JP4918592B2 - プラズマ処理装置およびプラズマ処理装置の使用方法 - Google Patents

プラズマ処理装置およびプラズマ処理装置の使用方法 Download PDF

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Description

本発明は、電磁波によりガスを励起させて被処理体をプラズマ処理するプラズマ処理装置に関し、特に、電磁波の伝搬を制御する機構を備えたプラズマ処理装置に関する。
電磁波を用いて生成されるプラズマのうち、マイクロ波プラズマは、誘電体板を介してマイクロ波を減圧状態の処理室内に導入することにより発生する。マイクロ波プラズマ処理装置では、プラズマの電子密度nが、カットオフ密度nよりも高い場合、マイクロ波は、プラズマ内に入り込むことができず、誘電体板とプラズマとの間を伝搬する。伝搬中、マイクロ波の一部は、エバネッセント波としてプラズマに吸収され、プラズマの維持に使われる。このようにして、誘電体板とプラズマとの間を伝搬するマイクロ波は、表面波と言われている。
表面波では、マイクロ波の周波数、プラズマの電子密度、誘電体板の形状やサイズ、誘電体板の誘電率などにより励起される伝搬モードが決定される。一般に、プラズマを発生させるための励起手段としては、2.45GHzのマイクロ波が用いられ、このマイクロ波から誘電体板の直下に生成される表面波は、一般にマルチモードの重ね合わせとして表現される。特に、被処理体の処理に好適な、1×1011cm−3〜1×1012cm−3程度の電子密度の領域では多数の表面波のモードが集中する。
一方、表面波のモードは、プラズマの電子密度に対して離散的である。よって、マルチモードから生成された表面波からは、処理に適しない不均一なプラズマが生成される可能性がある。
これに対して、誘電体板の基板側の面に隣接して複数の線状突起を有する導体板を配設することにより伝搬モードを制御する技術が開示されている(たとえば、特許文献1を参照。)。これによれば、マイクロ波が処理室へと導入される際、マイクロ波は、導体板の線状突起を避けてスロットを選択的に通過する。このとき、モードの選択が行われ、これにより、生成されるプラズマの均一性を高めることができる。
特開2000−273646号公報
しかしながら、低周波数の電磁波をプラズマ処理装置に供給した場合、誘電体板とプラズマとの間を伝搬する表面波(以下、表面波という)だけでなく、処理容器内面の金属面とプラズマとの間を伝搬する表面波(以下、導体表面波という)が発生する。導体表面波は、プラズマ中の電子密度がカットオフ密度nの2倍より低いと伝搬することができない。カットオフ密度nは電磁波の周波数の二乗に比例するので、導体表面波は周波数が低く、電子密度が高くないと伝搬することができない。さらに、導体表面波は、周波数が低いほど減衰しにくい特徴がある。
プラズマの生成に一般的に用いられている2450MHzの周波数においては、カットオフ密度nの値が7.5×1010cm−3となり、電子密度が1.5×1011cm−3以上でないと導体表面波が伝搬しない。たとえば、表面付近の電子密度が1×1011cm−3程度の低密度プラズマでは、導体表面波は全く伝搬しない。電子密度がもっと高い場合でも、減衰が大きいため導体表面波の伝搬があまり問題にならないことが多い。
一方、たとえば915MHzの周波数では、表面付近の電子密度が1×1011cm−3程度の低密度プラズマでも導体表面波が処理室の内面を長く伝搬する。
よって、低周波の電磁波を利用してプラズマ処理を実行する場合には、従来から行われていた表面波の伝搬を制御する手段に加え、導体表面波の伝搬を制御する手段を講じる必要がある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様によれば、電磁波によりガスを励起させて被処理体をプラズマ処理するプラズマ処理装置であって、金属により形成された処理容器と、電磁波を出力する電磁波源と、前記処理容器の内壁に面し、前記電磁波源から出力された電磁波を前記処理容器内に透過する誘電体板と、前記処理容器の内面に設けられた伝搬障害部とを備えるプラズマ処理装置が提供される。
図8に示したように、導体表面波TMは、溝300aに到達すると、溝300aの底面を伝搬する導体表面波TM11と溝300aをジャンプしてプラズマ中を直接伝わる透過波TM12とに分配される。導体表面波TM11と透過波TM12とは、溝300aの端部Pにて再び合流する。その際、導体表面波の一部は反射し、反射波(導体表面波TM22)となり、残りは、進行波(導体表面波TM21)となってさらに伝搬していく。
このとき、導体表面波TM11と透過波TM12との位相が180度ずれていると、合流地点Pでこの2つの波はうち消し合って、ほぼ全反射する。このとき、進行波(導体表面波TM21)は存在しない、すなわち、導体表面波TMは溝300aの先に伝搬しない。
このように、前記伝搬障害部は、前記処理容器の内面に沿って伝搬する電磁波を抑制する機構を有する。これにより、導体表面波が処理容器の内面に沿って被処理体の周囲まで伝搬し、処理の均一性が損なわれることを回避することができる。また、誘電体板間を導体表面波が伝搬し、互いに干渉してプラズマの均一性や安定性が損なわれることを回避することができる。また、被処理体の処理に使用できない位置にプラズマが立つことにより、電磁波のエネルギーが無駄に消費されることを防止することができる。さらに、導体表面波のエネルギーにより機器が損傷する恐れがある領域へ導体表面波が伝搬することを抑制することができる。
なお、処理容器の内面としては、たとえば、プラズマが接する処理容器の内壁の金属面、処理容器の内壁のうち被処理体をプラズマ処理する空間を画成する内壁の金属面、被処理体が載置された位置より上部(誘電体板側)に位置する処理容器の内壁の金属面が挙げられる。
前記伝搬障害部は、前記処理容器の内面に沿って伝搬する電磁波の少なくとも一部を反射させる溝部を含んでいてもよい。前記溝部は、前記処理容器の内面において前記誘電体の周囲を取り囲むように設けられていてもよい。また、前記溝の断面が概ね矩形であり、前記溝の幅Wと深さDが、0.26<D/W<2.3の関係を満たしていてもよい。導体表面波が、溝にてどの程度減衰するかをシミュレーションにより求めた結果、図9及び図10に示したように、導体表面波の90%が減衰する(つまり、導体表面波の90%が溝で反射し、導体表面波の10%だけが溝を超えて伝搬する)場合のアスペクト比D/Wは、下限値0.26および上限値2.3であった。この結果から、溝の形状(D/W)を0.26<D/W<2.3と適正化することにより、溝によって導体表面波の伝搬を抑制することができる。
前記溝の幅が、電磁波のプラズマへの進入長の2倍よりも小さく、前記処理容器の内面とプラズマとの間に形成されるシースの厚さの2倍よりもよりも大きくてもよい。溝の幅Wがシース厚さdの2倍以下である場合(2d≧W)、図11Aに示したように、溝の内部空間はすべてシース領域となる。この結果、溝を設けてもシース厚さdに段差が生じず、導体表面波TMにとっては、溝はないものと同じになる。したがって、溝によって導体表面波の伝搬が抑制されるためには、図11Bのように、溝の幅Wはシース厚さの2倍より大きいほうがよい。
電磁波の進入長δは、電磁波を入射したとき、電磁波がどれだけプラズマ内部に入射可能であるかを示す。よって、図12Aに示したように、溝の幅Wが、進入長δの2倍以上の場合(2δ≦W)、導体表面波TM12は、進入長δより深くプラズマ内部に入り込むことができず、溝を飛び越えて伝搬することができない。この結果、溝を設けても端部Pにて導体表面波の反射が起きず、導体表面波TM11はその伝搬を抑制されることなく溝の先に進行していく(導体表面波TM21)。したがって、溝によって導体表面波の伝搬が抑制されるためには、図12Bのように、溝の幅Wは、電磁波の進入長の2倍より小さいほうがよい。
前記溝のコーナ部の曲率半径は、処理容器の内面とプラズマとの間を伝搬する電磁波の波長λの1/40よりも小さくてもよい。
導体表面波が一箇所の曲率半径Rのコーナ部を通過するときの透過量をシミュレーションにより計算した結果を図13に示す。電子密度nは1×1012cm−3、プラズマ電位は24Vに設定した。このときのシース厚tは0.07mm、導体表面波の波長λは30.4mm、進入長δは5.3mmである。
導体表面波の透過量は、曲率半径が0mm、すなわちコーナ部が直角の場合に最も小さく、曲率半径Rの増加とともに大きくなることが分かる。コーナ部が直角の場合の透過量に対して10%透過量が増加するまでであれば、溝300aは、伝搬抑制機能を有しているとすれば、コーナ部の曲率半径が0.77mmまでが許容範囲となる。0.77mmは、導体表面波TMの波長30.4mmの約1/40(=0.77/30.4)である。以上のシミュレーション結果および考察から、発明者らは、溝300aのコーナ部の曲率半径Rが、導体表面波TMの波長λの1/40よりも小さい必要があると結論付けた。
前記伝搬障害部は、前記処理容器の内面に沿って伝搬する電磁波の少なくとも一部を反射させる凸部を含んでいてもよい。前記凸部は、前記処理容器の内面において前記誘電体の周囲を取り囲むように設けられていてもよい。図14に示したように、凸部300bの表面に沿った導体表面波TMの伝搬について、4つの角C〜Cはインピーダンスの不連続点、角C〜C間の3つの平面部はある特性インピーダンスを持った伝送線路とみなされ、4つのインピーダンスの不連続点が3つのある長さの伝送線路で結合された伝送線路フィルタと考えることができる。単一の角C〜Cのみでは、導体表面波TMを十分反射させることができなくても、凸部300bの平面部の長さ(伝送線路の長さ)を最適化することにより全体として小さな透過量を実現することができる。
凸部の高さを必要以上に高くすると、凸部の壁面にてプラズマの電子とイオンが再結合し、プラズマ密度が低くなるため、凸部の高さはなるべく低くした方が良い。しかしながら、凸部の高さはシース厚さよりも高い必要がある。導体表面波TMが凸部を段差として捉えることができる高さでなければ、凸部は、伝搬抑制機能を発揮し得ないためである。また、伝送線路の反射係数の位相は、電磁波の波長の1/2の長さで360°回転するから、凸部の高さが導体表面波TMの波長の1/2以下で全てのインピーダンスが実現できる。
よって、前記凸部の断面は、概ね矩形の場合、前記凸部の高さが、前記処理容器の内面に沿って伝搬する電磁波の波長の1/2よりも小さく、前記処理容器の内面とプラズマとの間に形成されるシースの厚さよりも大きいほうがよい。
なお、溝の形状としては、その断面が概ね矩形状、概ね半円状、概ねテーパ状であってもよい。また、凸部の形状としては、その断面が概ね矩形状、C字状、T字状であってもよい。
前記誘電体板は、複数の誘電体板から構成され、前記伝搬障害部は、各誘電体板をそれぞれ囲むように前記処理容器の内面に設けられていてもよい。これによれば、各誘電体板の下部に生成された表面波が、処理容器の内面まで伝搬し、導体表面波となって隣接する誘電体板近傍まで伝搬することを回避することにより、プラズマの均一性を高めることができる。
前記伝搬障害部は、前記複数の誘電体板の全体を囲むように前記処理容器の内面に設けられていてもよい。このとき、前記伝搬障害部は、前記処理容器の開口を囲むように前記処理容器の内面に設けられていてもよい。また、前記伝搬障害部は、前記処理容器の内壁に設けられた機器を囲むように前記処理容器の内面に設けられていてもよい。
これによれば、適切な位置に設けられた溝や凸部によって、処理容器の内壁に設けられたゲートバルブやビューポートなどの機器が導体表面波のパワーにより故障したり破損したりすることを防止することができる。また、誘電体板間を導体表面波が伝搬し、互いに干渉してプラズマの均一性が損なわれることを回避することができる。さらに、被処理体の処理に使用できない位置にプラズマが立つことにより、電磁波のエネルギーが無駄に消費されることを防止することができる。
前記複数の誘電体板は、それぞれ略正方形に形成され、等間隔に配置されていてもよい。前記伝搬障害部は、前記複数の誘電体板の間に位置する処理容器の内面に等間隔に形成されていてもよい。また、前記誘電体板は円周または多角形を構成するように連続してまたは不連続に延在して配置され、前記円周または多角形の内部の中心部を囲むように前記伝搬障害部が前記処理容器の内面に設けられていてもよい。これによれば、対称性のある複数の誘電体から導入された電磁波によりプラズマを均一に生成するとともに、複数の誘電体板の間に位置する伝搬障害部によって、導体表面波の伝搬を抑制することにより、さらにプラズマを均一に生成することができる。
前記伝搬障害部は、隣り合う誘電体板の外周面から等間隔の位置に設けられていてもよい。これによれば、誘電体板間を導体表面波が伝搬し、互いに干渉してプラズマの均一性や安定性が損なわれることを回避することができる。
前記電磁波源は、周波数が1.9GHz以下の電磁波を出力してもよい。図7に示すように、1.9GHz以下の周波数では、導体表面波が処理容器の内面に沿って被処理体の周囲まで伝搬し、被処理体の周囲に意図しないプラズマを生成して処理に悪影響を及ぼすことがあり、伝搬障害部が特に有効に機能する。
前記溝部や凸部は、概ね平行に複数設けられていてもよい。また、前記溝部や凸部は、前記溝部の断面が小さくなる程、前記金属電極から遠い位置に形成されてもよい。
図10に示したように、電子密度によって最適な溝のサイズやアスペクト比が異なる。このため、サイズやアスペクト比が異なる複数の溝を並べて配置することにより、より広い電子密度の範囲に対応することができる。また、同じサイズの溝を複数並べて配置することにより、導体表面波の伝搬をより確実に抑制することができる。
また、図18に示したように、導体表面波TMには基本波成分の他に高調波成分も含まれている。よって、高調波用の溝又は凸部を基本波用の溝又は凸部と異なる位置に設けると好ましい。
また、上記課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、周波数が1.9GHz以下の電磁波を電磁波源から出力し、前記電磁波源から出力された電磁波を導体棒に伝送させ、前記導体棒を伝送した電磁波を処理容器の内壁に面した誘電体板に透過させることにより、前記電磁波を前記処理容器内に伝送させ、処理容器の内面に設けられた伝搬障害部により導体表面波の伝搬を制御しながら、電磁波により前記処理容器に導入された処理ガスを励起させて被処理体に所望のプラズマ処理を施すプラズマ処理装置の使用方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、周波数が1.9GHz以下の電磁波を電磁波源から出力し、前記電磁波源から出力された電磁波を導体棒に伝送させ、前記導体棒を伝送した電磁波を処理容器の内壁に面した誘電体板に透過させることにより、前記電磁波を前記処理容器内に伝送させ、処理容器の内面に設けられた伝搬障害部により導体表面波の伝搬を制御しながら、電磁波により前記処理容器に導入されたクリーニングガスを励起させてプラズマ処理装置をクリーニングするプラズマ処理装置のクリーニング方法が提供される。
これらによれば、例えば1.9GHz以下の周波数の電磁波として915MHzの周波数のマイクロ波を利用した場合、2450MHzの周波数のマイクロ波を利用した場合と比べて、安定で電子温度が低いプラズマを得るための下限の電子密度を約1/7とすることができ、これまで使えなかったより広範囲な条件でプラズマ処理に適したプラズマが得られるようになり、処理装置の汎用性を著しく向上させることができる。この結果、一台の処理装置で処理条件が異なる複数の連続した処理を行うことが可能になり、高品質な製品を短時間に低コストで製造することが可能になる。
本発明の第1実施形態にかかるプラズマ処理装置の縦断面図である。 同実施形態にかかるプラズマ処理装置の天井面を示した図である。 天井面の拡大図である。 同実施形態にかかるプラズマ処理装置の分岐板近傍を拡大した断面図である。 同実施形態にかかる金属電極近傍を拡大した断面図である。 導体表面波の伝搬モデルの説明図である。 導体表面波の減衰量の周波数依存性を示すグラフである。 溝を伝搬する導体表面波の説明図である。 電子密度を変化させて溝のD/Wと透過量との関係を示したグラフである。 溝の幅を変化させて溝のD/Wと透過量との関係を示したグラフである。 溝の幅とシース厚さとの関係を説明するための図である。 溝の幅とシース厚さとの関係を説明するための図である。 溝の幅と進入長との関係を説明するための図である。 溝の幅と進入長との関係を説明するための図である。 曲率半径と透過量との関係を示したグラフである。 凸部を伝搬する導体表面波を説明するための図である。 伝搬障害部の他の例である。 伝搬障害部の他の例である。 伝搬障害部の他の例である。 伝搬障害部の他の例である。 伝搬障害部の他の例である。 伝搬障害部の他の例である。 基本波用及び高調波用の溝部を示した図である。 プラズマ処理装置の他の例である。 プラズマ処理装置の他の例である。 導体表面波の波形を示したグラフである。
符号の説明
10 プラズマ処理装置
100 処理容器
200 容器本体
300 蓋体
300a 溝
300b 凸部
305 誘電体板
305a 貫通穴
310 金属電極
315a 内部導体
500 固定機構
900 マイクロ波源
U 処理室
SW 表面波
TM 導体表面波
発明を実施するための形態
(第1実施形態)
以下に添付図面を参照しながら、まず、本発明の第1実施形態にかかるプラズマ処理装置について、本装置の縦断面を模式的に示した図1(図2の断面O−O)および処理容器の天井面を示した図2を参照しながら説明する。なお、以下の説明及び添付図面において、同一の構成及び機能を有する構成要素については、同一符号を付することにより重複説明を省略する。
(プラズマ処理装置の構成)
プラズマ処理装置10は、その内部にてガラス基板(以下、「基板G」という。)をプラズマ処理するための処理容器100を有している。処理容器100は、容器本体200と蓋体300とから構成される。容器本体200は、その上部が開口された有底立方体形状を有していて、その開口は蓋体300により閉塞されている。容器本体200と蓋体300との接触面にはOリング205が設けられていて、これにより容器本体200と蓋体300とが密閉され、処理室Uが形成される。容器本体200および蓋体300は、たとえば、アルミニウム等の金属からなり、電気的に接地されている。
処理容器100の内部には、基板Gを載置するためのサセプタ105(ステージ)が設けられている。サセプタ105は、たとえば窒化アルミニウムからなり、その内部には、給電部110およびヒータ115が設けられている。
給電部110には、整合器120(たとえば、コンデンサ)を介して高周波電源125が接続される。また、給電部110には、コイル130を介して高圧直流電源135が接続される。整合器120、高周波電源125、コイル130および高圧直流電源135は、処理容器100の外部に設けられている。また、高周波電源125および高圧直流電源135は接地されている。
給電部110は、高周波電源125から出力された高周波電力により処理容器100の内部に所定のバイアス電圧を印加するようになっている。また、給電部110は、高圧直流電源135から出力された直流電圧により基板Gを静電吸着するようになっている。
ヒータ115には、処理容器100の外部に設けられた交流電源140が接続されていて、交流電源140から出力された交流電圧により基板Gを所定の温度に保持するようになっている。サセプタ105は、支持体145に支持されていて、その周囲には処理室Uのガスの流れを好ましい状態に制御するためのバッフル板150が設けられている。
処理容器100の底部にはガス排出管155が設けられていて、処理容器100の外部に設けられた真空ポンプ(図示せず)を用いてガス排出管155から処理容器100内のガスが排出されることにより、処理室Uは所望の真空度まで減圧される。
蓋体300には、複数の誘電体板305、複数の金属電極310および複数の同軸管の内部導体315aが設けられている。図2に示したように、誘電体板305は、アルミナ(Al)により形成された、148mm×148mmの略正方形のプレートが、分岐同軸管670の管内波長をλg(915MHzにおいて328mm)としたとき、λg/2の整数倍(ここでは1倍)の等間隔にて縦横に配置されている。これにより、224枚(=14×16)の誘電体板305が、2277.4mm×2605mmの処理容器100の天井面に均等に配置される。
このように、誘電体板305は対称性のよい形状をしているため、1枚の誘電体板305の中で均一なプラズマを生じやすい。また、複数の誘電体板305がλg/2の整数倍の等間隔に配置されることにより、同軸管の内部導体315aを用いてマイクロ波を導入する場合、均一なプラズマを生成することができる。
図2をAP方向から拡大した図3を参照すると、各誘電体板305の周りの処理容器の内面には、略矩形状の溝300aが形成されている。溝300aは、隣り合う誘電体板305の外周面から等間隔の位置に設けられ、各誘電体板305を取り囲んでいる。これにより、溝300aは、導体表面波の伝搬を抑制するようになっている。
誘電体板305の下面(プラズマ側の面)には、金属電極310を囲むようにして金属電極310に対して概ね軸対称に8つの凹部305bが設けられていて、これにより、マイクロ波を均等に処理容器内に放出するようになっている。
マイクロ波が誘電体板305を透過するとき、マイクロ波の電界エネルギーは、誘電体板305に形成された凹部305bの側壁(誘電体板305の長手方向に垂直な壁面)に集中する。誘電体板305の下部に供給されるマイクロ波の電界エネルギーは、その厚さによって変わる。誘電体板305に凹部305bを設けると、その内部の電界強度が特に強くなり、凹部305bの近傍に高密度プラズマが安定して生成されるため、プラズマの安定性とプラズマ励起効率が向上する。また、誘電体板305下部のマイクロ波の電界強度は、その厚さによって変わる。
具体的には、誘電体板305が薄い部分ほど表面の電界強度が強くなる傾向がある。そこで、プラズマ密度が高くなりやすい部分の誘電体板305の厚さを厚く、逆に低くなりやすい部分の厚さを薄くすることにより、誘電体板305全面に渡ってより均一なプラズマを生成することができる。
特に、本実施形態では、誘電体板305の基板側の面には、概ね中央部に金属電極310が配置され、当該金属電極310の周囲に8個の前記凹部または凸部が概ね点対称な位置に設けられている。本実施形態では、8つの凹部305bのうち、誘電体板305の中心から離れているためプラズマ密度が低くなりやすい角部の凹部305bの深さを深く(4mm)、それ以外の凹部305bの深さを浅く(2mm)設定することにより、凹部305bの誘電体板305の厚さを最適化してより均一なプラズマが生成されるようになっている。
図5に示したように、マイクロ波は、表面波SWとなって誘電体板305とプラズマとの間を伝搬する。低周波数のマイクロ波を供給した場合、誘電体板305の端部に到達した表面波SWは、さらに、導体表面波TMとして処理容器100の内面(たとえば、処理容器の内壁の金属面)とプラズマのとの間を伝搬する。
導体表面波TMが、図3に示した隣接する誘電体板305まで伝搬すると、隣接する誘電体板305の表面を伝搬する表面波SWと干渉し合い、プラズマの均一性や安定性が損なわれるおそれがある。
これに対して、隣接する誘電体板305の外周面から等間隔な位置に各誘電体板305を取り囲むように溝300aを設けることにより、誘電体板間を導体表面波が伝搬し、互いに干渉してプラズマの均一性や安定性が損なわれることを回避することができる。また、導体表面波が処理容器の内面に沿って基板Gの周囲まで伝搬し、プロセスの均一性が損なわれることを回避することができる。また、被処理体の処理に使用できない位置にプラズマが立つことにより、マイクロ波のエネルギーが無駄に消費されることを防止することができる。さらに、導体表面波のエネルギーにより機器が損傷する恐れがある領域へ導体表面波が伝搬することを抑制することができる。
誘電体板305の中央には、貫通穴305aを介して内部導体315aの先端に連結された金属電極310が基板側に露出するように設けられていて、内部導体315aおよび金属電極310によって誘電体板305を保持するようになっている。金属電極310の露出部分の一部には、誘電体カバー320が設けられ、電界の集中を防止するようになっている。
図2のAA’A断面を示した図4を参照しながらさらに説明を続ける。同軸管315は、筒状の内部導体(軸部)315aと外部導体315bとから構成されていて、金属(好ましくは銅)により形成されている。蓋体300と内部導体315aとの間には、リング状の誘電体410と誘電体410の両端にて処理室Uの内部を真空シールするOリング415a、415bが設けられている。
内部導体315aは、蓋体300と一体に形成された蓋部300dを貫いて処理容器100の外部に突出している。内部導体315aは、連結部510、バネ部材515および短絡部520からなる固定機構500により、バネ部材515の弾性力を用いて処理容器100の外側に向かって吊り上げられている。
内部導体315aの貫通部分には、短絡部520が設けられ、同軸管315の内部導体315aと蓋部300dとを電気的に短絡させるようになっている。短絡部520は、シールドスパイラルから構成され、内部導体315aを上下に摺動可能に設けられている。なお、短絡部520に、金属ブラシを用いることもできる。
なお、短絡部520にて蓋部300dと内部導体315aとの間、および後述する誘電体615と蓋部300dとの間をOリング(図示せず)にて真空シールし、蓋部300d内の空間に不活性ガスを充填することにより、大気中の不純物が処理室内に混入することを防ぐことができる。
図1の冷媒供給源700は、冷媒配管705に接続されていて、冷媒供給源700から供給された冷媒が冷媒配管705内を循環して再び冷媒供給源700に戻ることにより、処理容器100を所望の温度に保つようになっている。ガス供給源800は、ガスライン805を介して、図4に示した内部導体315a内のガス流路から処理室内に導入される。
2台のマイクロ波源900から出力された、120kW(=60kW×2(2W/cm))のマイクロ波は、分岐導波管905、変換器605、同軸管620、同軸管600、分岐板610および同軸管315を伝送し、複数の誘電体板305を透過して処理室内に供給される。処理室Uに放出されたマイクロ波は、ガス供給源800から供給された処理ガスを励起させ、これにより生成されたプラズマを用いて基板G上に所望のプラズマ処理が実行される。
(導体表面波の伝搬抑制)
つぎに、マイクロ波の伝搬について説明し、その後、導体表面波の伝搬抑制について詳しく説明する。以下に、導体表面波TMの伝搬と周波数との関係を説明する。
(導体表面波の伝搬と周波数との関係)
プラズマの誘電率は、ε′−jε″で表わされる。プラズマの誘電率には損失成分もあるため、プラズマの誘電率は複素数で表現される。プラズマの誘電率の絶対値ε′は通常−1よりも小さい。プラズマの誘電率は、次式(1)で表される。
また、プラズマにマイクロ波を入射したときの伝搬特性は、次式(2)にて表される。
ここで、kは波数、kは真空中の波数、ωは導体表面波の周波数、νは電子衝突周波数、ωpeは次式(3)で表される電子プラズマ周波数である。
ここで、eは素電荷、nはプラズマの電子密度、εは真空中の誘電率、mは電子の質量である。
進入長δは、マイクロ波を入射したとき、マイクロ波がどれだけプラズマ内部に入射可能であるかを示す。具体的には、マイクロ波の電界強度Eがプラズマの境界面での電界強度Eの1/eに減衰するまでに進入した距離が進入長δである。進入長δは、次式(4)で表される。
δ=−1/Im(k)・・・(4)
kは、前述したように波数である。
電子密度nが次式(5)で表されるカットオフ密度nより大きい場合、マイクロ波はプラズマ中を伝搬することができず、プラズマに入射されたマイクロ波は急速に減衰する。
= εω/e・・・(5)
式(4)によれば、進入長δは、数mm〜数10mmとなり、電子密度が高いほど短くなる。また、電子密度nが、カットオフ密度nより充分大きい場合、進入長δは、周波数にあまり依存しない。
一方、プラズマのシース厚さdは、次式(6)で表される。
ここで、Vはプラズマ電位、Kはボルツマン定数、Tは電子温度、λは次式(7)で表されるデバイ長(Debye length)である。デバイ長λは、プラズマ中の電位の乱れがいかに迅速に減衰するかを示す。
式(6)によれば、シース厚さdは、数10μm〜数100μmとなる。また、シース厚さdはデバイ長λに比例することがわかる。また、式(7)では、電子密度nが高いほどデバイ長λは短くなることが理解できる。
「導体表面波TMの波長、減衰量」
導体表面波TMの伝搬モデルとして、図6に示すように、導体である蓋体300(表面波伝搬部51)の下面とプラズマPとの間に形成された無限に広い厚さdのシースgをz方向に導体表面波TMが伝搬する場合について説明する。シースgの誘電率をε=1、プラズマPの誘電率をε’−jε’ ’とする。マクスウェルの方程式から、図6のy方向の磁界Hyが満たす方程式を導くと、次のようになる。
ただし、hは固有値であり、シースの内外で次のように表される。
ここで、γは伝搬定数、hiはシースg中における固有値、heはプラズマP中における固有値である。固有値hiおよびheは、一般には複素数となる。
導体である蓋体300の下面においてz方向の電界強度が0になるという境界条件から、式(8)の一般解は、次のようになる。
ここで、AおよびBは任意定数である。
シースgとプラズマPとの境界において、磁界及び電界の接線成分が連続になることから任意定数を消去すると、以下の特性方程式が導かれる。
特性方程式(13)のうち、シース厚さdは式(6)より、プラズマPの誘電率ε’−jε’’は式(1)より求められる。従って、連立方程式(13)を解くことにより、固有値hiおよびheがそれぞれ求められる。複数の解が存在する場合には、シース内の磁界分布が双曲線関数になる解を選べばよい。さらに、式(9)より伝搬定数γが求められる。
伝搬定数γは、減衰定数αと位相定数βから、γ=α+jβと表される。伝搬定数の定義から、プラズマの電界強度Eは、次式(14)にて示される。
E=E×e−jγz=E−αzjβz・・・(14)
ここで、zは導体表面波TMの伝搬距離、Eは伝搬距離zが0のときの電界強度を示す。e−αzは導体表面波TMが伝搬とともに指数関数的に減衰する効果を表し、ejβzは導体表面波TMの位相の回転を表す。また、β=2π/λであるから、位相定数βから導体表面波TMの波長λが求められる。よって、伝搬定数γがわかると、導体表面波TMの減衰量と導体表面波TMの波長λとを算出できる。なお、減衰定数αの単位は、Np(ネーパ)/mであり、後程示す各グラフの単位dB/mとは、以下の関係がある。
1Np/m=20/ln(10)dB/m=8.686dB/m
これらの式を用いて、マイクロ波周波数が915MHz、電子温度Teが2eV、プラズマ電位Vpが24V、電子密度nが1×1011cm−3、4×1011cm−3、1×1012cm−3のときの進入長δ、シース厚さd、導体表面波TMの波長λをそれぞれ計算した。その結果を次表に示す。
導体表面波は、ある電子密度以下ではカットオフになり伝搬できない。この電子密度を導体表面波共鳴密度nとよび、式(5)で表されるカットオフ密度nの2倍の値となる。カットオフ密度nは周波数の二乗に比例するから、導体表面波は周波数が低いほど低い電子密度でも伝搬する。
導体表面波共鳴密度nの値を計算すると、2.45GHzのとき1.5×1011cm−3となる。実際のプラズマ処理条件では、表面付近の電子密度が1×1011cm−3以下になることがあるが、このような条件では導体表面波が伝搬しない。一方、915MHzのときには2.1×1010cm−3となり、2.45GHzの場合の約1/7となる。915MHzでは、表面付近の電子密度が1×1011cm−3以下となっても導体表面波が伝搬する。
「周波数の限定」
図7に示すグラフは、以下の代表的条件における導体表面波TMの減衰量の周波数依存性である。図7より、周波数を下げると減衰量が減小することが分かる。これは、次のように説明される。式(1)によれば、周波数を下げるとプラズマPの誘電率の実部ε′が負に大きくなり、プラズマインピーダンスが小さくなることが分かる。従って、プラズマにかかるマイクロ波電界がシースにかかるマイクロ波電界と比較して弱くなり、プラズマ中におけるマイクロ波の損失が小さくなるため、導体表面波TMの減衰量が減小する。処理容器内壁付近の電子密度は4×1011cm−3、電子温度は2eV、シース電圧は24V、圧力は13.3Pa、ガスはArの条件である。
図1に示したプラズマ処理装置10において、誘電体305から放出された導体表面波TMが処理容器100の内壁(蓋体300下面および容器本体200内面)に沿って基板Gの周辺まで伝搬してしまうと、処理容器100内に生成されるプラズマPが不均一になりプロセスの均一性が悪化したり、処理容器100内に基板Gを搬入出させる際に開閉されるゲートバルブや、基板Gを載置させるサセプタ105が劣化する等の弊害が生じる。導体表面波TMが誘電体305と基板G間の距離を伝搬する間に十分減衰しない場合(減衰量が20dB以下)には、導体表面波TMを反射させてそれ以上伝搬させない手段が必要になる。本実施形態にかかるプラズマ処理装置10において、誘電体305と基板G間の標準的な間隔は約0.1mであり、この距離を伝搬したときの減衰量が20dBとすれば、1mあたりの減衰量は200dB/mとなる。このときの周波数は、図7より1.9GHzであることが分かる。すなわち、1.9GHz以下のとき、導体表面波TMを反射させる手段が必要になる。
「溝300aのアスペクト比D/W」
発明者らは、伝搬抑制の効果を高めるために溝300aの形状の適正化を図った。溝300aの形状の最適化をする際に、計算に用いる電子密度をどのように設定するかが重要である。導体表面波がプラズマ中に入り込む深さは進入長δ程度であり、数mm〜十数mmである(表1参照)。このようにプラズマの表面に近い部分の電子密度を様々な処理条件において実測すると、1×1011cm−3〜1×1012cm−3であった。そこで、電子密度nを1×1011cm−3〜1×1012cm−3の範囲に定めて検討を行った。図8に示したように、断面が略矩形状の溝300aを選択した。プラズマ電位は24V、電子温度は2eVに設定した。溝300aの幅をW、深さをDとする。
溝のアスペクト比D/Wの適正値を導き出すために、電子密度nが1×1011cm−3、4×1011cm−3、1×1012cm−3の場合、導体表面波TMが、溝300aにてどの程度減衰するかをシミュレーションにより求めた。このとき、溝300aの幅Wを4mmに設定した。その結果を図9に示すとともに、この結果について図10を参照しながら以下に考察する。
図8に示したように、導体表面波TMは、溝300aに到達すると、溝300aの底面を伝搬する導体表面波TM11と溝300aをジャンプしてプラズマ中を直接伝わる透過波TM12とに分配される。導体表面波TM11と透過波TM12とは、溝300aの端部Pにて再び合流する。その際、導体表面波の一部は反射し、反射波(導体表面波TM22)となり、残りは、進行波(導体表面波TM21)となってさらに伝搬していく。
このとき、導体表面波TM11と透過波TM12との位相が180度ずれていると、合流地点Pでこの2つの波はうち消し合って、ほぼ全反射する。このとき、進行波(導体表面波TM21)は存在しない、すなわち、導体表面波TMは溝300aの先に伝搬しない。
たとえば、図9にて導体表面波TMの透過量が−10dBの場合、導体表面波TMの90%は、溝300aにより反射され、反射波TM22となって戻り、残りの10%だけが導体表面波TM21となって溝300aを超えて伝搬する。すなわち、この場合、溝300aが障害となって導体表面波の90%は溝300aにより減衰する。
図9によれば、電子密度がnが高いほど、透過量が最小となるアスペクト比D/Wの値が大きいほうにずれることが分かる。また、電子密度nが1×1011cm−3、4×1011cm−3、1×1012cm−3のすべての場合について、アスペクト比D/Wが0.26以上であれば導体表面波TMの90%以上を溝300aにて反射させることができることがわかる。導体表面波TMの90%が溝300aにて反射されれば、その溝300aは導体表面波TMの伝搬抑制機能を充分に果たしているといえる。よって、発明者らは、すべての電子密度において導体表面波TMの90%が反射される0.26をアスペクト比D/Wの下限値と定めた。
つぎに、溝300aの幅Wを4mm、6mm、12mmとした場合のアスペクト比D/Wに対する導体表面波TMの透過量を求めた結果を図10に示す。ここでは、電子密度nを1×1012cm−3に設定した。前述したように、電子密度nが高いほど、透過量が最小となるアスペクト比D/Wの値が大きいほうにずれる。よって、シミュレーション時、導体表面波TMの電子密度nを最も高く設定することによりアスペクト比D/Wの上限値を求めることができる。
溝の幅Wを変えたとき、透過量が最小となるアスペクト比D/Wの値は、W=6mmで最大値をとる。このとき、導体表面波TMの90%が溝300aにて反射されるアスペクト比D/Wは2.3となることがわかる。このようにして、発明者らは、導体表面波TMの伝搬を抑制するためは、溝300aのアスペクト比D/Wを、0.26≦D/W≦2.3を満たすように定める必要があると結論付けた。
<溝の幅W>
つぎに、発明者らは、溝300aの幅Wとシース厚さdとの関係および溝300aの幅Wと進入長δとの関係に着目して溝300aの幅Wの適正値についてつぎのように考察した。図11Aに示したように、溝300aの幅Wがシース厚さdの2倍以下である場合(2d≧W)、溝300aの内部空間はすべてシース領域となる。この結果、溝300aがある部分とない部分とのシース厚さdに段差が生じず、溝300aを設けても、導体表面波TMにとっては、溝300aはないものと同じになる。よって、2d≧Wでは、溝300aは伝搬抑制の機能を果たさない。
一方、図11Bに示したように、溝300aの幅Wがシース厚さdの2倍より大きい場合(2d<W)、溝300aの底面に沿って生じるシース領域は、0.1mm程度の幅しかないので、溝300aを設けたことによりシース領域に段差が生じる。この結果、溝300aの底面近傍に沿って伝搬する導体表面波TM11と、溝を飛び越えて伝搬する導体表面波TM12とにより溝300aの端部Pにて反射が起こり、導体表面波TMの一部は反射波(導体表面波TM22)となって、残りの導体表面波TM21だけが溝300aを超えて伝搬する。以上の考察から、発明者らは、溝300aが、導体表面波TMの伝搬抑制機能を有するためには、溝300aの幅Wは、シース厚さdの2倍より大きい(2d<W)必要があることを見いだした。
つぎに、発明者らは、溝300aの幅Wを適正化する他の方法として、溝300aの幅Wと進入長λとの関係に着目した。前述したように、進入長δは、マイクロ波がどれだけプラズマPに入射可能であるかを示す。
導体表面波TMは、プラズマPの境界面から進入長δより深く、プラズマ内部へ入射することはできない。したがって、溝300aの幅Wが、進入長δの2倍以上の場合(2δ≦W)、図12Aに示したように、透過波TM12は、進入長δより深くプラズマ内部に入り込めず、溝300aを飛び越えて伝搬することができない。このため、進入長δの2倍以上の幅Wの溝300aを設けても、溝300aの端部Pにて導体表面波TMの伝搬の抑制に有効な反射は起こらず、導体表面波TMは溝300aを超えてその先に伝搬する。
一方、図12Bに示したように、溝300aの幅Wが、進入長δの2倍より小さい場合(2δ>W)、透過波TM12が伝搬できない領域は生じない。この結果、溝300aの底面に沿って伝搬する導体表面波TM11と、溝300aを飛び越えて伝搬する導体表面波TM12とにより溝300aの端部Pにて反射が起こり、導体表面波TMの一部は反射波(導体表面波TM22)となって、残りの導体表面波TM21だけが溝300aを超えて伝搬する。以上の考察から、発明者らは、溝300aが、導体表面波TMの伝搬を抑制する機能を有するためには、溝300aの幅Wは、進入長δの2倍より小さい場合(2δ>W)必要があることを解明した。
再び図10を参照する。このときの電子密度nは1×1012cm−3であり、進入長δは5.3mmである。溝300aの幅Wが4mmおよび6mmの場合には、溝300aの幅Wが進入長δの2倍より小さいため、アスペクト比D/Wを最適化すると透過量を−40dB以下と非常に小さく抑えることが可能である。一方、W=12mmの場合には、進入長δの2倍より大きいため、アスペクト比D/Wを最適化しても透過量を−10dB以下にすることができないことがわかる。
「曲率半径」
溝のコーナ部(図8のコーナCa、Cb)やエッジ部では、インピーダンスが不連続になるため伝搬する導体表面波の一部が反射する。コーナ部やエッジ部の角が丸くなるとインピーダンスの不連続性が緩和されるため、透過量が増加する。特に、コーナ部やエッジ部の曲率半径Rが導体表面波の波長に対して無視できない程度に大きくなると、透過量が大きく増加する。
導体表面波が一箇所の曲率半径Rのコーナ部を通過するときの透過量をシミュレーションにより計算した結果を図13に示す。電子密度nは1×1012cm−3、プラズマ電位は24Vに設定した。このときのシース厚dは0.07mm、導体表面波の波長λは30.4mm、進入長δは5.3mmである。
導体表面波の透過量は、曲率半径が0mm、すなわちコーナ部が直角の場合に最も小さく、曲率半径Rの増加とともに大きくなることが分かる。コーナ部が直角の場合の透過量に対して10%透過量が増加するまでであれば、溝300aは、伝搬抑制機能を有しているとすれば、コーナ部の曲率半径が0.77mmまでが許容範囲となる。0.77mmは、導体表面波TMの波長30.4mmの約1/40(=0.77/30.4)である。以上のシミュレーション結果および考察から、溝300aのコーナ部の曲率半径Rが、導体表面波TMの波長λの1/40よりも小さい必要があると結論付けた。
「溝の位置」
上述したように、溝300aを設けることにより、表面波伝搬部51全体に伝搬させた導体表面波TMによりプラズマPを生成させることができる。即ち、溝300aで囲まれた表面波伝搬部51の下面全体でプラズマPを生成させることができるので、溝300aの位置によって、処理容器4内で生成されるプラズマPの領域を制御することが可能である。
通常、プラズマ処理装置10の処理容器100内では、基板Gの上方において、基板サイズを超えた外側の範囲まで、プラズマPを生成させ、基板Gの上面(処理面)全体に均一なプラズマ処理を行うようにしている。したがって、蓋体300の下面において、基板サイズを超えた外側の位置に溝300aを配置し、基板Gの上方において、基板サイズを超えた外側の範囲まで導体表面波を伝搬させるほうが望ましい。
また、溝300aに代えて、あるいはこれに加えて、凸部(図14凸部300b参照)を設けても良い。溝の場合は形状を後から変えることは困難であるが、凸部であれば、交換によって形状を変えることが比較的容易である。
図14に示したように、凸部300bの表面に沿った導体表面波TMの伝搬について説明する。4つの角C〜Cはインピーダンスの不連続点、角C〜C間の3つの平面部はある特性インピーダンスを持った伝送線路とみなされ、4つのインピーダンスの不連続点が3つのある長さの伝送線路で結合された伝送線路フィルタと考えることができる。単一の角C〜Cのみでは、導体表面波TMを十分反射させることができなくても、凸部300bの平面部の長さ(伝送線路の長さ)を最適化することにより全体として小さな透過量を実現することができる。
ところで、凸部300bの高さhはなるべく低くした方が良い。凸部300bの高さhを必要以上に高くすると、凸部300bの壁面にてプラズマPの電子とイオンが再結合し、プラズマ密度が低くなるため、好ましくないからである。伝送線路の反射係数の位相は、波長の1/2の長さで360°回転するから、凸部300bの高さhが導体表面波TMの波長の1/2以下で全てのインピーダンスが実現できる。
また、溝のときと同様に、凸部300bの高さhはシース厚さdよりも高い必要がある。導体表面波TMが凸部300bを段差として捉えることができる高さでなければ、凸部300bは、伝搬抑制機能を発揮し得ないためである。
以上から、発明者らは、導体表面波TMの伝搬を抑制するためは、凸部300bの高さHはシース厚さdよりも高く導体表面波TMの波長λの1/2より小さい必要があると結論付けた。
溝300aや凸部300bは、導体表面波の伝搬を抑止するために、処理容器の内面に設けられた伝搬障害部の一例である。他の例としては、図15Aの半円矩形溝、図15Bのアリ溝、図15Cのノッチ(溝300aおよび凸部300bの融合)、図15DのC形状(溝300aおよび凸部300bの融合例)、図15Eのフランジを用いた溝300a等が挙げられる。
溝部又は凸部は、概ね平行に複数設けられてもよい。また、溝部又は凸部は、前記溝部又は凸部の断面が小さくなる程、金属電極から遠い位置に形成されてもよい。
図10に示したように、電子密度によって最適な溝のサイズやアスペクト比が異なる。このため、たとえば、図15Fに示したように、幅3mm×深さ3mmの溝300a1と幅2mm×深さ5mmの溝300a2を平行に並べて設けるなど、サイズやアスペクト比が異なる複数の溝を配置することにより、より広い電子密度の範囲に対応することができる。
図18は、Arガスを導入して導体表面波でプラズマを励起し、導体表面波TMの電圧波形を実測した結果である。図18を見ると、低密度の場合(投入するマイクロ波のパワーが0.5kWのとき)にも、高密度の場合(投入するマイクロ波のパワーが1kWのとき)にも、導体表面波TMの波形には基本波成分の他に高調波成分も含まれていることがわかる。このように、導体表面波の波形に高調波成分が含まれるのは、シースに印加される電圧と電流の関係が非線形であるため、波形が歪むからである。
よって、導体表面波を確実に反射させるには、前述したように、図15Gの基本波用の溝部300a1だけでなく高調波用の溝部300a2を設けると好ましい。溝部又は凸部は、基本波用及び2次以上の高調波用に2本以上設けられていてもよい。図15Gに示したように、高調波用の溝は、基本波用の溝に対して幅及び深さが、1/l(lは高調波次数)となっていてもよい。
以上に説明したように、本実施形態にかかるプラズマ処理装置10によれば、特に、低周波のマイクロ波を投入するプラズマ処理において、エネルギーの供給が不要な位置への導体表面波の伝搬を抑制することができる。
上記実施形態において、各部の動作はお互いに関連しており、互いの関連を考慮しながら、一連の動作として置き換えることができる。そして、このように置き換えることにより、プラズマ処理装置の発明の実施形態を、プラズマ処理装置の使用方法やプラズマ処理装置のクリーニング方法の実施形態とすることができる。
なお、電気学会・マイクロ波プラズマ調査専門委員会編「マイクロ波プラズマの技術」オーム社出版、平成15年9月25日発行の序文には、本書では「「マイクロ波帯」は、UHF帯の300MHz以上の周波数領域を指している」とあることから、本明細書中においてもマイクロ波の周波数は300MHz以上とする。
ただし、上記実施形態では、915MHzのマイクロ波を出力するマイクロ波源900を挙げたが、896MHz、922MHz、2.45GHzのマイクロ波を出力するマイクロ波源であってもよい。また、マイクロ波源は、プラズマを励起するための電磁波(エネルギー)を発生する電磁波源の一例であり、100MHz以上の電磁波を出力する電磁波源であれば、マグネトロンや高周波電源も含まれる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
また、たとえば、本発明にかかるプラズマ処理装置は、上述したように同軸構造を有するプラズマ処理装置に限られず、図16に示したように、導波管350下部のスロットアンテナ355にスロット355aを切って、スロット355aにマイクロ波を通すことにより誘電体板305から処理容器内にマイクロ波を供給するプラズマ処理装置10であってもよい。プラズマ処理装置10の処理容器の内面に誘電体全体または天井面全体を囲む溝300aを設けることにより、導体表面波の伝搬を抑制して、処理の均一性が損なわれることを回避することができる。
誘電体板305の基板側の面に設けられた凹部305eは、すべてが同じ深さではなく、スロットから355aから離れるにしたがって深くなるように設定されている。給電点近傍では誘電体板305を厚くすることにより、誘電体板305の下部にてマイクロ波のエネルギーを均等に供給することにより、プラズマを均一に生成することができる。各凹部305eの位置での誘電体板305の厚さは、誘電体板305の内部をマイクロ波が伝搬する際に、マイクロ波の伝搬を実質的に妨げない厚さに設定される。
溝300aは、プラズマ処理中においてプラズマが接する処理容器100の内面であれば、どこに設けられていてもよい。たとえば、図17に示したように、ゲートバルブ210、ビューポート215、ガス排出管155等の開口を取り囲むように溝300aを形成しても良い。これにより、各機器の損失、反応生成物の付着等の不具合を回避できる。
また、内部導体315aは、複数の誘電体板に隣接または近接し、マイクロ波を複数の誘電体板に伝搬させる複数の導体棒の一例であり、導体棒は、誘電体板に電磁的に接続するとともに機械的に連結していてもよい。また、導体棒は、図17のように、複数の誘電体板に隣接していてもよく、図示していないが、複数の誘電体板に近接していて、電磁的には接続されているが機械的には連結されていない状態であってもよい。また、導体棒は、板状であっても、テーパ状であってもよい。
特に、機械的較差や熱膨張により発生した制御されない隙間は、装置の電気的特性を不安定にするのに対し、このように導体棒を誘電体板に近接させることにより、導体棒と誘電体板305との間に制御された隙間を設けた場合には、装置の電気的特性を不安定にすることなくマイクロ波を効率的に誘電体板に伝搬させることができる。
本発明にかかるプラズマ処理装置は、大面積のガラス基板、円形のシリコンウエハや角型のSOI(Silicon On Insulator)基板を処理することができる。
また、本発明にかかるプラズマ処理装置では、成膜処理、拡散処理、エッチング処理、アッシング処理などのプラズマ処理を実行することができる。

Claims (24)

  1. 電磁波によりガスを励起させて被処理体をプラズマ処理するプラズマ処理装置であって、
    金属により形成された内面を有する処理容器と、
    電磁波を出力する電磁波源と、
    前記処理容器の内壁に面し、前記電磁波源から出力された電磁波を前記処理容器内に透過する誘電体板と、
    プラズマと接する前記金属の内面に設けられた伝搬障害部とを備え、
    前記伝搬障害部は、前記誘電体板を透過した電磁波が導体表面波となって前記処理容器の金属の内面に沿って伝搬する際の、該導体表面波を抑制する機構を有するプラズマ処理装置。
  2. 前記伝搬障害部は、前記処理容器の内面に沿って伝搬する導体表面波の少なくとも一部を反射させる溝部を含む請求項1に記載されたプラズマ処理装置。
  3. 前記溝部は、前記処理容器の内面において前記誘電体の周囲を取り囲むように設けられている請求項に記載されたプラズマ処理装置。
  4. 前記溝部の断面は、概ね矩形であり、
    前記溝部の幅Wと深さDは、0.26<D/W<2.3の関係を満たす請求項に記載されたプラズマ処理装置。
  5. 前記溝部の幅が、電磁波のプラズマへの進入長の2倍よりも小さく、前記処理容器の内面とプラズマとの間に形成されるシースの厚さの2倍よりもよりも大きい請求項に記載されたプラズマ処理装置。
  6. 前記溝部のコーナ部の曲率半径は、前記導体表面波の波長λの1/40よりも小さい請求項に記載されたプラズマ処理装置。
  7. 前記溝部は、その断面が概ね矩形状、概ね半円状、概ねテーパ状の少なくともいずれかに形成されている請求項に記載されたプラズマ処理装置。
  8. 前記伝搬障害部は、前記導体表面波の少なくとも一部を反射させる凸部を含む請求項1に記載されたプラズマ処理装置。
  9. 前記凸部は、前記処理容器の内面において前記誘電体の周囲を取り囲むように設けられている請求項に記載されたプラズマ処理装置。
  10. 前記凸部の断面は、概ね矩形であり、
    前記凸部の高さが、前記導体表面波の波長の1/2よりも小さく、前記処理容器の内面とプラズマとの間に形成されるシースの厚さよりも大きい請求項に記載されたプラズマ処理装置。
  11. 前記凸部は、その断面が概ね矩形状、C字状、T字状のいずれかに形成されている請求項に記載されたプラズマ処理装置。
  12. 前記誘電体板は、複数の誘電体板から構成され、
    前記伝搬障害部は、各誘電体板をそれぞれ囲むように前記処理容器の内面に設けられている請求項1に記載されたプラズマ処理装置。
  13. 前記伝搬障害部は、前記複数の誘電体板の全体を囲むように前記処理容器の内面に設けられている請求項12に記載されたプラズマ処理装置。
  14. 前記伝搬障害部は、前記処理容器の開口を囲むように前記処理容器の内面に設けられている請求項1に記載されたプラズマ処理装置。
  15. 前記複数の誘電体板は、等間隔に配置されている請求項12に記載されたプラズマ処理装置。
  16. 前記伝搬障害部は、隣り合う誘電体板の外周面から等間隔の位置に設けられている請求項12に記載されたプラズマ処理装置。
  17. 前記電磁波源は、周波数が1.9GHz以下の電磁波を出力する請求項1に記載されたプラズマ処理装置。
  18. 前記誘電体板は円周または多角形を構成するように連続してまたは不連続に延在して配置され、前記円周または多角形の内部の中心部を囲むように前記伝搬障害部が前記処理容器の内面に設けられている請求項1に記載されたプラズマ処理装置。
  19. 前記溝部は、概ね平行に複数設けられる請求項に記載されたプラズマ処理装置。
  20. 前記溝部は、前記溝部の断面が小さくなる程、前記金属電極から遠い位置に形成される請求項19に記載されたプラズマ処理装置。
  21. 前記凸部は、概ね平行に複数設けられる請求項に記載されたプラズマ処理装置。
  22. 前記凸部は、前記溝部の断面が小さくなる程、前記金属電極から遠い位置に形成される請求項21に記載されたプラズマ処理装置。
  23. 周波数が1.9GHz以下の電磁波を電磁波源から出力し、
    前記電磁波源から出力された電磁波を導体棒に伝送させ、
    前記導体棒を伝送した電磁波を処理容器の内壁に面した誘電体板に透過させることにより、前記電磁波を前記処理容器内に伝送させ、
    前記誘電体板を透過した電磁波が、プラズマと接する前記処理容器の金属の内面に設けられた、該金属の内面を伝搬する導体表面波を抑制する機構を有する伝搬障害部により、前記電磁波が導体表面波となって該金属の内面に沿って伝搬する際の、該金属の内面を伝搬する導体表面波を抑制しながら、前記導体表面波により前記処理容器に導入された処理ガスを励起させて被処理体に所望のプラズマ処理を施すプラズマ処理装置の使用方法。
  24. 周波数が1.9GHz以下の電磁波を電磁波源から出力し、
    前記電磁波源から出力された電磁波を導体棒に伝送させ、
    前記導体棒を伝送した電磁波を処理容器の内壁に面した誘電体板に透過させることにより、前記電磁波を前記処理容器内に伝送させ、
    前記誘電体板を透過した電磁波が、プラズマと接する前記処理容器の金属の内面に設けられた、該金属の内面を伝搬する導体表面波を抑制する機構を有する伝搬障害部により前記電磁波が導体表面波となって該金属の内面に沿って伝搬する際の、該金属の内面を伝搬する導体表面波を抑制しながら、前記導体表面波により前記処理容器に導入されたクリーニングガスを励起させてプラズマ処理装置をクリーニングするプラズマ処理装置のクリーニング方法。
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