JP2015032730A - 窒化物半導体構造およびそれを製造する方法 - Google Patents

窒化物半導体構造およびそれを製造する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な手法により、(20−21)面を含む(n0−n1)面(ここでnは整数)を主面とする窒化物半導体構造およびそれを製造する方法を提供する。
【解決手段】窒化物半導体構造は、m軸からa軸方向に傾斜したオフ角θおよびc軸に垂直な法線を有する主面を含むサファイア基板と、前記サファイア基板の前記主面上に位置しており、半極性面を主面とする窒化物半導体層を含む窒化物半導体層構造とを備え、前記窒化物半導体層の前記主面は、前記窒化物半導体層のa軸に垂直な法線およびm軸からc軸方向に傾斜したオフ角Φを有し、前記サファイア基板の前記オフ角θおよび前記窒化物半導体層のオフ角Φとが、下記式(1)の関係を満たしており、
Φ=0.78xθ ・・・(1)
前記サファイア基板の前記オフ角度θが、5度以上25度以下である。
【選択図】図1

Description

本願は、窒化物半導体構造およびそれを製造する方法に関する。
近年、窒化物半導体の(20−21)面を利用した半導体デバイスが研究されている。特許文献1は、(20−21)面を有するGaN基板上に作製された半導体レーザー構造とその作製方法を開示する。特許文献1によれば、(20−21)面上の半導体レーザー構造において、歩留まりが改善し、面内のm軸と垂直方向に共振器構造を形成することで、良好なレーザー特性が得られることを開示している。なお、本願明細書において、ミラー指数の数字上のバーを、数字の前に「−」符号をつけて表す。
非特許文献1は、凹凸に加工した(22−43)面を主面とするサファイア基板を用い、傾斜したサファイアのc面ファセットを起点として窒化物半導体成長を行なうことで、主面が(20−21)面となる窒化物半導体を成長させることができると開示している。
また、窒化物半導体の結晶成長に関して、非特許文献2は、m面サファイア基板上に窒化物半導体層をエピタキシャル成長させることを開示している。成長された窒化物半導体層は、エピタキシャル成長の条件に依存して、(10−10)面、(11−22)面、および(10−1−3)面からなる群から選択される1つの主面を有すると開示している。
特許文献2は、a軸方向にオフ角を有するm面サファイア基板上のm面窒化物半導体膜の結晶性について開示している。a軸方向のオフ角度を2度付近で制御することで、m面窒化物半導体の結晶性が改善するとしている。しかし、m面サファイアが有するオフ角度と、その基板上の成膜する窒化物半導体のオフ角度の関係については、説明がなく、(20−21)面を主面とする半極性面窒化物半導体成長については、開示されていない。
特許第5152392号公報 WO2008/047907号
Applied Physics Letters 99、242103 (2011) Journal of Applied Physics 108, 113521 (2010)
従来技術では、より簡単な手法によって(20−21)面を有する窒化物半導体を得ることが求められていた。本願は、より簡易な手法により、(20−21)面を含む(n0−n1)面(ここでnは整数)を主面とする窒化物半導体構造およびそれを製造する方法を提供する。
本願に開示された窒化物半導体構造は、m軸からa軸方向に傾斜したオフ角θおよびc軸に垂直な法線を有する主面を含むサファイア基板と、前記サファイア基板の前記主面上に位置しており、半極性面を主面とする窒化物半導体層を含む窒化物半導体層構造とを備え、前記窒化物半導体層の前記主面は、前記窒化物半導体層のa軸に垂直な法線およびm軸からc軸方向に傾斜したオフ角Φを有し、前記サファイア基板の前記オフ角θおよび前記窒化物半導体層のオフ角Φとが、下記式(1)の関係を満たしており、
Φ=0.78xθ ・・・(1)
前記サファイア基板の前記オフ角度θが、5度以上25度以下である。
本開示によれば、サファイア基板のオフ角度を調整することにより、半極性面である(20−21)面を含む(n0−n1)面を主面とする窒化物半導体構造を得ることができる。
本発明の窒化物半導体構造の実施形態を示す模式的な断面図である。 (a)は六方晶系の結晶軸と結晶面との関係を示し、(b)および(c)はそれぞれa面およびm面とc軸との関係を示す図である。 (a)はm面サファイア基板上に形成される窒化物半導体層における、サファイア面および窒化物半導体層の主面の面方位を示し、(b)は、第1の実施形態の窒化物半導体構造におけるサファイア面および窒化物半導体層の主面のオフ角を示している。 m面サファイア基板の主面と(11−22)面窒化物半導体層の主面の面方位を示す図である。 (a)および(b)は第1の実施形態の窒化物半導体構造の変形例に用いられるサファイア基板の平面図および断面図を示す。 (a)および(b)は第1の実施形態の窒化物半導体構造の他の変形例に用いられるサファイア基板の平面図および断面図を示す。 実施例2の窒化物半導体構造を示す模式的な断面図である。 (a)から(d)は、実施例1の窒化物半導体層の表面の光学顕微鏡像を示す。 図8(a)から(d)に示す実施例1の窒化物半導体層の表面の表面rms粗さを示す。 (a)から(d)は、実施例2における表面モフォロジーのサファイア基板オフ角度依存性を示す。 図8(b)に示す窒化物半導体層の断面走査型電子顕微鏡像(SEM)を示す。 実施例2によるGaNの窒化物半導体層のX線逆格子マッピング測定結果である。 実施例2によるGaNの窒化物半導体層のX線逆格子マッピング測定結果である。 実施例2によるGaNの窒化物半導体層のX線逆格子マッピング測定結果である。 実施例2によるGaNの窒化物半導体層のX線逆格子マッピング測定結果である。 (a)は、実施例2におけるサファイア基板のオフ角と、窒化物半導体層の主面の法線とm軸との差の関係を示し、(b)は、実施例2における窒化物半導体層のオフ角と結晶性との関係を示す。す。 実施例1および実施例2の窒化物半導体層のXRC測定結果を示す 比較例1におけるサファイア基板のオフ角度と、窒化物半導体層の主面の法線と[11−22]軸とのずれの関係を示す。 (a)および(b)は、a面およびm面を有する窒化物半導体層におけるエピタキシャル関係を示す。 (a)は、m軸からa軸方向に19度オフしたm面サファイア基板のAl原子配列の模式図であり、(b)は、(20−21)面を有するGaNのGa原子配列の模式図である。 本発明の発光素子の実施形態を示す模式的な断面図である。 本発明の光源の実施形態を示す模式的な断面図である。
本発明の一実施形態に係る窒化物半導体構造及びその製造方法の概要は以下の通りである。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明による窒化物半導体構造の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態による窒化物半導体構造の断面図を示す。図1に示されるように、本実施形態による窒化物半導体構造11は、サファイア基板100と窒化物半導体層構造120を備える。本実施形態では、窒化物半導体層構造120は、バッファ層110および窒化物半導体層300を含む。以下、各構成要素を詳細に説明する。
(サファイア基板100)
サファイア基板100は、a面サファイア基板またはm面サファイア基板のオフ基板である。図2を参照しながら、本実施形態のオフ角を有するサファイア基板100の傾斜方向を詳細に説明する。サファイア結晶はコランダム構造を有しており、六方晶系に属する。図2(a)は六方晶系の結晶軸と結晶面との関係を示している。4指数表記では、a1、a2、a3及びcで表される基本ベクトルを用いて結晶面及びその面方位が表される。[0001]方向に延びる軸は「c軸」と呼ばれる。
本明細書において用いられる「a面」とは、(1−210)面およびそれと等価な面を意味する。(1−210)面と等価な面は、(−1−120)、(2−1−10)、(−12−10)、(−2110)、および(11−20)を含む。また、「m面」とは、(10−10)面およびそれと等価な面を意味する。(10−10)面と等価な面は、(−1100)面、(01−10)面、(0−110)面、(1−100)面、および(−1010)面を含む。これらの面は、c軸と平行である。このため、図2(b)および図2(c)に示すように、以降、これらの面をc軸方向から結晶系を見た正六角形で示す。図2(b)に示すように、a面は、正六角形の隣接する2辺を等辺とする二等辺三角形の底面(破線で示す)で表される。また、図2(c)に示すように、m面は正六角形の1つの辺で示される。これらの面に垂直な軸をそれぞれa軸およびm軸と呼ぶ。a軸m軸およびc軸は互いに直交している。
オフ基板とは、基板の主面の法線方向が、主な結晶軸から傾斜している基板である。本明細書では、m軸からの傾斜をオフ角と呼ぶ。図1に示すように、サファイア基板100の主面100aは、c軸に垂直な法線を有し、c軸を回転軸として、c軸方向に垂直方向、つまり、a軸方向にオフ角θで傾いている。以下において、詳細に説明するように、サファイア基板100のオフ角θは、5度以上25度以下であり、10度以上20度以下が好ましい。
図2(b)および(c)から分かるように、a面とm面は、それぞれ30度の傾斜角の違いを有する。つまり、c軸を回転軸とし、a面から30度回転すると、m面となる。サファイア基板100のオフ角はc軸を回転軸とする。よって、例えば、a面サファイア基板を15度オフさせた基板は、m面サファイアを15度オフさせた基板と等価である。
本実施形態のサファイア基板100は、サファイアのc軸方向にはオフを設けず、0度付近に制御すればよい。ただし、厳密に0度に制御することは困難であり、0度±1.0度であってもよい。
(窒化物半導体層構造120)
窒化物半導体層構造120は、サファイア基板100の主面100a上に位置しており、少なくとも窒化物半導体層300を含む。本実施形態では、窒化物半導体層構造120は、バッファ層110をさらに含んでいる。バッファ層110は、サファイア基板100と接し、窒化物半導体層300とサファイア基板100との間に位置している。
(バッファ層110)
バッファ層110は、c軸を回転軸としたオフ角を有するa面もしくはm面サファイア基板100上に半極性面である(n0−n1)面を主面とする結晶性の高い窒化物半導体層300を成長するために、基板100の主面100a上に設けられる。ここでnは1以上の整数である。以下において説明するように、バッファ層110の主面110aの結晶方位は、窒化物半導体層300の主面の結晶方位と一致する。
バッファ層110は、窒化物半導体層によって構成される。本明細書において用いられる用語「窒化物半導体」は、組成式AlxInyGazN(ここで、0≦x<1、0≦y<1、0<z≦1、およびx+y+z=1)で表される半導体を意味する。また、この窒化物半導体は、半導体に導電性を付与するための不純物元素を含んでいてもよい。たとえばn型伝導制御を目的としてSiやGeを、p型伝導制御を目的としてMgを含んでいてもよい。また格子定数を制御するためにBを含んでいてもよい。
バッファ層110の窒化物半導体の組成は、(n0−n1)面を主面とする窒化物半導体層300を成長できる範囲で、適宜選ぶことができる。たとえば、Alを含む窒化物半導体によってバッファ層110は構成されていてもよい。具体的には、AlNから構成されていてもよい。
また、窒化物半導体層構造120は、Al金属層を含んでいてもよい。この場合、Al金属層は、バッファ層110を形成する前に、基板100の表面に形成される。バッファ層110やAl金属層の形成は、m面サファイア基板上にm面窒化物半導体層を形成する際に設けられるバッファ層の条件に基づいて決定される。詳細については、以下で述べる。
(窒化物半導体層300)
窒化物半導体層300は、バッファ層110の主面110a上に形成される。窒化物半導体層300は、主面300aを有している。主面300aは半極性面である。窒化物半導体層300も窒化物半導体で構成されている。窒化物半導体は六方晶系に属するウルツ鉱構造を有しており、図2に示す結晶構造を備える。ここで、c面は極性面であり、m面およびa面は非極性面である。半極性面とは、c面に非垂直であり、かつ、m面およびa面に非平行な面をいう。
図1に示すように、窒化物半導体層300の主面300aは、a軸に垂直な法線を有し、m軸からc軸方向にオフ角Φで傾斜している。オフ角Φは5度以上15度以下である。
窒化物半導体層300の主面300aの面方位は、バッファ層110と同等であり、サファイア基板100のオフ角θを変えることによって制御できる。窒化物半導体層300の主面300aは、具体的には、(n0−n1)面である。本願発明者の検討によれば、(n0−n1)面を主面とする窒化物半導体層300の成長は、オフ角θを有するa面もしくはm面を主面とするサファイア基板100を用いることで実現可能である。
(n0−n1)面は、例えば(20−21)面である。本明細書において、(20−21)面とは、他の等価な面である(2−201)面、(−2201)面、(02−21)面、(0−221)面、(−2021)面を含む。主面300aが(20−21)面である場合、オフ角Φは15度である。nは3であってもよいし、6であってもよい。n=3である場合、主面300aは、(30−31)面である。この場合、オフ角Φは10度である。n=6である場合、主面300aは、(60−61)面であり、オフ角Φは5度である。これらの面方位にも同様に、半極性の等価な面が存在する。nは2、3および6以外の正の整数であってもよい。
本実施形態の窒化物半導体層300における、(n0−n1)面には、厳密には(n0−n+1)面と(n0−n−1)面が存在する。この4番目の指数の±は、極性を意味する。これは、窒化物半導体の結晶構造(ウルツ鉱構造)がc軸方向に反転対称性がないことに起因している。つまり、c軸方向に+c面と−c面が存在する。
窒化物半導体層300における(n0−n1)面の極性は、現時点では明らかではない。よって、表記としては、本来「(n0−n±1)面」とすべきであるが、便宜上「(n0−n1)面」と記す。
上述したサファイア基板100のオフ角θと窒化物半導体層300のオフ角Φとの間には、以下の式(1)の関係が成立する。
Φ=0.78xθ ・・・(1)
ここで、式(1)は、±0.5〜1.0度程度の誤差を許容する。窒化物半導体層300の主面300aのオフ角度Φは、上述したように、m面を基準とした場合の値であり、窒化物半導体層の主面法線とm軸との間の角度で定義される。
例えば(20−21)面であれば、その傾斜角度Φは15度となる。c面を基準とした場合は、(20−21)面のオフ角度は90−Φとなり、75度となる。
一方、サファイア基板のオフ角度θも、m面を基準とした場合の値であり、サファイア基板の主面法線とm軸との間の角度で定義される。例えば、θ=15度とは、主面の法線がサファイアのm軸からa軸方向に15度オフしていることを意味する。ちなみに、これはサファイアのc軸を回転軸として、m軸からa軸方向に15度回転したのと同等である。
また、図2に示したように、この場合の15度オフしたm面サファイア基板とは、15度オフしたa面サファイア基板と同等である。
式(1)より、(20−21)面を主面とする窒化物半導体層300を得るには、オフ角度θが19度のサファイア基板100を用いればよい。同様に、(n0−n1)面を主面とする半極性面窒化物半導体層の成長も、サファイア基板のオフ角度θを適宜選ぶことで実現可能である。例えば、(30−31)面を主面とする窒化物半導体層300を得るためには、オフ角度θが13度のサファイア基板100を用いればよい。また、(60−61)面を主面とする半極性面窒化物半導体層の成長であれば、オフ角度θが6.5度のサファイア基板100を用いればよい。
本実施形態の窒化物半導体構造は、上述した所定の面方位の主面100aを有するサファイア基板100を用意し、主面100a上に窒化物半導体層構造120をエピタキシャル成長させることによって製造することができる。窒化物半導体層構造120のエピタキシャル成長には、MBE、MOCVD等の公知のエピタキシャル成長技術を用いることができる。サファイア基板100の主面100aの面方位、つまり、オフ角θは上記式(1)を用いて、窒化物半導体層300の主面のオフ角Φが所望の値となるように決定すればよい。
一般に、半導体層をエピタキシャル成長させる場合、所定のオフ角を有する基板を用いれば、エピタキシャル成長する半導体層のオフ角も同じ値となる。しかし、以下において詳細に説明するように、本願発明者の詳細な検討によれば、サファイア基板のm面上に窒化物半導体層構造を形成する場合、このような従来の関係は満たさないことがわかった。
以下、本実施形態において、半極性面である(n0−n1)面を主面とする(nは整数)窒化物半導体層300の面方位の制御を詳細に説明する。
図3(a)は、m面のサファイア基板100’上にm面の窒化物半導体層300’をバッファ層110’を介して成長させた場合における、それぞれの層および基板の結晶方位の関係を示す。
m面のサファイア基板100’の主面100a’とm面の窒化物半導体層300’の主面300a’の方位は同一であるが、面内の結晶方位は90度ずれている。具体的には、m面のサファイア基板100’におけるa軸と、m面の窒化物半導体層300’におけるc軸とは互いに平行となる。
図3(b)に示すように、本実施形態の半極性面である(n0−n1)面を主面とする窒化物半導体層300は、主面300aをc軸方向に傾斜させることで実現できる。よって、図3(b)の関係に着目すると、m面のサファイア基板100をa軸方向にオフさせることで、本実施形態の(n0−n1)面の窒化物半導体層300が形成できると考えることができる。しかし、m面のサファイア基板100上にm面の窒化物半導体層300を成長させるには、成長初期過程の精密な制御が重要であり、特にバッファ層110の成長制御が重要となる。
この点は、比較的容易に成長が可能な(11−22)面を主面とする窒化物半導体層の成長に比べると困難性が高いといえる。例えば、後述する比較例1で示すように、m面のサファイア基板上に(11−22)面窒化物半導体層を成長する場合、バッファ層は必須ではない。つまり、バッファ層110が無くても、(11−22)面の窒化物半導体層の成長が可能である。
一方、本発明者らの検討によれば、m面のサファイア基板上にm面の窒化物半導体層を成長させる場合、バッファ層110の形成は必須であり、バッファ層110の成長条件が最適条件から逸脱すると、m面を主面とする窒化物半導体層単結晶構造は得られず、(11−22)面や(10−1−3)面が混在するような多結晶ライクな膜が成長してしまい、それらの結晶膜の品質も非常に悪いものとなりやすい。
このように、m面のサファイア基板100上のm面の窒化物半導体層の成長制御は、基板表面状態や成長初期条件に強く依存する。
このようなm面のサファイアとm面の窒化物半導体層のエピタキシー関係に起因し、a軸方向にオフ角を有するm面のサファイア基板を用いて、(n0−n1)面を主面とする半極性面窒化物半導体層を得ようとする場合、前述した式(1)の関係式を用いてサファイア基板100および窒化物半導体層300の面方位制御が必要である。
例えば、前述した図3(a)に示す関係を拡張し、単にa軸方向に15度オフしたm面のサファイア基板を用いて、バッファ層および窒化物半導体層を積層しても、m面から15度傾斜した(20−21)面を主面とする半極性面の窒化物半導体層は得られない。つまり、サファイア基板100のオフ角θと窒化物半導体層300のオフ角Φとの間にはθ=Φの関係は成立せず、式(1)の関係が成立している。
また、その有効なサファイア基板のオフ角θの範囲は、5度以上25度以下である。
図2を参照して説明したように、θ=30度は、a面サファイアと同等である。この場合、式(1)の関係を満たす半極性面の窒化物半導体層は成長せず、多結晶に近い品質の悪い窒化物半導体層が成長する。もしくは、成長条件によっては、c面を主面とする窒化物半導体層が成長する。
一方、サファイア基板のオフ角θの範囲が5度以上25度以下の範囲であれば、式(1)の関係を充足した(n0−n1)面窒化物半導体成長制御が可能であり、更に、オフ角θ=0度の場合のm面窒化物半導体に比べて結晶性改善効果も得られる。
以下で説明する実施例2において示されるように、同条件で成膜したm面の窒化物半導体層の結晶性(X線ロッキングカーブ半値幅による評価)に対して、オフ角θが5度以上になると、改善が見られ、10度および15度とさらに大きくすると、更なる結晶性の改善が得られる。
よって、結晶性の観点から、より好ましいサファイア基板のオフ角θの範囲は10度以上25度以下である。
本実施形態における、式(1)を用いた半極性面窒化物半導体層の面方位制御は、a軸方向にオフ角を有するm面サファイア基板上の(n0−n1)面の半極性面を有する窒化物半導体層を成長させる場合において適用可能である。
例えば、同じm面サファイア基板上に成長可能な(11−2n)面を有する半極性面の窒化物半導体層の成長には、このような制御は必要ない。
図4に、m面のサファイア基板101と(11−22)面を主面とする窒化物半導体層330との面方位の関係を示す。
m面のサファイア基板101におけるc軸と、(11−22)面を有する窒化物半導体層の<−1−123>軸とは互いに平行であり、m面のサファイア基板101のa軸と窒化物半導体層330のm軸とは互いに平行となる。
よって、m軸からc軸方向に傾斜させたm面のサファイア基板101を用いれば、(11−2n)面を主面とする窒化物半導体層330の成長が可能である。
例えば、(11−22)面を有する窒化物半導体層を主軸からc軸方向に10度オフさせれば、(11−23)面を主面とする窒化物半導体の成長が可能である。
比較例1において実証されているように、c軸方向にオフ角を有するm面のサファイア基板を用いて、(11−2n)面を主面とする窒化物半導体層330を成長させた場合、成長した窒化物半導体層の主面のオフ角は、ほぼm面のサファイア基板のオフ角に1対1で対応している。
つまり、本実施形態の、m軸からa軸方向にオフ角を有するm面のサファイア基板100上に(n0−n1)面を主面とする窒化物半導体層300を形成する場合における、式(1)の関係を用いた面方位制御は、このヘテロ成長に特化した特異な関係であり、新規な構造制御方法といえる。
本実施形態によれば、非特許文献1のように、サファイア基板を加工し、その側面を成長起点とした特殊な成長手法を用いることなく、そのオフ角のみを適宜制御し、式(1)の関係を利用することによって、所望の(n0−n1)面を主面とする窒化物半導体層を成長することができる。
本実施形態の窒化物半導体構造は、種々の用途に用いられる窒化物半導体層を形成するための窒化物半導体バルク基板の種結晶として、好適に用いられる。また、このようにして得られた窒化物半導体層が設けられた窒化物半導体構造は、LED、レーザーダイオード等の発光素子、トランジスタなどのスイッチング素子等の電子素子に好適に用いられる。なお、前述した本実施形態の窒化物半導体構造を用いたバルク基板や、各光電子素子において、これらの構造の形成後に、本実施形態の窒化物半導体構造は除去されていてもよい。
(第1の実施形態の変形例)
本実施形態では、サファイア基板100の主面100aは平坦であった。これは、非特許文献1のように、面方位を制御するためにサファイア基板の主面100aに凹凸加工を施す必要がないからである。しかし、窒化物半導体層300あるいは窒化物半導体層構造120における積層欠陥や転位を減少させるために、主面100aに凹凸を設けてもよい。
たとえば図5(a)および(b)に示すように、サファイア基板100の主面100aに複数の凸部100sを設けてもよい。各凸部100sはc軸方向に平行なストライプ形状を有しており、主面100a上において、ライン&スペース(L&S)状の凹凸を構成しているこの場合、凸部100sの主面100aに平行な幅WLおよび隣接する凸部100s刊の幅Wsは、それぞれ1〜30μmの範囲内で制御してもよい。
このような形状を有する主面100aは、一般的にはドライエッチングにより形成することができ、エッチング深さDは、例えば1μm以上3μm以下である。
また図6(a)および(b)に示すように、サファイア基板100の主面100aに複数の凸部100tを設けてもよい。各凸部100tは互いに独立した柱形状を有している。たとえば、円柱形状を有している。三角柱等の多角形の柱であってもよい。この場合にも、柱の伸びる方向に垂直な断面形状が外接する円の直径WDおよび凸部100t間の最大距離WIはそれぞれ1〜5μmの範囲内で制御してもよい。このような形状を有する主面100aも、一般的にはドライエッチングにより形成することができ、エッチング深さDは、例えば1μm以上3μm以下である。
このような凸部100sや凸部100tが設けられた主面100aにおいて、凸部100sや凸部100tの上面は、主面100aと概ね平行であるため、凸部100tや凸部100sの上面はサファイア基板100の主面100aと同じ面方位を有している。このため、主面100aが平坦である場合と同様、このような加工を施したサファイア基板100上に、バッファ層110および窒化物半導体層300を含む窒化物半導体層構造120を形成することで、貫通転位および積層欠陥密度を低減した半極性面窒化物半導体層を得ることができる。
凹凸を有する主面100aのサファイア基板100に窒化物半導体層構造120を成長させる技術と、非特許文献1に開示された技術との違いは、バッファ層110や窒化物半導体層300は、主に加工したサファイア基板100の凸部100t、100s表面から成長している点である。非特許文献1の技術では、加工した凸部の側面がc面であり、c面を起点とした成長であることが特徴である。非特許文献1の場合、ドライエッチングによりc面からなる側面を形成するため、エッチング条件によっては、側面の形状が変化したり、成長基点となるc面がエッチングによりダメージを受たりするなどの理由により、所望の面方位を有し、結晶品位の高い窒化物半導体層を形成することが容易ではない場合があると考えられる。
これに対して、本実施形態において、主面100aに凹凸加工を施す場合、成長起点となる表面は、元の基板の主面100aである。凸部100t、100sの上面は一般的に加工の際、マスクで覆われており、エッチングのダメージも受けにくい。このため、比較的容易に、凹凸加工およびそれによる選択成長が可能となる。
なお、本実施形態における半極性面の窒化物半導体層は、a軸方向にオフ角を有するm面サファイア基板と(n0−n1)面窒化物半導体のエピタキシー関係に起因しており、成長手法には限定されない。よって、以下に示す成長手法を適宜用いることができる。例えば、有機金属気相成長法(MOCVD法)、ハイドライド気相成長法、分子線エピタキシー法、パルスレーザ堆積法、パルススパッタリング法、液相成長法などである。
また、本実施形態のおける半極性面窒化物半導体層には、伝導性制御を行なうための不純物ドーピングを施してもよい。例えばn型伝導性制御を行なう場合、バッファ層もしくは窒化物半導体層にZnやSiなどをドーピングしてもよい。
また、p型伝導性制御を行なう場合は、MgやBeをドーピングしてもよい。
また、実施例2において説明するように、窒化物半導体層は、同一の構造のみから形成される必要はなく、成長条件や窒化物半導体の各組成(AlxInyGazN(ここで、0≦x<1、0≦y<1、0<z≦1、およびx+y+z=1))が異なる層が複数存在する積層構造であってもよい。
また、本実施形態の窒化物半導体層構造において、窒化物半導体層の主面のオフ角Φは、サファイア基板の主面100aのオフ角θを式(1)に従って変化させることによって、5度以上15度以下の所望の範囲に調整できる。これは、成長する窒化物半導体層の組成には直接は依存しない。サファイア基板のm面上に、m面を主面とする窒化物半導体層がエピタキシャル成長するのは、格子定数が一致しているからではないからである。以下の表1にAlN、GaNおよびサファイアの格子定数を示す。表1から分かるように、AlNおよびGaNの格子定数は、サファイアの格子定数と大きく異なるが、サファイア基板のm面上に種々の組成の窒化物半導体層を形成することができることが知られている。したがって、本実施形態の窒化物半導体層構造も、種々の組成で実施することが可能である。
Figure 2015032730
以下、本実施の形態の実施例を説明する。
(実施例1)
本実施例において用いたサファイア基板100は、m軸からa軸方向に傾斜した面を主面100aとした。つまり、オフ角θはc軸を回転軸とし、その角度範囲は、0度以上30度であった。
このとき、オフ角度が0度とは、m面を主面とするサファイア基板であり、オフ角度が30度とは、a面を主面とするサファイア基板である。a軸方向にオフ角θを有するm面のサファイア基板100は、京セラ株式会社より入手した。
このm面サファイア基板100は、およそ2インチの直径および0.43ミリメートルの厚みを有していた。
(m面サファイア基板の洗浄)
m面サファイア基板100は、摂氏100度に加熱された洗浄液を用いて10分間、洗浄された。洗浄液は、1:1の体積比を有する硫酸およびリン酸から構成されていた。続いて、m面サファイア基板100は、水を用いて洗浄された。
(サファイア基板100のサーマルクリーニング)
a軸方向にオフ角を有するm面サファイア基板100は、MOCVD装置内にセットされた。MOCVD装置内では、水素および窒素がキャリアガスとして用いられた。
m面サファイア基板100は、3rpmの回転速度で回転された。
m面サファイア基板100は、MOCVD装置内で加熱された。加熱温度は摂氏1000〜1100℃であり、時間は10分とした。
(バッファ層110の成長)
加熱処理後、基板温度を摂氏650度まで降温し、バッファ層110を成長した。
表1は、バッファ層110の成長条件を示す。
本実施例1では、バッファ層110として、AlNを用いた。AlNは、トリメチルアルミニウム(以下、「TMA」という)およびアンモニアが供給され、サファイア基板100の表面に成長した。
このとき、バッファ層110の主面110aの法線とm軸間のオフ角度Φは、m軸からa軸方向にオフしたm面サファイア基板100のオフ角度θとの間で、式(1)を充足する関係を有していた。
AlNのバッファ層の厚さは、およそ300nmであった。また、AlNのバッファ層成長前にTMAのみを、サファイア基板100の表面に10秒間照射した。
表2は、本実施例1のバッファ層110の成長条件を示す。
Figure 2015032730
バッファ層110を堆積後、アンモニアガスを供給しつつ、およそ摂氏970℃まで昇温し、1分の時間放置した。
その後、トリメチルガリウム(以下、「TMG」という)およびアンモニアを供給し、バッファ層110の表面に、窒化物半導体層300を含む窒化物半導体層構造120を得た。
表3は、窒化物半導体層300の成長条件を示す。
Figure 2015032730
バッファ層110の表面に成長した窒化物半導体層300の面方位は、バッファ層110の面方位と同等であり、窒化物半導体層300の主面300aの法線とm軸間のオフ角度Φは、m軸からa軸方向にオフしたm面サファイア基板100のオフ角度θと、式(1)を充足する関係を有していた。
窒化物半導体層300は、2μm程度の膜厚を有していた。
(実施例2)
窒化物半導体層310および窒化物半導体層320を含む窒化物半導体層構造120’を実施例1と同様に作製した。
図7に、作製した窒化物半導体構造の模式図を示す。
実施例1同様にバッファ層110を堆積後、アンモニアガス供給量を4リットル/分に、成長圧力を67kPaに変更し、基板温度の昇温を開始した。
およそ摂氏1020℃まで昇温し、1分の時間保持した。
その後、TMGおよびアンモニアを供給し、バッファ層110の表面に、第1段階目のGaNから構成される窒化物半導体層310を形成した。
表4は、第1段階目の窒化物半導体層310の成長条件を示す。
Figure 2015032730
第1段階目の窒化物半導体層310の成長後、TMG流量、アンモニアガス流量、成長圧力を表5の条件に変更し、基板温度の降温を開始した。
およそ摂氏980℃まで降温し、第1段階目の成長終了後、3分の時間放置した。
その後、TMGおよびアンモニアを供給し、第1段階目のGaN層から形成される窒化物半導体層310の表面上に、2段階目のGaN層から構成される窒化物半導体層320を形成した。2段階目のGaN層の成長は、表3の条件下で行なった。
(比較例1)
比較例1では、オフ角を有するm面サファイア上に(11−2n)面を主面とする半極性面窒化物半導体膜を形成した。
用いたサファイア基板とその準備工程、加熱処理は、そのオフ角の方向が90度変化していること以外は、実施例1と同様にした。つまり、基板のm軸がc軸方向にオフしている面を主面とするサファイア基板101上に、窒化物半導体層301を成長した。
本比較例では、サファイア基板の加熱処理後、一度降温し、サファイア基板101の温度が摂氏500℃になったときに、アンモニアガスが供給され始めた。このアンモニアガスは、サファイア基板101の表面を窒化したと考えられた。
次に、アンモニアガスの供給開始とともに、昇温を開始した。サファイア基板101の温度が、摂氏920度に到達した後、1分の時間保持した。
その後、TMGおよびアンモニアがMOCVD装置に供給され、窒化物半導体層330をサファイア基板101の表面に成長した。このようにして、GaNから形成される窒化物半導体構造を得た。表5は、窒化物半導体層330の成長条件を示す。
Figure 2015032730
本比較例では、低温バッファ層は形成されなかった。低温バッファ層は、一般的な方法によって基板上に窒化物半導体層が形成される際に、基板と窒化物半導体層との間に形成され得る。
本比較例の成長方法を用いることで、オフ角を有するサファイア基板101のm軸と、窒化物半導体層の<11−22>軸がほぼ平行な窒化物半導体層330が得られた。例えば、オフ角が0のサファイア基板101は、m面を主面とするサファイア基板に等しく、この基板上に前述の工程により窒化物半導体層330を形成すれば、(11−22)面を主面とする窒化物半導体膜を得ることができた。
また、本比較例のm軸からc軸方向にオフ角を有するサファイア基板101を用いれば、(11−22)面から窒化物半導体のc軸方向にオフ角を有する半極性面窒化物半導体層を得ることができた。
(結果および評価)
(表面モフォロジーの評価)
図8に、実施例1の窒化物半導体層300表面の光学顕微鏡像を示す。
図8において(a)から(d)は、サファイア基板100のオフ角度(m軸からa軸方向)が0度、10度、15度、30度の場合の結果を示す。
サファイア基板のオフ角度が0度のサンプルでは、窒化物半導体層の表面は比較的平坦であったが、オフ角度に増加に伴い、表面粗さが若干増加することがわかった。
図9に、レーザー顕微鏡により測定した図8と同スケール条件下における表面rms(root mean square)粗さを示した。
オフ角度の増大にともない、表面rms粗さは増大している。しかし、15度までは(図8(c))表面モフォロジー自体には大きな変化はなく、後に示すX線回折測定においても単峰性のピークが観測された。
つまり、a軸方向にオフ角度を有するm面のサファイア基板上において、(n0−n1)面を主面とする半極性面窒化物半導体の成長制御が可能であることを確認できた。
一方、サファイア基板のオフ角度が30度の場合は、表面モフォロジーが大きく変化し、極めて粗い表面となった。
図8(d)からわかるように、多結晶ライクな結晶粒が多数観測され、X線回折測定においても、単峰性の回折ピークは観測されなかった。
つまり、実施例1の表1および2で示した成長条件制御を用いても、オフ角度が30度の場合、それ以下のオフ角度範囲で得られたような、(n0−n1)面を主面とする半極性面の窒化物半導体層の成長制御が困難であることがわかった。
以上の結果から、本実施形態のm軸からa軸方向にオフ角度を有するm面サファイア基板を用いた(n0−n1)面半極性面窒化物半導体成長において、有効なオフ角度θの範囲は、0度以上25度以下であった。
図10(a)から(d)に、実施例2における表面モフォロジーのサファイア基板オフ角度依存性を示す。図8の実施例1と比べて、表面にピットが観測され、表面粗さが増大した。これは、成長条件の違いによる。実施例1の比較的低圧力、低V/III比条件下では、比較的平坦な膜が得られやすく、一方、表3に示した比較的高圧力、高V/III比条件下では、表面は粗いが結晶性が高い膜が得られやすいことがわかった。結晶性の違いについては後ほど示す。
(断面SEM像)
図8(b)において示したオフ角度が10度のサファイア基板上に成膜した窒化物半導体層300の断面走査型電子顕微鏡像(SEM)を図11に示す。図に示されるように、下からa軸方向にオフ角度(θ=10度)を有するサファイア基板100と、バッファ層110、および窒化物半導体層300が順に形成されていることがわかる。
オフ角が10度の基板を用いた場合であっても、窒化物半導体層300の表面は比較的平坦であった。オフ角度が0度以上30度未満の範囲では、同様な結果が得られた。
AlNのバッファ層110の厚さはおよそ360nmであり、GaNの窒化物半導体層300の厚さはおよそ2.3μmであった。
(X線回折装置による逆格子マッピング評価)
図12Aから図12Dは、実施例2によるGaNの窒化物半導体層300のX線逆格子マッピング測定結果である。測定面は、サファイア基板の(30−30)面と、GaN層の(20−20)面とし、この2つの面を同時に測定した。この2つの回折点を選んだのは、それぞれの回折角度が近く、比較が容易であるためである。各回折角度は以下の通りである。
サファイア(30−30)面:
2θ=68.295度、θ=34.147度、面間隔d=0.137nm
GaN(20−20)面:
2θ=67.866度、θ=33.933度、面間隔d=0.138nm
例えば、図12Aのオフ角度が0度の場合の逆格子マッピングデータについて説明する。逆格子マッピングの図の横軸は、Qx(1/Å)であり、縦軸はQy(1/Å)を示し、それぞれ格子定数の逆数となっている。
Qyの値はm軸方向の面間隔に対応し、図12Aの例では、サファイアのQyの値は、約0.7275であり、その逆数はおよそ前述した(30−30)面の面間隔に対応する。
逆格子マッピングの測定は、サファイア基板の(30−30)面を基準とし、軸合わせ(軸立て)を行なった。x線は、サファイア基板のa軸方向に平行、c軸に垂直になるように入射した。
サファイアの(30−30)面の回折点を基準とし、GaN層の(20−20)面回折点を評価する際、違いを明確にするため、サファイア(30−30)面を原点として、逆格子マッピングデータを作図した。
図11で見られたように、GaN層の膜厚は2μm以上と厚いので、GaN層中の歪はほぼ完全に緩和していると考えられる。よって、この場合、サファイアのm面とGaN層のm面とが平行であれば、二つの回折点のQx値は0であり、Qy軸上に並ぶはずである。
図12Aは、オフ角度が0であるm面サファイア上のm面、(10−10)面を主面とするGaN層の逆格子マッピング測定結果である。
この場合、サファイア基板のm面とGaN層のm面は平行であるため、前述の二つの面の回折ピークは、横軸であるQx軸上でのずれは無く、縦軸上に並んだ形で観測された。ここで、縦軸のずれは、成長方向の結晶格子の格子定数の違いを反映している。サファイアのm軸方向の格子定数とGaNのm軸方向の格子定数は異なるため、縦軸方向のずれが観測された。
一方、図12Bから図12Dに示したように、オフ角が増大すると、この横軸方向(Qx値)のずれが急激に大きくなることがわかった。
GaN層のm軸とサファイア基板のm軸との差は、GaN層の回折ピークのQx値とQy値から求めることができる。
つまり、図12の各図において
GaN層のm軸とサファイア基板のm軸との角度差=tan-1(Qx/Qy)
から、求めればよい。
図12において、GaN層のQy値はほぼ一定であり、0.722〜0.723(1/Å)付近の値であった。一方、Qx値は、サファイア基板のオフ角増加に伴い、0、−0.001、−0.026、−0.042(1/Å)と増加した。
例えば、オフ角度θ=15度の場合、GaN層のm軸とサファイア基板のm軸との差は、約3度と極めて大きいことがわかった。
このようなオフ角に関する報告は、非極性面や半極性面を主面とする窒化物半導体において報告があった。例えばApplied Physics Letters 100、202103 (2012)や Applied Physics Express 3、011004 (2010)では、下地基板である半極性面を主面とするGaN基板に対して、InGaN層やAlGaN層を形成すると、主面法線の結晶軸がある方向に傾斜(オフ)すると報告している。
しかし、この文献において報告されている基板と成長層の結晶軸角度の差は、いずれも1度未満であり、本実施例で得られたオフ角度の差がいかに大きい値であるかを、これらの文献との比較から確認することができた。
また、通常、基板のオフ角度の誤差は±0.5〜1.0度程度であり、オフ角度を有するm面サファイア基板を用いて、(20−21)面半極性面窒化物半導体層を成長するには、サファイア基板のオフ角を、式(1)に従って正確に制御すればよいことが確認された。
(サファイア基板のオフ角と半極性面GaNの面方位の関係)
図13(a)は、実施例2のサンプルにおける、サファイア基板のオフ角と、GaN層の主面法線のm軸との差の関係を示す。図中、点線はサファイアとGaNのそれぞれのオフ角が一対一で対応する線である。
オフ角を有するサファイア基板上に成膜したGaN層の主面法線の結晶軸は、明らかに1対1のラインから逸脱していることが確認された。この角度のずれは、サファイアのオフ角度増加に伴いほぼ線形に大きくなり、その増加率は、式1で示したように約0.78倍であった。例えば(20−21)面を主面とする半極性面窒化物半導体層を成長制御しようとする場合には、サファイアのオフ角度を約19度に設計すればよいことがわかった。
図13(b)は、GaN層のオフ角と結晶性の関係を示す。図の右側縦軸は、図13(a)の縦軸の値をサファイアのオフ角度から引いたものであり、GaN層の表面法線成分のサファイア基板オフ角からのずれを表している。
一方、左側縦軸は、GaN層の(10−10)面のx線ωロッキングカーブ(XRC)半値幅を示す。ωロッキングカーブ半値幅は結晶性を評価する指標の一つであり、狭いほど良い結晶性を示す。
図をみると、サファイア基板のオフ角増加に伴い、GaN層の主面法線軸とのずれも大きくなり、サファイア基板のオフ角が15度の場合は、3度以上の大きな値となった。また、XRC半値幅のサファイア基板のオフ角度依存性を見ると、サファイア基板のオフ角度が5度以上になると、半値幅が急激に減少し、更に10度以上ではさらに結晶性が改善することがわかった。
このように、(60−61)面(m軸からのオフ角度〜5度)、(30−31)面(m軸からのオフ角度〜10度)、(20−21)面(m軸からのオフ角度〜15度)などの(n0−n1)面半極性面窒化物半導体の成長制御が、m面サファイア基板のオフ角度を式1に基づいて正確に制御することで実現でき、さらに5度以上の大きなオフ角を有するサファイア基板を用いれば、半極性面制御と同時に結晶性向上効果も得られることがわかった。
(オフ角度を有するm面サファイア基板100上に成膜した(20−21)面の窒化物半導体層の測定結果)
図14に、本実施例1および実施例2で得られたオフ角を持つm面サファイア基板上(20−21)面のGaNからなる窒化物半導体層のXRC測定結果を示す。
測定は対称面反射で行い、x線はサファイア基板のc軸に平行に入射した。(20−21)面のGaNの回折条件は以下のようになっている。
2θ=70.545度、θ=35.2725度、d=0.1334nm
図14は、実施例1および2のサンプルにおいて単峰性のピークが得られ、そのピーク位置がおよそ(20−21)面のピークとも近いことが確認できた。つまり、本実施形態の手法により、(20−21)面を主面とする半極性面窒化物半導体膜の成長が可能であることが改めて確認できた。XRC半値幅は、実施例1のサンプルはおよそ0.62度、実施例2のサンプルはおよそ0.43度であった。実施例2の条件下では、表面粗さは増大したが、結晶性が改善する傾向にあることがわかった。
図14において、実施例1および2の回折ピーク位置に若干ずれが生じているのは、軸立て(軸合わせ)の際に発生する誤差であると考えられる。つまり、図14からも明らかなように回折ピーク位置の誤差としてはおよそ1.0度以下と考えられる。
以上のように図8、10〜13および図14の結果から、m面のサファイア基板のオフ角度θを調整することにより、(60−61)面や(30−31)面、(20−21)面などの半極性面窒化物半導体層のヘテロ成長が実現可能であることがわかった。
(比較例1のc軸方向にオフ角度を持つm面サファイア基板上の(11−2n)面のGaN成長)
図12および13に見られた、主面の法線とサファイア基板のオフ角の関係は、m軸からa軸方向にオフ角を有するm面サファイア基板上の(n0−n1)面を主面とする半極性面窒化物半導体へテロ成長時のみに見られる特徴であった。
図15に、比較例1のm軸からc軸方向にオフ角を有するm面サファイア基板のオフ角度と、その表面に成長した(11−2n)面GaNにおける主面の法線と[11−22]軸とのずれの関係を示した。比較のため、図13(b)に示した実施例2の結果を同時に示した。
比較例1の条件下では、m面サファイア上に(11−22)面を有するGaN層を成長させることができる。よって、オフ角を有するm面サファイア基板を用いれば、主面が(11−22)面から傾斜した半極性面の窒化物半導体層を形成することができる。
図4に示した、比較例1におけるm面サファイア基板上の(11−22)面GaNのエピタキシー関係を考慮すると、サファイア面内のa軸と、GaN層のm軸が平行であり、サファイア面内のc軸と、GaNの[11−2−3]軸が平行になる。よって、m軸からc軸方向に10度オフさせたm面サファイア基板上に成長すれば、(11−23)面GaNが、m軸からc軸方向の19度オフさせれば、(11−24)面GaNと予想される。
図15の結果を見ると、m軸からc軸方向にオフさせたm面サファイア基板上の(11−2n)面GaN成長においては、主面法線と[11−22]軸のずれは、サファイアのオフ角度と同等の値を示した。つまり、実施形態1で見られたような、サファイアのオフ角度に対し0.78倍の線形的なずれは見られなかった。
つまり、実施例2で観測された、式1で示された、オフ角を有するm面サファイア基板上(n0−n1)面窒化物半導体成長膜の主面法線結晶軸のずれは、この系に見られる特有の結果であることが確認された。
なお、図15において、オフ角を有するm面サファイア基板上(11−2n)面GaN成長膜の主面法線と[11−22]軸とのずれは、最大±0.7度程度のばらつきをもっていた。
比較例1において、このような大きなばらつきが生じる原因の一つは、m面サファイア基板と(11−22)面窒化物半導体層のエピタキシャル関係にある。
m面サファイア上に(11−22)面窒化物半導体が成長するメカニズムは、r面((10−12)面)サファイア上にa面((11−20)面)を主面とする窒化物半導体層が成長するメカニズムと同等と考えられている。
図16(a)および(b)にそのエピタキシャル関係を示す。(a)はm面サファイアをa軸方向からみた場合のファセット構造図であり、(b)は(11−22)面GaNをm軸方向からみたファセット構造図である。m面サファイア表面に存在する微小なr面マイクロファセットが成長の起点となり、r面ファセット上にa面窒化物半導体層が成長した結果、(11−22)面を主面とする窒化物半導体層が形成されると考えられる。この際、サファイア基板のr面ファセットは、m面表面から約32.3度ずれている。一方、窒化物半導体層のa面ファセットは、(11−22)表面から約31.6度ずれている。よって、r面ファセットを起点として成長した(11−22)面GaN層の表面は、その成長メカニズムから0.7度程度ずれが生じる可能性がある。このようなことが一因となり、図15のオフ角のばらつきが生じたものと考えられる。
以上の結果から、m軸からa軸方向にオフ角度を有するm面サファイア基板を用いて(n0−n1)面を主面とする半極性面窒化物半導体層を得ようとする場合、それぞれの層におけるm軸方向のずれが、オフ角度増加に伴い増加することがわかった。
つまり、(n0−n1)面である半極性面の窒化物半導体構造を実現するには、式(1)に基づいたオフ角を有するm面サファイア基板を用いることが重要であることがわかった。
よって、(20−21)面を主面とする窒化物半導体層を得るには、オフ角度が19度のm面サファイア基板を、(30−31)面を主面とする窒化物半導体層を得るには、オフ角度が12度のm面サファイア基板を用いるなど、式1を充足するような基板オフ角の制御が必要であることがわかった。
(オフ角のずれと結晶性改善効果について)
図13において説明したように、本実施形態の構造を用いることで、オフ角度を有するm面サファイア基板上に半極性面である(n0−n1)面窒化物半導体のヘテロ成長が可能であった。また、m面サファイア基板のオフ角度が増加するに従い、サファイア基板のm軸と、窒化物半導体層のm軸間のずれが大きくなり、更に結晶性が改善することが見出された。
本発明者らは、このようなサファイア基板と窒化物半導体層の結晶軸のずれ、および、結晶性改善効果が得られる原因について、以下のように考察した。
m軸からa軸方向に19度オフしたm面サファイア基板の主面には、そもそも(20−21)面窒化物半導体が成長しやすいと考えた。この要因は、二つの表面のIII族原子配列の類似性に起因している。
図17(a)は、m軸からa軸方向に19度オフしたm面サファイア基板のAl原子配列の模式図である。成長主面法線方向から観察した図である。それに対し、図17(b)は、(20−21)面GaNのGa原子配列の模式図である。同様に、成長主面法線[20−21]方向から観察した図である。前述したように、本実施形態の(20−21)面窒化物半導体へテロ成長においては、成長表面内のサファイアのc軸と、GaN層のa軸が平行になるエピタキシャル成長が起こる。
図17(a)および(b)を比較すると、図中点線で示したように、19度オフしたサファイア表面のAl原子と、(20−21)面のGa原子の配列が類似していることがわかる。このような表面原子配列の類似性が、式(1)の関係を充足する、サファイア基板とのエピタキシャル関係を維持した(n0−n1)面窒化物半導体成長が起こる一つの可能性として考えられる。
この仮定が正しければ、m面サファイア上のm面窒化物半導体成長のエピタキシャル成長メカニズムと、本実施形態の19度オフしたm面サファイア上の(20−21)面窒化物半導体成長のエピタキシャル成長メカニズムは似て非なるものと考えることができる。つまり、m軸からa軸方向に19度オフしたm面サファイア基板は、(20−21)面窒化物半導体成長に適した基板であるといえる。
よって、図13の結果は、m面サファイア上のm面窒化物半導体層の成長モードから、19度オフした(20−21)面窒化物半導体層成長モードで移行する過程とみることができる。一方、比較例1で示したm面サファイア上の(11−22)面窒化物半導体層の成長においては、サファイア表面のr面ファセットを成長起点としており、m面サファイア基板をm軸からc軸方向に傾斜させても、窒化物半導体層の結晶軸は、r面ファセットで主に決定されるため、実施例1で見られた結晶軸のずれは見られない。つまり、(11−22)面窒化物半導体のヘテロ成長の場合は、r面サファイア表面上のa面窒化物半導体成長モードのみがベースとなっていると考えられる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態にかかる窒化物半導体構造は、発光素子の窒化物半導体バルク基板として使用してもよい。
図18は、本実施形態の発光素子12を模式的に示している。図18に示す発光素子12には、第1の実施形態の窒化物半導体構造11を用いることができる。
発光素子12は、窒化物半導体構造11と窒化物半導体構造11上に位置している窒化物半導構造30とを備える。窒化物半導構造30は、n型窒化物半導体層32と、p型窒化物半導体層35と、n型窒化物半導体層32およびp型窒化物半導体層35に挟まれた活性層34とを含む。p型窒化物半導体層35の活性層34側にアンドープの窒化物半導体層36が設けられていてもよい。
窒化物半導構造30にはn型窒化物半導体層の一部を露出する凹部52が設けられ、凹部52の底部に、n型窒化物半導体層32に接し、かつ、電気的に接続されたn側電極50が設けられている。また、p型窒化物半導体層に接し、かつ、電気的に接続されたp側電極37が設けられている。
窒化物半導構造30はAlxGayInzN(0≦x、y、z≦1、x+y+z=1)によって構成される。n型ドーパントにはSiを用い、p型ドーパントにはMgを用いることができる。また、窒化物半導構造30は、窒化物半導体構造11と同様に種々のエピタキシャル成長技術を用いて形成することができる。
窒化物半導構造30の各半導体層の主面は、窒化物半導体構造11の窒化物半導体層と同じ面方位の主面を有する。したがって、本実施形態によれば、結晶性が良好であり、(n0−n1)面を主面とする活性層を備えた発光素子を実現することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る発光素子12は、そのまま光源として用いることができる。しかし、第3の実施形態に係る発光素子は、波長変換のための蛍光物質を備える樹脂などと組み合わせれば、波長帯域の拡大した光源として好適に使用され得る。
図19は、光源13の一例を示す模式図である。図19の光源は、第2の実施形態の発光素子12と、この発光素子12から放射された光の波長を、他の波長帯域の光に変換する蛍光体が分散された樹脂層2000とを備えている。発光素子12は、表面に配線パターンが形成された支持部材2200上に搭載されており、支持部材2200上には発光素子12を取り囲むように反射部材2400が配置されている。樹脂層2000は、発光素子12を覆うように形成されている。
本願に開示された窒化物半導体構造は、窒化物半導体発光素子および窒化物半導体レーザー、窒化物半導体電子素子、バルク基板の種結晶に用いられ得る。
11 窒化物半導体構造
12 発光素子
13 光源
30 窒化物半導構造
32 n型窒化物半導体層
34 活性層
35 p型窒化物半導体層
36 窒化物半導体層
37 p側電極
50 n側電極
52 凹部
100、101 サファイア基板
100a、110a、300a 主面
110 バッファ層
120 窒化物半導体層構造
300 窒化物半導体層
310 1段階目の窒化物半導体層
320 2段階目の窒化物半導体層
330 (11−2n)面を主面とする窒化物半導体層
2000 樹脂層
2200 支持部材
2400 反射部材

Claims (14)

  1. m軸からa軸方向に傾斜したオフ角θおよびc軸に垂直な法線を有する主面を含むサファイア基板と、
    前記サファイア基板の前記主面上に位置しており、半極性面を主面とする窒化物半導体層を含む窒化物半導体層構造と
    を備え、
    前記窒化物半導体層の前記主面は、前記窒化物半導体層のa軸に垂直な法線およびm軸からc軸方向に傾斜したオフ角Φを有し、
    前記サファイア基板の前記オフ角θおよび前記窒化物半導体層のオフ角Φとが、下記式(1)の関係を満たしており、
    Φ=0.78xθ ・・・(1)
    前記サファイア基板の前記オフ角度θが、5度以上25度以下である、窒化物半導体構造。
  2. 前記サファイア基板の前記オフ角度θは、10度以上20度以下である請求項1に記載の窒化物半導体構造。
  3. 前記窒化物半導体層のオフ角度Φは5度以上15度以下である請求項1または2に記載の窒化物半導体構造。
  4. 前記サファイア基板の前記主面は、平坦である請求項1から3のいずれかに記載の窒化物半導体構造。
  5. 前記サファイア基板の前記主面は複数の凸部を有している請求項1から3のいずれかに記載の窒化物半導体構造。
  6. 前記複数の凸部のそれぞれは、c軸方向に平行なストライプ形状を有する請求項5に記載の窒化物半導体構造。
  7. 前記複数の凸部のそれぞれは、円柱形状を有する請求項5に記載の窒化物半導体構造。
  8. 前記窒化物半導体層構造は、前記サファイア基板と接し、前記窒化物半導体層と前記サファイア基板との間に位置するバッファ層をさらに含む請求項1から7のいずれかに記載の窒化物半導体構造。
  9. 請求項1から8のいずれかに規定される窒化物半導体構造を備えた電子素子。
  10. 請求項1から8のいずれかに規定される窒化物半導体構造を備えた窒化物半導体バルク基板。
  11. 請求項1から8のいずれかに規定される窒化物半導体構造と、
    前記窒化物半導体構造上に位置している他の窒化物半導体構造であって、n型窒化物半導体層と、p型窒化物半導体層と、前記n型窒化物半導体層および前記p型窒化物半導体層に挟まれた活性層とを含む、他の窒化物半導体構造と、
    前記n型窒化物半導体層に接し、かつ、電気的に接続されたn側電極と、
    前記p型窒化物半導体層に接し、かつ、電気的に接続されたp側電極と、
    を備えた発光素子。
  12. m軸からa軸方向に傾斜したオフ角θおよびc軸に垂直な法線を有する主面を含むサファイア基板を用意し、
    前記サファイア基板の前記主面上に、半極性面を主面とする窒化物半導体層を含む窒化物半導体層構造を形成する、
    窒化物半導体構造の製造方法であって、
    前記窒化物半導体層の前記主面は、前記窒化物半導体層のa軸に垂直な法線およびm軸からc軸方向に傾斜したオフ角Φを有し、
    前記サファイア基板の前記オフ角θおよび前記窒化物半導体層のオフ角Φとが、下記式(1)の関係を満たしており、
    Φ=0.78xθ ・・・(1)
    前記サファイア基板の前記オフ角度θが、5度以上25度以下である、
    窒化物半導体構造の製造方法。
  13. 前記サファイア基板の前記オフ角度θは、10度以上20度以下である請求項12に記載の窒化物半導体構造の製造方法。
  14. 前記窒化物半導体層のオフ角度Φは5度以上15度以下である請求項12または13に記載の窒化物半導体構造の製造方法。
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