JP4916486B2 - 六方晶窒化ホウ素構造および製造方法 - Google Patents

六方晶窒化ホウ素構造および製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、窒化ホウ素半導体構造とその製造方法に関し、特に、サファイア基板上の六方晶窒化ホウ素構造とその製造方法に関する。
紫外領域で発光する発光ダイオードや半導体レーザーは、高密度記録媒体用光源、光触媒、殺菌、ナノサージェリー等への幅広い応用が期待されている。また、その光デバイスの発光材料としては、窒化ホウ素が期待されている。
窒化ホウ素には、その結晶構造の違いにより、高圧安定相である立方晶窒化ホウ素、常圧安定相である六方晶窒化ホウ素、高圧安定相かつ準安定相であるウルツ鉱窒化ホウ素が存在する。高圧安定相である立方晶窒化ホウ素は、n型及びp型ドーピングが報告されており、高温高圧法を用いることにより立方晶窒化ホウ素発光ダイオードが実現されている。一方、常圧安定相である六方晶窒化ホウ素は、結晶成長上の問題により光デバイスとしては長い間実現されていなかったが、最近、高温高圧法により、その単結晶バルク結晶が実現され、発光特性が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、バンド構造、発光特性、伝導性等、六方晶窒化ホウ素の基礎物性に関しては未解明な部分が多く、六方晶窒化ホウ素の結晶成長技術を確立することにより、その基礎物性を解明することが強く望まれている。また、将来の応用を考えると、適切な基板上に単結晶六方晶窒化ホウ素を結晶成長させることが望まれている。
以上、2つの点、つまり、六方晶窒化ホウ素の基礎物性の解明を行なうこと、および将来の応用の観点から適切な基板上に単結晶六方晶窒化ホウ素構造を実現することが、現在最も重要な課題である。
各種基板上の単結晶六方晶窒化ホウ素構造としては、以下の3つの構造が考えられる。
(1)単結晶六方晶窒化ホウ素バルク基板上の六方晶窒化ホウ素構造
(2)六方晶窒化ホウ素と格子整合する(もしくは格子不整合が小さい)基板上の六方晶窒化ホウ素構造
(3)六方晶窒化ホウ素と格子不整合する基板上の六方晶窒化ホウ素構造
高品質な六方晶窒化ホウ素成長のためには、(1)の単結晶六方晶窒化ホウ素バルク基板上に単結晶六方晶窒化ホウ素構造をホモエピタキシャル成長させる方法が、最も渇望されるところである。しかし、現在実現されている単結晶六方晶窒化ホウ素基板の大きさは、最大で0.5−1mm程度であり、また再現性良く成長させることが大変難しい。さらに、単結晶六方晶窒化ホウ素バルク基板は、商用的には販売されておらず入手不可能である。
(2)に関しては、単結晶Ni(111)基板上の六方晶窒化ホウ素構造が有望である。六方晶窒化ホウ素とNi(111)との面内の格子不整合の大きさは0.5%程度であり、非常に小さい。実際に、トリエチルボロンとアンモニアを用いた流量変調エピタキシー法により、基板温度1020℃で成長させた単結晶Ni(111)基板上の単結晶六方晶窒化ホウ素構造が報告されている(例えば、非特許文献2参照)。
図1は、(2)に関する従来技術によりNi(111)基板上に成長させた六方晶窒化ホウ素構造のヘテロ界面の透過型電子顕微鏡像である。図示されるように、Ni(111)と六方晶窒化ホウ素とのヘテロ界面は、原子レベルで急峻かつ平坦であり、六方晶窒化ホウ素結晶内にsp2結合による層状の六方晶窒化ホウ素構造が観察された。また、得られた格子定数は6.66Åであることから、Ni(111)基板上に窒化ホウ素構造が形成されていることが確認できた。
しかしながら、Ni(111)基板上の六方晶窒化ホウ素構造は、いくつかの問題点を有する。まず、市販されているSi基板、6H−SiC基板、サファイア基板等と比較して、単結晶Ni(111)基板は極めて高価である。次に、2インチ等の大面積のNi(111)基板を得ることは困難であり、さらに、へき開が不可能である。最後に、市販されているSi基板、6H−SiC基板、サファイア基板等と比較して、Ni(111)基板は結晶性が劣る。このように、Ni(111)基板は、汎用性においていくつかの問題点を有している。
(3)に関しては、サファイア基板上の窒化ホウ素構造が有望である。サファイア基板は、六方晶系の結晶構造を有し、Ni(111)基板と比較して極めて安価である。また、サファイア基板は、2インチ等の大面積化が可能であり、高い結晶性を有するなど、Ni(111)基板と比較して汎用性に優れる。さらに、サファイア基板は、優れた特性、例えば、耐熱性に優れ、広い光透過領域を有し、高い絶縁性と機械的強度を有している。
しかしながら、サファイア基板上の窒化ホウ素構造は、乱層窒化ホウ素構造となってしまうという大きな問題がある。サファイア基板と六方晶窒化ホウ素のそれぞれの格子定数は大きく異なっており、47%の格子不整合が存在する。この大きな格子不整合により、単結晶六方晶窒化ホウ素の形成が阻害され、サファイア基板上にオーダリングが乱れた乱層窒化ホウ素あるいはアモルファス窒化ホウ素が形成されてしまう。
以下に、6H−SiC基板上に形成された乱層窒化ホウ素構造について説明する。図2は、トリエチルボロンとアンモニアを用いた流量変調エピタキシー法により、基板温度1020℃で成長させた単結晶6H−SiC基板上の単結晶乱層窒化ホウ素構造のヘテロ界面の透過型電子顕微鏡像である。図示されるように、6H−SiC基板と六方晶窒化ホウ素との間の19%の大きな格子不整合によって、ヘテロ界面にアモルファス窒化ホウ素が形成され、そのアモルファス窒化ホウ素の上に、数Åのサイズを有するsp2結合した窒化ホウ素がランダムな方向を向きながら形成されている。六方晶窒化ホウ素は、3次元的な秩序を有する結晶構造であり、その3次元的な秩序構造が乱れ、無秩序の度合いが増加した構造が乱層窒化ホウ素である。乱層窒化ホウ素構造の格子定数は、無秩序度が増加しているため、六方晶窒化ホウ素構造の格子定数と比較して大きくなることが報告されている。このように、大きな格子不整合を有する基板上には、乱層窒化ホウ素構造が形成されることがわかる。
同様に、サファイア基板上の窒化ホウ素も大きな格子不整合を有するため、従来技術においては乱層窒化ホウ素構造が形成される。以下に、従来技術を用いて形成したサファイア基板上の乱層窒化ホウ素構造について説明する(例えば、非特許文献3参照)。なお、ここで説明する窒化ホウ素は、原料としてアンモニアとトリエチルボロンを用いた有機金属気相成長法により、サファイア基板上に成長させたものである。
図3は、従来技術を用いてサファイア基板上に成長させた窒化ホウ素の格子定数の成長温度依存性を示すグラフである。縦軸は、c軸格子定数(Å)を表わし、横軸は、基板温度(℃)を表わす。なお、格子定数の測定は、X線回折測定により行った。
図示されるように、基板温度を900℃から1200℃としてサファイア基板上に成長させた各窒化ホウ素の格子定数は、6.72Åから7.15Åであった。これらの格子定数は、六方晶窒化ホウ素のc軸格子定数6.66Åに比べて大きい。つまり、この結果は、従来技術によりサファイア基板上に成長させた窒化ホウ素の結晶構造が、乱層窒化ホウ素構造であることを示している。
このように、従来技術においては、サファイア基板上に成長させた窒化ホウ素の結晶構造は、乱層窒化ホウ素であるという問題があった。乱層窒化ホウ素は、六方晶窒化ホウ素に比べて無秩序度が増加し、結晶性が劣化した構造であるため、六方晶窒化ホウ素の基礎物性解明には適さない構造であり、将来のデバイス応用の観点からも大きな問題を抱えている。
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前述したように、単結晶Ni(111)基板上の六方晶窒化ホウ素構造には、Ni(111)基板が極めて高価であり、2インチ等の大面積化が困難で、かつ、へき開ができないという問題があった。また、サファイア基板上の乱層窒化ホウ素構造は、3次元的な秩序構造が乱れ、無秩序の度合いが増加した構造であり、欠陥、転位等が多く、六方晶窒化ホウ素の基礎物性の解明には適さないという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、経済的に安価であり、大面積化およびへき開が可能な、六方晶窒化ホウ素の基礎物性解明に適した六方晶窒化ホウ素構造とその製造方法を提供することである。
このような目的を達成するために、請求項1に係る六方晶窒化ホウ素構造は、サファイア単結晶基板上に単結晶六方晶窒化ホウ素を形成し、サファイア単結晶基板の主方位面が、(11−20)面または(1−102)面であることを特徴とする。
請求項1に係る六方晶窒化ホウ素構造は、サファイア単結晶基板上に形成されるため、Ni(111)基板上の六方晶窒化ホウ素構造に比べて、極めて安価に六方晶窒化ホウ素構造を形成することが可能になる。また、2インチ、3インチ等の大面積化が可能となり、六方晶窒化ホウ素構造のへき開も可能となる。
また、請求項に係る六方晶窒化ホウ素の製造方法は、V族原料であるアンモニアのモル流量と、III族原料であるトリエチルボロン、トリメチルボロン、ジボラン、三塩化ホウ素、または三フッ化ホウ素のモル流量との間のV/III比が、1000以上であることを特徴とする。
こうすることにより、サファイア単結晶基板上の乱層窒化ホウ素構造の成長を抑制して、サファイア単結晶基板上に単結晶六方晶窒化ホウ素を成長させることが可能となる。
本発明によれば、サファイア基板上に六方晶窒化ホウ素を成長させることが可能となり、サファイア基板上の六方晶窒化ホウ素構造を実現することができる。これにより、経済的に安価であり、大面積化およびへき開が可能な、サファイア基板上の六方晶窒化ホウ素構造を提供することが可能となる。
以下に、本発明の一実施形態に係る六方晶窒化ホウ素構造およびその製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図4は、本発明の一実施形態に係るサファイア基板上の六方晶窒化ホウ素構造を示す図である。図示されるように、(0001)サファイア単結晶基板41上に、(0001)単結晶六方晶窒化ホウ素42が形成されている。
図5は、本発明の一実施形態に係る六方晶窒化ホウ素構造の製造装置を示す図である。本発明の一実施形態に係る六方晶窒化ホウ素構造の製造装置は、有機金属であるトリエチルボロンを貯蔵する貯蔵容器56と、窒素原料ガスであるアンモニアを貯蔵する貯蔵容器57とを備える。貯蔵容器56には、トリエチルボロンが液体の状態で貯蔵されており、バブリングすることによって有機金属ガスライン51に供給される。また、バルブ54aおよびバルブ54bは、それぞれ、貯蔵容器56から供給されるトリエチルボロンの、ベントライン53および有機金属ガスライン51へのフローを制御する。バルブ54cおよびバルブ54dは、それぞれ、貯蔵容器57から供給されるアンモニアの、ベントライン53およびアンモニアガスライン52へのフローを制御する。
貯蔵容器56から供給されるトリエチルボロンと、貯蔵容器57から供給されるアンモニアは、それぞれ、有機金属ガスライン51とアンモニアガスライン52を通って、水素キャリアガス55によりフローされて、反応炉58に供給される。有機金属トリエチルボロンは、恒温槽(不図示)により約0℃に設定されている。反応炉58内において、基板ヒーター59の上に置かれた(0001)サファイア単結晶基板41上に、単結晶六方晶窒化ホウ素が成長する。六方晶窒化ホウ素の成長を行わない場合、有機金属トリエチルボロンおよびアンモニアは、ベントライン53を通って排気される。
以下に、図5に例示された製造装置を用いて、サファイア単結晶基板41上に単結晶窒化ホウ素構造を形成した手順を説明する。
まず、(0001)サファイア単結晶基板41を、反応炉58内の基板ヒーター59の上にセットした。次いで、水素キャリアガス55を流しながら基板ヒーター59を加熱し、基板表面温度を1080℃まで上昇させた。その後、水素キャリアガス55を流しながら、(0001)サファイア単結晶基板41を、1080℃において10分間熱的にクリーニングした。次に、有機金属トリエチルボロンとアンモニアを、それぞれ、有機金属ガスライン51とアンモニアガスライン52を通して、加熱されたサファイア単結晶基板41上に供給した。ここで、V/III比を、V族原料であるアンモニアのモル流量に対する、III族原料であるトリエチルボロンのモル流量の比と定義する。アンモニアのモル流量とトリエチルボロンのモル流量とを変化させることにより、V/III比を100から2000まで変化させ、窒化ホウ素をサファイア単結晶基板上に成長させた。サファイア単結晶基板41上に形成された窒化ホウ素の膜厚は、0.3μmであった。
図6は、サファイア単結晶基板41上に、V/III比630の条件で成長させた窒化ホウ素の2θ−ωX線回折測定結果を示す。サファイア単結晶基板41の(0006)回折ピークが、2θ=41.6°に明瞭に観測されると共に、窒化ホウ素からの弱い回折ピークが、2θ=26.2°に観測された。回折ピーク角度から求められるc軸格子定数は、6.78Åであり、六方晶窒化ホウ素のc軸格子定数6.66Åよりも大きい。このことから、V/III比630の条件で成長させた窒化ホウ素の結晶構造は、乱層窒化ホウ素であることがわかった。
一方、図7は、V/III比を増加させて、V/III比1250の条件で成長させた窒化ホウ素の2θ−ωX線回折測定結果を示す。図7では、図6と同様に、サファイア単結晶基板41の(0006)回折ピークが、2θ=41.6°に明瞭に観測された。しかし、図6で観測された乱層窒化ホウ素からの弱い回折ピークとは異なり、窒化ホウ素からの鋭い回折ピークと弱い回折ピークが、2θ=26.7°と2θ=55.0°に観測された。回折ピークから求められる格子定数は、6.66Åであり、鋭い回折ピークと弱い回折ピークは、それぞれ六方晶窒化ホウ素の(0002)および(0004)からの回折であることがわかった。このことから、V/III比を1250として、V/III比がより大きい条件で窒化ホウ素を成長させることにより、サファイア単結晶基板上に六方晶窒化ホウ素が成長したことがわかった。
図8は、V/III比を100から2000まで変化させて成長させた各窒化ホウ素の、X線回折より求めたc軸格子定数を示すグラフである。縦軸はc軸格子定数を表わし、横軸はV/III比を表わす。V/III比が1000以下の条件で成長させた窒化ホウ素のc軸格子定数は、6.78〜6.96Åとなり、六方晶窒化ホウ素のc軸格子定数よりも大きい。これは、この条件で成長した窒化ホウ素が、乱層窒化ホウ素構造であることを示している。対照的に、V/III比が1000以上の条件で成長させた窒化ホウ素のc軸格子定数は、6.66〜6.96Åとなった。これは、この条件で成長させた窒化ホウ素が、六方晶窒化ホウ素構造であることを示している。このように、V/III比が1000以上の条件で窒化ホウ素を成長させることにより、サファイア単結晶基板上に六方晶窒化ホウ素構造を実現することができた。
図9は、V/III比1250の条件で成長させた(0001)サファイア単結晶基板上の六方晶窒化ホウ素構造のヘテロ界面の透過型電子顕微鏡像である。図示されるように、(0001)サファイア単結晶基板上に、(0001)六方晶窒化ホウ素が成長している。六方晶窒化ホウ素の領域では、その構造が、sp2結合により層状に成長していることが確認され、その各層の間隔より求めた格子定数は、6.66Åであった。従って、図9から、六方晶窒化ホウ素構造が形成されたことが確認できた。
同様に、気相成長におけるIII族原料として、トリメチルボロン、ジボラン、三塩化ホウ素、または三フッ化ホウ素を用いた場合でも、V族原料であるアンモニアのモル流量とIII族原料のモル流量との間のV/III比が1000以上の条件で窒化ホウ素を気相成長させることにより、(0001)サファイア単結晶基板上に六方晶窒化ホウ素構造が形成された。
上述した実施例は、(0001)サファイア単結晶基板上の(0001)六方晶窒化ホウ素構造に関するものである。(0001)サファイア単結晶基板と(0001)六方晶窒化ホウ素のa軸方向の格子不整合は、前述したように、47%と極めて大きい。結晶成長においては、基板と基板上の薄膜との間の格子不整合が小さい場合、より高品質な薄膜構造が成長する。(11−20)面サファイア単結晶基板と六方晶窒化ホウ素のa軸方向の格子不整合は5%であり、(0001)面サファイア単結晶基板と六方晶窒化ホウ素のa軸方向の格子不整合47%と比較して、極めて小さい。(0001)サファイア単結晶基板と同様に、(11−20)面サファイア単結晶基板においても、気相成長におけるIII族原料としてトリエチルボロン、トリメチルボロン、ジボラン、三塩化ホウ素、または三フッ化ホウ素を用いた場合、V族原料であるアンモニアのモル流量とIII族原料のモル流量との間のV/III比が1000以上の条件で窒化ホウ素を気相成長させることにより、(11−20)サファイア単結晶基板上に六方晶窒化ホウ素構造が形成された。
また、同様に(1−102)面サファイア単結晶基板と六方晶窒化ホウ素のa軸方向の格子不整合は9%であり、(0001)面サファイア単結晶基板と六方晶窒化ホウ素のa軸方向の格子不整合47%と比較して、極めて小さい。(0001)サファイア単結晶基板と同様に、(1−102)面サファイア単結晶基板においても、気相成長におけるIII族原料としてトリエチルボロン、トリメチルボロン、ジボラン、三塩化ホウ素、または三フッ化ホウ素を用いた場合、V族原料であるアンモニアのモル流量とIII族原料のモル流量との間のV/III比が1000以上の条件で窒化ホウ素を気相成長させることにより、(1−102)面サファイア単結晶基板上に六方晶窒化ホウ素構造が形成された。
このように、本発明によると、(11−20)面サファイア単結晶基板、および(1−102)面サファイア単結晶基板上にも、六方晶窒化ホウ素構造を形成することができる。
従来技術によりNi(111)基板上に成長させた六方晶窒化ホウ素構造の電子顕微鏡像である。 従来技術により6H−SiC基板上に成長させた乱層窒化ホウ素構造の電子顕微鏡像である。 従来技術によりサファイア基板上に成長させた乱層窒化ホウ素のc軸格子定数の成長温度依存性を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係るサファイア単結晶基板上の六方晶窒化ホウ素構造を示す図である。 本発明の一実施形態に係る六方晶窒化ホウ素構造の製造装置を示す図である。 本発明の一実施形態に係るサファイア単結晶基板上にV/III比630で成長させた乱層窒化ホウ素のX線回折測定結果を示す図である。 本発明の一実施形態に係るサファイア単結晶基板上にV/III比1250で成長させた六方晶窒化ホウ素のX線回折測定結果を示す図である。 本発明の一実施形態に係るサファイア単結晶基板上に成長させた窒化ホウ素のc軸格子定数のV/III比依存性を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係るによるサファイア単結晶基板上の六方晶窒化ホウ素構造の電子顕微鏡像である。
符号の説明
41 サファイア基板
42 六方晶窒化ホウ素
51 有機金属ガスライン
52 アンモニアガスライン
53 ベントライン
54a、54b、54c、54d バルブ
55 水素キャリアガス
56、57 貯蔵容器
58 反応炉
59 基板加熱ヒーター

Claims (2)

  1. サファイア単結晶基板と、該基板上に形成された単結晶六方晶窒化ホウ素を有し、前記基板の主方位面が、(11−20)面または(1−102)面であることを特徴とする六方晶窒化ホウ素構造。
  2. V族原料であるアンモニアと、III族原料であるトリエチルボロン、トリメチルボロン、ジラボン、三塩化ホウ素、または三フッ化ホウ素とを用いる気相成長法により、サファイア単結晶基板上に単結晶六方晶窒化ホウ素を形成し、前記V族原料であるアンモニアのモル流量と、前記III族原料であるトリエチルボロン、トリメチルボロン、ジボラン、三塩化ホウ素、または三フッ化ホウ素のモル流量との間のV/III比が、1000以上であることを特徴とする六方晶窒化ホウ素の製造方法。
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