JP4479803B2 - 面発光型半導体レーザ - Google Patents

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Description

本発明は、光情報処理あるいは高速光通信の光源として利用される面発光型半導体レーザに関する。
近年、光通信や光記録等の技術分野において、面発光型半導体レーザ(Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser:以下VCSELと呼ぶ)への関心が高まっている。VCSELは、しきい値電流が低く消費電力が小さい、円形の光スポットが容易に得られる、ウエハ状態での評価や光源の二次元アレイ化が可能であるといった、端面発光型半導体レーザにはない優れた特長を有する。これらの特長を生かし、通信分野における光源としての需要がとりわけ期待されている。
特許文献1の面発光レーザは、第1導電型の第1のDBR、第1導電型の第2のDBR、活性層、第2導電型の第3のDBR、第2導電型の第4のDBRを順次積層した構造を有する。そして、同じ導電型のDBRでは活性層に近い側のDBRの不純物ドープ濃度が遠い側のDBRの不純物ドープ濃度よりも低く、同じ導電型のDBRでは活性層に近い側のDBRの高屈折率層のバンドギャップが遠い側のDBRの高屈折率層のバンドギャップよりも大きく、第4のDBRを貫き第3のDBRまで達するエッチングによるローメサ構造を有している。これにより、低しきい値化、高効率化、高信頼性および低コスト化を目的としている。
特許文献2の面発光レーザは、下部反射鏡に新規な構成を提案している。すなわち、下部反射鏡は、低屈折率膜として設けられたp−AlAs膜と高屈折率膜として設けられたp−Al0.2 Ga0.8 As膜の25.5ペアからなる下部多層膜と、この下部多層膜上に形成され、p−Al0.2 Ga0.8 As膜とp−Al0.9 Ga0.1 As膜の10ペアからなる上部多層膜とから構成される。上部多層膜の最上層は、p−Al0.9 Ga0.1 As膜に代えて電流狭窄領域としてAl酸化層を形成したp−AlAs膜が成膜されている。
特開2001−94208号 特開2002−164621号
従来のVCSELにおいて、高温の光出力の低下を改善するために、活性層周辺の高屈折率側(低Al組成側)のAlGaAs層のバンドギャップを大きくし、また、活性層周辺の不純物ドープ濃度を下げることが提案されている。しかし、このような従来の方法では、活性層周辺の不純物ドープ濃度が低いために、低温において電流狭窄の中心まで充分にキャリアが拡散できないという課題が発生する。また、低温においてキャリアを充分拡散させるために、活性層から遠い領域全体の不純物ドープ濃度を上昇させると、その部分におけるフリーキャリア吸収が大きくなり、光出力が低下するという課題が生じる。
本発明は、上記従来の課題を解決し、広い温度範囲で光出力の低下を改善した面発光型半導体レーザを提供することを目的とする。
本発明に係る面発光型半導体レーザは、基板と、前記基板上に形成され、第1導電型の第1の不純物濃度を有する第1の半導体多層膜反射鏡と、前記第1の半導体多層膜反射鏡上に形成される活性領域と、前記活性領域上に近接して形成され、第2導電型の第2の不純物濃度を有する第2の半導体多層膜反射鏡と、前記第2の半導体多層膜反射鏡上に形成され、第2導電型の第3の不純物濃度を有する第3の半導体多層膜反射鏡と、前記第3の半導体多層膜反射鏡上に形成され、第2導電型の第4の不純物濃度を有する第4の半導体多層膜反射鏡とを有し、前記第1、第2、第3および第4の半導体多層膜反射鏡は、相対的にAl組成の低い低Al半導体層と相対的にAl組成の高い高Al半導体層との対を含んでおり、前記第2の半導体多層膜反射鏡の低Al半導体層のAl組成は、前記第4の半導体多層膜反射鏡の低Al半導体層のAl組成よりも高く、かつ前記第2の不純物濃度は前記第4の不純物濃度よりも低く、前記第3の不純物濃度は、前記第2の不純物濃度よりも高いものである。
好ましくは前記第3の半導体多層膜反射鏡の低Al半導体層のAl組成は、前記第4の半導体多層膜反射鏡の低Al半導体層のAl組成よりも高く、かつ前記第3の不純物濃度は、前記第4の不純物濃度よりも高い。
好ましくは前記第3の半導体多層膜反射鏡の低Al半導体層のAl組成は、前記第2の半導体多層膜反射鏡の低Al半導体層の低Al組成に等しい。
好ましくは面発光型半導体レーザはさらに、前記第1の半導体多層膜反射鏡と前記活性領域との間であって前記活性領域に近接して形成された、第1導電型の第5の不純物濃度を有する第5の半導体多層反射膜を含み、前記第5の不純物濃度は前記第1の不純物濃度よりも低い。好ましくは前記第5の半導体多層反射膜の低Al半導体層のAl組成は、前記第1の半導体多層反射膜の低Al半導体層のAl組成よりも高い。
好ましくは前記第1の半導体多層膜反射鏡は、Alx1Ga1-x1As半導体層とAly1Ga1-y1As半導体層(X1>Y1)の対を含み、前記第2の半導体多層膜反射鏡は、Alx2Ga1-x2As半導体層とAly2Ga1-y2As半導体層(X2>Y2)の対を含み、前記第3の半導体多層膜反射鏡は、Alx3Ga1-x3As半導体層とAly3Ga1-y3As半導体層(X3>Y3)の対を含み、前記第4の半導体多層膜反射鏡は、Alx4Ga1-x4As半導体層とAly4Ga1-y4As半導体層(X4>Y4)の対を含む。
好ましくは前記第2の半導体多層膜反射鏡は、Alx2Ga1-x2As半導体層とAly2Ga1-y2As半導体層の対を3以上5以下含み、前記第3の半導体多層膜反射鏡は、Alx3Ga1-x3As半導体層とAly3Ga1-y3As半導体層の対を1以上3以下含む。好ましくは前記第5の半導体多層膜反射鏡は、Alx5Ga1-x5As半導体層とAly5Ga1-y5As半導体層(X5>Y5)の対を含む。
好ましくは前記第2の半導体多層膜反射鏡の低Al半導体層のバンドギャップエネルギーと前記活性領域のバンドギャップエネルギーとの差分は、0.12eV以上0.3eV以下である。好ましくは前記第5の半導体多層膜反射鏡の低Al半導体層のバンドギャップエネルギーと前記活性領域のバンドギャップエネルギーとの差分は、0.12eV以上0.3eV以下である。活性領域のバンドギャップエネルギーは、その組成で決まる利得ピーク波長であり、共振器波長は、室温(25℃)において、活性層に電流注入されたときの利得ピーク波長と一致するように設定される。このため、低Al半導体層のバンドギャップエネルギーは、共振器波長との差分が、0.12eV以上0.3eV以下とすることが好ましい。
好ましくは面発光型半導体レーザはさらに、前記活性領域と前記第2の半導体多層膜反射鏡との間に第2導電型の電流狭窄層を含む。好ましくは面発光型半導体レーザはさらに、前記第4の半導体多層膜反射鏡から少なくとも前記活性領域に至るメサを含み、前記電流狭窄層は、前記メサ側面から一部が酸化された酸化領域を含む。好ましくは面発光型半導体レーザはさらに、前記メサ上の前記第4の半導体多層膜反射鏡上に形成された第2導電型のコンタクト層と、前記コンタクト層上に形成された電極層とを含み、前記電極層の中央にはレーザ光を出射する開口が形成されている。
本発明によれば、上部DBRの間に、不純物濃度の高い第3の半導体多層膜反射鏡を挿入することで、第3の半導体多層膜反射鏡において横方向にキャリアを拡散させることにより、低温であっても電流狭窄の中心までキャリアを供給することができる。また、不純物濃度が高い第3の半導体多層膜反射鏡は数ペアのみであるために光吸収の影響は少ない。
高温における光出力の減少は、光強度の高い活性層近傍の高屈折率側(低Al組成側)のAlGaAs層における吸収が問題である。この問題を解決するためには、活性層周辺の高屈折率側のAlGaAs層のバンドギャップを大きく、且つ、活性層周辺の不純物ドープ濃度を下げることが有効である。しかし、この方法では、活性層周辺の不純物ドープ濃度が低くなるために、低温において電流狭窄の中心まで充分にキャリアが拡散できないという問題が発生する。逆に、低温においてキャリアを充分拡散させるために活性層周辺以外の半導体多層膜反射鏡の不純物ドープ濃度を上昇させると、その部分におけるフリーキャリア吸収が大きくなり、高温において光出力が低下するという問題が発生する。
そこで、半導体多層膜反射鏡において、活性層近傍の不純物濃度の低い第2の半導体多層膜反射鏡の直上に、不純物ドープ濃度の高い第3の半導体多層膜反射鏡を挿入することにより、その領域においてキャリアを横方向に拡散することができる。これにより、低温であっても電流狭窄の中心までキャリアを供給することができるようになる。また、不純物ドープ濃度が高い第3の半導体多層膜反射鏡は数ペアのみであるために、高温における光吸収も少ない。以上のことから、低温から高温まで光出力の低下が少ない面発光レーザを実現することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。ここでは、III−V族化合物半導体層としてAlGaAs、GaAs基板を例に用いる。また、n側の電極は、基板裏面に形成し、基板の上方からレーザ光を出射する構成のVCSELを例示する。
図1は本発明の実施例に係るVCSELの平面図、図2は図1のA−A線断面図である。VCSEL100は、図1および図2に示すように、n型のGaAs基板102の裏面にn側電極150を含み、さらに基板102上に、n型のGaAsバッファ層104、n型のAlGaAsの半導体多層膜からなる下部DBR(Distributed Bragg Reflector:分布ブラッグ型反射鏡)106、活性領域108、p型のAlAsからなる電流狭窄層110、p型のAlGaAsの半導体多層膜からなる上部DBR112、p型のGaAsコンタクト層114を含む半導体層が積層されている。
基板102には、半導体層をエッチングして形成されたリング状の溝116が形成され、溝116は、コンタクト層114から下部DBR106の一部に到達する深さを有している。この溝116により、レーザ光の発光部である円筒状のポスト(メサ)Pが規定され、また、ポストPと隔てられたパッド形成領域118が形成されている。ポストPは、下部DBR106と上部DBR112により共振器構造を構成し、これらの間に、活性領域108および電流狭窄層110を介在させている。電流狭窄層110は、ポストPの側面において露出されたAlAsの外縁を選択的に酸化させた酸化領域110aと酸化領域によって包囲された導電領域を含み、導電領域内に電流および光の閉じ込めを行う。導電領域を平面的に見た形状は、ポストPの外形を反映した円形である。
溝116を含む基板全面に層間絶縁膜120が形成されている。すなわち、層間絶縁膜120は、ポストPの頂部の一部、溝116、パッド形成領域118の側面を覆っている。ポストPの頂部において、層間絶縁膜120には環状のコンタクトホールが形成され、コンタクトホールを介してp側の円形状の上部電極130がコンタクト層114に電気的に接続されている。p側の上部電極130は、金またはチタン/金から成り、その中央にレーザ光の出射領域を規定する円形状の開口132が形成されている。図2の例では、開口132は層間絶縁膜120によって塞がれ、GaAsコンタクト層114が外部に露出されないように保護されているが、開口132は、必ずしも層間絶縁膜120により塞がれず、露出されていてもよい。
パッド形成領域118の層間絶縁膜120上は、例えば、円形状の電極パッド134が形成されている。電極パッド134は、溝116を延在する引き出し電極配線136を介してp側の上部電極130に接続されている。今回は、電極バット形状を円形としたが、円形に限定されるものではない。
次に、本発明の第1の実施例に係るVCSELの詳細を説明する。図3は、第1の実施例における下部DBR、活性領域および上部DBRの構成を示す概略断面図である。下部DBR106は、キャリア濃度2×1018cm-3のAl0.9Ga0.1AsとAl0.12Ga0.88Asとをそれぞれの膜厚が媒質内波長の1/4となるように交互に37.5周期積層したDBR106Aと、その上に、キャリア濃度1×1018cm-3のAl0.9Ga0.1AsとAl0.12Ga0.88Asとをそれぞれの膜厚が媒質内波長の1/4となるように交互に3周期積層した不純物濃度が低い低濃度DBR106Bとを有する。
活性領域108は、アンドープ下部Al0.6Ga0.4Asスぺーサー層108aと、アンドープ量子井戸活性層108b(膜厚70nmGaAs量子井戸層3層と膜厚50nmAl0.3Ga0.7As障壁層4層とで構成されている)と、アンドープ上部Al0.6Ga0.4Asスぺーサー層108cとで構成される。活性領域108の膜厚は媒質内波長である。量子井戸活性層108bの組成で決まる利得ピーク波長は、835nmであり、そのときのバンドギャップエネルギーは、1.485eVである。
活性領域108上には、隣接する高Al組成の層と合わせた膜厚が媒質内波長の1/4となる膜厚のAlAsからなる電流狭窄層110が形成される。電流狭窄層110の周縁には、上記したようにポストPの側面から酸化された酸化領域110aが形成され、酸化領域110aによって包囲された導電領域110bが形成されている。導電領域110bの径は、シングルモードのレーザ光の場合、例えば、5μm未満である。
電流狭窄層110上には、キャリア濃度1×1018cm-3のAl0.9Ga0.1AsとAl0.20Ga0.80Asとをそれぞれの膜厚が媒質内波長の1/4となるように交互に3周期積層した不純物濃度が低い低濃度DBR112Aと、キャリア濃度6×1018cm-3のAl0.9Ga0.1AsとAl0.20Ga0.80Asとをそれぞれの膜厚が媒質内波長の1/4となるように交互に1周期積層した不純物濃度が高い高濃度DBR112Bと、キャリア濃度2×1018cm-3のAl0.9Ga0.1AsとAl0.12Ga0.88Asとをそれぞれの膜厚が媒質内波長の1/4となるように交互に26周期積層したDBR112Cとを有する。上部DBR112の最上層には、キャリア濃度1×1019cm-3のとなる膜厚が20nm程度のp型GaAsコンタクト層114が形成される。
下部DBR106の低濃度DBR106Bと、上部DBR112の低濃度DBR112Aは、活性領域108の近傍にそれぞれ3周期(対)積層されている。活性領域の近傍は、光出力が大きく、ここでの不純物濃度が高いと光吸収が大きくなってしまう。このため、活性領域近傍に配置される低濃度DBR106B、112Aの不純物濃度を、DBR106A、DBR112Cの不純物濃度よりも低くしている。さらに、上部DBRの低濃度DBR112Aの場合には、Al組成が低Al半導体層(高屈折率の半導体層)のAl組成を0.20とし、DBR112CのAl組成0.12よりも高くしている。Al組成が低い半導体層は、そのバンドギャップエネルギーが小さく、活性層とのバンドキャップエネルギーとの差分が小さくなり、高温駆動時に光が吸収されてしまう。これを抑制するため、低濃度DBR112Aの低Al半導体層のAl組成を0.20に高くしている。
さらに、低濃度DBR112Aの上には、1周期の高濃度DBR112Bが形成されている。高濃度DBR112Bは、特に、VCSELの低温駆動時におけるキャリアの横方向の拡散を促進させる。VCSELを低温、例えば、−40ないし−20℃で駆動する場合、キャリアの拡散長は温度に依存して短くなり、低濃度DBR112Aにおけるキャリアの移動度が低下する。つまり、図2に示すように、ポストPの頂部において、環状の電極130から注入されたキャリアは、電界によって活性領域へ移動するが、低温駆動時には、低濃度DBR112Aにおけるキャリアの横方向の拡散が十分でないために、ポストPの光軸(中心)にキャリアが注入されず、電流狭窄層110の導電領域110bを介して活性領域108へ注入されるキャリアが低減することになる。この結果、光軸の光出力のプロフィールが低下してしまうという不具合を生じる。高濃度DBR112Bを低濃度DBR112A上に形成することで、低温駆動時におけるキャリアの横方向の拡散が促進され、導電領域110bを介して活性領域108へ注入されるキャリアを増加させることができる。
高濃度DBR112Bの低Al半導体層のAl組成は、低濃度DBR112Aと同様に0.20と高くし、活性層108bとのバンドギャップエネルギー差分を大きくすることで光吸収を抑制している。その一方、高濃度DBR112Bの不純物ドープ濃度は6×1018と高いが、高濃度DBR112Bは、活性領域108から低濃度DBR112Aの距離だけ離間されており、かつ1周期であるため、高濃度DBR112B自身による光吸収は最小限に抑制される。ここでは、高濃度DBR112Bを1周期としているが、高濃度DBR112Bの周期数が多くなると、キャリアの横方向の拡散による光出力の向上よりも、不純物による光吸収の損失が大きくなってしまうため、高濃度DBR112Bは、最大でも3周期以下とすることが好ましい。さらに、上記例では、活性領域に近接して低濃度DBR106B、112Aを3周期形成しているが、好ましくは5周期以下である。活性領域から5周期ぐらいまでの光出力が大きいため、この範囲でバンドギャップエネルギー差分を大きくすることが有効だからである。
図4は、DBRのペア数を同じにして、共振器波長のエネルギーとDBRを構成する低Al半導体層のAl組成のバンドギャップエネルギーの差を変化させたときの一定駆動電流における室温(25℃)に対する85℃での光出力比を示したグラフである。共振器波長は、温度が上昇すると活性層の利得ピーク波長が大きくなることを考慮し、活性層の組成で決まる利得ピーク波長835nm(エネルギーは、1.485eV)よりも幾分大きく設定されている。
低濃度DBR112Aの低Al半導体層のAl組成が0.20のときのバンドギャップエネルギーは、1.673eVであり、共振器波長のエネルギーとの差分は、約0.188eVとなる。このときの85℃での光出力比は、約0.68である。他方、低Al半導体層のAl組成を、DBR112Cと同様に、0.12としたときのバンドギャップエネルギーは、1.574eVであり、共振器波長とのエネルギー差分は、約0.089eVとなる。このとき、85℃における光出力の割合は、約0.60である。
図4に示すように、エネルギーの差分が0.1eV未満の場合は、DBRを構成するAl組成の低いAlGaAs半導体層による光吸収により発熱が増加し、高温時における光出力の割合が0.6よりも減少する。他方、エネルギーの差分が0.3eVを越える場合は、DBRを構成する各半導体層の屈折率差が低減することで反射率が低くなり閾値が上昇するため、一定駆動電流における高温時の光出力が低下し、その割合が0.6を下回る。通常、光出力の低下量が2dB以上になると、システムとして動作することが出来ない。このため、好ましくは、高温時における光出力の低下が2dB以下となるように、低Al組成のAlGaAs層のバンドギャップエネルギーと共振器波長(または、活性層108bの利得ピーク波長)のエネルギーとの差分を、0.1eV以上0.3eV以下とすることが望ましい。これにより、VCSELを一定駆動電流で駆動したとき、室温に対する高温での光出力比の低下を抑制することができる。
次に、本発明の第2の実施例について説明する。図5は、本発明の第2の実施例における下部DBR、活性領域および上部DBRの構成を示す図である。第2の実施例は、下部DBRの低濃度DBRを除き、他の構成は第1の実施例と同様である。すなわち、第2の実施例において、下部DBR106の低濃度DBR106Cは、不純物ドープ濃度を低くすることに加えて、低Al半導体層のAl組成を0.20とし、DBR106AのAl組成0.12よりも高くしている。活性領域近傍において、低濃度DBR106Cの低Al半導体層のバンドギャップエネルギー差分を大きくすることで、n側の下部DBRにおける光吸収を抑制している。
次に、第2の実施例に係るVCSELの製造方法について図6ないし図8を参照して説明する。先ず、図6Aに示すように、有機金属気相成長(MOCVD)法により、n型GaAs基板102上に、キャリア濃度2×1018cm-3、膜厚0.2μm程度のn型GaAsバッファ層104を積層し、その上に、キャリア濃度2×1018cm-3のAl0.9Ga0.1AsとAl0.12Ga0.88Asとをそれぞれの膜厚が媒質内波長の1/4となるように交互に37.5周期積層する。その上に、キャリア濃度1×1018cm-3のAl0.9Ga0.1AsとAl組成を増加させたAl0.20Ga0.80Asとをそれぞれの膜厚が媒質内波長の1/4となるように交互に3周期積層する。上記2種類の半導体ミラー層の層膜厚が4μmであるn型下部DBR106が積層される。その上に、アンドープ下部Al0.6Ga0.4Asスぺーサー層とアンドープ量子井戸活性層(膜厚70nmGaAs量子井戸層3層と膜厚50nmAl0.3Ga0.7As障壁層4層とで構成されている)とアンドープ上部Al0.6Ga0.4Asスぺーサー層とで構成された膜厚が媒質内波長となる活性領域108、酸化による電流狭窄を可能とするためのAlAs層110、その上にキャリア濃度が1×1018cm-3のp型のAl0.9Ga0.1AsとAl0.20Ga0.80Asとをそれぞれの膜厚が媒質内波長の1/4となるように交互に3周期積層し、更にその上にキャリア濃度が6×1018cm-3のp型のAl0.9Ga0.1AsとAl0.20Ga0.80Asとをそれぞれの膜厚が媒質内波長の1/4となるように交互に1周期積層し、最後にキャリア濃度が2×1018cm-3のp型のAl0.9Ga0.1AsとAl0.12Ga0.88Asとをそれぞれの膜厚が媒質内波長の1/4となるように交互に26周期積層し上部DBR112を形成する。但し、AlAs層に隣接したキャリア濃度が1×1018cm-3のp型のAl0.9Ga0.1As層の膜厚は、AlAs層とAl0.9Ga0.1As層を合わせた膜厚が、媒質内波長の1/4となるように調整されている。上記3つの半導体ミラー層から形成されるp型上部DBR112は、層膜厚が約2μmである。最後に、キャリア濃度1×1019cm-3となる膜厚20nm程のp型のGaAsコンタクト層114が最上部に積層される。
さらに、詳しくは述べないが、DBR層の電気的抵抗を下げるために、Al0.9Ga0.1AsとAl0.20Ga0.80AsおよびAl0.12Ga0.88Asの界面にAl組成を90%から20%または12%に段階的に変化させた膜厚が20nm程度の領域を設けることも可能である。原料ガスとしては、トリメチルガリウム、トリメチルアルミニウム、アルシン、ドーパント材料としては,p型用にシクロペンタジニウムマグネシウム、カーボン、n型用にシランを用い、成長時の基板温度は750℃とし、真空を破ることなく、原料ガスを順次変化し、連続して成膜を行った。
次に、図6Bに示すように、フォトリソ工程により結晶成長層上にレジストマスクRを形成し、三塩化ホウ素をエッチングガスとして用いた反応性イオンエッチングにより下部DBR106の途中までエッチングし、図6Cに示すように、環状の溝116を形成する。これにより、基板上に複数の10〜30μm程度の径の円柱もしくは角柱の半導体柱(ポスト)Pと、その周囲にパッド形成領域118を形成する。
次に、図7Aに示すように、例えば340℃の水蒸気雰囲気に基板を一定時間晒し、酸化処理を行う。電流狭窄層110を構成するAlAs層は、同じくその一部を構成するAl0.9Ga0.1As層やAl0.12Ga0.88As層、Al0.2Ga0.8As層と比べ著しく酸化速度が速いため、ポストPの側面からポスト形状を反映した酸化領域110aが形成され、酸化されずに残った非酸化領域(導電領域)が電流注入領域あるいは導電領域となる。
次に、レジストRを除去した後、図7Bに示すように、プラズマCVD装置を用いて、溝116を含む基板全面にSiN等からなる層間絶縁膜120を蒸着する。その後、図7Cに示すように、通常のフォトリソ工程およびドライエッチング法を用いて層間絶縁膜120をエッチングし、ポストPの頂部の層間絶縁膜120を除去し、そこに円形状のコンタクトホール120aを形成する。あるいは、コンタクトホール120aをリング状とし、図2に示したように、出射領域となる上部DBRのコンタクト層をSiNで保護するようにしてもよい。
その後、図8Aに示すように、フォトリソ工程を用いてポストPの上部中央にレジストパターンR1を形成し、その上方からEB蒸着機を用いて、p側電極材料としてAuを100〜1000nm、望ましくは600nm蒸着する。次に、レジストパターンR1を剥離すると、図8Bに示すように、レジストパターンR1上のAuが取り除かれ、上部電極130、電極パッド134および引き出し配線136が完成する。p側電極のない部分、すなわちポスト中央部の開口132からレーザ光が出射されるが、この開口132の口径は3〜20μmぐらいが好ましい。ここでは詳しく述べないが、ポストP上に形成される金属の開口部は、ポスト形成前に作成されても良い。
そして、基板裏面には、n電極としてAu/Geが蒸着される。その後、アニール温度250℃〜500℃、望ましくは300℃〜400℃で10分間アニールを行う。尚、アニール時間は10分に限定されるわけではなく、0〜30分の間であればよい。また、蒸着方法としてEB蒸着機に限定されるものではなく、抵抗加熱法、スパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法、CVD法を用いてもよい。また、アニール方法として通常の電気炉を用いた熱アニールに限定されるものではなく、赤外線によるフラッシュアニールやレーザアニール、高周波加熱、電子ビームによるアニール、ランプ加熱によるアニールにより、同等の効果を得ることも可能である。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば上記実施例では、化合物半導体層としてAlGaAsを例示したが、これ以外のIII−V族半導体を用いることも可能である。また、Al組成やドーパント濃度は設計に応じて適宜変更することが可能である。また、n側電極を基板裏面に形成したが、基板上に積層されたn型半導体層と電気的に接続するn側電極を形成してもよい。この場合、基板は電気的に絶縁性であってもよく、さらに基板側からレーザ光を出射するようにしてもよい。
次に、本実施例のVCSELを利用したモジュール、光送信装置、空間伝送システム、光伝送装置等について図面を参照して説明する。図9Aは、VCSELを実装したパッケージ(モジュール)の構成を示す断面図である。パッケージ300は、VCSELが形成されたチップ310を、導電性接着剤320を介して円盤状の金属ステム330上に固定する。導電性のリード340、342は、ステム330に形成された貫通孔(図示省略)内に挿入され、一方のリード340は、VCSELのn側電極に電気的に接続され、他方のリード342は、p側電極に電気的に接続される。
チップ310を含むステム330上に矩形状の中空のキャップ350が固定され、キャップ350の中央の開口352内にボールレンズ360が固定されている。ボールレンズ360の光軸は、チップ310のほぼ中心と一致するように位置決めされる。リード340、342間に順方向の電圧が印加されると、チップ310から垂直方向にレーザ光が出射される。チップ310とボールレンズ360との距離は、チップ310からのレーザ光の広がり角θ内にボールレンズ360が含まれるように調整される。また、キャップ内に、VCSELの発光状態をモニターするための受光素子や温度センサを含ませるようにしてもよい。
図9Bは、他のパッケージの構成を示す図であり、同図に示すパッケージ302は、ボールレンズ360を用いる代わりに、キャップ350の中央の開口352内に平板ガラス362を固定している。平板ガラス362の中心は、チップ310のほぼ中心と一致するように位置決めされる。チップ310と平板ガラス362との距離は、平板ガラス362の開口径がチップ310からのレーザ光の広がり角度θ以上になるように調整される。
図10は、VCSELを光源として適用した例を示す図である。光源装置370は、図9Aまたは図9BのようにVCSELを実装したパッケージ300、パッケージ300からのマルチビームのレーザ光を入射するコリメータレンズ372、一定の速度で回転し、コリメータレンズ372からの光線束を一定の広がり角で反射するポリゴンミラー374、ポリゴンミラー374からのレーザ光を入射し反射ミラー378を照射するfθレンズ376、ライン状の反射ミラー378、反射ミラー378からの反射光に基づき潜像を形成する感光体ドラム380を備えている。このように、VCSELからのレーザ光を感光体ドラム上に集光する光学系と、集光されたレーザ光を光体ドラム上で走査する機構とを備えた複写機やプリンタなど、光情報処理装置の光源として利用することができる。
図11は、図9Aに示すモジュールを光送信装置に適用したときの構成を示す断面図である。光送信装置400は、ステム330に固定された円筒状の筐体410、筐体410の端面に一体に形成されたスリーブ420、スリーブ420の開口422内に保持されるフェルール430、およびフェルール430によって保持される光ファイバ440を含んで構成される。ステム330の円周方向に形成されたフランジ332には、筐体410の端部が固定される。フェルール430は、スリーブ420の開口422に正確に位置決めされ、光ファイバ440の光軸がボールレンズ360の光軸に整合される。フェルール430の貫通孔432内に光ファイバ440の芯線が保持されている。
チップ310の表面から出射されたレーザ光は、ボールレンズ360によって集光され、集光された光は、光ファイバ440の芯線に入射され、送信される。上記例ではボールレンズ360を用いているが、これ以外にも両凸レンズや平凸レンズ等の他のレンズを用いることができる。さらに、光送信装置400は、リード340、342に電気信号を印加するための駆動回路を含むものであってもよい。さらに、光送信装置400は、光ファイバ440を介して光信号を受信するための受信機能を含むものであってもよい。
図12は、図9に示すモジュールを空間伝送システムに用いたときの構成を示す図である。空間伝送システム500は、パッケージ300と、集光レンズ510と、拡散板520と、反射ミラー530とを含んでいる。集光レンズ510によって集光された光は、反射ミラー530の開口532を介して拡散板520で反射され、その反射光が反射ミラー530へ向けて反射される。反射ミラー530は、その反射光を所定の方向へ向けて反射させ、光伝送を行う。
図13Aは、VCSELを光源に利用した光伝送システムの一構成例を示す図である。光伝送システム600は、VCSELが形成されたチップ310を含む光源610と、光源610から放出されたレーザ光の集光などを行う光学系620と、光学系620から出力されたレーザ光を受光する受光部630と、光源610の駆動を制御する制御部640とを有する。制御部640は、VCSELを駆動するための駆動パルス信号を光源610に供給する。光源610から放出された光は、光学系620を介し、光ファイバや空間伝送用の反射ミラーなどにより受光部630へ伝送される。受光部630は、受光した光をフォトディテクターなどによって検出する。受光部630は、制御信号650により制御部640の動作(例えば光伝送の開始タイミング)を制御することができるものであってもよい。
図13Bは、光伝送システムに利用される光伝送装置の概観構成を示す図である。光伝送装置700は、ケース710、光信号送信/受信コネクタ接合部720、発光/受光素子730、電気信号ケーブル接合部740、電源入力部750、動作中を示すLED760、異常発生を示すLED770、DVIコネクタ780を含み、内部に送信回路基板/受信回路基板を有している。
光伝送装置700を用いた映像伝送システムを図14に示す。映像伝送システム800は、映像信号発生装置810で発生された映像信号を、液晶ディスプレイなどの画像表示装置820に伝送するため、図13Bに示す光伝送装置を利用している。すなわち、映像伝送システム800は、映像信号発生装置810、画像表示装置820、DVI用電気ケーブル830、送信モジュール840、受信モジュール850、映像信号伝送光信号用コネクタ860、光ファイバ870、制御信号用電気ケーブルコネクタ880、電源アダプタ890、DVI用電気ケーブル900を含んでいる。
本発明に係る面発光型半導体レーザ装置は、光情報処理や光高速データ通信の分野で利用することができる。
本発明の実施例に係るVCSELの概略平面図である。 図1のA−A線断面図である。 本発明の第1の実施例における下部DBR、活性領域および上部DBRの構成を示す図である。 一定駆動電流における室温に対する高温でのレーザ光の光出力比を示すグラフであり、Al組成と共振器波長のバンドギャップ差と光出力比の関係を示す。 本発明の第2の実施例における下部DBR、活性領域および上部DBRの構成を示す図である。 本発明の第2の実施例に係るVCSELの製造方法を説明する工程断面図である。 本発明の第2の実施例に係るVCSELの製造方法を説明する工程断面図である。 本発明の第2の実施例に係るVCSELの製造方法を説明する工程断面図である。 本実施例に係るVCSELに光学部品を実装したモジュールの構成を示す概略断面図である。 VCSELを使用した光源装置の構成例を示す図である。 図9に示すモジュールを用いた光送信装置の構成を示す概略断面図である。 図9に示すモジュールを空間伝送システムに用いたときの構成を示す図である。 図13Aは、光伝送システムの構成を示すブロック図、図13Bは、光伝送装置の外観構成を示す図である。 図13Bの光伝送装置を利用した映像伝送システムを示す図である。
符号の説明
100:VCSEL 102:基板
104:バッファ層 106:下部DBR
106B:低濃度DBR 108:活性領域
110:電流狭窄層 110a:酸化領域
110b:導電領域 112:上部DBR
112A:低濃度DBR 112B:高濃度DBR
114:コンタクト層 116:溝
120:層間絶縁膜 130:上部電極
134:電極パッド 136:配線電極
150:n側下部電極 P:ポスト(メサ)

Claims (25)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成され、第1導電型の第1の不純物濃度を有する第1の半導体多層膜反射鏡と、
    前記第1の半導体多層膜反射鏡上に形成される活性領域と、
    前記活性領域上に近接して形成され、第2導電型の第2の不純物濃度を有する第2の半導体多層膜反射鏡と、
    前記第2の半導体多層膜反射鏡上に形成され、第2導電型の第3の不純物濃度を有する第3の半導体多層膜反射鏡と、
    前記第3の半導体多層膜反射鏡上に形成され、第2導電型の第4の不純物濃度を有する第4の半導体多層膜反射鏡とを有し、
    前記第1、第2、第3および第4の半導体多層膜反射鏡は、相対的にAl組成の低い低Al半導体層と相対的にAl組成の高い高Al半導体層との対を含んでおり、
    前記第2の半導体多層膜反射鏡の低Al半導体層のAl組成は、前記第4の半導体多層膜反射鏡の低Al半導体層のAl組成よりも高く、かつ前記第2の不純物濃度は前記第4の不純物濃度よりも低く、
    前記第3の不純物濃度は、前記第2の不純物濃度よりも高く、かつ前記第3の不純物濃度は、前記第4の不純物濃度よりも高い、
    面発光型半導体レーザ。
  2. 前記第3の半導体多層膜反射鏡の低Al半導体層のAl組成は、前記第4の半導体多層膜反射鏡の低Al半導体層のAl組成よりも高い、請求項1に記載の面発光型半導体レーザ。
  3. 前記第3の半導体多層膜反射鏡の低Al半導体層のAl組成は、前記第2の半導体多層膜反射鏡の低Al半導体層の低Al組成に等しい、請求項1または2に記載の面発光型半導体レーザ。
  4. 面発光型半導体レーザはさらに、前記第1の半導体多層膜反射鏡と前記活性領域との間であって前記活性領域に近接して形成された、第1導電型の第5の不純物濃度を有する第5の半導体多層反射膜を含み、
    前記第5の不純物濃度は前記第1の不純物濃度よりも低い、請求項1に記載の面発光型半導体レーザ。
  5. 前記第5の半導体多層反射膜の低Al半導体層のAl組成は、前記第1の半導体多層反射膜の低Al半導体層のAl組成よりも高い、請求項4に記載の面発光型半導体レーザ。
  6. 前記第1の半導体多層膜反射鏡は、Alx1Ga1-x1As半導体層とAly1Ga1-y1As半導体層(X1>Y1)の対を含み、前記第2の半導体多層膜反射鏡は、Alx2Ga1-x2As半導体層とAly2Ga1-y2As半導体層(X2>Y2)の対を含み、前記第3の半導体多層膜反射鏡は、Alx3Ga1-x3As半導体層とAly3Ga1-y3As半導体層(X3>Y3)の対を含み、前記第4の半導体多層膜反射鏡は、Alx4Ga1-x4As半導体層とAly4Ga1-y4As半導体層(X4>Y4)の対を含む、請求項1に記載の面発光型半導体レーザ。
  7. 前記第2の半導体多層膜反射鏡は、Alx2Ga1-x2As半導体層とAly2Ga1-y2As半導体層の対を3以上5以下含み、前記第3の半導体多層膜反射鏡は、Alx3Ga1-x3As半導体層とAly3Ga1-y3As半導体層の対を1以上3以下含む、請求項6に記載の面発光型半導体レーザ。
  8. 前記第5の半導体多層膜反射鏡は、Alx5Ga1-x5As半導体層とAly5Ga1-y5As半導体層(X5>Y5)の対を含む、請求項4に記載の面発光型半導体レーザ。
  9. 前記第2の半導体多層膜反射鏡の低Al半導体層のバンドギャップエネルギーは、前記活性領域のバンドギャップエネルギーよりも大きく、両者のバンドギャップエネルギーの差分は、0.12eV以上0.3eV以下である、請求項1に記載の面発光型半導体レーザ。
  10. 前記第5の半導体多層膜反射鏡の低Al半導体層のバンドギャップエネルギーは、前記活性領域のバンドギャップエネルギーよりも大きく、両者のバンドギャップエネルギーの差分は、0.12eV以上0.3eV以下である、請求項4に記載の面発光型半導体レーザ。
  11. 面発光型半導体レーザはさらに、前記活性領域と前記第2の半導体多層膜反射鏡との間に第2導電型の電流狭窄層を含む、請求項1に記載の面発光型半導体レーザ。
  12. 面発光型半導体レーザはさらに、前記第4の半導体多層膜反射鏡から少なくとも前記活性領域に至るメサを含み、前記電流狭窄層は、前記メサ側面から一部が酸化された酸化領域を含む、請求項11に記載の面発光型半導体レーザ。
  13. 面発光型半導体レーザはさらに、前記メサ上の前記第4の半導体多層膜反射鏡上に形成された第2導電型のコンタクト層と、前記コンタクト層上に形成された電極層とを含み、前記電極層の中央にはレーザ光を出射する開口が形成されている、請求項12に記載の面発光型半導体レーザ。
  14. 基板と、
    前記基板上に形成され、第1導電型の第1の不純物濃度を有する第1の半導体多層膜反射鏡と、
    前記第1の半導体多層膜反射鏡上に形成される活性領域と、
    前記活性領域上に近接して形成され、第2導電型の第2の不純物濃度を有する第2の半導体多層膜反射鏡と、
    前記第2の半導体多層膜反射鏡上に形成され、第2導電型の第3の不純物濃度を有する第3の半導体多層膜反射鏡と、
    前記第3の半導体多層膜反射鏡上に形成され、第2導電型の第4の不純物濃度を有する第4の半導体多層膜反射鏡とを有し、
    前記第1、第2、第3および第4の半導体多層膜反射鏡は、Alx1Ga1-x1As半導体層とAly1Ga1-y1As半導体層(X1>Y1)の対、Alx2Ga1-x2As半導体層とAly2Ga1-y2As半導体層(X2>Y2)の対、Alx3Ga1-x3As半導体層とAly3Ga1-y3As半導体層(X3>Y3)の対、Alx4Ga1-x4As半導体層とAly4Ga1-y4As半導体層(X4>Y4)の対をそれぞれ含んでおり、
    前記第2の半導体多層膜反射鏡のAl組成Y2は、前記第4の半導体多層膜反射鏡のAl組成Y4よりも高く、かつ前記第2の不純物濃度は前記第4の不純物濃度よりも低く、
    前記第3の半導体多層膜反射鏡のAl組成Y3は、前記第4の半導体多層膜反射鏡のAl組成Y4よりも高く、かつ前記第3の不純物濃度は前記第4の不純物濃度よりも高く、
    前記第3の不純物濃度は、前記第2の不純物濃度よりも高い、
    面発光型半導体レーザ。
  15. 面発光型半導体レーザはさらに、前記第1の半導体多層膜反射鏡と前記活性領域との間であって前記活性領域に近接して形成された、第1導電型の第5の不純物濃度を有する第5の半導体多層反射膜を含み、前記第5の半導体多層膜反射鏡は、Alx5Ga1-x5As半導体層とAly5Ga1-y5As半導体層(X5>Y5)の対を含み、
    前記第5の半導体多層反射膜のAl組成Y5は、前記第1の半導体多層反射膜のAl組成Y1よりも高く、前記第5の不純物濃度は前記第1の不純物濃度よりも低い、請求項14に記載の面発光型半導体レーザ。
  16. 前記第2の半導体多層膜反射鏡の対は5周期以下であり、前記第3の半導体多層膜反射鏡の対は1周期以上3周期以下である、請求項14に記載の面発光型半導体レーザ。
  17. 前記活性領域は、下部AlGaAsスペーサ層、量子井戸活性層、および上部AlGaAsスペーサ層とを含み、前記第2の半導体多層膜反射鏡の低Al半導体層のバンドギャップエネルギーは、前記活性領域のバンドギャップエネルギーよりも大きく、両者のバンドギャップエネルギーの差分は、0.12eV以上0.3eV以下である、請求項14に記載の面発光型半導体レーザ。
  18. 前記活性領域は、下部AlGaAsスペーサ層、量子井戸活性層、および上部AlGaAsスペーサ層とを含み、前記第5の半導体多層膜反射鏡の低Al半導体層のバンドギャップエネルギーは、前記活性領域のバンドギャップエネルギーよりも大きく、両者のバンドギャップエネルギーの差分は、0.12eV以上0.3eV以下である、請求項15に記載の面発光型半導体レーザ。
  19. 面発光型半導体レーザはさらに、前記活性領域と前記第2の半導体多層膜反射鏡との間に第2導電型の電流狭窄層を含み、前記電流狭窄層は、周縁を酸化させた酸化領域と酸化領域によって取り囲まれた導電領域とを含む、請求項14に記載の面発光型半導体レーザ。
  20. 前記第1導電型は、n型であり、前記第2導電型はp型である、請求項1ないし19いずれか1つに記載の面発光型半導体レーザ。
  21. 請求項1ないし20いずれか1つに記載の面発光型半導体レーザと光学部材を実装したモジュール。
  22. 請求項21に記載されたモジュールと、モジュールから発せられたレーザ光を光媒体を介して送信する送信手段とを備えた、光送信装置。
  23. 請求項21に記載されたモジュールと、モジュールから発せられた光を空間伝送する伝送手段とを備えた、光空間伝送装置。
  24. 請求項21に記載されたモジュールと、モジュールから発せられたレーザ光を送信する送信手段とを備えた、光送信システム。
  25. 請求項21に記載されたモジュールと、モジュールから発せられた光を空間伝送する伝送手段とを備えた、光空間伝送システム。
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