JP4913428B2 - 回路基板構造及び電気接続箱 - Google Patents

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Description

本発明は、回路基板構造及び電気接続箱に関し、特に、回路基板と端子ホルダの底面との間に空間部が形成されている回路基板構造及び電気接続箱に関する。
一般に、車両などに用いられる電気接続箱は、アッパーケースと、ロアケースと、アッパーケースとロアケースとの間に収容された回路基板とを有する。
図6は従来の回路基板構造を示す斜視図であり、(A)は端子ホルダを回路基板に取り付ける前の状態を示し、(B)は端子ホルダを回路基板に取り付けた状態を示し、図7は従来の回路基板構造を示す平面図であり、(A)は端子ホルダを回路基板に取り付ける前の状態を示し、(B)は端子ホルダを回路基板に取り付けた状態を示し、図8は図7(B)のVII−VII線断面図である。
図6及び図7に示すように、回路基板50上にはリレー51や抵抗、ダイオード、コンデンサなどの各種実装部品52が搭載され、信号制御系の電気回路や電力制御系の電気回路などの回路が形成されている。各回路には略L字状に折曲され、コネクタやヒューズなどに接続される複数の端子53が接合されている。各端子53は端子ホルダ54によって保持されている。端子ホルダ54は、ネジ56などによって回路基板50に固定されている(図8参照)。
従来の回路基板構造では、図8に示すように、端子ホルダ54の底面に凹部54aが形成され、端子ホルダ54の凹部54aと回路基板50の表面との間に、正面側と背面側とを貫通する空間部55が形成されている。この空間部55は、フロー半田処理における半田の吹き上がり性の向上、電気接続箱内の結露などによって回路基板50上に溜まった水分の水抜き、回路基板50に生じる反りの吸収などの役割を果たしている(以下、この技術を従来例1という)。
また、特許文献1には、直交する3方向に突出したコネクタを有し、基底部から水平方向に延びたコネクタと基板との間の空間部に電子部品を実装したコネクタ装置が開示されている(以下、この技術を従来例2という)。
さらに、特許文献2には、インシュレータと、そのインシュレータに固定された複数のコンタクトと、複数のコンタクトの端子部を整列させるための整列板(ロケータ)とを備え、整列板には、複数のコンタクトの端子部を挿入させる複数の孔が形成されているコネクタが開示されている。特許文献2の明細書の段落0018には、コネクタの下方に電子部品を搭載する旨が記載されている(以下、この技術を従来例3という)。
特開平8−96902号公報 特開2002−42935号公報
コネクタ用端子ホルダなどの端子ホルダは、基板上に実装する実装部品の中でも占有面積が大きい部品であり、回路基板の高密度化を阻害する一因となっていた。また、抵抗、ダイオード、コンデンサなどの高さの低い低背部品は、回路基板に形成される回路パターンの配策自由度を詐害する一因となっており、入出力部となる端子付近に配置することが望ましい。
そこで、端子ホルダの底面と基板の表面との間に形成されている空間部を有効利用することが考えられる。
しかし、従来例1の空間部55の高さH2は、前述した役割を果たせばよいため、通常、回路基板50の表面から約1.5mm程度と低く、このような狭い空間部55内の回路基板50上に抵抗、ダイオード、コンデンサなどの低背部品を実装することは、実際上困難であった。
従来例2では、電子部品を実装する空間部は、基底部から水平方向に延びたコネクタと基板との間に形成されるものであり、基底部の底面を貫通する空間部は形成されていない。従って、従来例2の構造では、回路基板の高密度化を図ることは困難である。
従来例3では、どのような状態でコネクタの下方に電子部品が搭載されているのかについて明細書及び図面に明確に開示されていない。また、インシュレータの底面に整列板(ロケータ)が入り込むように構成されているので、その分、インシュレータの底面と基板との間のスペースが狭くなり、実装可能な電子部品が限定されてしまうという課題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、回路基板の高密度化及び回路基板に形成される回路パターンの配策自由度を向上させることができる回路基板構造及び電気接続箱を提供することを目的とする。
本発明の回路基板構造は、回路基板と、その回路基板に取り付けられた端子と、その端子を保持し、前記回路基板の周縁部に配置された端子ホルダとを有する回路基板構造において、
前記回路基板と前記端子ホルダの底面との間に、前記端子ホルダの正面側と背面側とを貫通する空間部が形成され、
前記空間部内の回路基板上には、信号制御系の電気回路に用いられる低背部品が入出力部となる前記端子付近に配置され、
前記回路基板の中央部に電力制御系の電気回路が配置されている、
ことを特徴とするものである。
前記端子ホルダは前記回路基板上に設けられ、その底面に前記空間部を構成する凹部が形成されていてもよい。
前記端子ホルダは、例えば、コネクタ用端子ホルダである。
前記低背部品は、発熱部品であってもよい。
本発明の電気接続箱は、上記回路基板構造を備えた基板組立体と、前記基板組立体を固定して収納するケースとを有することを特徴とするものである。
本発明の実施形態例に係る回路基板構造によれば、回路基板と端子ホルダの底面との間に、端子ホルダの正面側と背面側とを貫通する空間部が形成され、その空間部内の回路基板上に低背部品が設置されているので、回路基板の高密度化を向上させることができる。
また、低背部品を入出力部となる端子付近に配置することになるので、回路基板上の回路パターンの配策自由度を向上させることができる。
本発明の実施形態例に係る電気接続箱によれば、高密度化された上記回路基板構造を備えた基板組立体がケース内に収納されているので、電気接続箱の機能性が向上する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態例に係る回路基板構造を示す斜視図であり、(A)は端子ホルダを回路基板に取り付ける前の状態を示し、(B)は端子ホルダを回路基板に取り付けた状態を示し、図2は、本発明の実施形態例に係る回路基板構造を背面側から見た斜視図、図3は、本発明の実施形態例に係る回路基板構造を示す平面図であり、(A)は端子ホルダを回路基板に取り付ける前の状態を示し、(B)は端子ホルダを回路基板に取り付けた状態を示し、図4は、図3(B)のIII−III線断面図である。
図1〜図3に示すように、回路基板1上にはリレー2や、抵抗、ダイオード、コンデンサ、半導体部品などの各種実装部品3が搭載され、信号制御系の電気回路や電力制御系の電気回路などの回路が形成されている。各回路には略L字状に折曲され、コネクタに接続される複数の端子4が接合されている。各端子4は回路基板1に取り付けられた端子ホルダ5によって保持されている。端子ホルダ5の正面側には端子4の先端部を囲み、コネクタが嵌合される中空の嵌合部6が設けられている。
端子ホルダ5は、ネジ12などによって回路基板1に固定されている(図4参照)。
本発明の実施形態例に係る回路基板構造では、図4に示すように、端子ホルダ5の底面に凹部5aが形成され、端子ホルダ5の凹部5aと回路基板1の表面との間に、正面側と背面側とを貫通する空間部7が形成され、その空間部7は、空間部7内の回路基板1上に抵抗、ダイオード、コンデンサなどの低背部品3aを実装することが可能な大きさに形成されている。
空間部7の高さH1は、低背部品3aの高さとの関係から、回路基板1の表面から3mm以上15mm以下の範囲内(好ましくは5mm程度)に設定される。
逆に、低背部品3aは、空間部7内に収納される実装部品であれば、どのようなものでもよい。
また、端子ホルダ5の底面に複数の凹部5aを形成することにより、複数の空間部7を形成してもよい。
空間部7は、従来形成されていた空間部7と同じように、フロー半田処理における半田の吹き上がり性の向上、電気接続箱内の結露などによって回路基板1上に溜まった水分の水抜き、回路基板1に生じる反りの吸収などの役割も果たしている。
端子ホルダ5としては、コネクタ用端子ホルダだけでなく、ヒューズ端子を保持するヒューズ用端子ホルダなどにも適用される。
また、空間部7内に実装される低背部品3aは、信号制御系の電気回路に用いられる部品であるのが好ましい。これによって、信号制御系の電気回路に用いられる部品を回路基板1の周縁部付近に配置し、広いパターン幅を必要とする電力制御系の電気回路を回路基板1の中央部に配置することができるので、回路基板1の高密度化を向上させることができる。
また、空間部7内に実装される低背部品3aは、半導体部品のような発熱部品であってもよい。この場合には、端子ホルダ5は、コネクタ用端子ホルダであるのが好ましい。これは、発熱部品からの熱を、コネクタ用端子ホルダに接続されたコネクタの電線(ワイヤーハーネス)を介して放熱できるからである。
本発明の実施形態例に係る回路基板構造によれば、回路基板1と端子ホルダ5の底面との間に、端子ホルダ5の正面側と背面側とを貫通する空間部7が形成され、その空間部7内の回路基板1上に低背部品3aが設置されているので、回路基板1の高密度化を向上させることができる。
また、低背部品3aを入出力部となる端子付近に配置することになるので、回路基板1上の回路パターンの配策自由度を向上させることができる。
図5は、本発明の実施形態例に係る電気接続箱を示す断面図である。図5に示すように、本発明の実施形態例に係る電気接続箱8は、樹脂などで作られ、互いに結合されたアッパーケース9及びロアケース10と、アッパーケース9及びロアケース10内に収納され、前述した本発明の実施形態例に係る回路基板構造を備えた基板組立体11とを有する。
本発明の実施形態例に係る電気接続箱8によれば、高密度化された上記回路基板構造を備えた基板組立体11が、アッパーケース9及びロアケース10内に収納されているので、電気接続箱8の機能性が向上する。
本発明は、上記実施の形態に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内において、種々の変更が可能である。
例えば、端子ホルダ5は、回路基板1との間に空間部7が形成されていれば、必ずしも回路基板1に取り付けられている必要はなく、例えば、ロアケース10などに固定されていてもよい。
本発明は、例えば車両などに搭載される電気接続箱に利用される。
本発明の実施形態例に係る回路基板構造を示す斜視図であり、(A)は端子ホルダを回路基板に取り付ける前の状態を示し、(B)は端子ホルダを回路基板に取り付けた状態を示す。 本発明の実施形態例に係る回路基板構造を背面側から見た斜視図である。 本発明の実施形態例に係る回路基板構造を示す平面図であり、(A)は端子ホルダを回路基板に取り付ける前の状態を示し、(B)は端子ホルダを回路基板に取り付けた状態を示す。 図3(B)のIII−III線断面図である。 本発明の実施形態例に係る電気接続箱を示す断面図である。 従来の回路基板構造を示す斜視図であり、(A)は端子ホルダを回路基板に取り付ける前の状態を示し、(B)は端子ホルダを回路基板に取り付けた状態を示す。 従来の回路基板構造を示す平面図であり、(A)は端子ホルダを回路基板に取り付ける前の状態を示し、(B)は端子ホルダを回路基板に取り付けた状態を示す。 図7(B)のVII−VII線断面図である。
符号の説明
1:回路基板
2:リレー
3:実装部品
3a:低背部品
4:端子
5:端子ホルダ
5a:凹部
6:嵌合部
7:空間部
8:電気接続箱
9:アッパーケース
10:ロアケース
11:基板組立体
12:ネジ

Claims (4)

  1. 回路基板と、その回路基板に取り付けられた端子と、その端子を保持し、前記回路基板の周縁部に配置された端子ホルダとを有する回路基板構造において、
    前記回路基板と前記端子ホルダの底面との間に、前記端子ホルダの正面側と背面側とを貫通する空間部が形成され、
    前記空間部内の回路基板上には、信号制御系の電気回路に用いられる低背部品が入出力部となる前記端子付近に配置され、
    前記回路基板の中央部に電力制御系の電気回路が配置され
    前記端子ホルダは、コネクタ用端子ホルダであり、
    前記低背部品は、発熱部品であり、
    前記端子は、略L字状に折曲され、一方の端部が前記回路基板に取り付けられ、他方の端部が前記回路基板の端部より外側に延びて配置され、コネクタに接続される、
    ことを特徴とする回路基板構造。
  2. 前記端子ホルダは前記回路基板上に設けられ、その底面に前記空間部を構成する凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回路基板構造。
  3. 前記空間部の高さは、前記回路基板の表面から3mm以上15mm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1又は2に記載の回路基板構造。
  4. 請求項1乃至のいずれか1つの項に記載の回路基板構造を備えた基板組立体と、
    前記基板組立体を固定して収納するケースと、
    を有することを特徴とする電気接続箱。
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