JP4915197B2 - 面発光型半導体レーザおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光情報処理あるいは高速光通信の光源として利用される面発光型半導体レーザ(Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser diode:以下VCSELと呼ぶ)に関する。
光通信や光記録等の技術分野において、面発光型半導体レーザへの関心が高まっている。VCSELは、しきい値電流が低く消費電力が小さい、円形の光スポットが容易に得られる、ウエハ状態での評価や光源の二次元アレイ化が可能であるといった、端面発光型半導体レーザにはない優れた特長を有する。これらの特長を生かし、通信分野における光源としての需要がとりわけ期待されている。
VCSELから発せられるレーザ光は、シングル横モードまたは基本横モードであることが望まれる。これは、基本横モードがマルチモードと比較して放射角が小さく、光ファイバ等との結合効率が高いためである。このため、従来よりレーザ光の高次横モードを抑制するための提案が成されている。
特許文献1は、VCSELの上部ミラーの最上層に反射率調整層を形成し、光軸から離れた周縁部分の高次横モードの発振を抑制する技術を開示している。特許文献2は、レーザ光の高次横モードにおける共振器の光学損失とレーザ光の基本横モードにおける共振器の光学損失との差が大きくなるように上部電極の開口径と電流狭窄部の開口径を決定する技術を開示している。特許文献3は、上部反射鏡の上面に発生する横モードの発光パターンの暗部の形状と一致する平面形状に上部電極を形成し、安定した横モードを得る技術を開示している。
また、VCSELは、温度が上昇すると光出力が低下する特性をもつ。このため、VCSELの温度上昇を抑制し、光出力を改善する提案も成されている。例えば、特許文献4は、上部DBR上にGaAs層の代わりに発振波長λの1/4のInGaPの保護層を形成することで、レーザ光の吸収を抑制し、温度上昇を防止している。
特開2001−284722号 特開2002−208755号 特開2004−241422号 特開2000−164982号
VCSELを一定の駆動電流で駆動するとき、室温に対する高温での光出力の低減を改善する手段として利得オフセット法がある。利得オフセット法は、活性層の利得ピーク波長を共振器の共振波長よりも短波長に設定し、温度上昇時に両者の波長を一致させ、所望の動作温度範囲における閾値電流の温度依存性を小さくするものである。
図21に示すように、ある温度Tαでの活性層の利得ピーク波長をλgとすると、温度がTαからTβに上昇した時に、Tβにおける活性層の利得ピーク波長が共振器の発振波長λcと一致するように、Tα時における利得ピーク波長を、発振波長λcより短波長側に設定しておく。温度上昇による利得ピークの波長シフト量をΔλとすると、λg=λc−Δλに設定され、温度がTαからTβに上昇した時、活性層の利得ピーク波長と共振器の発振波長λcが一致し、動作温度範囲において、温度Tβの時、閾値電流が最小となる。
図22に、Δλの長さをパラメータとした閾値電流の温度依存性を示す。ここでは、Δλをオフセットという表現に置き換える。同図において、オフセットがλ2であって、温度T2の活性層の利得ピーク波長と共振器の発振波長λcが一致する時、閾値はT2で最小となる。オフセットがλ1のように短い場合、閾値が最小になる温度はT2より低い温度T1であり、オフセットがλ3のように長い場合は、閾値が最小になる温度はT2より高い温度T3となる。このようにオフセットの長さを変化させることで、閾値電流の最小値を変化させることができる。
また、閾値の変化およびオフセットが電流−光特性にどのような影響を及ぼすかを図23に示す。同図は、オフセットの長さ(Δλ:λ1<λ2<λ3)による電流−光出力の違いを示している。同図Aに示すようにオフセットの長さが短いλ1の場合は、閾値は温度と供に増加し、効率も低減するため、一定の駆動電流時(Iop)における光出力は温度と供に減少し、T2時における光出力に対して、高温であるT3時における光出力の割合はかなり小さくなる。
同図Bに示すように、オフセットの長さがλ1より長いλ2になると、閾値はT2で最小となる。温度の低いT1では閾値は増加するが、温度が低いほど利得は向上するため、効率は大きくなる。温度の高いT3における閾値は、λ1の時より小さくなり、効率が改善するため、一定の駆動電流時(Iop)における光出力に関しては、T2時における光出力に対して、高温であるT3時における光出力の割合はλ1の時より向上する。
さらにオフセットの長いλ3の場合では、同図Cに示すようになる。一定の駆動電流時(Iop)における光出力に関して、T2時における光出力に対して、高温であるT3時における光出力の割合はλ2のときよりさらに向上するが、温度の低いT1において、閾値が大幅に大きくなり、光出力も大きく低減してしまう。
このように、利得オフセット法は、オフセットが短くなると一定駆動電流時における高温での閾値が上昇しかつ光出力時が低下し、オフセットが長くなると、一定駆動電流時の高温時の光出力の低下を改善することは可能であるが、低温時における閾値の上昇および光出力の低下を招くという課題がある。
本発明は、上記従来の課題を解決し、オフセットの長さに強く依存することなく幅広い動作温度範囲で安定した特性で動作することができる面発光型半導体レーザを提供することを目的とする。
本発明に係る面発光型半導体レーザは、基板上に、少なくとも第1導電型の第1の半導体多層膜、活性層および第1の半導体多層膜とともに共振器を構成する第2導電型の第2の半導体多層膜が形成され、第1および第2の半導体多層膜は、アルミニウムの組成の異なるAlxGa1-xAs層(0≦x≦1)とAlyGa1-yAs層(0≦y≦1、x<y)とを交互に積層した半導体層を含み、AlxGa1-xAs層のバンドギャップエネルギーと活性層の組成で決まる利得ピーク波長のエネルギーとの差分Sは0.1eV≦S≦0.3eVの関係にある。
好ましくは面発光型半導体レーザはさらに、第2の半導体多層膜の最上層であるAlxGa1-xAs層上に第2導電型のコンタクト層を含み、レーザ光の発振波長をλとしたとき、前記最上層とコンタクト層とを合わせた光学膜厚Tが、0.15λ≦T<0.25λである。
好ましくは最上層の膜厚は1/4λ未満であり、前記最上層を除く第2の半導体多層膜のAlxGa1-xAs層とAlyGa1-yAs層の膜厚は、それぞれ1/4λである。面発光型半導体レーザはさらに、コンタクト層上にレーザ光を出射する開口部が形成された金属層を含む。
本発明に係る面発光型半導体レーザの製造方法は、基板上に、AlxGa1-xAs層(0≦x≦1)とAlyGa1-yAs層(0≦y≦1、x<y)とを交互に積層した第1導電型の第1の半導体多層膜を形成するステップと、第1の半導体多層膜上に活性層を形成するステップと、活性層上に、AlxGa1-xAs層(0≦x≦1)とAlyGa1-yAs層(0≦y≦1、x<y)とを交互に積層した第2導電型の第2の半導体多層膜を形成するステップとを有し、AlxGa1-xAs層のバンドギャップエネルギーと活性層の組成で決まる利得ピーク波長のエネルギーとの差分Sが0.1eV≦S≦0.3eVの関係にある。
本発明によれば、共振器を構成する半導体多層膜のAl組成の低い半導体膜または高屈折率の半導体膜のバンドギャップエネルギーと活性層の組成で決まる利得ピーク波長のエネルギーとの差分を、約0.1eV以上0.3eV以下の範囲にすることで、広い動作範囲において一定駆動電流時における光出力の低減および閾値の上昇を抑制し、安定したレーザ光出力を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施例に係るVCSELの平面図、図2は図1のA−A線断面図である。VCSEL100は、図1および図2に示すように、n型のGaAs基板102の裏面にn側電極150を含み、さらに基板102上に、n型のGaAsバッファ層104、n型のAlGaAsの半導体多層膜からなる下部DBR(Distributed Bragg Reflector:分布ブラッグ型反射鏡)106、活性領域108、p型のAlAsからなる電流狭窄層110、p型のAlGaAsの半導体多層膜からなる上部DBR112、p型のGaAsコンタクト層114を含む半導体層が積層されている。
基板102には、半導体層をエッチングして形成されたリング状の溝116が形成され、溝116は、コンタクト層114から下部DBR106の一部に到達する深さを有している。この溝116により、レーザ光の発光部である円筒状のポストPが規定され、また、ポストPと隔てられてパッド形成領域118が形成されている。ポストPは、下部DBR106と上部DBR112により共振器構造を構成し、これらの間に、活性領域108および電流狭窄層110を介在させている。電流狭窄層110は、ポストPの側面において露出されたAlAsの外縁を選択的に酸化させた酸化領域110aと酸化領域によって包囲された導電領域を含み、導電領域内に電流および光の閉じ込めを行う。導電領域を平面的に見た形状は、ポストPの外形を反映した円形である。
溝116を含む基板全面に層間絶縁膜120が形成されている。層間絶縁膜120は、ポストPの表面、溝116により露出されたポストPの側面、溝116、溝116によって露出されたパッド形成領域118の側面、パッド形成領域118の表面を覆っている。ポストPの頂部において、層間絶縁膜120には環状のコンタクトホールが形成され、コンタクトホールを介してp側の円形状の上部電極130がコンタクト層114に電気的に接続されている。p側の上部電極130は、金またはチタン/金から成り、その中央にレーザ光の出射領域を規定する円形状の開口132が形成されている。図2の例では、開口132は層間絶縁膜120によって塞がれ、GaAsコンタクト層114が外部に露出されないように保護されているが、開口132は、必ずしも層間絶縁膜120により塞がれず、露出されていてもよい。
パッド形成領域118には、層間絶縁膜120を介して円形状の電極パッド134が形成されている。電極パッド134は、溝116を延在する引き出し電極配線136を介してp側の上部電極130に接続されている。
次に、本発明の第1の実施例に係るVCSELのDBRと活性領域との関係を詳細に説明する。図3は、図2のポストの部分拡大断面図である。活性領域108は、アンドープ下部Al0.6Ga0.4Asスぺーサー層108aと、アンドープ量子井戸活性層108b(膜厚6nmGaAs量子井戸層3層と膜厚8nmAl0.3Ga0.7As障壁層4層とで構成されている)と、アンドープ上部Al0.6Ga0.4Asスぺーサー層108cとで構成され、活性領域108の膜厚は媒質内波長である。量子井戸活性層108bの組成で決まる利得ピーク波長は、835nmであり、そのときのエネルギーは、1.485eVである。
一方、上部DBR112は、Al組成の高いAl0.9Ga0.1As層112aとAl組成の低いAl0.15Ga0.85As層112bとを、それぞれの膜厚が媒質内波長の1/4となるように交互に23周期積層している。上部DBR112の最終層または最上層であるAl0.15Ga0.85As層112cの膜厚Tは、他のAl0.15Ga0.85As層112bの膜厚よりも薄く形成されている。そして、最終層であるAl0.15Ga0.85As層112cの膜厚TとGaAsコンタクト層114の膜厚を合わせた光学膜厚T(以下、これを「最上層膜厚T」という)は、λ/4nより小さくなっている。Al含有率の低いAlGaAs層の方が酸化がし難く、電気的なコンタクトをとり易いため、Al0.15Ga0.85As層112c上にコンタクト層114が形成されている。コンタクト層114の膜厚Tは、例えば20ナノメータ(nm)である。ここで、λは、レーザ光の発振波長であり、本例では、約850nmである。nは、媒質の屈折率であり、最上層112cの屈折率n、コンタクト層の屈折率nとすると、最上層膜厚T=n+n<λ/4である。
Al組成の低い高屈折率のAl0.15Ga0.85As層112b、112cのバンドギャップエネルギーは、1.611eVであり、量子井戸活性層108bとの差分を0.126eVにしている。これにより、後述するように、VCSELを一定駆動電流で駆動したとき、室温に対する高温での光出力比の低下を抑制することができる。
図4は、第1の実施例に係るVCSELと従来例のVCSELでのDBRを構成する半導体多層膜のAl組成の低いAlGaAs層と活性層のエネルギーおよび室温に対する高温での光出力の割合を比較した表である。図5は、分布型ブラッグ反射鏡(DBR)のペア数を同じにして、活性層の組成で決まる利得ピーク波長835nmのエネルギー(1.485eV)に対して、DBRを構成する半導体多層膜のAl組成の低いAlGaAs半導体層のAl組成を0.10(バンドギャップエネルギー:1.549eV)から0.30(バンドギャップエネルギー:1.798eV)まで変化させたときの一定駆動電流における室温(25℃)に対する85℃での光出力比である。図5Aは、Al組成と光出力比との関係を示し、図5Bは、エネルギー差分と光出力比との関係を示している。
第1の実施例のVCSELの構成によりエネルギーの差分が0.126eVであるとき、図5Bから明らかなように、85℃での光出力の割合は、約0.68となる。これに対し、従来のVCSELは、Al組成の低いAlGaAs層のAl組成を0.12としたときのバンドギャップエネルギーは、1.574eVであり、活性層108bとのエネルギー差分は0.089eVとなり、85℃における光出力の割合は、約0.60である。このことから、第1の実施例のVCSELの高温時の光出力比の低下が改善されていることがわかる。
ここで、図5のグラフに示すように、エネルギーの差分が0.1eV未満の場合は、分布型ブラッグ反射鏡を構成するAl組成の低いAlGaAs半導体層による光吸収により発熱が増加し、高温時における光出力の割合が0.65よりも減少する。他方、エネルギーの差分が0.3eVを越える場合は、分布型ブラッグ反射鏡を構成する各半導体層の屈折率差が低減することで反射率が低くなり閾値が上昇するため、一定駆動電流における高温時の光出力が低下し、その割合が0.65を下回る。反射率を上げるためにペア数を増加させることも可能であるが、そうすると素子抵抗が上昇するため発熱が増加し、一定駆動電流における高温時の光出力が低下してしまう。このような理由から、分布型ブラッグ反射鏡を構成するAl組成の低いAlGaAs層のバンドギャップエネルギーと活性層の組成で決まる利得ピーク波長のエネルギーとのエネルギーの差分は、0.1eV以上0.3eV以下であることが望ましい。
次に、本発明の第2の実施例に係るVCSELのDBRと活性領域との関係を詳細に説明する。図6は、上部DBRと活性領域との関係を示す断面図である。図7は、第2の実施例のVSCELと従来例のVCSELでのDBRを構成する半導体多層膜のAl組成の低いAlGaAs層と活性層のエネルギーおよび室温に対する高温時の光出力の割合を比較した表である。図8は、DBRのペア数を同じにして活性層の組成で決まる利得ピーク波長765nmのエネルギー(1.621eV)に対して、DBRを構成する半導体多層膜のAl組成の低いAlGaAs半導体層のAl組成を0.2(バンドギャップエネルギー:1.673eV)から0.45(バンドギャップエネルギー:1.985eV)まで変化させた時の一定駆動電流における室温(25℃)に対する60℃での光出力比を示している。
第2の実施例では、DBRのAl組成の低いAlGaAs半導体層のAl組成を0.3とし、このときのバンドギャップエネルギーは、1.798eVである。また、量子井戸活性層108bの組成で決まる利得ピーク波長を765nmとし、このときのエネルギーは、1.621eVである。AlGaAs層と活性層のエネルギー差分を0.177eVにすることで、一定駆動電流における室温に対する60℃での光出力の割合は、図8に示すように、約0.85となる。一方、従来のVCSELでは、Al組成を0.22とし、活性層とのエネルギー差分が0.078eVであり、そのときの光出力の割合は、約0.75である。このことから、第2の実施例に係るVCSELの一定駆動電流時における高温時の光出力比が従来例に比べて改善することがわかる。
次に、本発明の第3の実施例に係るVCSELのDBRと活性領域との関係を詳細に説明する。図9は、上部DBRと活性領域との関係を示す断面図である。図10は、DBRのペア数を同じにして活性層の組成で決まる利得ピーク波長965nmのエネルギー(1.285eV)に対して、DBRを構成する半導体多層膜のAl組成の低いAlGaAs半導体層のAl組成を0(バンドギャップエネルギー:1.424eV)から0.15(バンドギャップエネルギー:1.611eV)まで変化させた時の一定駆動電流における室温(25℃)に対する85℃での光出力比を示している。
第3の実施例では、DBRのAl組成の低いAlGaAs半導体層のAl組成を0(すなわち、GaAs)とし、このときのバンドギャップエネルギーは、1.424eVである。また、量子井戸活性層108bの組成で決まる利得ピーク波長を965nmとし、このときのエネルギーは、1.285eVである。AlGaAs層と活性層のエネルギー差分を0.139eVにすることで、一定の駆動電流における室温に対する85℃での光出力の割合は、図10に示すように、約0.68となる。図10のグラフに示すようにエネルギー差分が0.3eVを越える場合はその割合が0.65を下回る。
次に、最上層膜厚Tとその反射率の関係を図11を参照して説明する。横軸は、最上層膜厚T(上部DBRの最上層112cとコンタクト層とを合わせた膜厚)であり、縦軸は反射率である。グラフには、上部電極として金層を用いたときの曲線と金層がないときの曲線が示されている。図から明らかなように、金層が形成されていない場合には、最上層膜厚Tが変化してもその反射率はほとんど変化しない。言い換えれば、上部金属130に形成された開口132の光軸近傍では、反射率はほとんど変化することなく、99%以上の高い反射率である。
一方、上部電極130である金層が形成された領域において、最上層膜厚Tがλ/4近傍のとき、反射率は、金層がない領域に比べて若干低い。この反射率は、最上層膜厚Tが0.215λ程度まで減少しても変化しない。最上層膜厚Tが0.195λより小さくなるに従い、その反射率が顕著に低下し、最上層膜厚Tが0.15λ付近のときに、反射率が約90%と最小となる。最上層膜厚Tが0.15λよりもさらに小さくなると、反射率は再び上昇する。
金層が存在しない、すなわち開口132の光軸近傍の反射率と、金層が存在する光軸から離れた領域の反射率の差を、従来のVCSEL(最上層膜厚Tがλ/4または最上層112cがλ/4)のときの反射率の差よりも大きくすることで、高次横モードの発振を効果的に抑制し、低次横モードの発振しきい値の上昇が抑制することができる。最上層膜厚Tを、0.15λ以上0.25λ未満の範囲にすることが望ましい。これにより、例えば図23Cに示すように、利得オフセット法において低温時の閾値が上昇するときに、これを抑制することができる。
このように、共振器を構成する半導体多層膜のAl組成の低いAlGaAs層と活性層とのエネルギーの差分を0.1eV以上0.3eV以下にすることで、VCSELを一定駆動電流で動作させたときの室温に対する高温での光出力比の低下を抑制することができる。また、最上層膜厚Tを、0.15λ以上0.25λ未満の範囲にすることで低温での閾値の上昇を抑制し、ひいては光出力の低下も抑制することが期待できる。
なお上記実施例では、AlGaAs系およびInGaAs系の化合物半導体を用いたVCSELを例示したが、他のIII−V族化合物半導体を用いたVCSELに適用することも可能である。VCSELに形成された電流狭窄層は、単一の層としたが、複数の層であってもよく、活性層近傍に配されることが望ましい。また、ポストの形状は、円筒状の他、矩形状であってもよい。さらに、単一チップ上に複数のポストを形成して複数のレーザ光を同時に出射するマルチスポット型のVCSELであってもよい。
次に、第1の実施例に係るVCSELの製造方法について図12ないし図14を参照して説明する。先ず、図12Aに示すように、有機金属気相成長(MOCVD)法により、n型GaAs基板102上に、キャリア濃度1×1018cm-3、膜厚0.2μm程度のn型GaAsバッファ層104を積層し、その上に、Al0.9Ga0.1AsとAl0.15Ga0.85Asとをそれぞれの膜厚が媒質内波長の1/4となるように交互に40.5周期積層し、キャリア濃度1×1018cm-3で総膜厚が約4μmとなる下部n型DBR106、アンドープ下部Al0.6Ga0.4Asスぺーサー層とアンドープ量子井戸活性層(膜厚6nmGaAs量子井戸層3層と膜厚8nmAl0.3Ga0.7As障壁層4層とで構成されている)とアンドープ上部Al0.6Ga0.4Asスぺーサー層とで構成された膜厚が媒質内波長となる活性領域108、その上にp型のAl0.9Ga0.1AsとAl0.15Ga0.85Asとをそれぞれの膜厚が媒質内波長の1/4となるように交互に23周期積層したキャリア濃度が1×1018cm-3、総膜厚が約2μmとなる上部p型DBR112を順次積層する。上部DBR112の最上層の上にはコンタクト層114を形成し、コンタクト層114は、キャリア濃度1×1019cm-3となる膜厚20nm程のp型のGaAsが望ましい。
ここで、スぺーサー層に近接するAl0.9Ga0.1Asは、酸化による電流狭窄を可能とするためAlAs層110に置き換える。また、上部p型DBR112の最終層であるAl0.15Ga0.85As層112cの膜厚を、他のAl0.15Ga0.85As層112bの膜厚より薄くなる膜厚で堆積する。膜厚は、堆積時間を制御することで実現される。さらに、下部DBR106のAl組成の低いAl0.15Ga0.85As層、上部DBR112のAl組成の低いAl0.15Ga0.85As層、112b、112cと、量子井戸活性層とのエネルギー差分は、0.1〜0.3eVの範囲内に設定される。
さらに、詳しくは述べないが、DBR層の電気的抵抗を下げるために、Al0.9Ga0.1AsとAl0.15Ga0.85Asの界面にAl組成を0.9から0.15に段階的に変化させた膜厚が20nm程度の領域を設けることも可能である。原料ガスとしては、トリメチルガリウム、トリメチルアルミニウム、アルシン、ドーパント材料としては,p型用にシクロペンタジニウムマグネシウム、n型用にシランを用い、成長時の基板温度は750℃とし、真空を破ることなく、原料ガスを順次変化し、連続して成膜を行った。
次に、図12Bに示すように、フォトリソ工程により結晶成長層上にレジストマスクRを形成し、三塩化ホウ素をエッチングガスとして用いた反応性イオンエッチングにより下部DBR106の途中までエッチングし、図12Cに示すように、環状の溝116を形成する。これにより、基板上に複数の10〜30μm程度の径の円柱もしくは角柱の半導体柱(ポスト)Pと、その周囲にパッド形成領域118を形成する。
次に、図13Aに示すように、例えば340℃の水蒸気雰囲気に基板を一定時間晒し、酸化処理を行う。電流狭窄層110を構成するAlAs層は、同じくその一部を構成するAl0.9Ga0.1As層やAl0.15Ga0.85As層と比べ著しく酸化速度が速いため、ポストPの側面からポスト形状を反映した酸化領域110aが形成され、酸化されずに残った非酸化領域(導電領域)が電流注入領域あるいは導電領域となる。
次に、レジストRを除去した後、図13Bに示すように、プラズマCVD装置を用いて、溝116および外周溝140を含む基板全面にSiNからなる層間絶縁膜120を蒸着する。その後、図13Cに示すように、通常のフォトリソ工程およびバッファーフッ酸を用いて層間絶縁膜120をエッチングし、ポストPの頂部の層間絶縁膜120を除去し、そこに円形状のコンタクトホール120aを形成する。あるいは、コンタクトホール120aをリング状とし、図2に示したように、出射領域となる上部DBRのコンタクト層をSiNで保護するようにしてもよい。
その後、図14Aに示すように、フォトリソ工程を用いてポストPの上部中央にレジストパターンR1を形成し、その上方からEB蒸着機を用いて、p側電極材料としてAuを100〜1000nm、望ましくは600nm蒸着する。次に、レジストパターンR1を剥離すると、図14Bに示すように、レジストパターンR1上のAuが取り除かれ、上部電極130、電極パッド134および引き出し配線136が完成する。p側電極のない部分、すなわちポスト中央部の開口132からレーザ光が出射されるが、この開口132の口径は3〜20μmぐらいが好ましい。ここでは詳しく述べないが、ポストP上に形成される金属の開口部は、ポスト形成前に作成されても良い。
そして、基板裏面には、n電極としてAu/Geが蒸着される。その後、アニール温度250℃〜500℃、望ましくは300℃〜400℃で10分間アニールを行う。尚、アニール時間は10分に限定されるわけではなく、0〜30分の間であればよい。また、蒸着方法としてEB蒸着機に限定されるものではなく、抵抗加熱法、スパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法、CVD法を用いてもよい。また、アニール方法として通常の電気炉を用いた熱アニールに限定されるものではなく、赤外線によるフラッシュアニールやレーザアニール、高周波加熱、電子ビームによるアニール、ランプ加熱によるアニールにより、同等の効果を得ることも可能である。
第2の実施例に係るVCSEL(図6を参照)の製造方法は、基本的に第1の実施例の工程と同一である。但し、VCSELの発振波長λに応じて、基板上に形成される半導体層の組成を異にしている。すなわち、第2の実施例では、n型GaAs基板102上に、n型GaAsバッファ層104を形成し、その上に、Al0.9Ga0.1AsとAl0.3Ga0.7Asとをそれぞれの膜厚が媒質内波長の1/4となるように交互に47.5周期積層し、キャリア濃度1×1018cm-3で総膜厚が約5μmとなる下部n型DBR106、アンドープ下部Al0.6Ga0.4Asスぺーサー層とアンドープ量子井戸活性層(膜厚8nmAl0.11Ga0.89As量子井戸層3層と膜厚7nmAl0.36Ga0.64As障壁層4層とで構成されている)とアンドープ上部Al0.6Ga0.4Asスぺーサー層とで構成された膜厚が媒質内波長となる活性領域108、その上にp型のAl0.9Ga0.1AsとAl0.3Ga0.7Asとをそれぞれの膜厚が媒質内波長の1/4となるように交互に24周期積層したキャリア濃度が1×1018cm-3、総膜厚が約3μmとなる上部p型DBR112を順次積層する。なお、上部DBR112の最上層の上にキャリア濃度1×1019cm-3となる膜厚20nm程度のp型GaAsコンタクト層114が形成されていることが望ましい。
第3の実施例に係るVCSEL(図9を参照)の製造方法は、基本的に第1の実施例の工程と同一である。但し、VCSELの発振波長λに応じて、基板上に形成される半導体層の組成を異にしている。すなわち、第3の実施例では、n型GaAs基板102上に、n型GaAsバッファ層104を形成し、その上に、Al0.9Ga0.1AsとGaAsとをそれぞれの膜厚が媒質内波長の1/4となるように交互に35.5周期積層し、キャリア濃度1×1018cm-3で総膜厚が約4μmとなる下部n型DBR106、アンドープ下部Al0.3Ga0.7Asスぺーサー層とアンドープ量子井戸活性層(膜厚8nmIn0.15Ga0.85As量子井戸層3層と膜厚10nmGaAs障壁層4層とで構成されている)とアンドープ上部Al0.3Ga0.7Asスぺーサー層とで構成された膜厚が媒質内波長となる活性領域108、その上にp型のAl0.9Ga0.1AsとGaAsとをそれぞれの膜厚が媒質内波長の1/4となるように交互に20周期積層したキャリア濃度が1×1018cm-3、総膜厚が約3μmとなる上部p型DBR112を順次積層する。なお、上部DBR112の最上層の上に、キャリア濃度1×1019cm-3となる膜厚20nm程度のp型GaAsコンタクト層114が形成されていることが望ましい。
図15Aは、VCSELチップが実装された半導体レーザ装置のパッケージ(モジュール)例を示す概略断面を示す図である。パッケージ300では、金属ステム330上のサブマウント320上に、VCSELが形成されたチップ310が固定されている。導電性のリード340、342は、ステム330の貫通孔(図示省略)内に挿入され、一方のリード340は、チップ310の裏面に形成されたn側の下部電極150に電気的に接続され、他方のリード342は、チップ310の上面に形成されたp側電極130(電極パッド134)にボンディングワイヤ等を介して電気的に接続される。
キャップ350の出射窓352内にボールレンズ360が固定されている。ボールレンズ360の光軸は、上部電極130の開口132のほぼ中心と一致するように位置決めされる。また、チップ310とボールレンズ360との距離は、チップ310からのレーザ光の放射角度θ内にボールレンズ360が含まれるように調整される。リード340、342間に順方向の電圧が印加されると、チップ310からレーザ光が出射され、ボールレンズ360を介して外部へ出力される。なお、キャップ内に、VCSELの発光状態をモニターするための受光素子を含ませるようにしてもよい。
図15Bは、さらに他のパッケージを示す図であり、パッケージ302は、ボールレンズ360の代わりに、キャップ350の中央の出射窓352内に平板ガラス362を固定している。平板ガラス362の中心は、チップ310の光軸と一致するように位置決めされる。チップ310と平板ガラス362との距離は、平板ガラス362の開口径がチップ310からのレーザ光の放射角度θ以上になるように調整されている。
図16は、図15Aに示すパッケージまたはモジュールを光送信装置に適用したときの構成を示す断面図である。光送信装置400は、ステム330に固定された円筒状の筐体410と、筐体410の端面に一体に形成されたスリーブ420と、スリーブ420の開口422内に保持されるフェルール430と、フェルール430によって保持される光ファイバ440とを含んで構成される。
ステム330の円周方向に形成されたフランジ332には、筐体410の端部が固定される。フェルール430は、スリーブ420の開口422に正確に位置決めされ、光ファイバ440の光軸がボールレンズ360の光軸に整合される。フェルール430の貫通孔432内に光ファイバ440の芯線が保持されている。
チップ310の表面から出射されたレーザ光は、ボールレンズ360によって集光され、集光された光は、光ファイバ440の芯線に入射され、送信される。上記例ではボールレンズ360を用いているが、これ以外にも両凸レンズや平凸レンズ等の他のレンズを用いることができる。さらに、光送信装置400は、リード340、342に電気信号を印加するための駆動回路を含むものであってもよい。
図17は、図15Bに示すパッケージを空間伝送システムに用いたときの構成を示す図である。空間伝送システム500は、パッケージ300と、集光レンズ510と、拡散板520と、反射ミラー530とを含んでいる。空間伝送システム500では、パッケージ300に用いられたボールレンズ360を用いる代わりに、集光レンズ510を用いている。集光レンズ510によって集光された光は、反射ミラー530の開口532を介して拡散板520で反射され、その反射光が反射ミラー530へ向けて反射される。反射ミラー530は、その反射光を所定の方向へ向けて反射させ、光伝送を行う。空間伝送の光源の場合には、マルチスポット型のVCSELを用い、高出力を得るようにしてもよい。
図18は、VCSELを光源に利用した光伝送システムの一構成例を示す図である。光伝送システム600は、VCSELが形成されたチップ310を含む光源610と、光源610から放出されたレーザ光の集光などを行う光学系620と、光学系620から出力されたレーザ光を受光する受光部630と、光源610の駆動を制御する制御部640とを有する。制御部640は、VCSELを駆動するための駆動パルス信号を光源610に供給する。光源610から放出された光は、光学系620を介し、光ファイバや空間伝送用の反射ミラーなどにより受光部630へ伝送される。受光部630は、受光した光をフォトディテクターなどによって検出する。受光部630は、制御信号650により制御部640の動作(例えば光伝送の開始タイミング)を制御することができる。
次に、光伝送システムに利用される光伝送装置の構成について説明する。図19は、光伝送装置の外観構成を示している。光伝送装置700は、ケース710、光信号送信/受信コネクタ接合部720、発光/受光素子730、電気信号ケーブル接合部740、電源入力部750、動作中を示すLED760、異常発生を示すLED770、DVIコネクタ780、送信回路基板/受信回路基板790を有している。
光伝送装置700を用いた映像伝送システムを図20に示す。映像伝送システム800は、映像信号発生装置810、画像表示装置820、DVI用電気ケーブル830、送信モジュール840、受信モジュール850、映像信号伝送光信号用コネクタ860、光ファイバ870、制御信号用ケーブルコネクタ880、電源アダプタ890、DVI用電気ケーブル900を含んでいる。映像信号発生装置810で発生された映像信号を液晶ディスプレイなどの画像表示装置820に伝送するため、図20に示す光伝送装置を利用している。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明に係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本発明に係る面発光型半導体レーザは、光情報処理や光高速データ通信の分野で利用することができる。
本発明の実施例に係るVCSELの平面図である。 図1のA−A線線断面図である。 第1の実施例に係る上部DBRと活性領域との関係を詳細に示す図である。 第1の実施例のVCSELと従来例のVCSELのエネルギーを比較する表である。 一定駆動電流における室温に対する高温でのレーザ光の光出力比を示すグラフであり、同図AはAl組成と光出力比の関係を示し、同図Bはエネルギー差分と光出力比の関係を示す。 第2の実施例に係る上部DBRと活性領域との関係を詳細に示す図である。 第2の本実施例のVCSELと従来のVCSELのエネルギーを比較する表である。 一定駆動電流における室温に対する高温でのレーザ光の光出力比を示すグラフであり、同図AはAl組成と光出力比の関係を示し、同図Bはエネルギー差分と光出力比の関係を示す。 第3の実施例に係る上部DBRと活性領域との関係を詳細に示す図である。 一定駆動電流における室温に対する高温でのレーザ光の光出力比を示すグラフであり、同図AはAl組成と光出力比の関係を示し、同図Bはエネルギー差分と光出力比の関係を示す。 最上層膜厚と反射率との関係を示す図である。 本発明の第1の実施例に係るVCSELの製造方法を説明する工程断面図である。 本発明の第1の実施例に係るVCSELの製造方法を説明する工程断面図である。 本発明の第1の実施例に係るVCSELの製造方法を説明する工程断面図である。 図15Aは、VCSELが形成された半導体チップを実装したパッケージの構成を示す概略断面図、図15Bは、他のパッケージの構成を示す概略断面図である。 図15Aに示すパッケージを用いた光送信装置の構成を示す概略断面図である。 図15Bに示すパッケージを空間伝送システムに用いたときの構成を示す図である。 光伝送システムの構成を示すブロック図である。 光伝送装置の外観構成を示す図である。 図19の光伝送装置を利用した映像伝送システムを示す図である。 利得オフセット法を説明する図である。 オフセットの長さをパラメータとしたときの閾値電流の温度依存性を示すグラフである。 閾値の変化およびオフセットの長さによる電流−光特性の関係を示すグラフである。
符号の説明
100:VCSEL 102:基板
104:バッファ層 106:下部DBR
108:活性領域 110:電流狭窄層
112:上部DBR
112a:Al組成の高いAlGaAs層
112b:Al組成の低いAlGaAs層
112c:最上層のAlGaAs層
114:コンタクト層 116:溝
118:パッド形成領域 120:層間絶縁膜
130:p側上部電極 132:開口
134:電極パッド 136:配線電極
150:n側下部電極 P:ポスト

Claims (17)

  1. 基板上に、少なくとも第1導電型の第1の半導体多層膜、活性層および第1の半導体多層膜とともに共振器を構成する第2導電型の第2の半導体多層膜が形成された面発光型半導体レーザであって、
    第1および第2の半導体多層膜は、アルミニウムの組成の異なるAlxGa1-xAs層(0≦x≦1)とAlyGa1-yAs層(0≦y≦1、x<y)とを交互に積層した半導体膜を含み、
    AlxGa1-xAs層のバンドギャップエネルギーと活性層の組成で決まる利得ピーク波長のエネルギーとの差分Sは、0.1eV≦S≦0.3eVの関係にあり、
    活性層の利得ピーク波長は、第1の温度において前記共振器の発振波長よりも短波長側に設定され、第1の温度よりも大きい第2の温度になったとき前記利得ピーク波長が前記発振波長に一致するようにシフトされ、
    第2の半導体多層膜は、最上層であるAl x Ga 1-x As層上に第2導電型のコンタクト層を含み、前記発振波長をλとしたとき、前記最上層とコンタクト層とを合わせた光学膜厚Tが0.15λ≦T<0.25λであり、
    前記コンタクト層上には、レーザ光を出射するための開口部を含む金属層が形成される、
    面発光型半導体レーザ。
  2. 前記金属層は、金層を用いて形成される、請求項1に記載の面発光型半導体レーザ。
  3. 前記最上層の膜厚は1/4λ未満であり、前記最上層を除く第2の半導体多層膜のAlxGa1-xAs層とAlyGa1-yAs層の膜厚は、それぞれ1/4λである、請求項1または2に記載の面発光型半導体レーザ。
  4. 前記活性層は、GaAs、AlGaAsまたはInGaAsの量子井戸層および障壁層を含む、請求項1に記載の面発光型半導体レーザ。
  5. 面発光型半導体レーザはさらに、コンタクト層と基板との間に電流狭窄層を含み、電流狭窄層は、高抵抗領域と当該高抵抗領域によって囲まれた導電領域を含む、請求項1ないし4いずれか1つに記載の面発光型半導体レーザ。
  6. 少なくとも第2の半導体多層膜および電流狭窄層を含むポストが基板上に形成され、電流狭窄層の高抵抗領域は、ポスト側面から酸化された酸化領域である、請求項記載の面発光型半導体レーザ。
  7. 発振波長λは、780nm帯、850nm帯、または980nm帯のいずれかである、請求項1ないし6いずれか1つに記載の面発光型半導体レーザ。
  8. 面発光型半導体レーザはさらに、第1および第2の半導体多層膜に電気的に接続された第1および第2の電極を含み、第1および第2の電極には駆動回路から一定の駆動電流が供給される、請求項1ないしいずれか1つに記載の面発光型半導体レーザ。
  9. 請求項1ないしいずれか1つに記載の面発光型半導体レーザと光学部材を実装したモジュール。
  10. 請求項に記載されたモジュールと、モジュールから発せられたレーザ光を光媒体を介して送信する送信手段とを備えた、光送信装置。
  11. 請求項に記載されたモジュールと、モジュールから発せられた光を空間伝送する伝送手段とを備えた、光空間伝送装置。
  12. 請求項に記載されたモジュールと、モジュールから発せられたレーザ光を送信する送信手段とを備えた、光送信システム。
  13. 請求項に記載されたモジュールと、モジュールから発せられた光を空間伝送する伝送手段とを備えた、光空間伝送システム。
  14. 面発光型半導体レーザの製造方法であって、
    基板上に、AlxGa1-xAs層(0≦x≦1)とAlyGa1-yAs層(0≦y≦1、x<y))とを交互に積層した第1導電型の第1の半導体多層膜を形成するステップと、
    第1の半導体多層膜上に活性層を形成するステップと、
    活性層上に、AlxGa1-xAs層(0≦x≦1)とAlyGa1-yAs層(0≦y≦1、x<y)とを交互に積層した第2導電型の第2の半導体多層膜を形成するステップと、
    第2の半導体多層膜上に、レーザ光を出射するための開口部を含む金属層を形成するステップとを有し、
    AlxGa1-xAs層のバンドギャップエネルギーと活性層の組成で決まる利得ピーク波長のエネルギーとの差分Sが0.1eV≦S≦0.3eVであり、
    活性層の利得ピーク波長は、第1の温度において第1および第2の半導体多層膜を含む共振器の発振波長よりも短波長側に設定され、第1の温度よりも大きい第2の温度になったとき前記利得ピーク波長が前記発振波長に一致するようにシフトされ、
    第2の半導体多層膜は、最上層であるAl x Ga 1-x As層上に第2導電型のコンタクト層を含み、前記発振波長をλとしたとき、前記最上層とコンタクト層とを合わせた光学膜厚Tが0.15λ≦T<0.25λである、面発光型半導体レーザの製造方法。
  15. 前記金属層は、金層を用いて形成される、請求項14に記載の製造方法。
  16. 前記最上層の膜厚は1/4λ未満であり、前記最上層を除く第2の半導体多層膜のAlxGa1-xAs層とAlyGa1-yAs層の膜厚は、それぞれ1/4λである、請求項14または15に記載の製造方法。
  17. 前記製造方法はさらに、電流狭窄層を形成するステップと、基板上に形成された半導体層をエッチングして基板上にポストを形成するステップと、ポスト側面から電流狭窄層の外縁を酸化するステップとを含む、請求項14ないし16いずれか1つに記載の製造方法。
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