JP4916158B2 - 溶接用ワイヤ及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、全自動及び半自動溶接用ワイヤであって銅めっき層を備えた溶接用ワイヤ及び銅めっき層を有しない溶接用ワイヤ並びにそれらの製造方法に関する。
一般に、COガスシールドアーク溶接及びMIG溶接(Metal Inert Gas Welding:ミグ溶接)等に使用される溶接用ワイヤ(以下、単にワイヤともいう)には、直径が例えば0.6乃至2.0mm程度の細径のワイヤが使用される。溶接用ワイヤは、スプールに巻装、又はペールパックに装填された状態で溶接に供せられる。この溶接用ワイヤの使用方法としては、送給機の送給ローラによりスプール又はペールパックから溶接用ワイヤを引き出すと共に、このワイヤを送給ローラの後段に連結されているコンジットライナー内に押し込み、このコンジットライナー内を挿通させて、溶接位置にある溶接トーチ内の給電チップ部分まで送給するという方法が一般的である。
なお、コンジットライナーとは、鋼線をスパイラル状に巻回して形成されたフレキシブルな案内管である。コンジットライナー(以下、単にライナーともいう)の長さは、溶接位置までの距離に合わせて適宜調整され、通常は1乃至6m程度であるが、広領域の溶接を行う場合には20m程度の長尺のものを使用することもある。コンジットライナーを使用すれば、造船現場等の溶接個所が狭隘な場所又は高低差がある場所であっても、スプール又はペールパックから溶接位置までライナーを沿わせることにより、比較的容易に溶接を行うことができる。
しかしながら、上述のコンジットライナーを使用する方法には、以下のような問題点がある。溶接を安定して行うためには、溶接用ワイヤを決められた一定の速度で溶接部に供給する必要があり、従ってワイヤの送給性が良好であることが求められる。ワイヤは送給ローラにより送給力を印加されてライナー内に押し込まれるが、ライナー内においては、ライナーの内面から接触摩擦による送給抵抗力を受ける。また、ライナーの下流側においては、給電チップからも接触摩擦による送給抵抗力を受ける。ライナーが直線状態に近い状態で配設されている場合には、送給抵抗力はそれ程大きくならず送給性に問題は生じないが、ライナーに屈曲部分が多い場合、屈曲部分の曲率半径が小さい場合、又はライナーが長尺化した場合等には、送給抵抗力が増加して送給力とのバランスが崩れ、送給性が悪化する。
このため、安定したワイヤの送給を確保するためには、ワイヤがライナーから受ける送給抵抗力を低減する必要がある。そこで、ワイヤの表面に潤滑油又は固形潤滑剤を塗布する技術が開発されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
しかし、ワイヤの表面が緻密で平滑であると、所定量の潤滑油又は固形潤滑剤をむらなく安定して塗布することが困難である。このため、必要な送給性を確保しようとすると、ワイヤに潤滑油又は固形潤滑剤を多量に塗布せざるを得ない。すると、ワイヤの表面から潤滑油又は固形潤滑剤が脱落しやすくなり、脱落した潤滑油又は固形潤滑剤がコンジットライナー内に蓄積し、コンジットライナーが目詰まりしてしまう。
また、ワイヤの送給性を改善するために、固形潤滑剤を添加した送給油をワイヤ表面に塗布する技術も開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかし、送給油に含有された固形潤滑剤は固着力が低く、送給経路で脱落しやすいため、溶接機を長時間使用した場合には、やはりライナー詰まりが発生する。
更に、ワイヤの表面に特殊な表面処理を施して凹凸を形成し、この凹凸を潤滑剤貯めとして機能させることにより、潤滑剤の付着性を向上させると共に、最表面に残留する潤滑剤を減らし、ライナー詰まりを発生することなく、ライナー内面から受ける送給抵抗力を低減する技術が提案されている。例えば、ワイヤの線材を非酸化性雰囲気中で焼鈍することにより、ワイヤ表面に粒界酸化による亀裂を発生させる技術が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。また、ローラダイスによりワイヤの表面に凹凸を形成する技術も開示されている(例えば、特許文献5参照。)。
しかしながら、ワイヤとライナーとの間の接触抵抗力を低減するためには、潤滑剤はワイヤの最表面に存在していることが望ましい。しかし、上述の技術では、潤滑剤は凹部に保持されるため、送給性の改善効果が不十分である。また、ワイヤの表面に凹凸を形成するために、ワイヤに焼鈍処理を施した場合、粒界亀裂部が固形潤滑剤として汎用される硫化物系の極圧剤と反応し、耐錆性が劣化することがある。
そこで、溶接用ワイヤの表面に高融点のワックス類にMoS等を含有させた固体又は半固体の潤滑剤を付着させ、その表面を油等からなる液体の潤滑剤により覆う技術が開発されている(例えば、特許文献6参照。)。
特開平09−071792号公報 特開平08−019893号公報 特開2003−320481号公報 特開平06−114589号公報 特開平10−249576号公報 特開平09−070684号公報
しかしながら、上述の従来の技術には、以下に示すような問題点がある。特許文献6に記載された技術においては、溶接用ワイヤの表面を、常温の有機溶剤では除去できない高融点ワックス類により被覆している。このような高融点ワックス類は絶縁性が高く、またワイヤの表面を均一に覆っているため、溶接時に給電チップとワイヤとの間の通電を阻害する。この結果、アーク安定性が低下してしまう。また、特許文献6に記載された技術においても、液体の潤滑剤の固着力が低く、ライナー内で脱落してライナー詰まりを発生させるという問題がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、送給性が高く、コンジットライナーの目詰まりを防止でき、アーク安定性が優れた溶接用ワイヤ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る溶接用ワイヤは、ワイヤ表面に被着され第1の固形潤滑剤を含有する固体層と、この固体層の表面に被着した液体層と、を有し、前記液体層は、ベース油と、このベース油中に分散されその成分が前記第1の固形潤滑剤と同じである第2の固形潤滑剤と、を有し、前記第1の固形潤滑剤の被着量は前記溶接用ワイヤ10kg当たり0.003乃至0.030gであり、前記液体層の被着量は前記溶接用ワイヤ10kg当たり0.2乃至3.0gであり、前記第2の固形潤滑剤の被着量は前記溶接用ワイヤ10kg当たり0.020乃至0.150gであり、前記第1及び第2の固形潤滑剤が、MoS 又はWS であることを特徴とする。
本発明においては、固体層中に含有された第1の固形潤滑剤の成分が、液体層中に分散された第2の固形潤滑剤の成分と同じであるため、液体層の固着性を向上させることができ、良好な送給性を実現することができる。また、コンジットライナーの目詰まりを防止できると共に、給電チップとの間の通電性を確保して優れたアーク安定性を実現できる。
本発明に係る溶接用ワイヤの製造方法は、ワイヤ表面に第1の固形潤滑剤を含有する固体層を形成する工程と、前記固体層を被着させた線材に伸線加工を施す工程と、前記固体層の表面にベース油中にその成分が前記第1の固形潤滑剤と同じである第2の固形潤滑剤が分散された液体層を形成する工程と、を有し、前記第1の固形潤滑剤の被着量を前記溶接用ワイヤ10kg当たり0.003乃至0.030gとし、前記液体層の被着量を前記溶接用ワイヤ10kg当たり0.2乃至3.0gとし、前記第2の固形潤滑剤の被着量を前記溶接用ワイヤ10kg当たり0.020乃至0.150gとし、前記第1及び第2の固形潤滑剤が、MoS 又はWS であることを特徴とする。
本発明によれば、送給性が高く、コンジットライナーの目詰まりを防止でき、アーク安定性が優れた溶接用ワイヤを得ることができる。
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。本実施形態は溶接用ワイヤの実施形態である。図1は、本実施形態に係る溶接用ワイヤを示す断面図であり、溶接用ワイヤの伸線方向に直交する断面を示す。なお、図1においては、図を見易くするために各層は強調して描かれており、各層の厚さは必ずしも実際の層厚に比例していない。また、各層は必ずしも連続膜ではない。
図1に示すように、本実施形態に係る溶接用ワイヤ1においては、線材2が設けられている。線材2は例えば鋼からなり、その長手方向に直交する断面が円形である。銅めっきを有する溶接用ワイヤの場合、線材2の全表面には、銅めっき層3が被覆されている。そして、銅めっき層を有しない溶接用ワイヤの場合は、線材2の全表面4に固体層5が被覆され、銅めっきを有する溶接用ワイヤの場合、銅めっき層3の全表面4に固体層5が被覆されている。固体層5は固体状であり、固体潤滑剤、例えばMoSにより形成されている。そして、固体層5の表面には、液体層6が被着されている。液体層6は液体状であり、ベース油中に固形潤滑剤が分散されたものである。ベース油は例えば、鉱物油、動植物油及び合成油のうち1種又は2種以上の油を混合したものである。また、液体層6中に分散された固形潤滑剤は、固体層5を構成する固形潤滑剤と同じものであり、例えばMoSである。
固体層5を構成する固形潤滑剤、即ち、MoSの被着量は、溶接用ワイヤ10kg当たり0.003乃至0.030gである。また、液体層6全体の被着量は、溶接用ワイヤ10kg当たり0.2乃至3.0gである。更に、液体層6中に含まれる固形潤滑剤、即ち、MoSの被着量は、溶接用ワイヤ10kg当たり0.020乃至0.150gである。以下、本発明の各構成要件における数値限定理由について説明する。
固体層中の固形潤滑剤の被着量:溶接用ワイヤ10kg当たり0.003乃至0.030g
固体層中の固形潤滑剤の被着量が溶接用ワイヤ10kg当たり0.003g未満であると、送給性の改善効果が少ない。一方、固体層中の固形潤滑剤の被着量が溶接用ワイヤ10kg当たり0.030gを超えると、ワイヤ表面に硫化物が生成し、耐錆性及び通電性が劣化する虞がある。このため、固体層中の固形潤滑剤の被着量は、溶接用ワイヤ10kg当たり0.003乃至0.030gとする。
液体層の被着量:溶接用ワイヤ10kg当たり0.2乃至3.0g
液体層は、送給油(ベース油)が主成分となっており、送給油は固形潤滑剤よりも分散性が高いため、固形潤滑剤のみでは得られないワイヤ全長にわたる均一な滑り性を得ることができる。しかし、液体層の被着量が溶接用ワイヤ10kg当たり0.2g未満であると、液体層をワイヤ表面の全面に均一に形成することが困難になる。一方、液体層の被着量が溶接用ワイヤ10kg当たり3.0gを超えると、溶接用ワイヤが送給ローラ部でスリップしやすくなると共に、送給油により水素量が増加して溶接欠陥が発生しやすくなる。従って、液体層の被着量は溶接用ワイヤ10kg当たり0.2乃至3.0gとする。
液体層中の固形潤滑剤の被着量:溶接用ワイヤ10kg当たり0.020乃至0.150g
液体層中の固形潤滑剤の被着量が溶接用ワイヤ10kg当たり0.020g未満であると、送給性を改善する効果が少ない。一方、液体層中の固形潤滑剤の被着量が溶接用ワイヤ10kg当たり0.150gを超えると、溶接用ワイヤをコンジットライナー内に挿通させたときに、ライナーが詰まりやすくなる。従って、液体層中の固形潤滑剤の被着量は、溶接用ワイヤ10kg当たり0.020乃至0.150gとする。なお、液体層中の固形潤滑剤はベース油中に分散しており、また、ワイヤ表面との間には固体層が介在しているため、液体層中の固形潤滑剤がワイヤ表面に直接接触することは少ない。このため、液体層中に固形潤滑剤を比較的多量に含有させても、ワイヤ表面に硫化物が生成して耐錆性が劣化する虞はない。
次に、上述の各被着量の測定方法について説明する。液体層6全体の被着量は、ベース油量に基づいて算出する。ベース油量は、固形潤滑剤の測定とは別に、一般的な油分濃度計、例えば赤外吸光計等により測定する。以下、固体層5中の固形潤滑剤の被着量及び液体層6中の固形潤滑剤の被着量の測定方法について説明する。図2は、本実施形態における各被着量の測定方法を示すフローチャート図である。
先ず、図2のステップS1に示すように、図1に示す溶接ワイヤ1を30乃至50mmの長さに切断して、質量が50gのワイヤ試料を採取する。
次に、ステップS2に示すように、ステップS1で採取したワイヤ試料をビーカーに入れ、このビーカーに5乃至40℃の温度に温度管理した30cmのジエチルエーテルを注入する。そして、ステップS3に示すように、周波数が30乃至50kHzの超音波をこのジエチルエーテルに1分間印加して超音波洗浄を行う。その後、ステップS4に示すように、ワイヤ試料と抽出液(ジエチルエーテル)とを分離する。そして、ステップS5に進み、ステップS2乃至S4の工程を3回繰り返す。即ち、ジエチルエーテルを新品に交換して超音波洗浄を合計3回行う。
次に、ステップS6に示すように、3回分の抽出液(合計約90cm)をまとめ、この抽出液中のジエチルエーテルが全量揮発するまで自然放置する。その後、ステップS7に示すように、抽出液に、濃度が50質量%のHSO水溶液を10cmと、濃度が60質量%のHClO水溶液を5cmと、濃度が60質量%のHNO水溶液を20cm加えて白煙処理を行う。白煙処理後、抽出液を放冷し、その後、純水を100cm加えて加熱溶解する。次に、ステップS8に示すように、加熱溶解後の抽出液に純水を加えて体積が200cmになるように定量希釈して、分析液とする。次に、ステップS9に示すように、この分析液を原子吸光法により分析する。分析装置には、例えば、Themoエレクトロン社製「SOLAAR M6 GF95Z(Graphite Furnace)」を使用する。この分析値をワイヤ質量に換算し、液体層6中の固形潤滑剤の被着量を求める。
一方、銅めっきを有する溶接用ワイヤの場合、ステップS10に示すように、抽出液から分離した試料ワイヤをビーカーに入れ、このビーカーに脱銅液を加える。脱銅液には、6倍に希釈したアンモニア水50cmに、濃度が25質量%の過硫酸アンモニウム3cmを加えたものを使用する。そして、試料ワイヤの銅めっき層が完全に溶解するまで放置する。次に、試料ワイヤを脱銅液から取り出し、100cmの純水で洗浄する。この洗浄液は全量回収して脱銅液と混合する。
銅めっきを有しない溶接用ワイヤの場合、ステップS16に示すように、濃度が16質量%のHCl水溶液を50cm加え、60〜80℃で1分間放置し、ワイヤ表面を完全に溶解させる。次に、試料ワイヤを酸溶解液から取り出し、100cmの純水で洗浄する。この洗浄液は全量回収して酸溶解液と混合する。
次に、銅めっきを有する溶接用ワイヤの場合、ステップS11に示すように、脱銅液に濃度が32質量%のHCl水溶液を例えば13cm添加して、pH調整を行う。次に、ステップS12に示すように、濃度が50質量%のHSO水溶液10cmと、濃度が60質量%のHC1O水溶液5cmと、濃度が60質量%のHNO水溶液20cmとを脱銅液に加えて白煙処理を行う。次に、この脱銅液を放冷した後、100cmの純水を加えて加熱溶解する。次に、ステップS13に示すように、加熱溶解後の脱銅液に純水を加えて体積が200cmになるように定量希釈して、分析液とする。
銅めっきを有しない溶接用ワイヤの場合、特にpH調整が不要であるので、ステップS12以下同様に白煙処理を行い、放冷した後、100cmの純水を加えて加熱溶解した後に定量希釈して、分析液とする。次に、ステップS14に示すように、この分析液を原子吸光法により分析する。分析装置としては、例えば上述のGF95Zを使用する。この分析値をワイヤ質量に換算し、固体層5を構成する固形潤滑剤の被着量を求める。
次に、上述の如く構成された本実施形態の動作について説明する。溶接用ワイヤがコンジットライナー及び給電チップから受ける送給抵抗力を低減するためには、溶接用ワイヤにおけるライナー及び給電チップとの接触面、即ち、ワイヤの最表面に固着力が低い固形潤滑剤をふんわりと存在させることが最も有効である。固形潤滑剤の固着力が高すぎると、ワイヤとライナーとの間の滑り性が損なわれ、ライナーから受ける送給抵抗力(ライナー抵抗)が高くなる。
一方、給電チップから受ける抵抗力(チップ抵抗)を低減するためには、固形潤滑剤の固着力を高くする必要がある。これは、溶接用ワイヤはコンジットライナー内を通過した後に給電チップ部に到達するため、固形潤滑剤には給電チップ部に到達するまで脱落しないことが求められるからである。このように、ライナー抵抗を低減するためには、固形潤滑剤の固着力を低くすることが好ましく、チップ抵抗を低減するためには、固形潤滑剤の固着力を高くすることが好ましい。即ち、固形潤滑剤の固着力に関して、ライナー抵抗の低減とチップ抵抗の低減とは相反する関係にある。
また、ライナー抵抗を低減するために固形潤滑剤の固着力を低くすると、溶接用ワイヤがコンジットライナー内を通過する際に固形潤滑剤が脱落してしまい、ライナー詰まりの原因となる。なお、油等の液体の潤滑剤を使用しても、液体の潤滑剤は固着力が低いため、ワイヤから離脱してライナー詰まりの原因となる。このように、ライナー抵抗の低減とライナー詰まりの防止との間の関係も、潤滑剤の固着力に関して相反する関係にある。
従来の技術の項で説明したように、溶接用ワイヤの送給抵抗力の低減及びライナー詰まりの防止を目的とした従来の検討は、その殆どが潤滑剤の固着力の単一制御、即ち、固着力の最適化である。しかしながら、上述の如く、ライナー抵抗とチップ抵抗との関係、及びライナー抵抗及びライナー詰まりとの関係は、潤滑剤の固着力に関して相反する関係にあるため、潤滑剤の固着性の最適化だけでは、これらの課題を全て解決することはできない。
そこで、本実施形態においては、ワイヤ表面に形成する潤滑剤層を2層構造とした。即ち、本実施形態に係る溶接用ワイヤは、十分な滑り性を持ち、ライナー抵抗を低減する液体層と、チップ抵抗の低減に寄与する固体層とを備える。そして、液体層にある程度の固着力を与えて離脱し難くするために、液体層内に固体層と同じ成分の固形潤滑剤を分散させている。以下、この作用について、詳細に説明する。
本実施形態に係る溶接用ワイヤ1(図1参照)においては、固体層5を構成するMoS粒子と、液体層6中に分散されているMoS粒子との間に親和力が発生する。この親和力は、液体層6をワイヤ表面4上に直接塗布した場合に発生するワイヤ表面4と液体層6中のMoS粒子との間の親和力よりも強い。このことは、一般に金属材の表面に固形潤滑剤を被着させ、この固形潤滑剤に外力を与えて剥離させると、固形潤滑剤の粒子の多くは金属材の表面に残留せず、粒子同士が塊状となって剥離することからも確認できる。このMoS粒子同士の親和力により、液体層6は固体層5から離脱しにくくなる。これにより、ベース油自体のワイヤ表面4に対する固着力に拘らず、液体層6のワイヤ表面4に対する固着力を高めることができる。
特に、溶接中の給電チップ内部でこの現象は顕著となる。溶接作業中においては、給電チップ部は直近のアーク輻射熱を受けて500℃以上の高温となるため、例えば送給油等からなる固着力が低い固形潤滑剤よりも、ワイヤの表面4に強固に固着した固形潤滑剤の方が有利となる。即ち、固体層が設けられていない場合、給電チップ内部でワイヤの温度が上昇するにつれて、ワイヤ表面に接している送給油は、一部はワイヤ表面との間で酸化物を生成し、他の一部は固形潤滑剤の金属元素との間で別の酸化物を生成する。送給油がワイヤ表面との間で酸化物を生成することにより、送給油とワイヤ表面との間の親和力が失われ、送給油の脱落が進行する。これに対して、本実施形態においては、固体層と液体層との間の酸化物生成よりも、固体層とワイヤ表面との間の硫化物生成の方が支配的となり、固体層の脱落は少なくなる。また、液体層と固体層との間に潤滑剤の金属元素同士が結合するかたちで酸化物が形成されるため、液体層の脱落も少ない。このため、本実施形態においては、固体層がない場合と比較して、より多くの液体層がチップ先端まで到達する。この結果、チップ抵抗の低減に対する寄与が大きい。更に、本実施形態においては、固体層を構成する固形潤滑剤と液体層に分散された固形潤滑剤とが同種の潤滑剤であるため、酸化物が生成する温度を統一することができ、液体層の脱落防止効果が大きい。
また、溶接用ワイヤ1においては、固体層5を構成する固形潤滑剤であるMoSは、ワイヤの全表面を覆うことなく分散的に存在するため、給電チップと線材2との間の通電性を阻害することがなく、アーク安定性が良好である。
本実施形態においては、溶接用ワイヤ1は、スプールに巻装、又はペールパックに装填された形態で、溶接現場に持ち込まれる。そして、送給機の送給ローラがスプール又はペールパックから溶接用ワイヤ1を引き出すと共に、この溶接用ワイヤ1を送給ローラの後段に連結されているコンジットライナー内に押し込む。溶接用ワイヤ1は、このコンジットライナー内を通過して、溶接位置にある溶接トーチ内の給電チップ部分まで送給される。このとき、溶接用ワイヤ1の最表層には、ベース油に固形潤滑剤が分散された液体層6が形成されているため、液体層6は固体層5に対して適度な固着力をもってふんわりと存在している。このため、溶接用ワイヤ1がコンジットライナー内を通過するときに、溶接用ワイヤ1とコンジットライナーとの間の摩擦力を低減し、ライナー抵抗を低減すると共に、液体層6はコンジットライナー内で離脱し難く、ライナー詰まりが発生しにくい。
そして、液体層6はコンジットライナー内で離脱し難いため、溶接ワイヤ1が給電チップに到達したときに、液体層6の大部分は固体層5上に残留している。即ち、給電チップ部分における潤滑剤の歩留まりが高い。また、固体層5もワイヤ表面4に強固に固着している。このため、固体層5及び液体層6が給電チップとの間の摩擦力を低減し、チップ抵抗を低減することができる。また、このとき、液体層6中の固形潤滑剤は、ワイヤ表面に分散的に存在する固体層5を核として、同じく分散的に存在するため、給電チップから溶接用ワイヤ1に供給される電流を妨げることがなく、溶接のアーク安定性が低下することがない。
このように、本実施形態によれば、ライナー抵抗及びチップ抵抗の双方が低く、ライナー詰まりが発生し難く、アーク安定性も良好な溶接用ワイヤを得ることができる。また、焼鈍等の手段によりワイヤ表面4の表面に粒界酸化層を形成した場合でも、固体層5に含まれる硫化物の量が微量であるために、耐錆性も良好である。
また、本実施形態に係る溶接用ワイヤ1において、固体層5は微量であり、その分析精度を確保することが安定した製品品質を実現するために重要である。本実施形態においては、固体層5の分析にワイヤ表面4を溶解させた脱銅液もしくは酸溶解液を使用することにより、ワイヤ表面4に固着した固体層5を、簡易な手法により極めて再現性高く抽出することができる。分析手法としては、汎用の原子吸光法又はICP(Inductively Coupled Plasma Spectrometry:誘電結合高周波プラズマ分光分析)法を適用できるが、安定した製品品質を実現するためには、分析精度が高い測定機器を使用することが重要である。本実施形態において使用した原子吸光分析装置「GF95Z(Graphite Furnace)」は、微量元素の検出に適した仕様の原子吸光法分析装置である。上述の分析液の希釈率は、この装置の最適検出領域に合わせて設定したものである。
なお、分析液中の固形潤滑剤濃度を上げる簡易な方法として、一般にメンブランフィルタ残渣を抽出して使用する方法が知られている。しかし、本実施形態の溶接用ワイヤ1には、微小な潤滑剤粒子がワイヤ表面4に分散的に存在し、その表面の微小な凹部等に物理的に強固に食い込んでいるか、又は化学的に強固に結合していると考えられる。このような微小な潤滑剤粒子は、本実施形態における固体層としての機能を担っており、送給抵抗の低減に対する寄与は大きいと考えられる。ところが、このような微小粒子はメンブランフィルタを通過してしまい、残渣とはならず、検出できない。このため、本実施形態においては、上述のメンブランフィルタ残渣を抽出する方法は採用していない。本実施形態においては、分析機器の精度は分析装置の選定及び希釈率の最適化により確保し、抽出液及び脱銅液中に含まれる固形潤滑剤の全量を分析対象とする。
なお、本実施形態においては、固体層5及び液体層6に含有させる固形潤滑剤をMoSとする例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、グラファイト、WS又はBN等の極圧剤を使用してもよく、これらの潤滑剤を混合して使用してもよい。但し、大きな送給性改善効果を得るために、固体層中及び液体層中に含有させる固形潤滑剤を同種の物質とする。なお、固体層5には、導電性を低下させない範囲で、少量のバインダー等を含有させることも可能である。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、前述の第1の実施形態に係る溶接用ワイヤの製造方法の実施形態である。図3は、本実施形態に係る溶接用ワイヤの製造方法を示すフローチャート図である。
先ず、図3のステップS21に示すように、鋼材を熱間圧延し、直径が例えば4.0乃至6.0mmの線材の素線を作製する。次に、ステップS22に示すように、この線材を焼鈍し、ステップS23に示すように、洗浄する。そして、銅めっきを有する溶接ワイヤの場合、この洗浄の直後に、ステップS24に示すように銅めっき処理を施し、銅めっき層を形成する。
次に、ステップS25に示すように、水溶液に固形潤滑剤、例えばMoSを分散させて、この水溶液をワイヤ表面に塗布した後、研磨してワイヤ表面に擦り込む。このとき、潤滑剤として、WS、グラファイト又はBN等の極圧剤を使用してもよい。これにより、ワイヤ表面に固形潤滑剤からなる固体層が形成される。なお、この工程においては、水溶液の替わりに油脂類に固形潤滑剤を分散させてもよい。
次に、ステップS26に示すように1次伸線加工を行い、ワイヤの直径を例えば2.2乃至3.6mmにする。次に、ステップS27に示すように2次伸線加工を行い、ワイヤの直径を例えば0.6乃至2.0mmにする。銅めっきを有する溶接ワイヤの場合、これにより、線材の表面に銅めっき層を薄く均一にプレーティングすることができる。ステップS26及びS27に示す伸線加工工程においては、乾式若しくは湿式の穴ダイス伸線、又はローラダイス伸線等の公知の伸線加工技術を適用することができる。次に、ステップS28に示すように洗浄を行い、ステップS29に示すようにサイジングを行って線径を所定の製品径に整える。
次に、ステップS30に示すように、ベース油に固形潤滑剤、例えばMoSを分散させた液体を、ワイヤに対して霧化噴霧する。又は、前記液体をフェルトを使用してワイヤ表面に塗布する。そして、他のフェルトによりワイヤの表面を適正な圧力で拭く。これにより、前記液体の一部を拭き取り残部を残留させて、固体層との間でなじみがよい液体層を、所定の被着量でワイヤ表面に均一に形成することができる。なお、液体層を霧化噴霧により形成する場合には、前記液体を均一に塗布するために、静電塗布を行ってもよい。
このとき、ベース油には、鉱物油、動植物油及び合成油のうち1種の油又は2種以上の油を混合したものを使用することができる。分散させる固形潤滑剤は、ステップS25で使用した潤滑剤と同じものを使用する。そして、必要な固形潤滑剤の塗布量とベース油の流動性を加味した上で固形潤滑剤の添加濃度を定め、液体層全体の被着量がワイヤ10kg当たり0.2乃至3.0gとなるようにし、液体層中の固形潤滑剤の含有量がワイヤ10kg当たり0.020乃至0.150gとなるようにする。このようにして、図1に示す溶接用ワイヤ1が製造される。その後、この溶接用ワイヤを巻替及び包装し、製品として出荷する。
本実施形態により、ワイヤ表面に固体層及び液体層を形成することができる。これにより、前述の第1の実施形態に係る溶接用ワイヤを製造することができる。
なお、本実施形態においては、ステップS26に示す1次伸線加工の前に、ステップS25において固形潤滑剤の擦り込みを行ったが、ステップS26の1次伸線加工工程及びステップS27の2次伸線加工工程において、加工油中又は加工用潤滑剤中に固形潤滑剤を分散させておき、伸線加工と共にワイヤの表面に固形潤滑剤を固着させてもよい。この場合は、ステップS25の固形潤滑剤の擦り込み工程は設けない。但し、この場合においても、固体層の形成は、伸線加工工程の最初に行うことが望ましい。これは、伸線加工工程においては、ワイヤ表面4の表面に加工油又は加工用潤滑剤の皮膜が形成されるため、固形潤滑剤を分散させていない加工油又は加工用潤滑剤を使用してある程度伸線加工を行った後で、固形潤滑剤を分散させた加工油又は加工用潤滑剤を使用して伸線加工を行っても、ワイヤ表面と固形潤滑剤との間の直接的な結合が阻まれやすく、高い固着性が得られにくいためである。なお、一旦伸線加工を行い、その後洗浄を行って加工油を除去してから、固体層を形成することも考えられるが、洗浄工程を1回余分に設ける必要が生じるため、コストが増加する。また、多段式伸線機により溶接用ワイヤを伸線加工する際に、複数の伸線ブロックで固体層形成処理を行うことは、固体層の分散的な形成を促進するためには有効であるが、固体層が過剰に形成されないように留意する必要がある。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態は、前述の第1の実施形態に係る溶接用ワイヤの製造方法である。図4は、本実施形態に係る溶接用ワイヤの製造方法を示すフローチャート図である。図4に示すように、本実施形態は、前述の第2の実施形態と比較して、熱間圧延後に冷間で伸線加工を行い、線材の直径をある程度まで縮径した後に、銅めっき層を形成する点が異なっている。そして、銅めっき層を形成した直後に、固体層を形成する。
先ず、図4のステップS31に示すように、鋼材を熱間圧延し、直径が例えば4.0乃至6.0mmの線材を作製する。次に、ステップS32に示すように、この線材を焼鈍し、ステップS33に示すように、洗浄する。次に、ステップS34に示すように、線材に対して冷間で1次伸線加工を行って、線材の直径を例えば2.2乃至3.6mmにする。次に、ステップS35に示すように焼鈍し、ステップS36に示すように洗浄して中間線を得る。
そして、この洗浄の直後に、銅めっきを有する溶接ワイヤの場合はステップS37に示すように銅めっき処理を施し、銅めっき層を形成する。次に、ステップS38に示すように、水溶液に固形潤滑剤、例えばMoSを分散させて、この水溶液をワイヤ表面に塗布した後、研磨してワイヤ表面に擦り込む。これにより、ワイヤ表面に固形潤滑剤からなる固体層が形成される。なお、この工程においては、水溶液の替わりに油脂類に固形潤滑剤を分散させてもよい。
次に、ステップS39に示すように2次伸線加工を行い、ワイヤの直径を例えば0.6乃至2.0mmにする。これにより、線材の表面に銅めっき層を薄く均一にプレーティングすることができる。次に、ステップS40に示すように洗浄を行い、ステップS41に示すようにサイジングを行って線径を所定の製品径に整える。
次に、ステップS42に示すように、ベース油に固形潤滑剤を分散させた液体を、ワイヤに対して霧化噴霧する。又は、フェルトを使用して前記液体をワイヤ表面に塗布する。そして、他のフェルトによりワイヤの表面を適正な圧力で拭く。これにより、固体層との間でなじみがよい液体層を、ワイヤ表面に均一に形成することができる。なお、液体層を霧化噴霧により形成する場合には、前記液体を均一に塗布するために、静電塗布を行ってもよい。
このとき、ベース油には、鉱物油、動植物油及び合成油のうち1種の油又は2種以上の油を混合したものを使用することができる。分散させる固形潤滑剤は、ステップS38で使用した潤滑剤と同じものを使用する。また、液体層全体の被着量がワイヤ10kg当たり0.2乃至3.0gとなるようにし、液体層中の固形潤滑剤の含有量がワイヤ10kg当たり0.020乃至0.150gとなるようにする。このようにして、図1に示す溶接用ワイヤ1が製造される。その後、この溶接用ワイヤを巻替及び包装し、製品として出荷する。
なお、本実施形態においては、ステップS39に示す2次伸線加工の前に、ステップS38において固形潤滑剤の擦り込みを行ったが、ステップS39に示す2次伸線加工工程において、加工油中に固形潤滑剤を分散させておき、伸線加工によってワイヤの表面に固形潤滑剤を固着させてもよい。この場合は、ステップS38の固形潤滑剤の擦り込み工程は設けない。但し、この場合においても、固体層の形成はステップS37に示す銅めっき層形成工程の直後に行うことが好ましい。本実施形態における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第2の実施形態と同様である。
上述の第2及び第3の実施形態において、伸線加工工程で使用する潤滑剤としては、高級脂肪酸、金属石鹸、油脂類又はエマルジョン系湿式潤滑剤等の汎用の伸線潤滑剤を使用することができる。但し、上述の第2及び第3の実施形態においては、伸線加工前又は加工中の半製品段階でワイヤ表面4の表面に固体層を形成し、それを製品段階まで残留させる必要があるため、洗浄性が極端に高い洗浄工程を実施することはできない。このため、固体層形成工程及びそれ以後の工程で使用する伸線加工潤滑剤は、洗浄により容易に除去されるものであることが望ましい。
例えば、伸線加工性が良好な潤滑剤として汎用されるCa石鹸等は、除去するためにアルカリ脱脂又は焼鈍による洗浄が必要であるが、このような洗浄を行うと固体層を破壊してしまう。このため、Ca石鹸等は、固体層形成工程及びその後の工程で使用する伸線潤滑剤としては不向きである。上述の第2及び第3の実施形態においては、固体層形成工程及びその後の工程で使用する伸線潤滑剤として、乾式伸線を行う場合には、洗浄性が高いNa石鹸又はK石鹸を使用することが好ましい。また、湿式伸線を行う場合には、製品に残留しても送給油として使用できる鉱物油、動植物油、合成油又はエマルジョンを使用することにより、湿式伸線工程自体による洗浄効果以外の洗浄効果を図った積極的な洗浄工程は設けないことが好ましい。
また、通電性に影響を与えない範囲で、固体層に微量のワックス、PTFE(Poly Tetra Fluoro Ethylene resin:4フッ化エチレン樹脂)、石油ろう等のバインダーを添加してもよい。又は、線材の表面に凹凸を付与して、固体層の付着力を向上させてもよい。但し、これらの処置は必要不可欠な処置ではない。過剰なバインダー剤の添加は通電性を劣化させたり、ライナー内部にバインダーが蓄積して、ライナー詰まりを発生させたりする。
また、前述の第2及び第3の実施形態において、ステップS22、S32及びS35に示す焼鈍工程には、線材の強度を低下させる効果と、不要な表面付着物を洗浄する効果があり、線材の強度及びワイヤ表面の付着物の発生状況により、任意の回数及びタイミングで実施する。但し、焼鈍を行うと銅めっき層及び固体層が破壊されるため、焼鈍を行うタイミングは、銅めっき工程及び固体層形成工程よりも前の工程に限定される。
更に、上述の洗浄工程も、線材表面の付着物の発生状況により、任意の回数及びタイミングで実施する。従って、洗浄を行うタイミングは、図3に示すステップS23及びS28並びに図4に示すステップS33、S36及びS40に限定されない。洗浄方法としては、脱脂、酸洗、湯水洗、機械研磨等の公知技術を適用することができるが、熱間圧延工程及び焼鈍工程の後では、線材の表面に酸化スケールが発生しているため、酸洗によりこの酸化スケールを除去することが好ましい。なお、固体層形成後に洗浄を行う場合には、過剰な洗浄により固体層を除去しないように留意して洗浄方法を選択する必要がある。
以下、本発明の実施例の効果について、その特許請求の範囲から外れる比較例と比較して具体的に説明する。先ず、JIS Z 3312により規定される軟鋼及び高張力鋼用マグ溶接ソリッドワイヤの素線(線材)を用意した。そして、この素線を、前述の第2の実施形態において説明した方法により加工し、前述の第1の実施形態において示した溶接用ワイヤを製造して試料ワイヤとした。このとき、一部の線材には凹凸圧延又は焼鈍を施して、その表面に微細な凹凸を形成した。また、一部の試料ワイヤには固体層を形成しなかった。更に、一部の試料ワイヤには液体層を形成せず、固形潤滑剤を分散させていないベース油のみを塗布した。更にまた、一部の試料ワイヤについては、固体層に固形潤滑剤の他にバインダーを含有させた。更にまた、試料ワイヤ間で、固着量の被着量、固形潤滑剤の種類、液体層の被着量、ベース油の種類、液体層中の固形潤滑剤の量を異ならせた。
このようにして製造した試料ワイヤを表1に示す。なお、表1に示す「線材」の「規格区分」の欄に記載された「YGW11」等の符号は、JIS Z 3312で規定されるワイヤ種類を示し、「表面処理」の欄に記載された「圧延」は、表面に凹凸が形成されたローラを使用して線材に圧延加工を施して線材の表面に凹凸を転写したことを示し、「ブラスト」は、ショットブラストにより線材の表面に凹凸を形成したことを示し、「焼鈍」は非酸化雰囲気中で焼鈍を行って線材の表層を粒界酸化させて線材の表面に微細な凹凸を形成したことを示す。
また、「固体層」の「被着方法」の欄に記載された「伸線」は、固形潤滑剤を添加した加工油又は加工用潤滑剤を使用して伸線加工を行って固体層を形成したことを示し、「研磨」は、ワイヤ表面に固形潤滑剤を分散させた水溶液を塗布した後、研磨を行って固形潤滑剤をワイヤ表面に擦り込み、固体層を形成したことを示す。更に、「バインダ」は固体層中に固形潤滑剤の他に含有されるバインダーの量を示し、「微量」は固体層の質量に対するバインダーの質量の比が5質量%以下であることを示し、「少量」は前記比が5質量%より大きく15質量%以下であることを示し、「多量」は前記比が15質量%より大きく30質量%以下であることを示す。
表1に示す「液体層」の「被着方法」の欄において、「噴霧」は、ベース油中に固形潤滑剤を分散させた液体を霧化噴霧した後、フェルトでこの液体を拭き取って液体層を形成したことを示し、「塗布」は、ベース油中に固形潤滑剤を分散させた液体をフェルトにより塗布した後、他のフェルトでこの液体の一部を拭き取って残部を残留させ、液体層を形成したことを示す。また、表1における各「被着量」の欄の数字は、試料ワイヤ10kg当たりの被着量(g)を示す。更に、各欄における「−」は、該当する処理を行っていないこと、又は該当する成分が含有されていないことを示す。
そして、表1に示す試料ワイヤに対して、耐錆性、詰まり性、送給性及び通電性の評価を行った。以下、各特性の評価方法について説明する。また、評価結果を表2に示す。
耐錆性
先ず、温度が室温であり、濃度が0.01モル/リットルであるNaCl水溶液を作製した。次に、市販の霧吹器を使用して、この水溶液を試料ワイヤに対して噴霧した。次に、この試料ワイヤを、温度が30℃であり湿度が80%RHである恒温恒湿槽内に入れ、72時間保持した。その後、試料ワイヤを恒温恒湿槽から取り出し、その発錆状態を目視で評価した。このとき、試料ワイヤ表面の全面が錆で覆われていたものを「1」とし、発錆が認められなかったものを「10」とする10段階のレーティングを行い、レーティングが「8」以上のものを「○(良好)」とし、「5」乃至「7」のものを「△(標準品と同等又はやや劣る)」とし、「4」以下のものを「×(劣る)」とした。
詰まり性
先ず、試験用のコンジットライナーを用意した。この試験用のコンジットライナーにおいて、直径が300mmのループを2ヶ所形成した。また、コンジットライナーの入側には、インレットガイド及びステンレス製チューブを取り付けた。そして、この試験用のコンジットライナー内で試料ワイヤを10kg分インチング送給し、送給前後におけるコンジットライナー、インレットガイド及びステンレス製チューブの質量の増加分を求め、これを詰まり量とした。質量の増加分が試料ワイヤ10kg当たり0.0300g未満であったものを「○(良好)」とし、0.0300乃至0.0500gであったものを「△(標準品と同等又はやや劣る)」とし、0.0500gを超えていたものを「×(劣る)」とした。
送給性
図5は、送給性の評価に使用した送給装置を示す側面図である。図5に示すように、この送給装置においては、供試ワイヤWが巻回されたワイヤスプール24が設けられており、このワイヤスプール24に巻回された供試ワイヤWを引き出して、これに送給力を付与する送給ロール25が設けられている。また、送給ロール25の下流側には、その内部を供試ワイヤWが挿通するコンジットライナー21が設けられている。コンジットライナー21においては、その略中央部に直径が300mmのループ21aが3回巻きに形成されており、ループ21aの下流側には、曲げ角度が90°であるL字カーブ21b、曲げ角度が180°であるU字カーブ21c、曲げ角度が90°であるL字カーブ21dがこの順に形成されている。カーブ21b、21c、21dの曲率は夫々0.01mm−1、即ち、曲率半径は100mmである。更に、コンジットライナー21の下流側の端部には、カーブドトーチ23が取り付けられている。
このような送給装置を使用して、送給性の評価を行った。ワイヤスプール24に巻回された供試ワイヤWを送給ロール25によって引き出し、送給力を付与してコンジットライナー21内に送り込み、カーブドトーチ23の下流側において溶接を行った。溶接条件は、溶接電流を80乃至500Aとし、溶接電圧をアーク長が約2mmとなるような電圧とし、シールドガスの種類をCOガスとし、その流量を25リットル/分とした。このとき、送給ロール25に印加される送給抵抗力を測定し、その平均値を算出した。送給抵抗力の平均値が29.4N未満であった場合を「送給性:○」とし、29.4N以上39.2N未満であった場合を「送給性:△」とし、39.2N以上であった場合を「送給性:×」とした。
通電性
通電性の評価は、評価対象となる試料ワイヤと同じ規格区分に属し、固体層及び液体層を持たない標準的な溶接ワイヤ(標準ワイヤ)を用意し、この標準ワイヤと試料ワイヤとを比較することにより行った。試料ワイヤが標準ワイヤより優れていた場合を「○」とし、標準ワイヤと同等か又はやや劣っていた場合を「△」とし、標準ワイヤより劣っていた場合を「×」とした。
Figure 0004916158
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表1は銅メッキを有する溶接用ワイヤの場合、表2は銅メッキを有しない溶接用ワイヤの場合のワイヤ構成を示し、表3は銅メッキを有する表1の製品品質を示し、表4は銅メッキを有しない表2の製品品質を示す。No.1a乃至18a、No.32a乃至36a、No.1b乃至13b及びNo.26b乃至28bは比較例である。比較例No.1a乃至9a及びNo.1b乃至7bは、液体層がベース油のみから構成され、固形潤滑剤が分散されていない。このため、比較例No.1a乃至4a、No.6a、No.8a及び比較例No.1b、2b、No.4b、No.6bは、送給性が劣っていた。比較例No.5a及び3bは、線材に焼鈍を施して線材の表面に微細な凹凸を形成し、ベース油の保持性を向上させた結果、送給性は良好であったものの、焼鈍の影響で耐錆性が劣っていた。比較例No.7a、5b、9a及び7bは、固体層に多量のバインダーを添加することによりその固着性を向上させた結果、送給性は良好であったものの、通電性が劣っていた。また、比較例No.9a,7bでは、固体層が脱落してライナー内部に蓄積したため、ライナー詰まりが発生した。
比較例No.10a乃至13a及び8b乃至9bは、固体層を形成せず、銅めっき層の表面に直接液体層を形成している。このため、比較例No.10a、8b、11aは送給性が劣っていた。比較例No.12a,13aおよび9bは、液体層を比較的多量に被着させた結果、送給性は良好であったものの、コンジットライナー内で液体層がワイヤから離脱し、ライナー詰まりが発生した。
比較例No.14a乃至16a及び10b乃至12bは、液体層中の固形潤滑剤の被着量が少ないため、送給性が劣っていた。比較例No.17a,13bは、線材に焼鈍を施して固体層及び液体層の固着性を向上させた結果、液体層中の固形潤滑剤の被着量が少なくても、送給性は良好であった。しかし、焼鈍の影響で耐錆性が劣っていた。比較例No.18aは、固体層の被着量が少ないため、送給性が劣っていた。
No.19a乃至31a及び14b乃至25bは、本発明の実施例である。実施例No.19a乃至31a及び14b乃至25bは、本発明の規定を満たしているため、耐錆性、詰まり性、送給性及び通電性の全てが良好であった。
No.32a乃至36a及び26b乃至28bは比較例である。比較例No.32a及び33aは、液体層中の固形潤滑剤の成分が固体層中の固形潤滑剤の成分と異なるため、送給性の改善効果が少なかった。その理由は、固形潤滑剤の酸化物生成温度が液体層と固体層とで異なるために、液体層中の固形潤滑剤と固体層中の固形潤滑剤との間の結合力が低く、チップ内部で液体層中の固形潤滑剤が脱落したためと考えられる。比較例No.34a,26b,28b,35aは、液体層中の固形潤滑剤の被着量が多過ぎるため、詰まり性が劣っていた。比較例No.36aは、液体層の被着量が多過ぎるため、詰まり性が劣っていた。No.27bは固体層の被着量が少ないため、送給性が劣っていた。
本発明は、全自動及び半自動溶接用の溶接ワイヤであって銅めっき層を備える溶接用ワイヤ及び銅めっきを有しない溶接用ワイヤに好適に利用できる。
本発明の第1の実施形態に係る溶接用ワイヤを示す断面図であり、溶接用ワイヤの伸線方向に直交する断面を示す。 本実施形態における各被着量の測定方法を示すフローチャート図である。 本発明の第2の実施形態に係る溶接用ワイヤの製造方法を示すフローチャート図である。 本発明の第3の実施形態に係る溶接用ワイヤの製造方法を示すフローチャート図である。 送給性の評価に使用した送給装置を示す側面図である。
符号の説明
1;溶接用ワイヤ
2;線材
3;銅めっき層
4;ワイヤ表面
5;固体層
6;液体層
21;コンジットライナー
21a;ループ
21b、21d;L字カーブ
21c;U字カーブ
23;カーブドトーチ
24;ワイヤスプール
25;送給ロール
W;供試ワイヤ

Claims (9)

  1. ワイヤ表面に被着され第1の固形潤滑剤を含有する固体層と、この固体層の表面に被着した液体層と、を有し、前記液体層は、ベース油と、このベース油中に分散されその成分が前記第1の固形潤滑剤と同じである第2の固形潤滑剤と、を有し、前記第1の固形潤滑剤の被着量は前記溶接用ワイヤ10kg当たり0.003乃至0.030gであり、前記液体層の被着量は前記溶接用ワイヤ10kg当たり0.2乃至3.0gであり、前記第2の固形潤滑剤の被着量は前記溶接用ワイヤ10kg当たり0.020乃至0.150gであり、前記第1及び第2の固形潤滑剤が、MoS 又はWS であることを特徴とする溶接用ワイヤ。
  2. 前記固体層が前記第1の固形潤滑剤のみから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の溶接用ワイヤ。
  3. 前記第2の固形潤滑剤の被着量が、前記溶接用ワイヤを温度が5乃至40℃であるジエチルエーテルに浸漬し、このジエチルエーテルに周波数が30乃至50kHzの超音波を1分間印加する超音波洗浄工程を3回繰り返した後、前記ジエチルエーテルを分析することにより測定されたものであり、前記第1の固形潤滑剤の被着量が、銅めっき層を有する場合には、前記3回の超音波洗浄後の溶接用ワイヤを脱銅した脱銅溶液を分析して測定されたものであり、銅めっき層を有しない場合には、前記3回の超音波洗浄後の溶接用ワイヤ表面を酸溶解した溶解液を分析して測定されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の溶接用ワイヤ。
  4. ワイヤ表面に第1の固形潤滑剤を含有する固体層を形成する工程と、前記固体層を被着させた線材に伸線加工を施す工程と、前記固体層の表面にベース油中にその成分が前記第1の固形潤滑剤と同じである第2の固形潤滑剤が分散された液体層を形成する工程と、を有し、前記第1の固形潤滑剤の被着量を前記溶接用ワイヤ10kg当たり0.003乃至0.030gとし、前記液体層の被着量を前記溶接用ワイヤ10kg当たり0.2乃至3.0gとし、前記第2の固形潤滑剤の被着量を前記溶接用ワイヤ10kg当たり0.020乃至0.150gとし、前記第1及び第2の固形潤滑剤が、MoS 又はWS であることを特徴とする溶接用ワイヤの製造方法。
  5. 前記固体層を形成する工程は、水又は油脂中に前記第1の固形潤滑剤を分散させた液体を前記ワイヤ表面に塗布する工程と、前記ワイヤ表面を研磨することにより前記第1の固形潤滑剤を前記ワイヤ表面に擦り込む工程と、を有することを特徴とする請求項に記載の溶接用ワイヤの製造方法。
  6. 前記固体層を形成する工程は、前記第1の固形潤滑剤を分散させた加工油又は前記第1の固形潤滑剤を分散させた加工用潤滑剤を使用して線材に対して伸線加工を施す工程であることを特徴とする請求項に記載の溶接用ワイヤの製造方法。
  7. 前記液体層を形成する工程は、前記ベース油中に前記第2の固形潤滑剤が分散された液体を前記固体層の表面に被着させる工程と、前記固体層の表面から前記液体の一部を拭き取ると共に残部を残留させることにより、前記第2の固形潤滑剤の被着量が前記溶接用ワイヤ10kg当たり0.020乃至0.150gとなるようにする工程と、を有することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の溶接用ワイヤの製造方法。
  8. 前記液体を前記固体層の表面に被着させる工程は、前記液体を前記固体層の表面に塗布する工程であることを特徴とする請求項に記載の溶接用ワイヤの製造方法。
  9. 前記液体を前記固体層の表面に被着させる工程は、前記液体を前記固体層の表面に対して霧化噴霧する工程であることを特徴とする請求項に記載の溶接用ワイヤの製造方法。
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