JP4916822B2 - 小型ボールペン - Google Patents
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Description
また、上述した従来のボールペンのペン先繰出機構にあっては、クリップを引き起こして使用状態にすると全長が軸筒の長さにクリップの長さを加えた長さとなるので全体が長すぎて使い勝手が悪くなるという問題点があった。
また、クリップを引き起こして非使用状態から使用状態にする際のクリップのロックは比較的強い力を要し、使用状態から非使用状態にする際のクリップのロックが比較的弱い力で解除される傾向があった。
さらに、非使用状態におけるクリップがその状態でしっかり保持されずガタついて安定しないという問題があった。
さらに、クリップに取り付けたストラップが外れやすいという傾向もあった。
また、本発明は、使用状態及び非使用状態においてクリップがふらつくことなく安定して固定され、それによって筆記の際にも使用感のよい小型ボールペンを提供することを目的とする。
さらに、本発明は、携帯電話のストラップ等の保持用部材にクリップを引っ掛けて持ち歩く際にも脱落することなく確実に掛止されることが可能な小型ボールペンを提供することを目的とする。
図1は本発明に係る小型ボールペンの一実施形態を示す斜視図、図2はペン先を繰り出した状態の斜視図、図3はその分解斜視図である。また、図4は図1の小型ボールペンの断面図、図5はペン先を繰り出した状態の断面図である。図示された小型ボールペン10は、概略として、本体1と、ペン軸2と、クリップ3と、中間体4と、弾性体5と、そして、ピン6と、を有して構成されている。
U字部3eは、クリップ部3dと回転基部3aとを繋ぐU字状に大きく湾曲した部分である。このU字部3eには、その外側面に係合部3cが設けられており、クリップ3を回転させて本体1の軸方向に沿って延伸する位置(クリップ3を開いた状態)に移動させた際に中間体4の被係合部4bと係合するようになっている。係合部3cは、図9に示すように、被係合部4bと係合する際に被係合部4bにスムーズに乗り上げることができるように比較的緩やかな角度で形成されたテーパー部31と、テーパー部31の最大高さよりも僅かに低い高さに形成された当接部32とを備えて形成されている。これにより、係合開始に際しては被係合部4bは比較的緩やかな角度のテーパー部31によってスムーズに摺動し、そして、係合完了時には当接部32がテーパー部31の最大高さよりも僅かに低く形成されていると共に、中間体4は弾性体5の弾性力によって上方側に付勢されているのでクリップ3がカチッと嵌まり込むこととなり使用者に心地よい使用感を与える。このとき、テーパー部31を図9(a)に示すようななだらかな円弧状のものから図9(b)に示すような少し凹んだ凹面状にすると当接部32が被係合部4bと係合するときに発する音がより大きくなる。これにより係合動作と一体になった違和感のない音を使用者に与えることができ、また、カチカチといった係合音による遊び感覚も提供できる。
また、被係合部4bとの係合を解除する際には、テーパー部31の最大高さ部分が斜めになった状態の中間体4の頂面部と接触するようになっているので係合部3cと被係合部4bとの係合が強力であってもスムーズに解除動作を行なうことができる。尚、テーパー部31の最大高さは上部側面4c及び下部側面4dの角度との関係によって適宜決定される。
また、回転基部3aには係合部3cとほぼ対向する側の外側面に位置して段部3bが形成されており、クリップ3を僅かに回転させたときに中間体4の上部頂面部に形成された被係合部4bと接触してさらにそれを乗り越えるようにしてクリップ3の回転が行なわれるようになっている。このようにクリップ3が僅に回転したときに段部3bを一旦被係合部4bに接触させることによってクリップ3の回転が開始される前に抵抗を生じさせることで意図しない力によってクリップ3が不用意に回転してしまうことが防止される。尚、段部3bの形状は少し角度を付けて形成してもよく、或いは角度を付けない曲面状とすることもできる。角度をつけると段部3cが被係合部4bを乗り越えるときの感触を明確に使用者に感じさせてメリハリのある使用感を与えることができ、角度をつけない場合には使用者にスムーズな回転を感じさせることができる。
また、クリップ3が僅かに開いて段部3bの斜面の途中に被係合部4bが位置するような状態となっているときには、中間体4が弾性体5の弾性力によって上方側に付勢されているのでその力によりクリップ部3dをもとの状態(クリップが閉じた状態)に引き戻すような力が働く。そのため、クリップ3が僅かに回転してしまった場合でもその力が除去されればクリップ3は閉じた状態に復帰する。もちろん、使用者が使用状態にするために意図的にクリップ部3dを回転させる方向に力を加えた場合には段部3bが被係合部4bを乗り越えてクリップ3は回転するように構成さている。
また、ストッパ3hは、ストラップ等の保持用部材を空間部3fへ導入しやすくするために導入方向に向かってなだらかな傾斜面が形成されている。これに対して、それとは反対側はストラップ等の保持用部材が容易に脱落することを阻止するためにクリップ部3dの内面に対
まず、ペン軸2が収納された状態(クリップ3を閉じた状態)では、図1及び図4に示すように、弾性体5の弾性力により中間体4が上方に押し上げられた状態となっており、これによりペン先2aは本体1内に引き込まれた状態となっている。通常、この状態で小型ボールペン10の持ち運びが行われる。
空間部3fに導入された保持用部材9は、ストッパ3hの傾斜面側とは反対側の形状はクリップ部3dの内面に対して略直角とされているので抜け落ちることなく保持用部材9の脱落が阻止される。尚、保持用部材9は、上述のように空間部3f部分に位置して掛止されることになるが、空間部3fは回転基部3aの回転中心近傍に位置しているので、たとえ保持用部材9が引っ張られたとしてもクリップ3dがその力によって容易に回転することがなく、従って保持用部材9の脱落することもない。
1a 出入孔
1c 中心孔
1d 中空部
2 ペン軸
2a ペン先
2b 耳部
2c 開放端部
3 クリップ
3a 回転基部
3b 段部
3c 係合部
3d クリップ部
3e U字部
3f 隙間部
3g 孔
3h ストッパ
3k 回転止め
4 中間体
4a 挿入穴
4b 被係合部
4c 上部側面
4d 下部側面
5 弾性体
6 ピン
9 保持用部材
10 小型ボールペン
31 テーパー部
32 当接部
Claims (7)
- U字状に湾曲したU字部を備えると共に、端部に回転基部が設けられたクリップをボールペン本体に回転可能に取り付け、当該回転基部を中心として前記クリップを引き起こすように回転させて前記ボールペン本体の軸方向に延伸する位置に移動させることにより前記クリップのU字部の外側面がペン軸を保持した中間体を押し下げ、それによってペン先が繰り出された状態でロックされると共に、ロックを解除して前記クリップを元の位置に戻すと繰り出された前記ペン先が前記ボールペン本体内に引き込まれるような繰り出し機構を備えた小型ボールペンにおいて、
前記クリップのU字部の外側面には、前記中間体の上部頂面部に形成された被係合部と係合する係合部が形成され、
前記中間体は、前記係合部と前記被係合部とが係合する際に生じる力によって当該中間体のクリップ側の側面が前記ボールペン本体の内壁に当接するように形成され、それによってガタつくことなく安定した係合動作が行なわれるようにされると共に、前記クリップ側の側面下部及び当該クリップ側とは反対側の側面上部には傾斜部が設けられ、前記係合部と前記被係合部との係合を解除して前記クリップを元の位置に戻す際には前記中間体の前記クリップ側の側面下部及び当該中間体のクリップ側とは反対側の側面上部に設けられた傾斜部によって当該中間体を傾斜させることによって前記係合部と前記被係合部との係合が容易に解除されるように構成されたことを特徴とする小型ボールペン。 - 請求項1に記載の小型ボールペンにおいて、
前記クリップのU字部の外側面に形成された前記係合部は、
前記中間体の上部頂面部に形成された前記被係合部にスムーズに乗り上げ可能な角度で形成されたテーパー部と、そして、
前記テーパー部の最大高さよりも僅かに低い高さに形成された当接部と、
を備えてなることを特徴とする小型ボールペン。 - 請求項1又は2に記載の小型ボールペンにおいて、
前記回転基部の外側面には、前記クリップを回転させたときに前記中間体の上部頂面部に形成された前記被係合部と接触してさらにそれを乗り越えるように形成された段部を有し、前記クリップが僅に回転したときに当該段部を一旦前記被係合部に接触させることによって当該クリップの回転が開始される前に抵抗を生じさせるようにされたことを特徴とする小型ボールペン。 - 請求項3に記載の小型ボールペンにおいて、
前記クリップが完全に閉じた状態から前記段部が前記被係合部を乗り越える直前までの間に位置している場合に、前記クリップに加わる力を除去すると当該クリップは原位置に復帰するようにされたことを特徴とする小型ボールペン。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の小型ボールペンにおいて、
前記クリップには、当該クリップが過剰に回転するのを防止するための回転止めが設けられていることを特徴とする小型ボールペン。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の小型ボールペンにおいて、
前記クリップの内側面にはストラップ等の保持用部材を掛止した際に当該保持用部材が脱落するのを防止するためのストッパが設けられ、
前記ストッパは、前記クリップを閉じて前記ペン軸を収納した状態にしたときにその頂部が前記ボールペン本体の外側面よりも内側に位置するように形成されてなり、それによって前記保持用部材は前記ボールペン本体と前記クリップとの間に形成される空間部に保持される共に、前記クリップを閉じた状態において前記保持用部材を前記空間部内への導入を促し且つ脱落を阻止するための傾斜面が形成されたことを特徴とする小型ボールペン。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の小型ボールペンにおいて、
前記ボールペン本体の外側面には前記クリップを閉じてストラップ等の保持用部材を掛止した際に当該保持用部材が脱落するのを防止するためのストッパが設けられ、
前記ストッパは、前記クリップを閉じて前記ペン軸を収納した状態にしたときにその頂部が前記クリップの内側面よりも内側に位置するように形成されてなり、それによって前記保持用部材は前記ボールペン本体と前記クリップとの間に形成される空間部に保持される共に、前記クリップを閉じた状態において前記保持用部材を前記空間部内への導入を促し且つ脱落を阻止するための傾斜面が形成されたことを特徴とする小型ボールペン。
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