JP4232475B2 - 面発光レーザ素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、面発光レーザ素子に関し、更に詳細には、大きなメサポスト及び電流注入領域の径を有し、かつ出射光を電極金属膜によって遮ることなく、高いレーザ光出力を有する面発光レーザ素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
面発光レーザ素子は、半導体基板上に形成された、相互に屈折率が異なる化合物半導体のペア層からなる一対のDBR(Diffractive Bragg Reflector)共振器と、その一対のDBR共振器の間に設けられ、発光領域となる活性層とを有し、基板面に対して直交方向にレーザ光を出射する半導体レーザ素子である。
【0003】
面発光レーザ素子では、一般的に上部のDBR共振器上にキャップ層などを介して上部電極が形成され、半導体基板の裏面に下部電極が形成され、それぞれ上部及び下部のDBR共振器を介して活性層に電流が供給される。また、例えば上部のDBR共振器中に、上部電極から活性層に注入される電流経路の断面を限定する電流狭窄層が設けられ、活性層の一部に電流が集中して流れるようにして、面発光レーザ素子の発光効率を高めている。
【0004】
ここで、従来の面発光レーザ素子の一例として、図6を参照して特開2001−210908号公報に記載の面発光レーザ素子の構成を説明する。図6は前掲公報に開示されている面発光レーザ素子の構成を示す断面図である。
前掲公報によれば、面発光レーザ素子10は、図6に示すように、n型GaAs基板12上に、順次、形成されたn型半導体多層膜からなる下部DBR共振器(下部反射鏡層構造)14、ノンドープAlGaAs下部クラッド層16、活性層18、ノンドープAlGaAs上部クラッド層20、p型半導体多層膜からなる上部DBR共振器(上部反射鏡層構造)22、及びp型GaAsキャップ層24からなる積層構造を備えている。
【0005】
下部DBR共振器14は、膜厚40nmのn型Al0.2Ga0.8As層と膜厚50nmのn型Al0.9Ga0.1As層とを、ヘテロ界面に膜厚20nmの組成傾斜層を介在させ積層した30.5ペアの半導体多層膜として構成されている。
上部DBR共振器22は、膜厚40nmのp型Al0.2Ga0.8As層と膜厚50nmのp型Al0.9Ga0.1As層とを、ヘテロ界面に膜厚20nmの組成傾斜層を介在させ積層した25ペアの半導体多層膜として構成されている。
【0006】
また、上部DBR共振器22の活性層18に最も近い構成層は、p型Al0.9Ga0.1As層に代えて、膜厚50nmのp型AlAs層26が形成され、中央の円形領域を除いて、その周囲のAlAs層はAlが選択的に酸化されてAl酸化層28に転化している。
Al酸化層28は電気抵抗の高い酸化狭窄型の電流狭窄領域として機能する。一方、中央の円形領域は、元のp型AlAs層26のままであって、電流注入領域として機能する。
【0007】
そして、キャップ層24、上部DBR共振器22、上部クラッド層20、活性層18、下部クラッド層16、及び下部DBR共振器14の上部は、エッチングされて、円柱状のメサポスト(柱状構造)30に加工されている。
メサポスト30の上面、側面及び両脇の下部DBR共振器14上には、SiNx膜32が成膜されている。
【0008】
メサポスト30の上面のSiNx膜32は、円形状に除去されてp型GaAsキャップ層24を露出させている。そこに、露出したp型GaAsキャップ層24の円形状の表面と同じ外径を有する、図7に示すようなリング状のAuZn電極がp側電極34として形成されている。
また、電極引き出し用のパッドとして金属膜38が、p側電極34を被覆して、SiNx膜32上に成膜されている。
また、n型GaAs基板12の裏面には、AuGeNi/Au膜がn側電極36として形成されている。
【0009】
このような構成を備えた面発光レーザ素子では、一般的に、出射窓の直径を10から20μm程度に設定し、メサポスト30の直径を20μm程度、電流注入領域の直径を10μm程度とした場合、活性層18の一部に電流が集中して注入され、効率の良いレーザ発振を実現できる。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−210908号公報(図1)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のような構成を有する面発光レーザ素子では、レーザ光の高出力化を図るために、メサポスト及び電流注入領域の直径を大きくして活性層の発光領域を拡大させようとする場合に、以下の問題が生じる。図8は、従来の面発光レーザ素子のメサポスト30の近傍の構成を簡潔に示した断面図である。
【0012】
第1の問題は、従来の面発光レーザ素子では、上部電極(p側電極)34がリング状であるため、メサポスト30及び電流注入領域26の径の拡大に伴って、活性層18の上部電極34に比較的近い領域と、活性層18の上部電極34から離れた中央領域とで、注入される電流密度が異なってくる。
即ち、図8に示すように、上部電極34から注入される電流は、活性層18の上部電極34に比較的近い領域に主に流入し、活性層18の中央領域は上部電極34から離れているため流入し難い。
このため、従来の面発光レーザ素子に電流を注入すると、活性層18の上部電極34の直下に近い電流密度の高い領域が先にレーザ発振を生じ、この領域にレーザ発振が集中するので、注入電流を増大させても電流密度の低い電極直下から離れたメサ中心部分の直下では、まったく発振にいたらず、かえってその部分が損失源となって、レーザ光の出力を増加させることが難しい。
【0013】
第2の問題は、注入される電流密度が活性層18の領域によって不均一であるため、注入電流を高めるに従って、活性層18に注入される電流密度の分布に変化が生じ、これに従って、励振される横モードが変化する。
このため、電流−光出力特性にキンクが発生し易く、電流−光出力特性が不安定になるということである。
【0014】
上記第1及び第2の問題を解決するために、面発光レーザ素子で、例えば、メサポスト30上の露出面の全面に上部電極34を構成する金属膜を肉厚で形成すれば、活性層18の中央領域にも電流が注入され、活性層18に注入される電流密度が均一化されることが考えられる。
しかし、メサポスト30上の露出面の全面に金属膜を形成すれば、金属膜により出射光の一部が遮られ、吸収されてしまい、レーザ光の高出力化を図ることは困難である。
また、この場合、基板の裏面よりレーザ光を取り出すことも考えられるが、基板がレーザ光の吸収を生じる場合、例えばGaAs基板とGaAs系の活性層とが組み合された面発光レーザ素子などでは、GaAs基板の光吸収のため、レーザ光を効率良く取り出し、レーザ光の高効率化を図ることは困難である。
【0015】
そこで、本発明の目的は、大きなメサポスト及び電流注入領域の径を有し、かつ出射光を電極金属膜や基板によって遮ることなく、高いレーザ光出力を有する面発光レーザ素子を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題の解決に際し、下記のように考察した。
面発光レーザ素子で、レーザ出力を高めるためにメサポスト及び電流注入領域の径を大きくすると、面発光レーザ素子で励振される横モードは大径のファイバを伝搬するレーザ光の場合と同様に多モードとなり、径の拡大に伴って様々な横モードが存在するようになる。
これらの横モードは、電磁波の基本モードであるTE(Transverse Electric)モード及びTM(Transverse Magnetic)モード、電界及び磁界の重ね合わせであるHEモード、これらのモードのうち伝搬定数の等しいものを重ね合わせて構成される、いわゆるLPモード(Linear Polarized Mode)として表現される。
【0017】
また、それぞれの横モードに対応して、出射端面の発光パターンの形状が定まる。例えば、メサポストが円柱状である場合には、出射端面の発光パターンは、それぞれ、横モードであるLP01モード(HE11モード)、LP11モード、LP21モード、及びHE21モードに対応して、図3(a)から(d)に示すような形状を呈する。
これらのうち、LP01モードは最も低次の横モードであって、メサポスト及び電流注入領域の径が比較的小さい場合に励振される横モードである。LP11モード、LP21モード、及びHE21モードは、メサポスト及び電流注入領域の径が大きな場合に励振される横モードであって、これらのメサポスト及び電流注入領域の径が大きな場合に励振される横モードの発光パターンは、発光パターンの中央近傍に様々な形状の暗部を有する。
【0018】
面発光レーザ素子で励振される横モードは、活性層の発光領域の形状や、面発光レーザ素子を構成する各層の屈折率、メサの直径、電極窓の開口径などのパラメータによって定まる。
【0019】
本発明者は、上記の考察に基づき、メサポスト及び電流注入領域の径の大きい面発光レーザ素子の設計段階で、予め前述のようなパラメータを用いて励振させる横モードを決定する。そして、レーザ光の出射端面に発生する横モードの発光パターンの暗部の形状に一致する形状で、出射光を遮ることなく、レーザ光の出射窓の中央近傍にも上部電極を形成することに着想した。
そして、これにより、活性層に注入される電流密度の分布を均一化し、また電流密度の分布の変動も抑制でき、上記第1及び第2の問題を解決できることを見い出した。
【0020】
また、リング状の上部電極を有する従来の面発光レーザ素子では、メサポストや電流注入領域の径を、高いレーザ光出力が得られる程度に大きくすると、発振する横モードの数が極めて多くなり、出力や環境温度により横モードが不安定に変化する可能性があった。
しかし、上述のような特定の横モードの発光パターンの暗部の形状に一致する形状で上部電極を形成することにより、上部電極の形状に対応した特定の横モードを安定して発振させることができることを見い出し、種々の実験を重ねた末に、本発明を発明するに到った。
【0021】
上記目的を達成するために、上述の知見に基づいて、本発明に係る面発光レーザ素子は、基板上に、順次、積層された半導体多層膜の下部反射鏡、活性層、及び半導体多層膜の上部反射鏡と、上部反射鏡上の一部に形成された上部電極と、上部反射鏡中に形成され、上部電極から活性層に注入される電流経路を規定する電流注入領域、及び電流注入領域を囲んで設けられた電流狭窄領域から構成される電流狭窄層とを有し、
少なくとも上部反射鏡及び活性層がメサポスト内に形成され、
電流注入により上部反射鏡の上面から基板と垂直にレーザ光を放射する面発光レーザ素子において、
上部電極が、上部反射鏡の上面に発生する横モードの発光パターンの暗部の形状と一致する平面形状に形成されていることを特徴としている。
【0022】
上部電極が、上部反射鏡の上面に発生する横モードの発光パターンの暗部の形状と一致する平面形状に形成されていることにより、出射光を遮ることなく、レーザ光の出射窓の中央近傍にも上部電極を形成することができる。
これにより、大きいメサポスト及び電流注入領域の径を有する面発光レーザ素子において、活性層に注入される電流密度を均一化し、電流密度の分布の変動を抑制することができる。また、特定の横モードを安定して発振させることができる。
従って、メサポスト及び電流注入領域の径を大きくして発光領域を拡大し、安定した横モードで、高いレーザ光出力を有する面発光レーザ素子を得ることができる。
【0023】
本発明の好適な実施態様では、横モードが、TEモード、TMモード、HEモード、及びLPモードのうちの何れかである。
これらの横モードについて、面発光レーザ素子の横モードを算出する解析ソフトを用いて、面発光レーザ素子の設計段階で予め、上部反射鏡の上面に発生する発光パターンの形状を計算により得ることができる。
この場合、LPモードは、TEモード、TMモード、及びHEモードのうち伝搬定数が等しいものを重ね合わせて構成されるモードである。
【0024】
本発明の好適な実施態様では、横モードの発光パターンは、電流注入領域をコア層、電流狭窄領域をクラッド層と擬制し、光ファイバの横モード解析方法を適用して得られたものである。
面発光レーザ素子の横モードは、主に電流狭窄層の構造により規定される。従って、電流注入領域をコア層、電流狭窄領域をクラッド層と擬制し、電流狭窄層を面発光レーザ素子の横モードを規定する光導波構造と擬制することにより、光ファイバに用いられる解析、設計ソフトを用いて、光ファイバ内の電磁界分布の解析と同様の方法で、横モードの発光パターンを簡便に得ることができる。
上記計算には、光ファイバの電磁界分布の解析ソフト、例えば、OPTIFIBER(サイバネットシステム社製)を用い、電流注入領域の形状などを用いて計算することができる。
【0025】
横モードの発光パターンを、光ファイバの横モード解析方法を適用して得る計算方法を、電流狭窄層が円形断面の電流注入領域を有する場合を例に示す。図9は、円形断面の電流注入領域を有する電流狭窄層の構成を示す斜視図である。
光ファイバの横モードを解析する場合と同様に、電流狭窄層で規定される光導波構造に、図9に示すようにz、r、θをパラメータとする円筒座標系を適用する。
電磁界解析のために、マックスウェルの方程式より得られる波動方程式は、電界のz成分をEzとすると、
【0026】
【数1】
【0027】
で表される。式(1)中、ki=2πni/λ(i=1,2)である。
この式の解を、
Ez=R(r)cos(lθ)expj(ωt−βz)
と仮定すると、式(1)はベッセル方程式となり、その解はよく知られているとおり、
Ez=AlJl(κr)cos(lθ)expj(ωt−βz) (r≦a)
=Al'Kl(γr)cos(lθ)expj(ωt−βz) (a≦r)
Hz=BlJl(κr)sin(lθ)expj(ωt−βz) (r≦a)
=Bl'Kl(γr)sin(lθ)expj(ωt−βz) (a≦r)
である。ここで、A、A’、B、B’は振幅(定数)を、J、Kはベッセル関数を、aは光導波路、即ち図9に示す電流注入領域の直径を、それぞれ表し、κ=(k1 2−β2)1/2、γ=(β2−k2 2)1/2である。他の電界成分Er、Eθ、Hr、及びHθは、説明は省略するが、マックスウェル方程式より求めることができる。
【0028】
ベクトルE、ベクトルHについて、境界面での連続性を考慮して、境界面でこれらが等しいとおくと下記式(2)の導波モードに関する固有値特性方程式が得られる。
【0029】
【数2】
【0030】
式(2)中、Δ=(n1 2−n2 2)/2n1、k0=2π/λである。
式(2)を解き、固有値解を求めることにより、横モードが決定され、κa、γaを求めることができる。そして、この値を元にベクトルE、ベクトルHを計算すると、電流狭窄層で規定される光導波構造内の電磁界分布を3次元的に求めることができる。
【0031】
これらの固有値解のうち、同じ伝搬定数を有する横モードを重ね合わせて構成される横モード(LPモードなど)が実際に観測され、このような横モードについて、上部反射鏡の上面の電磁界分布を求めて、上部反射鏡の上面の発光パターンを得ることができる。
【0032】
本発明は、好適には、横モードの発光パターンは、活性層の発光領域の形状、面発光レーザ素子を構成する各層の屈折率、メサポスト構造の径、及び上部電極に設けられているレーザ光の出射窓の径(電極窓の開口径)を変数とした計算により得られたものである。
活性層の発光領域の形状、面発光レーザ素子を構成する各層の屈折率、メサポスト構造の径、及び上部電極に設けられているレーザ光の出射窓の径を変数とした計算により、高い精度を有する、上部反射鏡の上面の発光パターンを得ることができる。
上記計算には、面発光レーザ素子の横モードの解析ソフト、例えば、OPTIWAVE(サイバネットシステム社製)を用いることができる。
【0033】
本発明の好適な実施態様では、メサポストが円柱状に形成され、電流狭窄層の電流注入領域が、直径15μm以上の円形領域である。
この場合、従来のリング状の上部電極を用いると、活性層に注入される電流密度の分布が不均一となるため、本発明を好適に適用することができる。
【0034】
本発明の好適な実施態様では、メサポストが円柱状に形成され、メサポストの基板に平行な断面の直径が、20μm以上である。
この場合、従来のリング状の上部電極を用いると、活性層に注入される電流密度の分布が不均一となるため、本発明を好適に適用することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面を参照して、実施形態例に基づいて本発明をより詳細に説明する。尚、以下の実施形態例で示した導電型、膜種、膜厚、成膜方法、その他寸法等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、本発明はこれら例示に限定されるものではない。
実施形態例1
本実施形態例は、本発明に係る面発光レーザ素子の実施形態の一例であって、図1は本実施形態例の面発光レーザ素子の構成を示す断面図である。
【0036】
本実施形態例の面発光レーザ素子50は、励振される横モードをLP21モードに設定した、発振波長850nmの面発光レーザ素子であって、図1に示すように、GaAs基板52上に、n−Al0.1Ga0.9As層とn−Al0.9Ga0.1As層とからなるn−下部多層膜反射鏡(以下、n−下部DBRと言う)54と、発光構造層56、電流狭窄層58と、p−AlGaAs層とp−AlGaAs層とからなるp−上部多層膜反射鏡(以下、p−上部DBRと言う)60と、p−GaAsコンタクト層62の積層構造を備えている。
p−GaAsコンタクト層62、p−上部DBR60、狭窄AlAs層58、及び発光構造層56は、直径が100μmの円柱状メサに形成されている。
電流狭窄層58は、中央の直径50μmの円形領域をなすAlAs層からなる電流注入領域58Aと、電流注入領域58Aの周囲に形成され、AlAs層のAlが選択的に酸化されてAl酸化層に転換した、電気抵抗の高い電流狭窄領域58Bとから構成される。
【0037】
n−下部DBR54を構成するn−Al0.1Ga0.9As層及びn−Al0.9GaAs層の膜厚、並びにp−上部DBRを構成するp−Al0.1Ga0.9As層及びp−Al0.9Ga0.1As層の膜厚は、それぞれ、発振波長λに対する各層の屈折率をnλとして、λ/4nλに相当する厚さに設定されていて、n−下部DBR54及びp−上部DBRの反射率は99%以上である。
【0038】
発光構造層56は、AlGaAsからなる下部クラッド層56aと、GaAs/AlGaAs量子井戸からなる活性層56bと、AlGaAsからなる上部クラッド層56cとで構成されている。
電流狭窄層58の膜厚は、70nmである。
メサはポリイミド64等の誘電体で埋め込まれている。
【0039】
メサの最上層を構成するp−GaAsコンタクト層62上には、p−GaAsコンタクト層62上に発生するLP21モードの発光パターンの暗部に対応させて、図2に示す形状のp側電極66が形成されている。
p側電極66は4回の回転対称性を有する形状であって、発光領域を囲んで環状に設けられた環状部66aと、環状部66aの直交する2つの直径に沿って十字状に設けられ、環状部66aに接続する十字状部66bからなる形状である。同図中、L1はメサ径以下の大きさ、L2はメサ径以上の大きさ、L3は3μm以上の大きさであるのが好ましく、L1=60μm、L3=10μmに設定されている。
また、p側電極66に接続して、直径100μm程度の電極パッド72が形成されている。GaAs基板52の裏面にはn側電極68が形成されている。
【0040】
面発光レーザ素子50を製造する際には、先ず、MOCVD法等により、GaAs基板52上に、順次、所要の化合物半導体層をエピタキシャル成長させて、n−Al0.1Ga0.9As層とn−Al0.9Ga0.1As層とからなるn−下部DBR54、AlGaAs下部クラッド層56a、GaAs/AlGaAs量子井戸活性層56b、AlGaAs上部クラッド層56cからなる発光構造層56、AlAs層(58)、p−Al0.1Ga0.9As層とp−Al0.9Ga0.1As層とからなるp−上部DBR60、及びp−GaAsコンタクト層62の積層構造を形成する。
【0041】
次いで、p−GaAsコンタクト層62、p−上部DBR60、AlAs層(58)、及び発光構造層56をエッチングして、直径が100μmの円柱状メサを形成する。メサ脇には、p−下部DBR54の最上層であるp−Al0.1Ga0.9As層が露出している。
メサ構造の形成に際し、エッチング形状の制御性が高いことが必要であるから、メサを形成するエッチングでは、異方性エッチングが可能なドライエッチング法を適用する。GaAs系材料の場合、エッチングガスとして、塩素系ガス、例えばCl2、BCl3、SiCl4などを使用する。
【0042】
次いで、メサを形成した後、ウェハーを水蒸気雰囲気で400℃に加熱し、メサ外周より中心に向かって、AlAsのみを選択酸化する。これにより、メサ外周部にAl酸化層からなる電流狭窄領域58Bを生成すると共に、メサの中央領域を元のAlAs層(58)のまま残して電流注入領域58Aを形成する。
次いで、メサをポリイミド64で埋め込む。
【0043】
続いて、ポリイミド64上及びp−GaAsコンタクト層62上に、p−GaAsコンタクト層62の上面に発生するLP21モードの発光パターンの暗部に対応させて、図2(b)に示す形状のp側電極66、及びp側電極66に接続する電極パッド72を形成する。
p側電極66の形状の設定に当って、予め、素子の設計段階において、面発光レーザ素子の横モードの解析ソフトであるOPTIWAVE(サイバネットシステム社製)を用い、活性層の発光領域の形状、面発光レーザ素子を構成する各層の屈折率、メサの直径、p側電極66のレーザ光の出射窓の径L1などの数値を入力して、励振される横モードとしてLP21モードを、またLP21モードによりp−GaAsコンタクト層62上に発生する発光パターンの形状として図2(a)に示す形状を算出した。具体的な計算方法については、前述の通りである。
そして、図2(a)に示した発光パターンの暗部の形状に一致するように、図2(b)に示したp側電極66の形状を設定した。
【0044】
GaAs基板52の裏面にn側電極68を形成することにより面発光レーザ素子50を完成することができる。
【0045】
本実施形態例の面発光レーザ素子50によれば、p−GaAsコンタクト層62の上面に発生するLP21モードの発光パターンの暗部に一致する形状のp側電極66を形成することにより、出射光を遮ることなく、レーザ光の出射窓の中央近傍にもp側電極66を形成する。
これにより、活性層56bに注入される電流密度を均一化し、電流密度の分布の変動も抑制することができる。また、LP21モードを安定して発振させることができる。
従って、メサポスト及び電流注入領域の径を大きくして発光領域を拡大し、安定した横モードで、高いレーザ光出力を有する面発光レーザ素子を得ることができる。
【0046】
尚、電流狭窄の方法については、メサを形成した後、特願2002−323520号に記載されている製造方法を用いて、メサを上面に有するウエハをエッチャント、例えばアンモニウム塩の水溶液等の有機アルカリ溶液に浸漬して、AlAs層(58)を周囲から選択的にエッチングして、狭窄AlAs層を形成する方法を用いても構わない。
【0047】
実施形態例2
本実施形態例は、本発明に係る面発光レーザ素子の実施形態の別の一例であって、本実施形態例の面発光レーザ素子は、励振される横モードをLP21モードに代えて、LP11モードに設定したこと、及びp側電極66の形状が異なることを除いては、基本的な構成は実施形態例1に示した面発光レーザ素子50と同じである。
活性層の発光領域の形状、面発光レーザ素子を構成する各層の屈折率、メサの直径、p側電極66のレーザ光の出射窓の径のうちの少なくとも一つを変えることによって面発光レーザ素子の励振される横モードを変えることができる。
【0048】
本実施形態例では、素子の設計段階において、実施形態例1と同じ横モードの解析ソフトを用いて、所定の数値を入力して、励振される横モードとしてLP11モードを、またLP11モードによりp−GaAsコンタクト層62上に発生する発光パターンの形状として図3(b)に示した形状を算出した。
p側電極74は、図3(b)に示したLP11モードの発光パターンの暗部の形状に一致する形状であって、図4(a)に示すように、発光領域を囲んで環状に設けられた環状部74aと、環状部74aの直径に沿って帯状に設けられ、環状部74aに接続する帯状部74bとから構成される。
【0049】
本実施形態例の変形例として、励振される横モードをHE21モードに設定した場合、p側電極として、図3(d)に示したHE21モードの発光パターンの暗部の形状に一致する形状であって、図4(b)に示すように、発光領域を囲んで環状に設けられた環状部76aと、発光パターンの中央近傍の暗部に一致する形状の円形部76bと、環状部76aと円形部76bとを接続し導通する帯状の引出し部76cとから構成される電極76を設ける。
HE11モード、HE31モードも同じ発光パターンの形状を有しているため、励振される横モードをHE11モード、又はHE31モードに設定した場合にも、p側電極76と同じ形状の電極を設けることができる。
【0050】
また、励振される横モードをHE12モードに設定した場合、p側電極として、HE12モードの発光パターンの暗部の形状(図示せず)に一致する形状であって、図5(a)に示すように、発光領域を囲んで環状に設けられた外環状部78aと、発光パターンの中央近傍の暗部に一致するように環状に設けられた内環状部78bと、外環状部78aと内環状部78bとを接続し導通する帯状の引出し部78cとから構成される電極78を設ける。
【0051】
励振される横モードをHE12モードとEH11モードとの重ね合わせであるHE12+EH11モードに設定した場合、p側電極として、HE12+EH11モードの発光パターンの暗部の形状(図示せず)に一致する形状であって、図5(b)に示すように、発光パターンの中央近傍に発光領域の形状に一致する円形の孔80aを有する略楕円形状の電極80を設ける。
この場合、略楕円形状のp側電極80の両側も発光領域となっている。
【0052】
励振される横モードをHE12モードとEH11モードとEH31モードとの重ね合わせである2HE12−EH11+EH31モードに設定した場合、p側電極として、2HE12−EH11+EH31モードの発光パターンの暗部の形状(図示せず)に一致する形状であって、図5(c)に示すように、4回の回転対称性を有する形状で、発光パターンの中央近傍に発光領域の形状に一致する円形の孔82aを有し、四方に突出した突起を有する形状の電極82を設ける。
この場合、p側電極82の突起形状に挟まれる、p側電極82の外側の領域も発光領域となっている。
【0053】
本実施形態例では、励振される横モードに対応して、それぞれ励振される横モードの発光パターンの暗部の形状に一致する形状のp側電極を設けることにより、出射光を遮ることなく、レーザ光の出射窓の中央近傍にもp側電極を形成する。このように、実施形態例1と同様の効果を得ることができる。
【0054】
【発明の効果】
レーザ光がレーザ光の励振される横モードに対応して、上部反射鏡の上面に形成する発光パターンの暗部の形状と一致する平面形状に、上部電極が形成されていることにより、電極が出射光を遮ることなく、レーザ光の出射窓の中央近傍にも上部電極を形成し、活性層に注入される電流密度を均一化し、電流密度の分布の変動も抑制することができる。また、特定の横モードを安定して発振させることができる。
従って、メサポスト及び電流注入領域の径を大きくして発光領域を拡大し、安定した横モードで、高いレーザ光出力を有する面発光レーザ素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例の面発光レーザ素子の構成を示す断面図である。
【図2】(a)はLP11モードに対応する発光パターンを示す平面図であり、(b)は実施形態例の面発光レーザ素子のp側電極及びその近傍を示す平面図である。
【図3】(a)はLP01モード(HE11モード)に対応する発光パターンを、(b)はLP11モードに対応する発光パターンを、(c)はLP21モードに対応する発光パターンを、(d)はHE21モードに対応する発光パターンをそれぞれ示す平面図である。
【図4】(a)は、実施形態例2のLP11モードに対応するp側電極を、(b)は実施形態例2のHE21モードに対応するp側電極をそれぞれ示す平面図である。
【図5】(a)は、実施形態例2のHE12モードに対応するp側電極を、(b)は実施形態例2のHE12+EH11モードに対応するp側電極を、(c)は実施形態例2の2HE12−EH11+HE31モードに対応するp側電極をそれぞれ示す平面図である。
【図6】特許文献1に開示されている面発光レーザ素子を示す断面図である。
【図7】特許文献1に開示されている面発光レーザ素子のp側電極の形状を示す平面図である。
【図8】従来の面発光レーザ素子のメサポストの近傍を簡潔に示す断面図である。
【図9】円形断面の電流注入領域を有する電流狭窄層の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
10……特許文献1に開示の面発光レーザ素子、12……n型GaAs基板、14……下部DBR共振器(下部反射鏡層構造)、16……下部クラッド層、18……活性層、20……上部クラッド層、22……上部DBR共振器(上部反射鏡層構造)、24……キャップ層、26……p型AlAs層、28……Al酸化層、30……メサポスト(柱状構造)、32……SiNx膜、34……p側電極、36……n側電極、38……金属膜、39……出射窓、40……発光領域、42……暗部、44……電流の経路、50……実施形態例の面発光レーザ素子、52……GaAs基板、54……n−下部DBR、56……発光構造層、56a……下部クラッド層、56b……活性層、56c……上部クラッド層、58……電流狭窄層、58A……電流注入領域(AlAs層)、58B……電流狭窄領域(Al酸化層)、60……p−上部DBR、62……p−GaAsコンタクト層、64……ポリイミド、66……p側電極、68……n側電極、72……電極パッド、74……p側電極、74a……環状部、74b……帯状部、76……p側電極、76a……環状部、76b……円形部、76c……引出し部、78……p側電極、78a……外環状部、78b……内環状部、78c……引出し部、80……p側電極、80a……孔、82……p側電極、82a……孔。
Claims (6)
- 基板上に、順次、積層された半導体多層膜の下部反射鏡、活性層、及び半導体多層膜の上部反射鏡と、前記上部反射鏡上の一部に形成された上部電極と、前記上部反射鏡中に形成され、前記上部電極から前記活性層に注入される電流経路を規定する電流注入領域、及び前記電流注入領域を囲んで設けられた電流狭窄領域から構成される電流狭窄層とを有し、
少なくとも前記上部反射鏡及び前記活性層がメサポスト構造として形成され、
電流注入により前記上部反射鏡の上面から前記基板と垂直にレーザ光を放射する面発光レーザ素子において、
前記上部電極が、前記上部反射鏡の上面に発生する横モードの発光パターンの暗部の形状と一致する平面形状に形成されていることを特徴とする面発光レーザ素子。 - 前記横モードが、TEモード、TMモード、HEモード、及びLPモードのうちの何れかであることを特徴とする請求項1に記載の面発光レーザ素子。
- 前記横モードの発光パターンは、前記電流注入領域をコア層、前記電流狭窄領域をクラッド層と擬制し、光ファイバの横モード解析方法を適用して得られたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の面発光レーザ素子。
- 前記横モードの発光パターンは、前記活性層の発光領域の形状、前記面発光レーザ素子を構成する各層の屈折率、前記メサポスト構造の径、及び前記上部電極に設けられている前記レーザ光の出射窓の径を変数とした計算により得られたものであることを特徴とする請求項3に記載の面発光レーザ素子。
- 前記メサポストが円柱状に形成され、前記電流狭窄層の電流注入領域が、直径15μm以上の円形領域であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の面発光レーザ素子。
- 前記メサポストが円柱状に形成され、前記メサポストの前記基板に平行な断面の直径が、20μm以上であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の面発光レーザ素子。
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