JP4259196B2 - 表面実装コネクタを備えたプリント基板および該プリント基板を収容した電気接続箱 - Google Patents

表面実装コネクタを備えたプリント基板および該プリント基板を収容した電気接続箱 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面実装コネクタを搭載したプリント基板およびプリント基板を収容した電気接続箱に関し、特に、プリント基板の導体と、コネクタに突出させる端子材との接続構造を改良するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車に搭載される電気接続箱は、図7に示すように、電気接続箱1のケース2内に内部回路配索材としてプリント基板3を収容するものが増加している。この場合、プリント基板3の導体部分に穿設した端子孔に端子4を挿入し、その突出端を半田6で導体と接続すると共に、該端子4をケース2に形成されたコネクタ収容部5に突出させている。
【0003】
【特許文献】
特開平11−45747号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成では、導体に端子孔を設ける必要がある。近年の自動車の高機能化に伴いプリント基板への実装部品が増加しているため、プリント基板3の両面に導体を設けている場合が多い。この場合、導体に端子孔4を穿設して端子材を挿通させて半田づけする構成とすると、裏面側の導体のパターンも規制を受けることとなり、高密度のパターン化が困難となり、プリント基板の層数を増加させなければならず電気接続箱が大型化し、車載スペースの減少に伴う電気接続箱の小型化の要請に反することになる。
かつ、プリント基板3の裏面側から半田付けする作業が必要となり、作業性が悪いという問題もある。
さらに、上記導体と接続した端子材をコネクタ収容部に突出させ外部回路とコネクタ接続させれる場合、コネクタ収容部の位置まで導体を延長させて端子材と接続しなければならず、導体の配索パターンが長くなり、多数の回路を設けることができなくなる問題もある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、プリント基板の導体と、コネクタに突出させる端子材との接続構造を改良し、コネクタとの接続構造を改良し、て接続作業を容易化すると共に、回路配索の自由度が高く高密度配索が可能なプリント基板およびプリント基板を収容した電気接続箱の提供を課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、水平接続部に水平屈折部を介して垂直方向のタブを設けた左右一対の端子材と、該端子材を固定する樹脂ブロックとからなる表面実装コネクタを設け、
上記樹脂ブロックは、組み合わせて垂直断面が矩形状となる第1ブロック材と第2ブロック材とから形成し、該第1ブロック材は先端側突出部を有するT字形状とすると共に、第2ブロック材は第1ブロック材の左右の上記先端側突出部の底面側に形成される凹部にそれぞれ嵌合させるものとし、
上記第1ブロック材の左右の先端側突出部の底面と第2ブロック材の先端面との間で、上記端子材の水平屈折部を挟持して固定すると共に、該第1ブロック材に穿設した端子孔より上記左右の端子材のタブを通して第1ブロックの外面より突出させ、かつ、上記水平接続部は第2ブロックの底面と同一平面に位置させ、
上記表面実装コネクタを基板の表面に搭載して、上記端子材の水平接続部を基板表面の導体と半田で接続すると共に、上記タブをコネクタ接続で他の回路と接続する構成としているプリント基板を提供している。
【0007】
上記構成により、プリント基板の導体表面側に直接に端子材を半田付けすることができるため、プリント基板を貫通する端子孔が不要となり、回路配索への制約が減少すると共に、プリント基板の表裏両面において回路配索面積を十分に確保でき、高密度回路形成が可能となる。かつ、裏面から半田付けする必要がなくなる。
さらに、上記端子材のタブの基端部を樹脂ブロックに埋設することにより、相手方となるコネクタ端子と該タブとを挿入接続する際、該樹脂ブロックが端子材のタブを支持し、該タブの変形や半田付け部の破損を防止して、電気接続信頼性を向上させることができる。
【0008】
上記端子材、上記垂直方向のタブの基端より水平方向に屈折させた上記水平屈折部を設け、該水平屈折部の先端より基板側に屈折させた略垂直屈折部を備え、該略垂直屈折部の基端に上記水平接続部を備えた形状とし、該水平接続部は上記ブロックの底面と同一平面に位置させている。
端子材を上記形状とすることにより、該端子材でコネクタ接続する導体がコネクタ接続位置からある程度離隔している場合でも、上記水平屈折部を伸張することにより配索可能となる。
【0009】
上記樹脂ブロックには、対称形状とした上記左右一対の端子材を対向させてタブの基端部を埋設し、上記ブロックの左右両側に上記水平屈折部を突出させると共に、該ブロックの上面あるいは下面からなる先端面より上記タブを一定ピッチで突出させている。
あるいは、上記ブロックに上記左右一対の端子材のタブの基端部を埋設し、これら端子材の屈折部と直交方向に位置する屈折部を有する他の端子材のタブの基端部を埋設し、該他の端子材のタブを上記左右一対の端子材のタブと並列させて上記ブロックより突出させてもよい。
【0011】
上記のように、第1ブロック材第2ブロック材とで構成すると、端子材を樹脂ブロック内にモールドする作業が不要となるうえ、端子材とブロックとを着脱自在に組みつけることが出来るため、設計変更等への対応が容易となると共に、ブロックの再利用性や汎用性を高めることができる。
【0013】
さらに、本発明は、上記プリント基板をケース内部に収容し、該ケースの外面に設けたコネクタ収容部あるいはケース内部の仕切壁に設けたコネクタ収容部に上記実装部品の端子材のタブを突出させ、該タブをコネクタ収容部に嵌合されるコネクタ内の端子と嵌合させて電気接続させていることを特徴とする電気接続箱も提供している。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図3は、本発明の参考第一実施形態に係る電気接続箱10を示し、該電気接続箱10は自動車用ワイヤハーネス(図示せず)に接続され、アッパーケース11とロアケース12の内部に、プリント基板21、22、およびバスバー25〜28を収容している。
【0015】
詳しくは、図2(A)(B)に示すように、2枚の上記プリント基板21、22は、ケース内部に収容したプリント基板保持ケース13の周壁13a上下両端に固定し、その間に周壁13aの中間位置より突設した仕切壁13bを介在させ、上下に間隔をあけて取り付けている。また、バスバー25〜28は、絶縁板を挟んで上下4層に積層している。ロアケース12内には、まず、プリント基板21、22を取り付けた上記プリント基板保持ケース13が収容され、その上部にスペースを設けるバスバー支持ケース15が載置され、その上に絶縁板を介在させながらバスバー25〜28を積層している。
【0016】
上記アッパーケース11の上面には、コネクタ収容14、リレー収容部17、ヒューズ収容部18を設けている。また、ロアケース12の下面には複数のコネクタ収容部19を設けている。
【0017】
上記プリント基板21、22のうち、下位置のプリント基板22は上下両面に導体を設け、上面側の導体と接続させて電子部品Eを実装していると共に、下面側の導体23の表面に、該導体23と接続する端子材41と該端子材41を保持する樹脂ブロック51とからなる表面実装コネクタ30を下向きに取り付けている。
【0018】
図3に示すように、上記表面実装コネクタ30は、ロアケース12の下面に形成された上記コネクタ収容部19の端子孔19aより上記端子材41のタブ42を突出させ、該コネクタ収容部19に嵌合されるコネクタ20の端子20aと嵌合接続させている。
【0019】
詳しくは、端子材41は、導体23の表面に載置する水平接続部46と、垂直方向のタブ42とを屈折部43を介して連続形成している。該屈折部43は倒L形状で、上記タブ42の基端より水平方向に屈折させた水平屈折部44と、該水平屈折部44の先端よりプリント基板側に屈折させた略垂直屈折部45とからなり、該略垂直屈折部45の基端に上記水平接続部46を備えた形状としている。
【0020】
上記樹脂ブロック51は図2(A)(B)および図3に示すように、対称形状とした左右一対の上記端子材41を対向させて、それぞれのタブ42の基端部を該樹脂ブロック51内にモールドして、一体成形している。該樹脂ブロック51の左右両側からは、左右端子材41の上記水平屈折部44をそれぞれ突出させると共に、該樹脂ブロック51の先端面51aからは、即ち、図示例において下面からは、上記各タブ42を一定ピッチで下方へ突出させている。また、左右の端子材41の水平接続部46は、樹脂ブロック51の底面51bと同一平面に位置させている。
【0021】
端子材41および樹脂ブロック51からなる表面実装コネクタ30は、端子材41の水平接続部46をプリント基板22の導体23に半田付けAで接続している。
さらに、樹脂ブロック51の底面51bにはネジ溝を形成したネジ孔61を設け、プリント基板22にはネジ溝を形成した取付孔62を穿設し、該プリント基板22の上面から螺子60を上記取付孔62およびネジ孔61に螺合して、実装部品30をプリント基板22の所定位置にネジ締め固定している。
なお、樹脂ブロック51と一体化した端子材41と導体と半田付けで固定しているため、小型の樹脂ブロックでは必ずしもネジ締め固定する必要はない。また、基板と樹脂ブロック51との間に凹凸嵌合部を設けて保持しても良い。
【0022】
上記構成からなる表面実装コネクタ30を設けると、端子材41をプリント基板22の導体23の表面側から半田付けすることができるため、プリント基板22に無数の端子孔を設ける必要がなく、プリント基板22上の回路配索面積が狭められず、全面積を有効利用することができる。さらに、上記端子材41設けられた屈折部43により、離れた位置にある導体とも接続可能であると共に、他の導体を越えて接続することも可能となり、プリント基板22の導体の配索パターンの自由度を高めることができる。
さらに、端子材41のタブ42の基端部を樹脂ブロック51に埋設し、樹脂ブロック51の底面51bと端子材41の水平接続部46とを同一平面に位置させることにより、コネクタ端子との嵌合時に端子材41のタブ42の沈み込みや変形を防止できる。かつ、表面実装コネクタ30をプリント基板22にネジ締め固定することにより、半田付け部分の信頼性を高めることができる。
【0023】
上記表面実装コネクタ30は、図4(A)(B)に示す変形例のように、樹脂ブロック51に3本の端子材41(41a、41b、41c)を樹脂モールドした表面実装コネクタ31とすることもできる。
【0024】
詳しくは、3本の端子材41のうち、左右一対の端子材41a、41bは対称形状とし、端子材41aのタブ42aの基端部は樹脂ブロック51の図中左寄りの位置に、端子材41bのタブ42bの基端部は樹脂ブロック51の図中右寄りの位置に埋設し、中央に位置する他の端子材41cは、端子材41a、41bの屈折部43a、43bと直交方向の屈折部43cを有し、該端子材41a、41bとの中間位置にタブ42cの基端部を樹脂ブロック51に埋設している。
該樹脂ブロック51の先端面51aからは、端子材41a、41b、41cのタブ42a、42b、42cが3段で並列して突出する。また、樹脂ブロック51の左右両側面51c、51dから、端子材41aの水平屈折部44aと端子材41bの水平屈折部44bとをそれぞれ突出させると共に、端子材41cの水平屈折部44cは樹脂ブロック51の上記左右両側面51c、51dと直交する一側面51eから突出させている。
【0025】
図5(A)(B)および図6(A)(B)は、本発明の実施形態に係る表面実装コネクタ32を示し、樹脂ブロック52が参考第一実施形態の樹脂ブロック51の構成と異なり、それに伴い、端子材41の埋設方法も相違するが、他の点では同一構成であるため同一符号を付して説明を省略する。
【0026】
上記樹脂ブロック52は、いずれも樹脂成形品からなる第1ブロック材53、と一対の第2ブロック材54からなり、左右一対の端子材41を後組みつけで埋設している。
上記第1ブロック材53は、先端面53a側で左右に突出部53b、53cを有するT字形状とし、これら左右の突出部53b、53cには、それぞれの底面53d、53eから先端面53aにかけて貫通する左右一対の端子孔53h、53iを穿設している。突出部53b、53cの底面53d、53eには、端子孔53h、53iの下端から突出部53b、53cの端部にかけて端子ガイド溝53j、53kを設けている。また、第2ブロック材54は、上記第1ブロック材53の突出部53b、53cの底面53d、53e側に形成される凹部53f、53gにそれぞれ嵌合させて、第1、第2ブロック材53、54を組み合わせるとブロック52全体の垂直断面が矩形状となる形状としている。第2ブロック材54の先端面54aには、第1ブロック材53の端子ガイド溝53j、53kに対向する位置に同様の端子ガイド溝54bを設けている。
【0027】
上記構成の樹脂ブロック52に一対の端子材41を埋設するときは、第1ブロック材53に穿設した端子孔53h、53iにタブ42を通して先端面53aから突出させ、第1ブロック材53の左右の突出部53b、53cの端子ガイド溝53j、53kと第2ブロック材54の端子ガイド溝54bとの間で、上記左右一対の端子材41の水平屈折部44をそれぞれ挟持させる。また、樹脂ブロック52全体の左右側面52aの、第1、第2ブロック材53、54の接合部から、各端子材41の上記水平屈折部44を突出させている。さらに、端子材41の水平接続部46は、第1、第2ブロック材53、54からなる樹脂ブロック52の底面52bと同一平面に位置させている。
【0028】
上記構成の表面実装コネクタ32をプリント基板22の導体23の表面に実装するときは、図6(A)(B)に示すように、所定位置に左右一対の第2ブロック材54を基板表面に下向きに接着固定し、端子材41のタブ42を挿入した第1ブロック材53を、この左右第2ブロック材54の間に下方から嵌め、左右の端子材41の水平屈折部44を第1、第2ブロック材53、54とで挟持した状態で、左右の水平接続部46を導体23に半田(A)を付けている。
【0029】
上記構成の表面実装コネクタ32を使用すると、端子材41の樹脂ブロック52へのモールド作業が不要となり、第2ブロック材54を予め基板に接着固定することにより、第1ブロック材53を嵌合させるためのガイドとしての役割を果たすことができる。また、端子材41を樹脂ブロック52から容易に取り外すことができるため、設計変更等に柔軟に対応できると共に、部品の再利用性や汎用性を高めることができる。
【0030】
なお、本発明は上記実施形態に限定するものではない。表面実装コネクタから突出するタブは、電気接続箱のケース内部の仕切壁に形成されたコネクタ収容部に嵌合されるコネクタ内の端子と嵌合接続してもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、プリント基板の導体表面に端子材を半田付けすることができる。よって、従来はプリント基板に無数に穿設していた端子孔が不要となるため、プリント基板面積を回路配索面積として有効利用できる。さらに、端子材に屈折部を設けることにより、ある程度離隔した位置の導体との接続を、回路板上のパターン形成に影響を与えることなく行うことができるため、回路配索への制約が減少し、高密度回路形成が可能となる。
【0032】
さらにまた、端子材のタブの基端部をブロックに埋設することにより、相手方端子と該タブとの嵌合接続する際、該タブの沈み込みを防ぎ、該タブの変形や半田付け部の破損を防止して、接続部の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考第一実施形態に係る電気接続箱を示し、(A)は平面図であり、(B)は底面図である。
【図2】(A)は図1に示す電気接続箱の断面図であり、(B)は要部拡大断面図である。
【図3】図2に示す実装部品の全体斜視図である。
【図4】本発明の参考第一実施形態の変形例に係る実装部品を示し、(A)は全体斜視図であり、(B)は上面図である。
【図5】本発明の実施形態の要部を示し、(A)は実装部品の分解斜視図であり、(B)は実装部品の正面図である。
【図6】(A)(B)は、図5に示す実装部品をプリント基板に取り付ける作業手順を示す断面図である。
【図7】従来例の図である。
【符号の説明】
10 電気接続箱
11 アッパーケース
12 ロアケース
19 コネクタ収容部
21、22 プリント基板
23 導体
30〜32 表面実装コネクタ
41 端子材
42 タブ
43 屈折部
44 水平屈折部
46 水平接続部
51、52 樹脂ブロック
53 第1ブロック材
54 第2ブロック材
60 ネジ

Claims (2)

  1. 水平接続部に水平屈折部を介して垂直方向のタブを設けた左右一対の端子材と、該端子材を固定する樹脂ブロックとからなる表面実装コネクタを設け、
    上記樹脂ブロックは、組み合わせて垂直断面が矩形状となる第1ブロック材と第2ブロック材とから形成し、該第1ブロック材は先端側突出部を有するT字形状とすると共に、第2ブロック材は第1ブロック材の左右の上記先端側突出部の底面側に形成される凹部にそれぞれ嵌合させるものとし、
    上記第1ブロック材の左右の先端側突出部の底面と第2ブロック材の先端面との間で、上記端子材の水平屈折部を挟持して固定すると共に、該第1ブロック材に穿設した端子孔より上記左右の端子材のタブを通して第1ブロックの外面より突出させ、かつ、上記水平接続部は第2ブロックの底面と同一平面に位置させ、
    上記表面実装コネクタを基板の表面に搭載して、上記端子材の水平接続部を基板表面の導体と半田で接続すると共に、上記タブをコネクタ接続で他の回路と接続する構成としているプリント基板。
  2. 請求項1に記載のプリント基板をケース内部に収容し、該ケースの外面に設けたコネクタ収容部あるいはケース内部の仕切壁に設けたコネクタ収容部に上記表面実装コネクタの端子材のタブを突出させ、該タブをコネクタ収容部に嵌合されるコネクタ内の端子と嵌合させて電気接続させていることを特徴とする電気接続箱
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