JP4916498B2 - 継目無鋼管製造用素管とその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、オーステナイト系ステンレス鋼からなる継目無鋼管を製造するための素管とその製造方法、並びにその素管またはその製造方法を適用したオーステナイト系ステンレス鋼の継目無鋼管の製造方法に関する。
現在、継目無鋼管を製造(以下、「製管」と称する)する方法の代表例は、素材ビレットにピアサ(傾斜穿孔圧延機)を使って傾斜穿孔圧延(以下は「穿孔圧延」と称する)を行い中空素管(以下、単に「素管」と称する)を得、この素管をエロンゲータ、プラグミル又はマンドレルミル等の圧延機により圧延を行って延伸した後、最終的にサイザーやストレッチレデューサにより整形する方法である。
この場合、継目無鋼管の素材が合金成分の比較的少ない一般の低炭素鋼であれば、量産性の点で有利な穿孔圧延により健全な素管を得るのは比較的容易である。しかし、例えばJISで規定されるSUS316、SUS321、SUS347等のオーステナイト系ステンレス鋼等の高合金鋼を素材とした場合には、この素材は難加工性材料でもあるから、穿孔圧延を適用すると素管に穿孔圧延に特有のマンネスマン破壊に起因した内面疵が発生しやすく、内面疵が発生すると健全な継目無鋼管製品を得ることができなくなることがある。
このような内面疵の発生を防止する手段であって、実生産ラインに適用できる適切な発生防止策は未だ報告されていない。そのためオーステナイト系ステンレス鋼等の高合金鋼の継目無鋼管を工業的規模で量産することは困難であるとされていた。
特にオーステナイト系ステンレス鋼の場合にはこれに加え、更に“粒界溶融”に起因した内面疵も発生しやすい。この粒界溶融は、傾斜穿孔圧延機による加工発熱によって結晶粒界に存在する低融点物質が溶融することによって生じる現象であり、粒界溶融が生じると材料の延性が急激に低下して穿孔圧延の際に素管の破断、つまり割れ疵に至る。
なお、上記粒界溶融は穿孔圧延中に材料の温度が最も高くなる材料の内部から内表面にかけて発生するが、そこを起点にして進展する疵はほとんどが手入れ不能であり、そのため歩留りの著しい低下を余儀なくされる。
オーステナイト系ステンレス鋼、特にMo、Ti、Nb、Cu等の合金元素を含有するSUS316、SUS321、SUS347等のオーステナイト系ステンレス鋼では、それら合金元素が低融点物質を生成しやすいので特に粒界溶融が発生しやすい。また、これらの合金元素を添加すると材料の強度が増して穿孔圧延の際に加工発熱が大きくなることも、粒界溶融の発生を助長する原因となっている。
この粒界溶融を防ぐには、ピアサによる加工発熱を抑えた穿孔圧延が有効であると考えられている。
加工発熱を抑えて穿孔圧延を行うには、通常、傾斜ロールの回転数を落として材料の歪速度を下げるか、あるいは穿孔肉厚を厚くする方法が採られる。
しかし、ロール回転数を下げるとピアサでの穿孔に時間がかかり、工具(特にプラグ)の寿命が著しく低下するばかりでなく、得られる素管の温度も低下するので、ロール回転数を低下する方法、即ち穿孔速度を低下する方法は実際の生産ラインに適用できない。
一方、穿孔肉厚を厚くすると、ピアサより下流の製管圧延機(エロンゲータ、プラグミル又はマンドレルミル等)での圧延が不安定となって継目無鋼管の製造歩留りが著しく悪化するので、この方法も実際の生産ラインに適用できない。
ところで、ピアサより下流の製管圧延機での圧延を安定させるためには当該圧延機に出来るだけ高温の薄肉材料、つまり高温の薄肉素管を供給することが望ましいが、高温の素管を供給するために素材ビレットの加熱温度を上げると僅かな加工発熱で材料が粒界溶融する温度に達してしまうため、このようにビレットの加熱温度を上げる条件で、大きな加工度を要する薄肉穿孔を行うことは一層困難であった。
特許文献1には、難加工性金属の穿孔圧延法として「ビレット加熱温度とピアサによる穿孔速度とを関連させて調整し、これによりビレットの温度がオーバーヒート温度(1260〜1310℃)未満に保持されるようにして穿孔圧延する手法」が開示されている。ここで、「オーバーヒート温度」とは材料が粒界溶融を来す温度であり、SUS316、SUS321、SUS347等のオーステナイト系ステンレス鋼の粒界溶融温度はこの1260〜1310℃の範囲にある。
しかしながら、特許文献1に開示された方法は、穿孔速度とビレット加熱温度を変数とした式の値をオーバーヒート温度未満の値に管理し、これにより穿孔圧延中のビレットの温度がオーバーヒート温度以上とならないように図ったに過ぎないものであって、その「実施例」からしても、具体的には、疵の無い素管を得るためにビレットを1100〜1180℃という低温に加熱しなければならないことが分かる。
また、特許文献1の「実施例」での穿孔速度は300mm/sec以下であり、8mの素管を得る場合には30秒もの時間を要することとなって実際的ではない。
更に、その「実施例」ではプラシティシン(plasiticine)のシミュレーションが行われているが、このとき穿孔後の素管の肉厚/外径の比率(t/d比率)は15%であり、かなりの厚肉である。
従って、この方法では、後続の圧延機での圧延安定性を確保できず、またピアサ工具の寿命も十分でないことになる。
また、非特許文献1の第370〜373頁にもSUS316Lを実際の生産ラインに用いるピアサにて穿孔した例が報告されているが、この報告においても、穿孔素管の内面疵を防止するためには傾斜ロールの周速を低下させると共に1190℃以下のビレット加熱温度に制御する必要があるとされており、特許文献1に開示された方法と同様の問題がある。
更に、特許文献2には、ビレット径、傾斜ロール径及び傾斜ロール回転数を変数とした式の値を管理して穿孔素管の内面疵を防ぐ方法が開示されているが、この方法も、結局は、傾斜ロールを低速回転させて穿孔を行うものであって、要するに穿孔速度、つまりは材料の歪速度を制限する手法に過ぎず、穿孔時間の長時間化、工具寿命の低下、素管の温度低下等といった問題があるため、実際の生産ラインに適用できる手段とは言えない。
特開2000−301212号公報 特開2001−162306号公報 「CAMP−ISIJ」Vol.6(1993)
本発明によれば、内面性状の良好なオーステナイト系ステンレス鋼の継目無鋼管を安定して製造することができる健全な素管が提供され、またそのような素管を実際の生産ラインに十分適用できる条件下で安定製造できる方法が提供される。
さらに本発明によれば、そのような素管を使用してオーステナイト系ステンレス鋼の継目無鋼管が提供され、またそのような継目無鋼管を工業的規模で量産し得る製造方法が提供される。
本発明者らは、薄肉のオーステナイト系ステンレス鋼の継目無鋼管を安定して製管するためには、一般の炭素鋼と同様の素管とすることに着目した。そして、そのためには、オーステナイト系ステンレス鋼では、素材ビレットの加熱温度が少なくとも1200℃以上でピアサ穿孔後における素管肉厚t/外径dの比率(t/d比率)が7%以下の素管とすることが望ましい。ところが、オーステナイト系ステンレス鋼では、これまでの穿孔圧延技術では、粒界溶融を生じさせることなくそのような素管を得ることはできなかった。
本発明者らは、上記目的を達成すべく様々な角度から検討を行い、これまでの経験をも踏まえて次の結論を出すに至った。
即ち、前述したように、オーステナイト系ステンレス鋼製継目無鋼管を実際の生産ラインで安定製管するためには、ピアサより下流の圧延機に可能な限り薄肉の穿孔素管、すなわち、炭素鋼製の鋼管を製造する場合と同じ程度に薄肉の素管を高温で供給してピアサより下流の圧延機での圧延を安定させることが必要である。
本発明者らの経験からしても、オーステナイト系ステンレス鋼の場合でも、ピアサ穿孔後(傾斜圧延後)の素管のt/d比率を7%以下とし、かつビレットの加熱温度を1200℃以上とすることが、ピアサより下流の圧延機での負荷の軽減やミスロールの防止を実現することを可能とし、結果として、オーステナイト系ステンレス鋼の継目無鋼管の製管を安定させる上で必要な条件である。
しかしながら、本発明者らが行った追試験によると、ピアサで得ようとする素管のt/d比率が7%以下の場合にはロール回転数やビレット加熱温度に制限を加えても粒界溶融の発生は不可避であった。
このため、本発明者らは、オーステナイト系ステンレス鋼ビレットを1200℃以上に加熱し、かつロール回転数に特別の制限を加えないという条件下で、穿孔圧延を行い、穿孔後のt/d比率が7%以下の健全な穿孔素管を得るための手法を求めて研究を続けた結果、次のような知見を得ることができた。
本発明者らは、まず、オーステナイト系ステンレス鋼の穿孔圧延で大きな問題となる“粒界溶融”の主要原因が低融点物質を形成する鋼中の元素にあることに着目し、オーステナイト系ステンレス鋼を構成する各成分が粒界溶融に及ぼす影響の度合いを調査した。
なお、これまで、マンネスマン式製管法においてビレット成分を限定して粒界溶融を制限した報告例は少ない。その理由としては、他の製管法(例えば押し出し法等)に比べてピアサによる穿孔圧延では加工発熱が極めて大きく、そのため材料成分のみの改善では粒界溶融を抑制することができなかったことが考えられる。
鋼の組成成分が粒界溶融に及ぼす影響度の調査では、まず、オーステナイト系ステンレス鋼の固相線温度(融点)に及ぼす含有元素の影響をシミュレーション状態図で検討した。
その結果、Mo、Ti、Nb、Cu等の低融点化合物を形成する金属元素を低減することが粒界溶融温度を高めることにおいて最も有効であると結論されたが、これらの元素は客先から指定される元素であるため、自由に調整できないという問題があった。
しかし、本発明者らは、上記検討結果を踏まえた試験を通じて、指定の成分規格を外すことなく調整が可能な元素の中で特にP並びにSが粒界溶融に極めて大きな影響を及ぼしており、P及びSの含有量を低下させれば前記の各金属元素(Mo、Ti、Nb、Cu等)を低減させた場合とほぼ同等の粒界溶融温度上昇効果が得られるということを見出した。
例えば、図1は、オーステナイト系ステンレス鋼であるSUS316の固相線温度、つまり融点に及ぼすPの影響を示した状態図であるが、P含有量を低減していくと固相線温度が急激に上昇することが分かる。図中、γ、δはそれぞれの固相を、Lは液相をそれぞれ示す。ここに、JIS SUS316は後述する表1に示す組成を有する。
なお、SについてもPと同様の傾向を示した。
さらに、本発明者らは、オーステナイト系ステンレス鋼の穿孔圧延で問題となる“粒界溶融”のもう一つの要因である加工発熱に着目し、実際の生産ラインに十分適用できる条件で加工発熱量を低減する対策の有無について研究を重ねた。
ここに、加工発熱量Qは材料の塑性仕事Wに比例し、下記の式(1)で表される。
Q=C×W 〔C:定数〕 ・・・(1)
従って、塑性仕事Wを抑制することが加工発熱量Qを低減し、ひいては粒界溶融を低減することにつながる。
ここで、塑性仕事Wは、下記の式(2)で表されるように材料の相当応力を相当歪で積分した値である。
Figure 0004916498
但し、σ:相当応力
ε:相当歪
なお、相当応力は材料の変形抵抗であって、歪速度に依存して大きくなる。そのため、前記式(2)で表される相当応力、即ち材料の変形抵抗と相当歪を抑制すれば加工発熱量Qを抑制できる。
従来技術において粒界溶融を回避するためにロール回転数を下げるのは、ロール周速を下げて加工発熱量に絡む変形抵抗を抑制するためであり、また従来技術において厚肉穿孔を余儀なくされたのは加工発熱量を抑制するために相当歪を上げることができなかったためである。
ところが、本発明者らは、同一の“肉厚/外径”比率の素管を得る場合、“穿孔圧延後の素管外径/ビレット径”の比率を大きくすると相当歪を小さくできることを見出した。そして、この穿孔圧延手法と素材ビレットのPおよびS含有量の規制とを組み合わせることにより、ロール回転数並びに素材ビレットの加熱温度に制限を加えることなく粒界溶融を発生させないことを見出した。しかも製造対象がt/d比率7%以下のオーステナイト系ステンレス鋼素管を製造しても、粒界溶融を来すことなく穿孔圧延することが可能になることも見出した。
即ち、相当歪は、レーピー・ミーゼスの式から、剪断歪を無視すれば下記の式(3)によって求められる。
Figure 0004916498
ここで、εは穿孔素管の円周方向歪、εは穿孔素管の半径方向歪、そしてεは穿孔素管の長手方向歪であり、それぞれ次の式(4)、式(5)及び式(6)で求められる。
Figure 0004916498
図2(a)、(b)は、中実の素材ビレット1および穿孔圧延後の中空素管2のそれぞれの模式的斜視図であるが、上記式におけるx、y、z並びにx、y、zの定義を示す。各図における破線は、それぞれ断面中心および端面肉厚中心を示す。
ここに、x:ビレット半径×π
:ビレット半径
:ビレット長
x :(素管外径+素管内径)×π/2
y :素管肉厚
z :素管長さ
なお、体積保存の法則からして、ε、ε、ε間には次の式(7)が成り立つ。
ε+ε +ε=0 ・・・(7)
本発明者らは、「強いロール加圧力で素管の外径を規制しつつ長手方向に延伸を行う穿孔圧延に代えて、素材ビレット径に対する素管外径の比(拡管比)を大きくした穿孔圧延を実施すると、t/d比率を小さくすることができると共に、相当歪を比較的小さくできるのではないか」との考えに立って、“素管肉厚を厚くして相当歪の増大を抑える穿孔圧延”に代えて“厚肉策を採らずに素管外径を大きくする穿孔圧延”、つまり拡管穿孔圧延を実施した場合に材料に加わる相当歪を前記式を用いて計算してみた。
その結果は、図3に拡管比と相当歪との関係として示す。図3の曲線からは穿孔圧延の素材に加わる相当歪は拡管比を大きくするにつれて小さくなることが明らかとなった。
このように、t/dを一定にした場合、拡管比の増加につれて相当歪みが減少するが、これは次のように説明することができる。
すなわち、拡管比を大きくすると外径が小さく長いビレットが必要となる。これは同一寸法の素管を得ることが前提であるから、体積を保つために必然である。したがって、拡管比を大きくして同一寸法の素管を得る場合、ひずみの三成分のうち円周方向成分は大きくなるが、肉厚方向と長手方向成分の二つは共に小さくなる。拡管比を大きくした場合、収支として相当歪みが大きくなるか小さくなるかは、上述のように計算によって求めることができる。
また、相当歪みが同じとなる条件の場合、拡管比が大きいほどt/dが小さくなるが、これは次のように説明することができる。
すなわち、上述の通り、拡管穿孔することによって相当歪みが小さくなる。したがって、相当歪みが同じ場合には、拡管穿孔の方がより加工度の大きい薄肉の素管、すなわち、t/dの小さな素管となるのである。
図3に“実線”並びに“破線”で示す曲線はそれぞれt/d比率が一定の条件で計算したものであり(実線は低い一定のt/d比率としたもので、破線は高い一定のt/d比率としたものである)、図中に矢印で示すように、拡管比を大きくすると、従来の低い拡管比にてt/d比率を高くした穿孔圧延の場合(従って得られる素管は厚い肉厚に止まる)と同程度の相当歪レベルであってもt/d比率が低い薄肉素管を得られることが分かる。
従って、この計算結果から、拡管比を大きくすることによってオーステナイト系ステンレス鋼製継目無鋼管を安定して製管する上で必要な低t/d比率のピアサ素管(薄肉素管)を得られることが確信できた。
ただ、上述の計算結果によれば“穿孔後素管の外径/素材ビレットの径”の比(即ち“拡管比”)を大きくしていくと加工発熱は低減され、粒界溶融の危険は抑制される筈であるが、上述の計算式では材料と工具の摩擦や剪断変形等、実際の加工で生じる全ての物理現象が網羅されているわけではない。
そこで、本発明者らは実験を通じて上記理論の更なる検証を行った。
この実験では、1250℃に加熱したSUS316鋼からなるオーステナイト系ステンレス鋼ビレットを、モデルミルによって長さ3mの素管(シェル)に穿孔圧延した後、300mmピッチで素管を輪切りにし、更に図4で示したように縦割りすることによって、粒界溶融起因の内面疵の有無を確認した。そして、内面疵だけでなく、材料の切断面に欠陥が認められた場合にも「内面疵あり」と判定した。
図4は、上述のように縦割りした素管の模式的斜視図であり、粒界溶融起因の内面疵(中かぶれ)の形態を示すが、図中、符号10により典型的な内面疵を、符号12により切断面に見られる欠陥をそれぞれ示す。
また、表1は、実験装置であるモデルミルの穿孔条件を示したものである。
Figure 0004916498
なお、表1における「ゴージドラフト率」並びに「プラグ先端ドラフト率」とは、例えば「第3版 鉄鋼便覧 第III巻(2)条鋼・鋼管・圧延共通設備」丸善株式会社発行の第934頁にも説明されている通り、ロール開度とプラグ先端の位置を無次元化して示す数値であり、次の式(8)並びに式(9)で表されるものである。
Figure 0004916498
Figure 0004916498
〔実験1〕
表2に示す化学組成のSUS316相当オーステナイト系ステンレス鋼からなるビレットを素材とし、そのP含有量と拡管比(穿孔後素管の外径/ビレットの径)を表3に示すように種々変えて穿孔圧延を行った。
この結果の1例を表3に併せて示す。
Figure 0004916498
Figure 0004916498
表3に示される結果からは前述した定性的な効果を確認できた。即ち、P含有量を低下させると拡管比がほぼ同じでも内面疵の発生を抑制できる。また、P含有量が同じでも拡管比を大きくすれば内面疵の発生を抑制できる。
〔実験2〕
「実験1」と同じく表2に示す化学組成のSUS316相当オーステナイト系ステンレス鋼からなるビレットを素材とし、表4に示す条件にて穿孔圧延を行った。
なお、使用した素材ビレットについては「実験1」と同様にP含有量を3水準で変化させた。ただ、「実験1」の場合とは違って、穿孔圧延においては穿孔後の素管外径をほぼ同じとし、素材ビレットの径を変えることにより拡管比を変化させた。
この結果を表4に併せて示す。
Figure 0004916498
表4に示される結果からも前述と同様の定性的傾向を知ることができる。即ち、P含有量を低下させると拡管比がほぼ同じでも内面疵の発生を抑制できる。また、P含有量が同じでも拡管比を大きくすれば内面疵の発生を抑制できる。
〔実験3〕
表2に示す化学組成のSUS316相当オーステナイト系ステンレス鋼からなるビレットを素材とし、そのS含有量と拡管比を表5に示すように種々変えて穿孔圧延を行った。
この結果を表5に併せて示す。
Figure 0004916498
表5に示される結果からも次のような定性的傾向を知ることができる。即ち、S含有量を低下させると拡管比がほぼ同じでも内面疵の発生を抑制できる。また、S含有量が同じでも拡管比を大きくすれば内面疵の発生を抑制できる。
本発明者らは、上述のような実験を繰り返しながら検討を行うことにより、内面疵を抑制して低t/d比率の素管を得ることができる「“素材ビレットのP含有量とS含有量”並びに“穿孔圧延での拡管比H”に係る関係式」を導き出すことができた。
その関係式は、次の式(10)の通りであった。
Figure 0004916498
図5は、上記の式(10)を3次元的に表現したグラフである。
図5からも明らかなように、上記の式(10)は、図5中の円錐状領域を示す式であって、粒界溶融を抑えることができる領域は円錐を1/4に切ったような領域となる。
つまり、本発明者らは上記の式(10)の係数を導き出すために前記の実験を行っており、実験で得られた“粒界溶融割れの無いデータ”を前述した図5のグラフにプロットして式(10)を求めることができた。
図6は、図5のS含有量を一定とした丸囲み数字1、丸囲み数字2の断面におけるP含有量を拡管比Hとの関係において割れの発生の有無を示すグラフである。
そして、S含有量及びP含有量を規制したオーステナイト系ステンレス鋼ビレットを前記式(10)の条件で穿孔圧延して得られた素管を用い、これを一般の継目無鋼管の製造工程に従って圧延して製管すると、品質の良好なオーステナイト系ステンレス鋼製継目無鋼管が安定して得られることも確認した。
本発明は、上記知見事項等に基づいてなされたものであって、次の通りである。
(1)オーステナイト系ステンレス鋼の継目無鋼管を製造するための素管であって、前記素管を構成する鋼中のP含有量が0.040質量%以下でかつS含有量が0.020質量%以下であると共に、拡管比Hが下記式を満足する条件の傾斜穿孔圧延履歴を有しており、穿孔圧延ままで内面疵の見られないことを特徴とする継目無鋼管製造用素管。
Figure 0004916498
(2)前記オーステナイト系ステンレス鋼が、Al、Cr、Cu、Mn、Mo、Ni、Nb、Si、Ti、W、V、およびZrの少なくとも1種を合計で10質量%以上含有するものである、上記(1)記載の素管。
(3)前記拡管比が1以上2以下の範囲内にある上記(1)または(2)記載の素管。
(4)鋼中のP含有量が0.020質量%以下、S含有量が0.005質量%以下であり、さらにNi含有量が13.00質量%以下である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の素管。
(5)オーステナイト系ステンレス鋼の継目無鋼管を製造するための素管を製造する方法であって、ビレットの加熱温度を1200℃以上で、かつ、P含有量が0.040質量%以下でS含有量が0.020質量%以下であり、さらにNi含有量が13.00質量%以下である鋼ビレットに拡管比Hが下記式を満足する条件で傾斜穿孔圧延を行い、穿孔圧延ままで内面疵の見られないことを特徴とする、継目無鋼管製造用の素管の製造方法。
Figure 0004916498
(6)前記オーステナイト系ステンレス鋼が、Al、Cr、Cu、Mn、Mo、Ni、Nb、Si、Ti、W、V、およびZrの少なくとも1種を合計で10質量%以上含有するものである、上記(5)記載の素管の製造方法。
(7)前記拡管比が1以上2以下の範囲内にある上記(5)または(6)記載の素管の製造方法。
(8)傾斜穿孔圧延を行うにあたっての傾斜ロールの周速は、素材ビレットの系をd(mm)とし、ロールゴージ部のロール径をD(mm)、ロール回転数をN(rpm)として場合、下記の範囲にある上記(5)ないし(7)のいずれかに記載の素管の製造方法。
Figure 0004916498
(9)上記(1)記載の継目無鋼管製造用素管に製管圧延を行い、次いで整形圧延を行うことを特徴とする、高合金鋼継目無鋼管の製造方法。
(10)上記(5)記載の製造方法により継目無鋼管製造用素管を製造し、次いで、得られた素管に製管圧延を行い、次いで整形圧延を行うことを特徴とする、高合金鋼継目無鋼管の製造方法。
この発明によれば、穿孔後外径/肉厚の比率(t/d比率)が7%以下であっても良好な内面性状が確保されたオーステナイト系ステンレス鋼の穿孔圧延素管を、穿孔時間の長時間化、工具寿命の低下、素管の温度低下等といった問題を伴うことなく提供することが可能となり、更にはこの素管を用いての健全なオーステナイト系ステンレス鋼製継目無鋼管の安定した製造方法が提供されるなど、産業上極めて有用な効果がもたらされる。
ここで、本発明が対象とする継目無鋼管製造用のオーステナイト系ステンレス鋼は、Al、Cr、Cu、Mn、Mo、Ni、Nb、Si、Ti、W、V、Zr、等の合金元素を少なくとも1種合計で10質量%以上含有する鋼である。その種類は、それに格別に限定されるものではないが、SUS316、SUS321、SUS347あるいはその他の何れのオーステナイト系ステンレス鋼であっても良い。また、それらの元素の合計量も特に制限されない。
本発明によれば、いずれの鋼種であっても、鋼中のP含有量は0.040質量%以下に、そしてS含有量は0.020質量%以下にそれぞれ規制すればよい。
なぜなら、鋼中のP含有量が0.040質量%を超えたりS含有量が0.020質量%を超えたりすると、穿孔圧延時に粒界溶融を起こして素管の内面疵を生じやすくなり、この内面疵のために健全な継目無鋼管の安定製造が困難となる。この傾向は、特に比較的高い温度に出発素材である鋼ビレットを加熱してt/d比率が低い薄肉素管を穿孔圧延する際に著しい。
また、穿孔圧延での拡管比Hは、先に説明したように前記の式(10)で規定される条件を満足する必要がある。
拡管比Hが前記の式(10)で規定される条件を満たさない場合は、穿孔圧延によって内面疵の無い鋼素管(とりわけ低t/d比率の素管)を得ることができない。しかるに、“P含有量が0.040質量%以下でかつS含有量が0.020質量%以下であると共に拡管比Hが前記の式(10)を満足する条件の穿孔圧延履歴(傾斜穿孔圧延履歴)を有してなる鋼素管”を用い、これを圧延して継目無鋼管の製管を行うと、このような素管は薄肉であっても粒界溶融等に起因した内面疵が発生していないので、健全なオーステナイト系ステンレス鋼製継目無鋼管を得ることができる。
更に、本発明に係る上記オーステナイト系ステンレス鋼素管は、良好な作業性の下で速やかに製造することが可能なために加熱温度からの温度低下が少なく、この点も健全なオーステナイト系ステンレス鋼製継目無鋼管の製造性に大きく寄与する。
ところで、本発明に従って継目無鋼管製造用素管の穿孔圧延を行うにあたっては、拡管比Hが前記の式(10)で規定される条件を満足する必要があることは勿論であるが、更にこの拡管比Hは1.15以上とするのが好ましい。
なぜなら、拡管比Hを1.15以上とするt/d比率が7%以下の素管を容易に製造できるからである。
一方、拡管比が2を超えると、素管の膨らみが大きくなり過ぎてロールと外面規制工具であるディスク又はガイドシューの隙間に素材が噛み出して破れる現象が起きやすくなり、圧延トラブルの原因となりがちである。
本発明に係るオーステナイト系ステンレス鋼素管の製造方法においては、素材ビレットの加熱温度を低く抑える必要がないので、穿孔圧延以降の圧延を円滑に行うために素材ビレットは1200℃以上に加熱して穿孔圧延を施すことが好ましい。実験によって把握された素材ビレット加熱温度Tの好ましい範囲は次式の通りであった。
1200℃ ≦ T ≦ 1290℃
また、本発明に従って継目無鋼管製造用素管の穿孔圧延を行うにあたっての傾斜ロールの周速は、素材ビレットの径をd(mm)とし、ロールゴージ部のロール径を
(mm)、ロール回転数をN(rpm)とした場合、下記式(11)を満足する範囲とするのが好ましいことも実験により把握された。
Figure 0004916498
なお、上記式(11)に係る分数式が、種々直径の素材ビレットに適合するように素材ビレット径で無次元化したロール周速の好適範囲を表したものであることは言うまでもない。
上述した素材ビレット加熱温度並びに傾斜ロール周速の好ましい範囲については、先に紹介した“オーステナイト系ステンレス鋼素管の穿孔圧延に係る従来提案”のそれらを大幅に上回る値であり、一般的な炭素鋼等の製管条件から制約を加えたものにはなっていない。
次いで、本発明を実施例によって説明する。
表6に示す化学組成のSUS321あるいはSUS347相当の各オーステナイト系ステンレス鋼ビレットを1250℃に加熱した後、傾斜穿孔圧延機(ピアサミル)によって穿孔圧延を行い、同じく表6に示した外径並びに肉厚の素管(シェル)を製造した。
なお、この際、ロール傾斜角、ゴージドラフト率及びプラグ先端ドラフト率は前記表1に示される値に設定され、またロール周速は前記の式(11)を満足する範囲に調整された。
Figure 0004916498
続いて、得られた素管(シェル)を300mmピッチで素管を輪切りにし、更に図4で示したように縦割りすることによって、2枚割れによる内面疵(粒界溶融に起因して内表面より数mm内部に入った部分で2枚板状に割れた内面庇)有無を調査した。
この調査結果を表6に併せて示す。
表6に示される結果からも、本発明にしたがって穿孔圧延して得られたオーステナイト系ステンレス鋼からなる素管には内面疵が何ら認められないのに対して、前記式(10)の条件を満たしていない素管(シェル)には内面疵が発生することが分かる。
また、試験番号11、12及び13の結果を比較すれば、既に述べたように、例えばPの含有量を下げることは低融点化合物を形成する金属元素(この場合はNb)の含有量を下げることに匹敵して内面疵の防止に有効であることが分かる。
次に、試験番号3、4、9〜11で得られた素管(シェル)をそのまま直ちに後続のマンドレルミルで延伸圧延してからサイザーミルで整形圧延して、継目無鋼管となしたところ、何れの場合も何らの支障もなく製管作業を終了することができ、得られたオーステナイト系ステンレス鋼製の継目無鋼管には内面、外面とも良好な性状が確保されていることが分かった。
なお、この製管作業に供された素管(シェル)は、素材ビレットの加熱温度が1250℃と高かったために何れも穿孔されて素管となった状態でも比較的高い温度を保っており(1050〜1100℃)、そのため後続の延伸圧延ミルでの延伸圧延は極めて円滑に行われた。
この実施例ではSUS321あるいはSUS347相当鋼に係る穿孔圧延、製管の試験例について紹介したが、これ以外のオーステナイト系ステンレス鋼を素材とした場合でも、本発明の規定条件に従うと良好な結果が得られることは確認済である。
図1は、オーステナイト系ステンレス鋼(SUS316)の固相線温度(融点)に及ぼすPの影響を示したシュミレーションによる状態図である。 図2(a)は、x、y、zの定義を示すビレットの模式的斜視図であり、図2(b)は、x、y、zの定義を示す穿孔素管の模式的斜視図である。 図3は、穿孔素材に加わる相当歪に及ぼす“穿孔後材料のt/d比率”と“拡管比”の影響を調査して得た関係図である。 図4は、粒界溶融起因の内面疵(中かぶれ)の形態を示した縦割りした穿孔素管の模式的斜視図である。 図5は、内面疵を抑制して低t/d比率の素管を得ることができる鋼ビレットのP含有量とS含有量並びに穿孔圧延での拡管比Hに係る関係式である式(10)を3次元的に表現したグラフである。 図6は、図5のS含有量を一定とした丸囲み数字1、丸囲み数字2の断面におけるP含有量を拡管比Hとの関係において割れの発生の有無を示すグラフである。

Claims (13)

  1. オーステナイト系ステンレス鋼の継目無鋼管を製造するための素管であって、前記素管を構成する鋼中のP含有量が0.040質量%以下でかつS含有量が0.020質量%以下であり、さらにNi含有量が13.00質量%以下であると共に、拡管比Hが下記式を満足する条件の傾斜穿孔圧延履歴を有していることを特徴とする継目無鋼管製造用素管。
    Figure 0004916498
  2. 前記オーステナイト系ステンレス鋼が、Al、Cr、Cu、Mn、Mo、Ni、Nb、Si、Ti、W、V、およびZrの少なくとも1種を合計で10質量%以上含有するものである、請求項1記載の素管。
  3. 鋼中のP含有量が0.020質量%以下、S含有量が0.005質量%以下である、請求項1記載の素管。
  4. 鋼中のP含有量が0.020質量%以下、S含有量が0.005質量%以下である、請求項2記載の素管。
  5. 前記拡管比が1.15以上の範囲内にある請求項1ないし4のいずれかに記載の素管。
  6. 穿孔圧延により製造される素管であって、穿孔圧延後の素管肉厚をt、同じく素管の外径をdとするとき、t/d比が7%以下である請求項4記載の素管。
  7. オーステナイト系ステンレス鋼の継目無鋼管を製造するための素管を製造する方法であって、P含有量が0.040質量%以下でS含有量が0.020質量%以下であり、さらにNi含有量が13.00質量%以下である鋼ビレットに拡管比Hが下記式を満足する条件で傾斜穿孔圧延を行うことを特徴とする、継目無鋼管製造用の素管の製造方法。
    Figure 0004916498
  8. 前記拡管比が1.15以上の範囲内にある請求項7記載の素管の製造方法。
  9. 前記オーステナイト系ステンレス鋼が、Al、Cr、Cu、Mn、Mo、Ni、Nb、Si、Ti、W、V、およびZrの少なくとも1種を合計で10質量%以上含有するものである、請求項7または8記載の素管の製造方法。
  10. ビレットの加熱温度を1200℃以上で、穿孔圧延後のt/d比(t:穿孔圧延後の素管肉厚、d:素管の外径)が7%以下となる条件で傾斜穿孔圧延を行う請求項7または8記載の素管の製造方法。
  11. 傾斜穿孔圧延を行うにあたっての傾斜ロールの周速は、素材ビレットの径をd(mm)とし、ロールゴージ部のロール径をD(mm)、ロール回転数をN(rpm)とした場合、下記の範囲にある請求項7または8に記載の素管の製造方法。
    Figure 0004916498
  12. 請求項1記載の継目無鋼管製造用素管に製管圧延を行い、次いで整形圧延を行うことを特徴とする、高合金鋼継目無鋼管の製造方法。
  13. 請求項7記載の製造方法により継目無鋼管製造用素管を製造し、次いで、得られた素管に製管圧延を行い、次いで整形圧延を行うことを特徴とする、高合金鋼継目無鋼管の製造方法。
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