JP2011249128A - 温度ヒューズおよび温度ヒューズの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【手段】長手方向に間隔Dを隔てて対向する一対のリード導体1、1の対向端部11、11それぞれから長手方向外方へ切り欠いて形成された一対の切欠溝7、7と、一対の切欠溝7、7の幅方向両方に位置するリード導体の対向端部11、11に低融点可溶合金2、2を溶接し、一対のリード導体1、1を接合する接合部3と、を有し、切欠溝7の長手方向の大きさPが、接合部3の長手方向の大きさQと同等に設定しているかまたは接合部3の長手方向の大きさQより大きくなるように設定している。このため、溶融状態の可溶合金が温度ヒューズ上の一部箇所に偏在して溶断不可能な体積を形成するといった不具合を防止できる。
【選択図】図4
Description
また、当該温度ヒューズを備えた電気機器に高電流を通電する場合、最後に分断する可溶合金条(偏在した箇所の可溶合金条)に負荷が集中する事により、温度ヒューズを内装する外装体(例えば耐熱フィルム)に損傷を生じる場合があった。
また、接合部を含む低融点可溶合金の量や接合部の面積に対して十分な幅の切欠溝を設定することについても、同様の効果を奏することができる。
また、一対のリード導体の対向端部の間隔(対向面部の間隔)にも低融点可溶合金を充填することで、従来の温度ヒューズの構成に比べて、より高い定格電圧、定格電流に対応することができる。それと共に、温度ヒューズの小型化、高容量化を図ることができる。
図1は、作業台上に一対の長尺状条材を所定の間隔を空けて配置した斜視図である。図2は、一対の長尺状条材の対向端部に切欠溝を形成した図面で、(a)は斜視図で、(b)は上面図である。図3は、一対の長尺状条材の対向端部上で、かつ、切欠溝と切欠溝との幅方向両方に低融点可溶合金を配置した図面で、(a)は斜視図で、(b)は上面図である。図4は、図3の二点鎖線に従って短冊状に切断された本実施形態に係るリード導体付き低融点可溶合金の図面で、(a)は斜視図で、(b)は上面図である。
また、「一対の構成部材」の「一対」は「一方方向」と「他方方向」とからなるとし、ここで、アルファベットaの付いている各構成部材を「一方方向」の構成部材とし、アルファベットbの付いている各構成部材を「他方方向」の構成部材としている。
以上を例えるならば、図2において、一方の長尺状条材を10a、他方の長尺状条材を10bとしている。その長尺状条材10a、10bの総称を長尺状条材10とする。
可溶合金との溶接性の良好な材料、例えば、ニッケル導体の場合には、その表面には、Sn、Au、Cu、Ag等がメッキ処理またはクラッド処理等を施してその表面に溶接性の良い金属膜を設けることによって溶接面の範囲を制御することができる。
また、溶接性の良くない材料、例えば、銅導体の場合には、全面または低融点可溶合金エレメントが溶接される部分以外に、銅移行阻止膜として、可溶合金との溶接性が劣るNi等の縞状メッキ処理またはクラッド処理を施し、さらにNiの上にSn、Au、Cu、Ag等をメッキ処理する事ができる。
また、メッキ層の代わりに、銀ペーストのような金属ペーストの塗布などを用いてもよく、金属蒸着、スパッタなどでもよい。またメッキは電界メッキであっても非電解メッキでもよく、非電解メッキ層の上に電界メッキ層を施して形成してもよい。またメッキ層は単層でもよく二層以上の複数の層から形成されてもよい。メッキ層を複数の層とすることで、低融点可溶合金2との溶接力が高まり、強度が確保されるなどのメリットがある。また、低融点可溶合金2の素材と溶接上の相性のよい素材を選択することが好適である。
ここでいう「必要な寸法P」とは、溶融状態の低融点可溶合金が幅方向に移動しようとしても切欠溝7があるために幅方向に移動できない位置程度まで対向端部11から長手方向に切り欠かれていることを意味する。
なお、幅方向における切欠溝7の間隔は等間隔でも不等間隔でもよい。
また、低融点可溶合金2の端部22、22に対して上方からそれぞれに対して近赤外線レーザー光を照射し過熱する方法も適用可能である。
また、切欠溝7がなす上面視の形状は、矩形状、つづみ状、真円状、長円状、正方形、菱形などの種々のものを採用することができる。
また、接合部3を含む低融点可溶合金2の量や接合部3の面積に対して十分な幅の切欠溝7を設定することについても、同様の効果を奏することができる。
これに対し、本実施形態では、予めリード導体1となる長尺状条材10の対向端部11の幅方向に亘って、3個切欠溝7を設けてからその各切欠溝7の両端に低融点可溶合金条23、23を間欠的に溶接し、それから短冊状に切断してリード片付きヒューズ素子5aを製造している。
このような構成にしたことにより、従来の温度ヒューズに比べて、精度や品質等といった信頼性、安全性、またはコスト面においても向上させることができる。
したがって、それぞれの本実施形態に係るリード片付きヒューズ素子5を有する温度ヒューズの動作は一定のもの、安定したものを得ることができ、信頼性は高くなる。
また、複数個の切欠溝7を設けることで、低融点可溶合金2の数を調節し、あらゆる電気容量に対応させることができる。
いずれにしても、温度ヒューズにおける低融点可溶合金2としての機能を奏しさせすればどのような形状でも構わない。
また、本実施形態では、低融点可溶合金2は略直方体であるものを用いたが、円盤状のものや円柱状のもの或いは線状のもの等であっても良い。
本実施形態では、対向するリード導体先端端面間への入り込みを行った低融点可溶合金部分でもあり、接合部3の長手方向中央部近傍(一対のリード導体1、1の間隔D近傍)において、低融点可溶合金2の幅方向両端部に2カ所、幅方向内側に切り欠いた切欠部25を設けている。切欠部25は、低融点可溶合金2の幅方向の少なくとも一方に設けることが好ましい。
このような構成にすることにより、低融点可溶合金2の球状化分断が生じ易くなり、リード導体1、1間の低融点可溶合金2の溶断不良を防止することができる。
また、詳細は後述するが、切欠部25、25を設けたことにより、フラックス4が当該切欠部25、25に入り込み、幅方向での温度ヒューズ全体の大きさを、切欠部がない状態と比較して小さくすることができ、結果として、幅方向端部におけるフラックス4の突出を防ぎ、温度ヒューズの幅方向の拡がりを抑え、当該切欠部25、25が温度ヒューズの小型化に貢献することができる。
なお、低融点可溶合金2と封着剤9とが直接接触していると、可溶合金が溶融しても封着剤が糊のように可溶合金に着いているために、可溶合金を溶断することができない。そこで、低融点可溶合金2と封着剤9との間にフラックス4を設けている。このとき、温度ヒューズの幅方向の大きさを小さくするために、切欠部25、25は幅方向両端部に設けていることが望ましい。また、外装体8の大きさが大きくてもいい場合は切欠部25、25を設けない構成にしてもよい。
上側フラックス41は、帯状リード導体1の端部上面に溶接された低融点可溶合金2を100%覆うように塗布されている。上面側フラックス41の塗布厚みは、帯状リード導体の端部上面に溶接された低融点可溶合金部分の平均厚みの70〜100%とすることが好ましい。
下側フラックス42の塗布厚みは、温度ヒューズ本体の下面側から低融点可溶合金への熱伝達性(感温性)を保証するために、下面側絶縁体厚み(下側フィルムと下側接着剤との総厚み)の50%以下とすることが好ましい。
また、温度ヒューズ本体の下面側からの熱伝達に対し、低融点可溶合金の入り込み厚みだけ低熱伝達物(フラックス)の厚みを薄くできるから、下面側からの感熱性をそれだけアップできる。
なお、上側フラックス41を低融点可溶合金2の上面側に塗布し、低融点可溶合金2の入り込み部21の下面および当該下面に隣在する帯状リード導体1下面部分に下側フラックス42を塗布している。
このような構成にしたことにより、溶断を生じ易くするために低融点可溶合金2の中央部両側に切欠部25、25を設けたとしても、リード導体先端端面11、11間に入り込んだ低融点可溶合金部分21のために、低融点可溶合金2の中央部における断面積を十分に確保でき、電流容量を確保することができる。
また、一対のリード導体1、1の対向端部11、11の間隔D(対向面部111、111の間隔D)にも低融点可溶合金2を充填することで、従来の温度ヒューズの構成に比べて、より高い定格電圧、定格電流に対応することができる。それと共に、温度ヒューズの小型化、高容量化を図ることができる。
また、一対の長尺状条材10、10の対向面部111、111(対向端部11、11)の間隔Dに溶接する低融点可溶合金2の量を調節することで、一対の長尺状条材10、10の対向面部111、111(対向端部11、11)の間隔Dに低融点可溶合金2を充填することも可能である。
低融点可溶合金の幅に変化を持たせることによって、最終的に溶断することで負荷が集中する可溶合金を指定することができ、外装体の部分強化等の対策を施すことが可能となる。動作電流が流れているときにアークが発生するため、最後に動作する箇所の低融点可溶合金の幅が最大であることが望ましい。
10、10a、10b 長尺状条材
11、11a、11b 対向端部
111 対向面部
112 上面部
113 下面部
15 透孔
2、2a、2b 低融点可溶合金
21 入り込み部分
22 低融点可溶合金の長手方向の端部
25 切欠部
3、3a、3b 接合部
4 フラックス
41 上側フラックス
42 下側フラックス
5 リード導体付き低融点可溶合金(リード片付きヒューズ素子)
50 温度ヒューズ
7、7a、7b 切欠溝
8 外装体
9 封着剤
A 作業台
D 一対のリード導体(長尺状条材)の長手方向の間隔
P 切欠溝の長手方向の大きさ
Q 接合部の長手方向の大きさ
Claims (12)
- 長手方向に間隔を隔てて対向する一対のリード導体と、
前記各リード導体の対向端部それぞれから長手方向外方へ切り欠いて形成された一対の切欠溝と、
前記一対の切欠溝の幅方向両方に位置する前記リード導体の対向端部に低融点可溶合金を溶接し、前記一対のリード導体を接合する接合部と、
を有し、
前記切欠溝の長手方向の大きさが、前記接合部の長手方向の大きさと同等に設定しているかまたは前記接合部の長手方向の大きさより大きくなるように設定している温度ヒューズ。 - 前記リード導体の対向端部は、
前記一対のリード導体の各対向面部と、
前記各対向面部に連続した面である各上面部および/または各下面部と、
を含んでなる請求項1に記載の温度ヒューズ。 - 前記切欠溝が、前記リード導体の対向端部において、幅方向に亘って複数個間隔をおいて切り欠いて形成され、
幅方向に位置する切欠溝と切欠溝との間に、長手方向に延びる接合部が接合されている請求項1または請求項2に記載の温度ヒューズ。 - 前記切欠溝が、前記リード導体の対向端部において、幅方向に亘って複数個等間隔をおいて切り欠いて形成され、
幅方向に位置する切欠溝と切欠溝との間に、長手方向に延びる接合部が接合されている請求項3に記載の温度ヒューズ。 - 前記低融点可溶合金の長手方向の寸法が、幅方向に亘って不均一である請求項1から請求項4のいずれかに記載の温度ヒューズ。
- 前記低融点可溶合金の少なくとも幅方向一方に切欠部を設けた請求項1から請求項5のいずれかに記載の温度ヒューズ。
- 前記接合部の長手方向中央部近傍において、前記低融点可溶合金の幅方向両端部に前記切欠部を設けた請求項6記載の温度ヒューズ。
- 前記間隔の長手方向中央部近傍に位置する低融点可溶合金の中央部近傍の厚さ寸法が、前記リード導体の対向端部を含む前記接合部分より厚くなっている請求項1から請求項7のいずれかに記載の温度ヒューズ。
- 前記一対のリード導体と、
前記各リード導体の対向端部それぞれから長手方向外方へ同一距離切り欠いて形成された一対の切欠溝と、
前記各リード導体の対向端部および前記間隔を含んで低融点可溶合金により前記一対のリード導体が接合され、前記一対の切欠溝の幅方向両方において長手方向に延びる接合部と、
前記低融点可溶合金を前記リード導体の一部と共に上下方向に挟み込んで互いに密着する外装体と、
を備える請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の温度ヒューズ。 - 二次電池に接触して取り付けられる請求項1から請求項9のいずれかに記載の温度ヒューズ。
- 前記低融点可溶合金にフラックスを塗布している請求項1から請求項10のいずれかに記載の温度ヒューズ。
- 長手方向に間隔を隔てて対向する一対のリード導体と、
前記各リード導体の対向端部それぞれから長手方向外方へ切り欠いて形成された一対の切欠溝と、
前記一対の切欠溝の幅方向両方に位置する前記リード導体の対向端部に低融点可溶合金を溶接し、前記一対のリード導体を接合する接合部と、
を有し、
前記切欠溝の長手方向の大きさが、前記接合部の長手方向の大きさと同等に設定するかまたは前記接合部の長手方向の大きさより大きくなるように設定する温度ヒューズの製造方法。
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