JP4914707B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に係り、詳しくは、潜像担持体の表面を一様帯電せしめる帯電装置の改良に関するものである。
一般に、電子写真方式の画像形成装置においては、次のようなプロセスで画像を形成する。即ち、まず、一様帯電せしめた感光体等の潜像担持体に対して露光走査などを施して静電潜像を形成し、この静電潜像を現像装置によって現像する。次いで、現像によって得られたトナー像を、潜像担持体上から転写紙等の記録体に直接転写するか、あるいは中間転写体を介して記録紙等の記録体に転写する。
かかる構成の画像形成装置として、特許文献1に記載のものが知られている。この画像形成装置は、潜像担持体たるドラム状の感光体の回転する表面に形成したトナー像を、感光体と中間転写ベルトとの当接による1次転写ニップで中間転写ベルトに1次転写する。そして、1次転写ニップを通過した後の感光体表面を帯電装置によって一様帯電せしめる。1次転写ニップを通過した後の感光体表面には転写残トナーが付着しているが、この転写残トナーを除去することなく感光体表面を一様帯電せしめた後、現像装置内に転写残トナーを回収するいわゆるクリーナーレス方式を採用している。
クリーナーレス方式を実現する方法としては種々のものが知られているが、特許文献1に記載の画像形成装置では次のような方法を採っている。即ち、まず、トナーの正規帯電極性とは逆極性のバイアスを印加しながら感光体に当接させている第1のブラシで、1次転写ニップ通過直後の感光体表面上の転写残トナーを捕捉する。そして、転写残トナーを第1のブラシ内で正規帯電極性とは逆極性側に徐々に帯電させていき、やがてトナーの正規帯電極性と同極性の感光体に少しずつ転移させる。このように転写残トナーを第1のブラシ内に一時的に捕捉した後、感光体に少しずつ転移させていくことで、多量の転写残トナーを付着させたまま感光体に一様帯電処理を施すことによる帯電不良を回避する。感光体に転移させた転写残トナーについては、トナーの正規帯電極性と同極性のバイアスを印加しながら感光体に当接させている第2のブラシによって再び正規帯電極性に帯電せしめる。そして、感光体を一様帯電せしめるための帯電ローラと感光体との当接部をすり抜けさせた後、感光体と現像装置の現像スリーブとが対向している現像領域で現像スリーブに転移させて現像装置内に回収する。特許文献1によれば、以上のような一連の工程によるクリーナーレス方式が可能だとしている。
特開2003−316202号公報
ところが、本発明者らの実験によれば、トナーの正規帯電極性とは逆極性のバイアスを印加している第1のブラシ内に捕捉した転写残トナーを感光体に良好に転移させることができず、第1のブラシ内に多量の転写残トナーを蓄積させてしまった。そして、多量に蓄積した転写残トナーを不規則なタイミングで第1のブラシから感光体に転移させてしまい、感光体の帯電不良を引き起こした。転写残トナーを第1のブラシに多量に蓄積させるのは、次に説明する理由からであった。即ち、第1のブラシ内に捕捉した直後の転写残トナーの極性は正規帯電極性である。この転写残トナーを第1のブラシ内で逆極性に帯電させるためには、第1のブラシからトナー粒子に向けての電荷注入又は放電を生起せしめる必要がある。しかも、その電荷注入や放電により、トナー粒子に対して極性を反転させるほど多くの量の電荷を付与する必要がある。しかしながら、第1のブラシ内では、ブラシを構成する複数の起毛とトナー粒子とがそれほど良好に密着していないことから、短時間で多量の電荷を移動させるほど良好な電荷注入を生起させることが困難である。また、起毛との密着不良によって電荷注入そのものが起こらないトナー粒子も少なからず発生する。このため、第1のブラシ内に捕捉した転写残トナーの極性を電荷注入によって反転させるのは困難である。また、起毛からの放電が生ずるほど高い値のバイアスを第1のブラシに印加すると、その放電を主にブラシと感光体との間で発生させることになり、放電による電荷がトナー粒子を通過して感光体に移動してしまう。このため、第1のブラシ内に捕捉した転写残トナーの極性を起毛からの放電によって反転させるのも困難である。これらのことから、転写残トナーを第1のブラシから感光体に良好に転移させることができなかったのである。
これまで、クリーナーレス方式の画像形成装置で生ずる問題について説明したが、転写残トナーをクリーニング手段でクリーニングする方式でも、クリーニング手段によって除去し切れない転写残トナーを第1のブラシ内に多量に蓄積させるおそれがある。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、像担持体の帯電不良に起因する画質劣化の発生を従来よりも抑えることができる画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、潜像担持体と、該潜像担持体の無端移動する表面を一様帯電せしめる帯電装置と、一様帯電後の該表面に潜像を形成する潜像形成手段と、該表面上の潜像を現像してトナー像を得る現像手段と、該表面上のトナー像を転写体に転写する転写手段とを備える画像形成装置において、上記転写手段による転写工程を通過した後、上記現像手段による現像工程に進入する前の潜像担持体表面に、所定のバイアスが印加される自らの非ブラシ状の表面を当接させる導電性の非ブラシ状部材と、該非ブラシ状部材との当接位置を通過した後、該現像工程に進入する前の潜像担持体表面に、所定のバイアスが印加される導電性のブラシ部を当接させるブラシ部材と、該非ブラシ状部材との当接位置を通過した後、該現像工程に進入する前の潜像担持体表面を一様帯電せしめる一様帯電手段とを有するもの、を上記帯電装置として用い、該ブラシ部材として、回転軸部材と、該回転軸部材の周面に立設せしめられた複数の起毛からなるブラシローラ部とを有する回転ブラシローラを用い、該非ブラシ状部材と、該回転ブラシローラとにそれぞれバイアスを個別に印加するバイアス印加手段として、少なくとも所定の第1期間には、該潜像担持体の一様帯電極性と同極性であるバイアスを該非ブラシ状部材と該回転ブラシローラとにそれぞれ印加して、該非ブラシ状部材との当接位置を通過した直後の該潜像担持体の表面電位を該回転ブラシローラの表面電位の平均値よりもトナーの帯電極性と同極性側に大きい値である第1電位値にする一方で、該第1期間とは異なる所定の第2期間には、該当接位置を通過した直後の該潜像担持体の表面電位を該回転ブラシローラの表面電位の平均値よりもトナーの帯電極性とは逆極性側に大きい値である第2電位値にするバイアスの組合せを該非ブラシ状部材と該回転ブラシローラとに印加するもの、を用い、且つ、該回転ブラシローラを回転駆動する駆動手段として、上記第1期間と上記第2期間とで、上記潜像担持体に当接している上記ブラシローラ部の毛倒れ状態を異ならせるように該回転ブラシローラの回転速度を変化させるもの、を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記一様帯電手段として、上記潜像担持体の表面に当接しながら所定の帯電バイアスが印加される帯電部材によって該表面を一様帯電せしめるもの、を用いるとともに、上記非ブラシ状部材として、導電性シート又は導電性ブレードを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の画像形成装置において、上記バイアス印加手段として、上記潜像形成手段による潜像形成処理が開始された後に、上記第2電位値を実現するためのバイアスの組合せから、上記第1電位値を実現するためのバイアスの組合せに切り替えるもの、を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成装置において、上記バイアス印加手段として、上記潜像形成処理の開始からバイアスの組合せの切り替え開始までのタイムラグを、上記潜像担持体の表面が上記潜像形成手段による潜像形成工程に進入してから、上記非ブラシ状部材との当接位置に進入するまでに要する時間よりも小さくするもの、を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかの画像形成装置において、上記バイアス印加手段として、上記非ブラシ状部材に対して直流電圧だけらなるバイアスを印加するもの、を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかの画像形成装置において、上記バイアス印加手段として、上記第2期間には、上記第2電位値を上記回転ブラシローラの表面電位の平均値の極性とは逆極性にするバイアスの組合せを上記非ブラシ状部材と該回転ブラシローラとに印加するもの、を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の画像形成装置において、上記バイアス印加手段として、上記第2期間には、トナーとは逆極性で且つ絶対値が500[V]以下であるバイアスを上記非ブラシ状部材に印加するもの、を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れかの画像形成装置において、上記非ブラシ状部材として、上記潜像担持体の表面に当接する第1箇所と、該第1箇所よりも該潜像担持体の表面移動方向下流側で該第1箇所よりも窪んでいることで、該第1箇所よりも弱い力で該潜像担持体の表面に当接するか、あるいは該表面に非接触で対向する第2箇所とを設けたもの、を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至7の何れかの画像形成装置において、上記非ブラシ状部材として、上記潜像担持体に当接する面の当接領域に、該潜像担持体の表面移動方向における該当接領域の上流端から延びて該当接領域における該上流端とは異なる端部に通じる溝を設けたもの、を用いたことを特徴とするものである
た、請求項10の発明は、請求項1乃至の何れかの画像形成装置において、上記潜像担持体として、表面粗さRaが0.014以上、0.066以下であるもの、を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記回転ブラシローラを上記帯電部材として兼用したことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の画像形成装置において、上記バイアス印加手段として、少なくとも交流電圧を含むバイアスを上記回転ブラシローラに印加するもの、を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項12の画像形成装置において、上記バイアス印加手段として、上記第1電位値を上記交流電圧によって経時的に変化する上記回転ブラシローラの表面電位における上記同極性側の最大値よりも該同極性側に大きくし、且つ上記第2電位値を該回転ブラシローラの表面電位における上記逆極性側の最大値よりも該逆極性側に大きくするバイアスの組合せを上記非ブラシ状部材と該回転ブラシローラとに印加するもの、を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項1乃至7の何れかの画像形成装置において、上記第1期間における上記回転ブラシローラの上記潜像担持体に向けての付勢量を、上記第2期間における該回転ブラシローラの該潜像担持体に向けての付勢量よりも小さくするように、該回転ブラシローラを該潜像担持体に向けて付勢する付勢手段を設けたことを特徴とするものである。
これらの発明においては、バイアスが印加された状態で潜像担持体に当接しながら、転写手段による転写工程を通過した直後の潜像担持体表面に付着している転写残トナーを自らと潜像担持体との当接部に受け入れる部材として、ブラシ部材の代わりに、非ブラシ状部材を用いる。この非ブラシ状部材は、ブラシ部材とは異なり、転写残トナーを内部に捕捉することができないが、所定の第1期間において、潜像担持体の一様帯電極性と同極性のバイアスが印加されることで、転写残トナーの帯電状態をコントロールすることが可能である。具体的には、トナーとして正規帯電極性が潜像担持体の一様帯電極性と同極性であるものを用いて反転現像を行う場合、前述のバイアスが印加される非ブラシ状部材からの電荷注入あるいは放電により、転写残トナー中の低帯電量トナーや逆帯電トナーを正規帯電極性に十分に帯電せしめることが可能である。このように十分に帯電せしめられた転写残トナーは、潜像担持体の表面移動に伴って、ブラシ部材と潜像担持体との当接部に進入する。そして、ブラシ部材によって潜像担持体表面上で均されたり、ブラシ部材内に捕捉されたりする。本発明では、第1期間において、ブラシ部材にも潜像担持体の一様帯電極性と同極性のバイアスを印加するが、そのバイアスを潜像担持体の表面電位よりも低くすれば、正規帯電極性側に十分に帯電しているブラシ部材内に転写残トナーを捕捉することが可能である。そして、所定の第2期間において、ブラシ部材に印加するバイアスを潜像担持体の表面電位よりも高い値に切り替えれば、ブラシ部材内に捕捉した転写残トナーの極性を反転させることなく、転写残トナーを潜像担持体に良好に転移させることができる。かかる構成では、作像中など、潜像担持体の帯電不良が画質に影響を及ぼしてしまう第1期間には転写残トナーをブラシ部材内に確実に捕捉して潜像担持体の帯電不良の発生を抑える一方で、現像終了後など、潜像担持体の帯電不良が画質に影響を及ぼさない第2期間には転写残トナーをブラシ部材から潜像担持体に転移させることが可能である。よって、潜像担持体の帯電不良による画質劣化の発生を従来よりも抑えることができる。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のカラーレーザープリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する前に、本発明を理解する上で参考になる参考形態に係るプリンタについて説明する
1は、参考形態に係るプリンタの要部を示す概略構成図である。このプリンタは、イエロー,マゼンダ,シアン,ブラック(以下、Y,M,C,Kと記す)の各色のトナー像を形成するための4つのプロセスユニット1Y,M,C,Kを備えている。また、光書込ユニット50、レジストローラ対54、転写ユニット60等も備えている。各符号の末尾に付された添字Y,M,C,Kは、それぞれイエロー,マゼンダ,シアン,ブラック用の部材であることを示す。
潜像形成手段たる光書込ユニット50は、Y,M,C,Kの各色に対応する4つのレーザーダイオードからなる光源、正六面体のポリゴンミラー、これを回転駆動するためのポリゴンモータ、fθレンズ、レンズ、反射ミラー等を有している。レーザーダイオードから射出されたレーザー光Lは、ポリゴンミラーの何れか1つの面で反射してポリゴンミラーの回転に伴って偏向せしめられながら、後述する4つの感光体のうちの何れかに到達する。4つのレーザーダイオードからそれぞれ射出されるレーザー光Lにより、4つの感光体Y,M,C,Kの表面がそれぞれ光走査される。
プロセスユニット1Y,M,C,Kは、潜像担持体としてのドラム状の感光体3Y,M,C,K、これらにそれぞれ個別に対応する現像装置40Y,M,C,Kなどを有している。感光体3Y,M,C,Kは、アルミ等の素管に有機感光層が被覆されたものであり、図示しない駆動手段によって所定の線速で図中時計回り方向に回転駆動せしめられる。そして、図示しないパーソナルコンピュータ等から送られてくる画像情報に基づいて変調されたレーザー光Lを発する光書込ユニット50により、暗中にて光走査されて、Y,M,C,K用の静電潜像を担持する。
図2は、4つのプロセスユニット1Y,M,C,Kのうち、K用のプロセスユニット1Kをその周囲構成とともに示す拡大構成図である。同図において、K用のプロセスユニット1Kは、感光体3K、帯電ローラ7K、図示しない除電ランプ、導電性シート11K、ブラシ部材12K、現像手段たる現像装置40K等を、1つのユニットとして共通のユニットケーシング(保持体)に保持させて、プリンタ本体に対して着脱可能にしたものである。
被帯電体であり且つ潜像担持体であるK用の感光体3Kは、アルミニウム素管からなる導電性基体の表面に、負帯電性の有機光光導電物質(OPC)からなる感光層が被覆された直径24[mm]程度のドラムであり、図示しない駆動手段によって所定の線速で図中時計回り方向に回転駆動せしめられる。
帯電ローラ7Kは、金属製の回転軸部材の周面に、導電性ゴム等からなる導電性ローラ部が被覆されたものであり、回転軸部材を中心にして図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動されながら感光体3Kに接触している。帯電ローラ7Kの金属製の回転軸部材には、帯電電源101によって帯電バイアスが印加される。そして、帯電ローラ7Kと感光体3Kとの間に放電が発生することで、感光体3Kの表面が負極性に一様帯電せしめられる。
一様帯電せしめられたK用の感光体3Kの表面には、上述した光書込ユニット(50)による光走査でK用の静電潜像(負極性で且つ電位が地肌部よりも低い)が形成され、この静電潜像はK用の現像装置40KによってKトナー像に現像される。
K用の現像装置40Kは、ケーシング41Kに設けられた開口から周面の一部を露出させる現像ローラ42Kを有している。この現像ローラ42Kは、ケーシング4K内に収容されている図示しないKトナーを周面に担持しながら回転する。現像ローラ42Kの表面に担持されたKトナーは、現像ローラ42Kの回転に伴って、現像ローラ42Kと感光体3Kとが対向あるいは接触する現像領域に搬送される。
この現像領域では、現像電源102から出力される負極性の現像バイアスが印加される現像ローラ42Kと、感光体3Kの静電潜像との間に、負極性のKトナーをローラ側から潜像側に静電移動させる現像ポテンシャルが作用する。また、現像ローラ42Kと感光体3Yの一様帯電箇所(地肌部)との間に、負極性のKトナーを地肌部側からローラ側に静電移動させる非現像ポテンシャルが作用する。現像ローラ42K上のKトナーは、現像ポテンシャルの作用によってローラ上から離脱して感光体3Kの静電潜像に転移する。この転移により、感光体3K上の静電潜像がKトナー像に現像される。このKトナーは、感光体3Kの回転に伴って、後述する転写ユニットの中間転写ベルト61上に1次転写される。
1次転写ニップを通過した後、帯電ローラ7Kとの当接位置や上述の現像領域に進入する前の感光体3K表面には、非ブラシ状部材たる導電性シート11Kが当接している。また、導電性シート11Kとの当接位置を通過した後、帯電ローラ7Kとの当接位置に進入する前の感光体3K表面には、ブラシ部材12Kが当接している。これら導電性シート11Kやブラシ部材12Kの役割について後述する。
なお、K用のプロセスユニット1Kにおいては、帯電ローラ7K、導電性シート11K、ブラシ部材12K等により、感光体3Kの表面を一様帯電せしめる帯電手段が構成されている。また、導電性シート11Kには、シートバイアス電源103によってシートバイアスが印加される。また、ブラシ部材12Kには、ブラシ電源104によってブラシバイアスが印加される。
K用のプロセスユニット1Kについて説明してきたが、他色用のプロセスユニット1Y,M,CはK用のプロセスユニット1Kと同様の構成になっているので説明を省略する。
先に示した図1において、各色のプロセスユニット1Y,M,C,Kの下方には、転写ユニット60が配設されている。この転写ユニット60は、無端状の中間転写ベルト61を、複数の張架ローラによって張架しながら、図中反時計回り方向に無端移動せしめる。複数の張架ローラとは、具体的には、従動ローラ62、駆動ローラ63、4つの1次転写バイアスローラ66Y,M,C,K等のことである。
従動ローラ62、1次転写バイアスローラ66Y〜K、駆動ローラ63は、何れも中間転写ベルト61の裏面(ループ内周面)に接触している。そして、4つの1次転写バイアスローラ66Y,M,C,Kは、金属製の芯金にスポンジ等の弾性体が被覆されたローラであり、Y,M,C,K用の感光体3Y,M,C,Kに向けて押圧されて、中間転写ベルト61を挟み込んでいる。これにより、4つの感光体3Y,M,C,Kと中間転写ベルト61とがベルト移動方向において所定の長さで接触するY,M,C,K用の4つの1次転写ニップが形成されている。
4つの1次転写バイアスローラ66Y,M,C,Kの芯金には、それぞれ図示しない転写バイアス電源によって定電流制御される1次転写バイアスが印加されている。これにより、4つの1次転写バイアスローラ66Y,M,C,Kを介して中間転写ベルト61の裏面に転写電荷が付与され、各1次転写ニップにおいて中間転写ベルト61と感光体3Y,M,C,Kとの間に転写電界が形成される。なお、本プリンタにおいては、1次転写手段として1次転写バイアスローラ66Y,M,C,Kを設けているが、ローラに代えて、ブラシやブレード等のものを用いてもよい。また、転写チャージャーなどを用いてもよい。
各色の感光体3Y,M,C,K上に形成されたY,M,C,Kトナー像は、各色の1次転写ニップで中間転写ベルト61上に重ね合わせて転写される。これにより、中間転写ベルト61上には4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
中間転写ベルト61における駆動ローラ63に対する掛け回し箇所には、2次転写バイアスローラ67がベルトおもて面側から当接しており、これによって2次転写ニップが形成されている。この2次転写バイアスローラ67には、図示しない電源や配線からなる電圧印加手段によって2次転写バイアスが印加されている。これにより、2次転写バイアスローラ67と接地された2次転写ニップ裏側ローラ64との間に2次転写電界が形成されている。中間転写ベルト61上に形成された4色トナー像は、ベルトの無端移動に伴って2次転写ニップに進入する。
本プリンタは、図示しない給紙カセットを備えており、その中に記録紙Pを複数枚重ねた記録紙束の状態で収容している。そして、一番上の記録紙Pを所定のタイミングで給紙路に送り出す。送り出された記録紙Pは、給紙路の末端に配設されたレジストローラ対54のレジストニップ内に挟み込まれる。
レジストローラ対54は、給紙カセットから送られてきた記録紙Pをレジストニップに挟み込むために両ローラを回転駆動させているが、記録紙Pの先端を挟み込むとすぐに両ローラの回転駆動を停止させる。そして、記録紙Pを中間転写ベルト61上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで2次転写ニップに向けて送り出す。2次転写ニップでは、中間転写ベルト61上の4色トナー像が2次転写電界やニップ圧の作用によって記録紙P上に一括2次転写されて、記録紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。
このようにしてフルカラー画像が形成された記録紙Pは、2次転写ニップから排出された後、図示しない定着装置に送られてフルカラー画像が定着せしめられる。
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト61表面に付着している2次転写残トナーは、ベルトクリーニング装置68によってベルト表面から除去される。
なお、上述の1次転写ニップを通過した後の感光体表面には転写残トナーが付着しているが、本プリンタの各色のプロセスユニット1Y,C,M,Kにおいては、この転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段を設けていない。転写残トナーについては、現像装置の現像ローラに回収するクリーナーレス方式を採用している。
以上の基本的な構成を有する本プリンタでは、4つの感光体3Y,M,C,Kがそれぞれ、回転によって無端移動する表面に潜像を担持する潜像担持体として機能している。また、光書込ユニット50が、一様帯電後の感光体表面に潜像を形成する潜像形成手段として機能している。
次に、本発明者らが行った実験について説明する。本発明者らは、図1や図2に示した参考形態に係るプリンタと同様の構成の試験機を用意した。そして、この試験機を用いて、帯電バイアス等の条件を適宜変更しながら、それぞれの条件下にてモノクロのハーフチャート(ハーフトーン階調画像)を5000枚のA4用紙に5[%]の画像面積率でプリントした。5000枚のプリントにおける所定枚数毎のプリントでは、ハーフチャートに加えて黒ベタ画像を出力した。5000枚のプリントにおいては、連続プリントを行う第1期間(プリント中)と、その都に、感光体に対する光書込等を行わないで各機器を空回ししながら、上述のシートバイアスやブラシバイアスを第1期間とは異なる値に所定時間だけ切り替える第2期間とを繰り返し設けた。そして、プリント画像を拡大観察した結果に基づいて、感光体の帯電不良の有無を評価した。
帯電不良については、スジやベタメモリー汚れの有無に基づいて評価した。具体的には、感光体3Kの転写残トナーに起因する局所的な帯電不良に起因する白スジや黒スジがハーフチャートに認められた場合を×、認められない場合を○として評価した。また、プリント紙の地肌部(非画像部)に対するベタ状の薄いトナー付着(ベタメモリー汚れ)が認められた場合を×、認められない場合を○として評価した。感光体3Kの局所部位に多量の転写残トナーが付着している状態で帯電処理が行われると、その局所部位の帯電不良に起因する白スジや黒スジが発生する。また、多量の転写残トナーがベタ状に薄く付着した状態の感光体3Kに対して帯電ローラ(7K)による一様帯電処理が行われると、そのベタ付着部が帯電不良となった上、転写残トナー中の低帯電量トナーや逆帯電トナーが現像領域をそのまま通過することから、プリント紙にベタメモリー汚れが発生する。
連続プリント中における各色の感光体3Y,M,C,Kや中間転写ベルト61の線速であるプロセス線速については、100[mm/sec]に設定した。
帯電ローラ7Kとしては、直径6[mm]の回転軸部材の周面に導電性ゴムからなるローラ部を被覆した外径10[mm]のものを用いた。また、導電性シート11Kとしては、厚み0.1[mm]のものを用い、これを0.1〜1[mm]の食い込み量で感光体3Kに食い込ませた。
ブラシ部材12Kとしては、金属製の支持部の表面に導電性材料からなる複数の起毛を立設せしめたブラシ部を有するものを用い、このブラシ部を感光体3K表面に当接させた。複数の起毛は、それぞれ導電性繊維が所定の長さにカットされたものである。起毛の素材としては、ナイロン6(登録商標)、ナイロン12(登録商標)、アクリル、ビニロン、ポリエステルなどの樹脂材料を例示することができる。かかる樹脂材料にカーボンや金属微粉などの導電性粒子を分散せしめて導電性を付与する。
Kトナーとしては、平均粒径が8.5[μm]に調整された粉砕法によるKトナーであって、外添剤を添加したものを用いた。
以上の条件下での実験結果を次の表1に示す。なお、何れの条件においても、帯電ローラ(7K)には、−1100[V]の帯電バイアスを印加し、感光体3Kを−900[V]程度に一様帯電させた。この電位は1次転写ニップに進入する直前まで維持されるが、1次転写ニップを通過した感光体3Kの表面は、1次転写ニップによる転写電流の影響により、−20[V]程度まで電位が減衰する。また、現像ローラに印加する現像バイアスについては−250[V]とした。
Figure 0004914707
表1における実験番号1の実験では、感光体3Kに対する作像処理が行われている第1期間において、導電性シート(11K)に−1000[V]のシートバイアスを印加するとともに、ブラシ部材(12K)に−500[V]のブラシバイアスを印加している。導電性シートとの当接位置を通過した後の感光体(3K)表面電位を周知の表面電位センサによって測定したところ、−800[V]であった。1次転写ニップを通過した直後の表面電位が−20[V]程度であるので、導電性シートと感光体との間でも放電による帯電処理が行われたことになる。このとき、感光体(3K)の表面に付着している転写残トナー中の低帯電量トナーや逆帯電トナーも放電によってマイナス側に十分に帯電せしめられている。そして、導電性シートと感光体との間において、マイナスの電位がより低くなっている感光体の表面に付着したまま、シートと感光体との間を通過する。その後、感光体の回転に伴って、ブラシ部材(12K)と感光体との間の当接部に進入すると、ブラシ部材で均されたり、図3に示すように、マイナスの電位が感光体(表面電位−800V)よりも低くなっているブラシ部材(電位−500V)に転移してブラシ内に捕捉されたりする。現に、連続プリント中に試験機を一時停止させてブラシ部材(12K)を確認したところ、適量のKトナーをブラシ部材が捕捉していることを認めることができた。
このようにブラシ部材(12K)に捕捉されたKトナーが多量に蓄積すると、やがて捕捉され切れないKトナーが不規則なタイミングで感光体に多量に転移してしまう。但し、各実験では、連続プリントを行う第1期間が経過した後、空回し運転を行う第2期間を設けているので、第1期間で捕捉しておいたKトナーをこの第2期間でブラシ部材から感光体に吐き戻すことができれば、感光体の帯電不良が起きたとしても画像に影響を及ぼすことがない。第2期間では作像を行わないからである。
そこで、実験番号1の実験における第2期間では、表1に示したように、導電性シート(11K)に対するシートバイアスを0[V](GND)にする一方で、ブラシバイアスは第1期間と同じ−500[V]を印加している。導電性シートと感光体との間で放電が発生しなくなることにより、導電性シートを通過した後の感光体の表面電位は、1次転写ニップを通過した直後の電位と同じである(−20V程度)。このような電位の感光体表面は、−500[V]のブラシバイアスが印加されるブラシ部材(12K)よりも低電位である。このため、第2期間では、図4に示すように、ブラシ部材内に捕捉されていたKトナーがブラシ内から感光体に転移する。そして、感光体の回転に伴って、帯電ローラ(7K)と感光体との当接による帯電ニップに進入するが、帯電ローラの方が感光体よりもマイナスの電位が高いため(ローラ表面電位は−1100V程度)、感光体に付着したまま帯電ニップを通過する。その後、現像領域において、感光体から、感光体よりもマイナスの電位が低い現像ローラ(−250V程度)に転移して、現像装置内に回収される。
このようなKトナーのブラシ部材への一時捕捉と回収とにより、実験番号1の実験では表1に示すようにベタメモリー汚れもスジも発生しなかった。即ち、感光体(3K)の帯電不良による画質劣化の発生を抑えることができた。
一方、実験番号2の実験では、第2期間におけるシートバイアス、ブラシバイアスをそれぞれ第1期間と同じ値に設定した。このような条件では、第2期間において、ブラシ部材から感光体に吐き出すことができなくなるため、ブラシ部材内に多量のKトナーが蓄積してしまった。このため、表1に示すように、初期のプリントではスジが発生しないものの、5000枚目のプリントではスジが発生してしまった。ブラシ部材に多量に蓄積したKトナーが第1期間において、ブラシから感光体3Kに局所的に転移したためである。
実験番号3の実験でも、第2期間におけるシートバイアス、ブラシバイアスをそれぞれ第1期間と同じ値に設定している。しかも、シートバイアスについては、実験番号1や2よりも低い−300[V]を採用しており、このような低バイアスでは、導電性シートと感光体との間で放電が起こらない(シート通過後の感光体の表面電位は−20V程度のまま)。このため、第1期間において、転写残トナー中に含まれている低帯電量トナーや逆帯電トナーが薄ベタ部の状態で、ブラシ部材と感光体との当接位置、帯電ニップ、現像領域をそのまま通過して、ベタメモリー汚れを発生させている。
以上の結果に鑑みて、参考形態に係るプリンタにおいては、各色のプロセスユニットにおける非ブラシ状部材たる導電性シートと、ブラシ部材とにそれぞれバイアスを個別に印加するシートバイアス電源103やブラシ電源104等からなるバイアス印加手段として、次のようなものを用いている。即ち、少なくとも感光体に対する作像処理が行われる第1期間には、感光体の一様帯電極性と同極性(本例ではマイナス)であるバイアスを導電性シートとブラシ部材とにそれぞれ印加する。このとき、導電性シートとの当接位置を通過した直後の感光体の表面電位を、ブラシ部材の表面電位の平均値よりもトナーの帯電極性と同極性側(本例ではマイナス側)に大きい値である第1電位値にするシートバイアス及びブラシバイアスの組合せを用いる。例えば、実験番号1のように、−1000[V]のシートバイアスによってシート通過後の感光体の表面電位を第1電位値たる−800[V]にして、−500[V]ブラシバイアス(ブラシ表面電位とほぼ同じ)よりもマイナス側に大きくするのである。これに対し、プリントジョブ終了時など、作像処理を行わない第2期間においては、導電性シートとの当接位置を通過した直後の感光体の表面電位を、ブラシ部材の表面電位の平均値よりもトナーの帯電極性とは逆極性側(本例ではプラス側)に大きい値である第2電位値にするシートバイアス及びブラシバイアスの組合せを用いる。例えば、実験番号1のように、0[V]のシートバイアスによってシート通過後の感光体の表面電位を第2電位値たる−20[V]にして、−500[V]のブラシバイアスよりもプラス側に大きくするのである。
なお、ブラシ部材の表面電位の「平均値」としたのは、ブラシバイアスとして、交流電圧に直流電圧を重畳したものを採用することもあるからである。直流電圧の場合には、表面電位の「平均値」は直流電圧の値そのものになるが、重畳電圧の場合には、周期的に変化する電圧ではなく、重畳される直流電圧の値が、表面電位の平均値とほぼ等しくなる。
また、導電性シートの代わりに、導電性ブレードなど、他の形状の非ブラシ状部材を用いてもよい。
感光体3Y,C,M,Kとしては、表面粗さRaが0.014以上、0.066以下であるもの、を用いている。感光体の表面粗さRaを0.014以上にすることで、転写残トナーと感光体との接触面積を小さくして、トナー像の1次転写効率を向上させることができるからである。但し、感光体の表面粗さRaを0.066よりも大きくすると、表面の微妙な凹部にトナー粒子を入れ込んでしまうことによるブラシ部材へのトナー捕捉効率の低下が発生するからである。
図5は、実施形態に係るプリンタにおけるK用のプロセスユニット1Kをその周囲構成とともに示す拡大構成図である。実施形態に係るプリンタは、以下に説明する点の他が、参考形態に係るプリンタと同様の構成になっている。実施形態に係るプリンタにおいては、各色のプロセスユニットの現像装置として、2成分現像剤を用いる2成分現像方式のものを採用している。
同図において、K用の現像装置40Kは、ケーシング41Kに設けられた開口から周面の一部を露出させる現像ロール44Kを有している。この現像ロール44Kは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられる非磁性パイプからなる現像スリーブと、これに連れ回らないように内包される図示しないマグネットローラとを有している。ケーシング41Kには、磁性キャリアとマイナス帯電性のKトナーとを含む図示しないK現像剤が内包されている。2本のスクリュウ部材によって図紙面に直交する方向に撹拌搬送されながらKトナーの摩擦帯電が促されるK現像剤は、現像ロール44K内のマグネットローラの磁力により、現像ロール44Kの回転する現像スリーブ表面に吸着されて汲み上げられる。そして、現像スリーブの回転に伴って現像ドクタ43Kとの対向位置を通過する際にその層厚が規制された後、感光体3Kと対向する現像領域に搬送される。
透磁率センサからなるトナー濃度センサ46Kは、ケーシング41Kの底板に固定されており、ケーシング41K内に収容されているK現像剤の透磁率に応じた値の電圧を出力する。現像剤の透磁率は、現像剤のトナー濃度と良好な相関を示すため、トナー濃度センサ46KはKトナー濃度に応じた値の電圧を出力することになる。この出力電圧の値は、図示しないトナー補給制御部に送られる。
上記トナー補給制御部は、RAM等の記憶手段を備えており、この中にK用のトナー濃度センサ46Kからの出力電圧の目標値であるK用Vtrefや、他の現像装置に搭載されたTセンサからの出力電圧の目標値であるY,M,C用Vtrefのデータを格納している。K用の現像装置40Kについては、トナー濃度センサ46Kからの出力電圧の値とK用Vtrefを比較し、図示しないKトナー濃度補給装置を比較結果に応じた時間だけ駆動させる。そして、これにより、補給用のKトナーを現像装置40K内に補給する。このようにしてKトナー補給装置の駆動が制御(トナー補給制御)されることで、現像に伴ってKトナー濃度を低下させたK現像剤に適量のKトナーが補給され、現像装置40K内のK現像剤のKトナー濃度が所定の範囲内に維持される。なお、他色用のプロセスユニットの現像装置についても、同様のトナー補給制御が実施される。
このプリンタでは、固定のブラシ部材に代えて、回転自在な帯電ブラシローラ4Kを設けている。この帯電ブラシローラ4Kは、図示しない軸受けによって回転可能に受けられる金属製の回転軸部材5Kと、これの表面に立設せしめられた複数の起毛(導電性繊維)6Kとを有している。そして、これら起毛6Kにより、回転軸部材5K上にはブラシローラ部が形成されている。帯電ブラシローラ4Kは、回転軸部材5Kを中心にして図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動されながら、ブラシローラ部における起毛6Kの先端側を感光体3Kに摺擦させる。金属製の回転軸部材5Kには、図示しない帯電電源が接続されている。
また、このプリンタでは、ブラシ部材たるこの帯電ブラシローラ4Kを一様帯電手段として兼用しているので、感光体を一様帯電させるための帯電ローラを設けていない。帯電ブラシローラ4Kの回転軸部材5Kには、帯電電源により、交流電圧に、マイナス極性の直流電圧が重畳された帯電バイアスが印加される。そして、帯電ブラシローラ4Kの起毛と、感光体3Kとの間で放電が生ずることにより、感光体3Kが帯電バイアスの直流成分(重畳されている直流電圧)よりも少し低い電位に一様帯電せしめられる。帯電バイアスが印加される帯電ブラシローラ4Kにおいて、起毛の表面電位の平均値は、帯電バイアスの直流成分とほぼ同じ値になる。よって、例えば、第1期間において、導電性シート11Kに−800[V]のシートバイアスを印加して、シート通過後の感光体3Kの表面電位を−600[V]にした場合、帯電バイアスとして、交流電圧に−700[V]の直流電圧を印加したものを採用すれば、帯電ブラシローラ4K内に転写残トナーを捕捉することができる。そして、第2期間において、シートバイアスを0[V]にすれば、帯電ブラシローラ4K内に捕捉しておいた転写残トナーを感光体3Kに吐き出すことができる。
なお、第1期間においては、シート通過後の感光体の表面電位を、帯電バイアスの交流電圧によって経時的に変化する帯電ブラシローラの表面電位におけるトナーの帯電極性と同極性側の最大値よりも大きい第第1電位値にするシートバイアスと帯電バイアスとの組合せを採用している。また、第2期間においては、シート通過後の感光体の表面電位を帯電ブラシローラの表面電位におけるトナーの帯電極性とは逆極性側の最大値よりも極性側に大きい第2電位値にするシートバイアスと帯電バイアスとの組合せを採用している。かかる構成では、帯電バイアスの交流成分による電位振動にかかわらず、第1期間においては、帯電ブラシローラの表面電位を感光体の表面電位よりも低くして、転写残トナーを帯電ブラシローラ内に確実に捕捉することができる。また、第2期間においては、帯電ブラシローラの表面電位を感光体の表面電位よりも高くして、転写残トナーを帯電ブラシローラから感光体に確実に吐き出すことができる。また、実施形態に係るプリンタは、後述する特徴構成を備えている。
図6は、実施形態に係るプリンタの第変形例装置におけるK用のプロセスユニット1K及びその周囲構成を示す拡大構成図である。この第変形例装置は、クリーニングブレード15Kによって感光体3K上の転写残トナーを掻き取る感光体クリーニング装置16Kを有している点が、実施形態に係るプリンタと異なる。1次転写ニップを通過した感光体3K表面は、感光体クリーニング装置16Kによるクリーニング処理が施された後に、導電性シート11Kとの当接位置に進入する。その他の構成は、実施形態に係るプリンタと同様である。
図7は、実施形態に係るプリンタの第変形例装置を示す概略構成図である。この第変形例装置では、タンデム方式に代えて、シングル方式を採用している。ドラム状の感光体3の周囲には、Y,M,C,K用の4つの現像装置40Y,M,C,Kが配設されている。感光体3の表面には、まず、レーザー光Lを用いた光走査によってY用の静電潜像が形成される。この静電潜像は、Y用の現像装置40YによってYトナー像に現像された後、中間転写ベルト61に1次転写される。1次転写ニップを通過した後のベルト表面は、導電性シート11との当接位置を通過した後、帯電ブラシローラ4によって一様帯電せしめられる。このとき、感光体3上の転写残トナー中の低帯電量トナーや逆帯電トナーは、導電性シート11によって負極性側に十分に帯電せしめられた後、帯電ブラシローラ4内に捕捉される。
一様帯電処理が施された後の感光体3表面は、レーザー光Lを用いた光走査によってM用の静電潜像を担持する。これは、M用の現像装置40MによってMトナー像に現像された後、中間転写ベルト61上のYトナー像に重ね合わせて1次転写される。以下、同様のプロセスにより、感光体3の表面に順次形成されるC,Kトナー像が、中間転写ベルト61上のYM2色トナー像の上に順次重ね合わせて1次転写される。
次に、実施形態に係るプリンタに、より特徴的な構成を付加した各実施例のプリンタについて説明する。なお、以下に特筆しない限り、各実施例のプリンタの構成は、実施形態と同様である。
[第1実施例]
第1実施例に係るプリンタは、シートバイアス電源(103)やブラシ電源(104)等からなるバイアス印加手段として、次のようなものを用いている。即ち、第1期間においては、潜像形成手段たる光書込ユニット(50)による潜像形成処理が開始された後に、第2期間用のバイアスの組合せから、第1期間用のバイアスの組合せに切り替えるものである。より詳しくは、光書込ユニットによる潜像形成処理の開始からバイアスの組合せの切り替え開始までのタイムラグを、感光体の表面が光書込ユニットによる光書込位置(潜像形成工程)に進入してから導電性シートとの当接位置に進入するまでに要する時間よりも小さくする。かかる構成では、トナー像の先端を担持していた感光体領域、即ち、転写残トナーを付着させている感光体領域が、1次転写ニップを通過するのに先立って、バイアスの組合せを第2期間用のものから第1期間用のものに切り替えることで、切り替えタイミングの遅れによる転写残トナーのブラシへの捕捉不良を回避することができる。しかも、転写残トナーを付着させている感光体領域を導電性シートとの当接位置に進入させる直前まで、第2期間用のバイアスの組合せを採用することで、転写残トナーを帯電ブラシローラから感光体に効率よく吐き出させることができる。
[第2実施例]
第2実施例に係るプリンタにおいては、バイアス印加手段であるシートバイアス電源として、次のようなものを用いている。即ち、非ブラシ状部材たる導電性シートに対して直流電圧だけならなるシートバイアスを印加するもの、である。このようなシートバイアス電源を用いたのは次に説明する理由による。即ち、交流成分を含むシートバイアスを採用すると、直流電圧だけならなるものに比べて、シートから感光体への放電回数が増加したり、交流成分の振動に伴ってトナーを感光体からシート側に向けて引き寄せる電界を形成したりして、転写残トナーをシートに固着させ易くなるからである。
[第3実施例]
第3実施例に係るプリンタは、シートバイアス電源やブラシ電源等からなるバイアス印加手段として、次のようなものを用いている。即ち、第2期間には、シート通過後の感光体の表面電位をブラシ部材の表面電位の平均値の極性とは逆極性の第2電位値にするバイアスの組合せを導電性シート、ブラシ部材に印加するものである。これにより、第2期間には、ブラシ部材内に捕捉しておいた転写残トナーを、トナーとは逆極性の感光体に向けてより強く引き寄せることで、ブラシ部材内からの転写残トナーの吐き出しをより良好に行うことができる。
なお、第2期間におけるシートバイアスの絶対値については、500[V]以下にしている。これは次に説明する理由からである。即ち、本発明者らは、第1期間におけるバイアスの組合せとして、先に表1に示した実験番号1と同じものを採用する一方で、第2期間におけるシートバイアスを様々に変化させながら、ハーフチャートを試験機で出力する実験を行った。そして、プリント画像に基づいて、地汚れや感光体の帯電不良の有無を調べた。地汚れについては、プリント画像の地肌部(非画像部)に対するチリ状のトナー付着が認められた場合を×、認められない場合を○として評価した。その結果、表2に示すように、直流電圧だけからなるシートバイアスの絶対値を500[V]よりも大きくすると、地汚れが発生してしまうことがわかった。そこで、500[V]以下にしたのである。
Figure 0004914707
[第4実施例]
第4実施例に係るプリンタにおいては、各色のプロセスユニット(1Y,M,C,K)におけるそれぞれの導電性シートとして、次のようなものを用いている。即ち、感光体の表面に当接する第1箇所と、この第1箇所よりも感光体の表面移動方向下流側で第1箇所よりも窪んでいることで、第1箇所よりも弱い力で感光体の表面に当接するか、あるいは感光体の表面に非接触で対向する第2箇所とを設けたもの、である。
かかる構成にしたのは次に説明する理由による。即ち、導電性シートにおいては、感光体との当接部における入口(感光体表面移動方向の最上流箇所)よりも少しだけ感光体表面移動方向の上流側にずれた位置で、放電が最も多く発生する。この位置では、当接部の入口で規制された転写残トナーが多量に滞留しており、その転写残トナーが放電に伴う発熱によってまず導電性シートの側面に固着する。この固着トナーが成長していくと、やがて感光体の表面移動力によって当接部の入口から当接部内に引き込まれる。すると、当接部内において、導電性シートと感光体との間に固着トナーが介在するようになり、それよりも感光体表面移動方向下流側の位置で、導電性シートと感光体との間に比較的大きなギャップが形成される。そして、このギャップで比較的多量の放電が発生するようになり、固着トナーの下をすり抜けてきた転写残トナーがその放電に伴う発熱によって導電性シートにおける固着トナーよりも感光体表面移動方向下流側の箇所に固着する。導電性シートにおいては、このようにして当接部内で固着トナーが感光体表面移動方向下流側に向けて徐々に成長していき、やがて全領域を覆ってしまい易くなる。そして、放電が当接部の全領域で良好に行われなくなることで、転写残トナー中の逆帯電トナーや低帯電量トナーの帯電不良を引き起こし易くなる。
本プリンタにおいては、導電性シートの第1箇所では同様にして固着トナーが成長していく。但し、導電性シートの第2箇所は、第1箇所よりも弱い力で感光体に当接しているか、あるいは感光体に非接触で対向しており、転写残トナーの第2箇所に対する密着が不十分となる。このため、第1箇所に比べて、第2箇所に対するトナー固着が抑えられるか(接触の場合)、あるいは回避される(非接触の場合)かする。これにより、第2箇所と感光体との間では長期間に渡って放電を良好に発生させて、転写残トナー中の逆帯電トナーや低帯電量トナーを十分に帯電せしめる。以上の結果、逆帯電トナーや低帯電トナーに起因する画質劣化の発生を長期間に渡って抑えることができる。
[第5実施例]
第5実施例に係るプリンタにおいては、各色のプロセスユニット(1Y,M,C,K)におけるそれぞれの導電性シートとして、次のようなものを用いている。即ち、感光体に当接する面の当接領域に、感光体の表面移動方向における当接領域の上流端から延びて当接領域における上流端とは異なる端部に通じる溝を設けたもの、である。かかる構成では、導電性シートにおける感光体との当接領域に設けられた溝が導電性シートと感光体との間に隙間を形成しながら、その延在方向の一端側を感光体の表面移動方向上流側に向けて開口させている。そして、当接領域よりも感光体の表面移動方向上流側で堰き止めたトナーを、その開口から溝内に受け入れた後、感光体の表面移動に伴って溝の延在方向に移動させながら溝の反対側の端から抜け出させる。このような溝内でのトナーの移動により、導電性シートによって堰き止めた転写残トナーに対して当接領域を速やかにすり抜けさせることで、当接領域よりも上流側でのトナーの滞留量を減らす。これにより、導電性シートに対するトナーの固着を抑えることで、転写残トナーの中の逆帯電トナーや低帯電トナーによる画質劣化の発生をより長期間に渡って抑えることができる。
特徴構成
実施形態に係るプリンタ、各変形例装置、及び各実施例に係るプリンタは、次に説明する特徴構成を有している。即ち、それらにおいては、回転ブラシローラとしての帯電ブラシローラを回転駆動する駆動手段として、第2期間には、感光体に当接しているブラシローラ部の毛倒れ状態を経時的に変化させるように帯電ブラシローラの回転速度を変化させるもの、を用いている。かかる構成では、ブラシローラ部の毛倒れ状態を経時的に変化させることで、起毛における感光体との当接位置を変化させたり、起毛を微振動させたりして、帯電ブラシローラからの転写残トナーの吐き出しを促すことができる。
[第実施例]
実施例に係るプリンタの各色のプロセスユニットは、第1期間における帯電ブラシローラに対する感光体に向けての付勢量を、第2期間における帯電ブラシローラに対する感光体に向けての付勢量よりも小さくするように、帯電ブラシローラを感光体に向けて付勢する付勢手段を備えている。かかる構成では、第1期間においては、帯電ブラシローラと感光体とを過剰な圧力で当接させることによる帯電ブラシローラ内へのトナー捕捉不良の発生やブラシからトナーへの電荷注入を回避することができる。また、第2期間においては、帯電ブラシローラと感光体との当接圧力をより強くすることで、ブラシ内からのトナーの掻き取り効果を向上させて、トナーの吐き出し効率を高めることもできる。
以上、実施形態に係るプリンタにおいては、シートバイアス電源103やブラシ電源104等によって構成されるバイアス印加手段が、作像中である第1期間には、非ブラシ状部材たる導電性シートとの当接位置を通過した直後の感光体の表面電位をブラシ部材の表面電位の平均値よりもトナーの帯電極性と同極性側に大きい値である第1電位値にするバイアスの組合せを導電性シートとブラシ部材とに印加する。この一方で、非作像中である第2期間には、導電性シートとの当接位置を通過した直後の感光体の表面電位をブラシ部材の表面電位の平均値よりもトナーの帯電極性とは逆極性側に大きい値である第2電位値にするバイアスの組合せを導電性シートとブラシ部材とに印加する。かかる構成では、第1期間において、導電性シートの平面に圧接する転写残トナー中の低帯電量トナーや逆帯電トナーに対してシートからの電荷注入や放電によって正規帯電極性の電荷を付与することで、転写残トナーの帯電量を揃えた後、ブラシ部材に捕捉させることができる。また、第2期間においては、ブラシ部材に捕捉しておいた転写残トナーを感光体に吐き出させてブラシ部材への転写残トナーの過剰な蓄積を回避するとともに、吐き出した転写残トナーを現像装置内に回収することができる。
また、参考形態に係るプリンタにおいては、一様帯電手段として、潜像担持体たる感光体の表面に当接しながら所定の帯電バイアスが印加される帯電部材としての帯電ローラにより、感光体の表面を一様帯電せしめるもの、を用いている。更に、非ブラシ状部材として、導電性シートを用いている。かかる構成では、帯電部材による接触方式で感光体を一様帯電せしめることで、スコロトロン等のチャージャー方式に比べてオゾンの発生を低減することができる。更には、非ブラシ状部材として、市販の汎用の導電性シートを用いて、低コスト化を図ることができる。なお、非ブラシ状部材として、導電性ブレードを用いても、同様の理由によって低コスト化を図ることができる。
また、第1実施例に係るプリンタにおいては、シートバイアス電源103やブラシ電源104等からなるバイアス印加手段として、潜像形成手段たる光書込ユニット50による潜像形成処理が開始された後に、感光体の表面電位を第2電位値にするバイアスの組合せから、第1電位値にするためのバイアスの組合せに切り替えるもの、を用いている。かかる構成では、潜像形成処理が開始される前にバイアスの組合せを切り替える場合に比べて、ブラシ部材から感光体への転写残トナーの吐き出し時間を増やすことができる。
また、第1実施例に係るプリンタにおいては、バイアス印加手段として、潜像形成処理の開始からバイアスの組合せの切り替え開始までのタイムラグを、感光体の表面が光書込ユニット50による光書込位置(潜像形成工程)に進入してから、導電性シートとの当接位置に進入するまでに要する時間よりも小さくするもの、を用いている。かかる構成では、転写残トナーを付着させている感光体領域が、1次転写ニップを通過するのに先立って、バイアスの組合せを第2期間用のものから第1期間用のものに切り替えることで、切り替えタイミングの遅れによる転写残トナーのブラシへの捕捉不良を回避することができる。しかも、転写残トナーを付着させている感光体領域を導電性シートとの当接位置に進入させる直前まで、第2期間用のバイアスの組合せを採用することで、転写残トナーを帯電ブラシローラから感光体に効率よく吐き出させることができる。
また、第2実施例に係るプリンタにおいては、バイアス印加手段として、導電性シートに対して直流電圧だけならなるシートバイアスを印加するもの、を用いている。かかる構成では、交流成分を含むシートバイアスを印加する場合に比べて、導電性シートに対するトナー固着を抑えることができる。
また、第3実施例に係るプリンタにおいては、バイアス印加手段として、非作像中である第2期間には、感光体の表面の上記第2電位値をブラシ部材の表面電位の平均値の極性とは逆極性にするバイアスの組合せを導電性シートとブラシ部材とに印加するもの、を用いている。かかる構成では、第2期間には、ブラシ部材内に捕捉しておいた転写残トナーを、トナーとは逆極性の感光体に向けてより強く引き寄せることで、ブラシ部材内からの転写残トナーの吐き出しをより良好に行うことができる。
また、第3実施例に係るプリンタにおいては、バイアス印加手段として、第2期間には、トナーとは逆極性で且つ絶対値が500[V]以下であるシートバイアスを導電性シートに印加するもの、を用いている。かかる構成では、上述した理由により、地汚れの発生を抑えることができる。
また、第4実施例に係るプリンタにおいては、導電性シートとして、感光体の表面に当接する第1箇所と、この第1箇所よりも感光体の表面移動方向下流側で第1箇所よりも窪んでいることで、第1箇所よりも弱い力で感光体の表面に当接するか、あるいは感光体の表面に非接触で対向する第2箇所とを設けたもの、を用いている。かかる構成では、上述した理由により、第2箇所と感光体との間では長期間に渡って放電を良好に発生させて、転写残トナー中の逆帯電トナーや低帯電量トナーを十分に帯電せしめることで、逆帯電トナーや低帯電トナーに起因する画質劣化の発生を長期間に渡って抑えることができる。
また、第5実施例に係るプリンタにおいては、導電性シートとして、感光体に当接する面の当接領域に、感光体の表面移動方向における前記当接領域の上流端から延びて前記当接領域における上流端とは異なる端部に通じる溝を設けたもの、を用いている。かかる構成では、上述した理由により、導電性シートに対するトナーの固着を抑えることで、転写残トナーの中の逆帯電トナーや低帯電トナーによる画質劣化の発生をより長期間に渡って抑えることができる。
また、実施形態に係るプリンタにおいては、ブラシ部材として、回転軸部材と、回転軸部材の周面に立設せしめられた複数の起毛からなるブラシローラ部とを有する回転ブラシローラたる帯電ブラシローラ、を用いるとともに、帯電ブラシローラを回転駆動する駆動手段として、第2期間には、感光体に当接しているブラシローラ部の毛倒れ状態を経時的に変化させるように帯電ブラシローラの回転速度を変化させるもの、を用いている。かかる構成では、起毛における感光体との当接位置を変化させたり、起毛を微振動させたりして、帯電ブラシローラからの転写残トナーの吐き出しを促すことができる。
また、実施形態に係るプリンタにおいては、感光体3Y,M,C,Kとして、表面粗さRaが0.014以上、0.066以下であるもの、を用いているので、上述した理由により、転写残トナーと感光体との接触面積を小さくして、トナー像の1次転写効率を向上させるとともに、表面の微妙な凹部にトナー粒子を入れ込んでしまうことによるブラシ部材へのトナー捕捉効率の低下を回避することができる。
また、実施形態に係るプリンタにおいては、ブラシ部材たる帯電ブラシローラを帯電部材として兼用しているので、感光体を一様帯電せしめるための専用の帯電部材を設けることによるコストアップを回避することができる。
また、実施形態に係るプリンタにおいては、バイアス印加手段として、交流電圧を含む帯電バイアスを帯電ブラシローラに印加するもの、を用いているので、交流成分の振動によって感光体の除電と帯電を短時間に繰り返して、感光体の帯電ムラを抑えることができる。
また、実施形態に係るプリンタにおいては、バイアス印加手段として、第1電位値を帯電バイアスの交流電圧によって経時的に変化する帯電ブラシローラの表面電位におけるトナーと同極性側の最大値よりも同極性側に大きくし、且つ第2電位値を帯電ブラシローラの表面電位におけるトナーとは逆極性側の最大値よりも逆極性側に大きくするバイアスの組合せを導電性シートと帯電ブラシローラとに印加するもの、を用いている。かかる構成では、帯電バイアスの交流成分による電位振動にかかわらず、第1期間においては、帯電ブラシローラの表面電位を感光体の表面電位よりも低くして、転写残トナーを帯電ブラシローラ内に確実に捕捉することができる。また、第2期間においては、帯電ブラシローラの表面電位を感光体の表面電位よりも高くして、転写残トナーを帯電ブラシローラから感光体に確実に吐き出すことができる。
また、第実施例に係るプリンタにおいては、第1期間におけるブラシ部材に対する感光体に向けての付勢量を、第2期間におけるブラシ部材に対する感光体に向けての付勢量よりも小さくするように、ブラシ部材を感光体に向けて付勢する付勢手段を設けている。かかる構成では、第1期間においては、ブラシ部材と感光体とを過剰な圧力で当接させることによるブラシ部材内へのトナー捕捉不良の発生やブラシからトナーへの電荷注入を回避することができる。また、第2期間においては、ブラシ部材と感光体との当接圧力をより強くすることで、ブラシ内からのトナーの掻き取り効果を向上させて、トナーの吐き出し効率を高めることもできる。
参考形態に係るプリンタを示す概略構成図。 同プリンタのK用のプロセスユニットを示す拡大構成図。 同プロセスユニットの第1期間におけるブラシバイアス及び感光体表面の電位を示すグラフ。 同プロセスユニットの第2期間におけるブラシバイアス及び感光体表面の電位を示すグラフ。 実施形態に係るプリンタにおけるK用のプロセスユニット及びその周囲構成とともに示す拡大構成図。 実施形態に係るプリンタの第変形例装置におけるK用のプロセスユニット及びその周囲構成を示す拡大構成図。 実施形態に係るプリンタの第変形例装置を示す概略構成図。斜毛方式の帯電ブラシローラを示す拡大構成図。
符号の説明
1Y,M,C,K:プロセスユニット
3Y,M,C,K:感光体(潜像担持体)
4K:帯電ブラシローラ(一様帯電手段、ブラシ部材)
5K:回転軸部材
6K:起毛
7K:帯電ローラ(一様帯電手段)

Claims (14)

  1. 潜像担持体と、該潜像担持体の無端移動する表面を一様帯電せしめる帯電装置と、一様帯電後の該表面に潜像を形成する潜像形成手段と、該表面上の潜像を現像してトナー像を得る現像手段と、該表面上のトナー像を転写体に転写する転写手段とを備える画像形成装置において、
    上記転写手段による転写工程を通過した後、上記現像手段による現像工程に進入する前の潜像担持体表面に、所定のバイアスが印加される自らの非ブラシ状の表面を当接させる導電性の非ブラシ状部材と、該非ブラシ状部材との当接位置を通過した後、該現像工程に進入する前の潜像担持体表面に、所定のバイアスが印加される導電性のブラシ部を当接させるブラシ部材と、該非ブラシ状部材との当接位置を通過した後、該現像工程に進入する前の潜像担持体表面を一様帯電せしめる一様帯電手段とを有するもの、を上記帯電装置として用い
    該ブラシ部材として、回転軸部材と、該回転軸部材の周面に立設せしめられた複数の起毛からなるブラシローラ部とを有する回転ブラシローラを用い、
    該非ブラシ状部材と、該回転ブラシローラとにそれぞれバイアスを個別に印加するバイアス印加手段として、少なくとも所定の第1期間には、該潜像担持体の一様帯電極性と同極性であるバイアスを該非ブラシ状部材と該回転ブラシローラとにそれぞれ印加して、該非ブラシ状部材との当接位置を通過した直後の該潜像担持体の表面電位を該回転ブラシローラの表面電位の平均値よりもトナーの帯電極性と同極性側に大きい値である第1電位値にする一方で、該第1期間とは異なる所定の第2期間には、該当接位置を通過した直後の該潜像担持体の表面電位を該回転ブラシローラの表面電位の平均値よりもトナーの帯電極性とは逆極性側に大きい値である第2電位値にするバイアスの組合せを該非ブラシ状部材と該回転ブラシローラとに印加するもの、を用い
    且つ、該回転ブラシローラを回転駆動する駆動手段として、上記第1期間と上記第2期間とで、上記潜像担持体に当接している上記ブラシローラ部の毛倒れ状態を異ならせるように該回転ブラシローラの回転速度を変化させるもの、を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    上記一様帯電手段として、上記潜像担持体の表面に当接しながら所定の帯電バイアスが印加される帯電部材によって該表面を一様帯電せしめるもの、を用いるとともに、上記非ブラシ状部材として、導電性シート又は導電性ブレードを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2の画像形成装置において、
    上記バイアス印加手段として、上記潜像形成手段による潜像形成処理が開始された後に、上記第2電位値を実現するためのバイアスの組合せから、上記第1電位値を実現するためのバイアスの組合せに切り替えるもの、を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3の画像形成装置において、
    上記バイアス印加手段として、上記潜像形成処理の開始からバイアスの組合せの切り替え開始までのタイムラグを、上記潜像担持体の表面が上記潜像形成手段による潜像形成工程に進入してから、上記非ブラシ状部材との当接位置に進入するまでに要する時間よりも小さくするもの、を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4の何れかの画像形成装置において、
    上記バイアス印加手段として、上記非ブラシ状部材に対して直流電圧だけらなるバイアスを印加するもの、を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1乃至5の何れかの画像形成装置において、
    上記バイアス印加手段として、上記第2期間には、上記第2電位値を上記回転ブラシローラの表面電位の平均値の極性とは逆極性にするバイアスの組合せを上記非ブラシ状部材と該回転ブラシローラとに印加するもの、を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項6の画像形成装置において、
    上記バイアス印加手段として、上記第2期間には、トナーとは逆極性で且つ絶対値が500[V]以下であるバイアスを上記非ブラシ状部材に印加するもの、を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至7の何れかの画像形成装置において、
    上記非ブラシ状部材として、上記潜像担持体の表面に当接する第1箇所と、該第1箇所よりも該潜像担持体の表面移動方向下流側で該第1箇所よりも窪んでいることで、該第1箇所よりも弱い力で該潜像担持体の表面に当接するか、あるいは該表面に非接触で対向する第2箇所とを設けたもの、を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1乃至7の何れかの画像形成装置において、
    上記非ブラシ状部材として、上記潜像担持体に当接する面の当接領域に、該潜像担持体の表面移動方向における該当接領域の上流端から延びて該当接領域における該上流端とは異なる端部に通じる溝を設けたもの、を用いたことを特徴とする画像形成装置
  10. 請求項1乃至の何れかの画像形成装置において、
    上記潜像担持体として、表面粗さRaが0.014以上、0.066以下であるもの、を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項2の画像形成装置において、
    上記回転ブラシローラを上記帯電部材として兼用したことを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項11の画像形成装置において、
    上記バイアス印加手段として、少なくとも交流電圧を含むバイアスを上記回転ブラシローラに印加するもの、を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項12の画像形成装置において、
    上記バイアス印加手段として、上記第1電位値を上記交流電圧によって経時的に変化する上記回転ブラシローラの表面電位における上記同極性側の最大値よりも該同極性側に大きくし、且つ上記第2電位値を該回転ブラシローラの表面電位における上記逆極性側の最大値よりも該逆極性側に大きくするバイアスの組合せを上記非ブラシ状部材と該回転ブラシローラとに印加するもの、を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項1乃至7の何れかの画像形成装置において、
    上記第1期間における上記回転ブラシローラの上記潜像担持体に向けての付勢量を、上記第2期間における該回転ブラシローラの該潜像担持体に向けての付勢量よりも小さくするように、該回転ブラシローラを該潜像担持体に向けて付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
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