JP4912447B2 - 合金型温度ヒューズ - Google Patents

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本発明は、合金型温度ヒューズに関するものである。
二次電池、例えばリチウムイオン電池の過熱保護に使用される合金型温度ヒューズにおいては、小サイズ化が要求され、その小サイズ温度ヒューズとして、帯状リード導体間に低融点合金片を接続し、低融点合金片にフラックスを塗布し、該フラックス塗布低融点合金片を上下の絶縁フィルムで封止したものが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
合金型温度ヒューズの動作機構は、温度ヒューズが取り付けられた被保護機器の過熱で低融点合金片が溶融され、その溶融合金が各リード線端部に濡れ拡がり、中央が分断され、フラックスの活性作用のバックアップのもとで表面張力により球状化が促進され、分断間の距離が増大されて通電が遮断されることにある。
而るに、前記の温度ヒューズでは、低融点合金片の両側に空間を設け、その空間のリード導体部分に溶融合金を濡れ拡げさせることが必要であり、それらの空間による温度ヒューズ本体部のサイズアップが避けられない。
本発明の目的は、合金型温度ヒューズにおいて、低融点合金片両側の空間を排除するにもかかわらず良好な作動性を保証し、充分に小サイズ化を図ることにある。
請求項1に係る合金型温度ヒューズは、扁平リード導体の表面端部間に、上面が両端部に至るほど接線角が大とされた凸曲面状に凝固形成させ、かつリード導体の端部に溶接させた低融点合金片上にフラックスを塗布し、このフラックス塗布低融点合金片をフィルムで挾み、これらの間を接着剤で埋めた温度ヒューズであって、低融点合金片両端のそれぞれに隣接するリード導体表面部分にリード導体表面の濡れ性に対し濡れ性の悪い濡れ拡がり防止層を設けて前記の凝固低融点合金片の各端を前記濡れ拡がり防止層の先端に終端させその凝固が溶湯の表面張力とリード導体表面の表面張力とが平衡するまえの段階でなされており、前記低融点合金片の中央部に切り込みが設けられていることをたことを特徴とする。
請求項2に係る合金型温度ヒューズは、請求項1の合金型温度ヒューズにおいて、低融点合金の組成がSn、InまたはBiを主成分とし、濡れ拡がり防止層の材質がNi、Fe、Co、Cr、W、Nb、Tiの何れかであることを特徴とする。
請求項3に係る合金型温度ヒューズは、請求項1の合金型温度ヒューズにおいて、濡れ拡がり防止層が導体の酸化膜であることを特徴とする。
請求項4に係る合金型温度ヒューズは、請求項1〜3何れかの合金型温度ヒューズにおいて、両リード導体先端の端面間のスペースに低融点合金の一部を入り込ませ、この入り込み合金の裏面にもフラックスを塗布したことを特徴とする。
請求項5に係る合金型温度ヒューズは、請求項1〜4何れかの合金型温度ヒューズにおいて、前記低融点合金片の各端と前記接着剤層の各内端との間の距離が0または±0.3mm以下であることをたことを特徴とする。
請求項6に係る合金型温度ヒューズは、扁平リード導体基材を所定のギャップ間隔を隔てて作業台上に配設し、前記ギャップ及び両リード導体基材端部にわたって低融点合金の溶湯を供給し、その溶湯の表面張力とリード導体基材表面の表面張力とが平衡するまえの段階で冷却凝固させると共に各リード導体基材の端部と凝固合金との間を溶接させ、その凝固時の濡れ拡がりは、各リード導体基材表面に設けられた濡れ拡がり防止層の先端で終端されており、次いで短冊状に切断することにより、請求項1〜5何れかの合金型温度ヒューズにおける、リード導体付き低融点合金片が製作されていることを特徴とする。
図1の(イ)及び(ロ)は本発明において使用するリード導体付き低融点合金片を示している。
図1の(イ)に示すものでは、扁平リード導体1,1の端部間に所定量の低融点合金の溶湯を配給し、表面開放の充分に速い冷却速度のもとで冷却して溶湯の表面張力とリード導体表面の表面張力と溶湯とリード導体表面との間の界面張力とが力学的に平衡していない段階で冷却凝固させて低融点合金片2を形成してあり、不平衡力が蓄えられている。再溶融すると、不平衡力が解放され、溶融合金が拡がろうとする。
図1の(ロ)に示すものでは、リード導体先端から所定の距離の位置を先端とする、濡れ角が90°以上の濡れ拡がり防止層sを設け、溶湯が濡れ拡がり防止層の先端を越えて濡れ拡がるのを防止してあり、他の点は、図1の(イ)に示すものと同じである。
前記「不平衡力が蓄えられた低融点合金片」に代え、リード導体の表面端部間に低融点合金の溶湯を配給し、開放冷却のもとで濡れ拡げさせ凝固させた低融点合金片を使用することもでき、クローズされた後述のフラックス充填空間a内での再溶融では、開放冷却に較べて冷却が遅く進行し凝固にそれだけ長い時間を必要とするから、再溶融により拡がろうとする。
図1の(ハ)及び(ニ)は、温度ヒューズ本体部を示し、図1の(イ)及び(ロ)の凝固可溶合金片がフラックス充填空間aで封じられており、外部からの加熱で可溶合金が溶融されると、前記蓄えられた不平衡力が解放され、→方向に引っ張り力が作用し、中央箇所が分断され、各分断塊が表面張力により球状化され、分断間距離が増大されて温度ヒューズの作動が完結され、良好な作動性を保証できる。
本発明に係る合金型温度ヒューズでは、図1の(ロ)に示すように、低融点合金片両端のそれぞれに隣接するリード導体表面部分にリード導体表面の濡れ性に対し濡れ性の悪い濡れ拡がり防止層sを設けて前記低融点合金片2の各端を前記濡れ拡がり防止層sの先端に終端させており、低融点合金片2の長さLを確実に所定長さにできる、低融点合金片両側の空間を排除するにもかかわらず良好な作動性を保証できる、という効果がある。
本発明に係る合金型温度ヒューズの機能を示すための図面である。 本発明において使用するリード導体付き低融点合金片を示す図面である。 前記リード導体付き低融点合金片の中央部を示す図面である。 リード導体付き低融点合金片の前記とは別の例を示す図面である。 本発明において使用するリード導体付き低融点合金片の製作方法を示す図面である。 本発明に係る合金型温度ヒューズを示す斜視図である。 図4−1におけるイ−イ断面図である。 本発明に係る合金型温度ヒューズの作動状態を示す図面である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例について説明する。
図2は本発明において使用するリード導体付き低融点合金エレメントを示す図面である。
図2−1において、1,1は帯状リード導体であり、例えば、銅導体を使用できる。
2は低融点合金エレメントであり、上面は両端部に至るほど接線角を大きくした曲面とされ、中間部の一部20を対向するリード導体先端々面11,11間に図2−2に示すように入り込ませ、両端部21,21のそれぞれが各帯状リード導体端部10,10の上面に溶接されている。
低融点合金エレメントの対向するリード導体先端々面間への入り込み体積は低融点合金エレメント全体積の10〜20%である。図2−1に示するように、入り込み部分20の下面と帯状リード導体1,1の下面とをほぼ面一にすることもできる。
前記の温度ヒューズ用リード導体付きエレメントを製造するには、図3に示すように、先端から所定の距離を隔てた位置を先端として濡れ拡がり防止層sを設けた扁平リード導体基材100,100を所定の定のギャップ間隔を隔てて耐熱性の作業台A、例えばステンレス台上に配設し、この基材100,100間に低融点合金線材を供給しつつはんだごてで溶融するか、溶融低合金を走行ノズルで供給することにより、ギャップ及びリード導体基材端部にまたがって低融点合金の溶湯200を供給する。
溶湯200は供給と同時にリード導体基材100,100の高熱伝導経路を経ての放熱により冷却され、リード導体基材端部に近い部分ほど速い冷却速度で冷却されて凝固が進行していく。
仮に、溶湯の表面張力とリード導体表面の表面張力と溶湯とリード導体表面との間の界面張力とが力学的に平衡するまで溶融状態を保持し、この状態で冷却凝固させると、再溶融しても濡れ拡がりは生じない。
而るに、この力学的平衡に達する以前に溶湯を冷却凝固させれば、再溶融すると濡れ拡がりが生じる。すなわち、凝固低融点合金エレメントに不平衡力を保有させ得る。
しかしながら、この方法では、凝固低融点合金エレメントの端位置にバラツキが生じ易く、凝固低融点合金エレメントが所定長より長くなり、温度ヒューズにおいてエレメント端が後述の接着剤のシール界面に食い込んでシール性に悪影響を及ぼすことがある。
そこで、本発明では、扁平リード導体基材に、先端から所定の距離を隔てた位置を先端とする濡れ拡がり防止層sを設け、溶湯を濡れ拡がり防止層の先端を越えることなく濡れ拡がらせることを確保して凝固させている。
この供給低融点合金溶湯の凝固の完了をまって短冊状にカットし、「凝固低融点合金エレメントに不平衡力を保有させたリード導体付き低融点合金エレメント」を得ている。
低融点合金溶湯の材質としては、In、Bi、Snを主成分とする組成、これらの合金に機械的強度の向上や温度特性の調整のためにCu、Ag、Sb、Zn等の元素を0.1〜4.0質量%添加したものを使用できる。
上記リード導体基材の熱伝導経路を得ての放熱による冷却速度を調整するために、ギャップの裏側を保温したり、リード導体基材をエアブローしたり、リード導体基材を熱伝導性の部材で支持したりすることができる。
前記製造方法により得られた温度ヒューズ用リード導体付きエレメントにおいては、図2−2に示すように、対向するリード導体先端々面11,11間に低融点合金エレメントの一部20が入り込んでいる。
低融点合金には、例えば、次ぎの組成[A](1)43%Sn≦70%,0.5%≦In≦10%,残Bi、(2)25%≦Sn≦40%,50%≦In≦55%,残Bi、(3)25%Sn≦44%,55%In≦74%,1%≦Bi20%、(4)46%Sn≦70%,18%≦In48%,1%≦Bi≦12%、(5)5%≦Sn≦28%,15%≦In≦37%,残Bi、(6)10%≦Sn≦18%,37%≦In≦43%,残Bi、(7)25%Sn≦60%,20%≦In50%,12%Bi≦33%、(8)(1)〜(7)の何れか100重量部にAg、Au、Cu、Ni、Pd、Pt、Sb、Ga、Ge、Pの1種または2種以上を合計0.01〜7重量部添加、(9)33%≦Sn≦43%,0.5%≦In≦10%,残Bi、(10)47%≦Sn≦49%,51%≦In≦53%の100重量部にBiを3〜5重量部を添加、(11)40%≦Sn≦46%,7%≦Bi≦12%,残In、(12)0.3%≦Sn≦1.5%,51%≦In≦54%,残Bi、(13)2.5%≦Sn≦10%,25%≦Bi≦35%,残In、、(14)10%≦Sn≦25%,48%≦In≦60%,残Bi等のIn−Sn−Bi系合金の組成(15)(9)〜(14)の何れか100重量部にAg、Au、Cu、Ni、Pd、Pt、Sb、Ga、Ge、Pの1種または2種以上を合計0.01〜7重量部添加、[B](16)30%≦Sn≦70%,0.3%≦Sb≦20%,残Bi、(17)(16)の100重量部にAg、Au、Cu、Ni、Pd、Pt、Ga、Ge、Pの1種または2種以上を合計0.01〜7重量部添加、等のBi−Sn−Sb系合金の組成[C](18)52%≦In≦85%,残Sn、(19)(18)の100重量部にAg、Au、Cu、Ni、Pd、Pt、Sb、Ga、Ge、Pの1種または2種以上を合計0.01〜7重量部添加、等のIn−Sn系合金の組成[D](20)45%≦Bi≦55%,残In、(21)(20)の組成の100重量部にAg、Au、Cu、Ni、Pd、Pt、Sb、Ga、Ge、Pの1種または2種以上を合計0.01〜7重量部添加、或いはSnを0.01〜0.04重量部添加等のIn−Bi系合金の組成、[E](22)50%Bi≦57%,残Sn、(23)(22)の100重量部にAg、Au、Cu、Ni、Pd、Pt、Ga、Ge、Pの1種または2種以上を合計0.01〜7重量部添加、等のBi−Sn系合金の組成[F](24)Inの100重量部にAu、Bi、Cu、Ni、Pd、Pt、Ga、Ge、Pの1種または2種以上を合計0.01〜7重量部添加、(25)90%≦In≦99.9%,0.1%≦Ag≦10%の100重量部にAu、Bi、Cu、Ni、Pd、Pt、、Ga、Ge、Pの1種または2種以上を合計0.01〜7重量部添加、(26)95%≦In≦99.9%,0.1%≦Sb≦5%の100重量部にAu、Bi、Cu、Ni、Pd、Pt、Ga、Ge、Pの1種または2種以上を合計0.01〜7重量部添加等のIn系合金の組成等から温度ヒューズの動作温度に適合した融点の組成を選定することができる。
濡れ拡がり防止層はNi、Fe、Co、Cr、W、Nb、Tiの何れかのめっき、真空蒸着により形成できる。濡れ拡がり防止層をリード導体に酸化膜を形成して設けることもできる。
リード導体にSn等のめっき膜を設ける場合、リード導体の先端から所定距離をおいた位置を先端として濡れ拡がり防止層を設け、次いで、拡がり防止層の後端部にラップさせてSn等めっき膜を設けることができる。
図4−1は本発明に係る合金型温度ヒューズの斜視図を、図4−2は図4−1におけるイ−イ断面図をそれぞれ示している。
図4−2において、Eはリード導体付き低融点合金エレメントであり、扁平リード導体1,1の表面端部間に所定の接触角で凸曲面状に凝固形成させ、かつリード導体の端部に溶接させた低融点合金片2からなり、低融点合金片両端のそれぞれに隣接するリード導体表面部分にリード導体表面の濡れ性に対し濡れ性の悪い濡れ拡がり防止層sを設けて前記低融点合金片2の各端を前記濡れ拡がり防止層sの先端に終端させてある。
低融点合金エレメント2の上面側にフラックス31を塗布し、低融点合金エレメントの入り込み部20の下面及び該下面に燐在する帯状リード導体下面部分にも符合32で示すようにフラックスを塗布してある。
上側フラックス31は、帯状リード導体の端部上面に溶接された低融点合金エレメントを100%で覆うように塗布されている。上面側フラックス31の塗布厚みは、帯状リード導体の端部上面に溶接された低融点合金エレメント部分の平均厚みの70〜100%とすることが好ましい。
下側フラックス32の塗布厚みは、温度ヒューズ本体の下面側から低融点合金エレメントへの熱伝達性(感温性)を保証するために、下面側絶縁体厚み(下側フィルムと下側接着剤との総厚み)の50%以下とすることが好ましい。
フラックスには、ロジン系を主成分とし、活性剤例えばジカルボン酸(例えば、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸等)を添加したものを使用できる。
4,4は上下の耐熱フィルム、5は上下フィルム4,4間の空間を埋めた接着剤であり、上側フラックス31、下側フラックス32が接着剤に接している。
耐熱フィルムには、PET、PC、PEN等のエンジニアリングプラスチックフィルム、ガラスクロス基材エポキシ樹脂フィルム等を使用できる。一枚物で上下から挾むようにして使用することもできる。
接着剤としては、エポキシ樹脂、紫外線硬化性樹脂、シリコン樹脂等を使用できる。
低融点合金片2の各端と接着剤5の各内端とを一致させて、合金片端部の接着剤界面への食い込みを排除したり、合金片端と接着剤内端との間に間隔が生じるのを排除しているが、不一致でも、その間の距離が±0.3mm以下であれば、実質上、支障をきたさない。
本発明に係る温度ヒューズを製造するには、(1)作業台上において、リード導体付きフラックス塗布低融点合金エレメントを下側耐熱フィルム上に配置し、下側塗布フラックスの粘着力でその配置位置への固定状態を担保し、次いで未硬化接着剤塗布耐熱フィルムを接着剤面を下側にして前記下側配置耐熱フィルム上に配置し、この上側の配置耐熱フィルムを治具で押えた状態で接着剤を硬化させる方法、または(2)作業台上に、未硬化接着剤塗布耐熱フィルムを接着剤面を上側にして配置し、フラックス塗布低融点合金エレメント接続リード導体を下側耐熱フィルム上に配置し、未硬化接着剤の粘着力でその配置位置への固定状態を担保し、次いで未硬化接着剤塗布耐熱フィルムを接着剤面を下側にして前記下側配置耐熱フィルム上に配置し、この上側の配置耐熱フィルムを治具で押えた状態で接着剤を硬化させる方法を使用できる。
前記の合金型温度ヒューズにおいては、ヒートサイクル時に発生する低融点合金エレメントの熱膨張力が、対向するリード導体先端々面間に入り込んだ低融点合金エレメント部分とリード導体先端々面との接触面でも支持されるから、前記熱膨張力に対し、低融点合金エレメントとリード導体先端部との溶接箇所に作用する反力が低減される。従って、低融点合金エレメントとリード導体先端部との溶接箇所の対ヒートサイクル安定性を向上できる。
また、温度ヒューズ本体の下面側からの熱伝達に対し、低融点合金エレメントの入り込み厚みだけ低熱伝達物(フラックス)の厚みを薄くできるから、下面側からの感熱性をそれだけアップできる。
また、図2−3に示すように、分断を生じ易くするために低融点合金エレメント2の中央部両側に切り込み22,22を設けても、リード導体先端々面間に入り込んだ低融点合金エレメント部分20のために低融点合金エレメントの中央部の断面積を充分に確保でき、電流容量をよく確保できる。
図5は本発明に係る合金型温度ヒューズの低融点合金エレメントの分断動作状態を示し、硬化接着剤で確保されたキャビティ50内に低融点合金エレメントとフラックスとが空き空間なく納められ、この空きのない状態で低融点合金エレメントが分断され、その分断魂200,200間に溶融フラックス30が食い込んで分断間距離が拡大されていく。而るに、低融点合金エレメントの対向するリード導体先端々面間への入り込み部分の下面及びその下面に燐在するリード導体先端部下面にもフラックスを塗布し、前記キャビティ50の容積を大きくしてあるから、分断間距離を長くでき、分断間絶縁距離を充分に確保し得、確実な電流遮断を保証できる。
1 リード導体
2 低融点合金片
20 低融点合金片の入り込み部
3 フラックス
4 絶縁フィルム
5 接着剤
s 濡れ拡がり防止層
特開2001−52582号公報 特開2005−26036号公報

Claims (6)

  1. 扁平リード導体の表面端部間に、上面が両端部に至るほど接線角が大とされた凸曲面状に凝固形成させ、かつリード導体の端部に溶接させた低融点合金片上にフラックスを塗布し、このフラックス塗布低融点合金片をフィルムで挾み、これらの間を接着剤で埋めた温度ヒューズであって、低融点合金片両端のそれぞれに隣接するリード導体表面部分にリード導体表面の濡れ性に対し濡れ性の悪い濡れ拡がり防止層を設けて前記の凝固低融点合金片の各端を前記濡れ拡がり防止層の先端に終端させ、その凝固が溶湯の表面張力とリード導体表面の表面張力とが平衡するまえの段階でなされており、前記低融点合金片の中央部に切り込みが設けられていることをたことを特徴とする合金型温度ヒューズ。
  2. 低融点合金の組成がSn、InまたはBiを主成分とし、濡れ拡がり防止層の材質がNi、Fe、Co、Cr、W、Nb、Tiの何れかであることを特徴とする請求項1記載の合金型温度ヒューズ。
  3. 濡れ拡がり防止層が導体の酸化膜であることを特徴とする請求項1記載の合金型温度ヒューズ。
  4. 両リード導体先端の端面間のスペースに低融点合金の一部を入り込ませ、この入り込み合金の裏面にもフラックスを塗布したことを特徴とする請求項1〜3何れか記載の合金型温度ヒューズ。
  5. 低融点合金片の各端と前記接着剤層の各内端との間の距離が0または±0.3mm以下であることをたことを特徴とする請求項1〜4何れか記載の合金型温度ヒューズ。
  6. 扁平リード導体基材を所定のギャップ間隔を隔てて作業台上に配設し、前記ギャップ及び両リード導体基材端部にわたって低融点合金の溶湯を供給し、その溶湯の表面張力とリード導体基材表面の表面張力とが平衡するまえの段階で冷却凝固させると共に各リード導体基材の端部と凝固合金との間を溶接させ、その凝固時の濡れ拡がりが、各リード導体基材表面に設けられた濡れ拡がり防止層の先端で終端されており、次いで短冊状に切断することにより、リード導体の付いた低融点合金片が製作されていることを特徴とする請求項1〜5何れか記載の合金型温度ヒューズ。
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