JP4911667B2 - 光ファイバ式洗掘検出装置及びシステム - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、光ファイバを巻きつけた円筒体が、洗掘により露出した場合に円筒部の浮力により分離し、光ファイバが切断され、その切断長さに基づいて洗掘の度合いを検出する光式河床洗掘状態検出センサ(以下、第1の従来例と称する)が記載されている。
また、特許文献2には、円筒状のパイプ外表面に光ファイバを巻きつけたユニットを複数形成し、各ユニットが曲げられたとき、ユニット間に設けられた鞘管が破断し、その中を通した光ファイバも曲げ又は破断を受ける光ファイバセンサ(以下、第2の従来例と称する)が記載されている。
例えば、上記第1の従来例は、洗掘は、主に河川等の川底等における鉛直(深さ)方向を対象にしたものであり、川底等と水平な方向の洗掘は検出困難である。また、浮力により分離させるので、十分な浮力を確保して光ファイバを確実に切断させるには、質量に見合う容積の発泡剤等を充填する必要があり、形状的な制約を受ける。更に、上下円筒間の接続部から砂等の異物が流入して光ファイバを損傷する懸念が残る。
また、上記第2の従来例では、主に斜面又は水平面のボウリング孔に設置できるが、ボウリングという大変な作業が必要になり、設置コストも高くなってしまう。
更に、上記第1及び第2の従来例は、共に、対象としている洗掘深度又は洗掘長が大きい場合には、適用の制限を伴うという問題がある。
かかる構成によれば、川底と水平な方向の洗掘も有効に検出することができる上に、洗掘深度又は洗掘長が大きい場合にも適用でき、且つ、低コスト化が可能になる。
かかる構成によれば、光ファイバを構造体に埋め込むことで該光ファイバの耐久性及び信頼性を確保しながらも、該光ファイバを有効に切断することが可能であり、更に、製作時、移動時及び設置時の作業性や施工性が向上する。
かかる構成によれば、光ファイバの耐久性及び信頼性を確保しながらも、該光ファイバを有効に切断することが可能であり、製作時、移動時及び設置時の作業性や施工性を向上させた光ファイバ式洗掘検出システムを提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る光ファイバ式洗掘検出装置及びシステムの全体構成を示す概念図である。図2は、図1に示す光ファイバ式洗掘検出システムにおける1ラインの洗掘検出装置の基本構成を示す図、図3は、図2に示す1ラインの洗掘検出装置における1ブロックの洗掘検出器の縦断面図、図4は、図2に示す1ラインの洗掘検出装置における1ブロックの洗掘検出器の平面図、 図5は、図3及び図4に示す洗掘検出器における光ファイバ収納部の要部を拡大して示す図であり、(a)は光ファイバ収納部を形成するSUS材に蓋を取り付けた状態の横断面図、(b)は光ファイバ収納部を形成するSUS材に蓋を取り付け、更に蓋止め金具を取り付けた状態の横断面図である。
各洗掘検出装置100は、図2に示すように、それぞれ1メートル(m)の長さの洗掘検出器111が30個直列に連結された構成を有している。即ち、1ラインの洗掘検出装置100は、1ブロックの洗掘検出器111が30ブロック連結されて構成されている。
まず、洗掘検出装置100の製作方法について述べる。本実施形態においては、洗掘検出装置100は、比較的長さが長いものを前提にしているため、その組み立ては現地で行うものとする。尚、図1では、各洗掘検出装置100は河川101の棚部(高水敷)103上に置かれたように示したが、本実施形態では、各洗掘検出装置100は棚部(高水敷)103上に略30メートル(m)の長さに亘って数十センチメートル(cm)の深さの穴を掘り、各洗掘検出装置100の組み立てが完了したら、それらの穴に埋め戻した後、整地することで、棚部(高水敷)103上には露出させないで用いるようにする。かかる設置構成をとることで、人や動物が洗掘検出装置100(の各ブロック)に衝突等することによる誤検出を防止し易くなる。
まず、図1に示した河川101の棚部(高水敷)103に、各洗掘検出器111のブロック長毎に切断された光ファイバ収納部1を、その開口した一面を天側にして所定の長さ(例えば、30m)まで複数個並べる。光ファイバ収納部1は、一面(天側)が開口し、光ファイバ13を収納する収納部と、開口を閉塞する蓋部とを有する箱型(溝型)に形成されている。
ここで、各ブロックの一端面には、剪断変形を抑える部材3を光ファイバ収納部1端から少し突出させた状態で、ビスを用いて光ファイバ収納部1に予め取り付けておく。これをもう一つのブロックの別の端面と嵌め合う形で連結していく。
洗掘検出装置100の最初のブロックの先端には、図2に示すように、エンドキャップ15を嵌めることで、後述するセメント充填時にセメントが流出するのを防ぐようにする。また、最後のブロックにも屋外配線用光ケーブル16(内部に光ファイバ13を芯線として含む)用の貫通孔(図示せず)を有するエンドキャップ17を嵌める。
尚、本実施形態では、洗掘検出装置100は水平面から構成される棚部(高水敷)103に設置されるが、洗掘検出装置の設置場所が急斜面であり各ブロック間のずれが予想される場合には、図4に示すように、ブロック間で仮設用の添え木6を両側面に配置し、洗掘検出装置全体の設置が完了するまで、添え木6で固定しておくようにすれば良い。
さらに、U字型のカッター部を有する部材4を剪断変形を抑える部材3にビス等で固定する。
続いて、弛ませた光ファイバ13の状態を保持するためにゴム粘土等の非硬化型ゴム粘土8を光ファイバ13の周りに詰める。例えば、非硬化型ゴム粘土8で光ファイバ13をサンドイッチ状に挟み込み、光ファイバ収納部1の底面に置く。この場合、非硬化型ゴム粘土8は溝型の光ファイバ収納部1の溝高さ方向には蓋2までは詰めずに空間を残しておく。
尚、前述したように、洗掘検出装置100を斜面に設置するような場合、蓋2はセメントミルク9の流出を抑える機能も果たす。セメントミルク9の硬化後、仮設用の添え木6をつけた場合は添え木6を外し、上述したように、洗掘検出装置100を埋め戻した後、整地する。
尚、予め準備する光ファイバ13でセメントミルク9内に位置する部分には、収縮チューブ19等の緩衝材で硬化したセメントの割れの変位を緩和させる層を形成しておく。
また、光ファイバ13の弛みを確保するために、例えば、空間部に工作用のゴム粘土のようなものを入れた後、プラスチックのコップ等を嵌めて、テープで固定して空間部を確保するようにしても良い。即ち、光ファイバ13の弛みを確保する空間部の形成には、非硬化型ゴム粘土又は空間を作る仕切り板、或いはプラスティックのコップの蓋等を用いることが可能である。
以上において、洗掘検出装置100に組み込まれる光ファイバ13としては、例えば、コア径が数μm〜10μm程度、径125μmのシングルモード光ファイバを用いることが可能である。
また、光監視装置であるOTDR112としては、例えば、試験光波長1310nm、パルス幅10ns以上(できるだけ細かく)、空間分解能1m以上(できるだけ短かく)の高分解能形のOTDRを用いることが可能である。尚、OTDRに代えて、後述するFBGを用いる場合にも、洗掘検出装置100としては、以上に述べたのと同様な方法で製作が可能である。
上述した構成を有する本実施形態の光ファイバ式洗掘検出システムでは、光ファイバ13を伝播する光の損失を監視する光監視装置としてのOTDR112(図6及び図7参照)を備えており、増水等に伴う河川101の棚部(高水敷)103の水平方向の洗掘が生じた場合、図1にそのイメージを示すように、洗掘によって水流中又はその上に露出した洗掘検出器111のブロックが水流の抗力又は自重により転倒することにより洗掘検出装置100(残りのブロック)から分離し、分離箇所の光ファイバ13に張力が働き、洗掘検出器111内のカッターのナイフエッジで光ファイバ13が切断されたことをOTDR112により検出することで、当該洗掘検出器111(ブロック)分の長さの洗掘を検出する。
図7に示すように、本実施形態の光ファイバ式洗掘検出システムは、観測小屋109(図1をも参照)内に設けられた観測セクション110と、棚部(高水敷)103や堤防104の法面104Aに設けられた計測セクション120から構成される。観測セクション110は、光監視装置としてのOTDR112と、このOTDR112に接続された制御用PC(Personal Computer)114と、OTDR112に接続され多芯光ファイバケーブル50の各光ファイバ(芯線)13より構成される光チャンネルを選択する光チャンネルセレクタ(3ポート)116とを有している。計測セクション120は、多芯光ファイバケーブル50の光ファイバ(芯線)13を3ラインに分岐する接続(ジョイント)ボックス108と、ライン1、ライン2及びライン3の各ライン、即ち、1ラインから成る光ファイバ13(図1も参照)に、1mの長さになる1ブロックの洗掘検出器111が30個接続され、全長30mになる洗掘検出装置100とを有している。即ち、ライン1、ライン2及びライン3におけるそれぞれの洗掘検出装置100は、先端側のNo.1ブロックから基端側(接続ボックス108側)のNo.30ブロックまで合計30個のブロックから成る洗掘検出器111を有している。
また、本実施形態によれば、例えば、1ラインにつき約1秒で測定が可能であり、光チャンネルセレクタ(3ポート)116の切り替え時間も1ラインにつき約1秒で足りる。
尚、本実施形態では、1ラインの洗掘検出装置100における洗掘検出器111の個数(ブロック数)は30個としたが、30個よりも少なくすることや多くすることは勿論可能である。
さて、河川101の棚部(高水敷)103における洗掘は、河川101の水流部分105の増水等により、図8に破線81、82、83で示すように、棚部(高水敷)103を段階的に侵食する形で発生していく。かかる洗掘(侵食)をどこでどの程度まで発生したかを検知する必要があり、更には、どのぐらいの速さで洗掘(侵食)が進んでいるかまで検知できるのが望ましい。
実験データとして、図9(a)に示すように、OTDR112と、このOTDR112に接続された制御用PC114とを用意し、OTDR112に約500mの長さの光ファイバ13を接続しておき、所定の長さごとにハサミにて切断した場合の光の損失の変化をトレースしてみた。図9(b)に、光ファイバ13の端面切断による端面位置変化に関するOTDR112のトレースデータを示す。図9(c)に、光ファイバ13の累積切断距離に対する図9(b)のトレースデータからの読み値を示す。
図9(b)に示すグラフにおいて、縦軸は反射光量(の低下)をmdBで表し、横軸は光ファイバの長さを表す。500mの場合の基準値に対し、切断長を2m、4m、6m、8m、10m、12m、13m、14m、15m、16mとした場合に、それに応じてトレース波形が変化したことを確認できた。また、図9(c)に示すグラフにおいて、縦軸には図9(b)に示したOTDRトレースデータからの読み値をとり、横軸には光ファイバの累積切断距離をとった結果、略線形の結果が得られることが分かった。即ち、図9(b)に示すグラフにおいて反射光量の立ち上がりの距離を1mずつきって、立ち上がりの位置を測定し、図9(c)に示すグラフにおいて、横軸は切断した距離、縦軸はOTDRで読んだ長さを見ると、行ったものと同じ長さを判別できる。
これにより、OTDR112で計測することにより光ファイバ13の長さが1mずつ短くなったこと、即ち、洗掘検出装置100が1ブロックずつ(各洗掘検出器111ずつ)分離したことを正確に検出可能であることを確認することができた。
各ブロックの接続部は、切れ目があり他の部分より弱くなっており、さらに、光ファイバ13に弛みがあるため光ファイバ13の張力を受けずに比較的小さい力でブロックが傾く、その後、水流の抗力または自重により転倒することによりブロックが分離し、光ファイバ13に張力が働き、剪断変形を抑える部材3、U字型のカッター部を有する部材4のカッターのナイフエッジ部で確実に光ファイバ13を切断することができる。
剪断変形を抑える部材3により横ずれが少ない、また、光ファイバ13の弛みにより、少々の横ずれに対しては、光ファイバ13に張力が働かず(突っ張らずに)、かつ、非硬化型ゴム粘土8がカッターのナイフエッジ部に充填されており、ナイフエッジ近傍の光ファイバ13が動かず、切断することがない(設置時、製作時等)。
各ブロックの内側にセメントミルク9を充填することにより、光ファイバ13を外部環境から隔離でき、流入する砂や小石等による磨耗や衝撃から保護でき、堅牢で信頼性の高い洗掘検出装置を実現できる。
各ブロック(収納部1)が溝型であり、一面が開口しており光ファイバ13の配線およびセメントミルク9の充填作業等の作業性と信頼性が高い。
セメントミルク9内に位置する光ファイバ13は、セメントミルク9が硬化した後割れが発生することが予測される場合には、収縮チューブ19等で割れの変位を緩和吸収させる緩衝層を形成することで、光ファイバ13の割れを防ぐことができる。
尚、ブロック長をOTDRの距離分解能より短くする必要がある場合には、収納部1の溝中央のセメント充填部の空間に、損失が起こらない程度の曲率で光ファイバ13を何巻きかして束ね配し、セメントミルク9を充填することにより、対応できる。
尚、光チャンネルセレクタ(3ポート)116の切り替え時間は、OTDR112を用いた第1の実施形態の光ファイバ式洗掘検出システムと同様に、1ラインにつき約1秒である。しかしながら、本実施形態のFBG波長測定器119を用いた光ファイバ式洗掘検出システムによれば、例えば、1ラインにつき最小で約1/200秒で測定が可能なので、より高速な測定を行うことができる。
本実施形態では、FBGを用いるので、FBGを1つのブロック当たり1個割り当てる、即ち、ある波長を割り当てることで、例えば、測定において200ヘルツ(Hz)ぐらいでサンプリングすれば、リアルタイムで洗掘を監視できる。水平方向の洗掘は比較的早い時間で進んでいくため、早期の検出が必要であるが、FBGはこれに適していると言う事ができる。
ところで、以上に述べた第1及び第2の実施形態に係る光ファイバ式洗掘検出装置及びシステムは、上述したように、河川の川底と水平な方向にある棚部(高水敷)における水平方向の洗掘を検出するものである。水平方向の洗掘であれば、洗掘によりブロックが露出すると、自重により転倒(折れて外れる)するから検出し易いという利点もある。即ち、ブロックが転倒する(倒れて外れる)ために水流の抗力はあまり必要としない。
一方、鉛直(深さ)方向の洗掘を検出する場合には、上端側のブロックから、いわば、だるま落としの様になるから、洗掘検出装置の底部から光ファイバ(ケーブル)を引っ張らなければならないので、洗掘検出装置を敷設する場合には、川底や棚部(高水敷)をかなり深く掘る必要がある。このため、光ファイバ(ケーブル)の配線や敷設が難しくなる。これに対し、本実施形態の洗掘検出装置において、水平方向の洗掘を検出する場合には、例えば、50cmぐらい掘った所に洗掘検出装置を埋め込んで、掘った(開口した)状態で敷設すれば良いので、比較的簡単に光ファイバ(ケーブル)の敷設ができる。
このような状況下、河川等の川底等における鉛直(深さ)方向の洗掘を有効に検出でき、且つ、従来の技術では不十分であった諸問題点を解決した洗掘検出装置又はシステム、即ち、光ファイバを確実に切断すること、また、光ファイバを構造体に埋め込み、切れ易い光ファイバの耐久性・信頼性を確実なものにすること、また、輸送、移動、設置時の操作性、施工性を向上させることが可能な光ファイバ式洗掘検出装置又はシステムの開発が望まれている。
そこで、以下に、図12乃至図22を参照して、かかる鉛直(深さ)方向の洗掘に本発明を適用した第3の実施形態に係る光ファイバ式洗掘検出装置及びシステムについて述べる。
本実施形態の光ファイバ式洗掘検出システムの特徴は、図12(a)に示すように、複数ブロックから成る洗掘検出装置300をその上端面300Aが河川201の棚部(高水敷)207及び208と略同じ高さ(深さ)になるように棚部(高水敷)207及び208に鉛直方向に埋め込み、棚部(高水敷)207及び208に鉛直方向の洗掘を生じると、図12(b)に示すように、露出した上端側のブロック311が水流205の抗力により転倒して内部の光ファイバ312に張力が働き、光ファイバ312がエッジ部に配置したカッターにより切断され、この光ファイバ312の切断(断線)による光の損失をOTDR112で測定することで、洗掘の発生を検出し、また、何ブロック分の光ファイバの切断(断線)が生じたかを判定することで、洗掘の程度をも検出することにある。
各洗掘検出装置300は、図12に示すように、それぞれ所定の長さの洗掘検出器311が複数個直列に連結された構成を有している。即ち、1ラインの洗掘検出装置300は、1ブロックの洗掘検出器311が複数ブロック連結されて構成されている。
洗掘検出装置300は、図13に示すように、10個に分割されたブロック(各洗掘検出器311)から構成されている。各洗掘検出器311は、例えば、それぞれ鉛直方向の長さが200mm(20cm)の内筒302と外筒304を組み合わせ、これらが10個(10段)連結され、全体で鉛直方向の長さが2000mm(2m)となる構成を有している。ここで、内筒302と外筒304は、それぞれ塩化ビニール管により構成され、内筒302は径が60mmで厚さが1.8mmの塩化ビニール管により構成され、外筒304は径が89mmで厚さが2.7mmの塩化ビニール管により構成されている。
尚、図14において、径が0.9mmのビニール被覆光ファイバにより構成される光ファイバ312は、ブロック311−1の1段で1mの長さになるように、内筒302−1の外表面に巻き付けられた上で、ブロック311−2まで伸長され、このブロック311−2でも1mの長さになるように、内筒302−2の外表面に巻き付けられている。尚、各内筒302−1、302−2、・・・・、302−10の外表面には、それぞれ光ファイバ312の巻き付け部分を覆うように、光ファイバ固定及び保護用収縮チューブ307−1、307−2、・・・・、307−10が嵌められている。これら光ファイバ固定及び保護用収縮チューブ307−1、307−2、・・・・、307−10(図13参照)は、後述するように、光ファイバ312の弛みを形成しつつ、露出したブロックが水流の抗力により転倒した場合には、この弛みが解消された上に光ファイバ312に張力が働くように、弛みの両端側を固定する用途を持っている。また、巻き付け部分を中心に光ファイバ312を覆うことで、砂等の異物が内筒302と外筒304間に混入した場合に、光ファイバ312を保護し、その断線(洗掘の発生に起因しない断線)を防止する用途を持っている。
尚、図14に示すように、露出したブロックが水流の抗力により転倒した場合に光ファイバ312に張力が働き、光ファイバ312がエッジ部に配置したカッターにより切断される箇所は、内筒カバー308と内筒カラー306が嵌合し合う箇所になる。
図15及び図16に示すように、上述した内筒カバー308のフランジ部308Aと内筒カラー306の鍔部306Aには、対応する箇所にそれぞれ貫通孔308Ahと306Ahが形成されており、これら貫通孔308Ahと306Ahが合わされて両者が嵌合されることにより、これら貫通孔308Ahと306Ahが合一して、内筒302の外表面に巻き付けられた部分から伸長する光ファイバ312の挿通孔312hが形成されている。この挿通孔312hには、図15及び図16に示すように、挿通孔312hの内周面上に断面三角形状に突起するカッター316が形成されている。このカッター316は、図17(a)及び(b)に示すカッター部材171を2つ用意し、例えば、内筒カバー308のフランジ部308Aと内筒カラー306の鍔部306Aとの接合部の両側から挿通孔312hの中に押し込んで接着剤で固定する、或いは叩き込んで固定することにより、挿通孔312hの内周面上に形成することができる。また、変形例として、図18に示すように、例えば、市販のかみそりの刃186を内筒カバー308のフランジ部308Aと内筒カラー306の鍔部306Aとの接合部に固定することにより、挿通孔312hの内周面上に形成することもできる。
まず、図19に示すように、底板332に筋金334を付けた状態で、最下端の内筒302から最上端の内筒302まで所定個数の内筒302を筋金334の周囲に入れて積み重ねる。最上端の内筒302上に上板336を置き、上板336の上から筋金334に形成されたネジ溝に合わせてナット338を締めると、内筒302を保持できる。続いて、最下端の内筒302の外表面に光ファイバ312を1m分巻いて、フランジ部の挿通孔312hを通して、また、次の内筒302の外表面に光ファイバ312を1m分巻いて、フランジ部の挿通孔312hを通して、また、次の内筒302の外表面に光ファイバ312を1m分巻いて、フランジ部の挿通孔312hを通して、を最上端の内筒302まで繰り返す。尚、図19には、図示しないが、光ファイバ312の巻き付け部分を覆うように、光ファイバ固定及び保護用収縮チューブが嵌められる。或いは、変形例として、セメントミルク9を充填する時に、光ファイバ312が動かないように、光ファイバ312の巻き付け部分をテープ(幅広のテープ)で固定するようにしても良い。
続いて、図21に示すように、各外筒304に2つずつ形成された充填穴342から内筒302と外筒304間にセメントミルク9を充填する。この場合、仕切板95を設けてあるので、セメントミルク9は空間部90にまでは流入しない。或いは、非硬化型ゴム粘土8が詰められている場合には、その部分には流入しない。尚、図16に示すB部において、内筒302のフランジ部分と外筒304の内周面との間にはわずかに隙間があるが、セメントミルク9が流れる程ではない。
尚、各ブロックを結合しておかないと、製作時、輸送時に転倒してしまうと光ファイバ312が断線してしまう虞れがあるので、筋金334で各ブロックを結合しておく。
そして、図22に示すように、洗掘検出装置300の設置時には、セメントミルク9を充填した後の洗掘検出装置300全体を立てておき、筋金334の上部に形成された穴344に心棒346等を入れ、この心棒346等を回して筋金334を抜く。心棒346等を介して筋金334を回すと底板332にネジ込んだ筋金334のボルト部が抜け、筋金334が抜ける。
まず、全方向に対して光ファイバ312が張力を受けずに傾き、光ファイバ312がカッター316に当たり、その後、水流の抗力または自重により転倒することにより、光ファイバ312に張力が働き、少ない力で光ファイバ312を切断することができる。
また、上述したフランジ同士の噛み合い構造により、横ずれが少ない、また、光ファイバ312の弛みにより、少々の横ずれに対しては、光ファイバ312に張力が働かない(突っ張らない)ので、製作時、輸送時、設置時等において、光ファイバ312がカッター316に当たっても、切断することが無い。
また、洗掘が生じてブロックが転倒した場合に光ファイバ312が確実に切断されるように、積極的に、ナイフエッジ様の部材であるカッター316を設けたので、洗掘の検出精度が高まる。尚、切れ易い光ファイバ312(ファイバの芯線)を使っても良いが、切るために積極的にカッター316を設けたので、切れ易くない光ファイバ312(ファイバの芯線)を使うことも可能である。
更に、筋金334により各ブロックを横ずれなしに保持できる。このため、製作時、設置時の取り扱いが楽であり、設置後に筋金334は簡単に取り除くことが可能である。
更に、従来例では、洗掘ではないのに、砂や異物が混入して、折れ易い光ファイバを折ってしまい、洗掘ではないのに洗掘だと誤判断してしまう虞れがあるのに対し、本実施形態の洗掘検出装置300においては、構造的には、内筒302があり、その外表面に光ファイバ312が巻いてあり、その上に外筒304を嵌めてある。また、内筒302と外筒304の間にセメントを充填してあるので、内筒302と外筒304間に砂や異物が混入してしまうことが無い。即ち、光ファイバ312は殆ど露出しているところがないので、砂や異物が混入しても、それによって切断されることが無い。
尚、洗掘検出器(ブロック)は、円筒形のものに代えて断面矩形のものを用いることもできる。但し、円筒形ならば、比較的安価なパイプ材様のものを使えるメリットがある。
101 河川、 102 川底、 103 棚部(高水敷)、104 堤防、
104A 法面、 105 河川の水流部分、106 棚部、
108 接続(ジョイント)ボックス、 109 観測小屋、112 OTDR
Claims (4)
- 光ファイバを用いて監視対象物に生じる洗掘を検出する光ファイバ式洗掘検出装置において、複数連結された箱型のブロックと、これらブロックに略直線的に連通した光ファイバとを備え、前記洗掘が生じることにより隣接して連結されたブロック間に力が作用すると、該ブロック間の連結部で折れ曲がって分離し、前記連結部付近に設けたカッター部材のナイフエッジ部に前記光ファイバが当たって切断されたことを、該光ファイバを伝播する光を監視する光監視装置により検出することで、前記洗掘が生じたことを検出する光ファイバ式洗掘検出装置であって、
前記光ファイバは、前記ブロック中央のセメント充填部分で固定し、ブロック間の連結部付近では、弛みを持たせて柔軟性を有する充填材を充填し、前記ブロック間で折り曲げられ、ブロック間で分離し、たるませた光ファイバが伸ばされることで、前記カッター部材のナイフエッジ部に当り切断されることを特徴とする光ファイバ式洗掘検出装置。 - 請求項1記載の光ファイバ式洗掘検出装置において、前記柔軟性を有する充填材は、主に非硬化型ゴム粘土により構成されることを特徴とする光ファイバ式洗掘検出装置。
- 光ファイバを用いて監視対象物に生じる洗掘を検出する光ファイバ式洗掘検出装置において、
該光ファイバ式洗掘検出装置は、内外筒間にセメントミルクを充填した筒型のブロックを複数連結させた構造をなし、各ブロックの内筒外表面に所定の長さを巻き付け各ブロックで連続につなげた光ファイバを備えると共に、全ブロック間の連結状態を保持する筋金、連結された全ブロックの底板及び上板とを含み、
各ブロックは、前記光ファイバの固定部と、該光ファイバに弛みを持たせて配する空間部と、隣接するブロックと嵌め合わされる嵌合部とを有すると共に、弛みを持たせて配された光ファイバを切断するカッターを前記隣接するブロック間の連結部付近に有し、
洗掘が生じて露出したブロックが水流の抗力により転倒することで前記弛みを持たせて配された光ファイバが張力を受けて前記カッターに当たって切断されたことを、該光ファイバを伝播する光を監視する光監視装置により検出することで、前記洗掘が生じたことを検出することを特徴とする光ファイバ式洗掘検出装置。 - 請求項3記載の光ファイバ式洗掘検出装置が、少なくとも1本のラインを構成する前記光ファイバの所定の間隔ごとで、且つ、前記監視対象物の所定の間隔ごとに複数設けられると共に、前記少なくとも1本のラインを構成する光ファイバを伝播する光を監視する光監視装置を備えていることを特徴とする光ファイバ式洗掘検出システム。
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