JP4918310B2 - プリント配線板製造用の金属製支持体 - Google Patents

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Description

本発明は、プリント配線板製造用の金属製支持体に関し、より詳細にはプリント配線板の銅張積層板(CCL)を製造する際に使用する圧延銅合金箔製支持体に関する。また、本発明は上記支持体の製造方法、更には上記支持体を使用したCCL及びプリント配線板の製造方法に関する。
電子機器の軽薄短小化の需要に伴い、プリント配線板の回路形成に使用される銅箔の簿肉化に対する要求は高まる一方である。現在では12〜18μm程度の厚みの銅箔が多く使用されているが、9μm以下、更には5μm以下の厚みの銅箔も登場してきている。しかしながら、銅箔の極薄化が進展すると、シワや折れが発生し易い、破損し易いといった銅箔の取扱上の問題も生じてくるために、極薄銅箔を使用するプリント配線板を製造する際には銅箔と絶縁基板(樹脂等)とを接着させた銅張積層板(CCL:Copper Clad Laminate)を製造する工程で様々な工夫が必要となる。
そのような問題を解決する試みの一つとして、極薄銅箔又は樹脂に支持体(又はキャリア)を一時的に張り合わせ、銅張積層板形成後に該支持体を剥離するという方法がある。
極薄銅箔に支持体を張り合わせる方法は、例えば下記の特許文献に記載されている。
特開2000−269637号公報には、表面粗さ:Rzが1.5μm以下のキャリア銅箔の片面に剥離層(クロムめっき、鉛めっき又はニッケルめっき)と電解銅めっき層を順に形成し、電解銅めっき層の表面に対して粗化処理、ニッケルめっき、亜鉛めっき、クロメート処理、シランカップリング処理を順に施す。その後、粗化処理等を行った表面を樹脂基材に重ね合わせて熱圧着し、キャリア銅箔を剥離・除去して銅箔めっき層のキャリア銅箔との接合側を表出せしめ、そこに所定の配線パターンを形成することが記載されている。
特開2002−368365号公報には、厚みが15〜70μmの銅又は銅合金の支持体表面に0.05〜5.0μmのニッケルめっき層を形成し、その表面に更に25〜500Åの酸化膜を形成する。その後、該酸化膜の上に極簿銅箔を電気めっきにより形成する。このようにして得られた複合銅箔の極簿銅箔側に樹脂をプレス又はラミネートにより積層して銅張積層板を形成する。その後、酸化膜を有するニッケルめっき層の部分から銅又は銅合金の支持体を剥離し、エッチング等の処理により回路網を形成することが記載されている。
特開2004−103681号公報には、厚みが15〜70μmの銅又は銅合金の支持体表面に0.05〜5.0μmのニッケルめっき層を形成し、その表面に更に25〜500Åの酸化膜を形成する。次いで、この酸化膜の上にベンゾトリアゾール層を形成する。その後、このベンゾトリアゾール層の上に極簿銅箔を電気めっきにより形成する。このようにして得られた複合銅箔に樹脂をプレス又はラミネートにより積層して銅張積層板を形成する。その後、酸化膜を有するニッケルめっき層の部分から銅又は銅合金の支持体を剥離し、エッチング等の処理により回路網を形成することが記載されている。
一方、樹脂側に支持体を張り合わせる方法は、例えば下記の特許文献に記載されている。
特開2006−108174号公報には、ポリアミドイミドと無機充填材とを含有する樹脂組成物ワニスを支持体上に塗布し、加熱乾燥することで無機充填材含有ポリアミドイミドフィルムを形成する。該ポリアミドイミドフィルムをアルカリ性過マンガン酸溶液で粗化処理した後、粗化面に銅めっきを施すことが記載されている。支持体は製造する金属付きポリアミドイミドフィルムの積層構成に応じて、予めアルカリ性過マンガン酸溶液処理の前に無機充填材含有ポリアミドイミドフィルムから剥離しても、無機充填材含有ポリアミドイミドフィルムに積層したままにしてもよいことが記載されている。支持体には、ポリイミドフィルム、アラミドフィルム等の耐熱フィルム、銅箔、アルミ箔、ステンレス箔等の金属箔が使用される。
但し、支持体に銅箔を使用する場合には、該銅箔の厚みは3〜35μm程度が好ましく、12〜35μm程度がより好ましい。厚みが3μm未満の場合、ワニスの塗工、乾燥等における作業性を低下させ、厚みが35μmを超えると、該銅箔から微細回路を形成することが困難な傾向となる(すなわち、銅箔は最終製品(回路基板用金属付きポリアミドイミドフィルム)において導体層として使用されるものであり、該導体層への微細回路の形成が困難な傾向となる。)ことが記載されている。
これと類似の技術は特開2006−108175号公報にも記載されている。
また、支持体を後に剥離する必要があるときには、その支持体が接着面から容易に剥離できるのが好ましい。そのような課題に取り組んだ先行技術としては、特開2004−330701号公報に記載されたものが挙げられる。該特許文献には、アルミニウム支持体上に銅箔が形成されている複合体の製造方法において、アルミニウム支持体上に置換めっき法により亜鉛層を形成する亜鉛層形成工程と、亜鉛層形成工程後に、アルミニウム支持体上の亜鉛層をニッケル層に置換するニッケル置換めっきを行うことにより、アルミニウム支持体上にニッケル層を形成するニッケル層形成工程と、前記ニッケル層の表面を酸化して酸化ニッケル層を形成する酸化ニッケル層形成工程と、酸化ニッケル層形成工程の後に電解銅めっきを行うことにより、前記酸化ニッケル層の表面に銅箔を形成する工程と、を備えたことを特徴とする銅箔層を備えた複合体の製造方法が記載されている。そして、該複合体に樹脂が固定された状態とした後に銅箔からアルミニウム支持体を剥離する。この際、アルミニウム箔上にニッケル層とその酸化膜である酸化ニッケル層とが形成され、この酸化ニッケル層に接して銅箔が形成されているため、アルミニウム箔が銅箔から容易に剥離されるとされている(ピール強度:0.05N/cm以上1N/cm以下)。
特開2000−269637号公報 特開2002−368365号公報 特開2004−103681号公報 特開2006−108174号公報 特開2006−108175号公報 特開2004−330701号公報
このように、極薄銅箔を使用するプリント配線板を製造する際に支持体を使用する方法が幾つか提案されているが、そのほとんどは極薄銅箔に支持体を張り合わせる方法を採用するものであり、本発明者の知る限り、樹脂に支持体を張り合わせる方法あるいは支持体上に樹脂を形成する方法が記載されているのは上記の特開2006−108174号公報(特許文献4)及び特開2006−108175号公報(特許文献5)程度でしかない。その上、これら二つの特許文献では、使用する樹脂がポリアミドイミド又はポリイミドに限定されており、支持体をどのような基準で選択すべきか、又はどのような特性が必要であるかといったことは記載されていない。
一方、特開2004−330701号公報(特許文献6)では、剥離容易な支持体を提案しているが、該文献に記載されているのは極薄銅箔に支持体を張り合わせる方法であり、樹脂に支持体を張り合わせる場合については記載がない。
従って、本発明の課題の一つは、樹脂に支持体を張り合わせる方法を使用してプリント配線板を製造するのに好適な新規支持体を提供することである。
本発明の別の課題の一つは、該支持体の製造方法を提供することである。
本発明の更に別の課題の一つは、本発明に係る支持体を用いた銅張積層板の製造方法である。
本発明の更に別の課題の一つは、本発明に係る支持体を用いたプリント配線板の製造方法である。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねたところ、支持体として亜鉛を含有する圧延銅合金箔を使用すると、樹脂への一時的な接着及びそれからの剥離という目的に対して優れた特性を示すことを見出した。従来、銅又は銅合金の圧延材の表面に銅−亜鉛合金層を形成させると樹脂との密着性が改善すると考えられていたため(例えば、特開2001−279350号公報)、このような結果は誠に驚きであった。
上記の知見を基礎として完成した本発明は以下の構成により特定される。
本発明は一側面において、1質量%以上のZnを含有する圧延銅合金箔からなるプリント配線板製造用支持体である。
本発明に係る支持体は一実施形態において、厚みが10〜100μmである。
本発明に係る支持体は一実施形態において、1〜40質量%のZnを含有する。
本発明に係る支持体は一実施形態において、XPSとArスパッタを組み合わせて深さ方向分析を行ったときに、最表面から深さ方向10nm以内(SiO2換算)におけるZn濃度の最大値が15at%以上である。
また、本発明は別の一側面において、最終の焼鈍工程及びこれに続く加工度を10%以上とした最終の冷間圧延工程を実施し、その後には表層の酸化物除去工程を実施しないことを特徴とする本発明に係る支持体の製造方法である。
また、本発明は更に別の一側面において、本発明に係る支持体上に樹脂を接着した又は支持体上にキャストにより樹脂を形成した支持体付き絶縁基板である。
また、本発明は更に別の一側面において、本発明に係る支持体上に樹脂を接着する又はキャストにより樹脂を形成する工程と、該樹脂上に下地金属層を形成する随意的な工程と、該樹脂又は下地金属層上に導体層を形成する工程とを含む銅張積層板の製造方法である。
また、本発明は更に別の一側面において、前記方法により製造された銅張積層板の導体層を用いて回路を形成する前又は形成した後に、前記支持体を前記樹脂から剥離する工程を含むプリント配線板の製造方法である。
また、本発明の一実施形態においては、前記樹脂はエポキシ樹脂、フェノール樹脂、フィラ入りエポキシ樹脂、フィラ入りフェノール樹脂よりなる群から選択される。
本発明によれば、樹脂に支持体を張り合わせる方法又は支持体上にキャストにより樹脂を形成する方法を使用してプリント配線板を製造するのに好適な支持体を提供することが可能となる。本発明に係る支持体は特に、樹脂に一度接着させた後に、樹脂から引き剥がし易いので、高価なエッチングを行わなくてすむため、コスト面でも有利である。
以下、本発明及びその利点を詳細に説明する。
支持体の組成
本発明に係る支持体は、1質量%以上のZnを含有する圧延銅合金箔からなるプリント配線板製造用支持体である。本発明に係る支持体は、好ましくは1質量〜40質量%、より好ましくは5〜40質量%、更により好ましくは30〜40質量%のZnを含有する。
詳細なメカニズムは分かっていないが、Zn(亜鉛)を含有させた銅基合金を支持体として使用することで、支持体を樹脂から容易に引き剥がすことができるようになる。その結果、高価なエッチングを行わなくて済む。Zn含有量が1質量%未満であっても支持体から樹脂を引き剥がすときの強度を小さくする効果はあるが、Zn含有量は1質量%以上のときに実用上有利な程度にピール強度が低下する。Znの含有量を調節することでピール強度を比較的容易に制御することができる。例えば、より小さなピール強度を望むときはZnの含有量を多くすればよく、逆に、より高いピール強度を望むときはZnの含有量を少なくすればよい。
Zn含有量の上限は特になく、所望するピール強度に応じてZn含有量を増加させてよいが、40質量%を超えると支持体の加工性が低下するため好ましくない。
上記ピール強度を低減する効果に対しては、支持体の表層部分、換言すれば樹脂との接着面におけるZnの含有量が特に影響を与える。本発明者の研究成果によれば、XPSとArスパッタを組み合わせて深さ方向分析を行ったときに、最表面から深さ方向10nm以内(SiO2換算)におけるZn濃度の最大値が15at%以上、好ましくは20at%、より好ましくは25%以上であるときに特にピール強度の低減効果が顕著であることが分かった。理論により本発明が限定されることを意図しないが、Znは亜鉛酸化物の形態で表層中に存在しているものと考えられる。表層におけるZn濃度は一般に支持体を構成する銅合金に添加したZn濃度に相関するが、圧延銅合金箔を製造する際に通常施される表層の酸化物除去処理を施さないことで、表層にZn(又は亜鉛酸化物)がより残留しやすくなる。
最表面からXPS等のArスパッタにおいて、SiO2に換算した深さで10nm以内におけるZnの濃度の上限値は特にないが、先と同様の理由により、所望するピール強度に応じてこれらの濃度を調節するのが好ましい。従って、本発明の一実施形態においては、XPSとArスパッタを組み合わせて深さ方向分析を行ったときに、最表面から深さ方向10nm以内(SiO2換算)におけるZn濃度の最大値は15at%〜40at%である。Zn濃度はX線電子分光法(XPS)等により分析することができる。なお、「最表面から深さ方向10nm(SiO2換算)」とは、XPSとArスパッタを組み合わせて深さ方向分析を行ったときに、SiO2に換算した深さ方向のスパッタレートを例えば1.0nm/minとしたときには、スパッタリング時間は10分ということを意味する。
本発明に係る支持体に使用する銅合金箔の亜鉛以外の合金成分に関しては、ピール強度への影響を考慮しながら、強度や耐熱性等のその他の要求特性に応じて所要量添加してもよい。添加可能な合金成分には特に制限はないが、例えば、Fe,Mn,Sn,Pb,Al等が挙げられる。
本発明に係る支持体はZn以外の合金成分を含有しなくてもよい。従って、本発明に係る支持体は一実施形態において、1質量%以上のZnを含有し、残部がCu及び不可避的不純物の組成を有する圧延銅合金箔からなるプリント配線板製造用支持体とすることもできる。また、本発明に係る支持体の材料は黄銅又は丹銅とすることができる。
支持体の厚み
本発明に係る支持体の厚みは当業者であれば支持体に要求される強度の特性に応じて適宜設定することができるが、例えば一実施形態において10〜100μmである。
ピール強度
本発明に係る支持体を樹脂から引き剥がすときのピール強度は、例えば以下の手順で測定することができる。
本発明に係る支持体2枚で厚み200μmのエポキシ樹脂からなる絶縁基板(例:松下電工製プリプレグ)を挟んでサンドウィッチ構造にし、大気中、170℃、プレス圧30kgf/cm2、プレス時間50分の条件でプレスすることで樹脂と支持体を接着させた後、支持体の一方を樹脂から引き剥がす。このとき、ピール強度を90度引っ張り試験法(JIS C5016、方法A、試料の引き剥がし導体幅:5mm)により測定する。
ピール強度が0.01N/mm未満だと支持体が樹脂から剥がれやすくなり過ぎて支持体としての本来の機能を充分に果たせなくなり、逆に0.2N/mmを超えると支持体が樹脂から容易に剥がせなくなり基材が変形する等の不具合が生じるために好ましくない。本発明に係る支持体を用いれば、適度な範囲のピール強度を容易に達成することができる。
従って、本発明に係る支持体は一実施形態において、上記手順により測定したときのピール強度が0.01〜0.2N/mmである。ピール強度は好ましくは0.05〜0.2N/mmである。更に好ましくは0.05〜0.18N/mmである。
支持体の製造方法
本発明に係る支持体を構成する亜鉛含有圧延銅合金箔は当業者に知られた任意の方法により製造することができるが、製造過程において以下の工夫をすることで容易に本発明の目的に即した支持体を製造することができる。
亜鉛含有圧延銅合金箔の製造過程では、最終焼鈍工程において、焼鈍による脱Znが発生することが多く、さらに、その後の酸洗、研磨によって表面を削りとることが一般的である。しかし、最終の焼鈍工程及びこれに続く加工度を10%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは50〜70%とした最終の冷間圧延工程を実施することで、新生面が露出し、焼鈍の脱Zn現象等の影響が少なくなる。また、その後に表層の酸化物除去工程を実施しないことで、支持体の表層に亜鉛酸化物が残留しやすくなり、表層において所望のZn濃度を満足させることが容易となる。酸化物除去工程とは材料の表層に生成した酸化物を実質的に除去するための任意の工程を指し、例えば酸洗、研磨、アルカリ脱脂等の操作を実施する工程をいう。加工度は加工前後の材料板厚の差を加工前の材料板厚で割り、100倍した値(%)である。
銅張積層板
本発明に係る支持体は、銅張積層板の製造に好適に使用することができる。支持体は銅張積層板の製造中に樹脂層をキャストで形成、あるいはラミネートを張り合わせるために必要である。
本発明の一実施形態によれば、本発明に係る支持体上に樹脂を接着する又は樹脂をキャストにより形成する工程と、該樹脂上に下地金属層を形成する随意的な工程と、該樹脂又は下地金属層上に導体層を形成する工程とを含む銅張積層板の製造方法が提供される。
支持体上に接着させる樹脂はプリント配線板に適用可能な特性を有するものであれば特に制限を受けないが、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、及び、これら樹脂等にフィラを混合して、強度を強める紙基材フェノール樹脂、紙基材エポキシ樹脂、合成繊維布基材エポキシ樹脂、ガラス布・紙複合基材エポキシ樹脂、ガラス布・ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂及びガラス布基材エポキシ樹脂等を使用する事ができる。また、フィラとして酸化物であるアルミナ等を混合して熱伝導性を付与した樹脂を使用することができる。但し、ポリイミド等の反応性の樹脂は亜鉛との密着性が高いことがしられているため、除外する。なお、プリント配線板はリジッド又はフレキシブルの何れとしてもよい。
これらの樹脂と本発明に係る支持体を接着させるためには、樹脂と金属を接着させるための当業者に知られた公知の方法を用いればよい。例えば、熱圧着、キャスト法等が挙げられる。
支持体上にキャストにより樹脂を形成する工程では、詳細には、コーターを行い、乾燥、キュアを行うのが好ましい。キャスト法はウレタン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂といった樹脂に使用することができる。
樹脂上の下地金属層は耐熱性、接着力向上等の目的で施すことができ、下地金属層に使用する材料としてはコバルト、ニッケル、クロム等が挙げられる。下地金属層は当業者に知られた任意の方法を用いて形成して良く、例えば無電解めっきやスパッタリングが挙げられる。
導体層には電気回路を形成することのできる導電性材料であれば制限なく使用することができ、例えばCu,Al,Ag等が挙げられるが、経済性の観点からは銅又は銅合金を使用するのが好ましい。導体層は当業者に知られた任意の方法を用いて形成して良く、例えば無電解めっきや電気めっきにより形成することができる。導体層を用いて当業者に知られた任意の方法(例:エッチング等)により電気回路を形成することができる。
ここで、図1には本発明に係る銅張積層板の好適な製造手順が図示されている。本実施形態では、支持体1を接着したフェノール樹脂又はエポキシ樹脂等の樹脂2上にスパッタリングによりコバルト、ニッケル、クロム等の下地金属層3を形成し、その上に無電解めっき又は電気めっきにより銅層4を形成し、そこに回路5を形成する。その後、支持体1を樹脂2から剥離する。支持体1は回路形成前に剥離して2層CCLを製造してもよい。
また、図2には本発明に係る銅張積層板の別の好適な製造手順が図示されている。本実施形態では、支持体1を接着したフェノール樹脂又はエポキシ樹脂等の樹脂2上に無電解めっき又は電気めっきにより銅層4を形成し、そこに回路5を形成する。その後、支持体1を樹脂2から剥離する。支持体1は回路形成前に剥離して2層CCLを製造してもよい。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(例1)
亜鉛の添加濃度が異なる銅合金を大気溶解で鋳造し、一般的な熱間圧延、表面研削を行い、その後冷間圧延、焼鈍酸洗を組み合わせて厚さ33μmの箔に加工した。最終の冷間圧延の加工度を60%とし、その後、炭化水素系有機溶剤NSクリーン(ジャパンエナジー製)での脱脂のみを実施した。焼鈍酸洗で生じる脱亜鉛層が冷間加工時に緩和される。また、最終の脱脂工程が酸化物を溶解しない有機溶剤脱脂のため、表層の亜鉛酸化物が残留している。
この銅合金箔を、先述したように、銅箔−エポキシ樹脂(プリプレグ(松下電工製))−銅箔とサンドウィッチ構造にし、大気中、170℃、プレス圧30kgf/cm2、プレス時間50分でプレスすることで樹脂と銅箔を接着させる。その条件のピール強度、XPSとArスパッタを組み合わせて深さ方向分析を行ったときに、最表面から深さ方向10nm以内(SiO2換算)におけるZn濃度の最大値(以下単に「Zn濃度の最大値」という。)は表1の結果となる。ピール強度は90度引っ張り試験法(JIS C5016、ただし試料の幅は5mmで測定する。)により、Zn濃度の最大値はX線電子分光法(XPS)で分析する。表1に示す通り、亜鉛添加濃度が1%以上の銅合金では、Zn濃度の最大値が15at%以上、かつピール強度が0.2N/mm以下となった。
Figure 0004918310
(例2)
亜鉛の濃度が異なる銅合金を大気溶解で鋳造し、一般的な熱間圧延、表面研削を行い、その後冷間圧延、焼鈍酸洗を組み合わせて箔に加工した。最終の冷間圧延の加工度を60%とし、最終工程を焼鈍酸洗工程とし、ひとつは酸洗処理(硫酸20%、スプレー酸洗)のみ(No.5)、もうひとつは酸洗処理後、バフ研磨を施した(No.6)。
また、実施例1と同様に最終工程を圧延工程とし、その加工度を60%とした材料にアルカリ脱脂を行った(No.7)。
これらの銅合金箔を実施例1と同様に銅箔−プリプレグ(松下電工製)−銅箔とサンドウィッチ構造にし、大気中、170℃、プレス圧30kgf/cm2、プレス時間50分でプレスすることで樹脂と本銅箔を接着させる。その条件のピール強度、Zn濃度の最大値は、表2の結果となる。ピール強度は90度引っ張り試験法(JIS C5016、ただし試料の幅は5mmで測定する。)により、Zn濃度の最大値はXPSで分析する。表2に結果を示す。
Figure 0004918310
Figure 0004918310
本発明に係る銅張積層板の好適な製造手順である。 本発明に係る銅張積層板の別の好適な製造手順である。
符号の説明
1 支持体
2 樹脂
3 下地金属層
4 銅層
5 回路

Claims (5)

  1. プリント配線板用の樹脂と一時的に接着させる支持体であって、1質量%以上のZnを含有する圧延銅合金箔から成ることを特徴とする支持体。
  2. 1〜40質量%のZnを含有する請求項1に記載の支持体。
  3. XPSとArスパッタを組み合わせて深さ方向分析を行ったときに、最表面から深さ方向10nm以内(SiO2換算)におけるZn濃度の最大値が15at%以上である請求項1又は2に記載の支持体。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の支持体上に樹脂を接着した又は樹脂をキャストにより形成した支持体付き絶縁基板。
  5. 前記樹脂がエポキシ樹脂、フェノール樹脂、フィラ入りエポキシ樹脂、フィラ入りフェノール樹脂よりなる群から選択される請求項1〜3の何れか一項に記載の支持体。
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