JP4916107B2 - 導電性ペーストおよびこれを用いたセラミック電子部品 - Google Patents

導電性ペーストおよびこれを用いたセラミック電子部品 Download PDF

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Description

この発明は、セラミック電子部品における、セラミック素体表面への導体形成に用いられる導電性ペーストに関する。
従来より、多層基板を含む配線基板上の配線や、チップ型電子部品の外部電極等のセラミック電子部品における導体を形成するにあたっては、Ag、Ag合金、Cu、およびCu合金等から選ばれる導電性粉末を、ガラスフリットと共に有機ビヒクルに分散させてなる導電性ペーストが広く用いられている。
そして、これらの導体を形成する際には、セラミック基板やチップセラミック素子等のセラミック素体に、導電性ペーストを周知のスクリーン印刷やディップ工法によって塗布した上で乾燥させた後、焼き付けて焼結膜とするという工程が用いられている。
ここで、導電性粉末として略球状のものを用いると、特に焼結性の向上を企図してガラスフリットを多く添加した導電性ペーストの場合、導電性粉末同士の接触が安定して確保できないため、焼結膜の導電性が低下するという問題があり、それで、導電性粉末同士の接触頻度を高め、焼結後の導電性を向上させるという観点から、扁平状導電性粉末が用いられるようになっている。(特許文献1参照)
特開2000−80409号公報
扁平状導電性粉末は、アトマイズ法、電解法、及び化学還元法等によって得られた略球状の導電性粉末を、粉砕・圧延して扁平化させることで得られるが、その際、導電性粉末が過粉砕されることで生じる微小粒子同士の付着による粗大粒子の発生や、導電性粉末表面の酸化を防ぐ目的で、脂肪酸塩等の有機化合物からなる滑剤を添加する。一方で、この滑剤として添加された有機化合物は、扁平状導電性粉末同士を面方向に連なって融着させ、扁平状導電性粉末の面凝集体を形成させてしまう。
ところが、扁平状導電性粉末同士を融着していた有機化合物は、有機ビヒクル中に含まれる有機溶媒に徐々に溶解するため、それと共に面凝集体が解されていくことになる。従って、このように面凝集体を形成している扁平状導電性粉末を用いて導電性ペーストを作製した場合、扁平状導電性粉末の分散状態が経時的に変化してしまう。この変化の程度は扁平状導電性粉末の表面を被覆している有機化合物の量(以後、表面被覆炭素量と称する)が多いほど大きくなる。
また、有機ビヒクル中に含まれる有機化合物は、その分子構造中に酸性官能基を有する場合、それらの官能基は、例えば導電性粉末表面に生じた酸化物層や、酸化物ガラスからなるガラスフリット表面に存在する酸素等、塩基性吸着サイトに吸着し、逆に塩基性官能基を有する場合には、例えば導電性粉末表面に被覆された樹脂中に存在する酸性官能基等、酸性吸着サイトに吸着する。
これらの吸着現象は経時的に進行するため、分子構造中に吸着現象に寄与する官能基の多い、すなわち酸塩基量の大きい有機化合物を有機ビヒクル中のバインダー成分として用いると、導電性粉末及びガラスフリットの分散状態が、やはり経時的に変化してしまう。
上述の現象により、扁平状導電性粉末を用いた導電性ペーストにおいては、保管時間が長くなるに従い分散性が変化して焼結性が低下することにより、導電性ペーストを焼き付けて焼結膜とする際に局所的な焼結の不均一が発生して、焼結膜の緻密性が低下してしまう。その結果、耐湿性が悪化するためこのような緻密性の低い焼結膜に湿式めっきを施すことで焼結膜中にめっき液が侵入し、電子部品の信頼性を低下させるという問題があった。
そこで、この発明の目的は、保管中における扁平状導電性粉末の分散状態が変化せず、長期間保管後でも粘度変化、印刷塗膜の充填密度、及び焼結性の低下が起こらない、導電性ペーストを提供しようとすることである。
上述した技術的課題を解決するため、この発明の導電性ペーストは、導電性粉末とガラスフリットと有機ビヒクルとを含有する導電性ペーストであって、前記導電性粉末が、略球状導電性粉末(A)と、表面被覆炭素量が0.1重量%以下である扁平状導電性粉末(B)をA:B=0:100〜80:20の重量比で含み、前記有機ビヒクルが、酸塩基量の総和が50μmol/g以下である有機化合物を含み、さらに前記扁平状導電性粉末(B)が、略球状導電性粉末を水中に分散させ、滑剤を添加せずに粉砕・圧延することによって、または、略球状導電性粉末に滑剤を加えた上で粉砕・圧延した後、残留している滑剤を加熱分解処理することによって、得られたものであることを特徴としている。
また、この発明の導電性ペーストは、添加剤としてリン酸エステル化合物を0.025〜1.5重量%含有することが好ましい。
また、この発明の導電性ペーストは、前記扁平状導電性粉末の酸素含有量が0.4〜3.0重量%であることが好ましい。
また、この発明の導電性ペーストは、前記導電性粉末が、CuまたはCu合金であることが好ましい。
また、この発明のセラミック電子部品は、セラミック素体とセラミック素体表面に形成された導体とを備えるセラミック電子部品であって、前記導体は、上述した導電性ペーストの焼結膜からなることを特徴としている。
この発明に係る導電性ペーストは、導電性粉末とガラスフリットと有機ビヒクルとを含有する導電性ペーストであって、前記導電性粉末が、略球状導電性粉末(A)と、表面被覆炭素量が0.1重量%以下である扁平状導電性粉末(B)をA:B=0:100〜80:20の重量比で含み、前記有機ビヒクルが、酸塩基量の総和が50μmol/g以下である有機化合物を含み、さらに前記扁平状導電性粉末(B)が、略球状導電性粉末を水中に分散させ、滑剤を添加せずに粉砕・圧延することによって、または、略球状導電性粉末に滑剤を加えた上で粉砕・圧延した後、残留している滑剤を加熱分解処理することによって、得られたものであるようにしてあるため、保管中における扁平状導電性粉末の分散状態が変化せず、長期保管後でも粘度変化、印刷塗膜の充填密度、及び焼結性の低下が起こらず、延いては、耐湿性が向上することで湿式めっき時における焼結膜中へのめっき液の侵入が抑制でき、セラミック電子部品の信頼性の向上を図ることができる。
また、導電性ペースト中に添加剤としてリン酸エステル化合物を0.025〜1.5重量%含有するようにすることにより、上記の効果が高まる上、導電性ペーストの粘度が下がり、レオロジー特性が改善され、薄くかつセラミック電子部品端面の角部と中央部で膜厚差の小さい外部電極塗膜を得ることができ、さらに焼成過程でリン酸エステル化合物が酸化リンに変化してガラスフリットと導電性粉末とのぬれ性を向上させ、焼結性が良くなり緻密な焼結膜を得ることができる。
また、前記扁平状導電性粉末の酸素含有量が0.4〜3.0重量%となるようにすることにより、粉末状態での酸化進行が遅くなるため、扁平状導電性粉末を作製した後に導電性ペーストの出発原料として使用できる期間を長くすることができる。さらに、導電性ペーストの焼き付け工程において、有機化合物を効率的に熱分解もしくは燃焼させることができ、加えて扁平状導電性粉末とガラスフリットとのぬれ性が良くなるため、ブリスタ(溶融したガラスフリット中に取り込まれた、残留炭素の分解により発生する気体が、十分排出される前に導電性粉末の焼結が進行することで、閉じ込められた気体の内圧が高まって発泡する際に、焼結膜表面に構造欠陥を生じさせる現象)がなく、かつ緻密な焼結膜を得ることができる。
この発明に係る導電性ペーストが含有する導電性粉末は、略球状導電性粉末(A)と、表面被覆炭素量が0.1重量%以下である扁平状導電性粉末(B)をA:B=0:100〜80:20の重量比で含んでいる。導電性粉末の分散性の変化は扁平状導電性粉末の表面被覆炭素量に由来するため、扁平状導電性粉末の表面被覆炭素量が0.1重量%以下であれば、略球状導電性粉末を含まなくてもよい。ここで、表面被覆炭素量とは、扁平状導電性粉末を炭素・硫黄分析装置(Carbon/Sulfur Analyzer:CS計)で分析した際の炭素含有量をいう。上述の装置で得られる測定値は、あくまで被測定物中の炭素含有量であってその形態を問わないのが本来であるが、測定された炭素分は扁平状導電性粉末中には存在せず、全て扁平状導電性粉末表面上に存在しているものと仮定して、表面被覆炭素量と見なしている。
なお、前記重量比外の場合、良好な塗付形状が得られなかったり、導電性ペーストを焼き付けて焼結膜とする際、焼結膜の表面に亀裂が発生したり、またガラスフリットが焼結膜表面に浮き出易くなり、後の湿式めっき工程においてめっきがつかなかったりするという問題が生じる。
前記扁平状導電性粉末は、略球状導電性粉末のアスペクト比(長軸径/短軸径比)より大きいアスペクト比を有する導電性粉末をいう。前記扁平状導電性粉末は、アトマイズ法、電解法、及び化学還元法等によりアスペクト比が1.0〜1.5の略球状導電性粉末を製造する工程と、得られた略球状導電性粉末を、ボールミル等を用いて粉砕・圧延する扁平化工程からなる製造方法によって得ることができるが、その際、滑剤を添加せずに粉砕・圧延するか、あるいは滑剤として室温で固体粉末状の有機化合物を加えた上で、ボールミル等を用いて粉砕・圧延し、残留している滑剤を加熱分解処理、あるいは溶媒洗浄処理して脱脂することで、表面被覆炭素量を0.1重量%以下とすることができる。
上述の脱脂には、滑剤の均一な除去の面から加熱分解処理を特に好適に用いることができ、N2またはAr雰囲気下、400〜600℃で数時間熱処理することにより、表面被覆炭素量を0.1重量%以下まで低減させることができる。
なお、前記扁平状導電性粉末は、上述の略球状導電性粉末を水中に分散させ、滑剤を添加せずに粉砕混合し、扁平化させることにより得てもよい。
表面被覆炭素量は、少ないほど導電性ペーストの粘度変化に与える影響が小さくなるため好ましい。一方、0.1重量%を超える場合、扁平状導電性粉末は、表面に過剰な有機化合物が存在し、面方向に連なって融着した、面凝集体を形成している状態にある。従って、このような導電性ペーストを長期間保管すると、有機化合物が有機溶媒に徐々に溶解することで、扁平状導電性粉末の分散状態が経時的に変化したり、レオロジー特性が変化したりするという問題が生じる。
また、前記扁平状導電性粉末の酸素含有量は、0.4〜3.0重量%であることが好ましい。ここで、酸素含有量とは、扁平状導電性粉末を酸素分析計で分析した際の測定値をいう。上述の装置で得られる測定値は、あくまで被測定物中の酸素含有量であってその形態を問わないのが本来であるが、測定された酸素は扁平状導電性粉末中には極めて微量にしか存在しないと思われるため、おそらく扁平状導電性粉末表面上に形成された薄い酸化物に由来するものと考えられる。
すなわち、酸素含有量がこの範囲内である場合には、さらなる酸化の進行が遅くなるため、扁平状導電性粉末を作製した後に導電性ペーストの出発原料として使用できる期間を長くすることができる。さらに、導電性ペーストの焼き付け工程において、有機化合物を効率的に熱分解もしくは燃焼させることができ、加えて扁平状導電性粉末とガラスフリットとのぬれ性が良くなるため、ブリスタがなく、かつ緻密な焼結膜を得ることができる。
なお、扁平状導電性粉末は一様な酸素含有量となっているものでなくともよい。例えば酸素含有量の少ない扁平状導電性粉末と、酸素含有量の多い扁平状導電性粉末を数種類、適宜の比率で混合し、混合粉末全体としての酸素含有量を0.4〜3.0重量%の範囲内とすることによっても、上記の効果を得ることができる。
前記扁平状導電性粉末の材質としては、CuまたはCu合金、及びNiまたはNi合金等の卑金属粉末、AgまたはAg合金、及びPdまたはPd合金等の貴金属粉末、及び表面にこれらの金属の被覆層を有する金属粉末等を用いることができるが、優れた電気伝導性を有し、しかも比較的安価なCuまたはCu合金粉末を特に好適に用いることができる。
これらの製造方法及び製造条件を適宜選択することにより、扁平状導電性粉末を所望のアスペクト比や粒径に合わせることができる。
前記扁平状導電性粉末の粒径、比表面積、及びアスペクト比は特に限定されるものではなく、対象とするセラミック素体や導電性ペーストの印刷性等に合わせて、適宜選択することができる。なお、表面被覆炭素量が0.1重量%以下であれば、材質、粒径、比表面積、及びアスペクト比の異なる扁平状導電性粉末を二種類以上組み合わせて使用してもよい。
また、前記略球状導電性粉末は、特に限定されるものではないが、アトマイズ法、電解法、及び化学還元法等によって製造された、アスペクト比(長軸径/短軸径比)が1.0〜1.5の導電性粉末であることが好ましい。
前記略球状導電性粉末の表面被覆炭素量は、特に限定されるものではないが、導電性粉末における略球状導電性粉末の比率が高くなり、略球状導電性粉末と扁平状導電性粉末の重量比が55:45〜80:20の範囲内である場合には、略球状導電性粉末の分散状態の経時変化が導電性ペーストの粘度変化等に影響するため、扁平状導電性粉末と同様に0.1重量%以下であることが好ましい。
前記略球状導電性粉末の材質としては、CuまたはCu合金、及びNiまたはNi合金等の卑金属粉末、AgまたはAg合金、及びPdまたはPd合金等の貴金属粉末、及び表面にこれらの金属の被覆層を有する金属粉末等を用いることができるが、優れた電気伝導性を有し、しかも比較的安価なCuまたはCu合金粉末を特に好適に用いることができる。
前記略球状導電性粉末の粒径、及び比表面積は特に限定されるものではなく、対象とするセラミック素体や導電性ペーストの印刷性等に合わせて、適宜選択することができる。なお、材質、粒径、及び比表面積の異なる略球状導電性粉末を二種類以上組み合わせて使用してもよい。
また、この発明に係る導電性ペーストが含有する有機ビヒクルが含む有機化合物は、酸塩基量の総和が50μmol/g以下である。
ここで、酸塩基量の総和とは、当該有機化合物とカリウムメトキシドとを反応させる中和滴定において、中和するまでに要したカリウムメトキシド量を酸量とし、当該有機化合物と過塩素酸とを反応させる中和滴定において、中和するまでに要した過塩素酸量を塩基量とした場合の、酸量と塩基量の合計量をいう。
酸塩基量の総和が少ないほど、導電性ペーストの粘度変化に与える影響が小さくなるため好ましい。一方、酸塩基量の総和が50μmol/gを超える場合、有機化合物は導電性粉末やガラスフリット表面に吸着し易くなり、扁平状導電性粉末の表面被覆炭素量の場合と同じく、吸着した有機化合物が有機溶媒に徐々に溶解することで、それらの分散状態が経時的に変化してしまうため、レオロジー特性が変化したり、導電性粉末やガラスフリットの凝集が起こるという問題が生じる。
前記有機化合物としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アルキド樹脂、及びセルロース系樹脂等を用いることができるが、特に熱分解性に優れるアクリル系樹脂を好適に用いることができる。前記有機化合物の重量平均分子量としては、塗布後の塗膜強度と、導電性ペーストの粘度及び糸曳き性の面から、特に30000〜100000の範囲内にあることが好ましい。なお、これらの有機化合物は、酸塩基量の総和が50μmol/g以下であれば、二種類以上を組み合わせて使用してもよい。酸塩基量の総和が50μmol/g以下であれば、有機化合物の側鎖または末端に吸着に寄与する任意の官能基を有していてもよい。
この発明に係る導電性ペースト中における有機化合物の含有量は、特に限定されるものではないが、塗布後の塗膜強度と、焼成後の焼結膜の緻密性の面から、特に導電性ペースト中3〜11重量%の範囲内にあることが好ましい。
また、この発明に係る導電性ペーストが含有する有機ビヒクルが含む有機溶媒は、特に限定されるものではなく、バインダー成分である前記有機化合物を溶解させることができるものであれば、公知の有機溶媒、具体的にはベンゼン、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素系、ヘキサン、デカン等の脂肪族炭化水素系、ベンジルアルコール、3−メトキシ−3−メチル−1ブタノール等のアルコール類、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、ジヒドロターピニルアセテート等のテルペン類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコール類、乳酸ブチル等のエステル類、その他ケトン類、エーテル類、アセタール類、含窒素化合物類、及び含硫黄化合物類等を用いることができるが、導電性粉末及びガラスフリットに対して濡れ性が良好となるように選択することが好ましい。なお、これらの有機溶媒は、二種類以上を組み合わせて使用してもよい。
また、この発明に係る導電性ペーストは、添加剤としてリン酸エステル化合物を0.025〜1.5重量%含有することが好ましい。リン酸エステル化合物の添加量がこの範囲内である場合には、導電性ペーストの粘度が下がり、レオロジー特性が改善されるため、薄くかつセラミック電子部品端面の角部と中央部で膜厚差の小さい外部電極塗膜が得られ、焼結後の膜厚の場所によるばらつきを低減させることができる。さらに、焼成過程でリン酸エステル化合物が酸化リンに変化してガラスフリットと導電性粉末とのぬれ性を向上させるため、焼結性が良くなり緻密な焼結膜を得ることができる。一方、リン酸エステル化合物の含有量が0.025重量%未満であったり、また1.5重量%を超えたりする場合には、リン酸エステル化合物を含有しないものに比べて際立った改善は見られない。
また、この発明に係る導電性ペーストが含有するガラスフリットとしては、特に限定されるものではなく、公知のガラス組成物、例えばホウケイ酸系ガラス、及びホウケイ酸亜鉛系ガラス等を用いることができる。
前記ガラスフリットの形状及び形態も、特に限定されるものではなく、略球状、扁平状、及び不定状等の種々の形状や、カップリング剤処理や分散剤処理等を施した種々の形態のものを用いることができる。なお、組成、形状、及び形態の異なるガラスフリットを二種類以上組み合わせて使用してもよい。
この発明において、上述のような特定的な略球状導電性粉末と扁平状導電性粉末の重量比、扁平状導電性粉末の表面被覆炭素量、及び有機化合物の酸塩基量の総和を選んだ根拠となる実施例について、以下に説明する。
まず、導電性ペーストの出発原料として、表1の試料番号MF−1〜MF−9に示す金属種、粒径、比表面積、アスペクト比、及び表面被覆炭素量を有する扁平状導電性粉末を準備した。これらの扁平状導電性粉末は、CuCO3と還元剤とを反応させて得られたアスペクト比1.0、粒径4μmの略球状Cu粉末を、表1に記載されている種々の滑剤を加えた上で湿式混合粉砕することにより製造した扁平状Cu粉末である。なお、試料番号MF−7aは、MF−7をAr雰囲気下、500℃で3時間熱処理することにより、滑剤に由来する有機化合物を低減させたものであり、MF−7bはMF−7をアルコール系の有機溶媒中で超音波洗浄を繰り返すことにより、滑剤に由来する有機化合物を低減させたものである。
その他の導電性ペーストの出発原料として、表2の試料番号MS−1〜MS−2aに示す金属種、粒径、比表面積、アスペクト比、及び表面被覆炭素量を有する略球状Cu粉末、表3の試料番号G−1、G−2に示す組成、粒径、及び比表面積を有するガラスフリット、表4の試料番号P−1〜P−3に示す特性を有する有機化合物、及び表5に示す有機溶媒を準備した。
Figure 0004916107
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なお、表1〜3に記載されている略球状Cu粉末、扁平状Cu粉末、及びガラスフリットの粒径は変性アルコールを分散媒体として用いた粒度分布測定機(マイクロトラック)によって測定したD50(粒度分布の積算50%粒径)の値であり、比表面積は窒素吸着法によって測定した値であり、アスペクト比はSEM観察・画像解析によって長軸径/短軸径を算出した値であり、表面被覆炭素量は炭素・硫黄分析装置(Carbon/Sulfur Analyzer:CS計)での分析値である。
また、表4に記載されている有機化合物の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(Waters 2690 allinace)により、溶離液をテトラヒドロフラン、流速を1.0ml/s、検出を屈折率計とし、標準ポリスチレン換算で測定した値である。
また、表4に記載されている有機化合物の酸塩基量は、有機化合物をメチルイソブチルケトンで溶解し、適宜希釈調製した後、0.01規定のカリウムメトキシド溶液及び0.01規定の過塩素酸溶液で中和滴定し、中和するまでに要したそれぞれの溶液量から酸量及び塩基量を求め、その総和として算出した。
次に、表4に示す有機化合物と表5に示す有機溶媒を表6に示す割合で調合し、3種類の有機ビヒクルを調製した。
次に、扁平状Cu粉末、略球状Cu粉末、ガラスフリット、及び上述のようにして得られた有機ビヒクルを三本ロールで分散混合し、表7の試料番号1〜23に示す重量比で各構成要素を含有する導電性ペーストを作製した。
Figure 0004916107
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上述のようにして得られた試料番号1〜23の導電性ペーストについて、作製直後と室温で3ヶ月間保管した後での粘度の変化、印刷塗膜のCu充填密度の変化、焼結膜の外観の変化、及び焼結性の変化を以下に示す方法で調べた。
ペーストとしての粘度の変化については、導電性ペーストを作製した直後と室温で3ヶ月間保管した後に、それぞれの粘度をE型粘度計を用いて測定し、保管前後での粘度変化が15%未満のものを良好と判定して○で表わし、15%以上変化したものを不良と判定して×で表わした。
印刷塗膜のCu充填密度の変化については、ガラス基板上に塗膜を形成し、探針等を当てて形状測定することにより求める物理厚と、分析によって求めた塗膜中の金属成分量を膜厚に換算した金属厚の比を充填密度とし、導電性ペーストの保管前後での変化を調べることで評価した。具体的には以下の手順に拠った。
まず、50mm角のガラス基板上に、作製直後の導電性ペーストをドクターブレード法で50μmの厚さに塗布し、熱風乾燥機にて150℃で900s乾燥させた。上述のようにして得られた塗膜について、物理厚Tを接触式表面粗さ計により求め、金属厚Mを蛍光X線により求め、Cu充填密度=M/Tの式によりCu充填密度を算出した。
一方、室温で3ヶ月間保管後の導電性ペーストを用いて同様の調査を行ない、作製直後と室温で3ヶ月間保管した後でのCu充填密度の変化が5%未満であったものを良好と判定して○で表わし、5%以上であったものを不良と判定して×で表わした。
焼結膜の外観の変化については、積層セラミックコンデンサの端面に焼き付けたCu焼結膜に現れる亀裂やピンホール等の有無の変化を、導電性ペーストの保管前後で調べることにより評価した。具体的には、焼き付け後のCu焼結膜8及び9の外観を倍率100倍の金属顕微鏡を用いて観察し、亀裂や小孔等の欠陥の有無を確認した。
一方、室温で3ヶ月間保管後の導電性ペーストを用いて同様の調査を行ない、作製直後と室温で3ヶ月間保管した後でのいずれにも欠陥が発生していないものを良好と判定して○で表わし、いずれか一方でも欠陥が発生したものを不良と判定して×で表わした。
焼結性の変化については、導電性ペーストの保管前後でのCu焼結膜中へのNiめっきの侵入が確認されない最低焼き付け温度の変化を調べることで評価した。具体的には、積層セラミックコンデンサをエポキシ樹脂に埋め込み、Cu焼結膜の断面が観察できるように積層セラミックコンデンサ1の略中央部まで研磨した後、倍率1000倍の金属顕微鏡を用いて観察し、Cu焼結膜中にNiめっきが侵入しているかどうかを確認した。各試料番号の導電性ペーストについて、焼き付け温度を700〜890℃の範囲で変更し、Cu焼結膜中にNiめっきの侵入が観察されない最低焼き付け温度T0を調べた。
一方、室温で3ヶ月間保管後の導電性ペーストを用いて同様の調査を行ない、Cu焼結膜中にNiめっきの侵入が確認されない最低焼き付け温度T1を調べ、作製直後と室温で3ヶ月間保管した後での最低焼き付け温度の温度差(T1−T0)を求め、T1−T0が20℃未満であったものを良好と判定して○で表わし、20℃以上であったものを不良と判定して×で表わした。
これらの評価のため、この発明に係る導電性ペーストを用いて構成される積層セラミックコンデンサ1を図解的に示す断面図を図1に示す。
積層セラミックコンデンサ1は、積層体2を備えている。積層体2は、積層される複数の誘電体セラミック層3と、複数の誘電体セラミック層3の間の特定の複数の界面に沿ってそれぞれ形成される複数の内部電極4及び5とをもって構成される。内部電極4及び5は、積層体2の外表面にまで到達するように形成されるが、積層体2の一方の端面6にまで引き出される内部電極4と、他方の端面7にまで引き出される内部電極5とが、積層体2の内部において交互に配置されている。
積層体2の外表面上であって、端面6及び7上には、Cu焼結膜8及び9がそれぞれ形成されている。また、Cu焼結膜8及び9上には、Niめっき層10及び11がそれぞれ形成されている。
次に、上述のような積層セラミックコンデンサ1の製造方法について、製造工程順に説明する。
まず、公知組成の誘電体セラミック組成物の原料を準備し、ポリビニルブチラール系のバインダー、可塑剤及びエタノール等の有機溶剤を加え、ボールミルにより湿式混合して誘電体セラミック組成物のスラリーとした後、ポリエチレンテレフタレート等からなるキャリアフィルム上にシート状に成形することで、誘電体セラミック組成物のグリーンシートを得た。
次に、誘電体セラミック層3となるグリーンシート上に、Ni粉末を主成分とする導電性ペーストを用いて、内部電極4及び5となる塗膜パターンを印刷した後、互いに対向して複数の静電容量を構成するように適宜積み重ね、さらにその上下面に塗膜パターンが印刷されないセラミックグリーンシートを適当数積み重ねて熱圧着することで、生の積層体を得た。
この生の積層体を大気中で脱脂した後、N2−H2−H2Oの混合ガス中で焼成することで積層体2を得た。
次に、焼成後の積層体の両端面6及び7に、作製直後の導電性ペーストを80μmの厚さとなるように塗布し、トンネル炉を用いてN2雰囲気中において焼き付けた。
次に、一般的な酸性浴を用いて公知の方法によりNiめっき処理を施し、焼き付けたCu焼結膜8及び9上に、Niめっき層10及び11を形成した。
以上のようにして得られた評価結果と、その結果に基づく総合判定を表8に示した。なお、表1〜8において、試料番号に*を付したものは、この発明の範囲外の構成要素及び導電性ペーストである。
Figure 0004916107
表8に示すように、この発明の範囲内にある試料番号1〜18の導電性ペーストは、その作製直後から室温で3ヶ月間の保管後にわたって、粘度、印刷塗膜のCu充填密度、及び焼結性が良好に維持され、総合判定で良好であることが確認された。
また、評価結果は記載していないが、この発明の範囲内にある試料番号1〜18の導電性ペーストは、その作製直後から室温で3ヶ月間の保管後にわたって、印刷性及び印刷塗膜の強度は実用上問題ないことも確認された。
従って、この発明の導電性ペーストを用いることにより、保管期間に係わらず積層セラミックコンデンサの外部電極形成工程を安定して行なうことができ、延いては信頼性の高い積層セラミックコンデンサを得ることができる。
これらに対して、この発明の範囲外にある試料番号について考察する。
まず、試料番号19〜21の導電性ペーストは、扁平状Cu粉末の表面被覆炭素量が0.1重量%を超えており、保管中に扁平状Cu粉末同士を融着していた有機化合物が有機溶媒に溶解して、扁平状Cu粉末の分散性が変化することでレオロジー特性が変化し、ペーストとしての粘度及び印刷塗膜のCu充填密度が変化するため、その結果焼結膜の外観及び焼結性が保管前後で維持できず、実用に供することが困難である。
次に、試料番号22の導電性ペーストは、略球状Cu粉末と扁平状Cu粉末の重量比が0:100〜80:20の範囲外であるため、保管前の時点で導電性ペーストを焼き付けて焼結膜とする際、焼結膜の表面に亀裂が発生し、実用に供することが困難である。従ってこの導電性ペーストについてはめっき侵入の確認による焼結性の評価は行なわなかった。
次に、試料番号23の導電性ペーストは、前記有機ビヒクルは含有する有機化合物の酸塩基量の総和が50μmol/gを超えており、有機化合物が導電性粉末やガラスフリット表面に吸着し易くなるため、導電性粉末やガラスフリットの凝集が起こってペーストのゲル化が発生し、実用に供することが困難である。
まず、導電性ペーストの出発原料として、表1の試料番号MF−2、MF−5、MF−7a、及びMF−7bに示す扁平状Cu粉末、表2のMS−1に示す略球状Cu粉末、表3のG−1に示すガラスフリット、及び表6のOV−1、OV−2に示す有機ビヒクル、及び表9のAD−1〜AD−3に示すリン酸エステル化合物を準備した。なお、表9に記載されているリン酸エステル化合物の重量平均分子量、及び酸塩基量の測定は、表4に記載されている有機化合物の測定と同様にして行なった。
Figure 0004916107
その後、実施例1の場合と同様の方法によって、表10の試料番号24〜39に示す重量比で各構成要素を含有する導電性ペーストを作製し、また種々の特性評価を行なった。
Figure 0004916107
以上のようにして得られた評価結果と、その結果に基づく総合判定を表11に示した。なお、作製した導電性ペーストを室温で3ヶ月保管した後、保管前後で粘度変化が10%未満であったもの、印刷塗膜のCu充填密度の変化が3%未満であったもの、焼結膜に欠陥が発生していない上、セラミック電子部品端面の角部/中央部の膜厚比が1/4以上であるもの、及びNiめっきの侵入が観察されない最低焼き付け温度の温度差(T1−T0)が10℃未満であったものは、それぞれ極めて良好として◎で表わした。
Figure 0004916107
表11に示すように、リン酸エステル化合物を0.025〜1.5重量%含有している試料番号24〜33、及び35〜38の導電性ペーストは、その作製直後から室温で3ヶ月間の保管後にわたって、粘度、印刷塗膜のCu充填密度、及び焼結性が極めて良好に維持され、総合判定で極めて良好であることが確認された。
また、評価結果は記載していないが、この発明の範囲内にある試料番号24〜33、及び35〜38の導電性ペーストは、導電性ペーストの粘度が下がり、レオロジー特性が改善されており、またその作製直後から室温で3ヶ月間の保管後にわたって、印刷性及び印刷塗膜の強度は実用上問題ないことも確認された。
従って、この発明の導電性ペーストを用いることにより、保管期間に係わらず積層セラミックコンデンサの外部電極形成工程を安定して行なうことができ、延いては信頼性の高い積層セラミックコンデンサを得ることができる。
これらに対して、リン酸エステル化合物の含有量が0.025重量%未満である試料番号34、及び1.5重量%を超えて含有している試料番号39の導電性ペーストの諸特性は、リン酸エステル化合物を含有しないものに比べて際立った改善は見られなかった。
まず、導電性ペーストの出発原料として、表12の試料番号MF−10〜MF−14に示す扁平状Cu粉末を準備した。
ここで、MF−10〜MF−12は、実施例1の表1に示したMF−1(扁平状Cu粉末の製造方法として湿式混合粉砕のみを行なったもの)を、80℃のオーブン中に所定時間放置したものであり、MF−13とMF−14はMF−1を公用の酸化剤を用いて酸化処理したものである。これらの扁平状Cu粉末の酸素含有量を酸素分析計で分析し、上記の処理を施すことにより、表12に示す種々の酸素含有量に調整された扁平状Cu粉末が得られたことを確認した。
なお、このようにして得られた扁平状Cu粉末の表面を、XPS(X−ray Photoelectron Spectroscopy:X線光電子分光法)によりCuの価数に着目して分析したところ、0価のCu(すなわち金属Cu)は確認されず、1価のCuと2価のCuの両方が確認された。また、その存在比率は1価のCuが2価のCuよりも多いことが分かった。すなわち、扁平状Cu粉末の表面は、上記の処理を施すことにより酸化され、亜酸化銅(Cu2O)が多く存在している状態であると推定される。
次に、上記の酸素含有量の扁平状Cu粉末に対する保管の影響(製造時からの経時変化)を調べるため、それぞれの扁平状Cu粉末をガラス容器中に入れて室温(25℃)で30日間保管した、表12の試料番号MF−15〜MF−19に示す扁平状Cu粉末を準備した。
Figure 0004916107
上記のようにして得られた試料番号MF−10〜MF−14に示す作製直後の扁平状Cu粉末と、試料番号MF−15〜MF−19に示す保管後の扁平状Cu粉末とに加えて、表2のMS−2に示す略球状Cu粉末、表3のG−1に示すガラスフリット、及び表6のOV−1に示す有機ビヒクル、及び表9のAD−1に示すリン酸エステル化合物を導電性ペーストの出発原料として準備した。
なお、表9に記載されているリン酸エステル化合物の重量平均分子量、及び酸塩基量の測定は、表4に記載されている有機化合物の測定と同様にして行なった。
その後、実施例2の場合と同様の方法によって、表13の試料番号の試料番号40〜49に示す重量比で各構成要素を含有する導電性ペーストを作製し、また種々の特性評価を行なった。
Figure 0004916107
以上のようにして得られた評価結果と、その結果に基づく総合判定を表14に示した。
Figure 0004916107
表14に示すように、扁平状Cu粉末の酸素含有量が0.4〜3.0重量%である扁平状Cu粉末を用いて作製した試料番号40〜44に示す導電性ペーストと、それらの扁平状Cu粉末を製造してから30日間保管後に作製した資料番号45〜49に示す導電性ペーストはいずれも、その作製直後から室温で3ヶ月間の保管後にわたって、粘度、印刷塗膜のCu充填密度、及び焼結性が極めて良好に維持され、総合判定で極めて良好であることが確認された。
すなわち、酸素含有量が0.4〜3.0重量%である扁平状Cu粉末は、表12に示すように、製造直後から30日間保管後に至るまで酸素含有量がごくわずかしか変化しておらず、粉末表面のさらなる酸化の進行が遅くなっている。
従って、扁平状Cu粉末の粉末物性を長期間維持することができ、扁平状Cu粉末を作製した後に導電性ペーストの出発原料として使用できる期間を長くすることができる。また、評価結果は示していないが、導電性ペーストの焼き付け工程において、有機化合物を効率的に熱分解もしくは燃焼させることができ、加えて扁平状導電性粉末とガラスフリットとのぬれ性が良くなるため、高温で焼き付けてもブリスタがなく、かつ緻密性の極めて良好な焼結膜を得ることができる。
従って、この発明の導電性ペーストを用いることにより、保管期間に係わらず積層セラミックコンデンサの外部電極形成工程を安定して行なうことができ、延いては信頼性の高い積層セラミックコンデンサを得ることができる。
なお、上述の実施例では積層セラミックコンデンサの外部電極を形成する場合について説明したが、この発明に係る導電性ペーストは、チップバリスタ、チップサーミスタ、チップLCフィルタ、及びセラミック多層基板等のセラミック電子部品に広く適用することができる。
また、この発明はその他の点においても上述の実施例に限定されるものではなく、導電性ペーストの製造方法の具体的な条件、導電性ペーストの組成等については発明の範囲内において種々の応用、変形を加えることが可能である。
この発明に係る誘電体セラミック組成物を用いて構成される積層セラミックコンデンサ1を図解的に示す断面図である。
符号の説明
1 積層セラミックコンデンサ
2 積層体
3 誘電体セラミック層
4、5 内部電極
8、9 Cu焼結膜
10、11 Niめっき層

Claims (5)

  1. 導電性粉末とガラスフリットと有機ビヒクルとを含有する導電性ペーストであって、
    前記導電性粉末は、略球状導電性粉末(A)と、表面被覆炭素量が0.1重量%以下である扁平状導電性粉末(B)をA:B=0:100〜80:20の重量比で含み、
    前記有機ビヒクルは、酸塩基量の総和が50μmol/g以下である有機化合物を含み、さらに
    前記扁平状導電性粉末(B)は、略球状導電性粉末を水中に分散させ、滑剤を添加せずに粉砕・圧延することによって、または、略球状導電性粉末に滑剤を加えた上で粉砕・圧延した後、残留している滑剤を加熱分解処理することによって、得られたものであることを特徴とする、導電性ペースト。
  2. 添加剤としてリン酸エステル化合物を0.025〜1.5重量%含有することを特徴とする、請求項1に記載の導電性ペースト。
  3. 前記扁平状導電性粉末の酸素含有量が0.4〜3.0重量%であることを特徴とする、請求項1または2に記載の導電性ペースト。
  4. 前記導電性粉末は、CuまたはCu合金であることを特徴とする、請求項1〜3に記載の導電性ペースト。
  5. セラミック素体とセラミック素体表面に形成された導体とを備えるセラミック電子部品であって、
    前記導体は、請求項1〜4に記載の導電性ペーストの焼結膜からなることを特徴とする、セラミック電子部品。
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