JP4913491B2 - 紫外線硬化型インキを用いて印刷加工した感熱記録材料と感熱記録ラベル - Google Patents
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Description
しかし、感熱記録材料の用途の広がりに合わせて、プリンターの高速化、省エネ化による低トルク化、使用環境の屋外化など、従来に比べて厳しい印字条件への対応が求められている。
このような要求に対し、スティッキング防止を始めとするヘッドマッチング性の向上を図るため、水溶性樹脂、顔料及び架橋剤等を主成分とする保護層が提案されている(例えば特許文献1〜6など)。また、特許文献7には、スチレン−アクリロニトリル−ブチルアクリレート共重合体エマルジョンの使用が、特許文献8にはポリウレタン樹脂エマルジョンの使用が提案されている。また、保護層中にシリコーン系化合物を添加し走行性及びスティッキングの改善がなされている(例えば、特許文献9〜11)。
このような印刷加工は、感熱紙のように、加熱の必要が無く瞬時で硬化することから、紫外線硬化型インキ(UVインキ)が用いられることが多いが、先に示したヘッドマッチング性の改善を行った保護層上に印刷加工が行われるため、インキに覆われた保護層では本来の機能が発揮されず、インキの性能によってヘッドマッチング性に問題を起こすことがしばしば発生している。
1) 支持体上に、中間層、熱により呈色する感熱発色層、並びに、結着樹脂、架橋剤、フィラー及び離型剤を含有する保護層をこの順に有し、該保護層の上に紫外線硬化型インキで印刷加工されている感熱記録材料であって、前記紫外線硬化型インキが、ラジカル重合性の二重結合を有するプレポリマー及びモノマー、紫外線によりラジカルを生成する光重合開始剤、並びに(CH3SiO3/2)n構造(nは15以上の整数)を有するシリコーン系化合物の球状粒子を含有することを特徴とする感熱記録材料。
2) 球状粒子の平均粒子径が2〜5μmであることを特徴とする1)記載の感熱記録材料。
3) シリコーン系化合物の配合割合がインキ全体量の5〜15重量%であることを特徴とする1)又は2)記載の感熱記録材料。
4) 中間層に有機中空フィラーを含有することを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載の感熱記録材料。
5) 有機中空フィラーの中空率が85%以上であることを特徴とする4)記載の感熱記録材料。
6) 保護層の結着樹脂が、反応性カルボニル基を含むポリビニルアルコールであることを特徴とする1)〜5)の何れかに記載の感熱記録材料。
7) 保護層の架橋剤がヒドラジド化合物であることを特徴とする1)〜6)の何れかに記載の感熱記録材料。
8) 保護層の離型剤が、(CH3SiO3/2)n構造(nは15以上の整数)を有するシリコーン系化合物の球状粒子であることを特徴とする1)〜7)の何れかに記載の感熱記録材料。
9) 離型剤の平均粒子径が1〜4μmであることを特徴とする8)記載の感熱記録材料。
10) 界面活性剤水溶液により離型剤を均一分散させた離型剤液を用いて作成されたことを特徴とする8)又は9)記載の感熱記録材料。
11) 1)〜10)の何れかに記載の感熱記録材料の裏面に粘着剤層を設けたことを特徴とする感熱記録ラベル。
12) 請求項1〜10の何れかに記載の感熱記録材料の裏面に、熱によって粘着性が発現する感熱粘着剤層を設けたことを特徴とする剥離紙不要感熱記録ラベル。
13) プリンターにセットするサイズに打ち抜かれ、スリットによる小巻加工仕上げが行われたことを特徴とする11)又は12)記載の感熱記録ラベル。
印刷された感熱記録材料の印刷面とサーマルヘッドが長時間接触していることで、印刷部分がヘッドに貼りつくという現象がある。また、小型ラベルプリンターやハンディターミナル用プリンターなどのモータトルクが脆弱なプリンターの場合、非印刷部分から印刷部分へと印字を行うと、印刷部分で搬送異常(搬送が止まる、短くなるなど)を起こすという現象がある。
これらは何れも、ヘッドマッチング性の改善が施された保護層上(非印刷部分)では発生しないが、保護層をインキで覆う印刷部分で発生している。また、これらはヘッドマッチング性の改善機能を備えた保護層を、改善機能の無い紫外線硬化型インキで覆ってしまうことにより発生している。
(CH3SiO3/2)n構造のn数は15以上のものを用いる。このようなシリコーン系化合物の具体例としては、信越化学社製のKMP−590、X−52−1621などが挙げられる。
シリコーン系化合物の球状粒子の平均粒子径は2〜5μmが好ましい。2μm未満では、粒子径が小さいためヘッドへの貼り付き防止性が悪く、5μmを超えると、効果はあるが、5μm以下のものと比べて磨耗量が大きくなる。
シリコーン系化合物の球状粒子の添加量はインキ全体量の5〜15重量%が好ましい。5重量%未満では効果が不十分な場合があり、15重量%を超えると、効果は得られるが、コスト負担が大きくなる。
しかし、これらの市販されている感熱紙向けの紫外線硬化型インキに対して、本発明に係る(CH3SiO3/2)n構造を有するシリコーン系化合物の球状粒子を添加すれば、改善を図ることが可能となる。
また、本発明の感熱記録材料は、高感度で精細性(ドット再現性)に優れることと、サーマルヘッドとのマッチング性という背反する特性を両立させたものであり、支持体上に中間層、感熱発色層、保護層を有している。特に中間層に有機中空フィラーを用いると、その断熱性により発色感度を向上させることができるので好ましい。
更に、有機中空フィラーの中空率は、85%以上が好ましい。なお、ここで言う中空率とは、中空粒子の内径(中空部の直径)と外径の比であり、下記式で表わされるものである。
中空率=〔(中空粒子の内径)/(中空粒子の外径)〕×100(%)
有機中空フィラーの殻となる熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、或いはそれらの共重合体樹脂が挙げられる。特に塩化ビニリデンとアクリロニトリルを主体とする共重合体樹脂が好ましい。
反応性カルボニル基含むポリビニルアルコールは、反応性カルボニル基を含むビニルモノマーと脂肪酸ビニルエステルとを共重合して得た重合体を鹸化する等の公知の方法により製造することができる。反応性カルボニル基を含むビニルモノマーとしては、エステルを含む基、アセトン基を含む基が挙げられるが、ジアセトン基を有するビニルモノマーが好ましく、具体的にはジアセトンアクリルアミドやメタジアセトンアクリルアミドが好ましい。脂肪酸ビニルエステルとしては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられるが、酢酸ビニルが好ましい。
更に、保護層には、必要に応じてこの種の感熱記録材料に慣用される補助成分、例えば界面活性剤、滑剤、圧力発色防止剤などを添加してもよい。
特に、モンタンエステルワックス、ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類、ステアリン酸アミド、パルチミン酸アミド等の脂肪酸アミド類、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等は、保護層の摩擦係数を下げることにより、走行性改善及びスティッキング改善効果が見られるので好ましい。
離型剤として該シリコーン系化合物の球状粒子を添加することにより、高湿環境下でのヘッドへの貼り付きが抑えられ、低トルクプリンターの低温低湿環境下においてもスティッキングの発生なく印字が可能となる。上記球状粒子は微粒子状固体であり、これを界面活性剤水溶液により均一分散させて用いると、一層大きな効果を発揮する。
球状粒子の平均粒子径は1〜4μmが好ましい。1μm未満では、粒子径が小さすぎるため、高温環境下でのヘッドへの貼り付きが悪く、4μmを超えると磨耗量が大きくなるため好ましくない。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチル−アミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、3−ジメチル−アミノ−5,7−ジメチル−フルオラン、3−N−メチル−N−イソブチル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−イソアミル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−{N−(3−トリフルオルメチルフェニル)アミノ}−1,6−ジエチルアミノフルオラン、2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロルアニリノ}キサンチル安息香酸ラクタム、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−N−メチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2′,4′−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、6′−クロロ−8′−メトキシベンゾインドリノスピロピラン、6′−ブロモ−3′−メトキシベンゾインドリノスピロピラン、3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−クロルフェニル)フタリド、3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−ニトロフェニル)フタリド、3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジエチルアミノフェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−メチルフェニル)フタリド、3−(2′−メトキシ−4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−ヒドロキシ−4′−クロル−5′−メチルフェニル)フタリド、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジルトリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−イソプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−エチル−7−(3−メチルアニリノ)フルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3′)−6′−ジメチルアミノフタリド、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4′−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4′,5′−ベンゾフルオラン、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−フェニルエチレン−2−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−p−クロロフェニルエチレン−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4′−ジメチルアミノ−2′−メトキシ)−3−(1″−p−ジメチルアミノフェニル−1″−p−クロロフェニル−1″,3″−ブタジエン−4″−イル)ベンゾフタリド、3−(4′−ジメチルアミノ−2′−ベンジルオキシ)−3−(1″−p−ジメチルアミノフェニル−1″−フェニル−1″,3″−ブタジエン)イルベンゾフタリド、3−ジメチルアミノ−6−ジメチルアミノフルオレン−9−スピロ−3′−(6′−ジメチルアミノ)フタリド、3,3−ビス12−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル1−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−ビス{1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル}−5,6−ジクロロ−4,7−ジブロモフタリド、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−ナフタレンスルホニルメタン、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−4−p−トリルスルホニルメタン等である。
特に、耐薬品性、とりわけ耐可塑剤性において画像残存率に優れ、高感度で地肌カブリが少なく、耐熱保存性に優れた感熱記録材料を得るためには、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランの何れかを用いることが好ましい。
2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(6−t−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4′−チオビス(6−t−ブチル−2−メチルフェノール)、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS、4,4′−チオビス(2−メチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−クロロフェノール)、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等である。
更に感熱発色層に反応性カルボニル基含むポリビニルアルコールを含有させることにより、発色阻害となる架橋剤を添加することなく感熱発色層が耐水化され(保護層の架橋剤の含浸と接触の為と考えられる)、感熱記録材料としての耐水性が向上する。
支持体としては、上質紙、古紙パルプからなる支持体(古紙パルプを50%以上使用)、合成紙、ポリエチレンフィルム、ラミネート紙等の何れも用いることができる。
(1)染料分散液(A液)の調製
次の材料をサンドミルで平均粒子径が0.5μmになるまで分散した。
・3−ジブチルアミノ−6−メチル−N−7−アニリノフルオラン 20部
・ポリビニルアルコールの10%水溶液 20部
・水 60部
(2)B液の調製
次の材料をボールミルで平均粒子径が1.0μmになるまで分散した。
・4−イソプロポキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン 30部
・シリカ 10部
・ポリビニルアルコールの10%水溶液 20部
・水 40部
(3)C液の調製
次の材料をボールミルで平均粒子径が0.6μmになるまで分散した。
・水酸化アルミニウム 100部
・ポリビニルアルコールの10%水溶液 100部
・水 100部
次の材料を混合して感熱発色層塗工液を調製した。
・A液 20部
・B液 60部
・ポリビニルアルコールの10%水溶液 30部
・ジオクチルスルホコハク酸水溶液(固形分;5%) 1部
(5)保護層塗工液の調製
次の材料を混合して保護層塗工液を調製した。
・C液 300部
・KMP−590、平均粒子径:2.0μm、信越化学社製 10部
・ジアセトン基を含むポリビニールアルコール(固形分;18%) 380部
・アジピン酸ヒドラジド水溶液(固形分;10%) 140部
・ジオクチルスルホコハク酸水溶液(固形分;5%) 1部
・モンタン酸エステルのエマルジョン(中京油脂社製 固形分;30%) 35部
・水 100部
(6)中間層塗工液の調製
次の材料を撹拌分散して、中間層塗工液を調製した。
・中空樹脂粒子(中空率90%、平均粒径3.5μm、固形分40%) 25部
・スチレン/ブタジエン共重合ラテックス(固形分濃度47.5%) 15部
・水 60部
坪量60g/m2の原紙の上に、中間層塗工液を乾燥塗布量が3.0g/m2になるように塗布乾燥し、その上に、感熱発色塗工液を染料付着量が0.54g/m2になるように塗布乾燥し、その上に保護層塗工液を乾燥付着量が1.5g/m2になるように塗布乾燥した。次いで、スーパーキャレンダーで処理し、感熱記録紙を得た。
<印刷加工の実施>
上記感熱記録紙の保護層上に、〔表1〕の各インキを用いて、インキ量が1.5g/m2になるようにRI−テスターで印刷加工し、紫外線照射により硬化させて、印刷加工済み感熱記録紙を得た。各実施例及び比較例と用いたインキとの関係は〔表2〕に示すとおりである。
・〔評価A〕高湿環境条件下での搬送性評価
各印刷加工済み感熱記録材料及びプリンター(SM−90、寺岡精工社製)を、35℃90%RHの高温高湿環境下に1時間放置して調湿したのち印字した。
印字長は、プリンターによって特定の印字パターンを印字した際の印字スタート部から印字ラスト部までの印字の長さであり、スティッキング性が優れている場合は印字パターンが正確に印字されるのに対し、スティッキング性が劣っている場合は感熱記録材料の同一部分に重複して印字され、また感熱記録材料の蛇行などが発生するため、スティッキング性が劣っている場合の印字長は、搬送性が優れている場合の印字長に比べて短くなる。よって、目視により搬送不良の有無を確認した。評価結果を纏めて表3に示す。
・〔評価B〕高湿環境条件下でのヘッド貼り付き性評価
各印刷加工済み感熱記録材料を、印刷加工部分上にサーマルヘッドが乗るようにプリンター(SM−90、寺岡精工社製)にセットし、ヘッドとプラテンロールで挟み込んだ状態で、35℃85%RHの高温高湿環境下に24時間放置したのち印字した。
貼り付きのないものは異常なく印字されるが、貼り付きのあるものは用紙が搬送されないとか、途中から搬送が始まるため印字長が短いなどの異常が確認される。よって、目視により搬送不良の有無を確認した。評価結果を纏めて表3に示す。
Claims (13)
- 支持体上に、中間層、熱により呈色する感熱発色層、並びに、結着樹脂、架橋剤、フィラー及び離型剤を含有する保護層をこの順に有し、該保護層の上に紫外線硬化型インキで印刷加工されている感熱記録材料であって、前記紫外線硬化型インキが、ラジカル重合性の二重結合を有するプレポリマー及びモノマー、紫外線によりラジカルを生成する光重合開始剤、並びに(CH3SiO3/2)n構造(nは15以上の整数)を有するシリコーン系化合物の球状粒子を含有することを特徴とする感熱記録材料。
- 球状粒子の平均粒子径が2〜5μmであることを特徴とする請求項1記載の感熱記録材料。
- シリコーン系化合物の配合割合がインキ全体量の5〜15重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の感熱記録材料。
- 中間層に有機中空フィラーを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感熱記録材料。
- 有機中空フィラーの中空率が85%以上であることを特徴とする請求項4記載の感熱記録材料。
- 保護層の結着樹脂が、反応性カルボニル基を含むポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の感熱記録材料。
- 保護層の架橋剤がヒドラジド化合物であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の感熱記録材料。
- 保護層の離型剤が、(CH3SiO3/2)n構造(nは15以上の整数)を有するシリコーン系化合物の球状粒子であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の感熱記録材料。
- 離型剤の平均粒子径が1〜4μmであることを特徴とする請求項8記載の感熱記録材料。
- 界面活性剤水溶液により離型剤を均一分散させた離型剤液を用いて作成されたことを特徴とする請求項8又は9記載の感熱記録材料。
- 請求項1〜10の何れかに記載の感熱記録材料の裏面に粘着剤層を設けたことを特徴とする感熱記録ラベル。
- 請求項1〜10の何れかに記載の感熱記録材料の裏面に、熱によって粘着性が発現する感熱粘着剤層を設けたことを特徴とする剥離紙不要感熱記録ラベル。
- プリンターにセットするサイズに打ち抜かれ、スリットによる小巻加工仕上げが行われたことを特徴とする請求項11又は12記載の感熱記録ラベル。
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