JP4429419B2 - 光ファイバセンサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、河岸や海岸、河川堤防や防潮堤等の各種堤体等に設けられることで、堤体等の土砂の崩落、崩壊、決壊等の予兆現象を検出して、防災に寄与する光ファイバセンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、河川堤防や防潮堤等の堤体の崩壊、決壊による災害を回避するには、巡視等を頻繁に行って状況を把握する等の対策が、従来から採られている。ところで、河川堤防や防潮堤等の堤体は、河川の水流や海洋の波涛等によって洗掘されることがあり、この洗掘が進行すると堤体の強度に影響を与え、崩壊、決壊に繋がる可能性がある。このため、堤体の洗掘を巡視等により発見したら、迅速に補修する必要がある。
しかしながら、長大な河岸や海岸等の全長にわたって、巡視による綿密な点検を短時間で行うことは極めて困難である。監視対象である堤防等が、河岸や海岸の複数箇所に設けられている場合でも、これら堤防等の間の移動時間等により、短時間の巡視は困難である。しかも、堤体内部の地質構造は複雑であることから、外部からは見えにくい底部や内部の部分的な土砂の流出等が生じることもあり、これを巡視等の目視点検によって把握することは不可能に近い。また、山間部に設置される堤体では、巡視のための通路等の確保が困難なケースもあり、巡視を随時行うことが困難である。
これに鑑みて、河川堤防等では、水位計やITV(撮像機を用いた監視設備)等の監視設備が設置されている。これら監視設備は、常時監視を実現し、巡視の労苦を解消するものとして、普及している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の監視設備は、いずれも、その設置位置近傍のポイント測定に留まるものであり、堤体をその長手方向の広い範囲にわたって常時監視することはできない。特に、ITV等の撮像装置を用いた監視設備では、大雨等の悪天候下では、監視範囲が一層狭くなってしまう欠点がある。このため、堤体の長手方向の広い範囲にわたって監視を行うには、高価な監視設備を多数設置することとなり、コストが膨大なものになってしまう。
また、防災のために監視設備の設置を特に必要とする地域は、山間部等の気象変化の激しい地域であることが多く、前述したITV等を含む各種の電気的監視装置では、落雷等による誘導電流の影響を受けて故障しやすいといった問題もある。
なお、堤体が設けられていない河岸や海岸そのものに生じる洗掘も、大規模な土砂の流出等の予兆現象として監視することが求められており、安価で効率良く監視できる技術の開発が求められていた。
【0004】
ところで、近年、光ファイバ長手方向の連続的な光損失分布を観測する方法として、光ファイバの後方散乱現象の一つであるレイリー散乱光の強度が光ファイバの光損失に依存することを利用した手法が開発、実用化され、様々なセンシングの用途に応用されつつある。しかし、河川堤防等の各種堤体、地盤斜面、岩盤、橋梁等の建造物等の変位や変形を効率的に計測できる光ファイバセンサは少ない。すなわち、光ファイバセンサは、河川堤防等の各種堤体、地盤斜面、岩盤、橋梁等の建造物等の監視対象物に対する取り付け等の施工性に優れるとともに、監視対象物の変位や変形を光ファイバの曲げや破断に効率良く作用させる構造であることが求められており、このような条件を満たす適当なものが無かった。さらには、防水性や、搬送性に優れることも要求されるため、これら条件を満たす光ファイバセンサの開発が必要であった。
【0005】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、目的位置への施工性、搬送性に優れ、しかも、外力を光ファイバの破断に効率良く作用させることができる光ファイバセンサを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では、それぞれ接続用の光ファイバが引き出されている光ファイバセンサにより、光パルス試験器側の光線路との接続性を確保することで、施工性が向上する光ファイバセンサを提案する。また、分割体や保護材やラミネート材に光ファイバを収納する構造により、湾曲を可能にし、施工性、搬送性の向上を実現している。
【0007】
周知の通り、光ファイバに光を入射すると、当該光ファイバの破断箇所やコネクタ接続箇所でのフレネル反射光や、光ファイバの密度等の微小な不均一による光の散乱(レイリー散乱)によって生じた後方散乱光が光ファイバの入射端に戻ってくることが知られており、光パルス試験器(いわゆるOTDR)から光ファイバへ試験光を入射してから戻り光を受光するまでの時間(以下、「戻り時間」)を計測することで、破断点の位置(光パルス試験器からの距離)を把握できる。光ファイバからは、通常、レイリー散乱光の後方散乱光等の光ファイバ固有の光散乱等による戻り光のみが観測されるが、例えば、この光ファイバが破断すると、光パルス試験器から破断点までのレイリー散乱光の後方散乱光と、破断点からの強いフレネル反射光とが光パルス試験器にて観測され、破断点以後の光ファイバからのレイリー散乱光の後方散乱光が観測されなくなる。これにより、光ファイバの破断が検出されるとともに、フレネル反射光の戻り光の戻り時間から破断点の位置を把握することができる。
光ファイバが破断されなくても、光ファイバが急激に折り曲げられ、この折り曲げ箇所での光損失の増大を観測することで、折り曲げ箇所を検出することが可能である。また、光ファイバの断面方向への潰れ等によっても、光損失が増大が観測される。すなわち、光パルス試験器にて戻り光の強度の急低下が観測される箇所(光パルス試験器への戻り光の戻り時間)から、光ファイバの折り曲げ等の断面方向の変形箇所の存在や、その位置を把握できる。
【0008】
本発明の光ファイバセンサでは、接続用の光ファイバが引き出されている構造により、光パルス試験器側の光線路との接続性に優れているため、光パルス試験器側の光線路(光ケーブル等)を設置位置近くまで引き込んで接続するだけで、光パルス試験器からの入射光に対する戻り光の観測が可能である。また、ラミネート材間に光ファイバを挟み込む簡易な構造でありながら、光ファイバ余長を収納可能であるから、この余長により、光パルス試験器からの戻り光の戻り時間を調整でき、余長を収納した箇所毎に光ファイバの破断検出位置を明瞭にできる等の利点がある。
【0009】
請求項1記載の光ファイバセンサは、可撓性を有する帯状の保護材中に光ファイバが収納され、前記保護材にその幅方向寸法を小さくした連結部を介して連結された分割体が、同一の前記光ファイバに複数直列に形成されてなることを特徴とする。
請求項2記載の光ファイバセンサは、可撓性を有する帯状の保護材中に光ファイバを収納してなるセンサ本体を備え、前記センサ本体は切断により前記保護材の幅方向寸法を小さくした箇所あるいは幅方向への切断が容易になっている切断部が設けられて幅方向へ切断可能になっており、しかも、このセンサ本体の長手方向両端あるいは片端から前記光ファイバが外側へ引き出されていることを特徴とする。
請求項3記載の光ファイバセンサは、可撓性を有するテープ状あるいはシート状の一対のラミネート材の間に光ファイバを両側から挟み込み水密に密閉してなる分割体が、同一の前記光ファイバに複数直列に連設され、しかも、両端に位置する分割体からそれぞれ前記光ファイバが外側へ引き出されていることを特徴とする。
請求項4記載の光ファイバセンサは、可撓性を有するテープ状の一対のラミネート材の間に光ファイバを挟み込んで水密に密閉してなるセンサ本体を備え、このセンサ本体の長手方向両端からそれぞれ前記光ファイバが外側へ引き出されてなり、前記センサ本体は幅方向へ切断可能になっていることを特徴とする。
請求項5の光ファイバセンサは、請求項4記載の光ファイバセンサにおいて、前記センサ本体の長手方向複数箇所あるいは全体に、該センサ本体の幅方向への切断が容易になっている切断部が設けられていることを特徴とする。
請求項6記載の光ファイバセンサは、可撓性を有するテープ状あるいはシート状の一対のラミネート材の間に光ファイバの余長を収納して両側から挟み込み水密に密閉した終端側の余長収納部と、この余長収納部から引き出された光ファイバを一対の前記ラミネート材の間に挟み込んで水密に密閉した複数の分割体とが直列に連設され、前記余長収納部から離間した前記分割体から外側へ前記光ファイバが引き出されていることを特徴とする。 請求項7記載の光ファイバセンサは、可撓性を有するテープ状の一対のラミネート材の間に光ファイバを挟み込んで水密に密閉してなるセンサ本体を備え、このセンサ本体の長手方向一端部にて前記ラミネート材間に確保した終端側の余長収納部内に前記光ファイバの終端の余長を収納し、前記センサ本体の他端部から前記光ファイバが引き出されてなり、前記余長収納部から前記センサ本体他端部までの間が1または複数に切断可能になっていることを特徴とする。
請求項8の光ファイバセンサは、請求項7記載の光ファイバセンサにおいて、前記センサ本体の長手方向複数箇所あるいは全体に、該センサ本体長手方向に比べてこれに垂直の幅方向への切断が容易になっている切断部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光ファイバセンサの実施の形態を図面を参照して説明する。
なお、以下の第1〜第6実施例の光ファイバセンサは、いずれも、河川堤防の洗掘監視装置に適用される。
【0011】
まず、本発明に係る光ファイバセンサが適用される洗掘監視装置を図1を参照して説明する。
図1において、洗掘監視装置1は、川2に沿った河川堤防3に一次、二次光ファイバセンサ4、5を埋設し、これら光ファイバセンサ4、5の光ファイバ4a、5aを、接続ユニット6(光成端箱)を介して、光パルス試験器7(OTDR)側の光ファイバ8(光ケーブル)と接続している。光パルス試験器7と接続された心線選択装置9では、複数本の光ファイバ8を、光パルス試験器7に対して選択的に切替接続する。
一次光ファイバセンサ4は、河川堤防3長手方向に沿って延在されている。二次光ファイバセンサ5は、河川堤防3長手方向に垂直の方向に延在されている。また、二次光ファイバセンサ5は、それぞれ河川堤防3長手方向に垂直の方向に延在される複数の光ファイバセンサ5b、5cを直列に連設し、かつ、これら光ファイバセンサ5b、5cの光ファイバ同士も直列に接続している。図1では、二次光ファイバセンサ5は、2種類の光ファイバセンサ5b、5cを一つずつ接続した構成になっているが、これに限定されず、光ファイバセンサ5bの接続数は2以上とすることができる。二次光ファイバセンサ5の光ファイバ5aは、接続ユニット6側に設置される光ファイバセンサ5bから引き出された光ケーブルである。
接続ユニット6では、光パルス試験器7側の光ファイバ8の1心に対して、光分岐素子(光カプラ)を介して、二次光ファイバセンサ5b側の複数本の光ファイバ5aを分岐接続している。さらに、光ファイバ5aは、接続ユニット6等に確保した余長等によって、互いに長さが異なるようにしておくことで、光パルス試験器7にて観測される戻り光の観測データが光ファイバセンサ5毎に区別可能になっている。
【0012】
以下、本発明に係る光ファイバセンサの第1〜第6実施例を説明する。
一次光ファイバセンサ4や、二次光ファイバセンサ5を構成する光ファイバセンサ5b、5cは、これら第1〜第6実施例の光ファイバセンサのいずれかを選択使用するようになっている。
なお、各実施例の光ファイバセンサにて適用されるラミネート材としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)やナイロン等の樹脂組成物を主材とするテープ状やシート状の例えば熱圧着性のフィルムであって、厚さ数μm〜十μmのフィルムを4、5層積層した構造であることが普通である。また、フィルム間やラミネート材間には、必要に応じて粘層を設ける。特に、密封性、耐久性等を高めるには、金属層を加える等、得たい特性に合わせて、適宜必要な特性を有する薄膜等を積層することが容易なものであることが好ましい。
このラミネート材の間に挟み込まれる光ファイバとしては、UVコーティング光ファイバ素線が普通である。また、カーボンコートファイバ等のハーメティックコート光ファイバの採用も可能である。
以下の各実施例の光ファイバセンサに組み込まれる光ファイバとしては、例えば、コア径数μm〜10μm程度、径125μmのシングルモード光ファイバが採用される。また、光パルス試験器2であるOTDRとしては、例えば、試験光波長1310nm、パルス幅10ns以上(出来るだけ細かく)、空間分解能2m以上(出来るだけ短く)の高分解能形のものを採用する。
【0013】
(第1実施例)
図2に示す光ファイバセンサ10は、可撓性を有するテープ状あるいはシート状の一対のラミネート材11(図3参照)の間に光ファイバ12の余長12aを湾曲収納して両側から挟み込み水密に密閉してなる分割体13が、同一の前記光ファイバ12に複数直列に連設され、しかも、両端に位置する分割体13からそれぞれ外側へ引き出された前記光ファイバ12先端が、光コネクタ17により別の光ファイバとコネクタ接続可能に成端された構成になっている。隣り合う分割体13間には光ファイバ12が引き通されている。各分割体13内に収納される光ファイバ12の余長12aには、光パルス試験器2の測定分解能に対応して、分割体13が判別可能な程度の長さが確保され、巻回するようにして分割体13内に収納される。
隣り合う分割体13間は、連結部14を介して連結されている。この連結部14は、各分割体13を形成するラミネート材11が連続されたものであり、各分割体13に比べて幅方向寸法(光ファイバセンサ10の長手方向に垂直の方向)が小さくなっており、外力に対して裂けるようにして切断されやすくなっている。但し、連結部14は、光ファイバセンサ10長手方向への引張力に対しては引張耐力を発揮するため、光ファイバセンサ10は布設作業性に優れる等の利点がある。分割体13間を引き通される光ファイバ12は、連結部14内に収納されており、防水性が確保されている。
前記分割体13は、光ファイバ12を収納した帯状のラミネート材を適宜切断したり、予め目的形状に成形したラミネート材11に光ファイバ12を挟み込むようにして収納して形成される。前者の場合は、連結部14が残されるようにラミネート材を切断して分割体13を形成する。後者の場合は、ラミネート材11に予め連結部をも形成しておく。ラミネート材11は、光ファイバ12の保護材として機能する。なお、分割体13間は、連結部14に形成された連結部14を中心として屈曲可能であるから、例えば、図10に示すようなドラム35への巻付け等に有利である。但し、連結部14を中心とする分割体13間の屈曲は、ラミネート材11の曲げ強度等により、両分割体13間に引き通されている光ファイバ12を湾曲させる程度とされ、光ファイバ12を折り曲げて断線させない範囲である。
【0014】
両端に位置する分割体13からそれぞれ外側へ引き出された前記光ファイバ12は、両端に位置する分割体13の外側に配置された端部プレート13aを貫通してその外側へ引き出され、端部プレート13aから引き出された部分は、防水性の外被によって被覆された光ケーブル15になっている。また、光ファイバ12の引出基端部は、補強パイプ16に収納、保護されている。
【0015】
図3に示すように、この光ファイバセンサ10(後述の光ファイバセンサ23を成形して得られた光ファイバセンサ10をも含む)の分割体13は、両側から取り付けられるプレート状の一対のカバー18間に挟み込まれるようにして保護される。カバー18は、硬質のプラスチックや鋼材等からなり、内側に挟み込んだ分割体13、特に、分割体13内の光ファイバ12やその余長12aに衝撃力等が作用することを防止する。また、カバー18は、分割体13側に貫通される位置決めピン19や、ネジ20によって、分割体13に対して位置決めして取り付けられることで、中央部を貫通する凹溝21が分割体13の中央部に配置され、この凹溝22の両側の押圧部22が分割体13の中央部を避けて両側部に当接されるようになっている。したがって、分割体13にカバー18を取り付けても、分割体13の中央部に収納した光ファイバ12やその余長12aには、押圧力は作用せず、光ファイバ12の光特性に変化を来すといった不都合が防止される。一方、分割体13の両側部は、両側のカバー18の押圧部22間に挟み込まれるため、圧着されたラミネート材11、11同士間の剥離が防止される。
カバー18は、前記凹溝22に対応する突部が外側に突出されているため、河川堤防3の土砂等に埋設した時に土砂との定着性に優れ、洗掘に伴う土砂の移動等の変位を効率良く分割体13に伝達できる。なお、カバーは、図示した形状に限定されず、さらに凹凸を多く有して土砂との定着性を図ったもの等も採用可能である。
なお、このカバー18の寸法は、分割体13と略一致されている。
【0016】
(第2実施例)
図4に示す光ファイバセンサ23は、可撓性を有するテープ状の一対のラミネート材11(図3参照)の間に光ファイバ12を挟み込んで水密に密閉してなるセンサ本体23aを備え、このセンサ本体23aの長手方向の互いに離間した複数箇所にて前記ラミネート材11間に確保した余長収納部23b内に前記光ファイバ12の余長12aを湾曲収納し、前記センサ本体23aの長手方向両端から引き出した前記光ファイバ12先端をそれぞれ光コネクタ17によりコネクタ接続可能に成端したものである。
光ファイバ12のセンサ本体23aから引き出された部分は光ケーブル15になっていること、引出基端部が補強パイプ16内に収納、保護されていることは、前記光ファイバセンサ10と同様である。
この光ファイバセンサ23aのセンサ本体23aを、図4中破線で示した切断線23cに従って切断する(但し図2の連結部14を残すようにする)と、図2の光ファイバセンサ10が得られる。切断線23cは、予めマーキングされていても良いが、光ファイバセンサ23aの布設後、適宜、河川堤防3の地質等に合わせて設定するようにしても良い。すなわち、センサ本体23aの切断位置は、光ファイバセンサ23の施工現場への搬入後に、現場での監視位置に合わせて適宜選択できる。例えば、河川堤防3に設けられた階段や道路等の設備の近くでは洗掘の進行が一様で無いため、洗掘の生じやすい部分に切断線23cを設定して、洗掘発生時に光ファイバ12を確実に破断させて洗掘を検出できるようにする必要がある。
センサ本体23aは、鋏やカッター等の手工具で、簡単に切断できるようにしておくことが好ましい。
この光ファイバセンサ23は、図1の光ファイバセンサ10に成形して使用する。
【0017】
(第3実施例)
図5に示す光ファイバセンサ23dは、図4に示した光ファイバセンサ23のセンサ本体23aの長手方向複数箇所に、他の部分に比べて該センサ本体23a長手方向に垂直の幅方向への切断が容易になっている切断部23eを設けたものである。
前記切断部23eとしては、センサ本体23a長手方向への引張強度に優れ、かつ、センサ本体23a幅方向には切断が容易なものが採用される。
例えば、切断部23eのラミネート材11の表面全体を粗くしたり、センサ本体23a幅方向に延びる微小な溝や微細孔を多数形成した構成等が採用可能である。また、切断部23eには、光ファイバセンサ23dの現場布設前に予め小さい切り込み等を設けておいても良い。これにより、例えば、鋏等を使用せずに、手で簡単に切断することも可能になり、現場布設後の切断を短時間で行えるようになる。
この光ファイバセンサ23dの切断部23eの一部を切断して連結部14を残すようにすると、光ファイバセンサ10のように複数の分割体が形成され、光ファイバセンサ10と同様に用いることができる。
光ファイバセンサ23dは、切断部23eを切断して目的の設置場所に設置しても良いが、切断部23eに切り込みのみを入れた状態で設置しても良い。この場合でも、外力によって切断部23eが裂くようにして簡単に切断され、光ファイバ12が破断される。
【0018】
(第4実施例)
図6に示すように、光ファイバセンサ24は、可撓性を有するテープ状あるいはシート状の一対のラミネート材25(図7参照)の間に光ファイバ26の終端の余長26aを湾曲収納して両側から挟み込み水密に密閉した終端側の余長収納部27と、この余長収納部27から引き出された光ファイバ26を一対の前記ラミネート材25の間に挟み込んで水密に密閉した複数の分割体28、28aとが直列に連設された構造になっている。終端の余長26aの端部は、終端処理されている(例えば無反射端とする)。ラミネート材25は、光ファイバ26の保護材として機能する。
【0019】
光ファイバ26は、余長収納部27から複数の分割体28、28aに引き通すようにして連通されている。
接続ユニット6に最も近い分割体28aから外側へ引き出された光ファイバ26は、防水性の外被によって被覆された光ケーブル29になっている。光ケーブル29の引出基端部は、補強パイプ30内に収納、保護されている。光ケーブル29の先端は、光コネクタ31によりコネクタ接続可能に成端されている。
【0020】
余長収納部27と分割体28との間、各分割体28、28aとの間は、連結部32を介して連結されている。この連結部32は、各分割体28、28aを形成するラミネート材25が連続されたものであり、各分割体28、28aに比べて幅方向寸法(光ファイバセンサ24の長手方向に垂直の方向)が小さくなっており、外力に対して裂けるようにして切断されやすくなっている。但し、連結部32は、光ファイバセンサ24長手方向への引張力に対しては引張耐力を発揮するため、光ファイバセンサ24は布設作業性に優れる等の利点がある。連結部32でも、光ファイバ26の防水性は確保される。
余長収納部27や、各分割体28、28aは、光ファイバ26を収納した帯状のラミネート材を適宜切断したり、予め目的形状に成形した一対のラミネート材25に光ファイバ26を挟み込むようにして収納して形成される。前者の場合は、連結部32が残されるようにラミネート材を切断して余長収納部27や、各分割体28、28aを形成する。後者の場合は、ラミネート材25に予め連結部をも形成しておく。ラミネート材25は、光ファイバ26の保護材として機能する。なお、余長収納部27と分割体28との間、各分割体28、28a間は、連結部32を中心として屈曲可能であるから、例えば、図10に示すようなドラム35への巻付け等に有利である。但し、連結部32を中心とする分割体28、28a間や余長収納部27と分割体28との間の屈曲は、ラミネート材25の曲げ強度等により、分割体28、28a間や余長収納部27と分割体28との間に引き通されている光ファイバ26を湾曲させる程度とされ、光ファイバ26を折り曲げて断線させない範囲である。
【0021】
図7に示すように、光ファイバセンサ24(後述の光ファイバセンサ24aから成形したものも含む)の余長収納部27には、両側から挟み込むようしてカバー18が取り付けられる。カバー18は、位置決めピン19やネジ20が余長収納部27に貫通されることで位置決めして取り付けられ、その凹溝21が余長収納部27中央部に位置決めされることで、余長収納部27中央部に収納されている光ファイバ26やその余長26aを押圧力を与えること無く保護するようになっている。各分割体28、28aについても、同様にカバー18が両側から挟み込むようにして取り付けられるが、これら分割体28、28aに取り付けられるカバーとしては、分割体28、28a中央部に引き通されている光ファイバ26の押圧を回避すれば良いから、凹溝が小さいものを採用することが可能である。
【0022】
(第5実施例)
図8に示す光ファイバセンサ24aは、可撓性を有するテープ状の一対のラミネート材25の間に光ファイバ26を挟み込んで水密に密閉してなるセンサ本体33を備え、このセンサ本体33の長手方向一端部にて前記ラミネート材25間に確保した終端側の余長収納部27a内に前記光ファイバ12の終端の余長12aを湾曲収納したものである。光ファイバ12は、余長収納部27からセンサ本体33の全長を貫通して、前記余長収納部27とは逆側の端部から引き出されている。この光ファイバ12のセンサ本体33から引き出された部分は光ケーブル29になっていること、引出基端部が補強パイプ30内に収納、保護されていること、光コネクタ31によりコネクタ接続可能に成端されていることは、前記光ファイバセンサ24と同様である。
この光ファイバセンサ24aのセンサ本体33を、図8中破線で示した切断線34に従って切断する(但し図6の連結部14を残すようにする)と、図6の光ファイバセンサ24が得られる。切断線34は予めマーキングされていても良いが、現場への布設後に設定するようにしても良い。センサ本体33の切断位置は、光ファイバセンサ24aの施工現場への搬入後に、現場での監視位置に合わせて適宜設定できる。この光ファイバセンサ24aは、図6の光ファイバセンサ24に成形して使用する。
【0023】
(第6実施例)
図9に示す光ファイバセンサ36は、図8の光ファイバセンサ24aの前記センサ本体33の長手方向複数箇所に、他の部分に比べて該センサ本体33長手方向に垂直の幅方向への切断が容易になっている切断部37が設けられているものである。切断部37は、第3実施例の光ファイバセンサ23dの切断部23eと同様であり、センサ本体33長手方向への引張強度に優れ、かつ、センサ本体33長手方向に垂直の幅方向へは切断が容易な構造になっている。この切断部37も、鋏等の手工具の使用や手作業により、簡単に切断できるようになっている。この光ファイバセンサ36の切断部37の一部を切断して図6の連結部32を残すようにすると、光ファイバセンサ24のように余長収納部と分割体とが形成され、光ファイバセンサ24と同様に用いることができる。光ファイバセンサ36は、切断部37を切断して目的設置場所に設置しても良いが、切断部37に切り込みだけを入れて設置しても良い。
【0024】
図1記載の光ファイバセンサ4、5cとしては、第4、第5、第6実施例の光ファイバセンサ24、24a、36が採用され、光ファイバセンサ5bとしては、第1、第2、第3実施例の光ファイバセンサ10、23、23dが採用される。
二次光ファイバセンサ5を構成する光ファイバセンサ5b、5c間では、光ケーブル15、29同士が接続されることで、接続ユニット6から遠い光ファイバセンサ5cをも光ファイバセンサ5bを介して接続ユニット6に接続することができる。したがって、接続ユニット6と光ファイバセンサ5cとの間には、光ファイバセンサ5bを2以上介在させることも可能である。
光ファイバセンサ4についても、接続ユニット6との間に、例えば、第1実施例の光ファイバセンサ10等を複数接続可能である。
【0025】
図10(a)、(b)に示すように、光ファイバセンサ10、23、23d、24、24a、36は、カバー18の取り付け前であれば、ドラム35に巻いた状態で、通常の光ケーブルと同様に搬送できる(図10(a)参照。図10(a)、(b)では、光ファイバセンサとして光ファイバセンサ23を例示した)。また、ドラム35から巻き出して布設することで、目的の設置位置へ設置できるので、これも通常の光ケーブルの布設と同様の作業により行える(図10(b)参照)。このため、搬送や、設置には、通常の光ケーブル用の設備を使用でき、作業性を向上できる。
さらに、光ファイバセンサ10、23、23d、24、24a、36は柔軟性に優れるため、湾曲が容易であり、例えば、接続ユニット6内への余長の湾曲収納も、通常の光ケーブルと同様に行うことができる。これら光ファイバセンサ10、23、23d、24、24a、36側の光ケーブル15、29を、接続ユニット6内にて、光パルス試験器7側の光ファイバ8とコネクタ接続する作業も、通常の成端光ケーブルの光ファイバ接続と同様に行うことができる。
【0026】
図1の一次光ファイバセンサ4として、図6に示した光ファイバセンサ24を採用すると、この光ファイバセンサ4の分割体28、28a並びに余長収納部27は、当初、直列になっているが、例えば、河川堤防3の洗掘に伴う土砂の移動や川2の水流との接触等により変位した分割体28と、洗掘による影響を受けず変位していない分割体28との間で位置ずれが生じると、連結部32が切断され、両分割体28間に連通されている光ファイバ26が破断される。隣り合う分割体28間では、連結部32を中心として分割体28が回転するような変位が容易に発生する状態にあり、僅かな外力によっても光ファイバ26が確実に破断するようになっている。
ここで、光パルス試験器7にて、光ファイバセンサ24の光ファイバ26への入射光の戻り光を観測すれば、破断によるフレネル反射光が観測され、光ファイバ26の破断が検出され、洗掘が生じたことを把握できる。また、戻り光の戻り時間から光ファイバ26の破断箇所が判り、洗掘発生位置の概略を知ることができる。この場合は、各分割体28が川2に沿って連設されることから、河川堤防3長手方向の洗掘位置を把握できる。
この光ファイバセンサ24では、終端側の余長収納部27に光ファイバ26の終端の余長26aを集中的に収納しているため、光ファイバ26の破断前には、余長収納部27内に収納されていた余長26aからの戻り光が観測されているが、分割体28の変位によって光ファイバ26が破断されると、前記余長26aからの戻り光が観測されなくなり、洗掘が検出される。ここで、各分割体28には、光ファイバ26の余長を収納せずに引き通しているので、この光ファイバセンサ24では、フレネル反射の有無、余長26aからの戻り光の有無によって光ファイバ26の破断、すなわち、洗掘を検出する。分割体28毎には、光ファイバ26の破断位置を計測しない。このため、分割体28の設置数や大きさは、例えば、分割体毎に光ファイバの余長を収納した光ファイバセンサ10(図2参照)に比べてさらに自由であり、洗掘監視に適する位置に分割体28を設置することが容易になり、監視精度を向上できる。
【0027】
前記光ファイバセンサ24を図1の二次光ファイバセンサ5の光ファイバセンサ5cとして採用した場合、接続ユニット6にて、光パルス試験器7側の1心の光線路に対して分岐接続された、光ファイバセンサ側の複数の光線路は、各光ファイバセンサ24の光ファイバ26の余長を互いに長さが異なるようにして接続ユニット6内に収納することで区別できるようにする。光パルス試験器7では、これら光ファイバ26の長さに対応して、戻り光強度の段差が観測されるから、これにより各光ファイバ26が区別される。光ファイバ26が破断すると、光ファイバ26の光パルス試験器7から遠い側の先端(終端)からの戻り光が観測されなくなって前記段差が消滅するとともに、破断位置からのフレネル反射光が観測される。光ファイバ26の破断状態によっては、フレネル反射光が弱く、観測が困難なことがあるが、各光ファイバ26終端からの戻り光の有無を観測することで、洗掘等の異常発生を把握できる。
これにより、光パルス試験器7側は1心の光線路のみで、複数の光ファイバセンサ24の洗掘検出を監視することができる。この場合、光ファイバセンサ24が検出するものは、河川堤防3長手方向に垂直の方向の洗掘深さである。
なお、各光ファイバ26終端は、無反射端としておく。これにより、光ファイバ26の破断時のフレネル反射光や、光ファイバ26終端からの戻り光の観測が容易になる。
【0028】
図1中、二次光ファイバセンサ5の接続ユニット6と光ファイバセンサ5cとの間に介在される光ファイバセンサ5bとして、図2に示した光ファイバセンサ10を採用すると、洗掘の進行に伴い、隣り合う分割体13間に変位が生じて、連結部14が裂くようにして切断され、両分割体13間に連通されている光ファイバ12が破断されると、光パルス試験器7からの入射光の戻り光の観測により、光ファイバ12の破断が検出される。しかも、検出した破断箇所からの戻り光の戻り時間から、洗掘深さを把握できる。この光ファイバセンサ10においても、分割体13間は連結部14により相対変位が生じやすい構造になっているから、僅かな外力によっても光ファイバ12を確実に破断させることができる。
【0029】
ここまで、各実施例の光ファイバセンサの光ファイバの破断検出を以って洗掘検出とした例を説明したが、洗掘発生時の外力によって光ファイバに生じた折り曲げや潰れ等の断面方向の変形を検出することで、洗掘を検出することも可能である。光パルス試験器2であるOTDRは、破断以外の折り曲げや潰れ等によって光ファイバの光損失が増大したことを、光ファイバからの戻り光強度から検出することができ、しかも、損失増大によって戻り光強度が低下した箇所の位置(光パルス試験器2からの距離)を、戻り光の戻り時間から計測して把握できる。これにより、破断点の検出と同様に、洗掘の有無、洗掘箇所の位置の把握が可能である。破断点検出との違いは、折り曲げや潰れ等の発生した箇所以後(折り曲げや潰れ等の発生した箇所よりも光パルス試験器2から遠い箇所の光ファイバ)の光ファイバからの戻り光も観測され得ることであり(この戻り光が観測されない場合もある)、それ以外は、破断点検出と同様である。
また、破断検出でも、光ファイバの破断面形状によっては、充分な強度のフレネル反射光が発生しない場合があり、この場合には、破断点以後の光ファイバからの戻り光が無いことで破断を確認できる。
光パルス試験器2では、破断点発生によるフレネル反射光と、折り曲げや潰れ等の非破断の断面方向の変形による損失増大のいずれかが観測されるのであり、いずれにしても、戻り光の観測データから、洗掘検出、洗掘発生位置の把握が可能である。
【0030】
前記各実施例にて説明したように、本発明に係る光ファイバセンサは、ラミネート材間に光ファイバを挟み込む構造であるので、軽量かつ柔軟性、防水性に優れる。したがって、施工性、搬送性が向上する。地中に埋設される場合でも、光ファイバの光特性を安定に維持できる。
また、各実施例記載の光ファイバセンサでは、接続用に引き出された光ファイバが光コネクタによってコネクタ接続可能に成端されているから、接続ユニットにて光パルス試験器側の光ファイバや、別の光ファイバセンサの光ファイバと、コネクタ接続により簡単に接続でき、破断監視用の光線路を簡単に構築することができる。
また、第2、第3、第5、第6実施例記載の光ファイバセンサ23、23d、24a、36では、センサ本体長手方向の切断位置によって光ファイバ破断位置を自由に設定できるから、河川堤防3の土砂等の変位観測に最適の位置(土砂等の変位が光ファイバの破断として効率良く作用する位置)に光ファイバ破断位置を設定して、洗掘の検出精度を向上することが可能である。第1、第2実施例の光ファイバセンサ10、24でも、分割体や、分割体の大きさ等により、光ファイバ破断位置を細かく設定することが可能である。
【0031】
なお、本発明は、前述の各実施例に限定されず、各種変更が可能である。
例えば、図2、図6の光ファイバセンサ10、24では、分割体13同士の間や、分割体28、28a同士の間では、連結部14、32に光ファイバ12、26を連通させているが、これに限定されず、連結部14、32から離間した所に連通させて、分割体13間や分割体28、28a間の相対変位量がより有効に光ファイバ12、26の破断に作用させることも可能である。但し、この場合、光ファイバ12、26には、別途、防水のための部材を設ける必要がある。
また、本発明に係る光ファイバセンサは、河川堤防以外、防潮堤等の各種堤体、地盤斜面、岩盤、橋梁等の大型建造物等であっても良い。すなわち、この光ファイバセンサは、変位検出センサとして、各種対象物に対して幅広く適用可能である。
切断部は、光ファイバセンサのセンサ本体長手方向の特定箇所のみならず、センサ本体長手方向全体にわたって設けても良い。これにより、光ファイバ破断位置を一層自由に設定でき、監視対象物の形状、性質等に対応して光ファイバ破断位置を設定することが容易になり、監視精度を向上させることができる。
前記各実施例の分割体、端部プレート、余長収納部、センサ本体等は、一対のラミネート材の間を接着剤により接着すること等により、優れた防水性が得られる。センサ本体以外の分割体、端部プレート、余長収納部体は、一対のラミネート材の全面の接着に限らず、周囲のみの圧着や接着によっても防水性を確保できる。センサ本体については、切断後にも防水性が確保する必要から、一対のラミネート材の周囲のみならず、その内部においても接着されていることが好ましい。また、切断と合わせて、切り口を圧着や接着、防水材の充填等により塞ぐようにしても良い。
【0032】
請求項1、2の光ファイバセンサの具体的構成としては、例えば、端部に位置する分割体や、センサ本体から外側へ引き出される光ファイバが存在しない構成も採用可能である。すなわち、これら請求項1、2に係る光ファイバセンサとしては、適宜、分割体やセンサ本体を除去することで、外側へ引き出される光ファイバが露出され、分割体やセンサ本体の除去量によって、その長さが調整され得る構成等も含まれる。また、請求項1、2に係る光ファイバセンサの分割体や保護材としては、ラミネート材に限定されず、例えば、光ファイバ素線を直接埋設した帯状樹脂材等も含まれる。また、請求項2記載の光ファイバセンサの保護材は、長手方向に垂直の幅方向へ切断可能とし、例えば、手作業や手工具等で簡単に切断できる切断部を長手方向複数箇所に備える構成等が採用可能であることは言うまでも無い。
【0033】
【発明の効果】
請求項1記載の光ファイバセンサによれば、単純構成により低コスト化できる。また、隣り合う分割体間にて光ファイバが破断されたり折り曲げられることで、光ファイバへの光パルス試験等によって光ファイバ破断位置や折り曲げ位置を分割体単位で容易に把握でき、外力の作用した箇所が容易に判る。分割体の光ファイバ長手方向に沿った寸法調整や、設置位置の調整等を行うことで、例えば、監視対象物の変位観測等を効率良く行うことができる。
請求項2記載の光ファイバセンサは、外力の作用する箇所、例えば、変位を監視する監視対象物の位置等に対応させて、切断位置を自由に設定することができる。センサ本体の切断後には、切断されたセンサ本体の各部が請求項1記載の光ファイバセンサの分割体と同様に働くため、例えば、監視対象物の変位観測等を効率良く行うことができる。この光ファイバセンサも単純構成により低コスト化できる。
【0034】
請求項3から8記載の光ファイバセンサによれば、ラミネート材間に光ファイバを挟み込む構造であるので、軽量かつ柔軟性、防水性に優れる。したがって、施工性、搬送性が向上するといった優れた効果を奏する。
請求項3記載の光ファイバセンサによれば、一対のラミネート材の間に光ファイバを収納して両側から挟み込み水密に密閉してなる分割体を複数直列に連設した構造により、隣り合う分割体間にて光ファイバが破断または折り曲げられることで、光ファイバへの光パルス試験等によって光ファイバ破断位置や折り曲げ位置を分割体単位で容易に把握でき、外力の作用した箇所が容易に判る。分割体の光ファイバ長手方向に沿った寸法調整や、分割体の設置位置の調整等を行うことで、例えば監視対象物の変位観測等を効率良く行うことができる。
請求項4記載の光ファイバセンサによれば、設置現場にて、監視位置に合わせてセンサ本体の切断位置を決めることで光ファイバの破断位置や折り曲げ位置を設定できるので、対象物の変位の監視精度を向上できる。
請求項5記載の光ファイバセンサによれば、センサ本体幅方向への切断が容易な切断部によって、光ファイバ破断位置や折り曲げ位置を簡単に設定できるよになり、対象物の変位の監視精度を向上できる。
請求項6記載の光ファイバセンサによれば、余長収納部に集中的に光ファイバの余長を収納することで、複数直列に連設される分割体の寸法を自由に設定できるようになり、対象物の変位の監視精度を向上できる。
請求項7記載の光ファイバセンサによれば、センサ本体の切断位置によって、設置現場にて、監視位置に合わせて光ファイバの破断位置や折り曲げ位置を設定できるので、対象物の変位の監視精度を向上できる。
請求項8記載の光ファイバセンサによれば、センサ本体幅方向への切断の容易な切断部によって、光ファイバ破断位置や折り曲げ位置を簡単に設定できるよになり、対象物の変位の監視精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光ファイバセンサが適用される洗掘監視装置の全体を示す光配線図である。
【図2】 本発明の第1実施例の光ファイバセンサを示す平面図である。
【図3】 図2の光ファイバセンサに適用されるカバーを示す斜視図である。
【図4】 本発明の第2実施例の光ファイバセンサを示す平面図である。
【図5】 本発明の第3実施例の光ファイバセンサを示す平面図である。
【図6】 本発明の第4実施例の光ファイバセンサを示す平面図である。
【図7】 図6の光ファイバセンサに適用されるカバーを示す斜視図である。
【図8】 本発明の第5実施例の光ファイバセンサを示す平面図である。
【図9】 本発明の第6実施例の光ファイバセンサを示す平面図である。
【図10】 図4の光ファイバセンサをドラムに巻いた状態を示す斜視図であって、(a)は搬送時、(b)は布設時を示す。
【符号の説明】
10…光ファイバセンサ、11…ラミネート材(保護材)、12…光ファイバ、12a…余長、13…分割体、23…光ファイバセンサ、23a…センサ本体、23b…余長収納部、23d…光ファイバセンサ、23e…切断部、24…光ファイバセンサ、24a…光ファイバセンサ、25…ラミネート材(保護材)、26…光ファイバ、26a…余長、27,27a…余長収納部、28,28a…分割体、33…センサ本体、36…光ファイバセンサ、37…切断部。

Claims (8)

  1. 可撓性を有する帯状の保護材(11、25)中に光ファイバ(12、26)が収納され、前記保護材にその幅方向寸法を小さくした連結部(14)を介して連結された分割体(13、28、28a)が、同一の前記光ファイバに複数直列に形成されてなることを特徴とする光ファイバセンサ(10、24)。
  2. 可撓性を有する帯状の保護材(11、25)中に光ファイバ(12、26)を収納してなるセンサ本体(23a、33)を備え、前記センサ本体は切断により前記保護材の幅方向寸法を小さくした箇所あるいは幅方向への切断が容易になっている切断部(23e、37)が設けられて幅方向へ切断可能になっており、しかも、このセンサ本体の長手方向両端あるいは片端から前記光ファイバが外側へ引き出されていることを特徴とする光ファイバセンサ(23d、36)。
  3. 可撓性を有するテープ状あるいはシート状の一対のラミネート材(11)の間に光ファイバ(12)を両側から挟み込み水密に密閉してなる分割体(13)が、同一の前記光ファイバに複数直列に連設され、しかも、両端に位置する分割体からそれぞれ前記光ファイバが外側へ引き出されていることを特徴とする光ファイバセンサ(10)。
  4. 可撓性を有するテープ状の一対のラミネート材(11)の間に光ファイバ(12)を挟み込んで水密に密閉してなるセンサ本体(23a)を備え、このセンサ本体の長手方向両端からそれぞれ前記光ファイバが外側へ引き出されてなり、前記センサ本体は幅方向へ切断可能になっていることを特徴とする光ファイバセンサ(23)。
  5. 前記センサ本体の長手方向複数箇所あるいは全体に、該センサ本体の幅方向への切断が容易になっている切断部(23e)が設けられていることを特徴とする請求項4記載の光ファイバセンサ(23d)。
  6. 可撓性を有するテープ状あるいはシート状の一対のラミネート材(25)の間に光ファイバ(26)の余長(26a)を収納して両側から挟み込み水密に密閉した終端側の余長収納部(27)と、この余長収納部から引き出された光ファイバを一対の前記ラミネート材の間に挟み込んで水密に密閉した複数の分割体(28、28a)とが直列に連設され、前記余長収納部から離間した前記分割体から外側へ前記光ファイバが引き出されていることを特徴とする光ファイバセンサ(24)。
  7. 可撓性を有するテープ状の一対のラミネート材(25)の間に光ファイバ(26)を挟み込んで水密に密閉してなるセンサ本体(33)を備え、このセンサ本体の長手方向一端部にて前記ラミネート材間に確保した終端側の余長収納部(27a)内に前記光ファイバの終端の余長(26a)を収納し、前記センサ本体の他端部から前記光ファイバが引き出されてなり、前記余長収納部から前記センサ本体他端部までの間が1または複数に切断可能になっていることを特徴とする光ファイバセンサ(24a)。
  8. 前記センサ本体の長手方向複数箇所あるいは全体に、該センサ本体長手方向に比べてこれに垂直の幅方向への切断が容易になっている切断部(37)が設けられていることを特徴とする請求項7記載の光ファイバセンサ(36)。
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