JP4911881B2 - 不飽和ポリエステル樹脂組成物並びにこれを含有する成形材料及び成形品 - Google Patents

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本発明は、加熱圧縮成形(加熱加圧成形)により成形品を得ることができ、例えば、浴室用床材、浴室用壁材、キッチンカウンター、洗面等の住宅設備等の様々な用途に有用な不飽和ポリエステル樹脂組成物並びにこの組成物を含有する成形材料及び成形品に関する。
昨今、住宅や車両の内装用部材に使用される塗料や接着剤等の樹脂組成物中に含まれるトルエン、キシレン、スチレン等の揮発性有機物質(VOC;Volatile Organic Compounds)がシックハウス症候群の原因の1つと考えられ、室内におけるこれらVOC物質の放散を減少させることが強く求められている。また、建築基準法も改正され、ホルムアルデヒドの規制、クロルホスピスの使用が禁止されているとともに、スチレンも居住空間への放散低減を強く要請されている。
従来、バインダー樹脂と繊維フィラー等とを含む繊維含有複合材料(繊維強化複合材料)は、プラスチックの有する易加工性、非腐食性に機械的強度を付加しうることから、人工大理石、キッチンカウンター、洗面台、浴槽、浴室洗い場等のユニットバス部材に代表される住設機器、建築材料、車両用部材等に広く利用されている。
これらの繊維強化複合材料は、通常、不飽和ポリエステル樹脂に代表される熱硬化性樹脂、フィラーを含有し、増粘剤により増粘させた後、加熱圧縮成形して成形品を得られるものであり、熱硬化性樹脂には、安価で優れた性能を付与できることからスチレンが広く使用されている。しかしながら、スチレンを含有している熱硬化性樹脂を含む組成物の成形品中には、僅かな量の未反応スチレンが残存し、これが大気中に放散され、使用禁止や換気システムの設置が必要となる場合があるため、成形品中の残存スチレンを低減し、またスチレンの室内への放散を低減することが強く要請されている。
ノルボルネン骨格を有する熱硬化性樹脂に関し、その成形体は残留スチレン量が低減し、耐水性に優れることが開示されている(例えば、特許文献1参照。)が、ここに示されるようなSMCを用いて、硬化時間を延長し、また外観を落とさない範囲で金型温度を上げて成形品を製造しても、昨今のVOC物質の放散量低減要請に対して充分なものではなく、工夫の余地があった。
また製品からのスチレンの揮発を抑制する目的で、不飽和ポリエステル樹脂のスチレンの全部又は一部を非スチレン系モノマーで置換することが考えられるが、例えば、メチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸単量体を使用した場合、分子内アクリロイル基の反応性がスチレンに比較して高いために成形時の収縮率が大きくなることによる成形クラックの発生、寸法精度及び成形品外観の低下が起こりやすくなり、更に得られた成形品の耐熱性、耐熱水性が著しく低下するため、バスタブ、床パン、キッチンカウンター等の水周り住宅設備製品の製造には適していなかった。
熱硬化性樹脂成形材料の成形方法に関し、不飽和ポリエステル及びビニル単量体をそれぞれ特定量含む樹脂組成物100重量部に対し、充填剤100〜550重量部を配合してなる熱硬化性樹脂成形材料を、金型内の圧力が400mmHg以下となるように減圧しながら成形することが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この実施例においては、ポリエステル樹脂100部中にビニルトルエンを30部含有させることが記載されているが、このようなポリエステル樹脂においては、成形品における収縮率、耐熱水性、機械的強度等の点において更に向上させるための工夫の余地があった。
特開2003−119399号公報(第2頁) 特許第2596703号明細書(第1、3頁)
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、スチレン放散量を従来に比較して大幅に低減し、かつ、耐熱性、耐熱水性、成形性、成形品外観、寸法精度、機械的強度等の物性に優れた成形品を得ることが可能な熱硬化性樹脂組成物である不飽和ポリエステル樹脂組成物並びにこれを含有する成形材料及び成形品を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、熱硬化性樹脂組成物について種々検討したところ、不飽和ポリエステルを含有する組成物が加熱圧縮成形(加熱加圧成形)において有用なものであることに着目し、不飽和ポリエステルを重合性単量体に溶解させて得られる不飽和ポリエステル樹脂において、スチレン含有量を特定量以下とすることにより、成形品(硬化物)の残存スチレン量及び成形品からのスチレン放散量を大幅に低減できることを見いだし、重合性単量体におけるベンゼン環濃度を特定量以上とし、不飽和ポリエステルをジシクロペンタジエンにより変性してなるものとすることにより、このような作用効果を相乗的に発揮することができるだけでなく、耐熱性、耐熱水性、成形性、成形品外観、寸法精度、機械的強度等の物性においても優れたものとすることができることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到した。また、このような形態とすることにより、例えば、浴室用床材、浴室用壁材、キッチンカウンター、洗面等の住宅設備等の様々な用途において好適な成形材料となることも見いだし、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、不飽和ポリエステル(A)を重合性単量体(B)に溶解させて得られる不飽和ポリエステル樹脂(C)を含有する不飽和ポリエステル樹脂組成物であって、上記不飽和ポリエステル樹脂(C)は、スチレン含有量が不飽和ポリエステル(A)と重合性単量体(B)との合計質量の5.0質量%以下であり、上記不飽和ポリエステル(A)は、多塩基酸100モル%に対してジシクロペンタジエン5〜50モル%により変性してなるものであり、上記重合性単量体(B)は、重合性単量体(B)全質量に対するベンゼン環濃度が6.0ミリモル/g以上である不飽和ポリエステル樹脂組成物である。
以下に本発明を詳述する。
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、不飽和ポリエステル(A)と重合性単量体(B)とを含んでなる不飽和ポリエステル樹脂(C)を含有するものである。これらの含有割合としては、質量比(不飽和ポリエステル(A)/重合性単量体(B))が80/20〜30/70である事が好ましい。より好ましくは70/30〜35/65であり、更に好ましくは60/40〜40/60である。また、不飽和ポリエステル樹脂(C)は不飽和ポリエステル樹脂(C)100質量%中に、ビニルトルエンを40質量%以上含有するものである事が好ましい。より好ましくは、45質量%以上である。このような形態とすることにより、成形品の耐熱性、熱水性を更に向上することが出来る。
上記不飽和ポリエステル(A)は、多塩基酸100モル%に対してジシクロペンタジエン5〜50モル%により変性してなるものである。ジシクロペンタジエン(DCPD)モル濃度が50モル%より多い場合、成形品の離型が悪くクラックの発生を充分に抑制することができないことになり、また5モル%未満の場合、DPCD骨格導入による相溶性向上効果を充分なものとすることができないこととなる。好ましくは、5〜30モル%であり、より好ましくは、8〜25モル%である。
上記不飽和ポリエステル(A)は、二塩基酸を含む多塩基酸及び多価アルコールにより形成される構成単位を有するものであることが好ましく、二塩基酸を含む多塩基酸及び多価アルコールを公知の方法により縮合重合することによって得られるものであることが好適である。上述のジシクロペンタジエンによる変性は、不飽和ポリエステル(A)の製造の際にジシクロペンタジエン(DCPD)を付加反応させる事により行われる事が好ましく、このような変性によりジシクロペンタジエン骨格を導入する事が出来る。不飽和ポリエステルをジシクロペンタジエンで変性する方法としては(1)多塩基酸、多価アルコール、ジシクロペンタジエンを必要量、全量を一度に仕込み、120〜140℃で2〜3時間反応させた後190〜210℃で必要な分子量となるまでエステル化を進める方法と(2)多塩基酸にジシクロペンタジエンを1時間以上かけて滴下、120〜140℃で1時間以上反応させ、その後所定量の多塩基酸、多価アルコールを加え190〜210℃まで昇温、エステル化を進める方法、及び、(3)多塩基酸と多価アルコールを120〜140℃で1〜2時間反応させてモノエステルを生成させ、次にジシクロペンタジエンを1時間以上かけて滴下、更に1時間反応を続けた後、190〜210℃まで昇温、エステル化を進める方法等があるがいずれの方法でも良い。後述のように本発明で使用する不飽和ポリエステル(A)は不飽和二塩基酸により形成される構成単位が70モル%以上であることが好ましいことから、重合性単量体(B)との相溶性が比較的悪い場合があるが、ジシクロペンタジエンによる変性により不飽和ポリエステル(A)と重合性単量体(B)との相溶性を向上させ、重合性単量体(B)の量を減じることができる。これにより収縮率の低減、残留単量体の放散量低下、耐熱水性向上、機械的強度向上ができる。
上記多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸等の不飽和二塩基酸、フタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ヘット酸等の飽和二塩基酸、トリメリト酸、トリメリト酸無水物、ピロメリト酸、ピロメリト酸二無水物等の三官能以上の多塩基酸等が挙げられる。これらの多塩基酸は一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
上記多塩基酸としては、上述のように不飽和二塩基酸や飽和二塩基酸等の二塩基酸を含むことが好ましい。より好ましくは、多塩基酸の全量を100モル%とすると、二塩基酸を90モル%以上含有することであり、更に好ましくは、99モル%以上含有することである。
上記二塩基酸においては、該二塩基酸の全量を100モル%とすると、不飽和二塩基酸を70モル%以上含有することが好ましい。70モル%未満では、加熱加圧成形時に充分な発熱量が得られないために、低収縮化剤の効果が充分に発揮されないおそれがあり、収縮率増大による成形クラック発生、成形品表面光沢低下等の不具合が発生するおそれがある。また、硬化速度が低下するために金型内保持時間の延長が必要となるとともに、残留重合性単量体の増加による耐熱性、耐熱水性、機械的強度低下も発生しやすくなるおそれがある。より好ましくは、85モル%以上である。また、不飽和二塩基酸の含有量の上限値としては、100モル%が好ましい。
すなわち本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物において、不飽和ポリエステル(A)が、二塩基酸を含む多塩基酸及び多価アルコールにより形成される構成単位を有するものであり、該二塩基酸により形成される構成単位100モル%中に、不飽和二塩基酸により形成される構成単位70〜100モル%と飽和二塩基酸により形成される構成単位30〜0モル%とを含んでなることは、好ましい実施形態の一つである。
上記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、へキサンジオール、水素化ビスフェノールA等のグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の三官能以上のアルコール、グリシジルメタクリレート、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のエポキシド等が挙げられる。これらアルコールは一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
上記重合性単量体(B)は、重合性単量体(B)全質量に対するベンゼン環濃度が6.0ミリモル/g以上のものである。6.0ミリモル/g未満の場合は、成形品の耐熱性、熱水性を充分には向上できないこととなり、浴槽等の水周り製品に充分に好ましいものとはならないことになる。好ましくは6.5ミリモル/g以上であり、より好ましくは7.0ミリモル/g以上である。上記ベンゼン環濃度は重合性単量体1g中に含まれるベンゼン環の量をミリモルで表す。
上記重合性単量体(B)においては、スチレン含有量が不飽和ポリエステル樹脂(C)に対して5.0質量%以下である。すなわち、不飽和ポリエステル樹脂(C)におけるスチレン含有量は、不飽和ポリエステル(A)と重合性単量体(B)との合計質量の5.0質量%以下である。5.0質量%を越えるスチレンを使用した場合、通常の加熱加圧成形において成形品の残留スチレン及びスチレン放散量を安定して、充分に低いレベルに保つことが困難となる。好ましくは3質量%以下であり、より好ましくは用いないことである。
上記重合性単量体(B)はまた、重合性単量体(B)全質量に対する(メタ)アクリロイル基濃度が3.0ミリモル/g以下であることが好ましい。3.0ミリモル/gを超えると、耐水性の低下、収縮率の増大等の不具合が起こりやすくなるおそれがある。より好ましくは2ミリモル/g以下であり、更に好ましくは1.5ミリモル/g以下である。上記(メタ)アクリロイル基濃度は、重合性単量体1g中に含まれる(メタ)アクリロイル基の量をミリモルで表す。
上記重合性単量体(B)としては、単官能ビニル単量体、多官能ビニル単量体、アリル単量体等の重合性単量体から一種又は二種以上を併用できる。
上記単官能ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、ビニルトルエン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸アルキル(炭素原子数12又は13)、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロへキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド塩、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸ヘプタデカフルオロデシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール等の単官能(メタ)アクリルモノマー、下記式(1)で示されるジシクロペンタジエン系化合物等が挙げられる。
Figure 0004911881
式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、炭素原子数2〜5の低級アルキレン基を表す。nは、0〜5の整数である。炭素原子数2〜5の低級アルキレン基としては、例えば、エチレン、ブチレン等が好適である。
上記多官能ビニル単量体としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(n=4〜23)、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(n=4〜10)、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート(n=8,9)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタアクリレート、ペンタエリスリトールジメタアクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン(n=3〜30)、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン等の多官能アクリルモノマー;下記式(2)で示されるジシクロペンタジエン系化合物等が挙げられる。
Figure 0004911881
式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、炭素原子数2〜5の低級アルキレン基を表す。n及びmは、同一若しくは異なって、0〜5の整数である。炭素原子数2〜5の低級アルキレン基としては、例えば、エチレン、ブチレン等が好適である。
上記アリル単量体としては、例えば、グリセリンモノアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の1官能アリル化合物、グリセリンジアリルエーテル、グリセリンクリレート、ジペントールジ(メタ)アクリレート、ソルビトールジ(メタ)トリアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル等の多官能アリル化合物が挙げられる。
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物では、性能を損なわない範囲で硬化剤、充填材、重合禁止剤、低収縮化剤、増粘剤、内部離型剤、繊維強化剤、顔料、染料等の着色剤、柄剤(加飾粒)等を配合することができる。
上記硬化剤としては、公知の有機過酸化物が使用できる。このような有機過酸化物としては、例えば、キュメンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルイソプロピルパーオキシカーボネート、1,1−ジブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、アミルパーオキシ−p−2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−へキシルパーオキシベンゾエート等が挙げられ、成形温度に応じて単独又は2種以上の硬化剤を組みあわせて使用される。添加剤量は通常不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して0.5〜5重量部が好適である。
上記充填材としては、有機充填材、無機充填材が挙げられる。
上記有機充填材としては、公知の再生繊維、合成繊維、天然繊維が挙げられ、例えば、レーヨン等からなる再生繊維、ナイロン6、ナイロン66等の脂肪族ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル繊維(PAN)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ビニロン等の合成繊維、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリオキシメチレン(POM)等のいわゆる耐熱性の高い高分子からなる繊維、アラミド繊維、全芳香族ポリエステル、ポリイミド等のいわゆる高弾性率、高強度な高分子からなる繊維、ジュート繊維、竹繊維等の天然繊維等が挙げられる。
上記無機充填材としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、ガラスバルーン、シリカ、溶融シリカ、アエロジル(商品名)、クレー、マイカ、水酸化マグネシウム、寒水等が挙げられる。これらのうちでは無機充填材を用いることが好ましいが、有機充填材と併用してもよい。
上記充填材においてはまた、強度を向上させるためにアスペクト比の大きい(50以上)ものを用いてもよく、例えば、ガラス繊維、炭素繊維を用いることが好ましい。また、アスペクト比の小さい(30以下)を用いることもでき、例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、マイカ、クレー、タルク、セラミック、溶融シリカ、シリカ、酸化チタン、硫酸バリウム、ガラスパウダー、ガラスバルーン、リン酸カルシウム、ホタル石、アエロジル、スメクタイト等が好適であり、特に炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、溶融シリカ、シリカ、ガラスパウダーが好ましい。更に、アスペクト比の大きい(50以上)充填材とアスペクト比の小さい(30以下)充填材を併用してもよい。更に、表面処理、コーティングやメッキしたフィラー(充填材)を用いることができる。これらの充填材は、1種単独で又は複数を併用することができる。
上記充填材は、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、50〜500重量部用いることが好ましい。より好ましくは、100〜400重量部であり、更に好ましくは、130〜350重量部である。
また充填材としてアエロジル(商品名)を使用する場合には、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、5重量部以下用いることが好ましい。より好ましくは、2重量部以下であり、更に好ましくは、1重量部以下である。
上記充填材がこのような範囲で含有されていると、成形時に発生する収縮を低く抑えられ成形体の耐衝撃性等の機械的強度をより優れたものとすることができる。
上記重合禁止剤は、可使時間、硬化反応の立ち上がりを調整するために用いられ、例えば、パラベンゾキノン、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、メチル−t−ブチルハイドロキノン、t−ブチルカテコール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等公知の重合禁止剤を使用することができる。これらは、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。重合禁止剤の添加量は特に限定されるものではなく、成形品の用途により適宜設定され、例えば、不飽和ポリエスル樹脂100重量部に対して0.01〜0.5重量部使用することができる。
上記低収縮化剤は、成形収縮を調整するために用いることができ、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、架橋ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル−ポリスチレンブロックコポリマー、アクリル/スチレン等の多相構造ポリマー、架橋/非架橋等の多相構造ポリマー、SBS(ゴム)等が挙げられる。これらは、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。低収縮化剤の添加量は特に限定されるものではなく、成形品の用途により適宜設定され、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して3〜20重量部使用することができる。
上記増粘剤は、例えば、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ストロンチウム等の2価金属の酸化物や水酸化物、アクリルポリマー等が用いられる。
上記アクリルポリマーは、特開平5−171022号公報に記載されるアクリルポリマーを好ましく用いることもでき、例えば、メチルメタクリレートを主成分とするアクリルポリマーであって、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー卜等の他の(メタ)アクリル系モノマー、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能架橋モノマーを共重合したものが挙げられる。このようなアクリルポリマーは、メチルメタクリレートの含有量が90質量%以上であることが好ましく、多官能架橋モノマーの含有量が5質量%以下であることが好ましい。
このような増粘剤は、1種単独で又は2種以上を併用することができる。また、このような増粘剤は、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、0.5〜20重量部用いることが好適であり、好ましくは、金属酸化物や金属水酸化物の場合には0.5〜5重量部、アクリルパウダーの場合には1〜20重量部の範囲で用いられる。
上記内部離型剤は、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸及びステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩等が挙げられる。またパラフィン、液体ワックス、フッ素ポリマー、シリコン系ポリマー等熱硬化性樹脂用途の内部離型剤を用いることができる。これらは、1種類のみを用いてもよく、また2種類以上を併用してもよい。このような離型剤は、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、1〜10重量部の範囲で用いることが好適である。
上記着色剤としては、特に限定されるものではなく、従来より不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂に使用されている種々の着色剤を用いることができる。
上記着色剤としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、弁柄、フタロシアニンブルー等の公知の顔料が用いられる。着色剤の添加量は特に限定されるものではなく、成形品の用途により適宜設定される。不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して30部以内で使用されることが多い。
上記柄剤としては、例えば、酸化アルミニウム、PETフィルム、マイカ、セラミック及びそれらを着色剤、表面処理剤等でコーティングしたもの、メッキ処理したもの、熱硬化性樹脂と無機フィラーと着色剤等とを熱硬化させて粉砕したもの等が挙げられる。
本発明の不飽和ポリエステル樹脂熱組成物は、更に、難燃剤、抗菌剤(有機系及び/又は無機系)、親水剤、光触媒、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、粘度低下剤、分離防止剤、シランカップリング剤、帯電防止剤、潤滑分散剤、チクソ付与剤、チクソ安定剤、重合促進剤等の添加剤を添加することができる。また必要に応じて、可塑剤を含有してもよい。これらは、それぞれ1種類のみを用いてもよく、また2種類以上を併用してもよい。
本発明の不飽和ポリエスエル樹脂組成物としては、例えば、増粘剤を添加して増粘させた不飽和ポリエステル樹脂組成物を、シートモールディングコンパウンド(SMC)、チックモールディングコンパウンド(TMC)又はバルクモールディングコンパウンド(BMC)等として得た後、該SMC、TMC又はBMCとなっている熱硬化性樹脂組成物を、公知の圧縮成形法、射出成形法等を用いて、加熱した金型に、適切に加圧しつつ、硬化させて成形体とすることができる。加熱成形時に加圧する場合は、成形品にかかる圧力としては、好ましくは、0.3〜20MPa、より好ましくは、2〜15MPaである。
このように本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物を含有する成形材料もまた、本発明の一つである。
上記不飽和ポリエステル樹脂組成物を硬化させて製造される成形体(成形品)としては、例えば、風呂の洗い場の床、洗面台化粧板、日本料理店等の厨房の床等の水回り部分の床、壁、ベランダの床等に用いられる。具体的には、浴槽、浴室用壁材、浴室用床材、浴室用グレーチング、浴室用天井、シャワーフック、浴槽ハンドグリップ、浴槽エプロン部、浴槽排水栓、浴室用窓枠、排水ピット、浴室扉、浴室扉枠、浴室窓の桟、浴室扉の桟、すのこ、マット、石鹸置き、手桶、風呂椅子、トランスファーボード、浴室用収納棚、浴室用手摺、風呂蓋、浴室用タオル掛け、シャワーチェア、洗面器置き台等の浴室用部材;台所用キッチンバック、台所用床材、シンク、キッチンカウンター、排水籠、レンジフード、換気扇、コンロのつまみ等の台所用部材;小便器、大便器、便器用トラップ、便器用配管、トイレ用床材、トイレ用壁材、トイレ用天井、ボールタップ、止水栓、紙巻き器、便座、昇降便座、トイレ用扉、トイレ用タオル掛け、便蓋、トイレ用手摺、トイレ用カウンタ、フラッシュバルブ、タンク、洗浄機能付き便座の吐水ノズル等のトイレ用部材;洗面ボウル、洗面トラップ、洗面用収納棚、排水栓、歯ブラシ立て、洗面カウンタ、水石鹸供給器、洗面器、口腔洗浄器、手指乾燥機、回転タイル等の洗面用部材;洗濯槽、洗濯機蓋、洗濯機パン、脱水槽、空調機フィルタ、タッチパネル、人体検知センサーのカバー、シャワーホース、シャワーヘッド、シャワー吐水部、シーラント;競技場等の野外用の椅子、ベンチ、食器トレー、化粧板等が挙げられる。特に浴室用床材、浴室用壁材、キッチンカウンター、洗面等の住宅設備用途は低VOCのニーズが強いことから、本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は有用なものである。このような本発明の成形材料を加熱加圧成形して得られる成形品もまた、本発明の一つである。
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、上述の構成よりなり、スチレン放散量を従来に比較して大幅に低減し、かつ、耐熱性、耐熱水性、成形性、成形品外観、寸法精度、機械的強度等の物性に優れた成形品を得ることが可能であることから、浴槽等の水周り住宅設備成形品の安定した製造に有用である。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。尚、実施例及び比較例に記載の「部」は「重量部」を示しており、「%」は「質量%」を示している。
(合成例1)
温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器及び攪拌機を備えたフラスコを反応器とした。この反応器に、イソフタル酸15モル、プロピレングリコール30モル、ネオペンチルグリコール35モルを仕込んだ。次に上記の内容物を窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら、170〜180℃の温度範囲で反応させると共に、反応物の酸価を所定の方法によって、随時測定した。そして該酸価が10mgKOH/gとなった時点で、上記の反応物に、無水マレイン酸85モル、プロピレングリコール20モル、ジシクロペンタジエン10モルを添加混合し、110〜130℃の温度範囲で3時間反応させた後、180〜200℃に昇温し、8時間反応させた。これにより、不飽和ポリエステル(a)を得た。この不飽和ポリエステルの酸価は27.0mgKOH/gであった。
<酸価の測定方法>
JIS K6911 4.3に記載の方法に準拠して測定した。
(合成例2)
合成例1と同じ装置に、イソフタル酸50モル、ネオペンチルグリコール50モル、プロピレングリコール51モルを仕込んだ。次に上記の内容物を窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら、200〜210℃の温度範囲で反応させると共に、反応物の酸価を所定の方法によって、随時測定した。そして該酸価が10mgKOH/gとなった時点で、冷却し、上記の反応物に、マレイン酸50モルを添加し、再び210〜220℃の温度範囲で反応させた。これにより、不飽和ポリエステル(b)を得た。この不飽和ポリエステルの酸価は26.7mgKOH/gであった。
(実施例1)
不飽和ポリエステル(a)50重量部にメチルメタクリレート10重量部、ビニルトルエン40重量部、重合禁止剤としてのハイドロキノンを0.01重量部添加し、均一に混合した。この不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対してポリスチレン粉末8重量部、ポリエチレン粉末2重量部、硬化剤としてTBPB(t−ブチルパーオキシベンゾエート)を1.0重量部、炭酸カルシウム(日東粉化社製:NS#200)を80重量部、水酸化アルミニウム(住友化学社製:CW−308)80重量部、内部離型剤としてステアリン酸亜鉛を5重量部、増粘剤として酸化マグネシウム1.0重量部、グレートナー5重量部及び補強繊維として25.4mm長に切断したガラスロービングをガラス含有率が成形材料の25%になるように添加し、公知の含浸機でSMC(シートモールディングコンパウンド)を製造した。このSMCを40℃で24時間熟成させ、タックフリーの成形可能な硬さに調節した。
300m角平板金型を用いて、金型温度は、製品面が145℃、裏面が130℃で、面圧10MPaで加熱圧縮成形した。6分で硬化し、板厚5mmのSMC成形平板を得た。これを用いて、各種物性を測定した。結果を表1に示す。
物性測定方法は次の通りである。
<硬化収縮率>
JIS K6911に記載の方法に準拠して測定した。
<光沢度>
JIS K7105 5.2に準拠して、入射角60度、検出角60度の条件で行った。
<平滑性>
目視にて評価した。
評価基準:
良好:平滑性に問題無し。
不良:平滑性に問題あり。(巣穴、ガラスパターン、ソリ等)
<耐煮沸性>
95℃に保った湯浴中に成形品より切り出した50mm角の試験片を浸漬し、300時間経過後、表面の膨れ、クラックの発生の有無を目視で確認した。
重合性単量体として、スチレンを使用した場合は、成形後1日間、25℃で保管した後に残留スチレン量、スチレン放散量を測定した。
残留スチレン量は成形品を粉砕し、ジクロロメタン溶液で24時間抽出し、ガスクロマトグラフィーを使用して内部標準法で測定した(検出限界10ppm)。
<放散速度(放散量)>
熱硬化性樹脂組成物の成形体から試験片を切りだし、小型チャンバー法により捕集した気体をガスクロマトグラフ質量分析装置によりその試験片から気中放散スチレンを測定した。具体的にはJIS A1901(小型チャンバー法−建築材料の揮発性有機化合物(VOC)、ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散測定法)の(附属書2(参考)小型チャンバーの例(20L))に記載されている手順に基づき、測定温度28℃、湿度50%、換気回数0.5回/hr、試料負荷率2.2m/mで測定を実施した。
(実施例2)
不飽和ポリエステル(a)50重量部にベンジルメタクリレート10重量部、ビニルトルエン40重量部、重合禁止剤としてのハイドロキノンを0.01重量部添加し、均一に混合した。以下実施例1と同様の手順でSMCを製造した。その評価結果を表1に記載した。
(実施例3)
不飽和ポリエステル(a)50重量部にフェノキシエチルメタクリレート10重量部、ビニルトルエン40重量部、重合禁止剤としてのハイドロキノンを0.01重量部添加し、均一に混合した。以下実施例1と同様の手順でSMCを製造した。その評価結果を表1に記載した。
(実施例4)
不飽和ポリエステル(a)50重量部にメチルメタクリレート7重量部、スチレン3重量部、ビニルトルエン40重量部、重合禁止剤としてのハイドロキノンを0.01重量部添加し、均一に混合した。以下実施例1と同様の手順でSMCを製造した。その評価結果を表1に記載した。成形品中の残留スチレン量は10ppm以下で、スチレン放散速度は3μg/m・hr(表面)、8μg/m・hr(裏面)と極めて小さい値を示した。
(比較例1)
不飽和ポリエステル(a)50重量部にメチルメタクリレート20重量部、ビニルトルエン30重量部、重合禁止剤としてのハイドロキノンを0.01重量部添加し、均一に混合した。以下実施例1と同様の手順でSMCを製造した。その評価結果を表2に記載した。耐熱水性試験において試験片表面に膨れの発生あり、耐熱水性の低下が認められた。
(比較例2)
実施例1において不飽和ポリエステル(a)を不飽和ポリエステル(b)に替えた以外は同一の手順でコンパウンドを練ると粘度が高くハンドリングが困難であった。そこで実施例1において、不飽和ポリエステル(a)50重量部を不飽和ポリエステル(b)45重量部に、ビニルトルエン添加量を40重量部から45重量部に替えた以外は同一の手順でSMCを製造した。その評価結果を表2に記載した。収縮率が上昇し、成形品の光沢低下が認められ、表面平滑性にも劣っていた。
(比較例3)
実施例1においてビニルトルエン40重量部をスチレン40重量部に替えた以外は同一の手順でSMCを製造した。その評価結果を表2に記載した。成形品外観は良好であったが、成形品中の残留スチレン量は380ppm、スチレン放散速度は340μg/m・hr(表面)、710μg/m・hr(裏面)と高い値であった。
(比較例4)
比較例3で得られたSMCを成形時の金型温度を145/130℃から155/140℃に替えて成形した。その評価結果を表2に記載した。成形品外観は良好であったが、成形品中の残留スチレン量及び、放散速度は減少する傾向を示したものの、残留スチレン量190ppm、スチレン放散速度は150μg/m・hr(表面)、290μg/m・hr(裏面)と高い値であった。
(比較例5)
実施例4のメチルメタクリレート7重量部、スチレン3重量部、ビニルトルエン40重量部をスチレン8重量部、ビニルトルエン42重量部に変更した以外は同一の手順でSMCを製造した。その評価結果を表2に記載した。成形品外観は良好であったが、残留スチレン量45ppm、スチレン放散速度は25μg/m・hr(表面)、60μg/m・hr(裏面)と比較的高い値であった。
Figure 0004911881
Figure 0004911881

Claims (5)

  1. 不飽和ポリエステル(A)を重合性単量体(B)に溶解させて得られる不飽和ポリエステル樹脂(C)を含有する不飽和ポリエステル樹脂組成物であって、
    該不飽和ポリエステル樹脂(C)は、スチレン含有量が不飽和ポリエステル(A)と重合性単量体(B)との合計質量の5.0質量%以下であり、
    該不飽和ポリエステル(A)は、多塩基酸100モル%に対してジシクロペンタジエン5〜50モル%により変性してなるものであり、
    該重合性単量体(B)は、重合性単量体(B)全質量に対するベンゼン環濃度が6.0ミリモル/g以上であり、
    該不飽和ポリエステル樹脂(C)における不飽和ポリエステル(A)と重合性単量体(B)との質量比(不飽和ポリエステル(A)/重合性単量体(B))は、70/30〜35/65であり、
    該不飽和ポリエステル(A)は、二塩基酸を含む多塩基酸及び多価アルコールにより形成される構成単位を有するものであり、該二塩基酸により形成される構成単位100モル%中に、不飽和二塩基酸により形成される構成単位70〜100モル%と飽和二塩基酸により形成される構成単位30〜0モル%とを含んでなり、
    該不飽和ポリエステル樹脂組成物は、更に、低収縮化剤を含む
    ことを特徴とする不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  2. 前記重合性単量体(B)は、重合性単量体(B)全質量に対する(メタ)アクリロイル基濃度が3.0ミリモル/g以下であることを特徴とする請求項1記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  3. 前記低収縮化剤は、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、架橋ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル−ポリスチレンブロックコポリマー、アクリル/スチレンの多相構造ポリマー、架橋/非架橋の多相構造ポリマー、及び、SBS(ゴム)からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物を含有することを特徴とする成形材料。
  5. 請求項記載の成形材料を加熱加圧成形して得られることを特徴とする成形品。
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