JP5036092B2 - マイクロ波プラズマ処理装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大口径半導体基板、大型液晶ディスプレイ(LCD)用ガラス基板等に、プラズマを用いたエッチング、アッシング、CVD(化学蒸着)等の処理を施すのに好適な、マイクロ波プラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSI(大規模集積回路)、LCD(液晶ディスプレイ)などを製造するプロセスにおいて、反応ガスに外部からエネルギーを与えた際に発生するプラズマが、広く用いられている。特に、プラズマを用いたドライエッチング技術は、これらのプロセスにおいて、不可欠の基本技術となっている。
【0003】
一般に、プラズマを発生させるための励起手段としては、2.45GHzのマイクロ波を用いる場合と、13.56MHzのRF(高周波:Radio Frequency)を用いる場合とが知られている。マイクロ波を用いる場合には、RFを用いる場合に比べて、高密度のプラズマが得られるとともに、プラズマを発生させるのに電極を必要としないため、電極からのコンタミネーションを防ぐことができるなどの利点がある。
【0004】
しかしながら、マイクロ波を用いた従来のプラズマ処理装置では、プラズマ領域面積が広く、かつプラズマ密度が均一になるようにプラズマを発生させることが困難であった。したがって、大口径の半導体基板(半導体ウェハ)、または、大型のLCD用ガラス基板の処理等において、マイクロ波を用いたドライエッチング処理を採用するのは困難とされていた。
【0005】
この点に関し、大面積に均一にマイクロ波プラズマを発生させることが可能なプラズマ処理装置として、表面波電界励起プラズマを利用する方式が提案されており、例えば、特開昭62-5600号公報、特開昭62-99481号公報において開示されている。このプラズマ処理装置は、処理容器の上部壁をマイクロ波の透過が可能な耐熱性板で封止し、その上方にはマイクロ波導波管に接続された誘電体線路を配置している。そして誘電体線路の表面から漏れ出た表面波電界により、プラズマが発生する。
【0006】
図28は前者のプラズマ処理装置の側断面図であり、図29は図28に示した装置の平面図である。この装置150では、金属製導体により構成された処理容器81の上部に、誘電体のマイクロ波導入板84が設けられ、これらによって処理室82は気密状態に封止されている。マイクロ波導入板84の材料には、耐熱性及びマイクロ波透過性に優れ、かつ誘電損失が低い、石英、アルミナ(Al2O3)等が採用されている。図29の例では、処理容器81(図示を略する)の平面断面形状は矩形であり、それにともなって、マイクロ波導入板84も矩形の板状に形成されている。すなわち、矩形のマイクロ波導入板84の直下に、平面視輪郭が矩形の処理室82(図示を略する)が形成されている。
【0007】
更に処理容器81には、処理容器81及びマイクロ波導入板84の上部を覆うカバー部材90が連結されており、カバー部材90とマイクロ波発振器70との間には、導波管71が連結されている。そして、カバー部材90内の天井部分には、マイクロ波導入板84との間にエアギャップ93を確保しつつ、誘電体線路91が取り付けられている。この誘電体線路91は、導波管71の幅から処理容器81を覆う程度の幅まで広がるテーパ部91aを有する平面視略5角形に形成されている。誘電体線路91の材料として、例えば、テフロン(登録商標)などのフッ素樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、または、石英などが採用され、好ましくは、フッ素樹脂が用いられる。
【0008】
処理容器81内にはマイクロ波導入板84とは対向する位置に、試料基板Wを載置するための試料台83が配設されており、これにはマッチング回路86を介してRFバイアス回路87が接続されている。また処理容器81の下部壁には図示しない排気装置に接続される排気口88が形成され、処理容器81の一側壁には所要の反応ガスを供給するためのガス供給管85が接続されている。
【0009】
このように構成されたプラズマ処理装置150を用いて、試料台83の上に載置された試料基板Wに、所定の処理を施す場合には、まず、排気口88から排気を行って処理室82内を所要の真空度に設定した後、ガス供給管85から反応ガスを供給する。次いで、マイクロ波発振器70においてマイクロ波(例えば、300MHz〜30GHzの波長を有する電磁波)を発生させ、導波管71を介して、マイクロ波を拡げるためのテーパ部91aを含む誘電体線路91へと導入する。
【0010】
すると、誘電体線路91の下方に漏れ電界が形成され、形成された電界が、エアギャップ93およびマイクロ波導入板84を透過して、さらにマイクロ波導入板84の下部に形成される。言い換えると、導波管71から誘電体線路91へ導入されたマイクロ波が、マイクロ波導入板84を介して処理室82へと、さらに導入される。
【0011】
処理室82へ導入されるマイクロ波によって、処理室82にプラズマが生成され、試料基板Wの表面に対して、例えばエッチング等の処理がなされる。この際、必要に応じて試料台83には、RFバイアス回路87によって、RFバイアスが印加される。RFバイアスによって処理室82内に形成されるバイアス電位によって、プラズマ中のイオンが加速され、試料基板Wへと導かれ、それによって、試料基板Wの表面に、例えば、異方性エッチングを施すことが可能となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、真空容器内へマイクロ波を導入し、カットオフ密度以上の高密度プラズマを形成するメカニズムが、最近になって明らかとなってきた。すなわち、永津と菅井は、文献1:「Journal of Plasma and Fusion Research, Vol. 74, No. 5 (1998), pp. 479-490」の中で、誘電体を介して真空容器内へ導入されたマイクロ波は、生成されるプラズマの密度がカットオフ密度以上であるときには、誘電体とプラズマとの間の界面に沿って、表面波として伝搬することを報告している。しかも、この表面波の伝搬モードは、電子密度(電子密度で測ったプラズマ密度)、マイクロ波周波数、および、真空容器のサイズ等によって決まると報告されている。
【0013】
真空容器である処理室82へマイクロ波を導入することによりプラズマを生成する際には、マイクロ波のパワーの増加にともなってプラズマ密度は高まる。プラズマ密度がカットオフ密度以下である場合には、マイクロ波は、処理室82に形成されたプラズマの中を減衰しながら伝搬する。しかし、プラズマ密度がカットオフ密度以上になると、マイクロ波は、誘電体であるマイクロ波導入板84と、プラズマとの間の界面を、伝搬するようになる。そして、このマイクロ波によって、マイクロ波導入板84の直下の処理室82の全域にわたって、プラズマが形成される。マイクロ波導入板84と、カットオフ密度以上のプラズマとの界面に沿って、伝搬するマイクロ波は、プラズマ表面波と称される(プラズマの伝搬形態ではなく、マイクロ波の伝搬形態を表現したものであり、本明細書では、単に「表面波」とも称する)。
【0014】
表面波では、マイクロ波の周波数、プラズマ密度、処理室82の形状とサイズ、マイクロ波導入板84の形状とサイズ、マイクロ波導入板84の誘電率等により、励起される伝搬モードが決定される。この伝搬モードについて、処理容器81が円筒形状である場合を例として考察する。円筒形状の処理容器81を備えるマイクロ波プラズマ処理装置は、例えば、図28に示した装置150を、その平面図が図29に代わって図30で描かれるように、構成することによって実現する。図30の例では、処理容器81(図示を略する)の平面断面形状は円形であり、それにともなって、マイクロ波導入板84も円形の板状に形成されている。すなわち、円形のマイクロ波導入板84の直下に、平面視輪郭が円形の処理室82(図示を略する)が形成されている。
【0015】
図30に例示される円筒形状の処理容器81を有する装置は、図31の斜視図で模式的に表現される。図31が示すように、円柱形状の処理室82の中心軸Cの位置を原点として、径方向の座標r、および、方位角方向の座標θを定義することができる。マイクロ波MWは、マイクロ波導入板84を介して、その上方から処理室82へと導入される。このとき、マイクロ波導入板84とプラズマ68との界面に形成される表面波の各モードは、周方向および径方向のそれぞれに周期性を持っており、周方向の周期数に対応する整数m(m≧1)、および、径方向の周期数に対応する整数n(n≧1)によって、識別される。本明細書では、整数mを、周方向次数と称し、整数nを、径方向次数と称する。
【0016】
図32は、周方向次数mが4であり、径方向次数nが2であるモードを例示している。図32において、白丸で囲まれた部分Pは、マイクロ波の電界が高い領域、すなわち、マイクロ波の「腹」の部位を表している。
【0017】
マイクロ波導入板84の直下に生成される表面波は、一般に、複数のモードの重ね合わせで表現される。図31に数値を例示するように、マイクロ波の周波数が、2.45GHzであり、処理室82の半径が150mm、そして、マイクロ波導入板84が、比誘電率εd=4.0の石英板として構成され、その厚さが20mmである例について、表面波のモードを計算すると、図33のグラフが示す結果が得られる。計算では、プラズマの生成のために消費されるマイクロ波のエネルギーは、考慮されない。図33のグラフは、励起される各モードが生成するプラズマの密度を表現しており、1本の水平な線分が、一つのモードに対応している。
【0018】
図33が示すように、表面波のモードはプラズマ密度に関して離散的である。しかしながら、ある領域では、プラズマ密度に関するモード間の間隔が密である。このことは、ある領域においては、無数の表面波の伝搬形式が存在することを意味している。このような無数の表面波が伝搬し得るプラズマ密度領域では、LSIが作り込まれる半導体基板、あるいは、LCDなどの試料基板Wをプラズマ処理する際に、処理に適しない不均一なプラズマが発生する可能性がある。それは、例えば、周方向次数mまたは径方向次数nが極端に小さい表面波に起因するプラズマである。このような表面波のモードが励起されると、マイクロ波導入板84から十分離れた下方に、試料基板Wを置かなければ、均一な処理は望めない。
【0019】
半導体基板等の試料基板Wの処理に好適なプラズマ密度の領域は、約7.5×1010cm-3〜約5×1012cm-3の範囲(図33の領域A)であり、中でも、約5×1011cm-3〜約1×1012cm-3の範囲(図33の領域B)が、特に有用な範囲として利用に供されている。領域Aでは、表面波のモードが密集しており、中でも、領域Bでは最も高い密度で表面波のモードが集中している。このように、有用性の高いプラズマ密度の領域と、無数の表面波のモードが存在し得るプラズマ密度の領域とは、奇しくも互いに重複している。このため、無数の表面波が励起される現象を抑制することは、実用上、重要な課題となっている。
【0020】
この発明は、従来の装置における上記した問題点を解消するためになされたもので、励起される表面波のモードを制限し、それによって、プラズマ処理の均一性を高め得るマイクロ波プラズマ処理装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の装置は、導電性のカバー部材に内挿された誘電体からなる誘電体線路に導入されるマイクロ波を、処理対象である試料を収納可能な処理室へ、誘電体のマイクロ波導入板を介して導入することにより、マイクロ波が表面波として伝搬するプラズマを前記処理室に生成し、当該プラズマを用いて前記試料に処理を行うためのプラズマ処理装置であって、前記マイクロ波導入板の前記処理室側の主面に沿って、前記マイクロ波導入板と同一部材から成り、等間隔で配列する複数の線状突起が、前記処理室に導入された前記マイクロ波のスキンデプス以上となる2.4mm以上の高さで配設されており、該複数の線状突起により、励起される表面波のモードを制限し、プラズマ処理の均一性を高めたことを特徴とする
【0022】
発明の装置では、上述のいずれかの発明のマイクロ波プラズマ処理装置において、前記線状突起が、前記マイクロ波導入板と一体成型加工されている。
【0023】
発明の装置では、上述のいずれかの発明のマイクロ波プラズマ処理装置において、前記高さが、5.3mm以上である。
【0024】
発明の装置では、上述のいずれかの発明のマイクロ波プラズマ処理装置において、前記複数の線状突起の頭部表面を被覆する導体薄膜を備える。
【0027】
発明の装置では、上述のいずれかの発明のマイクロ波プラズマ処理装置において、前記マイクロ波導入板の前記主面に沿った、前記処理室の輪郭形状が略円形であり、前記複数の線状突起が、前記略円形の径方向に沿って延在し、かつ、方位角方向に沿って等間隔で配列している。
【0028】
発明の装置では、上述のいずれかの発明のマイクロ波プラズマ処理装置において、前記マイクロ波導入板の前記主面に沿った、前記処理室の輪郭形状が略円形であり、前記複数の線状突起が、前記略円形の中心から周囲へと同心円状に等間隔で配列している。
【0029】
発明の装置では、上述のいずれかの発明のマイクロ波プラズマ処理装置において、前記マイクロ波導入板の前記主面に沿った、前記処理室の輪郭形状が略円形であり、前記複数の線状突起が、前記略円形の中心から周囲へと同心円状に等間隔で配列する部分と、これに交差するように前記略円形の径方向に沿って延在し、かつ、方位角方向に沿って等間隔で配列する部分とを含んでいる。
【0030】
発明の装置では、上述のいずれかの発明のマイクロ波プラズマ処理装置において、前記マイクロ波導入板の前記主面に沿った、前記処理室の輪郭形状が略矩形であり、前記複数の線状突起が、前記略矩形の一辺に沿って延在し、かつ、交差する他の一辺に沿って等間隔で配列している。
【0031】
発明の装置では、上述のいずれかの発明のマイクロ波プラズマ処理装置において、前記マイクロ波導入板の前記主面に沿った、前記処理室の輪郭形状が略矩形であり、前記複数の線状突起が、前記略矩形の交差する二辺に沿って格子状に等間隔で配列している。
【0032】
【発明の実施の形態】
<1.実施の形態1>
図1は、実施の形態1のマイクロ波プラズマ処理装置の側断面図である。以下の図において、図28〜図30に示した装置150と同一部分または相当部分(同一の機能をもつ部分)については、同一符号を付してその詳細な説明を略する。図1の装置101は、マイクロ波導入板84の下主面、すなわち、処理室82に対向する主面に、複数の導体の線状突起21が配設されている点において、装置150とは特徴的に異なっている。
【0033】
線状突起21は、マイクロ波導入板84の主面に沿って、等間隔で配列する。線状突起21のパターンとして、様々な形態を採ることができる。図2および図4〜図7は、線状突起21が、パターニングされ一体的に連結した導体板60の一部として形成されている例を示す。線状突起21を導体板60の一部として形成することによって、線状突起21の形成と、配設とが容易であるという利点が得られる。導体板60の材料として、例えば、金属が採用され、好ましくは、軽量で導電性に優れるアルミニウムが用いられる。
【0034】
導体板60は、装置101が円筒形状の処理容器81を備えるとき、図2、図4、または、図5に示された構造を採り、装置101の平面図は、図30と同一に描かれる。一方、図6および図7が例示する導体板60は、装置101が、平面断面形状が矩形の処理容器81を備えるときに用いられる。このとき、装置101の平面図は、図29と同一に描かれる。
【0035】
図2に例示する導体板60では、複数の線状突起21が中心軸Cの位置を原点とする径方向に沿って延在し、しかも、方位角方向に沿って、等間隔で配列している。線状突起21は、その両側に、開口部としてのスロット61を規定する。隣り合う任意の二つの線状突起21について、それらの直線的な間隔は、座標rの値が大きいほど拡大するが、本明細書では、座標θで測った間隔が等しい関係にあるものも含めて「等間隔」と表現する。
【0036】
マイクロ波導入板84を透過するマイクロ波は、線状突起21を避けて通過する(言い換えると、スロット61を選択的に通過する)ことにより、処理室82へと導入される。このため、マイクロ波導入板84の直下を表面波として伝搬するマイクロ波のモードに、線状突起21のパターンに対応した選択性が現れる。すなわち、線状突起21は、マイクロ波の「節」(図32の白丸で囲まれた部分Pの谷間に相当する部位)の位置が、線状突起21の位置に一致するモードを選択的に通過させる。このため、形成されるプラズマの密度が安定するとともに、その均一性が高められる。
【0037】
図2に例示する導体板60では、線状突起21は、半周にわたって8個形成されている。このため、周方向次数mが8である表面波のモードが、他のモードに比べて、高い強度で形成される。表面波のモードに対するこのような選択性は、線状突起21の高さHにも依存する。線状突起21の高さHは、導体板60の厚さに相当する。
【0038】
図3は、表面波のモードに対する選択性と高さHとの関係を説明するための、マイクロ波導入板84および線状突起21の縦断面図である。マイクロ波導入板84とプラズマとの界面に沿って形成される表面波は、プラズマとマイクロ波導入板84との間に形成されるイオンシースと、表面波がプラズマ中を伝搬するときの表皮厚さ(スキンデプスと称される)SDとを、足し合わせた程度の幅をもって伝搬する。
【0039】
プラズマの密度が、実用的な領域A(図33)の範囲にあるときには、イオンシースの厚さは高々0.5mm程度であるのに対して、スキンデプスSDは、約2.4mm〜約20mmの範囲にあり、さらに、プラズマ密度が領域Bの範囲にあるときには、スキンデプスSDは、約5.3mm〜約7.5mmの範囲にある。したがって、プラズマ密度が実用的な範囲にあるときには、図3が示すように、表面波の幅は、主要には、スキンデプスSDによって規定される。
【0040】
したがって、図3(a)が示すように、線状突起21の高さHが、スキンデプスSDよりも小さいときには、表面波には、線状突起21で隔てられるスロット61に局在する成分63だけでなく、線状突起21の下方に漏れ出て、線状突起21の規制を余り受けない成分64が存在する。その結果、成分64には、線状突起21に対応したモード(図2のスロット61の例では周方向次数mが8のモード)だけでなく、その他のモードも混在する。
【0041】
これに対して、図3(b)が示すように、線状突起21の高さHが、スキンデプスSDに比べて十分に大きいときには、表面波には、スロット61に局在する成分63だけが存在する。すなわち、表面波として、「節」が線状突起21の部位に位置するモード(図2のスロット61の例では周方向次数mが8のモード)が、他のモードに比して、特に高い強度で形成される。
【0042】
したがって、プラズマ密度の実用的な範囲が領域A(図33)であることを考慮すると、この領域に対応したスキンデプスSDの最小値である、約2.4mm以上に、高さHを設定することが望ましい。イオンシースの厚さを考慮しても、高さHが3.0mm以上であれば、線状突起21が、表面波のモードに対する選択性を発揮する。プラズマ密度が、特に有用な範囲である領域Bに設定されるときには、高さHは、この領域に対応したスキンデプスSDの最小値である、約5.3mm以上に設定されるのが望ましい。以上の高さHに関する好ましい範囲は、以下の図4〜図7に例示する各導体板60においても共通する。
【0043】
図4に例示する導体板60では、複数の線状突起21が、中心軸Cの位置から周囲へと同心円状に等間隔で配列している。このため、この導体板60は、表面波のモードの径方向次数nに対して、選択性を発揮する。図4に例示する導体板60では、径方向次数nが3である表面波のモードが、他のモードに比べて、高い強度で形成される。図32に示したように、中央部には腹(部分P)は位置しないので、図4の中央部の開口部は、径方向次数nに対する選択性に寄与しない。
【0044】
図5に例示する導体板60では、複数の線状突起21が、中心軸Cの位置から周囲へと同心円状に等間隔で配列する部分と、これらに交差し、中心軸Cの位置を原点とする径方向に沿って延在し、しかも、方位角方向に沿って、等間隔で配列する部分とを、含んでいる。このため、この導体板60は、表面波のモードの径方向次数nと周方向次数mの双方に対して、選択性を発揮する。
【0045】
図6に例示する導体板60では、複数の線状突起21が、処理室82の矩形の平面視輪郭の一辺(座標xの方向)に沿って帯状に延在し、しかも、交差する他の一辺(座標yの方向)に沿って等間隔で配列している。処理室82の平面視輪郭が矩形であるときには、表面波の各モードは、座標xの方向および座標yの方向のそれぞれに周期性を持っており、座標xの方向の周期数に対応する整数(≧1;本明細書ではx方向次数と称する)、および、座標yの方向の周期数に対応する整数(≧1;本明細書ではy方向次数と称する)によって、識別される。
【0046】
したがって、図6の導体板60は、表面波のモードのy方向次数に対して、選択性を発揮する。図6に例示する導体板60では、線状突起21で隔てられるスロット61が、座標yの方向に沿って6個形成されている。このため、y方向次数が6である表面波のモードが、他のモードに比べて、高い強度で形成される。
【0047】
図7に例示する導体板60では、複数の線状突起21が、座標xの方向および座標yの方向の双方に沿って、格子状に等間隔で配列している。このため、この導体板60は、表面波のモードのx方向次数とy方向次数の双方に対して、選択性を発揮する。図7に例示する導体板60では、線状突起21は、スロット61を、座標xの方向に沿って4個、座標yの方向に沿って6個規定している。このため、x方向次数が4であり、y方向次数が6である表面波のモードが、他のモードに比べて、高い強度で形成される。
【0048】
<2.実施の形態2>
図8は、実施の形態2のマイクロ波プラズマ処理装置の側断面図である。図8の装置102は、マイクロ波導入板84の下主面、すなわち、処理室82に対向する主面に、複数の線状突起22が形成されている点において、装置150(図28〜図30)とは特徴的に異なっている。マイクロ波導入板84と線状突起22とは、同一材料で形成され、互いに一体的に連結して、マイクロ波導入板65を構成している。複数の線状突起22は、マイクロ波導入板84の主面に沿って等間隔で配列している。線状突起22のパターンとして、実施の形態1で示した線状突起21と同様に、様々な形態を採ることができる。その例を、以下に示す。
【0049】
以下の図9〜図11、および、図14が例示するマイクロ波導入板65は、装置102が、円筒形状の処理容器81を備えるときに用いられる。このとき、装置102の平面図は、図30と同一に描かれる。一方、図12および図13が例示するマイクロ波導入板65は、装置102が、平面断面形状が矩形の処理容器81を備えるときに用いられる。このとき、装置102の平面図は、図29と同一に描かれる。
【0050】
図9に例示するマイクロ波導入板では、複数の線状突起22が、中心軸Cの位置を原点とする径方向に沿って延在し、しかも、方位角方向に沿って、等間隔で配列している。すなわち、図9の線状突起22のパターンは、図2の線状突起21のパターンに対応している。線状突起22は、その両側に、溝66を規定する。
【0051】
マイクロ波導入板65を透過するマイクロ波は、線状突起22を避けて通過する(言い換えると、溝66を選択的に通過する)ことにより、処理室82へと導入される。このため、マイクロ波導入板65の直下を表面波として伝搬するマイクロ波のモードに、線状突起22のパターンに対応した選択性が現れる。このため、生成されるプラズマの密度が安定するとともに、その均一性が高められる。
【0052】
図9に例示するマイクロ波導入板65では、線状突起22は、半周にわたって8個形成されている。このため、周方向次数mが8である表面波のモードが、他のモードに比べて、高い強度で形成される。このように、線状突起22は、実施の形態1の導体板60に形成された線状突起21と同等に機能する。したがって、線状突起22の高さHに関する最適条件は、線状突起21の高さHに関する最適条件と同等となる。
【0053】
以下の図10〜図13に例示する線状突起22は、図4〜図7に例示する線状突起21に対応した形状をそれぞれ有し、それぞれ同様の効果を奏する。すなわち、図10に例示するマイクロ波導入板65では、複数の線状突起22が、中心軸Cの位置から周囲へと同心円状に等間隔で配列している。このため、このマイクロ波導入板65は、表面波のモードの径方向次数nに対して、選択性を発揮する。
【0054】
図11に例示するマイクロ波導入板65では、複数の線状突起22が、中心軸Cの位置から周囲へと同心円状に等間隔で配列する部分と、これらに交差し、中心軸Cの位置を原点とする径方向に沿って延在し、しかも、方位角方向に沿って、等間隔で配列する部分とを、含んでいる。このため、このマイクロ波導入板65は、表面波のモードの径方向次数nと周方向次数mの双方に対して、選択性を発揮する。
【0055】
図12に例示するマイクロ波導入板65では、複数の線状突起22が、座標xの方向に沿って帯状に延在し、しかも、座標yの方向に沿って等間隔で配列している。このマイクロ波導入板65は、表面波のモードのy方向次数に対して、選択性を発揮する。図13に例示するマイクロ波導入板65では、複数の線状突起22が、座標xの方向および座標yの方向の双方に沿って、格子状に等間隔で配列している。このため、このマイクロ波導入板65は、表面波のモードのx方向次数とy方向次数の双方に対して、選択性を発揮する。
【0056】
図14に例示するマイクロ波導入板65は、線状突起22の頭部表面が、導体薄膜69で被覆されている点において、図9に例示したマイクロ波導入板65とは、特徴的に異なっている。言い換えると、図14の線状突起22は、図9に例示した線状突起22と同等の誘電体部67と、誘電体部67の頭部表面を被覆する導体薄膜69とを備えている。導体薄膜69は、例えば、蒸着によって形成され、その材料として、例えば、アルミニウムが用いられる。
【0057】
図14のマイクロ波導入板65では、導体薄膜69が備わるので、表面波のモードに対する選択性が、さらに高められる。図9だけでなく、図10〜図13のそれぞれに対応して、導体薄膜69を備えたマイクロ波導入板65を構成することが可能であることは、言うまでもない。
【0058】
<3.変形例>
(1)実施の形態1では、パターニングされ、しかも、一体的に連結された導体板60の一部として、複数の線状突起21が構成される例を示した。しかしながら、複数の線状突起21のみを、マイクロ波導入板84の主面に沿って配設することも可能であり、表面波のモードに対する選択性については、同等の効果が得られる。
【0059】
(2)図1には、マイクロ波を、マイクロ波導入板84を介して処理室82へと導入するための誘電体線路91が平面視略五角形に形成された例を示した。しかしながら、誘電体線路91として、他の形態を採ることも可能である。図15は、その一例に該当するマイクロ波プラズマ処理装置の側断面図であり、図16はその平面図である。図15は、図16のA−A切断線に沿った断面図に相当する。この装置103は、誘電体線路として、環状の誘電体線路12aが設けられている点において、装置101とは特徴的に異なっている。
【0060】
マイクロ波導入板84の上面及び外周面は、導電性金属を円形蓋状に成形してなるカバー部材10で覆われており、該カバー部材10は、処理容器81の上に固定されている。カバー部材10の上面には、導電性金属で構成され、試料台83に対向する環状の溝が形成された環状溝部材51と、その外周の一部に連結し、直状の溝が形成された直状溝部材52とが配設されている。
【0061】
環状溝部材51が規定する環状の溝は、カバー部材10の上面で覆われることによって、断面矩形の環状の空洞47を形成している。また、直状溝部材52が規定する直状の溝は、カバー部材10で覆われることによって、矩形孔48を形成している。環状溝部材51の外周壁の一部に形成された導入口49を通じて、空洞47と矩形孔48とが、互いに連通している。
【0062】
空洞47の底部に相当するカバー部材10の部分には、スロット15が開設されている。また、環状の空洞47および矩形孔48には、誘電体14が内嵌されている。誘電体14の材料として、例えば、テフロン(登録商標)などのフッ素樹脂、ポリエチレン樹脂、又は、ポリスチレン樹脂が採用され、好ましくは、フッ素樹脂が用いられる。
【0063】
環状の空洞47に充填されている誘電体14によって、誘電体線路12が形成されている。また、矩形孔48に充填されている誘電体14の部分によって、導入部13が形成されている。導入部13には、導波管71の一端が接続され、導波管71の他端には、マイクロ波発振器70が接続されている。したがって、マイクロ波発振器20が生成するマイクロ波は、導波管71の内部、および、導入部13を通じて、誘電体線路12へと導入される。
【0064】
誘電体線路12の周方向の長さを適切に、例えば、伝搬するマイクロ波の波長の略整数倍に設定することにより、誘電体線路12に定在波を生起することができる。この定在波は、スロット15からマイクロ波導入板84を介して処理室82へと導入される。マイクロ波導入板84の処理室82に対向する主面には、導体板60が配設されているので、装置101と同様に、表面波のモードに対する選択性が発揮される。また、装置103において、導体板60を配設する代わりに、マイクロ波導入板84を実施の形態2のマイクロ波導入板65へと置き換えることも可能である。
【0065】
装置103では、装置101とは異なり、テーパ部91aを必要とせず、導入部13を通じて誘電体線路12へと、マイクロ波を直接に入射することができるので、処理容器81の周囲に、余分な設置スペースを必要としないという利点が得られる。
【0066】
(3)上記の実施の形態では、処理室82の平面視輪郭が円形または矩形であった。しかしながら、処理室82の平面視輪郭が、円形あるいは矩形からずれても、ずれの範囲がある限度内であれば、表面波の各モードに対して、周方向次数mおよび径方向次数n、あるいは、x方向次数およびy方向次数を、同様に定義でき、これらの次数に対応した周期性が各モードに現れる。本発明において、「略円形」あるいは「略矩形」とは、この限度内で円形あるいは矩形であることを意味する。
【0067】
(4)処理室82の平面視輪郭が円形または矩形ではなく、円形または矩形から大きくずれた形態、例えば、三角形や六角形などであっても、複数のスロット61または溝66を、それぞれの形状に見合った方向に沿って、等間隔で配列することにより、表面波のモードに対する選択性を実現することが可能である。
【0068】
【実施例】
<4.実施例1>
以下では、実施の形態1のマイクロ波プラズマ処理装置に関する実施例として、実証試験の結果について説明する。試験には、装置101(図1)が用いられた。処理容器81の形状は円筒形状であり、その内径、すなわち、マイクロ波導入板84が封じる処理室82の直径は、298mmに設定された。また、マイクロ波導入板84には、直径が375mmの円形の石英板が採用された。
【0069】
マイクロ波発振器70から、2.45GHzのマイクロ波が供給され、それにより処理室82に生成されるプラズマの密度の空間分布が測定された。プラズマ密度の測定は、マイクロ波導入板84の処理室82に対向する主面から下方に50mm離れた位置、すなわち、おおよそ試料基板Wが載置される位置で、ラングミュアプローブ法を用いて行われた。また、プラズマ密度の測定は、座標rの方向に沿った、r=-150mm〜+150mmの範囲、または、座標θの方向に沿った、θ=0〜180°の範囲にわたって行われた。
【0070】
測定されたプラズマ密度の分布から、さらに、プラズマ密度の均一性が、つぎの数式1:
均一性=(Max-Min)/(Max+Min)×100% ・・(数式1)
にもとづいて、算出された。ここで、MaxおよびMinとは、それぞれ、測定された範囲でのプラズマ密度の最大値および最小値を意味する。
【0071】
図17は、図2に示した導体板60を用いたときと、用いないときの双方について、プラズマ密度の座標r方向の分布を測定した結果を示すグラフである。導体板60は、図2に示しているとおり、半周にわたって8個の線状突起21を有しており、その高さHは10mmに設定され、幅は径方向の座標rによらずに一定の5mmに設定された。測定の結果は、座標rの方向の均一性が、導体板60を用いないときには、24%であったのに対し、導体板60を用いることで、14%にまで改善でき、均一性の差で評価して10%向上することを示している。
【0072】
図18は、図4に示した導体板60を用いたときと、用いないときの双方について、プラズマ密度の座標θ方向の分布を測定した結果を示すグラフである。試験に用いられた導体板60は、径方向に沿って3個の同心円状の線状突起21を有しており、その高さHは10mmに設定され、幅は5mmに設定された。測定の結果は、座標θの方向の均一性が、導体板60を用いないときには、34%であったのに対し、導体板60を用いることで、23%にまで、均一性の差で10%以上改善できたことを示している。
【0073】
<5.実施例2>
以下では、実施の形態2のマイクロ波プラズマ処理装置に関する実施例として、実証試験の結果について説明する。試験には、装置102(図8)が用いられた。以下の図19〜図22、図26および図27の結果を得た試験では、処理容器81の形状は、円筒形状であり、その内径、すなわち、マイクロ波導入板65が封じる処理室82の直径は、298mmに設定された。このとき、マイクロ波導入板65には、直径が375mmの円形の石英板が採用された。また、以下の図23〜図25の結果を得た試験では、処理容器81の断面形状は、矩形に設定された。このとき、マイクロ波導入板65には、矩形の石英板が採用された。
【0074】
マイクロ波発振器70から、2.45GHzのマイクロ波が供給され、それにより処理室82に生成されるプラズマの密度の空間分布が測定された。プラズマ密度の測定は、マイクロ波導入板84の処理室82に対向する主面から下方に50mm離れた位置、すなわち、おおよそ試料基板Wが載置される位置で、ラングミュアプローブ法を用いて行われた。プラズマ密度の均一性は、数式1にもとづいて算出された。
【0075】
図19は、図9に示したマイクロ波導入板65を用いたときと、線状突起22のないマイクロ波導入板84を用いたときの双方について、プラズマ密度の座標r方向の分布を測定した結果を示すグラフである。マイクロ波導入板65は、図9に示しているとおり、半周にわたって8個の線状突起22を有しており、その高さHは10mmに設定され、幅も座標rによらない一定の10mmに設定された。測定の結果は、座標rの方向の均一性が、マイクロ波導入板65を用いないときには、24%であったのに対し、マイクロ波導入板65を用いることで、13%にまで、均一性の差で10%以上改善できたことを示している。
【0076】
図20は、図10に示したマイクロ波導入板65を用いたときと、線状突起22のないマイクロ波導入板84を用いたときの双方について、プラズマ密度の座標θ方向の分布を測定した結果を示すグラフである。試験に用いられたマイクロ波導入板65は、径方向に沿って3個の同心円状の線状突起22を有しており、その高さHは10mmに設定され、幅も10mmに設定された。測定の結果は、座標θの方向の均一性が、マイクロ波導入板65を用いないときには、34%であったのに対し、マイクロ波導入板65を用いることで、20%にまで、均一性の差で10%以上改善できたことを示している。
【0077】
図21および図22は、図11に示したマイクロ波導入板65を用いたときと、線状突起22のないマイクロ波導入板84を用いたときの双方について、プラズマ密度の分布を測定した結果を示すグラフである。図21は、座標rの方向の分布を示し、図22は、座標θの方向の分布を示している。試験に用いられたマイクロ波導入板65は、方位角方向に沿った半周にわたって8個、径方向に沿って3個の線状突起22を有しており、その高さHは10mmに設定され、幅も10mmに設定された。
【0078】
図21は、座標rの方向の均一性が、マイクロ波導入板65を用いないときには、24%であったのに対し、マイクロ波導入板65を用いることで、12%にまで、均一性の差で10%以上改善できたことを示している。また、図22は、座標θの方向の均一性が、マイクロ波導入板65を用いないときには、34%であったのに対し、マイクロ波導入板65を用いることで、同じく12%にまで、均一性の差で10%以上改善できたことを示している。
【0079】
図23は、図12に示したマイクロ波導入板65を用いたときと、線状突起22のないマイクロ波導入板84を用いたときの双方について、プラズマ密度の座標y方向の分布を測定した結果を示すグラフである。マイクロ波導入板65は、座標y方向に沿って10個の線状突起22を有しており、その高さHは10mmに設定され、幅も10mmに設定された。測定の結果は、座標yの方向の均一性が、マイクロ波導入板65を用いないときには、24%であったのに対し、マイクロ波導入板65を用いることで、9%にまで、均一性の差で10%以上改善できたことを示している。
【0080】
図24および図25は、図13に示したマイクロ波導入板65を用いたときと、線状突起22のないマイクロ波導入板84を用いたときの双方について、プラズマ密度の分布を測定した結果を示すグラフである。図24は、座標yの方向の分布を示し、図25は、座標θの方向の分布を示している。試験に用いられたマイクロ波導入板65は、座標xおよび座標yの双方に沿って、それぞれ10個の線状突起22を有しており、その高さHは10mmに設定され、幅も10mmに設定された。
【0081】
図24は、座標yの方向の均一性が、マイクロ波導入板65を用いないときには、24%であったのに対し、マイクロ波導入板65を用いることで、12%にまで、均一性の差で10%以上改善できたことを示している。また、図25は、座標θの方向の均一性が、マイクロ波導入板65を用いないときには、35%であったのに対し、マイクロ波導入板65を用いることで、12%にまで、均一性の差で10%以上改善できたことを示している。
【0082】
図26は、図14に示したマイクロ波導入板65を用いたときと、導体薄膜69のない図9のマイクロ波導入板65を用いたときの双方について、マイクロ波の供給と停止を繰り返すごとに、プラズマ密度を反復的に測定した結果を示すグラフである。プラズマ密度の測定点は、座標r=0の位置、すなわち、中心軸C上の位置に設定された。双方のマイクロ波導入板65は、図9および図14が示すとおり、半周にわたって8個の線状突起22を有しており、その高さHは10mmに設定され、幅も10mmに設定された。導体薄膜69は、アルミニウム薄膜を1μmの厚さに成膜することによって形成された。
【0083】
測定されたプラズマ密度の値から、プラズマ密度の再現性が、つぎの数式2:
再現性=(Max-Min)/(Max+Min)×100% ・・(数式2)
にもとづいて、算出された。ここで、MaxおよびMinとは、それぞれ、測定された範囲でのプラズマ密度の最大値および最小値を意味する。再現性は、プラズマ密度の安定性を表現している。測定の結果は、再現性が、導体薄膜69を用いないときには、15%であったのに対し、導体薄膜69を用いることで、4%にまで、再現性の差で10%以上改善できたことを示している。すなわち、プラズマ密度の空間的な均一性だけでなく、時間的な安定性も向上することが確認された。
【0084】
図27は、図9に示したマイクロ波導入板65を用い、しかも、線状突起22の高さHを二通りに変えて、マイクロ波の供給と停止を反復したときのプラズマ密度を測定した結果を示すグラフである。プラズマ密度の測定点は、座標r=0の位置、すなわち、中心軸C上の位置に設定された。線状突起22の高さHは、2mmと8mmとに設定された。マイクロ波導入板65は、図9が示すとおり、半周にわたって8個の線状突起22を有しており、線状突起22の幅は、10mmに設定された。プラズマ密度の再現性は、数式2にもとづいて算出された。
【0085】
測定の結果は、再現性が、高さHが2mmであるときには、25%であったのに対し、高さHが8mmであるときには、8%にまで、再現性の差で10%以上改善できたことを示している。すなわち、高さHが、上記した臨界値としての3.0mm以上であるか、否かで、再現性が大きく異なることが理解される。
【0086】
【発明の効果】
発明の装置では、マイクロ波のスキンデプス以上の高さで等間隔で配列する複数の線状突起が、マイクロ波導入板の処理室側の主面に配設されているので、マイクロ波導入板の主面と処理室に生成されるプラズマとの界面に沿って伝搬するマイクロ波の表面波のモードに、線状突起の配列パターンに応じた選択性が現れる。このため、生成されるプラズマの密度が安定するとともに、その均一性が高められる。
【0087】
発明の装置では、線状突起の高さが3mm以上であるので、約7.5×1010cm-3〜約5×1012cm-3の範囲にある実用的なプラズマ密度に対して、表面波のモードに対する選択性が発揮され、プラズマ密度の安定性と均一性が高められる。
【0088】
発明の装置では、線状突起が導体から成るので、表面波のモードに対する選択性が高い。
【0089】
発明の装置では、導体から成る線状突起が、パターニングされた導体板の一部として一体的に連結するように形成されるので、線状突起の形成と、配設とが容易である。
【0090】
発明の装置では、線状突起が、マイクロ波導入板と同一材料から成るので、一体成型加工等を通じて、線状突起を有するマイクロ波導入板を容易に形成することができる。
【0091】
発明の装置では、誘電体の線状突起の頭部表面が、導体で被覆されているので、表面波のモードに対する選択性が高められる。
【0092】
発明の装置では、処理室の輪郭が略円形であって、線状突起が、略円形の中心から周囲へと放射状に配列するので、表面波のモードの周方向次数に選択性が現れる。
【0093】
発明の装置では、処理室の輪郭が略円形であって、線状突起が、略円形の中心から周囲へと同心円に配列するので、表面波のモードの径方向次数に選択性が現れる。
【0094】
発明の装置では、処理室の輪郭が略円形であって、線状突起が、略円形の中心から周囲へと同心円に配列する部分と、略円形の中心から周囲へと放射状に配列する部分とを含んでいるので、表面波のモードの周方向次数と径方向次数の双方に選択性が現れる。
【0095】
発明の装置では、処理室の輪郭が略矩形であって、線状突起が、略矩形の一辺に沿って延在し、これと交差する他の一辺に沿って、等間隔で配列するので、表面波のモードの他の一辺に沿った方向の次数に選択性が現れる。
【0096】
発明の装置では、処理室の輪郭が略矩形であって、線状突起が、略矩形の交差する二辺に沿って、格子状に等間隔で配列するので、表面波のモードの二辺に沿った方向の次数に選択性が現れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の装置の側断面図である。
【図2】 実施の形態1の導体板の斜視図である。
【図3】 線状突起の機能の説明図である。
【図4】 実施の形態1の導体板の斜視図である。
【図5】 実施の形態1の導体板の斜視図である。
【図6】 実施の形態1の導体板の斜視図である。
【図7】 実施の形態1の導体板の斜視図である。
【図8】 実施の形態2の装置の側断面図である。
【図9】 実施の形態2のマイクロ波導入板導体板の斜視図である。
【図10】 実施の形態2のマイクロ波導入板導体板の斜視図である。
【図11】 実施の形態2のマイクロ波導入板導体板の斜視図である。
【図12】 実施の形態2のマイクロ波導入板導体板の斜視図である。
【図13】 実施の形態2のマイクロ波導入板導体板の斜視図である。
【図14】 実施の形態2のマイクロ波導入板導体板の斜視図である。
【図15】 変形例の装置の側断面図である。
【図16】 変形例の装置の平面図である。
【図17】 図2の導体板を用いた実証試験の結果を示すグラフである。
【図18】 図4の導体板を用いた実証試験の結果を示すグラフである。
【図19】 図9の導体板を用いた実証試験の結果を示すグラフである。
【図20】 図10の導体板を用いた実証試験の結果を示すグラフである。
【図21】 図11の導体板を用いた実証試験の結果を示すグラフである。
【図22】 図11の導体板を用いた実証試験の結果を示すグラフである。
【図23】 図12の導体板を用いた実証試験の結果を示すグラフである。
【図24】 図13の導体板を用いた実証試験の結果を示すグラフである。
【図25】 図13の導体板を用いた実証試験の結果を示すグラフである。
【図26】 図14の導体板を用いた実証試験の結果を示すグラフである。
【図27】 図9の導体板を用いた実証試験の結果を示すグラフである。
【図28】 従来の装置の側断面図である。
【図29】 従来の装置の平面図である。
【図30】 従来の装置の平面図である。
【図31】 図30の装置を模式的に示す斜視図である。
【図32】 表面波のモードを例示する模式図である。
【図33】 表面波のモードのプラズマ密度に対するスペクトル図である。
【符号の説明】
12,91 誘電体線路
21,22 線状突起
60 導体板
67 誘電体部
69 導体薄膜
82 処理室
84 マイクロ波導入板
H 高さ
MW マイクロ波
SD スキンデプス
W 試料

Claims (9)

  1. 導電性のカバー部材に内挿された誘電体からなる誘電体線路に導入されるマイクロ波を、処理対象である試料を収納可能な処理室へ、誘電体のマイクロ波導入板を介して導入することにより、マイクロ波が表面波として伝搬するプラズマを前記処理室に生成し、当該プラズマを用いて前記試料に処理を行うためのプラズマ処理装置であって、
    前記マイクロ波導入板の前記処理室側の主面に沿って、前記マイクロ波導入板と同一部材から成り、等間隔で配列する複数の線状突起が、前記処理室に導入された前記マイクロ波のスキンデプス以上となる2.4mm以上の高さで配設されており、該複数の線状突起により、励起される表面波のモードを制限し、プラズマ処理の均一性を高めたことを特徴とするマイクロ波プラズマ処理装置。
  2. 前記線状突起が、前記マイクロ波導入板と一体成型加工されている請求項1に記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
  3. 前記高さが、5.3mm以上である、請求項1又は請求項2に記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
  4. 前記複数の線状突起の頭部表面を被覆する導体薄膜を備える請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
  5. 前記マイクロ波導入板の前記主面に沿った、前記処理室の輪郭形状が略円形であり、前記複数の線状突起が、前記略円形の径方向に沿って延在し、かつ、方位角方向に沿って等間隔で配列している、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
  6. 前記マイクロ波導入板の前記主面に沿った、前記処理室の輪郭形状が略円形であり、前記複数の線状突起が、前記略円形の中心から周囲へと同心円状に等間隔で配列している、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
  7. 前記マイクロ波導入板の前記主面に沿った、前記処理室の輪郭形状が略円形であり、前記複数の線状突起が、前記略円形の中心から周囲へと同心円状に等間隔で配列する部分と、これに交差するように前記略円形の径方向に沿って延在し、かつ、方位角方向に沿って等間隔で配列する部分とを含んでいる、請求項1ないし請求項4のいず
    れかに記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
  8. 前記マイクロ波導入板の前記主面に沿った、前記処理室の輪郭形状が略矩形であり、前記複数の線状突起が、前記略矩形の一辺に沿って延在し、かつ、交差する他の一辺に沿って等間隔で配列している、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
  9. 前記マイクロ波導入板の前記主面に沿った、前記処理室の輪郭形状が略矩形であり、前記複数の線状突起が、前記略矩形の交差する二辺に沿って格子状に等間隔で配列している、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
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