JP4918585B2 - サイレージ中のエタノール濃度を増加する方法、及びその方法によりエタノール濃度が増加したサイレージ - Google Patents

サイレージ中のエタノール濃度を増加する方法、及びその方法によりエタノール濃度が増加したサイレージ Download PDF

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本発明は、高品質のサイレージ、特に製造時や開封給与時のカビ発生や二次発酵が抑制されたサイレージを製造するために、サイレージ中のエタノール濃度を増加する方法、及びその方法によりエタノール濃度が増加したサイレージに関する。
サイレージは、一定水分を含有させた牧草・飼料作物や食品副産物等のサイレージ原料を密封貯蔵し、嫌気的条件下で原料に含まれる糖分と乳酸菌等により乳酸発酵等させることで、乳酸・酢酸等の有機酸を生成させて製造する貯蔵用飼料である。サイレージは、製造する際に、カビの発生が生じたり、給与するために好気的条件下に置かれた際に、二次発酵(サイレージの開封時に空気に曝された際に生じる好気的変敗を言う。)が生じて嗜好性等の品質が低下する場合がある。
従来から、このような品質低下を防止するため、乳酸菌製剤の添加により乳酸発酵を促進させたり、プロピオン酸等の薬剤の添加によりカビ発生や二次発酵の抑制が行われている。しかしながら、乳酸発酵の促進しても、乳酸には抗真菌活性がほとんどないため、二次発酵の抑制効果は期待できない。また、プロピオン酸は設備の腐食や人体への危険性があるため、使用し難いという問題がある。
一方、上記の問題点を解決するために、サイレージの製造に際して、エタノールをサイレージ原料に添加し、カビ発生等を抑制し、高品質のサイレージを製造する方法が報告されている(特許文献1)。しかしながら、エタノールは高価であり、また、高濃度品を添加する場合は引火する危険性があり、低濃度品を使用する場合は保存容器の確保や輸送コストが高額になる問題がある。
一般に、サイレージの製造中に、サイレージ原料に含まれる酵母によりエタノール発酵が生じ、少量のエタノールが生成する。従って、サイレージ原料中に単糖類を多く含む食品副産物等の原料を添加し、エタノール発酵を促進してサイレージ中のエタノール濃度を増加する方法が提案されている(非特許文献1)。
特開平5−49411号公報
古本 史、酪農ジャーナル、2002年9月号、16−18頁。
しかしながら、一般に、単糖類を添加する場合は添加量が多く、ハンドリングが悪い。また、単糖類の濃度が高い原料は高価であり、濃度が低い原料は保存容器の確保や輸送コストが高額になると言う問題がある。更に、夏場、外気温が30℃以上になると、単糖類を多く添加しても乳酸菌による発酵が優勢となり、エタノール発酵が生じ難くなり、エタノール濃度を増加させることが困難になるという問題がある。
従って、本発明の目的は、サイレージの製造時や開封給与時のカビ発生や二次発酵を抑制するため、安全且つ安価に、更に外気温が30℃以上であっても良好に、サイレージ中のエタノール濃度を増加する方法、及びその方法によりエタノール濃度が増加したサイレージを提供することにある。
上記目的は、水分、澱粉原料を含有するサイレージ原料に、澱粉分解酵素を添加し、密閉貯蔵することを特徴とするサイレージ中のエタノール濃度を増加する方法によって達成される。これにより、安全且つ安価に、外気温が30℃以上の条件であっても、サイレージ原料に含まれる酵母が、有効に利用できるように糖類を生成させることができるので、サイレージ中のエタノール濃度を増加することができる。
本発明に係る方法の好ましい態様は以下の通りである。
(1)前記水分の含有量が、サイレージ原料を基準として30〜80質量%である。
(2)前記サイレージ原料の澱粉含有量が、サイレージ原料を基準として4〜35質量%である。
これにより、よりカビ発生や二次発酵を抑制できる濃度にエタノール濃度を増加することができる。
(3)前記澱粉分解酵素が、グルコアミラーゼを含むことを特徴とする。これにより、酵母がより有効に利用し易い単糖類を多く生成させることができるので、より効率的にエタノール濃度を増加することができる。この際、α−アミラーゼや枝きり酵素(プルラナーゼ)を併用しても良い。これらの酵素との併用は、更に単糖類を多く生成させることができるので好ましい。
(4)前記グルコアミラーゼの添加量が、サイレージ原料1kgに対して10〜6,000単位である。
(5)前記澱粉分解酵素が、α−アミラーゼを含むことを特徴とする。
α−アミラーゼを単独で用いた場合でも、サイレージ原料中に存在する微生物等の産生する糖化酵素による追加的な分解により、酵母がエタノール発酵に利用できる糖類(単糖類、二糖類等)を生成することができ、エタノール濃度を増加することができる。この場合、α−アミラーゼを主体として、グルコアミラーゼ等を組み合わせて使用しても良い。
(6)前記α−アミラーゼの添加量が、サイレージ原料1kgに対して100〜20,000単位であることを特徴とする。
(7)前記密閉貯蔵する期間が、2〜8週間である。
(8)前記澱粉原料が子実を破砕した青刈りトウモロコシ、青刈りソルゴー、青刈り稲、青刈り麦類からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする。
また、上記目的は、本発明の方法によってエタノール濃度を増加したサイレージによっても達成される。これにより、製造時や開封給与時のカビ発生や二次発酵を抑制することができる濃度までエタノール濃度が増加したサイレージを提供することができる。
本発明によれば、安全且つ安価に、更に外気温が30℃以上の条件であっても、サイレージの製造時や開封給与にサイレージ中のエタノール濃度をカビ発生や二次発酵を抑制することができる濃度まで増加することができるので、嗜好性等が改善された高品質のサイレージを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明において、サイレージは、水分を約30%以上含有させた牧草・飼料作物や食品副産物等のウェット飼料原料を密封貯蔵し、嫌気的条件下で乳酸発酵等させることで、製造する貯蔵用飼料であり、いわゆる発酵TMR(Total mixed ration:完全混合栄養飼料)も含む。
本発明において使用されるサイレージ原料は水分と澱粉原料を含有している。水分に特に限定はないが、酵素反応及びサイレージ原料に含まれる酵母によるエタノール発酵を良好に生じさせるため、サイレージ原料を基準として30〜80質量が好ましい。更に、サイレージ中のエタノール濃度をより高濃度にするために、水分は40〜70質量%が好ましく、50〜60質量%が更に好ましい。
本発明において、サイレージ原料の澱粉含有量は特に限定はないが、よりエタノール濃度を増加するために、サイレージ原料を基準として2質量%以上であることが好ましい。更にサイレージ中のエタノール濃度をより高濃度にするために、澱粉含有量はサイレージ原料を基準として4〜35質量%が好ましい。
本発明においては、水分と澱粉原料を含有しているサイレージ原料を密封貯蔵する際に、澱粉分解酵素を添加する。これにより、貯蔵中に澱粉原料の澱粉が澱粉分解酵素によって分解されて糖類(本発明において、単糖類(ぶどう糖等)、二糖類(マルトース等)、その他酵母がエタノール発酵に利用できるオリゴ糖類を含む。)が生成され、その糖類を利用して、サイレージ原料に含まれる酵母がエタノール発酵によって、エタノールを生成する。その結果、サイレージ中のエタノール濃度を増加することができる。本発明の方法によれば、非特許文献1に記載されたような単糖類を含む食品副産物等を添加する場合より、極めて少量の添加量で良く、ハンドリングが容易であり、安価にエタノール濃度を増加できる。更に、特に夏場に、外気温が30℃以上になる場合には、サイレージ原料に単糖類を添加しても、乳酸菌等の有機酸発酵が優勢となり、乳酸等の有機酸濃度は増加するが、エタノール発酵が生じ難くなり、エタノール濃度を増加することが困難である。一方、本発明の方法によれば、外気温が30℃以上であっても、酵母によるエタノール発酵が十分に生じ、サイレージ中のエタノール濃度を増加することができる。この原因は明確ではないが、単糖類の添加では、密封貯蔵開始時から単糖類の濃度が高いため、乳酸菌による発酵が急速に生じてpHが短期間の内に低下するため、貯蔵開始時から短期間で酵母によるエタノール発酵の好適pH範囲を外れてしまう。一方、澱粉分解酵素による澱粉の分解により糖類が生成される場合は、徐々に糖類が生成するため、乳酸発酵によるpH低下が緩慢になり、酵母によるエタノール発酵の好適pH範囲の期間が長く、エタノール発酵が十分に生じるためと考えられる。
本発明において、澱粉分解酵素は、飼料原料に使用でき、サイレージの密封貯蔵条件下で澱粉から糖類を生成することができれば、特に制限はない。例えば、グルコアミラーゼ、α−アミラーゼ、βアミラーゼ、枝きり酵素(プルラナーゼ)、マルトトリオースヒドロラーゼ等が使用できる。酵母のエタノール発酵に利用され易い単糖類を多く生成するため、グルコアミラーゼが好ましい。また、グルコアミラーゼとα−アミラーゼや枝きり酵素(プルラナーゼ)を併用しても良い。澱粉のα1,4結合を不規則に分解し多糖又はオリゴ糖を生成するα−アミラーゼ、及び/又は澱粉のα1,6結合を分解する枝きり酵素(プルラナーゼ)を併用することで、更に効率的に単糖類を生成することができ、エタノール濃度を増加することができる。
一方、α−アミラーゼを単独で用いた場合でも、サイレージ原料中に存在する微生物等の産生する糖化酵素による追加的な分解により、酵母がエタノール発酵に利用できる糖類(単糖類、二糖類等)を生成することができる。従って、本発明の方法に使用する澱粉分解酵素として、α−アミラーゼを単独で使用しても、又はα−アミラーゼを主体として、上述のグルコアミラーゼ等と組み合わせても使用することができる。
サイレージ中に乳酸が過剰に生成すると、その摂取量によっては牛の嗜好性、牛のルーメン発酵等に悪影響を及ぼす可能性がある。本発明の方法において、澱粉分解酵素としてα−アミラーゼを主体に使用した場合、グルコアミラーゼを主体とした場合に比べ、サイレージにおける乳酸の生成量を抑制することができる点で有利である。これは乳酸菌が乳酸発酵に利用できる糖類の生成がグルコアミラーゼを主体にした場合より緩慢なため、乳酸発酵の速度が遅くなるものと考えられる。
本発明における澱粉分解酵素の添加量は、サイレージの密封貯蔵中に澱粉を分解し、エタノール濃度を所望の濃度まで増加することができれば、特に制限はない。例えば、グルコアミラーゼの場合はサイレージ原料1kgに対して、10〜6,000単位の添加量が好ましく、100〜3,000単位が更に好ましい。なお、グルコアミラーゼの活性は、溶性澱粉溶液(0.56g溶性澱粉/100ml緩衝液)を基質とし、pH4.5、40℃±0.5℃で30分間に10mgのグルコースを遊離する酵素量を1単位とする。
また、α−アミラーゼの場合は、サイレージ原料1kgに対して、100〜20,000単位の添加量が好ましく、1,000〜10,000単位が更に好ましい。なお、α−アミラーゼの活性は、バレイショデンプン溶液(1g日本局方バレイショデンプン/100ml)を基質として、pH5.0、40±0.5℃で10分間反応させ、反応前後のデンプンのヨウ素試液による青色呈色を660nmの吸光度で測定し、1分間にデンプンの青色ヨウ素呈色を1%減少させる酵素量を1単位とする。
本発明におけるサイレージ原料を密封貯蔵する期間には特に制限はなく、通常のサイレージ製造期間で良い。従って、水分、澱粉含有量、澱粉分解酵素添加量等により、所望のエタノール濃度、及び所望の品質のサイレージを製造できる期間を任意に設定することができる。原料コスト及び貯蔵コストとの兼ね合いで、密封貯蔵期間は2〜8週間が好ましい。
本発明におけるサイレージ原料は、本発明の方法を阻害するものでなければ、特に制限はない。例えば、トウモロコシ、ソルガム、オーチャードグラス、チモシー、アルファルファー、イタイリアンライグラス、アカクローバー、稲、麦類等の牧草・飼料作物、ビール粕、大豆粕等の食品副産物、小麦ストロー,稲わら等の農業副産物、尿素、アンモニア等の窒素化合物、炭酸カルシウム、石灰石、リン酸カルシウム、硫酸マグネシウム等のミネラル、微生物製剤、澱粉分解酵素以外の酵素剤等の添加剤、及びそれらが予め配合された配合飼料等を使用することができる。これらのサイレージ原料は飼料として使用する配合に合わせて、水分、澱粉含有量、粗蛋白質、粗繊維、灰分等を調製して使用する。必要に応じて、各サイレージ原料を破砕、細断等して使用する。
本発明における澱粉原料としては、澱粉を含有していればその種類に特に制限はなく、トウモロコシ、ソルガム、稲、麦類(大麦、エンバク、ライ麦等)等の飼料作物でも、食品副産物でも良く、これらを組み合わせて用いても良い。澱粉含有量が高く、サイレージ原料として使用し易い、青刈りトウモロコシ、青刈りソルゴー、青刈り稲(イネホールクロップ)、青刈り麦類(大麦、エンバク、ライ麦等)が好ましい。また、澱粉原料の形態も砕片状、ペレット状、粒状、粉状等、特に制限はなく、澱粉原料に含有する澱粉が澱粉分解酵素によって分解される形態であれば、特に制限はない。澱粉が水に膨潤して澱粉分解酵素が作用し易くなるため、破砕した澱粉原料が好ましい。特に、子実を破砕した青刈りトウモロコシ、青刈りソルゴー、青刈り稲、青刈り麦類が好ましい。破砕の程度は澱粉が水に膨潤し易く砕かれていれば特に制限はなく、粒が残っていても、粉末化されていても良い。
本発明において、密封貯蔵は実用上密封できる容器であれば、どのような容器で行っても良い。例えば、大型のサイロでも良く、プラスチック製のコンテナで行っても良い。また、容器内で一定の嫌気的条件を形成できれば良く、厳密な意味での密封でなくても良い。特に、発酵による二酸化炭素等のガス発生を考慮すると、通気口を設け、ガス抜き用バルブを設けても良く、通気口の出口を水封しても良い。
本発明の方法によってエタノール濃度を増加したサイレージにおいて、エタノール濃度の増加量には特に制限はない。開封給与時等のカビ発生や二次発酵をより効果的に抑制するために、エタノール含有量がサイレージを基準として1〜5質量%になるまで増加されているのが好ましい。
次に本発明を実施例にて具体的に説明する。
(実施例1)サイレージ中のエタノール濃度の増加試験1
1.サイレージの調製
表1に示したサイレージ原料(実施例1(澱粉分解酵素添加)、比較例1(澱粉分解酵素無添加))を混合し、ポリビニル袋に1.5kg詰め込み、15℃、30日間密封貯蔵した。澱粉分解酵素はグルコアミラーゼ(グルクザイムAF6(天野エンザイム(株)製):6,000単位/g以上)を用い、3,000単位/kg−サイレージ原料を添加した。
Figure 0004918585
2.サイレージ分析結果
各2試験区を行い、密封貯蔵後のpH、エタノール、乳酸及び酢酸含有量の平均値を表2に示した。エタノール含有量は比較例1では0.33質量%であるのに対し、澱粉分解酵素を添加した実施例1では3.85質量%であった。pH、及び乳酸、酢酸の生成量には両者に大きな違いはなかった。
Figure 0004918585
(実施例2)サイレージ中のエタノール濃度の増加試験2
1.サイレージの調製
表3に示したサイレージ原料(実施例2(澱粉分解酵素添加)、比較例2(澱粉分解酵素無添加))を混合し、ポリビニル袋に1.5kg詰め込み、30℃、4週間密封貯蔵した。澱粉含有量を低くするため、小麦ストローを使用し、夏場の外気温を想定して、30℃で密封貯蔵を行った。澱粉分解酵素は実施例1の場合と同様である。
Figure 0004918585
2.サイレージ分析結果
各2試験区を行い、密封貯蔵後のpH、エタノール、乳酸及び酢酸含有量の平均値を表4に示した。実施例2では、比較例2に比べて乳酸含有量が大きく増加し、pHが低下していた。その条件下においても、エタノール含有量は比較例2では0.96質量%であるのに対し、澱粉分解酵素を添加した実施例2では2.24質量%であった。
Figure 0004918585
(実施例3〜7)サイレージ中のエタノール濃度の増加試験3
1.サイレージの調製
表5に示したサイレージ原料(実施例3〜7(澱粉分解酵素添加)、比較例3(澱粉分解酵素無添加))を混合し、ポリビニル袋に1.5kg詰め込み、30℃、2週間密封貯蔵した。澱粉分解酵素は、グルコアミラーゼ((グルクザイムAF6(天野エンザイム(株)製):6,000単位/g以上)、及びα−アミラーゼ(ビオザイムA(天野エンザイム(株)製):90,000単位/g以上)を用い、表5に示した添加量(単位/kg−サイレージ原料)で添加した。
Figure 0004918585
2.サイレージ分析結果
各試験区の密封貯蔵後のpH、エタノール、乳酸及び酢酸含有量を表6に示した。実施例3〜7の全てで、比較例3よりエタノール含有量、及び乳酸含有量が増加した。グルコアミラーゼを添加した実施例3、及び実施例5〜7ではエタノール含有量、及び乳酸含有量が4質量%以上であった。
一方、α−アミラーゼを単独で添加した、実施例4においては、乳酸の生成は2.24質量%と、それほどの増加はせず、エタノール含有量が増加していた。その結果として、pHも、実施例3、及び実施例5〜6に比べて低下しなかった。サイレージ中の乳酸の生成過剰は、牛の嗜好性、ルーメン発酵等に悪影響を与える可能性があるため、乳酸の生成過剰を抑える点においては、α−アミラーゼを主体とした方法が有利と考えられた。
Figure 0004918585
実施例1〜7において、本発明により、どのような条件でも良好にエタノール濃度を増加することができることが示された。
(実施例8)サイレージの二次発酵の抑制効果の評価
1.サイレージの調製
表7に示したサイレージ原料(実施例8(澱粉分解酵素添加)、比較例4(澱粉分解酵素無添加))を混合し、ポリビニル袋に10kg詰め込み、室温で14日間密封貯蔵した。澱粉分解酵素は実施例1の場合と同様である。
Figure 0004918585
2.サイレージの評価
実施例8及び比較例4のサイレージについて、室温で開封し、開封後から二次発酵が開始するまでの期間を調べた。二次発酵の開始時はサイレージの品温を測定し、外気温と比較して1℃以上の温度上昇が認められた場合に、その後の経過も考慮して決定した。
その結果、表8に示した通り、比較例4は2日目に外気温より1.9℃の品温上昇が認められ、その後、急激に温度上昇が認められたのに対し、実施例8では、4日目に温度上昇が認められた。従って、実施例8において、比較例4に比べて二次発酵の抑制効果が認められた。
Figure 0004918585
以上により、本発明によりエタノール濃度を増加したサイレージの有効性が認められた。
なお、本発明は上記の実施の形態及び実施例の構成に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々変形が可能である。

Claims (10)

  1. 水分、澱粉原料を含有するサイレージ原料に、澱粉分解酵素を添加し、密閉貯蔵することを特徴とするサイレージ中のエタノール濃度を増加する方法。
  2. 前記水分の含有量が、サイレージ原料を基準として30〜80質量%である請求項1に記載の方法。
  3. 前記サイレージ原料の澱粉含有量が、サイレージ原料を基準として4〜35質量%である請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記澱粉分解酵素が、グルコアミラーゼを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記グルコアミラーゼの添加量が、サイレージ原料1kgに対して10〜6,000単位であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 前記澱粉分解酵素が、α−アミラーゼを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記α−アミラーゼの添加量が、サイレージ原料1kgに対して100〜20,000単位であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 前記密閉貯蔵する期間が、2〜8週間である請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記澱粉原料が、子実を破砕した青刈りトウモロコシ、青刈りソルゴー、青刈り稲及び青刈り麦類からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法によってエタノール濃度を増加したサイレージ。
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