【0012】
請求項2に記載の需給計画作成装置は、複数の事業者がそれぞれ別個に作成した需給計画情報を各事業者から受信する手段と、複数の事業者から受信した需給計画情報を総括して、所定の形式にまとめる総括手段と、前記総括手段によって作成された需給総括情報から、ある探索対象項目について、需給不足を起こしている事業者及び不足量を探索する第1の探索手段と、その探索対象項目について、融通可能な事業者、融通可能量及び融通単価を探索する第2の探索手段と、前記第1の探索手段及び第2の探索手段による探索結果に基づいて、需給融通案を算出する演算手段と、前記需給融通案を各事業者に送信する手段とを有することを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項8に記載の需給計画作成方法は、請求項2に記載の発明を方法の観点から捉えたものであって、複数の事業者がそれぞれ別個に作成した需給計画情報を各事業者から受信する処理と、複数の事業者から受信した需給計画情報を総括して、所定の形式にまとめる総括処理と、前記総括処理によって作成された需給総括情報から、ある探索対象項目について、需給不足を起こしている事業者及び不足量を探索する第1の探索処理と、その探索対象項目について、融通可能な事業者、融通可能量及び融通単価を探索する第2の探索処理と、前記第1の探索処理及び第2の探索処理による探索結果に基づいて、需給融通案を算出する演算処理と、前記需給融通案を各事業者に送信する処理とを含むことを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項12に記載の発明は、請求項8に記載の発明をコンピュータプログラムという観点から捉えたものであって、コンピュータを制御することにより、需給計画を作成する需給計画作成用プログラムにおいて、そのプログラムは前記コンピュータに、複数の事業者がそれぞれ別個に作成した需給計画情報を各事業者から受信するステップと、複数の事業者から受信した需給計画情報を総括して、所定の形式にまとめる総括ステップと、前記総括ステップによって作成された需給総括情報から、ある探索対象項目について、需給不足を起こしている事業者及び不足量を探索する第1の探索ステップと、その探索対象項目について、融通可能な事業者、融通可能量及び融通単価を探索する第2の探索ステップと、前記第1の探索ステップ及び第2の探索ステップによる探索結果に基づいて、需給融通案を算出する演算ステップと、前記需給融通案を各事業者に送信するステップとを実行させるものであることを特徴とするものである。
【0015】
上記のような構成を有する請求項2、請求項8、請求項12の発明によれば、需給バランス等の不足を一事業者だけで確保することが無理な場合でも、その経済的な代替案を提示することが可能になり、経済性と柔軟性のある需給計画の作成が可能となる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の需給計画作成装置において、前記演算手段が、線形計画問題を求解する手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の需給計画作成装置において、前記演算手段が、タブサーチ法を用いて求解する手段を有することを特徴とするものである。
【0017】
上記のような構成を有する請求項3、請求項4の発明によれば、需給バランス等が不足している事業者と、それらの融通が可能な事業者がそれぞれ複数存在するときに、前者のどの事業者が後者のどの事業者へどれだけ融通するのがトータルで見て経済的かを計算することが可能になるため、経済性と柔軟性のある需給計画の作成が可能となる。また、コストは線形の関数に限らなくても良く、制約条件についても複雑なものを同時に扱うことが可能になる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の需給計画作成装置において、前記演算手段が、グラフ作成部と最大マッチング作成部とを有し、前記グラフ作成部において、前記第1の探索手段によって探索された第1のグループを表す点と、前記第2の探索手段によって探索された第2のグループを表す点とを辺で結んだグラフを作成し、前記最大マッチング作成部において、前記グラフの中から最大マッチングを作成することを特徴とするものである。
【0019】
また、請求項9に記載の需給計画作成方法は、請求項5に記載の発明を方法の観点から捉えたものであって、請求項8に記載の需給計画作成方法において、前記演算処理が、グラフ作成処理と最大マッチング作成処理とを含み、前記グラフ作成処理において、前記第1の探索処理によって探索された第1のグループを表す点と、前記第2の探索処理によって探索された第2のグループを表す点とを辺で結んだグラフを作成し、前記最大マッチング作成処理において、前記グラフの中から最大マッチングを作成することを特徴とするものである。
【0020】
上記のような構成を有する請求項5、請求項9の発明によれば、2事業者間でしか融通が行えない場合に、各種の不足量を最大数の事業者に分散することが可能になる。
【0021】
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載の需給計画作成装置において、前記演算手段が、グラフ作成部とネットワーク作成部と最小費用フロー作成部とを有し、前記グラフ作成部において、前記第1の探索手段によって探索された第1のグループを表す点と、前記第2の探索手段によって探索された第2のグループを表す点とを辺で結んだグラフを作成し、前記ネットワーク作成部において、前記グラフの各辺に容量及びコストを与え、前記最小費用フロー作成部において、前記グラフの中から最小費用フローを作成することを特徴とするものである。
【0022】
また、請求項10に記載の需給計画作成方法は、請求項6に記載の発明を方法の観点から捉えたものであって、請求項8に記載の需給計画作成方法において、前記演算処理が、グラフ作成処理とネットワーク作成処理と最小費用フロー作成処理とを含み、前記グラフ作成処理において、前記第1の探索処理によって探索された第1のグループを表す点と、前記第2の探索処理によって探索された第2のグループを表す点とを辺で結んだグラフを作成し、前記ネットワーク作成処理において、前記グラフの各辺に容量及びコストを与え、前記最小費用フロー作成処理において、前記グラフの中から最小費用フローを作成することを特徴とするものである。
【0023】
上記のような構成を有する請求項6、請求項10の発明によれば、2事業者間でしか融通が行えないとした場合に、最も適切な組み合わせを求めることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下、実施形態という)を、図面を参照して具体的に説明する。
【0025】
(1)第1実施形態
図1は、本発明に係る電力系統の需給計画作成装置の第1実施形態の構成を示すブロック図である。すなわち、本実施形態の需給計画作成装置は、各発電事業者21,22〜2nからそれぞれの需給情報を受信する受信手段11と、発電事業者毎の需給情報を格納する需給情報格納手段12と、発電事業者毎の需給情報を総括した需給総括情報を作成する需給情報総括手段13と、需給総括情報を格納する需給総括情報格納手段14と、この需給総括情報を各発電事業者21,22〜2nに送信する送信手段15とを備えている。
【0026】
なお、前記発電事業者毎の需給情報としては、少なくとも、発電事業者名、時刻、需給不足量、供給予備力不足量、下げしろ不足量、融通可能電力量、融通単価(融通電力を他発電事業者に売る場合の単価)、上げ余裕電力量、上げ余裕電力単価(上げ余裕電力を他発電事業者に売る場合の単価)、下げ余裕電力量、下げ余裕電力単価(下げ余裕電力を他発電事業者に売る場合の単価)の情報を含むものとする。また、前記需給総括情報は、図2に示すように、時刻をキーとして、前記発電事業者毎の需給情報を一覧できるように表形式等にまとめたものである。
【0027】
上記のような構成を有する第1実施形態によれば、各発電事業者が個別に作成した需給計画の需給アンバランス状況等を一覧で知ることが可能になるため、これをもとに発電事業者間の各種の電力融通を検討することが可能になる。
【0028】
(2)第2実施形態
図3は、本発明に係る電力系統の需給計画作成装置の第2実施形態の構成を示すブロック図である。すなわち、本実施形態の需給計画作成装置は、上記第1実施形態と同様の受信手段11、需給情報格納手段12、需給情報総括手段13、需給総括情報格納手段14及び送信手段15とを備えると共に、以下の構成を有する探索手段20と、演算手段30としてLP法求解部301とを備えている。
【0029】
また、前記探索手段20は、需給計画を作成する対象項目(例えば、電力、供給予備力等)を設定する探索対象設定部201と、前記需給総括情報を参照して、ある時刻断面において、探索対象項目について需給不足を起こしている発電事業者及びそれらの不足量を収集する不足事業者探索部(第1の探索部)202と、同じ時刻断面において、探索対象項目について融通可能な発電事業者及びそれらの融通可能量、融通単価を収集する融通可能事業者探索部(第2の探索部)203とを備えている。そして、前記不足事業者探索部(第1の探索部)202によって、不足情報が作成され、融通可能事業者探索部(第2の探索部)203によって、融通可能情報が作成されるように構成されている。
【0030】
なお、不足情報は、例えば、図2に示した表で、探索対象項目の不足分を示す欄に正の値を持つ発電事業者名とその不足量を収集することにより作成される。また、融通可能情報は、例えば、図2に示した表で、探索対象項目の余裕分を示す欄に正の値を持つ発電事業者名と、その融通可能量及び融通単価を収集することにより作成される。
【0031】
また、LP法求解部301では、前記不足情報と融通可能情報からLP法で使用する変数に値をセットする。このLP法では、例えば、以下のような定式化を行う。なお、以下に示す数式(1)は、[具体例1]に示した探索対象項目が「需給電力」の場合のものである。
【数1】
【0032】
上記のようにして定式化したLP問題を、例えばシンプレックス法により解くことができる。そして、演算手段30であるLP法求解部301は、その計算結果を需給融通案として需給融通案格納手段40に格納する。なお、需給融通案は、例えば、図4に示したような形式で表示される。そして、送信手段15によって、需給融通案が各発電事業者21,22〜2nに送信される。
【0033】
上記のような構成を有する第2実施形態によれば、探索対象項目について不足している発電事業者と、その探索対象項目について融通が可能な発電事業者がそれぞれ複数存在するときに、前者のどの発電事業者が後者のどの発電事業者からどれだけ融通してもらうのが全体的に見て経済的かを計算することが可能になる。
【0034】
[具体例1]
この具体例1は、上記第2実施形態に示した需給計画作成装置を用い、探索対象項目を「需給電力(需給バランス)」としたものである。
【0035】
すなわち、需給計画作成装置の不足事業者探索部(第1の探索部)202によって、需給総括情報からある時刻断面において需給バランス不足を起こしている発電事業者(これらの発電事業者の集合を、この節では以後“グループD”と称する)及びそれらの電力不足量が収集され、電力不足情報が作成される。
【0036】
次に、融通可能事業者探索部(第2の探索部)203によって、同一の時刻断面で融通可能な電力を所有している発電事業者(これらの発電事業者の集合を、この節では以後“グループS”と称する)及びそれらの融通可能電力量、融通単価が収集され、融通可能電力情報が作成される。
【0037】
そして、LP法求解部301によって、電力不足情報と融通可能電力情報とから、LP法で使用する変数に値がセットされる。この具体例1においては、上記の数式(1)と同様な定式化が行われる。
【数2】
【0038】
上記で定式化したLP問題を、例えばシンプレックス法により解くことができる。そして、LP法求解部301は、その計算結果を需給電力融通案格納手段40に格納する。また、需給電力融通案の形式は、例えば、図4に示したようなものである。そして、送信手段15によって、この需給電力融通案が各発電事業者21,22〜2nに送信される。
【0039】
この具体例1によれば、需給バランスが不足している発電事業者と、電力の融通が可能な発電事業者がそれぞれ複数存在するときに、前者のどの発電事業者が後者のどの発電事業者からどれだけ電力を融通してもらうのがトータルで見て経済的かを計算することが可能になる。
【0040】
[具体例2]
この具体例2は、上記第2実施形態に示した需給計画作成装置を用い、探索対象項目を「供給予備力」としたものである。
【0041】
すなわち、需給計画作成装置の不足事業者探索部(第1の探索部)202によって、需給総括情報32からある時刻断面において供給予備力不足を起こしている発電事業者(これらの発電事業者の集合を、この節では以後“グループU”と称する)及びそれらの供給予備力不足量が収集され、供給予備力不足情報が作成される。
【0042】
次に、融通可能事業者探索部(第2の探索部)203によって、同一の時刻断面で融通可能な供給予備力を所有している発電事業者(これらの発電事業者の集合を、この節では以後“グループY”と称する)及びそれらの融通可能供給予備力量、融通単価が収集され、融通可能供給予備力情報が作成される。
【0043】
そして、LP法求解部301によって、供給予備力不足情報と融通可能供給予備力情報とから、LP法で使用する変数に値がセットされる。この具体例2においては、下記の数式(2)のような定式化が行われる。
【数3】
【0044】
上記で定式化したLP問題を、例えばシンプレックス法により解くことができる。LP法求解部301は、その計算結果を供給予備力融通案格納装置40に格納する。また、供給予備力融通案の形式は、例えば、図5に示したようなものである。そして、送信手段15によって、この供給予備力融通案が各発電事業者21,22〜2nに送信される。
【0045】
この具体例2によれば、供給予備力が不足している発電事業者と、供給予備力の融通が可能な発電事業者がそれぞれ複数存在するときに、前者のどの発電事業者が後者のどの発電事業者からどれだけ供給予備力を融通してもらうのがトータルで見て経済的かを計算することが可能になる。
【0046】
[具体例3]
この具体例3は、上記第2実施形態に示した需給計画作成装置を用い、探索対象項目を「下げしろ」としたものである。
【0047】
すなわち、需給計画作成装置の不足事業者探索部(第1の探索部)202によって、需給総括情報からある時刻断面において下げしろ不足を起こしている発電事業者(これらの発電事業者の集合を、この節では以後“グループL”と称する)及びそれらの下げしろ不足量が収集され、下げしろ不足情報が作成される。
【0048】
次に、融通可能事業者探索部(第2の探索部)203によって、同一の時刻断面で融通可能な下げしろを所有している発電事業者(これらの発電事業者の集合を、この節では以後“グループW”と称する)及びそれらの融通可能下げしろ量、融通下げしろ単価が収集され、融通可能下げしろ情報が作成される。
【0049】
そして、LP法求解部301によって、下げしろ不足情報と融通可能下げしろ情報とから、LP法で使用する変数に値がセットされる。この具体例3においては、下記の数式(3)のような定式化が行われる。
【数4】
【0050】
上記で定式化したLP問題を、例えばシンプレックス法により解くことができる。LP法求解部301は、その計算結果を下げしろ融通案格納手段40に格納する。また、下げしろ融通案の形式は、例えば、図6に示したようなものである。そして、送信手段15によって、この下げしろ融通案が各発電事業者21,22〜2nに送信される。
【0051】
この具体例3によれば、下げしろが不足している発電事業者と、下げしろの融通が可能な発電事業者がそれぞれ複数存在するときに、前者のどの発電事業者が後者のどの発電事業者からどれだけ下げしろを融通してもらうのがトータルで見て経済的かを計算することが可能になる。
【0052】
(3)第3実施形態
図7は、本発明に係る電力系統の需給計画作成装置の第3実施形態の構成を示すブロック図である。すなわち、本実施形態の需給計画作成装置は、上記第2実施形態の変形例であって、需給バランス、供給予備力及び下げしろが不足している発電事業者と、それらの融通が可能な発電事業者がそれぞれ複数存在するときに、演算手段30として、LP法求解部301と共に、タブサーチ(Tabu Search:以下、TSと称す)法求解部302を備え、複数の運用制約を満足し、且つ経済的な融通計画を作成することができるようにしたものである。
【0053】
この第3実施形態に示した需給計画作成装置においては、不足事業者探索部(第1の探索部)202によって、需給総括情報からある時刻断面において、運用制約違反を起こしている発電事業者(これらの発電事業者の集合を、この節では以後“グループK”と称する)及びそれらの制約違反量が収集され、運用制約違反情報が作成される。この運用制約違反情報は、例えば、図2の表で各種不足(需給バランス不足、供給予備力不足、下げしろ不足)の欄に正の値を持つ発電事業者名と、同じ列の不足量の値を収集することにより作成される。
【0054】
次に、融通可能事業者探索部(第2の探索部)203によって、同一の時刻断面で融通可能な各種電力量(融通可能電力量、融通可能上げ余裕電力量、融通可能下げ余裕電力量)を所有している発電事業者(これらの発電事業者の集合を、この節では以後“グループH”と称する)及びそれらの融通可能な各種電力量、各種融通単価が収集され、各種融通可能情報が作成される。この各種融通可能情報は、例えば、図2の表で融通可能電力量、融通可能上げ余裕電力量、融通可能下げ余裕電力量の欄に正の値を持つ発電事業者名と、同じ列の融通可能電力量、融通可能上げ余裕電力量、融通可能下げ余裕電力量を収集することにより作成される。
【0055】
また、TS法求解部302では、これらの情報から以下のようにして初期解、評価関数、近傍が作成され、評価関数の小さい融通案の探索が行われる。すなわち、「初期解」は、融通電力量、融通供給予備力、融通下げしろに関する問題を各々に独立に定式化した問題については、LP法求解部301で求めることができるので、その答えを初期解とする。
【0056】
また、「評価関数」は、例えば以下のように定義する。
【数5】
【0057】
そして、演算部30によって得られた計算結果を各種融通案格納手段40に格納する。また、各種融通案の形式は、例えば図6に示したようなものである。そして、送信手段15によって、各種融通案が各発電事業者21,22〜2nに送信される。
【0058】
この第3実施形態によれば、需給バランス、供給予備力及び下げしろが不足している発電事業者と、それらの融通が可能な発電事業者がそれぞれ複数存在するときに、前者のどの発電事業者が後者のどの発電事業者へどれだけ融通するのが全体的に見て経済的かを計算することが可能になる。また、コストは線形の関数に限らなくても良く、制約条件についても複雑なものを同時に扱うことが可能になる。
【0059】
(4)第4実施形態
本実施形態は、上記第3実施形態の変形例であって、図8に示したように、演算手段30として、グラフ作成部303と、最大マッチング作成部304を備え、この演算手段30によって得られた解である最大マッチングを格納する最大マッチング格納手段50を備えたものである。
【0060】
この第4実施形態に示した需給計画作成装置においては、不足事業者探索部(第1の探索部)202によって、需給総括情報からある時刻断面において、運用制約違反を起こしている発電事業者(これらの発電事業者の集合を、この節では以後“グループK”と称する。また、グループKに属する発電事業者を“グループKの点”とも称し、その集合を記号でVKと書くことにする。)及びそれらの制約違反量が収集され、運用制約違反情報が作成される。この運用制約違反情報は、例えば、図2の表で各種不足(需給バランス不足、供給予備力不足、下げしろ不足)の欄に正の値を持つ発電事業者名と、同じ列の不足量の値を収集することにより作成される。
【0061】
次に、融通可能事業者探索部(第2の探索部)203によって、同一の時刻断面で融通可能な各種電力量(融通可能電力量、融通可能上げ余裕電力量、融通可能下げ余裕電力量)を所有している発電事業者(これらの発電事業者の集合をこの節では以後“グループH”と称する。また、グループHに属する発電事業者を“グループHの点”とも称し、その集合を記号でVHと書くことにする。)及びそれらの融通可能な各種電力量、各種融通単価が収集され、各種融通可能情報が作成される。この各種融通可能情報は、例えば、図2の表で融通可能電力量、融通可能上げ余裕電力量、融通可能下げ余裕電力量の欄に正の値を持つ発電事業者名と、同じ列の融通可能電力量、融通可能上げ余裕電力量、融通可能下げ余裕電力量を収集することにより作成される。
【0062】
グラフ作成部303は、グループKの点の制約違反量をグループHの点の融通可能量で補える(すなわち、融通可能量>不足量)場合、これらの点を結ぶことで得られる辺の集合Eと、VK,VHとから得られる2部グラフG=(VK,VH,E)を作成する。なお、便宜上、Gの辺はVKからVHに向かうものと考え、Gを有向グラフとみなす。この2部グラフの例を図9に示す。この図では、グループHに属する発電事業者Hl〜H4と、グループKに属する発電事業者Kl〜K3及びそれらのマッチングを示している。
【0063】
最大マッチング作成部304は、2部グラフGのマッチングMに対して、その補助グラフG(M)を以下のようにして作成する。ここで、Mrは、Mに含まれる辺を全て逆向きにした集合を示している。
【数6】
V(G(M))=V(G)∪{s,t}
E(G(M))=(E−M)∪ Mr ∪{s,t}
G(M)のsからtへの有向パスが存在するか否かを、幅優先探索により求めることができるので、これらから最大マッチングは以下のアルゴリズムにより求められ、最大マッチングが作成される。
【0064】
ステップ1:M=φとする。
ステップ2:Mに関する補助グラフG(M)を作る。
ステップ3:G(M)において、sからtへの有向パスが存在すれば、それを見つけてQ’とし、FM={(s,v)|vはV1のマッチされていない点}∪{(w,t)|wはV2のマッチされていない点}とおき、Q=Q’−FMとすると、M’=(Q−Mr)∪(M−Qr)はGのマッチングであり、Mよりも辺が一本多くなっているので、M=M’とおいてステップ2に戻る。一方、sからtへの有向パスが存在しなければ、Mを最大マッチングとして終了する。
最大マッチングの例を図10に示す。この図では、Hl−K3、H2−K2、H4−Klが太線で表され、最大マッチングとして示されている。
【0065】
この第4実施形態によれば、需給バランス、供給予備力及び下げしろが不足している発電事業者と、それらの融通が可能な発電事業者がそれぞれ複数存在するが、2つの発電事業者間でしか融通が行えない場合に、組み合わせ数が最大になるような融通の計画を作成することが可能になる。
【0066】
(5)第5実施形態
本実施形態は、上記第4実施形態の変形例であって、図11に示したように、演算手段30として、グラフ作成部303と、ネットワーク作成部305と、最小費用フロー作成部306を備え、この演算手段30によって得られた解である最適ペアを格納する最適ペア格納手段60を備えたものである。
【0067】
この第5実施形態に示した需給計画作成装置においては、不足事業者探索部(第1の探索部)202によって、需給総括情報からある時刻断面において、運用制約違反を起こしている発電事業者(これらの発電事業者の集合を、この節では以後“グループK”と称する。また、グループKに属する発電事業者を“グループKの点”とも称し、その集合を記号でVKと書くことにする。)及びそれらの制約違反量が収集され、運用制約違反情報が作成される。この運用制約違反情報は、例えば、図2の表で各種不足(需給バランス不足、供給予備力不足、下げしろ不足)の欄に正の値を持つ発電事業者名と、同じ列の不足量の値を収集することにより作成される。
【0068】
次に、融通可能事業者探索部(第2の探索部)203によって、同一の時刻断面で融通可能な各種電力量(融通可能電力量、融通可能上げ余裕電力量、融通可能下げ余裕電力量)を所有している発電事業者(これらの発電事業者の集合をこの節では以後“グループH”と称する。また、グループHに属する発電事業者を“グループHの点”とも称し、その集合を記号でVHと書くことにする。)及びそれらの融通可能な各種電力量、各種融通単価が収集され、各種融通可能情報が作成される。この各種融通可能情報は、例えば、図2の表で融通可能電力量、融通可能上げ余裕電力量、融通可能下げ余裕電力量の欄に正の値を持つ発電事業者名と、同じ列の融通可能電力量、融通可能上げ余裕電力量、融通可能下げ余裕電力量を収集することにより作成される。
【0069】
そして、グループKの点の制約違反量をグループHの点の融通可能量で補える(すなわち、融通可能量>不足量)場合、グラフ作成部303によって、これらの点を結ぶことで得られる辺の集合Eと、VK,VHとから得られる2部グラフG=(VK,VH,E)が作成される。なお、便宜上、Gの辺はVKからVHに向かうものと考え、Gを有向グラフとみなす。また、ネットワーク作成部305によって、Gの各辺の容量及びコストが与えられ、ネットワークが作成される。
【0070】
例えば、辺のコストは以下のようにして計算される。なお、この値が小さいほど、融通に適するペアと考えられる。図12にネットワークの例を示す。
【数7】
【0071】
そこで、新たに、辺のコストを
【数8】
と定義し、
【数9】
と定義すれば、最も適当な融通に関するペアの作成は、辺の容量cap(e)=1とした上記の最小費用フロー問題と考えることができる。fに関する補助ネットワークN(f)は、以下で定義できる。
【数10】
【0072】
このとき、最小費用フロー作成部306は、以下のアルゴリズムで費用最小のフロー、すなわち最適ペアを作成する。
ステップ1:fに関する補助ネットワークN(f)を作る。
ステップ2:N(f)に負の長さの閉路が存在しなければ、fが最小費用フローになるので終了する。
ステップ3:負の長さの閉路が存在するときは、そのような閉路を見つけ、C上の辺の残余容量の最小値△(C)を求め、C上の各辺の流量を△(C)だけ増加する。
【0073】
すなわち、
【数11】
と更新して、ステップlに戻る。図13に最適なペアを太線で示す。
【0074】
この第5実施形態によれば、需給バランス、供給予備力及び下げしろが不足している発電事業者と、それらの融通が可能な発電事業者がそれぞれ複数存在していて、2つの発電事業者間でしか融通が行えない場合に、最も適合したペアを決定することができる。
【0075】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、融通を受ける必要がある事業者と、融通が可能な事業者がそれぞれ複数あるような状況で、経済的な融通計画を作成することができる需給計画作成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る需給計画作成装置の第1実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】需給総括情報の一例を示す図である。
【図3】本発明に係る需給計画作成装置の第2実施形態の構成を示すブロック図である。
【図4】需給融通案の一例を示す図である。
【図5】供給予備力融通案の一例を示す図である。
【図6】下げしろ融通案の一例を示す図である。
【図7】本発明に係る需給計画作成装置の第3実施形態の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明に係る需給計画作成装置の第4実施形態の構成を示すブロック図である。
【図9】第4実施形態の需給計画作成装置によって作成された2部グラフの一例を示す図である。
【図10】第4実施形態の需給計画作成装置によって得られた最大マッチングの一例を示す図である。
【図11】本発明に係る需給計画作成装置の第5実施形態の構成を示すブロック図である。
【図12】第5実施形態の需給計画作成装置によって作成されたネットワークの一例を示す図である。
【図13】第5実施形態の需給計画作成装置によって得られた最小費用フローの一例を示す図である。
【図14】従来の複数発電事業者を対象とする需給計画作成装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
11…受信手段
12…需給情報格納手段
13…需給情報総括手段
14…需給総括情報格納手段
15…送信手段
20…探索手段
201…不足事業者探索手段(第1の探索手段)
202…融通可能事業者探索手段(第2の探索手段)
21〜2n…発電事業者1〜発電事業者n
30…演算手段
301…LP法求解部
302…TS法求解部
303…グラフ作成部
304…最大マッチング作成部
305…ネットワーク作成部
306…最小費用フロー作成部
40…需給融通案格納手段
50…最大マッチング格納手段
60…最適ペア格納手段
Claims (12)
- 複数の事業者がそれぞれ別個に作成した需給計画情報を各事業者から受信する手段と、
複数の事業者から受信した需給計画情報を総括して、所定の形式にまとめる総括手段と、
前記総括手段によって作成された需給総括情報を各事業者に送信する手段と、
を有することを特徴とする需給計画作成装置。 - 複数の事業者がそれぞれ別個に作成した需給計画情報を各事業者から受信する手段と、
複数の事業者から受信した需給計画情報を総括して、所定の形式にまとめる総括手段と、
前記総括手段によって作成された需給総括情報から、ある探索対象項目について、需給不足を起こしている事業者及び不足量を探索する第1の探索手段と、その探索対象項目について、融通可能な事業者、融通可能量及び融通単価を探索する第2の探索手段と、
前記第1の探索手段及び第2の探索手段による探索結果に基づいて、需給融通案を算出する演算手段と、
前記需給融通案を各事業者に送信する手段と、
を有することを特徴とする需給計画作成装置。 - 前記演算手段が、線形計画問題を求解する手段を有することを特徴とする請求項2に記載の需給計画作成装置。
- 前記演算手段が、タブサーチ法を用いて求解する手段を有することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の需給計画作成装置。
- 前記演算手段が、グラフ作成部と最大マッチング作成部とを有し、
前記グラフ作成部において、前記第1の探索手段によって探索された第1のグループを表す点と、前記第2の探索手段によって探索された第2のグループを表す点とを辺で結んだグラフを作成し、
前記最大マッチング作成部において、前記グラフの中から最大マッチングを作成することを特徴とする請求項2に記載の需給計画作成装置。 - 前記演算手段が、グラフ作成部とネットワーク作成部と最小費用フロー作成部とを有し、
前記グラフ作成部において、前記第1の探索手段によって探索された第1のグループを表す点と、前記第2の探索手段によって探索された第2のグループを表す点とを辺で結んだグラフを作成し、
前記ネットワーク作成部において、前記グラフの各辺に容量及びコストを与え、
前記最小費用フロー作成部において、前記グラフの中から最小費用フローを作成することを特徴とする請求項2に記載の需給計画作成装置。 - 複数の事業者がそれぞれ別個に作成した需給計画情報を各事業者から受信する処理と、
複数の事業者から受信した需給計画情報を総括して、所定の形式にまとめる総括処理と、
前記総括処理によって作成された需給総括情報を各事業者に送信する処理と、
を含むことを特徴とする需給計画作成方法。 - 複数の事業者がそれぞれ別個に作成した需給計画情報を各事業者から受信する処理と、
複数の事業者から受信した需給計画情報を総括して、所定の形式にまとめる総括処理と、
前記総括処理によって作成された需給総括情報から、ある探索対象項目について、需給不足を起こしている事業者及び不足量を探索する第1の探索処理と、その探索対象項目について、融通可能な事業者、融通可能量及び融通単価を探索する第2の探索処理と、
前記第1の探索処理及び第2の探索処理による探索結果に基づいて、需給融通案を算出する演算処理と、
前記需給融通案を各事業者に送信する処理と、
を含むことを特徴とする需給計画作成方法。 - 前記演算処理が、グラフ作成処理と最大マッチング作成処理とを含み、
前記グラフ作成処理において、前記第1の探索処理によって探索された第1のグループを表す点と、前記第2の探索処理によって探索された第2のグループを表す点とを辺で結んだグラフを作成し、
前記最大マッチング作成処理において、前記グラフの中から最大マッチングを作成することを特徴とする請求項8に記載の需給計画作成方法。 - 前記演算処理が、グラフ作成処理とネットワーク作成処理と最小費用フロー作成処理とを含み、
前記グラフ作成処理において、前記第1の探索処理によって探索された第1のグループを表す点と、前記第2の探索処理によって探索された第2のグループを表す点とを辺で結んだグラフを作成し、
前記ネットワーク作成処理において、前記グラフの各辺に容量及びコストを与え、
前記最小費用フロー作成処理において、前記グラフの中から最小費用フローを作成することを特徴とする請求項8に記載の需給計画作成方法。 - コンピュータを制御することにより、需給計画を作成する需給計画作成用プログラムにおいて、
そのプログラムは前記コンピュータに、
複数の事業者がそれぞれ別個に作成した需給計画情報を各事業者から受信するステップと、
複数の事業者から受信した需給計画情報を総括して、所定の形式にまとめる総括ステップと、
前記総括ステップによって作成された需給総括情報を各事業者に送信するステップと、
を実行させるものであることを特徴とする需給計画作成用プログラム。 - コンピュータを制御することにより、需給計画を作成する需給計画作成用プログラムにおいて、
そのプログラムは前記コンピュータに、
複数の事業者がそれぞれ別個に作成した需給計画情報を各事業者から受信するステップと、
複数の事業者から受信した需給計画情報を総括して、所定の形式にまとめる総括ステップと、
前記総括ステップによって作成された需給総括情報から、ある探索対象項目について、需給不足を起こしている事業者及び不足量を探索する第1の探索ステップと、その探索対象項目について、融通可能な事業者、融通可能量及び融通単価を探索する第2の探索ステップと、
前記第1の探索ステップ及び第2の探索ステップによる探索結果に基づいて、需給融通案を算出する演算ステップと、
前記需給融通案を各事業者に送信するステップと、
を実行させるものであることを特徴とする需給計画作成用プログラム。
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